今月のソロプレイは、昨年、80周年だったD-DAYにおける、イギリス第6空挺師団による橋梁確保を描いた「PEGASUS BRIGDE」(S&T)です。ユニットは小隊単位で、車輌は1ユニットという作戦戦術級です。これが、ソロアイテムなんですが、マップが実に美しく。グラフィックは、80年代の国内ゲームのパッケで著名なロジャー・マクゴワン氏。グライダー降下する空挺部隊に、ピアット、ガモン爆弾、ドイツ軍の掩体壕に、Ⅳ号戦車、将校の乗ったメルセデスベンツなど、ワクワクするユニットが満載です。
T0
 シークエンスは、回復-イギリス軍移動-ドイツ軍移動-イギリス軍射撃-ドイツ軍射撃-白兵戦-橋梁の爆薬除去・修復と、シンプルです。が、敵が隣接または同一ヘクスに進入すると、臨機射撃が行えるため、どの順でユニットを行動させるのか、イギリス軍は知恵を絞ります。
 VPは橋梁の確保と掩体壕の掃討、捕虜、機関銃・対戦車砲の捕獲、戦車の破壊などで、イギリス軍がどのくらい得点するかによって、ドイツ軍勝利からイギリス軍圧倒的勝利まで幅があります。圧倒的勝利には66点という高得点が必要なため、イギリス軍はほぼ損害を押さえないと、辿り着きません。なお、このため、グライダーの着陸失敗については、VPに換算しないことを勧めます。(確率的に1機は失敗するはずですが、これだけで6-8VPがマイナスになり、圧倒的勝利がなくなるため)
 なお、射撃(火器による攻撃)、掩体壕への進入と支配、捕獲が明確でなかったため、以下のオリジナル解釈をしています。
a.射撃
 ・ガモン爆弾の投擲、手榴弾攻撃は、イギリス軍移動フェイズに移動力を消費して行う。
 ・戦車砲・対戦車砲は、射撃フェイズのみ、射撃ができる。ピアットも同様である。
 ・臨機射撃ができるのは、小銃と機関銃(戦車の機関銃を含む)のみである。
b.敵の掩体壕への進入と支配
 ・敵支配下の掩体壕に進入するには、そこが空でなければならない。敵を除去(空に)  するためには、射撃または手榴弾攻撃で、敵を除去しなければならない(掩体壕に籠  もっている敵には白兵戦はできない、と解釈する)。
 ・イギリス軍は、敵の掩体壕に進入しても、掩体壕の掃討を行わなければ、支配はでき  ない。
c.捕獲
 ・ドイツ軍の機関銃及び対戦車砲は、そこに敵がいなければ、捕獲できる。
 今回は、はじめてのプレイのため、オプションの兵力のランダム決定は使用せず、史実通りの配置とします。
5つのグライダー隊
増援のCoffin隊
 第1ターン、史実に沿って、Hopper隊と工兵を載せたグライダーが着陸失敗としたため、それ以外の5機のグライダーがマップを進行します。
 北側から進入した3機のグライダーは、第2グライダーが最大の7マスを進んで降着します。それ以外も、3マスと4マスと平均前後の距離で進入に成功します。
T1 北部はそれなりに接近
 一方、南側から進入した(第4グライダーを除く)2機のグライダーは、暗夜で目的地を見失い、第6グライダーが3マス、第5グライダーが2マスと、かなりペガサス・ブリッジから離れた場所に降下してしまいます。     
T1 南部は相当に距離がある場所に降着
 イギリス軍移動フェイズに、各隊は急ぎ、装備を運び出すと、可能な限りの速度でペガサス・ブリッジ方向に向かいます。が、闇夜で、かつ、敵支配エリアの浸透ということもあり、2エリアずつしか、進めず。
