今月のソロプレイ8弾は、「山崎決戦」(HJ)からシナリオ3「光秀の夢」です。このシナリオでは、摂津勢の高山勢と中川勢が明智方で参戦します。また、史実で呼びかけをしたものの、日和見となった筒井勢と細川勢も同様です。筒井勢には後に関ヶ原で名を馳せる島清興(左近)が、細川勢には古今伝授の継承者-藤孝が登場します。なお、オプションで両陣営の参戦状況の変化がありますが、たいていは参戦に至らない(または、終盤の参戦で影響は少ない)ため、今回は採用せず。
 結果、明智勢には、強力な摂津勢と後詰めの8部隊が加わる形になります。それでも、兵力数では羽柴勢が2倍以上、上回ります。よって、作戦としては、これまで有効だった戦力維持・限定反撃プランをとります。戦場としては、3VPの獲得できる天王山を摂津勢で守り、明智勢の主力で円明寺川ラインで戦線形成をします。
T0
 全シナリオ中、最も条件の厳しい羽柴勢としては、どうするか?池田勢を除けば、主力は戦力的に劣るわけで、これまで通りの力押しでは、圧倒的に不利です。しかも、強力な摂津勢に天王山を抑えられています。ならば、唯一、有利な機動力を生かした形勢づくりしかない!
 キーになるのは、最前線にいる黒田隊です。優速で敵に対抗しうる戦力を持つこの部隊を高速前進させ、敵に有効な戦線形勢をさせないようにします。狙うは、円明寺-天王山ラインの分断!その上で、後方からの援軍で天王山の摂津勢を圧殺し、VPの獲得を目指します。
 第1ターン、この計画に沿って、羽柴勢の先鋒隊は、山地方面に全力移動します。ただし、右翼の池田勢については戦線の拡大と攻勢のため、円明寺川を渡河します。明智勢も当初の計画に沿って、円明寺川防衛線の形勢を行います。
T1
 第2ターン、左翼の山地で羽柴勢が妻木勢と接触します。drがよく、敵を押し込むことに成功します。これにより、実質的に明智勢が天王山に援軍を送ることが困難になります(元から移動力が低いので、適時、敵に合わせて山地に部隊を派遣することは難しいが)。また、右翼では池田勢が猛攻を加え、drによる戦闘後前進で1ユニットを包囲し、これを除去します。羽柴勢にとって、非常に幸先のよいスタートです。
T2羽柴接触
 明智勢は、急ぎ、天王山の摂津勢を北上させ(実質の後退)、防衛線を延ばすとともに、円明寺防衛線を完成させます。
 第3ターン、羽柴勢は左翼の山岳地帯と右翼で攻勢に出ます。地形効果もあり、山地での後退が続きますが、前野長康が攻撃に成功。ただし、単独での突出となってしまいます。右翼でも前ターンの勢いのまま、攻勢が成功し、drによる戦闘後前進で1ユニットを包囲殲滅します。
T3羽柴勢の攻撃
 明智勢は消耗した部隊を下げ、後方から到着した筒井勢とともに、戦線を維持します。そして、突出した前野長康を限定反撃で包囲殲滅します。これにより、本陣の維持と侍大将の討ち取りで、VPは明智軍6点:羽柴軍2点となります。
T3明智勢
T3
 第4ターン、羽柴勢は数の優位を生かして、山岳及び右翼での攻勢を強めます。明智勢も猛烈な防御射撃で応え、2ユニットを後退させます。さすがに地形効果が高く、drにも見放され、羽柴勢の2ユニットがAeとなります。が、接近状態を維持し、明智勢の回復が間に合わず、山地では天王山山頂に迫られます。
T4羽柴勢の両翼攻勢
T4天王山山頂に迫る
 明智勢は中央で突出した敵に包囲攻撃を仕掛けますが、防御射撃に粉砕され、退路を確保され、殲滅ならず。山地では消耗した摂津勢が必死に抵抗しますが、地形効果により戦力差マイナスとなり、Arが続出。ついに、盤端に追い込まれます。その中で、中川清秀のみが「勝ってしまい」敵中に突出することに。
T4明智勢の限定反撃
