今月のソロプレイ第2弾は、仮想戦ジャンルから「ソコトラの一番熱い日」(大サトー学会)のシナリオ2「キャシオへの進撃」です。こちらは小説版で結果だけ触れられていた「その後のソコトラ攻防戦」で、設定もほぼオリジナルです。
 シナリオ1で崩壊した第15装甲擲弾兵師団の残余が、日本軍の再攻勢に立ち向かうというものです。が、この残余が実は強力で、開始時の最前線ではドイツ軍の兵力の方が上だったりします。日本軍は下手に前進すると手痛い損害を受け、攻撃が完全に頓挫することも(事前演習で、実績あり)。
 これを吹き飛ばす(かもしれない)のが、強力な砲爆撃です。空軍は最大で各ターン6ユニットですが、艦砲は多ければ各ターンで2回の攻撃ができます(期待値はゲームを通じて、3回程度)。スタック制限が2ユニットなので、上手く当たれば大穴が空き、戦術的包囲が可能になります。
 日本軍としては、歩兵が前線に到着するまでは、砲爆撃を中心に敵を損耗させ、可能な限り、高比率の攻撃を実施する作戦です。
 一方のドイツ軍は、戦線維持に支障が出ないように、兵力を分散。敵が不用意に突出してきたり、敵戦線に薄い部分があれば、消耗を狙って高比率攻撃をかける機動防御プランです。
T0
 第1ターン、強力な日本軍の航空機が飛来し(6ユニット!)、情け容赦ない爆撃を敢行します。ドイツ軍は何もできないうちに、戦車小隊と装甲擲弾兵小隊の各1ユニットを失います。
T1J 空爆!
 それでも、前線のドイツ軍は高戦力を維持しているため、日本軍は次ターン以降の攻撃のために、主力の戦車を中央部に向けます(攻撃はなし)。
T1J
 ドイツ軍はこの動きに連動するように、前線と予備兵力を動かし、中央部を若干、厚くします。
T1D
 第2ターン、日本軍の航空隊は、またも6ユニットを投入します。この空爆で、戦車2個小隊と装甲擲弾兵1個小隊が吹き飛びます。それでも、かろうじて戦線は維持します。
T2J 猛爆撃!
 この空爆で薄くなった中央部に、4:1攻撃(dr修整+2)をかけ、A1D2を与えます。が、不用意な前進は危険なため、敢えて日本軍は後退を選び、損耗を避けます。
T2J
 付けいる隙がないドイツ軍は、予備を投入して、前線スタックを強化し、戦線を維持します。
T2D
 第3ターン、さすがに空爆は半減し(3ユニット)、戦果はなし。日本軍は、南部にいる敵の重火器スタックに歩戦共同の2:1攻撃をかけ、D2と敵を後退させます(混乱状態)。
T3J
 ドイツ軍は反撃も考えましたが、予備部隊が十分に投入できないため、自重し、戦線の整理に止めます。
T3D
 第4ターン、空爆は3ユニットとなりますが、中央部の装甲擲弾兵1個小隊を撃破することに成功します。
T4J 空爆、再び
 後方の歩兵部隊も前線に辿り着いたところで、時間がない日本軍は総攻撃を開始します。が、所詮、歩兵主体の攻撃には限界があり、2カ所で後退となり、1カ所のみ、D1で敵戦線を押し下げます。
T4J 総攻撃
 ここで、ドイツ軍の貴重な砲兵(カノーネ)が命中!中央部の機械化歩兵部隊を撃破します。
T4D カノーネ命中
 単独で前線に放置された一式改小隊に対し、ドイツ軍は可能な予備兵力を結集して、反撃に出ます。7:1のdr+2修整で、見事にDEを出し、これを撃破します。
T4D 総力を結集して反撃
 第5ターン、このターンの空爆も3ユニットでしたが、drに恵まれ、中央部のPantherⅡ小隊を吹き飛ばします。
T5J 断続的な空爆
 後がない日本軍は、低比率ながら、6カ所で総花的な攻撃を実施。結果、南部の3カ所で攻撃に成功し、果敢に前進をします。これにより、PantherⅡと装甲擲弾兵の1個スタックを包囲下に置きます。
T5J なりふり構わぬ攻撃
 ドイツ軍は、北部から中央の戦力を引き抜いて、突出した一式改のスタックと、特3式改スタックに逆包囲攻撃を実施します。危険な一式改スタックは、D2で撃破したものの、南部の攻撃はA1D1となり、包囲は解けず。
T5D 突出した敵に反撃
 最終の第6ターン、最後の空軍5ユニットが敵の上空に舞い戻り、猛烈な爆撃を敢行します。この結果、なんと3ユニットが昇天!特に北部では、集落に立て籠もっていた強力なスタックが跡形もなく吹き飛び、戦線に初めての突破口ができます。
T6J 最後の猛攻!
 ここから、8ユニットが雪崩れ込み、主街道を守備していた装甲擲弾兵に包囲攻撃を実施し、これを撃破します。中央部から南部でも、包囲下の敵を含む3カ所で総攻撃を実施しましたが、drに恵まれず、損害を与えられず。
 ドイツ軍は、再度、救援攻撃を実施し、閂になっていた機械化歩兵小隊を吹き飛ばし、包囲されたカンプグルッペを救い出します。
T6D 包囲下の遊軍救出のための反撃
 ここで、ゲームセット。北部の戦線は1枚のみになり、空爆でヒットが出れば、穴が開き、もう1-2ターンあれば、という展開でした。砲爆撃がどのくらい命中するかにかかっており、そういった意味では大味なシナリオです。バランス的には、ドイツ軍がかなり有利に感じました。

終了時