この日の緒戦は、CMJ誌の最新の仮想戦記「群燕のルフトヴァッフェ」です。
「明日なき世界」とほぼ同システムで、1946年のドイツ本土爆撃を描く仮想戦。ヒトラーが少しだけまともな戦争指導をしていたら、WWⅡが1945年に終わらなかっただろうという設定で、連合軍が止めを刺すべく、ドイツに反応弾の集中攻撃を行います。詠い文句の通りなら「ドイツの一番長い日」になるはずですが・・・。
ゲームについての詳細は、CMJのHPをご覧ください。
陣営は、ohaさんが希望で連合軍を、mitsuがドイツ軍を担当しました。Q&A(記事末尾参照)を確認して、プレイです。
まず、セットアップですが、drにより、ドイツ軍が先配置となります。作戦行動の先手は(特別ルールで)連合軍になっており、盤端に近すぎると敵戦闘機による機銃掃射を受ける可能性があるので、主力は全て8へクス以上離れた内部に置きます。迎撃の主力となる先制攻撃ユニット(及びコメート)を北部中央に、もう一つをミュンヘン近郊に置きます。唯一、置ききれない1個戦闘機隊(4ユニット)のみをデュセルドルフ近郊の飛行場に配置します。これに対し、連合軍は西端にB-36を含む3個爆撃スタックと戦闘爆撃機スタックを配置し、北端と南端には各1個爆撃スタックを配置します。西端の1スタックのみが戦闘爆撃機の制地部隊(対SAM)です。
第1ターン、ルールの規定により、先手は連合軍です。まず、先陣を切って、戦闘爆撃機がSAM攻撃に向かいましたが、これはSAM師団の返り討ちに遭います。
連合軍は、護衛付き爆撃機集団をルール及びベルリンに向けて前進させます。
ドイツ軍は、先制能力を持ったシュヴァルベとコメートを投入し、1個爆撃スタックを攻撃します。「巧みなドッグファイト」も適用して、B36を含む4ユニットの爆撃機を撃墜します。が、調子に乗って、敵戦闘機にも攻撃をかけたところ、こちらはdrが酷く、Me262を含む4ユニットを失うことに。このあたりの振れの大きさが、本作の魅力でもあるのですが・・・。
ならばと、ドイツ軍は「ダブル・アクション」を敢行し、トリープ・フリューゲルを出撃させます。完全に爆撃機を奇襲したはずでしたが・・・drはなんと1。敵が3だったために、かろうじて「イーブン」で逃げましたが、何の活躍もなしに撃墜されるところでした(危ない、危ない)。
続いて、連合軍は南部のイギリス軍部隊を前進させますが、これはBF109K編隊の迎撃を受けて、全滅します。
第2ターン、主導権drにより、ドイツ軍が先手を取ります。すかさず、Me262部隊を持って、敵の爆撃スタックに突撃をかけます。タイトル通り、群燕の攻撃力は尋常でなく、護衛機を瞬殺し、B36を含む爆撃機を撃墜します。生き残った爆撃機も、前進後に第二次攻撃を受けて全滅します。
なんとか、一矢報いたい連合軍は、ルール工業地帯を爆撃すべく、爆撃機スタックを突進させますが、2個SAM師団と都市の対空砲火の洗礼を受けて全滅し、一機も到着できず。
もはや、希望は、北部の爆撃機スタックのみ。連合軍はおとっり刀で、B17の集団を前進させると、対空砲火を掻い潜って、通常爆弾を投下します。これにより、史実通り、ハンブルクは壊滅します。怒り心頭のドイツ軍は、通常戦闘機隊(Bf109)を差し向けますが、こちらは連合軍のハイロールに返り討ちに遭います。
第3ターン、先手はまたもドイツ軍に。この時点で残る爆撃機は、1ユニットのみ。当然の如く、シュヴァルベが襲いかかり、難なく、これを撃破します。ここで、全ての爆撃機が消滅したため、ゲーム終了としました(これ以上のVP変化はなし。都市破壊爆弾も投下されないので、プロパガンダもなし)。
得点計算をしたところ、
得点計算をしたところ、
ハンブルク(大都市)破壊:4点
高性能爆撃機の損害:-4.5点
合計-0.5点で、「ドイツ軍の圧勝」という結果になりました。必要勝利得点どころか、マイナスとは!
