歴史・戦史研究「ちはら会」Drei

この会は、主にシミュレーションという手法を用いて、歴史・戦史を楽しもうという、有志の集まりです。興味ある時代をテーマに選び、図上演習(シミュレーションゲーム)を通して、文献研究では得られない「動きのある歴史」を見つめます。 「ちはら会」では、現在、会員を募集しています。年齢や資格等を問わず、興味のある方ならば、どなたでも参加できます。関心のある方は、下記にご連絡ください。 Eアドレス. chiharakai@apost.plala.or.jp (代表.mitsu)

スポーツ

 今月のソロプレイ第6弾は、「熱闘12球団ペナントレース」(HJ)の1989年日本シリーズです。前年の最終戦敗北の雪辱を果たした近鉄バッファローズ対圧倒的な投手力を誇る読売ジャイアンツの戦いです。史実では、不利な下馬評を覆し、近鉄バッファローズが3連勝するも、加藤哲郎の「ロッテより弱い」発言(実際は言っていない)に奮起したジャイアンツナインが、4連勝で逆転勝利を収めます。
 近鉄バッファローズは、19勝のエース阿波野(グレードA)に、12勝の小野和義(グレードB)、山崎、加藤哲郎がグレードC、抑えの吉井がグレードBです。が、それ以外の先発は、グレードEのみで、よくぞ、これで優勝できたなぁというのが実感です。打撃陣では、リードオフマンの大石、成長著しい村上、3割超えの新井、一発のある鈴木貴久に、リベラ、本塁打王のブライアントと、破壊力は抜群です。
 読売ジャイアンツは、最多の20勝投手斎藤(グレードA&C)に、12勝の槇原(グレードA)、桑田、宮本、香田、抑えの広田がBと最強に近い投手陣です。打率.378の首位打者クロマティに、3割越えの駒田、一発のある原、シェアなバッティングの篠塚、岡崎、名手川井など、多彩な顔ぶれです。監督は、こちらも選手遣いの極めて上手い藤田元司です。
 第1戦は、パリーグのホームグランドの藤井寺球場で、エース斎藤(グレードA&C)と阿波野(A)の対決です。この日は、息詰まる投手戦となります。 
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 近鉄先発の阿波野は、ランナーを出すものの、要所では力でねじ伏せ、また、2つの併殺に打ち取るなど、5回までホームを踏ませず。一方の斎藤も、3回までノーヒットピッチングで、その後にランナーを出しても後続を断ち切ります。
 ゲームが動いたのは、5回でした。先頭の篠塚がヒットで出ると、4番原がバックスクリーンに先制のツーランHR!これぞ、4番の働きで、2対0とします。が、その後も阿波野は粘り強い投球を見せ、最終回まで投げ抜きます。
原2
 巨人の斎藤も、隙を見せず。6回に先頭の新井にツーベースを打たれるも、ショートの好プレイでダブルプレイで凌ぎ、最終回もホームランで同点の場面を冷静に投げ抜き、シーズンそのままの勢いで、完封。読売巨人が緒戦をものにしました。
斎藤
 第2戦は、巨人はあえて、槇原を温存し(リリーフ)、桑田(グレードB)を投入します。近鉄は阿波野に継ぐ小野(B)です。
 この日も立ち上がりは、両投手とも順調で、2回までヒットを許さず。思わぬ流れが起こったのは、3回表でした。ツーアウトから9番緒方がツーベースを放つと、ああ、ライト鈴木が痛恨のエラーで先制点を与えます。動揺した小野から、2番篠塚が狙い澄ました一発を、右中間スタンドに叩き込み、3対0とします。
篠塚
 続く、4回表、今度は先頭の井上がソロHRで、追加点。
 5回裏、近鉄は若き村上がソロHRを打って、のろしを上げますが、2つの四球と内野安打で満塁とするも、桑田に押さえ込まれ、1点のみ。
村上3
 すると、6回表、井上からのヒットや四球で満塁とし、9番の緒方に打席が廻ってきます。売り出し中の緒方はきっちりと2点タイムリーで、6対1と突き放します。
緒方
 桑田に翻弄された近鉄は、8回に反撃に出ます。リベラ、鈴木のヒット、四球で満塁として、HRを放っている村上。が、ここは併殺打に打ち取られ、1点のみ。が、続く、真喜志が執念のツーベースを放って、6対3とします。
 ここで、巨人は桑田を諦めて、リリーフに槇原(グレードA)を投入します。槇原は期待通り、ヒットを許さず、9回も投げ抜いてセーブ。巨人が強力な投手陣で、6対3と2勝目を上げます。
槇原2
 第3戦は、舞台を東京ドームに移し、先発は山崎(グレードC)対宮本(B)です。この試合は、初めて近鉄が先制します。2回表、真喜志のヒット、山下の四球で1アウト1・2塁とすると、1番新井がタイムリーで、1対0とします。
 さらに、3回表、ランナーを一人おいて、6番村上がツーランHRで、3対0に。
村上2
 巨人も、4回裏に4番原がソロHRを放ち、追撃の姿勢を見せます。
 6回、近鉄はまたもランナーをおいて、村上がタイムリー・ツーベースで4対1に。が、巨人も負けじと、4番原がタイムリー・ツーベースで、4対2と追いかけます。
原
 7回表、懸命に投げる宮本でしたが、ショート川相がエラーで先頭の新井を出塁させます。送りバントの後、4番リベラがタイムリーを放ち、巨人を突き放します。
 近鉄の先発山崎は、7回まで投げ抜き、8回からは抑えの吉井(グレードB)にスイッチします。吉井は2回を締め、ゲームセット。近鉄がこのシリーズ初の勝利を挙げます。
吉井
 第4戦は、加藤(グレードC)対香田(B)の投げ合いとなります。この日は、1点を争う投手戦に。
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 2回裏、巨人は、ヒットの岡崎をおいて、7番中尾が先制のタイムリーを放ちます。が、近鉄先発の加藤は、その後、ピンチは招くも、要所要所を締め、この1点に抑えます。
 一方の巨人の先発香田は、こちらもヒットを打たれますが、連打を許さず、4回まで無失点で切り抜けます。
 が、5回表、粘り腰の近鉄はヒットの鈴木をおいて、山下がタイムリー・ツーベースで、1対1の同点に追いつきます。
 息詰まる均衡は、6回裏に崩れます。1アウトから5番井上がヒットで出て、すかさず、盗塁。ここで、岡崎がタイムリー・ツーベースを放ち、1対2と逆転に成功します。
岡崎
 香田はこれに力を得て、8回まで点を与えず。9回は、ストッパーの広田が登場し、代打淡口にヒットを許すも、後続を断ち切って、ゲームセット。1点差をものにした巨人が3勝目を挙げ、シリーズ優勝に王手をかけます。
香田
 もはや、近鉄が負けられない第5戦は、日本シリーズ屈指の好ゲームに。緒戦と同じ、エース斎藤(グレードA&C)と阿波野(A)の対決です。
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 先制したのは巨人で、2回裏、阿波野から4番原が先制のソロHR!僅差の勝負となる展開で、この一発は大きく効きます。
 斎藤は球威のある投球で近鉄打線を押しまくり、3回までノーヒットに。が、5回表、近鉄は不振から6番に降格した鈴木貴がツーベースで出ると、送りバントで3塁に。ここで、8番山下がセンターに犠牲フライを打ち上げ、貴重な1点を取って、同点とします。
 前日以上に息詰まる攻防でしたが、7回表、真喜志、山下の連打で数少ないチャンスを作ると、1番新井がタイムリーで2対1と逆転を果たします。
新井2
 巨人は、阿波野からスコアリング・ポジションにランナーを進め、度々、チャンスを作りますが、後一本が出ず、試合は最終回に。
 先頭のクロマティが、この日2本目のヒットで出ると、4番原が繋いで1・2塁とします。ここで、チャンスに強い5番駒田がきっちりとタイムリーを放ち、巨人は土壇場で2対2の同点に追いつきます。何という展開!阿波野は後続を断ち切って、初の延長戦に。
駒田
 巨人は、9回から槇原(グレードA)を投入し、ランナーは出すものの、後続を断って、12回までを投げ抜きます。13回からは、水野(グレードC)が引き継ぎ、こちらは単打のみの安定した投球で、延長17回まで点を与えません。
 一方、巨人は投げ続ける阿波野を攻め、2度のサヨナラのチャンスを作ります。が、阿波野は前年の最終戦敗退の悔しさをぶつけ、全力で腕を振り、最後の1本を許さず。途中で雨天中断があって、冷えた身体でパフォーマンスが落ちても(グレードCに低下)、鬼気迫る投球で、巨人打線を抑え続けます。なんという、気迫!!
阿波野
 が、さすがに、延長13回を過ぎたところで、下位打線に連打を浴び、ここで守護神吉井にスチッチします。吉井は川相を打ち取って、点を与えず。延長16回裏に、呂明賜と好調駒田に連打を浴びるも、阿波野の気迫が移ったかのように、後続を断ち切ります。
 そして迎えた延長18回、これで決着がつかなければ、引き分けになります。近鉄は、この日3本のヒットを放っている6番鈴木貴が、打席に入ります。スタミナ抜群の水野も6イニングス目に入り、制球が甘くなったところを見逃しませんでした。やや中央よりに入った外角のストレートを、ライトスタンドへ!ついに、均衡が破れる!
鈴木貴
 それでも、水野は後続を打ち取って、延長最終回の奇跡を待ちます。第18回裏、5イングス目に突入した吉井は、クロマティ、呂、駒田を撫で切りにし、ゲームセット。日本シリーズ最長の延長18回の攻防に、幕を下ろしました。これぞ、プロ野球!これぞ、日本シリーズ!
 近鉄は驚異の粘りで、2勝目を挙げ、舞台を再び、藤井寺球場に移します。第6戦の先発は、桑田と小野のグレードB対決です。
 序盤から両投手とも、気合い十分の投球で点を与えません。初回、巨人先頭の緒方がツーベースを放ち、川相の進塁打で1アウト3塁としますが、クロマティ、原を小野が打ち取り。その後は、四球は出すものの、1本もヒットを写さず、7回まで零封します。
 一方の桑田も初回に大石のヒットと盗塁でスコアリングポジションにランナーを進めるも、後続を打ち取り。こちらも、7回まで点を与えぬ零行進が続きます。
桑田
 疲れの見えた8回表、巨人は1アウトから篠塚がツーベースを打ち、先制のチャンスを迎えますが、小野が代打攻勢を凌ぎ、いまだ、無失点。
 そして、その裏、ドラマが待っていました。ここまで、打率.174、本塁打0にあえいでいたパの本塁打王ブライアントが、ついに特大のソロアーチ!まさに1点を争うこの試合で出るか!!
ブライアント
 巨人は最終回に、1番から始まる好打順に託しましたが、気迫の小野が首位打者クロマティを打ち取って、完封勝利。1対0で、ついに近鉄バッファローズが、3勝3敗のタイに持ち込みます。
 勝っても負けても優勝の決まる最終第7戦、巨人はここまでリリーフのみで温存していた槇原(グレードA)を投入します。近鉄の先発は中4日の山崎(グレードC)です。
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 2回裏、前日のヒーロー-ラルフ・ブライアントが爆発します。1アウト、ランナー無しの場面で、先制の一発!これで、前試合から2打席連続のHRとなります。
 が、巨人も直後の3回表、ツーアウトから山崎を攻め、1番緒方から4番駒田までの連続安打で、2対1と逆転します。
駒田2
 4回裏、打席には再び、ラルフ・ブライアント。槇原の剛速球をフルスイングで捉えると、なんと、3打席連続のHR!おお、まるで、史実の再現か?!
ブライアント2
 4回を終わって、スコアは2対2のイーブンに。が、死力を尽くす近鉄が立ち向かえたのは、ここまででした。
 5回表、またも先頭の緒方がヒットで出ると、井上、クロマティ、原、駒田が容赦ない5連続ヒット。一気に、4点を取って、山崎をノックアウトします。
クロマティ
 代わった佐藤(グレードC)は、この回は抑えたものの、6回に巨人打線に捕まります。3つの四死球とバントヒットで1点を取ると、6番の職人篠塚が2点タイムリー。さらに8回には、駒田がタイムリー・ツーベースでダメ押しの10点目を挙げます。
篠塚2
 5回以降、槇原は本来のピッチングを取り戻し、8回裏に1・2塁のピンチを招くも、4番鈴木を打ち取り。最終回もリベラに四球を与えただけで、近鉄の代打攻勢を抑えきり、ゲームセット。10対2で巨人が圧勝し、日本シリーズ優勝を決めました。
槇原
 MVPは、打率.346、3HR、7打点の原が獲得しました。敢闘賞は、2試合を投げて、失点を許さず、防御率0点で、1勝1セーブを挙げた吉井でした。
原
吉井
 巨人は、思いのほか、近鉄投手陣に苦労しましたが、最終戦では本来の打線が爆発し、優勝に繋がりました。後半に活躍した緒方が.435、クロマティが.367、MVPの原が346、井上が.318と打ちまくり。打率は.250前後でしたが、駒田と篠塚が4打点と勝負強さを発揮。チームとしては、本塁打数はわずかに4本ながら、平均打率.251、23打点で、近鉄を圧倒。投げては、斎藤、香田、槇原が防御率1点台で、5試合で2失点以下と手堅い投球で、平均防御率は1.77で、近鉄に競り勝ちました。
 近鉄は、当初は貧弱と思われていた投手陣が、6戦目までは、巨人を上回る防御率1.60点と大健闘。特にエース阿波野は、鬼気迫る投球で、緒戦と第5戦の延長戦の22イニングスを投げ抜きました。他にも小野が防御率1.5点、吉井が0点と接戦の立役者となりました。が、打線は3割を超えたのは、.344の新井ただ一人で、大石、リベラ、真喜志、山下が1割台と低迷。打点も村上の4点が最多。本塁打王ブライアントは、最終盤に3打席連続アーチを放ちましたが、全てソロで時すでに遅く。それでも、粘り強い戦い方で、最終戦まで持ち込みんだのは、まさに執念でしょう。

