今月のソロプレイ第15弾は、WWⅡ戦闘級アイテムの「TANKS+」(CMJ)から西部戦線シナリオAS35「1944年6月ボカージュ」です。
 その名の通り、ノルマンディ戦役におけるボカージュでの戦いを描いたもので、歩兵同士の戦闘が主になります。使用する戦場は、マップのわずか1/4の広さで、この狭い地域で射撃戦が繰り返されます。
 参加兵力は、両軍とも複数の歩兵ユニットと2輛の戦車(突撃砲)、そして、HMG2ユニットです(ドイツ軍には、さらにPakが1門)。そう、このシリーズで初の機関銃分隊が登場します。火力は歩兵とほぼ同じか、若干、高めですが、連続射撃性を反映して、1ターンに準備射撃・前進射撃・防御射撃の3回も撃てる優れものです。ただし、対戦車砲や自走砲と同様に、射界があります。
 また、こちらもシリーズ初の地形チットがあり、建物・沼地・池を表すことに。
 勝利条件は、アメリカ軍が中央の建物を占拠して、ドイツ軍を排除すること。ドイツ軍は、それを防げば勝利です。
T0
 セットアップで、アメリカ軍は射撃を受けずに接近できる最北端のへクスに、主力の歩兵4個分隊を配置します。重機関銃分隊2つは、助攻で中央から南での接近を狙います。
 第1ターン、アメリカ軍は主力の歩兵を遮蔽物越しに前線をさせます。重機関銃分隊は、予定通り、沼地の南を迂回して、西側から目標の建物群に迫ります。
T1A
 これに対し、ドイツ軍は#0614の歩兵スタックを果敢にも前進させ、命中率を高める3へクスの距離に。アメリカ軍のHMG分隊が臨機射撃を行うも、はずれ。と、ドイツ軍歩兵は高い技量を発揮して(drもよく)、前進射撃でHMGの1個分隊を除去します。
 第2ターン、敵の射撃があったため、規定によりM4A1の2輛が増援として登場します。アメリカ軍は、HMG分隊で援護のための準備射撃を行うも、はずれ。残りの部隊は、攻撃位置を占めるべく、前進を開始します。
 まず、ボカージュ越しに3へクスの距離に迫った敵の戦車に対し、ドイツ軍のPakが咆哮します。正確な砲弾がシャーマンの正面装甲を貫き、1輛を撃破します。機関銃と歩兵も防御射撃を行いますが、こちらは当たらず。
 と、ここでアメリカ軍がマイナス修整を受けつつも、前進射撃を行い、M4がなんと敵Pakに命中弾!近距離で榴弾を浴びた75mm対戦車砲が吹き飛びます。
T2A
 続く、ドイツ軍ターン、歩兵3個分隊が準備射撃をしますが、これははずれに。勝利条件の中央の建物を強化すべく、北東部からHMG分隊が#0716に入り、同じく増援のⅢ号突撃砲が敵の視界外から接近します。アメリカ軍は、修整のない準備射撃に備えて、敢えて臨機射撃をせず。
T2D
 第3ターン、アメリカ軍は現状で最大の脅威である敵のHMG分隊に、戦車も含めた集中射撃を実施します。5個ユニットによる準備射撃で、前ターンに射撃位置に付いたばかりの敵HMG分隊を撃破します。
T3A
 と、ここで、沼地を迂回したHMG分隊も、近距離火力を生かすべく敵歩兵に肉迫しましたが、これは無謀でした、伏せの状態で正確な射撃を行うドイツ軍歩兵の前に、撃破されます。
T3A DFでHMG除去!
 続く、ドイツ軍ターン、敵の火力拠点に歩兵2個分隊が準備射撃を見舞いますが、効果なし。たった1差ですが、ドイツ軍とアメリカ軍歩兵の火力の違い(11%程度)を実感します。背後を移動中のⅢ号突撃砲は、射界外から#0718の建物に入り込みます。
T3D
 第4ターン、最前線のユニット数で勝る(5:3)アメリカ軍は、正面から火力戦を挑みます。シャーマンの75mm砲が火を噴き、#0612の敵歩兵に命中弾を出しますが、ドイツ軍はよく耐えて生き延びます。さらに、フルスタックのアメリカ軍歩兵の猛射が続きましたが、こちらも当たらず。
T4A
 いずれは火力で圧倒されかねないドイツ軍は、ここで、配置の変更を行います。最前線の歩兵を下げ、中央の建物群後方へスカルキングします(一時退避)。一方で、装甲兵力のⅢ号突撃砲1輛を転進させ、ボカージュ越しに前線に滑り込ませます。車体の低さを生かしてM4と撃ち合うか、しびれを切らして敵が突入してきたところを臨機射撃する作戦です。
T4D
 第5ターン、命中値5以下と決して高い確率ではなかったのですが、アメリカ軍が誇るシャーマンが咆哮します。近距離で放たれた砲弾がボカージュに隠匿するⅢ号突撃砲に命中し、一撃でこれを撃破します。視界内に敵がいなくなったアメリカ軍は、歩兵に前進を命じます。
T5A
 ドイツ軍は作戦通り、息を潜めて、敵が接近するのを待ちます。
 第6ターン、ゲーム後半に入り、アメリカ軍が勝負に出ます。まず、M4シャーマンが囮となり、建物を迂回して前進します。#0712のⅢ号突撃砲が火を噴き、至近距離で75mm砲弾をシャーマンの側面に撃ち込み、これを撃破します。が、これにより、AFVの臨機射撃がなくなったところで、主力の歩兵スタック(4個分隊)が#0612へ。ドイツ軍は、歩兵による防御射撃を実施しますが、ああ、当たらず。
 続く、アメリカ軍の前進射撃は強烈でした。まず、バズーカでⅢ号突撃砲を排除。さらに、修整はあるものの高い射撃力で、ドイツ軍歩兵を撃ち取ります。残されたドイツ軍は、わずかに歩兵2ユニットに。
T6A
 第7ターン、アメリカ軍は初弾の準備射撃で、#0712にいる敵歩兵を撃破し、勝利条件を満たします。残ったのは、街路にいる歩兵1ユニットのみ。これに3個歩兵分隊が突撃をかけ、零距離射撃で最後の敵歩兵を撃破し、ゲームセット。3ターンを残し、アメリカ軍が敵を全滅させ、勝利となりました。
T7A
 非常に狭い範囲にAFVまで登場し、大混戦になるかと思いきや、地形チットとボカージュによる制約で、細かな運用が求められる良質の歩兵戦闘シナリオでした。