今月のソロプレイ第2弾は、「風雲児将門」(str誌付録)です。下総の桓武天皇の後胤-平将門のデビュー戦で、常陸に勢力を持つ源護一族と叔父である平国香を撃破した戦いです。軍事衝突に至った原因については、将門の女房を巡ったトラブルだとか、亡き父の所領を奪った叔父達への復讐だとか、その複合だとか、これまで諸説がありました。最新の説では、筑波山麓が奥羽への主要街道及び交易拠点だったことから、それを取り返そうとした争いだったのではと、いわれています。
史実としては、常陸に向かった平将門本隊を、源扶、繁、隆の三兄弟が待ち伏せ。将門も奇襲を受けて混乱になるも、猛烈な反撃に転じ、三兄弟を討ち取ります。その後、援軍に駆けつけた源裏と叔父の平国香も討ち取って、筑波山麓の敵の拠点を焼き払って、拠点に帰還します。
デザイナーは、自らBQデザイナーと名乗る田村氏。当時は、テストプレイの相手がなく、「ソロデザイナー」で頑張ったそうで。システムは両軍のダブルインパルスで、戦闘は火力の基づいたダメージ判定と防御レベルの適用というファイヤーパワーです。事前にソロ演習してみましたが、このゲームでも、源扶、繁、隆の三兄弟の奇襲に始まります。史実どおりの対応をすると、史実どおり、源勢と平国香勢が各個撃破に合います(再現性は高い)。ただし、2d6の戦闘の振れ幅が大きいので、将門勢も相当の損害を受ける可能性があり、VP上で敗北することもあり得ますが・・・。
源護側としては、各個撃破を避けるため、以下のような作戦を取ることにしました。第1ターンの強制攻撃ではあえて、将門を狙わず、伴類(雑兵)を叩いて、敵打撃力の減少を狙う(将門を攻撃するとVPが入るが、これはデザイナーの罠-あるいは史実の再現ルールで、反撃で酷い目に遭います)。その後、拠点に籠もってハリネズミの陣で時間を稼ぎながら(敵に出血をさせながら)、可能な限りの兵力を山岳や羽鳥(ともに将門勢のZOCが及ばず、攻撃できない)に待避させ、機を見て機動反撃に転ずる。ゲーム終了時に生き残ったユニットが得点になるので、VP上の勝利を狙う。
この指針に沿って、セットアップでは伴類狙いの配置にします。
第1ターン、第1/第2フェイズとも伴類を攻撃し、1ユニットをステップロスをさせ、2ユニットを撃滅します(これで10VP) 。源の三兄弟の損害は少なくはないものの、一気に崩壊するレベルには至りません。
第2ターン、将門が反撃に転じます。まず、西側を封鎖していた3ユニットのスタックを集中攻撃し、一撃でこれを殲滅します。そのまま、外周の伴類スタックを包囲攻撃し、瞬く間に合わせて2スタック(6ユニット)を撃滅します。ただし、将門勢はいくら雑兵を撃破してもVPにはなりません(拠点の奪取及び武将の討ち取り、突破が得点源)。
第3ターン、将門は敵の拠点-大串を攻めますが、42火力を集めたにもかかわらず、わずかに3ダメージのみ。源繁の反撃は鮮烈を極め、将門軍を2ステップロスさせます。 二次攻撃もかけましたが、ヒット値は3と低調で伴類のみが討ち取られます。が、源側はちょうど回復期に当たったため(3の倍数のターンエンド)、結果的に2打撃が無効になりました。
続く第4ターンも、将門軍は大串に強襲を繰り返しますが、drが酷すぎて、二回の攻撃でも大串が陥落せず。逆に反撃のdrが冴えまくり、なんと敵のヒットを上回る大損害を将門軍に与えます(将門以外が全てステップロス!)
第5ターン、将門軍は増援の平将頼隊も投入し、やっとのことで大串を占領します。が、ここまでの猛烈な抵抗で、将門軍は貴重な時間と兵力を磨り減らしてしまっています。唯一、別働隊で機動した平真樹隊が小貝川渡河で、VPを稼いだのが朗報か。
源護側は、各個撃破を防ぐため、野本-石田の防衛ラインに、一時的に部隊を集結させます。
第6ターン、遅れに遅れた将門本隊が小貝川を渡河して、追撃態勢に入ります。源護側はこれならばと、生き残った源二兄弟を最大の拠点-真壁に向けて後退させます。また、源氏軍最強の源裏は、西端の砦取木の防衛に。
第7ターン、遅まきながら将門本隊は、野本-石田の防衛ラインに攻撃をかけます。ここではdrが嘘のように回復し、敵の伴類を一撃で崩壊させます。が、同時に攻撃をかけた平真樹軍はわずか1ダメージしか与えられず、反撃でそれを上回る2ダメージを受けてしまいます。
源護側は行動制限の解除された平国香を逃がすべく、雑兵が盾になって足止めを試みます。
第8ターン、「憎き叔父どもを逃がすな!」将門の咆哮で士気の上がった平軍は、一撃で足止め部隊を粉砕(7ダメージ)。そのまま、拠点石田を強襲し、打撃を与えます。
第9ターン、石田を滅ぼした将門軍は強行軍で、桜川を渡河。そのまま、二次攻撃で国香本隊に強襲をかけます。勢いに乗る将門軍の攻撃は凄まじく、本隊を守っていた伴類は全滅しますが、国香自身はどうにか筑波山塊に逃げ込むことに成功します。
第10ターン、進撃の遅れから得点となる敵武将を1名しか討ち取れず、かつ、残りの武将は完全に防御態勢を取られた将門は焦ります。こうなれば急襲しかないと、筑波山沿いに北上した将門隊は、得意の機動力を生かして(移動drが6)、真壁郊外に陣を引いていた源隆隊を強襲し、それを半壊させます。が、源側の反撃も強烈で、将門本隊が2ステップロスを受けます。
飛んで火に入る夏の虫、とばかりに、源側は反撃に転じます。安全地帯の羽鳥にいた源護が出撃し、消耗した敵雑兵1ユニットを討ち取ります。同時に真壁からは扶・隆の兄弟が将頼隊へと攻撃をかけ、なんと4ダメージを与えます。護衛のいなくなった平将頼は第二次攻撃をまともに受け、戦死!
この時点で獲得VPは、40点以上の差が付き、実質上の勝負は付きました。
第11ターン以降は、源軍による掃討戦になります。重囲に陥った将門本隊と真樹軍に、扶・隆の兄弟と護隊が攻撃をかけましたが・・・ここで、将門軍が意地を見せ、ダメージを受けながらも敵に3倍の損害を与えます。
最終第15ターン、将門はなんとか西端に辿り着きましたが、突破可能なへクスは裏の軍勢が犇めいています。奇跡を信じて、将門は強引に攻撃を仕掛け、敵を損耗させますが、自らも退却不能でステップロスに。
そして、最後は敵に打撃を与えながらも、二度目の退却不能で壊滅。東方の騒乱を起こした平将門、死す!重囲を抜けた平真樹軍が救援に向かっていただけに、惜しい戦死でした。
それでもdrが冴える瞬間もあり、平国香や扶を補足できそうな所まで行きましたが、結果的には取り逃がし。
敵の重囲に陥ってこれで仕舞いかと追い込まれながらも、猛烈な突撃で退路を切り開き、脱出。が、最後は脱出寸前に自らの攻撃失敗で命を落とすという、劇的な展開になったのが救いか・・・。
いずれにしろ、このソロプレイで戦国以前の日本史アイテムジャンルのプレイ率が、5割に復帰しました。詳しくは、こちらをご覧ください。




















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