この日の緒戦は、バーネットさんからオファーのあった「シシリー上陸作戦」(HJ)です。HJからライセンス生産されていた「西部戦線シリーズ」の一作で、いわゆる戦力チット(戦ってみるまでは、戦力がわからない)システムです。シークエンス自体は、補給-移動-戦闘とシンプルなんですが、戦闘ヴァリエーションを増やすため、諸兵科連合効果や同一師団効果、砲兵支援、航空攻撃などがあり。「シシリー上陸作戦」では、さらに最大5シフトの高度差や艦砲射撃、占領した飛行場数によって変化する空軍などが加わります。
 これに上陸侵攻作戦の特別ルールが、尋常でないくらい多く。強襲上陸、奇襲上陸、海上輸送の3種類に、侵攻空挺と増援空挺の2種類、港の占領状態や飛行場の占拠数によって変わる支援ポイント(戦闘可能回数)、軍事境界線と両軍の移動制限、不確定増援と補充、撤退とその阻止、イタリア軍の戦線離脱などなど。スタンダードルールが14ページなのに、特別ルールが17ページ(合わせて31ページ!)という、ちょっとしたビッグゲーム並です。
IMG_1360
 今回は、ルール確認も兼ねて、第4ターンで終わる「アメリカ軍上陸シナリオ」をプレイしました。アメリカ軍をmitsuが、枢軸軍をバーネットさんが担当します。
T0
 第1ターンの第1インパルス、アメリカ軍の侵攻は、空挺降下で一部のスカッターがあったものの、上陸は無傷で成功します。そのまま、2回のインパルス(第1ターンの特別ルール)で前進し、Gela海岸にいたイタリア軍海岸守備隊を敗走させます。
T1D1
 枢軸軍は後方から守備隊を南下させ、薄いながらも阻止線を引きます。
 第1ターンの第2インパルス、アメリカ軍は右翼にいたイタリア軍歩兵大隊を壊滅させ、こちらの敵を追い込みます、中央部では第1歩兵師団が消耗したイタリア軍海岸守備隊を殲滅し、中央のMazzarinoに迫ります。が、左翼は敵の歩兵大隊が奮闘し(C2でまさかの5戦力)、アメリカ軍は1ヒットを受けて、後退を余儀なくされます。
 続く、ドイツ軍ターン、空軍のヘルマン・ゲーリング師団が殴り込みに来ます(特別ルール)。牽制攻撃で主攻勢の比率を上げ、アメリカ軍の空挺大隊スタックを攻撃しましたが、結果はA1(1)と損害を受けます。
T1D2 HG師団が突進
 第2ターン、突出したヘルマン・ゲーリング師団を、アメリカ軍が包囲して総攻撃をかけます。枢軸軍の地形修整や戦力チットが良かったため、3:1攻撃でA1(1)となりますが、連合軍はこれを損害で耐えて、包囲の輪を緩めず。
T2 連合軍、HGを包囲攻撃
 枢軸軍は援軍も投入してなんとか包囲を破ろうとしましたが、3:1攻撃までしか比率が上がらず、こちらも3:1攻撃でA1(1)に。結果、ヘルマン・ゲーリング師団は敵ZOCへの退却を余儀なくされ、犠牲攻撃と合わせて、貴重な2個装甲大隊を失います。
T2終了時
 第3ターン、勢いに乗る連合軍は、後退した敵を追撃。さらに海岸付近にいた機械化歩兵旅団が快速を飛ばして、敵砲兵スタックの背後に回り込み、これを攻囲します。戦力チットとdrもよく、ともにD1(1)を与えて、敵を敗走させます。
T3 機械化歩兵が高速で敵砲兵を包囲
 枢軸軍は中央の部隊をアメリカ軍の移動制限ラインまで後退させますが、ここで虎視眈々と機会を狙っていた西部で行動に出ます。連合軍のZOCの隙を突いて、1個歩兵連隊が海岸道をするりを抜け、飛行場とLicata海岸を占領!この部隊は包囲下で残されますが、(一時的にでも)敵のVPを減らすことに成功します。
 早くも最終の第4ターン、連合軍は中央部での追撃を続け、戦力の落ちた枢軸軍2個スタックに移動制限ライン越しの攻撃を仕掛け、ともにD1(1)を与え、2個歩兵連隊と1個空挺大隊が制限ライン越えに成功します。
 一方で、Licata海岸の敵を撃破すべく、歩兵連隊と機械化歩兵旅団を差し向けましたが、5:1攻撃にもかかわらず、ああ、A1(1)。これにより、2VPの奪還が不可能になりました。 枢軸軍はこれ以上の損害を出さないため、全てをアメリカ軍の移動制限ラインの後方に下げて、終了。
T4
 VPを計算したところ、アメリカ軍が10点を獲得し、連合軍質的勝利となりました。戦力差やターンの短さを考えると、このくらいでしょう。
 元は70年代の古典といってシステムで、最近、再版された「タイフーン作戦」(CMJ)も同システムです。まだ、ダブルインパルスやチットドリブン、CDS、戦術チットもなく、通常の移動-戦闘ルールで、いかにヴァリエーション増やすかが命題になっていた頃です。いまなら、おそらくCDS等に入れ込んで、ルール量も相当に軽減できると思われますが、とにかく細かいルールが多い。はじめは。ボリスデザインか?!と疑ったほど。
 正直に言うと、自閉チックなシステムは、個人的に嫌いでないのですが、認知と思考力が落ちてきている、初老ゲーマーにはつらいなぁ(苦笑い)。今回も4ターンに4時間かかっていたので、フルキャンペーン(20ターン!)だと、HJ公称の10時間では終わらないでしょうね~。ただし、お相手いただいたバーネットさんは、「その気」のようですので、年明けのどこかで2日間くらいかけていけるか(時間が取れるかな)?!