 今月のソロプレイ第5弾は、「熱闘12球団ペナントレース」(HJ)の1988年日本シリーズです。パリーグ優勝の西武ライオンズ対セリーグ覇者の中日ドラゴンズの戦いです。
 西武ライオンズは、近鉄との最終戦ダブルヘッダーを制した、80年代の常勝チームです。15勝の渡辺、13勝の郭泰源(グレードB)と10勝の工藤、森山(グレードC)の4本柱に、抑えの山根がグレードCと、そこそこです。打撃陣では核弾頭の石毛と名手辻が健在で、中日から移った3割の平野、38本塁打の秋山、バークレオ、31本の清原、代打の切り札西岡などが強力です。監督は、手堅い用兵を駆使する森祇晶です。
 一方の中日ドラゴンズは、若き山本のグレードAを筆頭に、西武から移籍した18勝の小野(グレードB)の2枚看板に、小松、米村、鈴木孝、近藤がC、抑えの郭源治が防御率1.95(グレードA)と光ります。打撃では、ルーキーの立浪、主砲の落合、一発のある宇野に、ゲーリー、彦野、燻し銀の仁村徹、川又等と、走力以外では西武打線に引けを取りません。監督は、鉄拳も辞さない燃える男-星野仙一です。
 第1戦は、セリーグのホームグランドのナゴヤ球場で、エース渡辺(グレードB)と山本(A)の対決です。試合は、激しい動きを見せます。
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 1回表、1番石毛がいきなり、ソロHRで先制します。3番秋山も、続いてソロHRで、2点目を挙げます。
石毛
 その裏、中日はヒットの彦野をおいて、3番ゲーリーが同点となるツーラン・ホームランを放ちます。
ゲイリー
 続く、2回裏、今度はヒットの川又を、彦野がホームランで帰し、2対4とします。さらに、3回裏、ゲーリー、落合の連続四球の後、5番宇野がタイムリー、6番仁村もヒット。8番中村がスクイズを決めて、2対8と西武を突き放します。ここで、西武は渡辺を諦め、2番手の山根にスイッチします。
宇野2
 6回裏、加点をしたのは、またも中日でした。5回から代わった東尾を攻め、川又がソロホームラン、3番ゲーリーのツーベースで、11点目を加えます。さらに、7回裏、8番中村のソロHRで、大量12点目を奪います。
 西武も、終盤に粘りを見せます。8回表、疲れの見える山本を攻め、平野のヒット、秋山の四球で4番清原がタイムリー。ツーアウトになるも、辻が内野安打で繋ぎ、8番の代打苫篠が2点タイムリーを放ちます。ここで、山本も降板します。
 9回表、ヒットの石毛がすかさず盗塁を決めると、中日から移籍したばかりの平野がツーベースヒット。さらに、「チャンスに強い」清原が2本目のタイムリーで、7点目を挙げます。
清原2
 が、いかんせん、点差が開きすぎており、リリーフの上原がそのまま、投げきって、7対12で中日が緒戦を物にしました。
 第2戦は、オリエントエクスプレスこと郭泰源と西武から移籍したばかりの小野のグレードB対決になります。
 先制は、西武でした。2回表、好調の清原がソロホームランで、1対0とします。2回は伊東が四球で出ると、セカンド宇野がエラー。辻がスクイズを決めて、2点目を取ります。
辻
 すると、その裏、中日が反撃に。ツーアウトから1番彦野のツーベース、仁村徹のタイムリー、ゲーリーのツーベース、4番落合のタイムリーと、怒濤の4連打であっという間に逆転に成功します。
落合2
 が、4回表、西武も負けじと、秋山のツーベース、バークレオのヒットで1・3塁とし、7番田辺がスクイズで、3対3の同点とします。
 その後、両投手は2回を抑え、ゲームは終盤に。
 7回裏、中日は絶好調の彦野のタイムリーで、1点を奪います。ここで、中日は郭源治を投入します。
 37セーブの守護神に苦労するかと思いきや、8回表、西武は秋山、バークレオの連打でチャンスを作ると、またもスクイズで同点!さらに、8番伊東がタイムリーを放って、5対4と逆転に成功します。
 8回から西武は、本来は先発の工藤を投入し抑えにかかりましたが・・・ゲーリーがヒットで出て、代走岩本が盗塁に成功します。主砲落合はきっちりとタイムリー・ツーベースを放って、同点!さらに、宇野のヒット、山田のスクイズで2点を加えます。
宇野
 9回表、郭源治はヒットを許し、1本出れば同点の危機を迎えますが、後続を冷静に打ち取ってゲームセット。5対7で、中日が連勝し、対戦成績を2勝とします。
郭源治
 第3戦は、舞台を西武ラインズ球場に移します。先発は森山(グレードC)対小松(C)です。この日は、本シリーズ初の投手戦となります。
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 西武は、2回裏、四球のランナーを送って、1アウト2塁とし、7番田辺がタイムリーツーベースを放ち、先制します。
田辺
 これを先発の森山が守り続け、6回まで好調中日打線を1安打で零封します。
 が、このシリーズで驚異的な粘り腰を見せる中日は、7回表、ゲーリー、落合、宇野の三連打で同点に追いつきます。
落合3
 続く、8回表、今度はランナーを2塁において、1番彦野がタイムリーを放ち、2対1と逆転します。さらに、9回表、ツーベースの落合を塁において、7番川又がタイムリーで3対1と突き放します。
 中日の小松は、2回の1失点以外は、西武打線を翻弄し、点を与えず。7回裏に2死1・2塁のピンチで、守護神郭にリリーフし、抑え込みます。そのまま、郭が9回まで投げ切り、初セーブ。3対1で、中日が優勝への王手をかけます。
 西武は絶対に負けられない第4戦に、工藤(グレードC)を投入します。中日は、ベテランの鈴木孝政(C)です。
 この大事な試合に、4番が抜群の働きをします。1回表、彦野が四球を選び、バントで送ると、主砲の落合がバックスクリーンに先制のツーランホームランを放ちます。その後、工藤は立ち直り、5回まで点を与えず。
落合
 一方の鈴木は、スコアリングポジションに度々、ランナーを出すものの、老獪なピッチングで、4回まで西武打線を抑え込みます。
鈴木孝政
 このままでは、ストレート負けになると奮起した西武は、5回裏、ヒットの平野を塁において、3番秋山が値千金の同点ツーランHRを放ちます。これで、ゲームは振り出しに。
秋山
 が、ここでも、中日の粘りが。続く、6回表、1アウトから彦野がツーベースを打つと、燻し銀仁村徹が勝ち越しのタイムリー!ここで、ライトの平野に痛いエラーが出て、さらに1点を献上。6番川又が止めのタイムリーを放って、5対2とします。
 西武は連打や連続エラーで、チャンスを作りますが、ゲッツーなどで後一本が出ず。ベテラン鈴木の前に、追加点を取れず、ゲームオーヴァー。
 5対2と、なんと4戦連続勝利の中日が、史実の劣勢を跳ね返し、ストレート勝ちで日本シリーズ優勝を決めました。
 MVPは、驚異の打率.500、1HR、4打点の彦野が獲得しました。敢闘賞は.313で2本塁打を打った秋山でした。
彦野
秋山2
 西武は、平野が.353、秋山が.313、石毛が.294の2盗塁と活躍しましたが、バークレオ、田辺が1割台で足を引っ張り、平均打率も.245と中日に抑え込まれました。投げては、先発の渡辺、郭、工藤が防御率5点以上で、ゲームが崩壊。平均防御率は5.56で、1試合に1本以上の本塁打を打たれたのも、響きました。
 一方の中日は、MVPの彦野に、同じく打率.500の落合、.333で1本塁打、5打点のゲーリー、.357の川又などがきっちりと得点を重ね。平均打率は.285で、26得点(!)と西武を圧倒。投手陣も、小野、小松、鈴木がゲームを作り、守護神郭も第1試合は打ち込まれるも、2戦目に零封。平均防御率は3.5点で、被本塁打もわずかに1本とがっちりと抑え込みました。

