この日、事前に対戦を予約していたのが、「ソコトラの一番暑い日」(大サトー学会)です。昨年末に発売された仮想戦アイテムで、かつ戦術級という珍しさ。しかも、元ネタは精密仮想戦記のレッドサン・ブラッククロス小説版です。ゲームについては、以前の記事をご覧ください。
 今回は、シナリオ1「独装甲戦闘団の反撃」を、ドイツ軍(mitsu)対日本軍(oha)で対戦しました。
 第1ターン、ゲームは、ドイツ軍の第15装甲擲弾兵師団の攻撃から始まります。橋頭堡を設置し、首都キャシオに向けて前進を開始した日本海軍第1聯合陸戦師団に、装甲擲弾兵師団の反撃を行います。
 パンツァーカイル(第3ターンまで、攻撃力2倍!)を生かし、パンターⅡと装甲擲弾兵小隊のスタックが、高比率戦闘を仕掛けます。海岸沿いの6:1攻撃こそ、D1(防御側1ヒット、退却で消化)になりますが、内陸の6:1攻撃はA1D2とし、1ユニットをスタック・オーバーで撃破します。そのまま、敵背後への戦闘後前進を実施し、5:1及び6:1攻撃で敵スタックを全滅させます。さらに戦闘後前進で、一式改のスタックを包囲下に。これでも戦闘dr自体は不調で、A1をパンター小隊の損害で補い、戦闘後前進を優先します(2個小隊がスクラップ)。
T1Ax
 日本軍ターン、3つの戦闘爆撃機が飛来し、内陸への迂回を試みていたドイツ軍の偵察小隊を吹き飛ばします。ここで、日本軍主力はスタック防御ではなく、歩兵小隊を分散して時間稼ぎをする作戦に。これが、後にどう影響するか?!
T1J 爆撃
T1
 一方、西部では飛行場を目指して、特三式内火艇改がイタリア軍スタックに集中攻撃を行い、これを撃滅します(3:1攻撃のdr修正+3で6!)。
T1J
 第2ターン、薄い歩兵の戦線に対し、ドイツ軍は9カ所での総攻撃をかけます。3カ所は4:1または5:1攻撃となり、ドイツ軍もA1D2で損害を受けるものの、優秀な戦術能力(戦闘後前進2へクス)を遺憾なく発揮し、敵の撃破-戦闘後前進による包囲-正面攻撃による退却不能のローテーションで、一気に10ユニット(!)を殲滅します。さらに、またもや、一式改の1スタックを包囲下に置きます。
T2Ax
 日本軍は、戦闘爆撃機を呼び寄せ、パンター1個小隊を屠ります。主戦線では、中央部の特三式内火艇改中隊と歩兵部隊を投入し、スタック防御に切り替えます。
 飛行場方面では、北部の2カ所で攻撃を行いますが、4:1以下の攻撃で敵を後退させるに止まります。
T2
 第3ターン、ドイツ軍は敵兵力の撃破を優先し、兵力を集中して3カ所の8:1攻撃を実施します。地形効果のある1カ所のみ、D1(1ユニット除去、1ユニットが残存)となりましたが、2つの歩戦スタックを全滅させます。
 また、飛行場方面の圧力を分散させるため、増援の偵察小隊を長躯、敵の背後に投入し、イタリア軍歩兵との挟撃で、特三式内火艇改の1個小隊を撃滅します。これにより、日本軍の損害は累計で22ユニット(!)に。
T3Ax
 相当の兵力を失った日本軍は、過去最高の6スコードロンの戦爆を呼びますが、ああ、これが全て外れに。主戦線ではなんとか戦線は維持しますが、兵力不足と敵ZOCによる移動力の低下で、正面以外のスタック防御が不可能になりつつあります。
 それでも、一縷の望みをかけて、飛行場方面で攻勢を継続し、じりじりと敵戦線を圧迫します。特三式内火艇改など、中央の予備部隊を主戦線に投入したため、こちらの打撃力も不足気味です。
T3
 第4ターン、パンツァーカイルの効果はなくなったものの、増援の装甲擲弾兵との諸兵科連合dr修整と戦車兵力の集中で、敵主戦線の6カ所に攻撃をかけます。最高比率の8:1は2カ所のみでしたが、中比率の攻撃が概ね、成功。十八番の戦術的包囲と後退不能による除去を連発し、さらに5ユニットを昇天させます。また、同数の5ユニットを包囲下に置きます(後退不能)。
T4Ax
 日本軍は増援と予備部隊を投入して、包囲をしていた装甲擲弾兵を撃破しますが、戦力不足は決定的になりつつあります。
T4
 第5ターン、ここが勝負所!と、ドイツ軍は正面からの包囲攻撃と偵察小隊の高速を生かした迂回包囲で、総攻撃を実施します。結果、日本軍の残存兵力の半数を超える7ユニットが壊滅!
T5Ax 総攻撃!
 この危機に、日本海軍の駆逐艦初雪が海岸線に接近し、奮進砲の直接射撃でパンター1ユニットを吹き飛ばすものの、状況を覆すには至らず。
 第6ターン、ドイツ軍は敵司令部スタックを含む全てのユニットを包囲し、情け容赦ない零距離射撃を見舞います。この攻撃で、日本軍の橋頭堡に残ったのは、司令部を含めてわずか3個小隊。実質的な勝敗は、ここで決しました。
T6Ax 殲滅戦
 第7ターン、降伏を拒む全ユニットを、第15装甲擲弾兵師団の主力が殲滅し、ドイツ軍のサドンデス勝利となりました。
終了時
終了時
終了時

T7Ax 橋頭堡を粉砕
終了時
 日本軍の中央予備がほぼ主戦線に投入されたため、苦戦が予測されましたが、ドイツ軍はパンツァーカイルや諸兵科連合効果、計画的な戦闘後前進と包囲を、効率よく発揮でき、相当数の敵を撃破したのが、大きかったです。日本軍は、歩兵による散兵線を試みましたが、かえって敵の包囲を容易にした感があり、また、肝心の空爆が低かったのも影響しました。この展開だと中央予備の主戦線投入はやむなしでしたが、枢軸軍の飛行場防衛が楽になり(ほぼ負けはないか)、心理的にも一極集中しやすかったです。