T1Br移動 全力でカーン運河に向かう
 北部では、空の掩体壕にWood隊が隣接し、Smith及びBrother小隊がこれに追随します。南部では、Fox隊がやや先行して内陸部を前進し、Sween隊が遅れながら付いていきます。
T1Gフェイズ終了時
 第2ターン、まず、遅れている南部で、Fox及びSween隊が、MGのある掩体壕に接近します。これに気付いたドイツ軍守備隊は、5火力で臨機射撃を行いましたが、外れます。Fox小隊は、すかさず、手榴弾を投げ込み、この守備隊を制圧状態にします(移動・戦闘不能)。また、司令部ユニットが別動で、最南端の無人の掩体壕に密かに忍び寄ります。
T2 南部でSmith及びFox小隊がMGのトーチカに接近・射撃戦
   北部でも工兵隊が斥候として、最北端の掩体壕に進入し、隣接する掩体壕を偵察しますが、これは幸運なことにダミーとなります。
T2Br移動 北部も掩体壕に潜り込む
 ドイツ軍移動フェイズでは、Le PortにいたHickman軍曹が急ぎ、橋の方向へと戻ります。
T2 急ぎ、橋に向かうHickman軍曹
 射撃フェイズでは、敵を射程に収めているイギリス軍スタックのみが16火力で射撃を行います。結果は1で、MGスタックの守備隊は1戦力を失います。
 第3ターン、前ターンに制圧状態になったドイツ軍は、回復できず。
 イギリス軍は、まず、最南端の掩体壕を掃討し、捕虜1ユニットを得ます(掩体壕掃討で2点、捕虜で1点)。Fox及びSween隊は、MGグループに隣接する空の掩体壕に潜り込みます。射撃フェイズに16火力攻撃を行い、敵の守備隊を全滅させます。
 北部では、こちらも掩体壕沿いに工兵が橋ににじり寄りますが、対戦車砲が配置されている掩体壕もダミー!これにより、北部の早期制圧は確実になります。
T3Br  工兵の夜偵察は、ともにDummy!
 ドイツ軍は、急ぎ、東岸の1個守備隊をペガサス・ブリッジの守備に回します。
 また、連合軍の攻撃を聞きつけたドイツ軍のSchmidt大佐が、メルセデス・ベンツに乗って、西端のRanvilleから登場し、5移動力で一目散に、ペガサス・ブリッジに向かいます。
T3 守備隊1個小隊が橋に到着、イギリス軍は慎重に橋ににじり寄る
 第4ターン、南部のFox及びSween隊は一歩先の掩体壕に進入し、放棄されたMG(3点)を捕獲します。そして、監視哨に立て籠もる敵守備隊を16火力で射撃し、これを壊滅させます。
 北部ではSmith隊が橋の至近の掩体壕に潜り込み、ペガサス・ブリッジの敵守備隊を手榴弾攻撃で、制圧します。防御射撃の危険がなくなったBrother隊がブリッジに辿り着き、守備隊との白兵戦準備となります。ドイツ軍はこれを援護しようと、Hickman軍曹が駆けつけますが、隣接エリアで臨機射撃を浴びて制圧状態に。
T4Br移動 先鋒が橋に到着し、白兵戦
 これ以外では、イギリス軍は次々と掩体壕を掃討し、さらなる捕虜を獲得するとともに、得点を重ねます(この時点で25点)。
 イギリス軍は残る東岸の機関銃拠点を、急ぎ、平定すべく、3個小隊を突入させますが、MGが正確な臨機射撃を続け、2個小隊が制圧状態になり、2個分隊(Wood隊が分離)も各1ダメージを受けます。さらに、Wood中尉も負傷します。さすが、ドイツ国防軍!