 今月のソロプレイ第4弾は、「熱闘12球団ペナントレース」(HJ)の1987年日本シリーズです。パリーグ優勝の西武ライオンズ対セリーグ覇者の読売ジャアンツの戦いです。
 西武ライオンズは、15勝の工藤(グレードA)と東尾(グレードB)に、13勝の郭泰源(グレードB)、先発・抑えも熟せる渡辺 (グレードB)の4本柱に、松沼博と横田がグレードCと充実した先発陣を誇ります。打撃陣では核弾頭の石毛、43本塁打の秋山、29本の清原、14本のブコビッチなどが強力ですが、規定打席で3割がおらず、平均打率は.249と確実性は低めです。監督は、広岡野球を継承した森祇晶で、敵の隙を突く用兵が持ち味です(史実での第6戦、ツーアウト1塁から単打での辻の生還は、あまりに有名)。
 一方の読売ジャアンツも、桑田のグレードAを筆頭に、江川、水野、加藤初のグレードBの先発に加え、抑えの鹿取が防御率1.90(グレードA)と光ります。打撃では、篠塚、クロマティ、原、吉村、中畑が3割超え(!)で、平均打率は.281と、巨人史上でも最強の部類に入ります。監督は、世界のHR王こと王貞治です。下馬評では、圧倒的に巨人が有利でした。
 第1戦は、パリーグのホームグランドの西武ライオンズ球場で、エース桑田(グレードA)と工藤(A)の対決です。
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 初回から、西武がしたたかさを見せつけます。ピッチャーのエラーで出塁した石毛が、すかさず、盗塁。ツーアウトになるものの、4番清原が先制のツーランホームランを叩き込みます。さすが、「チャンスに強い」清原。
清原2
 4回表、巨人は戦闘のクロマティがヒットで出ると、原の進塁打の後、6番「絶好調の」中畑がツーベースを放ち、1点を返し、1対2とします。
 すると、その裏、西武は今度はサードのエラーでブコビッチが出塁し、金森のバント処理で野手選択で、1・2塁とすると、7番田辺がきっちりタイムリーを放ち、1対3へ。
 そのブコビッチが、6回裏にはソロホームランを叩き込み、1対4に。
 終盤、ゲームが激しく動きます。7回表に、四球の中畑が盗塁すると、岡崎の代打鴻野が2点ホームラン!
 さらに、8回表、ヒットのクロマティを中畑がヒットで迎え入れ、ついに4対4の同点に追いつきます。中畑がこの日2つ目の盗塁を決めると、7番鴻野が逆転の一打を放ち、5対4とします。ここで、西武の先発工藤はノックアウトされます。
 その裏、今度は西武がしぶとく食い下がります。四球の金森を置いて、7番田辺が再逆転のツーランホームラン!ゲームは再び、西武リードで5対6に。
田辺
 最終回、8回途中からリリーフした森は、先頭の山崎を三振に取りますが、1番駒田に四球を与え、篠塚がヒットで1・2塁とします。ここで、西武は本来は先発の郭泰源を救援に投入しましたが・・・3番クロマティを三振に取るも、4番原が執念の内野安打で繋ぎます。そして、ここまでノーヒットの5番吉村。天才と言われたバッターが郭の剛速球を打ち返し、7対6と再々逆転に成功します。なんという、シーソーゲーム!
吉村2
 巨人は、ここまで6点を取られながら、試合を維持した(グレードを低下させなかった)桑田が粘りの投球で完投し、ゲームセット。ホームラン3本を浴びたものの、5安打、自責点3で、緒戦をアウェイの巨人が取りました。
 第2戦は、江川と東尾のグレードB対決になります。前半は、投手戦となり、ともにヒットは許すものの、要所要所を締め、責任投球回数の5回まで、0対0の零行進が続きます。
 6回表、均衡を破ったのは巨人でした。先頭の山倉が歩き、松本の進塁打で1アウト2塁とすると、1番駒田が値千金の先制ツーランを放ちます。さらに7回表、今度は吉村がライトスタンドにソロHRを叩き込み、3対0とリード。
駒田2
 西武は、7回裏、1アウトから清原が出ると、5番ブコビッチが左中間ツーベースを放ち、1点を返します。ここで、江川は降板し、リリーフエースの鹿取(グレードA)が後続を打ち取ります。
 負けられない西武は、8回裏、ツーアウトから石毛・広橋の連打で鹿取を攻め、2・3塁のチャンスを作りますが、ああ、主砲秋山が三振になります。
 9回表、今度は巨人原が貴重なソロHR!これがダメ押しとなり、鹿取が3人をきっちり締めて、ゲーム終了。巨人が2勝とします。西武は、ランナーを出して、積極的な盗塁を仕掛けましたが、走力5の秋山、4の苫篠が山倉に阻止されるなど、機動力を生かせず。
原2
 第3戦は、舞台をこの年最後の後楽園球場に移し、先発は渡辺(グレードB)対水野(B)です。
 序盤は、両投手とも粘りの投球で3回まで零行進が続きます。特に西武の渡辺は、4回裏まで一人もランナーを出さないパーフェクト・ピッチングです。
 4回表、西武は四球のランナーをおいて、不振の秋山がタイムリーツーベスを放ち、先制します。6回表には、「チャンスに強い」清原がソロホームランで貴重な追加点を挙げます。
秋山
 巨人も、5回裏に吉村が初ヒットを放つも、ゲッツーで断ち切れ。6回にはヒットの鴻野を送って、スコアリング・ポジションまで進めるも、あと一本が出ず。
 最終回、ツーアウトから篠塚がセンター前ヒットで出て、ホームランで同点の場面を作りましたが、クロマティが凡退し、2対0で西武が勝利しました。渡辺は、9回を散発4安打に抑え、完封勝利です。これで、西武は1勝2敗と初の勝ち星を挙げます。
渡辺2
 第4戦の先発は、オリエントエクスプレスこと郭泰源と「鉄仮面」加藤のグレードB対決です。この日は、激しいシーソーゲームになります。
  2回裏、巨人が原のツーベース、吉村のヒットで1・3塁とすると、中畑の併殺打の間に、1点を先制します。
 続く、3回表、西武はヒットの伊東をきっちり送り、2番西岡がセンター前にはじき返して、同点とします
 5回裏、巨人は、1アウトから好調鴻野がヒットで出ると、「意外性の男」8番山倉がツーラン・ホームランを放ち、1対3と再び、リードします。
 王手をかけられたくない西武は、6回表、ツーアウトから粘りの繋ぎで反撃に出ます。秋山が四球の後、すかさず、盗塁。ここで頼りになる4番清原がセンター前にはじき返して、同点!さらにブコビッチが四球を選ぶと、降格された6番石毛が奮起し、逆転のタイムリーヒットを放ちます。これで、西武は4対3と再逆転します。
石毛2
 7回は両投手が持ち直して、点を与えず。8回表、なんとか点が欲しい西武は、先頭の秋山に待望の1発が出て、巨人を5対3と突き放します。
 そして、9回裏、疲れの見える渡辺から先頭の原がツーベースで足掛かりを作り、6番中畑がヒットで、再び、1点差にします。鴻野は三振に倒れるも、8番山倉がヒットで繋ぎ、ツーアウト1・3塁とします。一打同点、長打でサヨナラの場面で、代打山本。ここで、西武は球威の落ちた渡辺から、横田にスイッチします。行き詰まる対決は・・・三振!からくも、5対4で接戦を物にした西武が、通算成績を2勝2敗の五分に戻します。
 ともに王手のかかった第5戦、桑田対工藤のエース(グレードA)対決となります。2回までは両投手を攻めあぐね、零のまま。
 3回裏、初ヒットは、なんと投手の桑田。すると、動揺した東尾の甘い球を見逃さず、1番駒田がバックスクリーンに、2点HRを叩き込みます。
駒田
 続く、4回裏、先頭の中畑がヒットで出塁すると、すかさず、盗塁を決めます。ここで、4番原がタイムリーを決めて、0対3と突き放します。
原
 西武も桑田を攻め、スコアリング・ポジションまで3度、ランナーを進めますが、要所を締められ、得点できず。
 その後、東尾も立ち直り、両軍とも点が取れない展開で、あっという間に最終回に、桑田が、1番から始まる打線を三者で打ち取り、ゲームセット。読売巨人軍が、優勝への王手をかけます。
桑田2
 ここで移動があって、再び、西武ラインズ球場へ。第6戦の先発は東尾(グレードB)対江川(B)の二度目の対決となります。序盤は、意地の投手戦となります。東尾は4回まで、ツーベースと単打の散発に抑え、点を与えず。江川もピンチを招くも、後続を断ち切って、スコアボードに零を並べます。
東尾
江川
 ゲームが動いたのは、中盤でした。5回表、クロマティがヒットで出ると、この日初先発の8番石井がタイムリーツーベースで、先制します。
 6回表は、篠塚のヒットと原の単打で1・3塁とすると、5番吉村がセカンド強襲で1点を追加します(記録はエラー)。続く、7回、こちらもエラーで出塁した鴻野を、石井が二打席連続のツーベースで、生還させます。これで、3対0に。
 8回には、原と吉村の連打でチャンスを作り、クロマティの併殺打の間に、1点を追加し、4対0と大きく優勝に前進します。
 最終回9回の裏、のらりくらりとここまで無失点の江川でしたが、1アウトから石毛がツーベースを放つと、田辺が左中間に一発を放ち、4対2と一矢報います。ここで、江川は降板します。
 引き継いだ鹿取は、絶対的抑えの力を発揮し、打者2人を打ち取って、試合終了。ジャイアンツが史実を覆し、87年の日本王者となりました。
鹿取
 MVPは、驚異の4割7分8厘、1HR、2打点の原が獲得しました。敢闘賞は、2割6分1厘ながら、チャンスで打点を挙げた田辺(1HR、6打点)でした。
原
田辺2
 西武は、3割以上の打者はおらず、平均打率.179と低迷。投手陣も、エースの工藤が防御率5.14点、東尾が4.15点と打ち込まれたのが痛かったです。それでも、与四球率は1.16と抜群の安定感で、4戦目に完封した渡辺など、トータルでは防御率3.57でした。
 一方の巨人は、4番原が打ちまくり、西武のお株を奪うような積極的な盗塁(のべ5盗塁)で、一本を繋いで合計で20点を獲得。これを防御率2.17の投手陣が支えて、優勝しました。エースの桑田が防御率1.50点、江川も1.84点でともに2勝を挙げ、抑えの切り札鹿取が無失点(2セーブ)など、投手陣の働きが大きかったです。