 第5ターン、全ての増援が登場した羽柴勢は、ここに来て戦線全域での攻勢に出ます。盤端に追い詰めた山岳部では、2ユニットを討ち取り、さらに侍大将-中川清秀を撃破します。他も一時的に押し返すも、包囲を敗れず。中央部から山岳部では突出し、突出された完全な乱戦になります。
T5羽柴勢、全面攻勢
 明智勢は、整然と後退のできた右翼を除き、やむを得ず、乱戦による戦闘を行いますが、ここで羽柴勢の防御射撃が冴え渡り、包囲下の2ユニットが後退不能で除去されます。逆に、戦力差マイナスでしたが、敵の谷隊など2ユニットをDrで除去、正面攻撃で1ユニット撃破と合わせて、4ユニットを殲滅します。これにより、VPは明智勢18点:羽柴勢10点と、光秀にやや有利に。
T5明智勢、乱戦に巻き込まれる
 第6ターン、さすがに一部を回復に回さざるをえず、勢いの落ちた羽柴勢ですが、ここが勝負と、血を吐きながら総攻撃を続行します。山地では、1ユニットがAeになりますが、代わりに消耗した敵5ユニットを包囲殲滅します。また、中央部ではCA(反撃)の結果、細川藤孝が敵中に孤立することに。これにより、VPは明智勢19点:羽柴勢18点と、一時的にイーブンに。
T6羽柴勢、血を吐きながらの猛攻
T6 VPで並びかけるが・・・
 明智軍はこれ以上の乱戦を避けるため、細川隊と山岳の部隊を放棄して、前線を後退させ、戦線を維持します。
T6
 もはや終盤の第7ターン、羽柴勢は消耗が多い中央部は回復に努め、両翼では攻撃を続けます。明智勢もさすがに密な戦線を引き切れず、ZOCで繋いだ部分を羽柴勢が強襲します。これにより、包囲下の細川隊を始め、山岳部の2ユニットが壊滅し、一時的にVPは明智勢23点:羽柴勢25点と逆転します。
 時間的に多少の混戦でもよしと判断した明智勢は、両翼で反撃に出ます。包囲下のユニットを救出する+6攻撃はまさかの失敗で、退却不能で1ユニットを失うも、敵の名だたる武将の堀秀政と1ユニットを撃破。VPは再び、明智勢27点:羽柴勢26点と再逆転します。
T7羽柴
 最終の第8ターン、羽柴勢は日暮れ前の最後の突撃をかけます。が、ここに来て、drの女神は微笑まず。神子田がまさかのAeとなり、また、CAで猛烈な反撃を喰らって、1ユニットが壊滅。包囲した+6攻撃で失敗など、VPは全く伸びず。
T8羽柴勢、最後の攻勢
 攻撃失敗による混乱に乗じて、いびつな敵戦線に明智勢は総反撃を行います。ここまで耐えに耐えてきたエネルギーを全てぶつけ、多くの戦闘で勝利。包囲による殲滅で3ユニットを、正面からの突撃でさらに3ユニットを全滅させ、一旦、占領されていた小倉神社を奪還します。この結果、明智勢43点:羽柴勢28点と、明智勢の戦術的勝利になりました。あと、1点あれば、作戦的勝利になったところでした。
T8明智勢の総反撃
最終VP
 羽柴勢は円明寺-天王山ラインの分断には成功し、後方からの援軍で天王山の摂津勢を圧殺するまでは、計画通りで、一時はVPで上回るほどでした。が、結果的には、明智勢の戦力維持・限定反撃プランが奏功し、終盤に名だたる武将を連続して討ち取ることができ、勝利が確定しました。
終了時
 ああ、面白かった!この2ヶ月、「山崎決戦」に浸りっぱなしでしたが、実に様々な作戦と展開を経験でき、十分に元は取った感があります。闇雲に戦闘をするだけでは乱戦になって、羽柴勢が勝つだけですが、明智勢が基本戦略を持ってそれを堅持し続ければ、満足のいく「負けない戦い」ができました。ゲーマーの高齢化が進み、ほとんどゲーマーが一見さんで終わる時代ですが、拘れば奥の深い世界を見せてくれるのが、SLGのよいところ。せっかく、盛り上がっているので、ご希望があれば、華麗な明智戦術を披露しますよ~(ただし、一定の運による、笑い)。