今月のソロプレイ第5弾は、正統派の東部戦線アイテムから「Kharkov1941-43」(SA)です。元は、SSシリーズの一作だった「ハリコフ大戦車戦」(翔企画)をデザイナーの山﨑氏がリデザインし、拡張版としたアイテムです。第3次ハリコフ戦が主題でしたが、これに第1次から4次までの会戦を追加した、まさにハリコフ会戦だけのゲーム!シナリオ数とこれまでのプレイ状況は、以下の通りです。
第1次ハリコフ戦 1941.10.6-1941.11.1
第2次ハリコフ戦 1942.5.11-1942.5.28
第3次ハリコフ戦 1943.2.1-1943.3.17 ☆
第4次ハリコフ戦 1943.8.2-1943.9.6
今回の「第1次ハリコフ会戦」は、ドイツ軍によるバルバロッサ作戦での怒濤の進撃を描いています。
システムは移動-戦闘と至って簡単ですが、敵ターンの途中に入る機械化対応フェイズによって、戦闘はかなり流動的になります。(都市と大河越し以外は)スタックなしのマストアタックのため、強力な機甲部隊が対応フェイズに隣接し、敵に低比率戦闘を強制。AEや後退により、戦線に穴が開くと、そこから自軍ターンに部隊が突入し、包囲や突破を狙います。
この機械化ユニットは、ドイツ軍が圧倒的で、6ユニットが自由に機動できます。これに対し、ソ連軍はわずかに1ユニットのみ。しかも、対応移動には、敵ZOC外で司令部の指揮範囲にいることが必要です。
2回ほどのソロ演習から導き出された展開は、以下のようになります。
・ソ連軍の歩兵と司令部による二重戦線に対し、ドイツ軍が対応移動で戦線を乱す。
・ドイツ軍ターンに浸透した部隊が、歩兵と協力して、敵を包囲攻撃し、撃破。
・次ターンのソ連軍は、開いた突破口に対し、再編された歩兵配置と後退によって戦線を繕う(突出しすぎた敵がいたら、反撃も)。
勝利条件は、都市占領と工場破壊、部隊壊滅のVPによって決まりますが・・・これがドイツ軍にめっぽう厳しい。全都市の占領はもちろん、最低2個の工場破壊、あとは突破によりますが、うまくいって引き分けでしょう。初プレイでは不慣れもあって、ソ連軍の戦略的勝利(ドイツ軍はわすか3VP!)でした。
今回のリプレイでは、ドイツ軍の反応移動ー強制攻撃を最大限に活用しつつ、場合によっては補給切れ覚悟でZOC to ZOC突進も狙います。あとは、1:3でいくつ「6(AE)」が出るか・・・。
第1ターン、ソ連軍は敵歩兵に隣接しないようにしながら、可能な限り、西側で戦線を張ります。これに対し、ドイツ軍の6個機動ユニットが対応移動で接敵し、敵に攻撃を強要します。その結果、1:3攻撃で北方の2ユニットが撃破され、クルスク前面の兵力が大きく不足します。
それでも、補給切れのユニットを狙い撃ちして、司令部・狙撃兵・自動車化の3ユニットを屠ります。さらに2個機械化部隊を投入して行ったハリコフ戦で勝利し、都市の占領とともに、工場の破壊で25VPを獲得します。
第4ターン、今度は一転して、晴れ。ソ連軍は、復活した3ユニットを北に投入し、突出していた装甲師団に包囲攻撃を試みますが、対応移動でするりと逃げられ、戦果なし。逆に南の低比率攻撃でAEとなり、戦線に穴が開きます。
第5ターン以降は、さすがに泥濘が続きます。泥の大地をドイツ軍は遮二無二、対応移動で前進し、退路を断った上で敵の低比率攻撃を誘います。最低でも2ユニットの除去を目論んでいましたが・・・ああ、ここでソ連軍の反撃(1/6の確率)が成功!なんと、イタリア軍機械化師団が退却不能で、除去になってしまいます。しかも10箇所で起こった1:3攻撃では一つも自滅なし!
そして、迎えた最終第9ターン。ソ連軍は戦闘比1シフトを信じ、南北で総花的な攻撃を仕掛けます。うまくすれば、2ユニット以上を撃破できるはずでしたが・・・最後に来て運命の女神はドイツ軍に微笑みます。ドイツ軍歩兵1個師団を撃破したものの、3個ユニットを失う大損害。しかも、閉ざされていたクルスクへの回廊がクリアに!
ドイツ軍 45VP
ソ連軍 3VP
よって、累計VPは42点で、ソ連軍の作戦的勝利。いやはや、厳しいバランスでした。





















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