 今月のソロプレイ第3弾は、「熱闘12球団ペナントレース」(HJ)の1986年日本シリーズです。パリーグ優勝の西武ライオンズ対セリーグ覇者の広島東洋カープの戦いです。
 西武ライオンズは、ゲーム化されている83年以降、91年まで実に7回のペナント優勝を誇る黄金期に当たります。16勝の渡辺(グレードA)と抑えも任せられる郭泰源(グレードA)、工藤・川本のグレードBに、東尾のグレードCと、3人が10勝以上の強力な先発陣です。抑えには、若手の石井(グレードA)と先発兼任の郭泰源(グレードA)がいます。打撃陣では、打って良し、走って良し、守って良しの石毛・辻の1・2番コンビニ、41本塁打の秋山、3割30本越えの驚異の新人清原、一発のあるブコビッチ、シェアな打撃の片平、トレードで中日から来たベテラン田尾、出塁率の高い金森、岡村など、こちらもどこからでも得点できる強力な布陣です。
 一方の広島東洋カープも、18勝を挙げたエース北別府(グレードA)を筆頭に、川口、金石、長冨、大野(グレードB)と、4人が10勝以上で、西武以上の強力な投手陣です。リリーフも炎のストッパー津田(グレードA)と新人ながら中継ぎの要となった川端(グレードB)と高い安定感を誇ります。打撃では、衣笠が.205の不調、山本浩二も30本に届かないHR数など、往年の主軸の衰えはあります。が、成長著しい正田、走って守って打てる髙橋、山崎、シェアなバッティングの長島、長内、代打の切り札小川、走りのスペシャリスト今井など、こちらも様々な得点パターンのあるチームです。
 第1戦は、セリーグのホームグランドの広島市民球場で、エース北別府(グレードA)と渡辺久信(A)の対決です。
 先制したのは、広島。2回裏、四球の山本浩二を置いて、6番小早川がツーベースを放ち、1アウト2・3塁とします。ここでベテラン衣笠が犠牲フライを打ち上げ、0対1とします。さらに4回裏、先頭の髙橋がヒットで出ると、すかさず、盗塁。ここで、5番長嶋がツーベースで2点目を挙げます。小早川三振の後、再び、衣笠。が、ここで、突然、激しい雨が振り出し、試合は中断。結局、そのまま、やむことなく、雨天中止となりました。
 翌日、中止規定に従って、再び、第1戦となります。が、この日も朝からどんよりとした雲に覆われ、時折、小雨が混じる天候。必死のグランド整備が功を奏し、試合開始となりましたが・・・1回表、ツーアウトで秋山を迎えたところで、前日を彷彿とさせてる激しい雨に。この日もノーゲームとなり、日本シリーズ史上初の2戦順延となります。
 やっと迎えた3日目、晴れ上がった広島市民球場で、第1戦が開催されます。先発は、川本と金石のグレードB対決です。
第1戦
 1回裏、好調広島打線が火を噴きます。1番正田がセンター前ヒット、山崎が内野安打で1・2塁に。髙橋が併殺打に倒れますが、ここで4番山本浩二がレフトへの特大ホームランを叩き込み、0対2と先制します。
山本
 西武は、4回表、こちらも4番清原がソロアーチで、1点差とします。
 その裏、広島はヒットの長嶋を置いて、6番小早川が右中間へのHRで、1対4と突き放します。さらに、5回裏、山崎がツーベースで出塁すると、山本がセンター間ヒットで繋ぎ、5番長嶋が犠牲フライを打ち上げて、5点目を捥ぎ取ります。7回裏には、四球とヒットで1・3塁とし、セカンドのエラーで6点として止めを刺します。
 西武も、9回表にAK砲の秋山がソロHRを放ちますが、そこまで。金石が完投し、2対6で広島が先勝します。
金石
 第2戦は、西武の2枚看板郭泰源(グレードA)と長冨(B)の投げ合いになります。初回、いきなり、西武打線が爆発します。核弾頭石毛が先制のソロHRを放つと、ヒットの辻を塁において、3番秋山が見事なツーラン!さらに、4番清原が連続HRのアベック砲で4点目を取り、長冨をノックアウトします。
秋山2
清原3
 広島も負けじと、1回裏、ヒットの正田を置いて、髙橋慶彦が郭の直球をバックスクリーンに叩き込み、4対2と追い上げます。
 その後、郭が持ち直し、広島も白武-小林のリレーで、4回までは得点なし。
 本来なら勝利投手が決まる5回、動きがでます。西武が1アウトから連打で、1・2塁とすると、中日から移ったばかりの田尾が貴重なスリーランを放ち、7対2とします。
 が、その裏、再び、正田が出塁すると、3番髙橋がこの2本目のホーランを放ち、7対4とします。さすが、カラスが鳴かない日があっても、慶彦のティー(バッティング)が聞こえない日はない、といわれた「練習の虫」!
高橋
 その後、2回は両投手陣の踏ん張りで、落ちつくかに思えましたが・・・8回表、西武はリリーフの大野を攻め、田尾のツーベース、四球、代打清家の内野安打で満塁とします。ここで、1番石毛がなんと満塁HR !まさにとどめの一発に。
石毛2
 西武は、疲れに見えた郭を、8回裏から石井(グレードA)にスイッチし、そのまま、終了。11対4で、対戦成績を1勝1敗の5分に戻します。
 第3戦は、舞台を西武ラインズ球場に移し、先発は北別府(グレードA)対渡辺久信(A)の対決になります。
第3戦
 両エースの投げ合いとあって、試合は真っ向からの投手戦に。
 広島の北別府は緩急を付けた投球で、西武打線に的を絞らせず、なんと、6回までノーヒット・ピッチング。7回裏に、清原にツーベースを打たれたものの、その後も要所要所を締め、9回まで点を与えず。
北別府2
 一方の渡辺も、好調広島打線を相手に、ヒットは許すものの、あと1本を与えず。スコアリング・ポジションに5回、ランナーを進めますが、きっちりと後続を抑えて、こちらも零封。結果、本シリーズ初の延長戦に突入します。
渡辺2
 勝負が動いたのが、第11回表でした。先頭の山本が四球で出ると、ピンチランナー今井が盗塁を決め、6回目のチャンスを迎えます。ここで5番長嶋が、渡辺の初球を叩いて、先制のツーランホームラン!ついに、均衡を破ります。
長島
 その裏、北別府は代打金森、石毛、辻を凡打に打ち取り、ゲームセット。延長11回を投げ抜く見事な完投で、2対0と広島が再び、リードします。
 第4戦の先発は、工藤と川口のグレードB対決です。序盤は、ともに小数点を取り合う展開になります。
 2回裏、西武は先頭の4番清原が、川口の速球を捉え、ライトスタンドに放り込みます。 
 続く、3回表、今度は広島が四球のランナーを進塁打で進め、山崎のタイムリーで同点にします。さらに、4回表、このシーズン絶好調の髙橋慶彦がソロホームランで、2対1と逆転します。
 その裏、西武も反撃に出ます。2番辻がセンター前ヒットで出ると、すかさず、盗塁を成功させます。ここから、秋山・清原の連続ヒットで2点を加え、2対3と逆転します。5回裏、ツーベースの伊東をおいて、打率4割近くの1番石毛がヒットで、2対4と差を広げます。
石毛
 8回表、広島も意地を見せ、代打小川のヒットと進塁打、またも髙橋のタイムリーで3対4と追いすがりましたが・・・。
 その裏、西武が変わった川端を攻め、ツーベースとヒットで加点し、3番秋山が止めの3ランホームランを放ちます。さらに、ツーベースの清原をおいて、代打西岡がタイムリーで4点目を加え、勝利を決定づけます。
秋山
 西武は、8回途中からリリーフエースの石井が広島打線を抑え、3対8で勝利し、再び、勝敗を2勝2敗の5分に。
 ともに王手のかかった第5戦、先発は、前回完投の金石(グレードB)とシーズン初登板の東尾(C)の投げ合いになります。
 この試合も5回までは、がっぷり四つの取り組みになります。2回に広島が投手金石(!)のツーベースで先制すれば、その裏に西武は、スリーベースの西岡を伊東がスクイズで返し、1対1の同点に。
 5回表、正田・山崎の連打で作ったチャンスに、頼りになる男-髙橋がタイムリーで再び、2対1とリードをしますが、その裏に西武の核弾頭石毛がソロHRで、たちまち、同点に。
 すると、7回裏、疲れの見えた金石から石毛がツーベースを放ち、辻のタイムリーで西武が逆転に成功します。さらに、8回裏、リリーフの川端を攻め、伊東がツーランHRを放ち、2対5に。ここで、西武は防御率.000の守護神石井を投入し、勝負あったかと思われましたが・・・。
 9回表、広島は先頭の達川と代打小川の連続ツーベースで、1点を返し、3対5とします。それでも、石井は2人を打ち取り、あと一人までこぎ着けます。ここで、バッターは3番髙橋。狙い澄ました1発は、同点となるツーランHR!土壇場に来て、5対5と広島が奇跡的に追いつきます。なんという展開!!
高橋
 9回裏は、炎のストッパー津田が締めて、ゲームセット。5戦目が終わって、2勝2敗1引き分けと、両軍とも一歩も譲らず。
津田
 再び、広島市民球場に移って、王手のかかった第6戦に。先発は、西武の両エースの郭泰源(グレードA)とシーズン初先発の大野(グレードB)です。
第6戦
 初回、広島は山崎の内野安打と盗塁でスコアリングポジションにランナーを進めると、5番長嶋のツーベースで、幸先良く、先制します。その後、郭は自慢の剛速球で広島打線をねじ伏せ、7回まで一人もランナーを出さない好投を続けます。
長島2
 西武は4回まで苦労人大野の緩急を付けたピッチングに、あと一本が出ず。が、勝利のかかった5回表、西岡・田尾の連打で1・3塁とすると、8番伊東がスクイズを決め、同点とします。さらに、1番石毛がタイムリーを放ち、2対1と逆転に成功します。その後も、西武らしく、6回と7回に犠飛で1点ずつを取り、4対1と突き放します。
 負けられない広島は、8回裏に先頭の達川がツーベースで出塁すると、2番山崎がタイムリーで4対2と詰め寄ります。
山崎
 迎えた最終回、山本浩二が四球を選び、長嶋が倒れた後、小早川が打席に入ります。ここで、カープの若武者が値千金の同点ツーラン!最終回の同点劇で4対4に!その後は、郭に変わった石井が後続を断ち切って、終了。日本シリーズ史上初となる二試合連続の引き分けです。
小早川
 再々度、優勝への大手をかけた第7戦、ここは再び、渡辺と北別府の最強エース対決(ともにグレードA)となります。
第7戦
 初回はともに零封でしたが、前半から西武打線が火を噴きます。2回表、ショートのエラーでランナーが出ると、ここまで打率が2割切っていた5番ブコビッチが、目覚めのツーラン!次の打席でもヒットを打つなど、覚醒します。
ブコビッチ
 4回表、四球の清原に、ブコビッチがヒットで続き、6番西岡がスクイズを決めて、加点します。ここで、レフト山本に痛いエラーが出て、2・3塁に。8番伏兵の伊東が、思い切って振り抜くと、バックスクリーンへのスリーランHRに!これで、6対1と広島を大きくリードします。
 その後、広島は清川のロングリリーフに、白武と繋いで、西武打線を抑えます。
 が、広島打線は立ち直った渡辺久信に翻弄され、点が取れず。最終回にツーアウト1・2塁とチャンスを作りましたが、代打小川が三振に倒れてゲームセット。
渡辺
 このシーズン初めて西武が先制し、対戦成績を3勝2敗として、優勝への大手をかけます。
 歴代日本シリーズ初の第8戦は、同じく広島市民球場で開催されます。先発は、工藤と川口のグレードB対決です。
第8戦
 初回、好調の西武が先制します。1アウト後、辻・秋山の連打で1・2塁とすると、目覚めたブコビッチが、値千金のスリーランHR!さらに、3回表、ヒットの清原、四球のブコビッチをおいて、6番西岡がタイムリーで、4対0とします。
 なんとしても、追いつきたい広島でしたが、工藤の変化球に翻弄され、4回までわずかヒット1本に抑えられます。5回裏、先頭の小早川が前々日に続く、ホームランで1点を返します。が、後続が打ち取られ、追加点を奪えず。
工藤
 この頃から、またもや雨雲が広島地方を覆い、小雨の中で試合が続行となります。広島は2番手に川端を投入し、3回を零封します。
川端2
 そして、迎えた8回裏、先頭達川を打ち取ったところで、猛烈な秋雨に。なんとしても、試合を再開したかった広島球団ですが、そのまま、日没まで雨が降り続け、4対1のまま、無念の雨天コールド!
 結果、4勝2敗で西武ライオンズが、86年の日本シリーズを制覇しました。  MVPは、2つの完投勝利で、延長を含むのべ20イニングスを投げ抜いた渡辺久信です。防御率も1.35と文句なしでした。敢闘賞は、打率3割3厘で、4本のホームランを放ち、9打点(両チーム最多)を挙げた髙橋慶彦でした。
渡辺2
高橋
 西武は、石毛が3本塁打の8打点、秋山が4本塁打の7打点、ブコビッチが2本塁打の5打点、伊東が2本塁打の6打点、と、広島を大きく上回る13本の本塁打、40打点が効きました。また、清原が.344、西岡が3.75と高い打率で、チャンスメイクをしました。投げては、MVPの渡辺と工藤が2勝ずつ、(1試合のみ打ち込まれましたが)抑えの石井が4試合を零封。平均防御率は、投手王国らしい3.15でした。
 広島は、正田と敢闘賞の髙橋が.303、達川が.304、小早川が3本塁打5打点など、活躍しましたが、ベテランの山本浩二が.179、衣笠が.083と低迷。結果、総本塁打9本に、24得点と振るわず。投げては先発の金石、北別府が防御率3点以下、リリーフでは白武と清川が0点と奮闘しましたが、1アウトも取れず降板した長冨、8.10と打ち込まれた川端等、投手陣が崩壊。平均防御率4.75で、被本塁打14本と打ち込まれました。唯一、西武を上回ったのが盗塁で、トータル7はよかったです。
  それにしても、2日間の雨天順延や最終戦のコールドなど、これほど天候に左右されたシリーズは、初めてでしょう(珍プレイ好プレイの綾)。

