今月のソロプレイ2弾は、「コルスンの戦い」(CMJ)の関連で、「ドイツ南方軍集団」(サンセット)コルスン・シナリオです。
 このコルスン・シナリオでは、ソ連軍にアントライドがなくなり、かつ、強力な攻勢支援が付いています。ドイツ軍には、包囲を容易にする第3ターンまでの移動制限とその後の退却をサポートする遅滞行動と離脱がセットになっています。
 勝利条件は、潔く、両軍の損失VPによって決定します。よって、ソ連軍はいかに敵を包囲し撃破するか(あるいは敵が包囲をさけるために損害を受けざるを得ないか)が、焦点になります。ドイツ軍は逆に可能な限り損耗をさけ、北部の突出部から撤退させるかが、問われます。
 いつものように、軽くソロ演習をした上で、本戦に入ります。
T0
 第1ターン、ソ連軍は3つの攻勢モードHQの指揮下で、東西からKorsun突出部に攻撃をかけます。まず、攻勢支援付きの機械化部隊を先頭に、ドイツ軍戦線にオーヴァーランを行います。#1208のドイツ軍歩兵スタックに2:1攻撃を行い、Eng(相打ち、双方1ステップロス)となります。
T1S ORを試みるが
 続く通常攻撃で、#1208と#1407へ、大戦力で10:1攻撃を実施しましたが、1戦力の歩兵連隊こそ、除去したものの、肝心の歩兵スタックは、-/2となり、逃げ延びます。
 また、東側でも突出した歩兵師団(4-5-5)に対し、攻勢支援付きを含むユニットで、10:1攻撃を実施しましたが、こちらも1/2の確率を覆せず、討ち漏らします。これが壊滅するかどうかで、その以後の展開が大きく違ったのですが、戦局はドイツ軍有利に進みます。
T1S 東西の猛攻
 通常攻撃が駄目なら、機械化移動のオーヴァーランしかない!両翼で激しい機動攻撃が実施されます。後退により、取り残される形になった#1009の歩兵スタックに対し、3:1攻撃で、1ステップロスを与え、包囲下におきます。
T1SM  機械化移動でOR
 また、東側でも逃げ延びた歩兵師団に対し、騎兵と機械化軍団による連続オーヴァーランでこれを殲滅し、そこから2個戦車旅団と1個機械化軍団が突破します。
T1SM 包囲してOR
T1SM 東部でも連続OR
T1S終了時
 ドイツ軍は、東側で突破してきた戦車旅団に即時反撃に出ます。一部の部隊を迂回させ、包囲をすると、逆襲のオーヴァーランで、1個旅団を撃破。残る1個旅団も捕捉し、通常戦闘で壊滅させます。
T1D 突出した戦車旅団をORで撃破
T1D 戦闘
 続く、機械化移動で移動可能な部隊をかき集め、移動制限の範囲内で、戦線を繕いなおします。
T1D終了時
 第2ターン、地形障害のほとんどない西側で、ソ連軍の機動攻撃が冴え渡ります。包囲下の部隊に補給線をつないでいたユニットを排除すると、包囲により後退できない敵に対し、追加のオーヴァーランと通常攻撃を実施し、強烈な打撃を与えます。
T2S ORで浸透
T2S 連続OR
 また、予備の装甲師団が集中する東側では、突破こそならなかったものの、取り残された補給切れユニットを除去し、敵を損耗させます。
 このターンは、機械化移動まで含めた連続打撃で、のべで4個歩兵連隊、2個歩兵師団、1個突撃砲連隊を壊滅させることに成功します。
T2S 戦闘
T2SM 連続ORで突進
 ドイツ軍は、移動制限の解除された装甲師団を両翼でバランスよく運用し、前線を固めます。
T2D終了時
T2損害
 第3ターン、ソ連軍に増援も到着し、どうにか戦線を維持してきたドイツ軍に、さらなる猛攻を加えます。移動フェイズのオーヴァーランこそ、ハイスタックで凌がれたものの、強大な戦力をぶつけた戦闘フェイズで、敵の第一戦を後退させます。
T3S 矛先が鈍るが・・・
T3S 総花的攻勢!