T4 東岸のMG拠点が猛烈な射撃
 このMGスタックは、果敢にもペガサス・ブリッジへの援軍を試みて、イギリス軍スタックに突入してきます。が、所詮、多勢に無勢で、白兵戦により全滅します。
 続く、射撃フェイズで至近距離から小銃で撃たれた橋の守備隊は、正確な射撃の前に壊滅します。同様にHickman軍曹も射撃で被害を受け、戦死に。
 Schmidt大佐のメルセデス・ベンツは橋の手前まで来ますが、イギリス軍の防御射撃を受け、ベンツは炎上。Schmidt大佐も負傷します。
T4Br 3個小隊が被害を受け混乱するも、突進してきた敵1個分隊を殲滅
 第5ターン、当面の敵を全滅させたイギリス軍は、敵の増援を阻止すべく、橋とその隣接エリアに陣地を構築します。同時に、東岸の掩体後の掃討を進めます。
 一方、西岸で負傷しているSchmidt大佐を捕虜として、MGの捕獲とともに、VPを上昇させます。
T5 ベンツを破壊し、Schmidt大佐を捕虜に
 第6ターン、イギリス軍は陣地を固めると、道路沿いにSmith隊を東進させ、支配エリアを拡大します(敵の支配エリアへの進入は、2移動力となる。いずれ、登場する敵戦車の進軍を可能な限り、遅らせるため)。また、Ranville橋の占領と増援のCoffin隊の進撃を助けるため、1個工兵隊を西進させます。
T6
 第7ターン、イギリス第6空挺師団主力からCoffin隊(4個小隊)がRanvilleから登場します。東岸はなおもSmith隊が二手に分かれ、道路を占拠していきます。
T7 Coffin隊も登場
 ドイツ軍は最後の希望の指定増援3(Ⅳ号戦車1両と6-3の2個小隊)がLe Portから登場し、3移動力の微速で道路上を橋に向かいます。
T7 増援登場
 第8ターン、指定増援BのCoffin大佐と3個小隊が、工兵隊と接触します。これで、次ターンからCoffin隊は全力で東進できることに。一方、東岸では、敵の登場を察知したSmith隊が撤収にかかります。
 ドイツ軍は、自軍占領下の道路を着実に前進してきます。
T8
 第9ターン以降、ドイツ軍は、イギリス軍占領エリアを警戒しながら、1エリアずつ前進をします。
 この間に、道路を駆け抜けたCoffin隊がペガサス・ブリッジに到達し、道路上の陣地内に2個のPiatを構えて待ち受けます。その側面のカフェにはSmith隊が布陣し、Piatによる横撃を狙います。Howard少佐率いる他のグライダーチームは、橋の上に予備陣地を築き、工兵隊は捕獲した対戦車砲で主要陣地に
向けて照準を合わせます。
T10 Coffin隊、前線に
T9
 第10ターン、ドイツ軍のⅣ号戦車及び1個歩兵小隊は、道路上をゆっくり進んできます。と、ここで後続の歩兵小隊が、道路を離れ、最短距離を通って橋に向かいます。
 第11ターン、予備陣地から出撃したFox隊とSween隊が、カーン運河の破壊された掩体壕エリアで、ドイツ軍歩兵小隊と接触します。臨機射撃と通常射撃で2ダメージずつを与えますが、ドイツ軍歩兵は怯まず、突撃をかけてきます。が、イギリス軍振り切りの高比率の白兵戦の結果、ドイツ軍歩兵は全滅します。イギリス軍の両小隊は、急ぎ、予備陣地に引き揚げます。
T11 右翼で接触
 道路上を進んできたドイツ軍戦車が、イギリス軍に接触したのは第15ターンでした。橋まで2エリアのところで、陣地に突き当たったⅣ号戦車に、近距離からPiatが発射されます。これをまともに食らった戦車は、炎上!続いて、21火力以上の激しい射撃が歩兵を襲い、臨機射撃及び通常射撃により、最後のドイツ軍歩兵が4ダメージを受けます。
T15 ドイツ軍戦車をPiatで狙い撃ち
 最終の第16ターン、1/3まで兵力が減少したドイツ軍歩兵小隊は、最後の突進を行いましたが・・・防御射撃により、全滅。この瞬間、イギリス軍の勝利が確定しました(77点)。
T16 ドイツ軍増援、全滅
 今回は、史実準拠のイージーモードであり、グライダー隊の着陸損害もなかったため、イギリス軍有利に展開で高VPとなりました。
終了時