 今月のソロプレイ第2弾は、「熱闘12球団ペナントレース」(HJ)の1984年日本シリーズです。パリーグ優勝の阪急ブレーブス対セリーグ覇者の広島東洋カープの戦いです。
 阪急ブレーブスは、21勝した最多勝の今井(グレードA)・勝ち星2位の山田(B)・佐藤(B)の強力先発陣に、抑えで力量を発揮した山沖(B)と、リーグ唯一の防御率3点台を誇ります。打撃では、俊足の盗塁王福本を筆頭に積極的な盗塁が多く、松永・ブーマー・弓岡の3割打者、HR20本越えの最優秀新人の藤田、簑田、ブーマーと、強力な破壊力を誇ります。なお、ブーマーはこの年、打率.355にHR37本、130打点で、戦後7人しかいない三冠王に輝いています。監督は、延べで20年(!)を務め、強力打線を育成し、常に優勝争いを続けた名将上田利治です。
 一方の広島東洋カープは、先発の北別府・大野・山根(グレードB)に、最優秀防御率を取った抑えの小林がAと、ほぼ同等の投手陣です。打撃では、俊足の1、2番コンビの高橋・山崎に、打率とHRともに主軸の山本浩二・衣笠、期待の新人小早川、シェアなバッティングの長嶋と、隙のない打線が魅力です。監督は、赤ヘル軍団の指揮官古葉竹織です。
 第1戦は、セリーグのホームグランドの広島市民球場で、エース今井(グレードA)と北別府(B)の対決です。
第1戦
 試合が動いたのは4回でした。広島はツーアウトながら山崎の四球と小早川のヒットで得点圏にランナーを進めますが、山本がサードゴロに。が、阪急の松永が、ここで痛恨のエラーで満塁に。鉄人衣笠がレストスタンドの満塁HRを打ち込み、一気に4点をもぎ取ります。これで、気落ちした今井は、4回に高橋のツーラン、5回に山本と長嶋のソロで8点を失います。
衣笠
 阪急も、8回にブーマー、簑田の連続ヒットで1、3塁とし、小林晋哉の内野ゴロで、1点を返しますが、そこまで。要所要所を抑えた北別府が1対9で完投し、広島が先勝します。
北別府
 第2戦には、佐藤義則と山根のグレードB対決です。1回、阪急が松永の一発で先制すると、2回裏に広島は、ヒット2本と二つの四球で満塁とし、木下、達川の連続スクイズで1対2と逆転します。阪急も5回に今度は伏兵福原のソロで、同点にします。
松永
 2対2で迎えた7回、またも福原がツーベースでチャンスを作ると、代打村上が勝ち越しのツーランHRを放ちます。
福原
 ここで阪急は抑えのエース山沖を投入しましたが、広島も木下、達川の連続ヒットで食い下がります。北別府に変わって、代打長内が、値千金のスリーベースヒット!さらに、高橋慶彦の進塁打の間に1点をもぎ取り、逆転します。
長内
 8回からは、広島のストッパー小林誠二がきっちりと閉め、接戦を物にした広島が4対5で連勝します。
小林
 第3戦は、舞台を西宮球場に移し、先発は大野(グレードB)対山田(B)です。両投手ともランナーは出すものの、粘りの投球で3回まで零行進が続きます。
第3戦
 4回表、ここに来て当たりの出てきた新人小早川が、先制のソロHRをたたき込みます。この援護を受けて、大野は6回まで点を与えず、投手戦が続きます。
小早川
 と、7回裏、負けられない阪急は、疲れの見えた大野から藤田がツーベースを放ちます。ここで、前試合にHRを打っている村上が、二日連続のツーランHR!さらに四球の福本を2塁において、松永がタイムリーを放って1対3に。8回には、藤田のとどめのツーランHRも飛び出し、1対5とリードを広げます。
 投げては、サブマリン山田久志が9回を投げ抜き、ゲームセット。阪急がやっと一矢を報いて、勝ち数を2勝対1勝とします。
山田久志
 両チームとも勝ち星にしたい第4戦の先発は、川口と宮本のグレードCです。この日は、激しいシーソーゲームになります。
 1回表、好調小早川のタイムリーで広島が先制し、4回にも衣笠の一発で2対0とします。その裏、阪急の松永、簑田がヒットでランナーを貯めると、6番小林晋が値千金の逆転スリーランを放ち、2対3と逆転します。
 が、直後の5回表、今度は広島の主砲山本浩二が、ツーアウトから再逆転のツーランHRを放ちます。
山本
 このままでは、終われない阪急は、8回裏、三冠王ブーマーがこのシリーズ初のHRで4対4の同点に!
ブーマー3
 が、9回表に再びドラマが待っていました。広島の4番遅咲きの山本が勝ち越しのツーラン!これを守護神小林誠二が守り切って、広島が6対4と3勝目をもぎ取り、優勝にお王手をかけます。
 阪急にとっては後がない第5戦は、壮絶な戦いに。初戦と同じ今井(グレードA)と北別府(B)の先発です。
第5戦
 立ち上がりの不安な今井が1回表に捕まり、高橋のヒット、四球、小早川のタイムリー、衣笠の犠飛、長内のタイムリーを浴び、3点を失います。
高橋
 その裏、阪急も福本がツーベースで出塁すると、3番松永のタイムリーで1点を返し、3対1とします。  
松永4
 粘る阪急は、3回裏にブーマーの犠飛、簑田のタイムリーで、3対3の同点に追いつきます。すると、5回表、今度は広島の4番山本浩二がタイムリーで、またも4対3とリードします。
 その後、両投手ともランナーを出しながら要所を閉め、ゲームは終盤に。このままでは敗北すると焦る阪急な、8回裏にツーアウトながら簑田が四球で出塁すると、6番小林晋が値千金の同点スリーベースヒット!これで、ゲームは4対4の振り出しとなり、ともに9回を零封して、シリーズ初の延長戦に入ります。
 10回裏、阪急が松永のツーベースでサヨナラのチャンスを作ると、広島は北別府を諦め、抑えの切り札小林を投入します。小林はきっちりとブーマー、簑田を打ち取って、11回へ。
 広島は11回表に山本のヒットと衣笠の四球で勝ち越しの機会を迎えますが、6番長嶋がゲッツーでチャンスを逃します。
 11回裏、あっさりとツーアウトを取った小林ですが、代打村上を警戒して四球を与えます。すでに規定の270分が過ぎようとしており、この回を抑えれば、引き分けになります。バッターは、打率わず.232の助っ人バンプ。が、小林が投じた一球を、バンプが外野後方に弾き返し、サヨナラのツーベースヒット!
バンプ
 結果として、阪急の先発今井が11回を投げ抜き、4対5の完投勝利で、勝ち数を2勝対3勝とします。
 シリーズは再び、広島市民球場に戻って、第6戦に。先発は、佐藤義則と山根のグレードB対決です。試合は、やはり、かなりの混戦になります。
 初回、先頭の福本がヒットで出塁し、すかさず盗塁。それを弓岡が送って、松永の犠飛で返します。その後もブーマーのヒット、簑田の四球と続き、小林晋のツーベースで2点目を獲得します。その裏、広島は好調小早川の一発で、2対1とします。
ブーマー
 4回裏、広島は衣笠、長内の連打でチャンスを作ると、達川のタイムリーで同点に。なんと、投手山根もヒットを放ち、2対3と逆転します。
 さらに5回、2番山崎がヒットで出ると、盗塁で2塁に進み、小早川がタイムリー。さらに6番衣笠もヒットで続き、6番長内がスリーベースヒットで加点。木下のスクイズもあって、3対7と突き放します。
小早川2
 7回も山本の四球に衣笠のヒットで1、3塁とすると、またも木下がスクイズでダメ押しとします。
 阪急も度々、スコアリング・ポジションまで走者を進めますが、後1本が出ず。8回にブーマーが、守護神小林誠二から、意地の一発を放つのがやっと。 
 そのまま、広島が4対8で逃げ切り、日本一となりました。
 MVPですが、4割1分7厘、3HR、7打点の山本が獲得しました。敢闘賞は、3割7分5厘、2HR、3打点のブーマーでした。
山本2
ブーマー3
 阪急は、盗塁数こそ5と上回りましたが、本塁打7本、平均打率は2割3分9厘で、広島に差が付きました。ブーマーが3割7分5厘、松永が3割4分8厘、後半2戦に出場したバンプが5割7分1厘と気を吐きましたが、福本、弓岡、藤田、福原が軒並み1割台と低迷し、主軸の得点に結びつけられませんでした。きっちり完投勝利したのも、わずかに2試合で、防御率は4.92と崩壊。特に、3試合に登板した抑えの山沖が、防御率9.02と打ち込まれたのが、響きました。
 対する広島は、山本が4割1分7厘、衣笠が3割4分8厘、小早川が3割3分3厘、長内が3割5分7厘と当たり、平均打率は2割8分でした。作ったチャンスを単打やスクイズ、犠打でこまめに加点し、総得点32点を獲得しました。投手陣では、北別府が18回1/3を投げ、防御率2.45でゲームを作り、抑えの小林が1敗はあったももの、1勝2セーブと期待通りの活躍をし、平均防御率は3.79で優勝を手繰り寄せました。

 今月のソロプレイ第1弾は、「熱闘12球団ペナントレース」(HJ)の1983年日本シリーズです。パリーグ優勝の西武ライオンズ対セリーグ覇者の読売ジャイアンツの戦いです。
 西武ライオンズは、先発の東尾、松沼兄弟、高橋のグレードB が4名と絶対的な抑えの森(A&C)という強力な投手陣です。打撃では、俊足石毛に、シュアな打撃の立花、山崎、スティーブに、一発のある田淵、テリー、太田と隙がなく、様々な形で得点が取れる優勝チームです。監督は、西武の黄金時代を築いた名将広岡達朗です。
 一方の読売ジャイアンツは、先発の加藤(グレードA)に江川(B)、抑えの角と新浦(B)と投手力ではやや劣ります。が、こちらも俊足松本に、好打者篠塚、吉村、中畑に、一発のある原、スミスと、3割打者が4名おり、平均打率では西武を上回ります。監督は、巨人での第一期の最後となる「情の人」藤田元司です。
 第1戦は、西武のホームグランドのライオンズ球場で、東尾対江川のグレードB対決です。1回表、巨人は2番篠塚のヒットと盗塁で、1アウト2塁と得点のチャンスを迎えますが、ああ、ランナーが牽制でタッチアウトに。その裏、西武が立花のヒットとスティーブの四球で1、2塁とすると、5番テリーが先制のタイムリーできっちり先攻します。その後、両チームともランナーは出すものの、先発投手が要所を抑え、零行進が続きます。
第1戦
 次に試合が動いたのは、5回裏でした。ピッチャー強襲でグレードC になった江川を攻め、立花が狙い澄ましたソロHR を放ちます。スティーブの四球、田淵の内野安打でツーアウトながら1、2塁を作ると、再び、テリーのタイムリーで3点差とします。
立花
 巨人もヒットや代打山本のツーベースなどでチャンスは作りますが、先発東尾が老獪な投球で点を与えず。そのまま、完封し、3対0で西武が緒戦をものにします。
東尾
 負けられない巨人は、第2戦にエースの「鉄仮面」加藤(グレードA)を投入します。一方の西武は、「オトマツ」こと松沼雅(B)です。1回裏、西武は立花から田淵までの三連打で、1点を先制します。巨人も松本、篠塚の連続出塁でチャンスは作るものの、ダブルスチールに失敗するなど、嫌な流れが続きます。
田淵3
 これを一蹴したのが、4回でした。スミスの四球、原のヒットで1、2塁とすると、6番吉村が同点のツーベースヒット!さらに、河野がスクイズを決め、2対1と逆転します。6回には、先頭のスミスがソロで突き放し、6番吉村が犠牲フライで加点し、4対1とリードを広げます。
吉村
 先発加藤は尻上がりに調子を上げ、6回以降はヒット1本の好投で9回を投げ切り。そのまま、巨人が勝利し、勝率を五分に戻します。
加藤初
 第3戦は、舞台を後楽園球場に移し、先発は高橋(グレードB)対西本(C)です。ともに1回は点を与えずも、2回に西本が捕まります。田淵のヒットの後、7番山崎が先制のツーランHR。すると、その裏、ジャイアンツもスミスの一発で1点差とし、ツーアウト3塁で、なんとピッチャー西本が同点タイムリー。
第3戦
 が、3回、総合的な破壊力で上回る西武打線が、火を噴きます。立花、石毛、スティーブ(走塁死も)の3連続ヒットで1点を取ると、4番田淵がこれぞ主砲というツーランHR!
田淵
 その裏、ジャイアンツも篠塚の一発で、2点差にしますが、4回以降は、リリーフした新浦と先発高橋が投手戦を展開し、点差は変わらず。8回、西武はスティーブのヒットの後、5番テリーにも一発が出て、7点目。さらに、気落ちした鹿取から、立花・石毛の連続ヒットと田淵、テリーのタイムリーでさらに3点を加えます。
terry
 先発の高橋は、4回以降はノーヒットの圧巻の投球で、ゲームセット。10対3で、西武が圧勝します。
 両チームとも勝ち星にしたい第4戦の先発は、「アニヤン」松沼博(グレードB)対槇原(C)です。この日も先制したのは、西武。2番石毛が快足を生かして、スリーベースを取ると、スティーブがあっさり決めて、1対0とします。
スティーブ
 3回も同じように、石毛のツーベースに、スティーブのタイムリーで2点目。4回は、遊撃手のエラーで2塁に進んだテリーが、ヒットとスクイズで生還し、3対0とリードを広げます。その後も、5回に主砲田淵の3ランHR、7回に二打席連続のツーランで試合を決めます。
田淵2
 ジャイアンツは、4回に好調篠塚がソロHRを放つものの、タイムリーが出ず。そのまま、松沼博が8対1で完投し、西武はついに日本一へ王手をかけます。
篠塚
 巨人にとっては後がない第5戦は、初戦と同じ東尾(グレードB)と江川(B)の先発です。五度目の先制をしたのは、西武ライオンズ。1回、四球の石毛を置いて、スティーブがツーランHRを放ちます。
 本当に後がなくなった巨人は、ここで意地を見せます。2回に、眠れる主砲の原が目覚めのソロHR!4回には、レジー・スミスのツーランで逆転し、この日からスタメンに座った駒田が初HRと、一発攻勢で西武を突き放します。
原2
 気落ちした東尾から、なんと投手江川がソロHR を打ち込むと、なんと7回には永射からタイムリー(!)と打者顔負けの活躍。投げては、4回以降、パーフェクトピッチングで、波に乗る西武打線を翻弄し、2対6で完投勝利します。
江川
 第6戦は、再び、西武ライオンズ球場に戻ります。西武は、再び、グレードB投手の松沼雅です。巨人は迷いに迷いましたが、最終戦を考えて加藤を温存し、グレードCの鹿取を先発させます。
 序盤は両投手が見事なピッチングを披露し、鹿取は先発起用に答えて、5回まで西武打線を零封します。松沼雅も4回に駒田の一発を浴びたものの、最低失点で切り抜け、5回が終わって1対0と接戦になります。
鹿取
 が、三巡目を迎えた鹿取が、6回に捕まります。先頭の石毛が四球で出塁すると、絶好調の立花、スティーブが連打で同点に。ここで巨人は鹿取を諦め、新浦(グレードB)にスイッチしましたが、田淵の四球で満塁になったところで、テリーの満塁弾!一気に5点を失います。7回にも、リリーフ橋本が打ち込まれ、スティーブ、田淵のタイムリーで、1対7に。
t_terry
 巨人も毎回、ランナーを出し食い下がりますが、要所要所を松沼雅に抑えられ、どうしても得点できず。12安打を放ったにもかかわらず、得点はHRの1点のみと拙攻が響き、最後のバッター篠塚がダブルプレイで打ち取られ、ゲームセット。名将広岡の率いる西武ライオンズの優勝となりました。 
松沼雅
 MVPですが、3割3分3厘、3HR、11打点の田淵が獲得しました。敢闘賞は、3割8分5厘、2HR、2打点の篠塚でした。
田淵
篠塚2
 巨人は、本塁打こそ9本と西武を上回りましたが、平均打率はわずかに2割1分9厘でした。篠塚が3割8分5厘、駒田が5割5分6厘、HRはともに2本と気を吐きましたが、主軸の原、スミス、中畑、吉村が1割台と低迷したのが響きました。完投はわずかに2試合で、防御率は5.37と崩壊状態でした。
 対する西武は、平均打率は2割5分2厘で、スティーブが4割7分6厘、立花が3割8分5厘、田淵が3割3分3厘、山崎が3割と、4人が3割越えに。特に、MVPを取った田淵は3HRに11打点、打率は2割ですがテリーも2HRで9打点と、ここ一番の主砲の働きが光りました。防御率は2.50で、完投が4試合と先発投手が期待通りの活躍をしました。

