今月のソロプレイ第1弾は、WWⅡ戦闘級アイテムの「TANKS+」（CMJ)から唯一の末期戦シナリオ6「東プロイセン」です。ソ連軍の東プロイセン攻勢における、装甲部隊同士の激突を描きます。

　まず、赤いスチームローラーのソ連軍ですが、同軍最強のJSⅡが12輛（！）、長距離射撃能力に優れたSU100が6輛、突破用のT34/85が9輛と、まさにバグラチオン作戦後の圧倒的な優勢を感じさせます。

　これに対し、ベルリンの門前まで迫られたドイツ軍も、かつてなく強力な装甲部隊を揃えています。まず、前衛部隊として、パンテル3輛に、Ⅳ号戦車2両、ヤクトパンター2両、4号駆逐戦車1両となっています。これらは、スターリン戦車相手には分がよくないのですが、T34やSU100なら撃破でき、十分に牽制できる力があります。そして、第7ターンにティーゲルⅡ4輛とヤクト・ティーゲル（！）が増援として登場します。これらは中距離でもスターリン戦車を撃破できる力があります。

　ソ連軍の勝利条件は、半数を撃破される前に3輛を突破させることです。ソ連軍は数少ない地形をうまく利用して、まともに撃ち合える近距離への進攻を試みることになります。

マップはもっとも開けた地形であり、かつ、縦長につなげるため、ドイツ軍は存分にその長距離能力を使えることになります。

　セットアップのドイツ軍ですが、基本はマップA西端の森林で、増援のティーゲル隊と合流して、強力な防御網を築くことにします。よって、もっとも西寄りのへクスに全ユニットを配置します。ただし、長距離砲撃能力に優れたヤクトパンター2両は、牽制のため、2ターンほど防御戦闘を行ってから後退する予定です。

　第1ターン、東端からソ連軍が登場し、全力で西に向かいます。敵がマップAの森に逃げ込む前に戦力を削らんと、前進射撃を実施しますが、全弾外れに。命中確率は、弾薬切れと同率の1/36であり、ある意味、諸刃の剣ですが、当たれば撃破できる可能性が高く、あえて実施します。

　大量の敵に対し、ヤクト･パンターが長距離射撃を実施。ドイツ軍の照準精度の高さで1発を命中させ、先頭のT34/85を撃破します。その他のユニットは、計画通り、全力で撤退します。

　第2ターン、敵を逃がさじと、赤軍のスチームローラーがさらに前進し、数に物を言わせた前進射撃を実施します。スターリンの122mm砲弾がヤクト･パンターに命中しましたが、傾斜装甲に弾かれ、惜しくも無傷に。

　ヤクト･パンターもこれ以上の長居は無用と、先行するAFVの後を追います。

　第3ターンは、両軍の西への移動が続きます。

　徐々に距離が開き始めた第4ターン、スターリンの122mm砲弾が再び、ヤクト･パンターを捉えます。背面からの一撃がエンジンを吹き飛ばし、これをスクラップに変えます。もう1輛のヤクト･パンターにも命中弾があったものの、ドイツ軍にとって幸運にも跳弾となります。

　第5ターン、逃げるドイツ軍を必死に追いかけるソ連軍ですが、命中弾は出せず。

　第6ターン、ドイツ軍部隊はあと少しで西の森に逃げ込めるところまで来ましたが、ここでスターリンの巨砲が、またもヤクト･パンターを捕捉します。2度の射撃を跳弾で生き延びた豹の眷属も凌ぐことはかなわず、撃破されます。残った部隊は、急ぎ、森林に身を隠します。

　ドイツ軍の増援が来る第7ターン、追撃の先頭を走っていたT34隊を停止させ、こちらも森に逃げ込みます。が、最後の姿を捉えたⅤ号戦車が中距離射撃を命中させ、1輛を撃破します。

　西端から登場した待望の増援は、森の中央の射撃位置に向かわせます。

　もはや軽率な前進は危険となったため、第8ターン以降、ソ連軍は森林を利用し、突撃準備に掛かります。スターリンの足の遅さから、全車輌が突撃位置に着いたのは、第15ターンでした。

　森の中でうごめく気配を察したドイツ軍は、ケーニッヒ・ティーゲルとヤクト・ティーゲルによる地域射撃を実施し、2発を命中させます。が、スターリンの重装甲に阻まれ、跳弾となります。

　第16ターン、ソ連軍の突撃が開始されます。正面の射撃陣地に向かってスターリン戦車が前進。長距離射撃能力に優れたSU100は南側から迂回し、虎の側面を突ける位置に。T34/85は北側を迂回し、丘に向かって突進します。

　迫り来る敵に対し、準備万端のドイツ軍の精密射撃は、かつてない凄まじさに。10輛の車輌が放った徹甲弾は、次々と敵の車体に吸い込まれ、爆発。距離が詰まったため、重装甲のはずのスターリンさえ、貫通し、撃破。この一斉射撃で、なんと8輛がスクラップに！

　第17ターン、地形を利用した敵に対し、この距離では命中が見込めないソ連軍は、なおも前進を行います。ダメ元で前進射撃を実施しますが、やはり、当たらず。

　さらに命中率が高まったドイツ軍は、二度目の一斉射撃を行います。次々と命中する徹甲弾！あるスターリン戦車は、88mm砲弾を2発喰らうも、傾斜装甲で跳弾させ、鉄の暴暴風に耐えます。が、それ以外は装甲を貫かれ、撃破されます。この時点で勝利条件の過半数以上の車輌を失い、ソ連軍の敗北が決定しました。

　あまりに理不尽な結果に、もう1ターンだけ、プレイすることに。足を止めたスターリン戦車がにっくきヤクト･ティーゲルに発砲するも当たらず。が、側面から長距離射撃を放ったSU100が装甲の薄い車体下部を付き、この化け物を撃破！
　が、反撃でさらにスターリン戦車2輛を失い、残ったのはわずか8輛に。

　こちらが、終了時の損害。キルレシオで5:1という惨敗となりました。途中までは3輛の弾薬切れと引き替えに、2輛のヤクト･パンターを撃破するなど、ほぼ想定通りに進んだのですが、第16ターンの正確無比なドイツ軍の射撃で全てひっくり返されました。恐るべし、虎の眷属たち。恐るべし、ドイツ軍の精密射撃。