今月のソロプレイ第11弾は、チットドリヴンの作戦級「激闘!スターリングラード電撃戦」(GJ)です。傑作「激闘!マンシュタイン装甲集団」(GJ)を援用した青作戦アイテムで、1942年のソ連邦南部の戦いを描きます。
攻勢を取るのはドイツ軍ですが、北部のVornezhに、中央部のスターリングラード、南部のコーカサス油田地帯と、VP地点がかつてないほど広域にわたっています。戦略目標を設定し、2個装甲軍と2個歩兵軍、同盟軍3軍をどう組み合わせて攻略するのか、マネージングが問われます。
一方のソ連軍は、1ターンに最大で28ユニット(!)という驚異的な動員能力を誇ります。が、終盤まで実質3司令部しか活性化できないため、「図体はでかいが動きが鈍い」軍隊で、いかに防御するか、兵力バランスに相当の思考と判断が必要です。不用意なチット選択とランダム引きの巡りの悪さが合わさると、戦線が大崩壊しかねません。
数回のソロ演習の後、本戦へ。今回の枢軸軍は、史実と同じ2方向への展開を戦略とします。第4装甲軍と第6軍でVornezhを攻略後、スターリングラード方面へ。第1装甲軍と第17軍は、Rostov経由でコーカサスに侵攻し、油田の占拠を狙います。なお、イメージは、プレイアビリティ向上のためのオリジナルのシート類です。
第1ターン、第1アクションはドイツ軍が任意選択できるため、第4装甲軍を活性化します。機械化部隊による突破と歩兵による包囲攻撃を組み合わせ、3ユニットを討ち取りますが、drが極端で2個狙撃兵師団を取り残します。
それでも、直後に第4装甲軍チットが来たため、浸透した装甲部隊がVornezh方面軍司令部を殲滅し、南に展開して半包囲状態を作ります。ここで、同方面軍のチットが空振りになれば、Vornezhの早期奪取が可能でしたが・・・。
ドイツ軍は第1装甲軍を活用し、一部の快速部隊でドネツ河を突破し、北上。Valuyki付近で第4装甲軍と手を結び、大包囲網を完成させます。
第2ターン、第6軍が包囲環を締め付けている間に、再び、第4装甲軍チット。敵の次の増援が来る前にドン河を渡らんと、低比率ながら渡河攻撃をかけます。これが成功し、Vornezh-Svonova間で渡河に成功します。ソ連軍も、Vornezh方面軍で撃退しようと2:1で反撃をかけますが、残念ながら膠着に。
と、ここで補給判定チット。中央部により残された14個師団相当が、補給切れによりステップロスします。
その後も、ソ連軍の後退と枢軸軍の前進が交互に続き、北部と南部でドイツ軍がドン河橋頭堡を構築します。
一方、北部ではドイツ軍がVornezh橋頭堡の拡充を行います。が、大量増援を得たソ連軍が2個司令部で反撃を実施します。1.5:1と2:1の低比率戦闘をともに成功させ、敵の2個自動車化師団を消耗させるという殊勲を挙げます。
第4ターン、Vornezh方面では独ソの死闘が続きます。第4装甲軍が鋭い攻撃で橋頭堡を拡充すれば、ソ連軍もすぐに反撃に転じ、戦線を押し戻します。早期にVornezhを攻略してStalingradに向かう計画はすでに破綻し、大消耗戦になります。
第5ターン、第2アクションで第6軍が活性化すると、先手を取ってVornezh戦線で攻勢に出ます。ソ連軍も反撃で押し戻そうとしますが、低比率のため、効果なしに。敵を押し込んだところで、第4装甲軍が活性化。戦闘後前進で敵の背後を取ると、戦術的包囲を多用し、一気に6ユニット以上を損耗・除去します。
同時に、南部では後退中の敵を第1装甲軍が浸透・捕捉し、次々と敵ユニットを撃破していきます。これにより南部方面軍司令部が壊滅したため、ソ連軍はやむなく大量の増援をつぎ込んで、線路沿いに戦線を張るしかなくなります。
第6ターン、いまだVornezhも墜ちず、このままでは勝利などおぼつかないドイツ軍は、第2アクションの第1装甲軍で、Tbilisi方面への圧力をかけます。が、drに恵まれず、敵を後退させただけに。やむなく、奥地への進撃を諦め、Groznyyへ転進します。
北部では、またも第6軍が先手を取ります。包囲下に残されたVornezh戦線の敵に対し、戦術的包囲による攻撃で9ユニット以上を損耗・除去します。ここで、第4装甲軍チット!突破口から機械化部隊が突進し、Vornezh方面軍司令部を殲滅、北部戦線の北半分をついに崩壊させます。
あとは、波状攻撃でどこまで市街地守備隊を削れるかでしたが・・・攻略準備であまりに部隊を集中したため、その北の守りが手薄に。ここで、はじめてStavkaチットを発動させたソ連軍は、快速の戦車部隊を持って、敵戦線を迂回。さらに、僥倖の連続チットでイニシアチブを取ると、道路沿いに戦車師団が後方連絡線を遮断し、なんと、第1装甲軍を丸々、包囲してしまいます。
北部ではソ連軍が数に物を言わせた総花的な攻撃を連続しますが、ドイツ軍の死守にあって戦線は動かず。ここで、ゲーム終了となりました。
ドイツ軍は元から占拠していた4都市に加え、Vornezhと北端連絡源、Rostov、Maykopの4カ所で80点を獲得。しかしながら、最終ターン、ソ連軍の南部での反撃により、機械化2個師団、歩兵2個師団が壊滅したため、-6VPとなり、結果は74点で敗北でした。仮にもう1カ所が取れていたとしても、84点で勝利には1点足らない展開でした。
本誌の作戦研究にあるとおり、ソ連軍が適切な対応をし続ければ、ドイツ軍が勝つ確率は極めて低いでしょう。が、不用意なチット選択とランダム引きの巡りの悪さが合わさると、一気に戦線が崩壊する可能性もあります。
今回も、前半は適切な兵力配分とチット巡りでVornezhさえ奪えませんでしたが、中盤にドイツ軍の連続チットとソ連軍の反撃頓挫により、一気に北半分の戦線が崩壊。ドイツ軍は、Vornezhどころか、諦めていた北端連絡源まで確保できました。それでも、後1VP地点を取るのは、至難の業でしたが・・・。
ともあれ、戦略的な選択肢が抜群に多いことと、達成が厳しい時にいつ戦略目標を変更するか、枢軸軍にとっては悩みが多い(楽しい)好ゲームです。





























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