今月のソロプレイ第2弾は、ノルマンディ上陸作戦のカーン攻防戦を描いた「エプソム作戦」(SLGamer)です。システムは、カードを引いて該当する軍団や陣営が活性化するというもので、実質的なチット・ドリブンです。
特徴的なのは、連合軍には3つの軍団が活性化するカードがあり、ドイツ軍には1枚しかありません。連合軍は、一度に活性化できる部隊数は限られていて一斉攻撃には向かないものの、移動-戦闘が3回できるわけで。上手く波状攻撃ができると、突破口が開き、一気に敵戦線を蹂躙できる可能性があります。
こう聞くと、戦術的により柔軟で優秀なのは、ドイツ軍では?!と思われますが、ヤーボによって制空権を握られ、補給物資に圧倒的に差があるドイツ軍が、機動的な運用を妨げられると考えれば、納得できます。
勝利条件は、第6ターン終了時にカーン市街地か、112高地に連合軍ユニットが存在すること。ドイツ軍はここを守り切るか、奪還すれば、勝利します。
初期配置のドイツ軍は、わずかに6ユニットのみ!第4ターンに増援が来るまでは、到底、反撃など望めず、部隊を消耗しないように防御戦闘に徹することになります。逆に連合軍は、地形修整なく毎ターン、0.5ヒットを望めるヤーボと3個軍団による波状攻撃で、早期に敵部隊を撃滅できる可能性があります。一度、戦線に穴を開けられれば、突破と背面展開で、一気に優勢になります。
戦闘は、ダイスによるファイヤーパワーで、戦闘力分のdrをして、1が出れば1ヒットを与えられます。ヒット差が1ならば後退、2差ならば損耗して後退、3差以上ならば撃破と、drによる振れが大きいです。
装甲及び機甲師団には、無条件で1ヒットが与えられる戦車修整があります。また、防御側は、市街地や丘、河川越しだと敵の戦闘力を-1できます。特徴的なのは、ボカージュでそこを攻撃する際も、防御する際も、連合軍の戦闘力は-1されます(連合軍が想定外の妨害地形に苦戦した史実を再現)。
第1ターン、空軍フェイズに、ヤーボが第25SS 装甲擲弾兵連隊を空爆するも、ヒットはなし。第1インパルスは、第30軍団の行動となり、第25と第26SS装甲擲弾兵を攻撃し、第26SS装甲擲弾兵に2ヒットを与えて、損耗・後退をさせます。
第5インパルスは、再び、第1軍団となりますが、第12SS装甲師団が持ちこたえます。
第4インパルスに、やっとドイツ軍が活性化しますが、実質的に行動できるのは3ユニットのみで、もはや戦線構築は不可能に。やむなく、2個装甲師団をカーン市街地に籠もらせ、ハリネズミの陣を引くのが精一杯です。
第5インパルスは、第8軍団となり、1個師団が112高地を占領し、もう1個師団がカーン北岸の第21装甲師団を包囲します。
第3ターン、再び、死の天使-ヤーボが舞い降り、退路を断たれた第21装甲師団を損耗させます。これで、連合軍の攻撃が決まれば、勝負ありだったのですが・・・追い詰められたドイツ軍は猛烈な抵抗を見せます。第21装甲師団は壊滅したものの、第12SS装甲師団が3個師団の包囲を受けながら、猛反撃でなんとカナダ軍第3歩兵師団を壊滅させます。これに慌てた連合軍は、慎重になります。
そして、待ちに待ったドイツ軍インパルス!3つのSS装甲師団が到着し、前ターンに再登場した装甲擲弾兵連隊とともに、反撃に転じます。112高地は、精鋭の第1SS装甲師団が包囲攻撃をかけ、見事に奪還に成功!
が、カーンの市街戦は、イギリス軍歩兵が塹壕を掘って立てこもり、奪回ならず。
第5ターン、このターンも空軍は効果なく、勝負はドイツ軍がカーンを取り返せるかにかかります。ヒット値修正+1の装甲師団による攻撃は強力で、北岸にいた第50歩兵師団は包囲下で壊滅します。また、第112高地を追われた第15歩兵師団も、SSの包囲攻撃を受け、損耗します。が、南岸にいる第3歩兵師団が無類の抵抗を見せ、一歩も譲らず。
第3インパルスが、最終となるドイツ軍に。ドイツ軍が勝つためには、市街戦の3カ所全てで勝利するしかない!ヒット値修正+1はあるものの、地形効果により戦闘dr数では全て不利な戦いでしたが・・・なんと北部の2カ所で勝利し、連合軍をカーン北岸から叩き出します。
これにより、カーン市街地にイギリス軍が残ることになり、連合軍の勝利が確定しました。



















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