今月のソロプレイ第1弾は、仮想戦アイテムの「レッドサン・ブラッククロス」(アドテクノス)からシナリオ5「エイリアンズ・ホーリランド」です。
T0
 このシナリオは、1950年に行われた日本軍による戦略的反攻で、敵後方のアラビア半島への上陸作戦を描きます。ADEN及びMECCA付近に上陸した4個軍及び2個戦車師団によって、JERUSALEMやSUEZ、ALEXANDRIAを占領するという、冒険的(博打的)計画です。また、1個軍及び2個陸戦師団がRIYADH方面に展開し、状況によって、RIYADHの占領またはKUWAIT方面へ圧力をかけます(可能ならRIYADHへの補給路の遮断を)。
 ドイツ軍は、アラビア半島の中央のRIYADHに第35軍(3個歩兵師団)が、AQABA周辺からJERUSALEMに第4軍がいます。予備として、BAGHDADに第14装甲軍団(1個装甲擲弾兵師団欠)が控えています。また、アフリカからの増援で、第2ターンに第5軍がSUEZに登場します。
 基本的な作戦としては、日本軍が数的優位を持って、主力を北上させ、AQABA、SUEZ、中近東の都市の占領を目指します。これに対し、ドイツ軍は当初はJERUSALEMを死守しながら、一定の装甲部隊を投入し、反撃または戦線の維持を行います。RIYADH方面では、当初はドイツ軍が敵主力の補給路の遮断を試み、数的に劣勢になったら、RIYADHまで遅滞戦闘を行い、これを固守します。
 勝利条件は、ドイツ軍がSAN'Aを、日本軍がBAGHDADを占領すれば、サドンデスですが、補給距離から、これはまず、不可能です。その場合、8つの都市の内、より多くを占領した側が勝利となります。
 なお、このシナリオでは一切の航空機が登場せず、陸上ルールのみを使用します。
 第1ターン、補給フェイズでAQABAと#1827のドイツ軍が補給切れのため、1ステップロスをします。
 陸上作戦で、日本軍は計画通り、北上を開始します。第1近衛戦車師団が猛進し、敵の後退路を遮断。主力で#1827の敵1個歩兵師団に6:1攻撃をかけますが、離脱により、攻撃は回避となります(戦闘後前進のみ)。
 ドイツ軍は前線を後退させるとともに、第14装甲軍団を南下させます。また、RIYADH方面では敵の補給線を脅すべく、第35軍が前進をします。
T1
 第2ターン、日本軍が主導権を獲得し、追撃のため、先手を取ります。補給切れで、2ステップロスをしたドイツ軍歩兵にオーバーランをかけ、これを殲滅。さらに、第1近衛戦車師団が突進し、地中海に接近します。同時に別働隊でAQABAを占領し、東に向けて歩兵による戦線を構築します。
T2JM OR!
 ドイツ軍は、主力の第14装甲軍団とSUEZに登場した増援(3個歩兵師団)で、#1629の消耗した第1近衛戦車師団に逆襲を掛けます。6:1戦闘で敵の先鋒を潰滅させます(DE)。
T2D ドイツ軍の反撃
 RIYAD方面の第35軍は、自身の補給切れを覚悟で敵の長大な補給路に迫ります。
T2
 第3ターン、イニシアチブはまたも日本軍ですが、防御態勢の構築を優先して先攻とします。突出した部隊を下げ、効率的なAQABA戦線を弾き直します。同時に、RIYADH方面で数的優位を作るべく、第11軍を転用し、南下させます。
 ドイツ軍は、次ターンの機動攻撃に備えて、敵前線近くにハイスタックを作り、敵に圧力をかけます。
T3
 第4ターン、主導権はドイツ軍になり、ここは敵の出方を見るため(敵の隙を突くため)、後攻に。
 主戦線では日本軍は下手に突出できず、回復によって、防御力を高めるのみにします。まだ、フル戦力に回復していないドイツ軍はハイスタックを維持して、対峙を続けます。
 一方、日本軍が数的優位を得たRIYADH方面では、延翼運動をしながら、戦線を前進させます。ドイツ軍は防衛に転換し、計画通りの後退をします。
T4
 第5ターン、ここで日本軍がイニシアチブを取り返し、攻勢向きの後攻を選択します。
 このままでは、包囲を受けると判断したドイツ軍は、やむなくスタックを崩して、敵の浸透を防ぐため、戦線を構築します。
