今月のソロプレイ第1弾は、仮想戦アイテムの砲撃戦から「幻の八八艦隊」(アドテクノス)です。今回のシナリオ4「ケースレッド 1923」では、ワシントン軍縮条約が締結されず、各国が財政を傾けながら、主力艦を増産します。高まった軍事的緊張は、ラテンアメリカの処遇をめぐって、1923年にアメリカ対イギリスの戦争という形になります。7つの海を支配する大英帝国と新興帝国主義国のアメリカ合州国が大西洋上で激突するこのシナリオでは、両軍の戦艦を合わせて72隻(!)という空前絶後の大兵力が投入されます。
T0 アメリカ軍DSC07026
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 隻数では31隻:41隻と、ロイヤルネービーの方が10隻ほど上回っていますが、戦艦特有の強靱な防御力と砲撃力では、アメリカ海軍が優位に立っています。特にロイヤルネービーは比較的に舷側より甲板装甲の薄い艦艇が多いため、数を生かす上でもなるべく接近して闘いたいものです。アメリカ軍は逆に艦隊隊形を維持して、近寄ってくる敵に正確な砲撃を送り込むことにします。
予定されている増援
 第1ターン、両軍は距離を縮めるべく、最大戦速で前進します。アメリカ軍第1任務部隊とイギリス軍巡洋戦艦隊の間で、火蓋が切られます。遠距離のため、命中率・砲撃力とも落ちますが、アメリカ軍が2隻の巡洋戦艦に有効弾を放ち、ともに中破にします。一方のロイヤルネービーも正確な射撃で2隻に命中弾を出し、うち、1発がMontanaの機関部を直撃し、これを轟沈します。
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T1詳細DSC07029
 第2ターン、イギリス軍は距離を詰めて接近戦に持ち込もうと、巡洋戦艦隊が一斉回頭して突撃を開始します。が、これは敵の統制下の猛烈な砲撃に晒されることに。甲板装甲の薄い巡洋戦艦に大落下角で巨弾が降り注ぎ、延べ8発の命中弾をうけ、なんと6隻(!)が一瞬にして、大西洋の藻屑と消えます。史実のジュットランド海戦を上回る凄まじい損害です。
T2 猛烈な砲撃の嵐DSC07030
T2一気に6隻が轟沈DSC07032
 イギリス軍も必死の反撃で6発の命中弾を出し、新鋭戦艦・巡洋戦艦3隻を撃沈しますが、残りは厚い装甲に阻まれ、効果なし。このターンが終わった時点で、両軍の損害は、アメリカ軍4隻:イギリス軍6隻に。
T2強靱なアメリカ軍も損害多しDSC07031
 第3ターン、一気に戦力が減った敵の巡洋戦艦隊に対し、アメリカ軍が集中砲撃を継続します。この結果、さらに3隻が沈没し、巡洋戦艦隊はその6割の戦力を失います。アメリカ軍の損害は、イギリス軍の最新鋭戦艦St級の打撃を浴びたColoradoのみに。両軍の損害は、さらに広がり、アメリカ軍5隻:イギリス軍9隻に。
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 第4ターン、もはや戦隊の呈を成していないイギリス巡洋戦艦隊は、敵と距離をとるべく北東方向に離脱を始めます。これに対し、アメリカ軍は後方の巡洋戦艦隊も砲撃に加わり、さらに3隻を撃沈!イギリス軍は、雷撃を挑んできたClemson級巡洋艦1隊とMassachusettsを撃沈し、他の数隻に損害を与えますが、装甲に阻まれて、中破がやっとです。
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 第5ターン、増援を得たアメリカ軍は主導権を離さず、冷静に遠距離砲撃戦を続けます。イギリス軍は最強のSt級にも損害が出て、2隻が撃沈、2隻が中破になります。アメリカ軍は1隻撃沈と1隻が中破のみ。損害は、アメリカ軍8隻:イギリス軍13隻と大きな差が出ます。
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 すでに終了判定のレベルに達しており、このままでは緩慢な出血死に陥ると、判断したイギリス軍は、これまで盤外を迂回させていた増援を、敵の背後に出現させます。これが、アメリカ軍の増援と至近距離に。距離が近いことから、命中率と砲撃力が上昇し、猛烈な乱戦となります。
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T6 至近の乱戦もアメリカ軍に軍配DSC07038
 両軍とも命中弾が相次ぎますが、ここでもアメリカ軍の分厚い装甲が奏功し、命中数はほぼ同じながら、イギリス軍2隻が沈没したのに対し、アメリカ軍は1隻のみに。と、ここで両軍の損害過多により、海戦が終了となりました。
 最終的な結果は・・・。
 アメリカ軍の損害10隻
 イギリス軍の損害15隻
よって、アメリカ軍の勝利に。
生きて帰らずDSC07040
 振り返れば、イギリス軍は緒戦の損害が響き、後半の増援を生かし切れずに、敗北となりました。甲板装甲の薄さから、初期戦力で接近戦を挑んだのが、影響した形です。こうならないためには、前半は高速力を生かして敵と距離をとり、増援がある程度揃ったところで、一気に近距離の接近戦を挑む手がよかったのかも知れません。もし、機会があれば、ぜひ、「狡猾なグランドフリート」を演じてみたいものです。