 プロ野球をこよなく愛するちはら会では、「熱闘12球団ペナントレース」(HJ/同人)を使用して、ワンディトーナメントやオリジナル日本シリーズなど、これまで数々の対戦をしてきました。手軽でシンプルなルールが受けて、史実を元に思い入れたっぷりのオーダーを組んだり(俺はホークスしかプレイしない!とか、90年代のヤクルトがいいとか、4番は絶対、柏原とか)。
柏原
 逆に全く野球を知らずともできるため、「あいうえお打線」(五十音順!)とか「ABCD打線」(アルファベット順!)とか、「守備位置打線」とか、贔屓チームのファンが聞いたら、怒り心頭のギャグ打線などなど(困ったことに、これがそこそこ強い)。
DSC04472
 今回、思い切って、新たに「プレイオフ・CXシリーズ・日本シリーズ」の史実再現シリーズを「開幕」することにしました。ベースは「熱闘12球団ペナントレース」で、足りない年度は「THE BIG野球」(HJ/同人)とプロフェショナル・ベースボール(同人)を使用し、83年から現在までの40年間以上の史実再現に挑戦します。このうち、85年、2019年、2020年の3年分は、すでにプレイ済みで、実質、37年間分となります。
 この企画のために、全ての年度の戦績を調べ、専用の投手ロースターを作成しました。
 ちはら会に参加できるプロ野球ファンのみなさんの参加を、お待ちしています。なお、mitsuが阪神タイガースファンのため、これに関するシリーズの多くは対戦済みです(85年の阪神タイガース対西武ライオンズ戦は、人生で何十回、プレイしたことか!)。まだ、未プレイのシリーズの立候補をお待ちしています。
 ★:対戦済み ☆:ソロプレイ済み

83年
  日本シリーズ 読売ジャイアンツ対西武ライオンズ
84年
  日本シリーズ  広島東洋カープ対阪急ブレーブス
85年
 ★日本シリーズ 阪神タイガース対西武ライオンズ
86年
  日本シリーズ  広島東洋カープ対西武ライオンズ
87年
  日本シリーズ 読売ジャイアンツ対西武ライオンズ
88年
  日本シリーズ 中日ドラゴンズ対西武ライオンズ
89年
  日本シリーズ 読売ジャイアンツ対近鉄バッファローズ
90年
  日本シリーズ 読売ジャイアンツ対西武ライオンズ(THE BIG野球)
91年
  日本シリーズ 広島東洋カープ対西武ライオンズ(THE BIG野球)
92年
  東京ヤクルトスワローズ対西武ライオンズ(PFB)
93年
  東京ヤクルトスワローズ対西武ライオンズ(PFB)
94年
  読売ジャイアンツ対西武ライオンズ(PFB)
95年
  日本シリーズ 東京ヤクルトスワローズ対オリックスブルーウェーブ
96年
  日本シリーズ 読売ジャイアンツ対オリックスブルーウェーブ
97年
  日本シリーズ 東京ヤクルトスワローズ対西武ライオンズ
98年
  日本シリーズ  横浜ベイスターズ対西武ライオンズ
99年
  日本シリーズ  中日ドラゴンズ対福岡ダイエーホークス
00年
  日本シリーズ 読売ジャイアンツ対福岡ダイエーホークス
01年
  日本シリーズ 東京ヤクルトスワローズ対近鉄バッファローズ
02年
  日本シリーズ 読売ジャイアンツ対西武ライオンズ
03年
  日本シリーズ 阪神タイガース対福岡ダイエーホークス
04年
  パリーグプレイオフ1st 西武ライオンズ対北海道日本ハムファイターズ
  パリーグプレイオフ2nd 福岡ダイエーホークス対1st勝者
  日本シリーズ 中日ドラゴンズ対パリーグ覇者
05年
  パリーグプレイオフ1st 千葉ロッテマリーンズ対埼玉西武ライオンズ
  パリーグプレイオフ2nd 福岡ダイエーホークス対1st勝者
  日本シリーズ 阪神タイガース対パリーグ覇者
06年
  パリーグプレイオフ1st 福岡ダイエーホークス対埼玉西武ライオンズ
  パリーグプレイオフ2nd 北海道日本ハムファイターズ対1st勝者
  日本シリーズ 中日ドラゴンズ対パリーグ覇者
07年
  パリーグCXシリーズ1st 千葉ロッテマリーンズ対福岡ダイエーホークス
  パリーグCXシリーズFinal 北海道日本ハムファイターズ対1st勝者
  セリーグCXシリーズ1st 中日ドラゴンズ対阪神タイガース
  セリーグCXシリーズFinal 読売ジャイアンツ対1st勝者
  日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者
08年
  パリーグCXシリーズ1st オリックスバッファローズ対北海道日本ハムファイターズ 
  パリーグCXシリーズFinal 埼玉西武ライオンズ対1st勝者
  セリーグCXシリーズ1st 阪神タイガース対中日ドラゴンズ
  セリーグCXシリーズFinal 読売ジャイアンツ対1st勝者
  日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者
09年
  パリーグCXシリーズ1st 東北楽天ゴールデンイーグルス対福岡ソフトバンクホークス
  パリーグCXシリーズFinal 北海道日本ハムファイターズ対1st勝者
  セリーグCXシリーズ1st 中日ドラゴンズ対東京ヤクルトスワローズ
  セリーグCXシリーズFinal 読売ジャイアンツ対1st勝者
  日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者
10年
  パリーグCXシリーズ1st 埼玉西武ライオンズ対千葉ロッテマリーンズ
  パリーグCXシリーズFinal 福岡ソフトバンクホークス対1st勝者
  セリーグCXシリーズ1st 阪神タイガース対読売ジャイアンツ
  セリーグCXシリーズFinal 中日ドラゴンズ対1st勝者
  日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者
11年
  パリーグCXシリーズ1st 北海道日本ハムファイターズ対埼玉西武ライオンズ
  パリーグCXシリーズFinal 福岡ソフトバンクホークス対1st勝者
  セリーグCXシリーズ1st 東京ヤクルトスワローズ対読売ジャイアンツ
  セリーグCXシリーズFinal 中日ドラゴンズ対1st勝者
  日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者
12年
  パリーグCXシリーズ1st 埼玉西武ライオンズ対福岡ソフトバンクホークス
  パリーグCXシリーズFinal 北海道日本ハムファイターズ対1st勝者
  セリーグCXシリーズ1st 中日ドラゴンズ対東京ヤクルトスワローズ
  セリーグCXシリーズFinal 読売ジャイアンツ対1st勝者
  日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者
13年
  パリーグCXシリーズ1st 埼玉西武ライオンズ対千葉ロッテマリーンズ
  パリーグCXシリーズFinal 東北楽天ゴールデンイーグルス対1st勝者
  セリーグCXシリーズ1st 阪神タイガース対広島東洋カープ
  セリーグCXシリーズFinal 読売ジャイアンツ対1st勝者
  日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者
14年
  パリーグCXシリーズ1st オリックスバッファローズ対北海道日本ハムファイターズ 
  パリーグCXシリーズFinal 福岡ソフトバンクホークス対1st勝者
  セリーグCXシリーズ1st 阪神タイガース対広島東洋カープ
  セリーグCXシリーズFinal 読売ジャイアンツ対1st勝者
  日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者
15年
  パリーグCXシリーズ1st 北海道日本ハムファイターズ対千葉ロッテマリーンズ
  パリーグCXシリーズFinal 福岡ソフトバンクホークス対1st勝者
  セリーグCXシリーズ1st 読売ジャイアンツ対阪神タイガース
  セリーグCXシリーズFinal 東京ヤクルトスワローズ対1st勝者
  日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者
16年
  パリーグCXシリーズ1st 福岡ソフトバンクホークス対千葉ロッテマリーンズ
  パリーグCXシリーズFinal 北海道日本ハムファイターズ対1st勝者
  セリーグCXシリーズ1st 読売ジャイアンツ対横浜NeNAベイスターズ
  セリーグCXシリーズFinal 広島東洋カープ対1st勝者
  日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者
17年
  パリーグCXシリーズ1st 埼玉西武ライオンズ対東北楽天ゴールデンイーグルス
  パリーグCXシリーズFinal 福岡ソフトバンクホークス対1st勝者
  セリーグCXシリーズ1st 阪神タイガース対横浜NeNAベイスターズ                
  セリーグCXシリーズFinal 広島東洋カープ対1st勝者
  日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者
18年
  パリーグCXシリーズ1st 福岡ソフトバンクホークス対北海道日本ハムファイターズ
  パリーグCXシリーズFinal 埼玉西武ライオンズ対1st勝者
  セリーグCXシリーズ1st 東京ヤクルトスワローズ対読売ジャイアンツ
  セリーグCXシリーズFinal 広島東洋カープ対1st勝者
  日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者
19年
 ★パリーグCXシリーズ1st 福岡ソフトバンクホークス対東北楽天ゴールデンイーグルス
 ★パリーグCXシリーズFinal 埼玉西武ライオンズ対1st勝者
 ★セリーグCXシリーズ1st 横浜DeNAベイスターズ対阪神タイガース
 ★セリーグCXシリーズFinal 読売ジャイアンツ対1st勝者
 ☆日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者
20年
 ☆パリーグCXシリーズ 福岡ソフトバンクホークス対千葉ロッテマリーンズ
 ☆日本シリーズ 読売ジャイアンツ対パリーグ覇者 
21年
  パリーグCXシリーズ1st 千葉ロッテマリーンズ対東北楽天ゴールデンイーグルス
  パリーグCXシリーズFinal オリックスバッファローズ対1st勝者
  セリーグCXシリーズ1st 阪神タイガース対読売ジャイアンツ
  セリーグCXシリーズFinal 東京ヤクルトスワローズ対1st勝者
  日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者
22年
  パリーグCXシリーズ1st 福岡ソフトバンクホークス対埼玉西武ライオンズ
  パリーグCXシリーズFinal オリックスバッファローズ対1st勝者
  セリーグCXシリーズ1st 横浜DeNAベイスターズ対阪神タイガース
  セリーグCXシリーズFinal 東京ヤクルトスワローズ対1st勝者
  日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者