 RIYADH方面では、日本軍が3倍弱の兵力を持って、強力に戦線を押し上げます。ドイツ軍は半包囲の危機になりますが、ギリギリで回避する布陣で時間を稼ぎます。
T5
 第6ターン、主導権は引き続き、日本軍に。
 先攻のドイツ軍はRIYADH方面への圧力を緩和するため、前線の戦力回復を行いながら、1個歩兵師団を前進させます。同時に危機を迎えつつあるRIYADHに、1個装甲擲弾兵師団を転進させます。
 日本軍もこれに対応し、FSHの守備をギリギリにして予備を捻出し、敵歩兵師団の補給路を遮断します。
 RIYADH方面では、ドイツ軍の第35軍(3個師団)が敵に押しまくられ、後退を余儀なくされます。
T6
 第7ターン、主導権は、なおも日本軍です(後攻を選択)。
 ドイツ軍は砂漠で孤立した歩兵師団を救出すべく、2個装甲師団を派遣し、FSHを東寄りに移動させ、補給線を確保します。これにより敵の西側が薄くなった主戦線では、第2近衛戦車師団が側面を迂回します。
 内陸では、猛烈な圧迫を受けた第35軍が、RIYADHを軸に戦線を引くしかなくなります。日本軍はこれを半包囲するとともに、第11軍の2個師団が砂漠に浸透して、補給切れ上等でKUWAITに向かいます(日本軍の歩兵師団には、補給線切れによる消耗がないため、この行動が可能)。
T7
 第8ターン、drの神は日本軍に味方し、4ターン連続で主導権を与えます。すかさず、先攻を選んだ日本軍は、孤立上等で第2近衛戦車師団でSUEZを占領します。さらに、JERUSALEM方面へ進攻すべく、戦線をガラリア湖まで延長します。
 RIYADH方面では、背後に歩兵師団が回り込み、ドイツ軍の補給線を遮断するとともに、補給切れのまま、歩兵2個師団がKUWAITに迫ります。
 この危機に、ドイツ軍が伝家の宝刀-後手からの一撃を仕掛けます。#1629に突出した敵歩兵師団を、2個装甲師団+2個歩兵師団で攻撃し、6:1でDEとします。
T8 ドイツ軍、後手からの一撃
 また、KUWAITを1個師団で守ると、RIYADHへの補給を回復すべく、装甲擲弾兵師団と歩兵師団で反撃を行います。2:1しか立たないため、少しでも敵のステップを減らすための予備攻撃だったのですが、なんと6が出て、これを撃滅してしまいます。
T8
 最終の第9ターン、この時点で占領都市数は4:4のイーブンです。主導権は、待ちに待ったドイツ軍。敵に充分な対応をさせないため、先手を取ります。
 全補給ポイントを消費して回復した装甲師団のスタックで、敵のFSH集積地にオーバーランをかけ、これを撃滅します(このターンで終了ですが、ゲームが続いていれば、日本軍は膨大な補給を消費してFSHを再建せざるを得ないところでした)。
T9 ドイツ軍スタックによるFSHへのOR!
 そこへ残りの歩兵を注ぎ込んで、AQABAへ攻撃マーカーを配置します。日本軍は、唯一、補強できた1個師団で、戦闘比を1:1まで減少させます。結果はA1となり、AQABAは奪還できず。
 日本軍が勝つためには、もう1カ所の占領が必要で、唯一の目標はRIYADHのみ。が、ここには先にドイツ軍が補強の1個師団を入れており、戦闘比は1:1。結果は,こちらもA1となり、占領できず。
T9 攻撃
 ここで、ゲーム終了。日本軍・ドイツ軍ともに、占領都市は4:4のため、引き分けとなりました。
 今回、つい、敵FSHの撃破に目が行ってしまったのですが、SUEZに孤立した敵戦車師団(残り2ステップ)への強襲攻撃もありえました。確率的には1/2でSUEZを奪回できたはずで、成功していれば、5:3でドイツ軍の勝利でした。
終了時
 最後に、攻撃マーカーを置いたヘクスから敵が離脱した際の確認を。13.7.1の規定で、攻撃側は空になったヘクスに戦闘後前進を強制されます。エラッタにも記載はありませんが、「戦闘による前進」のため、13.5.3の攻撃側1ステップロスは適用されると考えています。敵には逃げられたけれども、攻撃準備をし、追撃を行ったという解釈で。