 続く、機械化移動フェイズに、高火力ユニットのオーヴァーランによって、西側の戦線に突破口が開きます。そこから、戦車部隊が進入し、歴戦の第6装甲師団の主力が包囲されます。非補給ながら同一師団効果でハリネズミの陣を引きますが、三度に及ぶ、連続オーヴァーランで、ついに1個自動車か連隊が壊滅します。
T3SM ORで穴を開け、第6装甲師団を包囲強襲
 東側でも、強引なまでの猛攻とオーヴァーランによって、先頭を走る機械化軍団が、合流目標地点のZvengorodkaまで3へクスに迫ります。
T3S終了時
T4D 決死の機動反撃
 ドイツ軍は、戦闘後前進で西側からZvengorodkaに接近した戦車旅団を包囲すると、これを撃破して、当面の安全を確保します。東側では、戦線を後退させ、予備選力を捻出すると、敵の先頭付近に装甲師団を集中し、前進を押しとどめようとします。
T4D 決死の機動反撃
T3D終了時
 第4ターン、泥濘の中、ここを先途と、ソ連軍はZvengorodkaを目指して東西から攻撃をかけます。東側では、1打撃ずつ、確実に攻撃を成功させ、ドイツ軍に損耗を与えます。ここで西側も成功すれば、一気に戦線崩壊の危機でしたが、drが振るわず、5つの攻撃で2ダメージに止まります。
 続く、ドイツ軍ターン、やっと北部の部隊の移動制限が解除されます。離脱のため、移動力が落ちた歩兵を援護するため、快速の第5SS装甲師団とヴァリーニエン旅団が踏みとどまって、退却路を確保します。
T4D 撤退開始
 第5ターン、包囲した部隊の掃討を終えたソ連軍は、泥の中を再び、Zvengorodkaを目指して攻撃を再開します。2個に減少した攻勢モードHQ を集中し、4つの攻撃全てで、ドイツ軍に損害を与えます。
T5S 包囲環を締め上げんとす
 耐えかねたドイツ軍の一部が退却したことで、北部からの撤退路はわずか3へクスまで狭められます。
T5D 狭まる脱出路
 第6ターン、徐々に北部の包囲網が狭められる中、ソ連軍の猛攻が続きます。戦果が挙がったのが、Zvengorodka北部の森林地帯でした。後退の都合でやむなくスタックしていた1戦力歩兵連隊を、ソ連軍の機械化軍団と4個師団が7:1で強襲します。drは、最良の-/3!これにより、ついに機械化軍団がドイツ軍の後退路を扼します。
T6S ドイツ軍の退路を切断せよ!
 と、ここで、ドイツ軍待望の増援が到着します。いまだ、泥濘のため、このターンには包囲環には到着できませんが、Zvengorodka近郊に向けて、装甲師団を集結します。
T6D 北部隊の補給が遮断さる
 第7ターン、攻勢限界を表現して、このターンからソ連軍の攻勢モードは、わずかに1つになります。それでも、包囲した部隊を殲滅すべく、北部からZvengorodkaに向けて、猛攻を加えます。普通なら耐えられたヴァリーニエン旅団も、補給切れの影響(戦闘力1/2)で、1ステップを失い、かつ1へクスの退却となります。
T7S 西からの圧力
 もはや一刻の猶予もないドイツ軍は、北部の部隊を集結させ、ハリネズミの陣を引くとともに、第1SS装甲師団を筆頭に、救援の装甲師団を隘路に突入させ、補給線を回復させます。
T7D 追い詰められながらも補給を回復
 第8ターン、ソ連軍は東側で、包囲した部隊を抹殺するとともに、部隊密度が薄くなった包囲陣とShpolaで、4:1攻撃を実施し、ともに1損害を与えます。が、ここが正念場のドイツ軍は一歩も引かず、ステップロスで耐え凌ぎます。
T8S 今度は東から揺さぶり
 迎えたドイツ軍ターン、膝まで浸かる泥濘の中、北部部隊救出のための反撃を開始します。参加兵力は、べーケ重戦車連隊を先頭に、第1SS装甲師団に、第13装甲師団、第5SS装甲師団の装甲連隊!強力なソ連軍戦車軍団に対し、6:1攻撃で損害を与えると、三度にわたるオーバーランで、これを退け、ついに脱出路を開削します。
T8D 脱出路を開け!
T8D 執念の開削!
 逃してはならじと、ソ連軍は第9ターンに、脱出を始めた部隊と足止め部隊に攻撃をかけますが、退却の流れは止まらず。
T9S なんとか脱出を阻止しようと・・・
 3個の歩兵部隊を取り残さざるを得なかったものの、第5装甲師団をはじめとする、北部部隊主力は、見事に脱出を果たします。
T9D 主力が脱出成功!
 第10ターン以降、ソ連軍は徐々に戦線を後退させるドイツ軍を追撃するも、攻撃は単なる力押しになり、ともに部隊の壊滅はなし。
T10S 薄くなった西部戦線を、大兵力で強襲
 後方に取り残され、孤立化したドイツ軍を殲滅したところで、ゲーム終了となりました。VPを確認すると・・・
T12S 包囲部隊の壊滅と最後の猛攻
[ソ連軍]97点
 歩兵連隊の除去13ユニットで39点
 その他の部隊の除去7ユニットで42点
 孤立の歩兵連隊の除去2ユニットで8点
 孤立のその他の部隊の除去1ユニットで8点
[ドイツ軍]40点
 旅団の除去4ユニットで12点
 軍団の喪失14ステップで28点
 差し引き57点により、ドイツ軍の戦術的勝利となりました。ソ連軍が、あと1ユニットでも撃破していれば、引き分けでした。
終了時
行きて還らず