 この日の2戦目は、str会長持ち込みの「K2」(Rebel)です。BIBI隊・str隊・にし隊・mitsu隊が、2隊ずつ、パーティを使って、極めて登頂困難のK2に挑みます。登山趣味の自分として、いつかプレイしたかったアイテムです。
全景
 ネットのゲーム紹介によれば・・・
 世界第2位の標高・世界一高い登頂難易度を誇る雪山「K2」に挑戦する登山家となり、18日間を天候や高度による苛烈な環境による体力の消耗と戦いながら、手札による進退やテント設営によって生き長らえ、より高所に達した記録を競うゲーム。
 プレーヤーはそれぞれ登山家2名を、手札のカードを使うことで移動(ルート毎にコストが設定されている)や、体力の回復を行います。1日が終わるたびに各登山家のいる場所に応じて体力が減らされ0になると死亡します。体力減少には高度や天候により左右されます。1~3日先の天候はわかるので、体力状況を見て、なおも進む、留まる、テントを設営する、いったん高度を下げる等の判断を迫られます。頂上付近ではルートの登山数制限がかかります。天候変化や他の登山者の動向を見ながらここぞというタイミングで登頂アタックを狙います。
 18日目を終えたらゲーム終了、生き残った登山者が達した高さに応じた得点を合計し、最高得点の人が勝ちです。
 とのこと。いわゆる体力と回復カードのリソース管理ゲームです。登れば登るほど、スタック制限がキツくなり、8000m以上は1パーティしかいられません。当然、史実の高所登山のように渋滞が発生します。これに、天候やアクシデントが襲い、テントに籠もっていても体力が低下するリアリティも!
 今回は3人が初プレイだったので、比較的天候の安定している夏山の登頂となります。BIBI隊(緑)・str隊(赤)・にし隊(青)・mitsu隊(黄)です。
 序盤、4隊8パーティは、徐々に高度順応をしながら、高度を上げていきます。再先行は、BIBI隊(緑)で主登攀ルート(左稜線)を上がります。これに、mitsu隊(黄)が追従。このまま行くと、渋滞になると判断したstr隊(赤)は副登攀ルート(右稜線)へ向かいます。にし隊(青)は登攀カードが来ず、やや出遅れます。
2日目
 その後、BIBI隊(緑)・にし隊(青)・mitsu隊(黄)が主登攀ルート(左稜線)に取り付きますが、天候の悪化予報を受け、アタック・チャンスを狙って待機します。と、この隙を突いて、str隊(赤)が一気に副登攀ルート(右稜線)を駆け登り、8日目に登頂に成功します。急ぎ、降りてきたstr隊(赤)と入れ替えに、吹雪く前にと、翌日にBIBI隊(緑)がK2の頂に立ちます。
8日目、str隊が登頂成功!
 ここから、一時的に高空が大荒れに。夏山といえ、氷点下で20m以上の強風が吹く苛酷な世界で、各隊はテントを張るなどして耐え凌ぎます。唯一、行動したのはstr隊(赤)で、ロープ下降を繰り返し、体力回復ができる6000mまで降りていきます。
 第3週になり、徐々に天候は回復。行くなら今しかないと、mitsu隊(黄)が猛アタックをかけ、3番目に登頂に成功します。
12日目、mitsu隊も成功だが・・・
 が、ここから天候は、猛烈に悪化。3日のうち、2日間が猛烈な暴風雪となります。mitsu隊(黄)は急ぎ、下山しようとしますが、なぜか、下降カードが来ず。8000m以上は酸素もなく、いるだけで消耗する世界で、あっという間にパーティのHPが危険水域に。
削られる体力
 それでも、7500mのキャンプまで降り、確率的には来るはずの回復カードを待ちますが・・・・・ああ、なんで来ない!13日目、とうとう、mitsu隊(黄)の1パーティが燃料不足で低体温に襲われ、死亡してしまいます(テントに逃げ込んだのに!)。
7500mのセカンドキャンプで、1名が凍死
 第5週になると天候が回復し、にし隊(青)も登頂に成功します。その後は、BIBI隊(緑)とstr隊(赤)の第2パーティの登頂を狙い、高度を上げていきますが、さすがに山頂までは間に合わず。それでも、第2パーティが頂上直下まで辿り着いたBIBI隊(緑)が1点差で、str隊(赤)を抑えて、勝利しました。
 BIBI隊(緑):17点(1隊が登頂、1隊が8000m越え)
 str隊(赤):16点(1隊が登頂、1隊が7800m越え)
 にし隊(青):16点(1隊が登頂、1隊が8000m越え)
 mitsu隊(黄):11点(1隊が登頂、1隊が7500mで死亡)
18日目終了時
 一応、天候の安定した夏山で、これです。歴史的にも、夏のK2アタックの死亡率は25%!(他のヒマラヤ連峰は、10%台)という、あり得ない困難さです。2年前(2021年1月)まで、冬季のK2は、人類が登頂できなかったというのが、よくわかります。
 ゲームとは別に、今回の参加では、宿を取って翌日の筑波山攻めを考えていたのですが、あまりの寒さ!(前日の山頂カメラでは、がっつり降雪)一歩、間違えれたら、「リアルK2」になってしまうと、断念しました。
 K2とは比べものになりませんが、今夏に2000m弱の日光白根山に登った際、山頂付近で暴風雨に遭い、一旦、行動食を取りながら岩陰で待機したことを思い出し(中腹までは単なる曇りで、若干の晴れ間も)。装備も十分にあった上に、すぐに天候が回復したので登頂できましたが、あのまま、降り続いていたら(吹き続けていたら)、下山する見込みでした。他の登頂者も多く、今は携帯があるので、簡単には遭難しませんが、山は元気で帰ってきてなんぼ。山好きなには、すごく実感できるゲームでした。

 今月のソロプレイ第2弾は、続いて、「熱闘12球団ペナントレース」(同人)の2020年日本シリーズです。先日のパリーグのクライマックスシリーズの勝者福岡ソフトバンクホークス対セリーグ覇者の読売ジャイアンツの戦いです。
  ソフトバンクホークスは、グレードAとB が10人(!)という驚異的な投手力に、周東の機動力、3割4分越えの柳田、一発のあるグラシアルにデスパイネなど、様々な形で得点を取れる魅力があります。クライマックスシリーズでも、周東の盗塁に、中村晃のタイムリーやディパイネの一発、MVPを取った柳田の活躍があり。それを強力無比な投手陣が支え、2勝2引き分け(!)という、「負けない野球」で日本シリーズに駒を進めました。
 一方の読売ジャイアンツは、ペナントで盤石の優勝を決め、クライマックスシリーズがなかったために、そのまま、日本シリーズへ。先発菅野に、リリーフの中川がグレードA&C(!)で、1名のA投手、7人のB投手と、こちらも相当、強力な投手陣です。打撃も、3割バッターはいないものの、長打のある坂本、丸、岡本の主軸に、2割7分以上のバッターが並び、平均打率はソフトバンクを上回ります。
 第1戦は、巨人のホーム扱いの京セラドーム大阪で、千賀(グレードA)対菅野(A&C)のエース対決です。
DSC00427
 序盤、先制したのはソフトバンクです。1番周東がヒットで出塁すると、すかさず盗塁。3番中村が四球の後、絶好調のギータがタイムリーで返して、先制。ツーアウトから6番栗原が2点タイムリーツーベースで、3対0とします。
柳田タイムリー
 3日裏、巨人は1番吉川がツーアウトながらヒットで出ると、こちらも盗塁。動揺した千賀から、2番の伏兵松原がツーランホームランを放って1点差とします。
G 松原
 その後、両投手とも立ち直り、ランナーを出しながらも要所を締めます。が、7回表、代打のディスパイネが値千金のソロHRで、4対2とソフトバンクが突き放します。
 ここから鷹の強力救援陣がフル稼働し、嘉弥真-森のリレーで締めて、ゲームセット。ソフトバンクが先勝します。
嘉弥真
森3
 周東の3安打3盗塁、ギータの2ヒット、終わってみれば3安打に抑えた投手陣と、鷹の良さが出た初戦でした。
 第2戦は、東浜(グレードA)対戸郷(B)の投げ合いです。先制はやはりソフトバンクで、2回表に先頭のギータが、フルスイングで特大の一発を見舞います。3回には伏兵甲斐も、ソロHRで2点目を取ります。
jiji_yanagita_yuki
 ジャイアンツもしぶとい攻めで、毎回ランナーを出して東浜を攻め、4回に中島のツーベース、6回にも大城のツーベースで、2対2の同点に追いつきます。
大城
 ここから、両チームがリリーフ陣を投入しますが、8回表、巨人の高梨(グレードA)が代打ディスパイネの2試合連続のHRを浴びて、再び、リードを許します。9回には、中村晃もソロHRをたたき込み、高梨をノックアウトします。
中村晃HR
 巨人も執念で、ソフトバンクの高橋礼と森(グレードB)を攻め、8回、9回ともランナーを出しますが、鉄壁の守りの前にゲッツーに。結局、4対2と前日と同じスコアで、ソフトバンクが連勝しました。全てHRで得点し、かつ、守護神森は2セーブ目を上げました。
高橋礼
森
 一日の移動日を挟んで、福岡PayPayドームで、第3戦となります。先発は、石川(グレードA)対畠(B)です。序盤、両投手は無難な立ち上がりで、点を与えず。特に石川は、初回を三者連続三振に仕留めるなど、安定した投球を見せます。
DSC00533
 1回にソフトバンクに不運なアクシデントが。2番今宮が四球で出塁しますが、柳田の内野ゴロで2塁にスライディングした際に、負傷退場してしまいます。
 が、勝負の綾はわからぬもの。今宮に代わった牧野が、3回裏に連続ヒットと四球で満塁の場面で打席に。初球をきれいにライト前にはじき返し、2点を先制します。
牧原
 どうしても負けられない巨人は、4回表、主砲岡本がシーズン初のHRで、1対2と追い上げます。そして、6回には不調からクリーンナップを外れていた2番坂本が、ヒットと盗塁の増田を2塁において、左中間へのホームラン。3対2と逆転に成功します。 
岡本
坂本2
 しかし、ソフトバンクは強かった!その裏、柳田の四球、グラシアルのヒットで1・2塁とすると、6番栗原が値千金のツーベースを放ち、試合をひっくり返します。さらに、驚異の9番捕手甲斐がこの日2本目のヒットで、3対5と突き放します。
栗原2
甲斐
 8回からは、板東-森の盤石リレーで逃げ切り、ソフトバンクが3連勝で王手をかけました。
森2
 巨人にとって後のなくなった第4戦は、ムーア(グレードA)対サンチェス(B)の外国籍投手の投げ合いに。この日は、壮絶な乱打戦になります。
 1回裏、周東のヒットと盗塁、3番中村のヒットで1・3塁とすると、4番柳田が先制のツーベースで2点をリードします。
 
周東1
中村
 すると、2回表、ジャイアンツは3番から降格された6番丸が、意地のツーランHRで同点とします。
丸
 3回裏、中村・柳田が四球とヒットで出塁し、5番グラシアルがシングルヒットで2対3に。栗原の内野安打で満塁とし、8番ディスパイネがしっかりと選んで四球による押し出しで、点差を広げます。
デスパイネ
 続く、4回裏、今度はギータの特大ツーランで加点。6回にも巨人のデラロサから、柳田が二打席連続HRで、2対7に。これで勝負あったかと思われましたが・・・。
ギータ
 セリーグ覇者の巨人が、終盤に意地を見せます。7回表、疲れの見えたムーアから連続四球を選ぶと、松原の代打2番吉川がヒットを放ち、1点を返します。
 ここで、ソフトバンクはリリーバーのモイネロ(グレードA)を投入しますが、連続四球と5番中島のヒットでさらに3点を失います。ツーアウトまで行ったものの、ウィーラーのシングルヒットで、ついに7対7の同点に追いつきます。
中島
ウィーラー
 その裏、今度はソフトバンクが逆襲に。先頭の栗原がツーベースを放ち、7番松田がヒットで続きます。ここで、ディスパイネは内野ゴロのゲッツーとなりますが、その間に3塁ランナーが生還して、1点をリードします。
栗原
 続く8回表、巨人はソフトバンクの嘉弥真を攻め、連続四球で1・2塁に。3番坂本が意地のタイムリーで、再び、8対8の同点にします。ここから両軍は強力な救援陣を投入し、ピンチはあったものの点を与えず、延長戦に突入します。
 10回裏、巨人の高梨(グレードA)から、守備固めで入っていた2番川瀬がツーベースを放ち、一打サヨナラのチャンスを作ります。1アウトの後、迎えたのは鷹の主砲柳田。ツーボールの後の甘く入った変化球を見事に捕らえて、サヨナラ・ツーベースヒット!両軍合わせて、25安打の乱打戦は、ソフトバンクの勝利で幕を閉じました。
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 これにより、ソフトバンクホークスは、史実と同様の4連勝で、日本一に輝きました。MVPは、驚異の打率6割、3本塁打、8打点で、柳田が獲得しました。これ以外にも、周東が打率353(盗塁5)、栗原が.333(5打点)、甲斐が385(本塁打1、打点2)と3割超え。ディパイネも代打で2本塁打に、3打点と、要所要所で活躍。投手陣も防御率3.75で、守護神森が3連続セーブなど、試合を作りました。
 巨人の敢闘賞は、打率333、本塁打1、打点2の岡本でした。これ以外では、丸が.333と3割越えでしたが、他の選手はレギュラーシーズンより成績を落とし。投手陣も、全試合で先制点を許し、防御率5.5と崩壊。最終試合の粘りだけが、唯一の救いでした。