さらに必要勝利得点について言えば、
都市破壊爆弾の未使用:+10点
で57点が必要だったことに・・・う~ん、かなり厳しいゾ!
ゲームとしては、一手一手をどうするか悩みましい相互移動や電子戦によるイベント、一撃離脱戦闘機などが楽しいのですが、いかんせん、SAM師団が強すぎる!現行ルールだと、SAM師団は、一度の射撃で期待値1.5機の爆撃機を撃墜できます。つまり、敵の爆撃航程で4ユニットで攻撃できれば、最大6スタックの爆撃機でも撃滅しうるわけです(超高高度を跳ぶB-36 ピースメーカーであっても!)。このSAM師団をルール工業地帯やベルリンに集中されると(敵戦闘機の迎撃がなくても)連合軍は辿り着くことさえ困難に。しかもSAM師団を除去できるのは、連合軍のわずかな戦闘爆撃機のみ(よって、戦闘爆撃機は初期のドイツ軍の最優先目標になります)。
また、上記のように、連合軍の勝利条件は、ほぼ達成不可能です。50点を超える必要勝利得点など「夢のまた夢」で、高性能爆撃機の損失VPや都市破壊爆弾の未使用(被撃墜による)も加えると、今回のようにマイナス(!)になることも。せっかく工夫を凝らしたルールだけに、もったいない。
というわけで、終了後にohaさんと改定案を考えてみました。これは次の記事で・・・。
[参考:群燕のルフトヴァッフェ Q&A]
Q1:2.10 空戦記号
・一撃離脱能力で、「護衛機がいてもそれを無視して爆撃機ユニットとの戦闘を先に解決できます」とある。先に爆撃機との戦闘を行った後、その後に護衛戦闘機との戦闘は(任意で)行わなくてよいのか?
→その通りです。
・これは、トリープ・フリューゲルの場合も、同様か?
→その通りです。
Q2:8.10. 対空砲火
・SAM師団のいる都市や町、基地を爆撃・機銃掃射を行う場合は、対空砲火は2回行うのか?(SAM師団と都市や町、基地のそれぞれ)
→対空砲火は2回行います。
Q3:8.10.1 SAM師団
・SAM師団は、制空任務の戦闘機も攻撃可能か?
→攻撃可能です。
Q4:8.10.1 SAM師団
・SAM師団は「射撃後は「混乱」(使用済)の面になります。これは航空機と同じで防御の際は戦闘に参加できます」とあるが、「防御の際」とはどのような場合か?
→大変申し訳ありませんが、以下に記載した部分の文章を削除してください。
「これは航空機と同じで防御の際は戦闘に参加できます」
Q5:8.13戦闘爆撃機
・なお、8.13戦闘爆撃機で「使用済みの場合は、対空砲火の処理は発生しない場合もある」とあるが、「発生しない場合」とはどのような場合か?
→混乱(使用済み)のSAMは射撃を行えなくなります。なので戦闘爆撃機が使用済み(混乱)状態のSAMからは攻撃を受けません。
Q6:3.4 SAM師団の配置
・SAM師団は、任意の場所に(海へクス以外)で配置できるとなっている。本誌P12「前作との違い その2「対空砲火」では、「都市以外で海へクスではない配置できるようになっています。」と記載されている。いずれが、正しいか?
→「任意の場所に(海へクス以外)で配置できる」が正しいです。
Q7:6.6 情報の錯綜
・混乱状態にできる任意のユニットには、SAM師団も含まれるのか? もし、そうだった場合、SAM師団が戦闘機とスタックしていると、戦闘機と同時に混乱状態にできるか?
→SAMは混乱状態にできません。
「6.6 情報の錯綜」に以下の文章を加えてください。
【追加】ただし、地上部隊には「情報の錯綜」を適用できません。
Q8:8.10.2 都市や町、基地へクス
・都市や町、基地へクスに爆撃があり、その爆撃機スタックに護衛機がいた場合、対空砲火の被害は、護衛機も対象となり得るか?(護衛機も含めて、ランダム判定されるのか、あるいは爆撃機のみが対象か)
→爆撃機のみが被害の対象となります。







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