 今月のソロプレイ第1弾は、「熱闘12球団ペナントレース」(HJ)から2020年パリーグ・クライマックスシリーズです。例年、クライマックスシリーズは、上位3チームで行われるのですが、昨年はコロナ禍のため、上位2チームで行われました。
 1位のソフトバンクホークスは、千賀を始めとしてグレードAが5人(!)、グレードBも5人という驚異的な投手力を誇ります。打撃では、俊足周東に、3割4分越えの柳田、一発のあるグラシアルにデスパイネなど、ほとんどの先発選手に無条件HRナンバーがあります。
 2位の千葉ロッテマリーンズは、先発陣は種市のグレードCなど高くはないですが、リリーフでA&Cの唐川やAの澤村、Bの守護神増田に、ハーマンと継投で押さえ込む力があります。打線は打率は低いものの選球眼の高い選手が多く、四球でランナーをため、小技で地道に加点をし、あるいはここ一番の一発で得点し、投手力で逃げ切る隙のないチームです。
 第1戦は、種市(グレードC)対千賀(グレードA)のエース対決になります。1回裏、内野安打で出塁した周東が、すかさず盗塁を決め、直後に3番中村晃がタイムリーヒットで先制します。
周東
中村晃
 3回裏には、ツーアウトから2番川島がソロHR。中村がヒットの後、4番柳田が2ランHRとリードを広げます。
柳田
 4回裏には、デスパイネが2ランHRでとどめを刺します。
  投げては、鷹のエース千賀が四球を出すものの、要所を三振ラッシュで閉め、得点を与えません。9回に清田がタイムリーで1点を取って意地を見せますが、千賀はのべ16奪三振の好投で、ロッテ打線を押さえ込み、1対6でソフトバンクが先勝します。
千賀
  規定によりソフトバンクが1勝のアドヴァンテージがあり、王手をかけられたロッテは、第2戦に二木(グレードC)を投入します。ソフトバンクは、東浜(グレードA) です。
 序盤、両投手とも安定した投球を見せ、4回までランナーを出すものの、零行進が続きます。
 先手を取ったのは、ソフトバンクでした。5回裏、松田がツーベースで出塁し、9番甲斐が送れなかったもののランナーに残ります。すると、周東、今宮が連続内野安打で満塁とし、またもや中村晃がタイムリーで先制します。4番柳田は三振したものの、頼りになる助っ人グラシアルがヒットで2点を追加します。
中村晃2
グラシアル
 どうしても負けられないロッテは、7回から意地の反撃を開始します。1アウトから5番マーティンがソロHRで1点を返すと、菅野、安田が四球を選び、代打加藤が内野安打で満塁に。ここで1番荻野がショートへの内野安打で2点目をもぎ取ります。
マーティン
荻野
 続く、8回、今度は4番井上晴哉がソロHRで同点に。
井上
 さらに、菅野、藤岡が連続四球とし、8番安田のタイムリーで、4対3と逆転に成功します。
 が、ソフトバンクも黙っておらず。8回裏、グラシアルがヒットで出ると、熱男松田がグレードAのロッテ澤村から逆転のツーラン!
松田
 9回には、鷹の守護神森が登板し、4対5のまま、あっという間にツーアウト。これで終了かと思われましたが・・・3番のベテラン清田が値千金のソロHRで、土壇場でロッテが追いつきます。
 その後、両チームとも唐川(グレードA&C)と泉(B)のリリーフ陣を送り込み、同点のまま、5対5で10回が終了。通常は延長12回なのですが、これも2020年の規定により、引き分けとなりました。
唐川
泉
 迎えた第3戦、ロッテは負けなかったものの、前日の引き分けで、残り一つでもソフトバンクが勝つか引き分ければ、鷹の優勝が決まります。小島(グレードC)対石川(グレードA)の先発となります。
 1回表、先頭荻野が内野安打で出ると、すぐに盗塁でスコアリングポジションに。ここで2番藤岡が送りバントをしますが、サードフライとなり、痛恨のダブルプレイに。その後、清田、マーティンの四球と井上のヒットで満塁としますが、菅野が三振し、点が入らず。
 ピンチの後にチャンスあり。1回裏、ツーベースで出塁した今宮を、4番柳田がヒットで返し、ソフトバンクが三度目の先制をします。
2柳田
 2回裏、先頭の栗原がヒットで出ると、ここで小島がボーク!当たっているデスパイネはこれを見逃さす、レフト前ヒットで2点目をあげます。
デスパイネ2
  その後、小島は立ち直り、8回途中まで2点で抑えます。
 なんとか反撃したいロッテでしたが、石川の前にランナーを出すものの要所を閉められ、7回まで零行進が続きます。
 このまま、完投かと思われた8回表、井上がこの日2本目のヒットで出塁すると、5番マーティンが打席に入ります。魔球と呼ばれる石川のパワーカーブを振り抜くと、打球は左中間スタンドに!
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 これで2対2の同点としたロッテは、代わった高橋礼をヒットと送りバントで攻めますが、安田が三振に倒れ、逆転はならず。
 8回裏、ソフトバンクもロッテのリリーフ東條を攻め、満塁とするも代打川島が倒れて、追加点はなし。
 9回もそつなく終わり、10回表、ロッテ最後の攻撃に。先頭の清田が、鷹の守護神森からヒットを打つと、4番井上が進塁打でスコアリングポジションに。ここで期待のマーティンでしたが・・・ああ、ファーストのファウルフライ。最後の菅野もピッチャーゴロに締めて、同点のまま、ゲームセット。福岡ソフトバンクホークスが、史実通り、日本シリーズへと駒を進めました。
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 MVPには、打率444でホームラン1本、3打点の4番柳田が選ばれました。敢闘賞は、やはり打率4割超え(411)でホームラン2本、3打点のマーティンでした。

 前回まで、3勝3敗の五分で迎えた、87年オリジナル日本シリーズの最終第7戦をプレイしました。ちなみに、ゲームに夢中になりすぎて、写真は撮り忘れています(ありゃりゃ)。
 先発は、西武ライオンズ(kawa)が渡辺久信、広島東洋カープ(mitsu)が長冨です。序盤は、投手戦になります。長富が四球や単打でランナー出すものの、2塁を踏まさず、6回までライオンズ打線を零封します。一方の渡辺久信も、4回までわずか1ヒットに抑えます。
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 先制は、カープでした。5回裏、先頭の小早川が狙い澄ました一発で、1対0とします。7回裏には、長島がこちらもソロで2点目を獲得します。
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長島
 長富があと1回を抑えれば、カープの誇る救援陣につなぐはずでしたが、7回表、西武打線に捕まります。四球の清原をおいて、ブコビッチがヒット。ここで、カープは中継ぎの川端を投入し、石毛が三振に倒れるも、当たっている6番吉竹が内野安打で満塁に。千載一遇のチャンスに、いぶし銀田辺が2点タイムリーを放ち、伊東がきっちりセンターフライを打ち上げて、3対2と逆転に成功します。
田辺
 さらに8回表、先頭の秋山がソロHRで、4対2と突き放します。
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 このまま、ナベ久が完投かと思われましたが、8回裏、カープが意地を見せます。達川のヒットの後、代打西田と1番山崎が連続四球を選んで、ノーアウト満塁に。ここで正田に痛恨のデッドボールで1点差。
 ライオンズは渡辺を諦め、松沼にスイッチし、3番高橋を三振に打ち取ります。が、4番小早川に同点のデッドボール!気落ちしたところを、不調の衣笠に代わった代打ジョンソンと6番長島がタイムリーを放ち、3対7と逆転に成功します。
 こうなれば、9回は、守護神津田が登場。石毛の代打広橋、吉竹、田辺を凡退に打ち取り、ゲームセット。
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 7戦に及ぶ死闘を制し、広島東洋カープが日本シリーズ優勝をもぎ取りました。成績を振り返れば、
  第1戦 ★西武ライオンズ(kawa)対広島東洋カープ(mitsu)☆ 0対7
 第2戦 ☆西武ライオンズ(kawa)対広島東洋カープ(mitsu)★ 7対4
 第3戦 ☆広島東洋カープ(mitsu)対西武ライオンズ(kawa)★ 6対4
 第4戦 ★広島東洋カープ(mitsu)対西武ライオンズ(kawa)☆  2対7
 第5戦 ★広島東洋カープ(mitsu)対西武ライオンズ(kawa)☆  1対7
 第6戦 ★西武ライオンズ(kawa)対広島東洋カープ(mitsu)☆ 1対3
 第7戦 ★西武ライオンズ(kawa)対広島東洋カープ(mitsu)☆ 4対7 
と大激戦でした。
 得点は、広島31点対西武29点とたったの2点差で、広島が足を絡めた効果的な攻撃で若干、優勢に。防御率も、広島4.35点対西武4.53点と小差でした。
 MVPは、打率.307で3本塁打、7打点、2盗塁の高橋慶彦に。これ以外にも、長島が打率.346、本塁打1本、4打点。正田が打率.261ながらも4打点、5盗塁を決め、小早川も.240でしたが本塁打2本の4打点と貢献し、得点を上げました。そして、ここ一番の代打が、12打数6安打、打率.500の大活躍!中でも、ジョンソンは、4打数3安打、2打点と大暴れでした。投手陣では、大野、川口の両エースが試合を作り、中継ぎは若干、打たれたものの、守護神津田が2セーブと安泰。
 対する敢闘賞は、打率.285ながら、本塁打5本、7打点の秋山幸二に。他にも、捕手伊東が、打率.318、本塁打1本、6打点と活躍しましたが、他は清原が打率.250、ブコビッチが.240、吉竹も2本塁打ながら.214と低迷。石毛に至っては.185で1打点という不調ぶり。投げては、ペナントではグレードAとBの先発陣が前半は抑えたものの競り負け、中継ぎも崩壊して、逆転を許す厳しい展開でした。

  前回、kawaさんが持ち込んだ「熱闘12球団ペナントレース」(HJ)87年版で、広島東洋カープ(mitsu)対西武ライオンズ(kawa)のオリジナル日本シリーズを始めまして。今回は、1勝1敗で迎えた、第3戦からスタートです。
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 舞台を西武ライオンズ球場に移し、パリーグの本拠地ということで、DH制を採用します。先発は、長冨(グレードC)対なべ久こと渡辺(グレードB)です。
 先制したのは西武で、1回裏、石毛のヒット、広橋のデッドボール、秋山のフィルダースチョイスで満塁とすると、5番ブコビッチが内野安打で1点を取ります。
 2回表、カープはすぐに反撃に。先頭の小早川がヒットで出ると、機動力野球を生かして盗塁。ツーアウトになるも、7番長島がタイムリーで、追いつきます。
 3回表、ツーアウトから2番正田が四球を選ぶと、盗塁。好調の高橋慶彦がきっちりセンター前ヒットを打って、逆転に成功します。
 5回には、小川のヒット、達川のバント、1番山崎がタイムリーで3点目。さらに盗塁の後、またも高橋がタイムリーと、広島らしい隙のない攻撃で、4対1と点差を広げます。
高橋
 しかしながら、6回裏、ここまで好調だった長冨を西武打線が捕まえます。先頭の清原がライトへのツーベースを打つと、6番の代打伊東がきっちりとタイムリー。気落ちした長冨から、7番吉竹がツーランHRを放って、同点とします。
 7回表、またも8番小川がヒットで出て、バントで2塁に送ると、今度は正田のタイムリー。8回には、鉄人衣笠が値千金のソロHRで、西武を突き放します。
衣笠
 カープは、7回から端ヤン(川端)を投入し、反撃を断つと、9回裏には守護神津田が満を持して登場し、そのまま、ゲームセット。対戦成績を2勝1敗とします。
 第4戦、西武は思い切った手に出ます。快足で一発のある秋山を1番に据えます。1回裏、いきなり、その秋山が先頭打者ホームランで先制します。2回には、9番辻もソロHRを放ち、2対0とリードします。
秋山3
 西武先発の郭泰源(グレードB)は、オリンエント・エクスプレスらしく直球でぐいぐい押し、5回までパーフェクト・ピッチングとします。
 流れを変えたのは、当たっている広島小川でした。6回先頭に立つと、郭の直球を一閃、ライトスタンドに運びます。
 気落ちした郭は、7回に絶好調高橋慶彦にも一発を浴び、同点に。その後も、ヒットとエラーで満塁とされますが、リリーフに立った横田が後続を併殺打に仕留め、難を逃れます。
 広島は前日に続き、8回からセットアッパー川端を送り込みます。が、清原が四球を選び、その後、2本の内野安打で満塁とすると、8番の代打白幡が犠牲フライで、再びリードします。9番辻もヒットで続き、2点差とすると、ここで秋山が特大の3ランHRで、2対7と試合を決めます。
辻
 広島は横田にきっちり押さえ込まれ、敗北。対戦成績はイーブンの2勝2敗に。
 ともに王手をかけられる第5戦、ローテに従って、先発は川口(グレードB)対工藤(グレードA)です。
 この日の試合をリードしたのは、西武です。2回裏、ヒットと2四球で満塁とすると、8番伊東がグランドスラム!さらに、3回裏には、ヒットの辻と四球の清原をおいて、5番ブコビッチがタイムリースリーベースで、0対6と、勝負を決めます。これで、川口はノックアウトです。
伊東
 西武の先発工藤は、前回に打ち込まれた悔しさをバネに、5回までノーヒットノーランに。6回表に、正田の犠牲フライで1点を失いますが、後続を断ちます。終わってみれば、わずか2安打の完投で、1対7と西武が優勝に大手をかけます。
 翌日の移動の後、地元に帰った広島は、第6戦に臨みます。先発は、大野(グレードB)対東尾(グレードB)です。
 またも先制したのは西武で、1回表、秋山が2試合連続の先頭打者ホームランを放ちます。が、前回、敗北した大野はここから立て直し、3回の満塁のピンチも凌いで、2回以降、零行進を続けます。
 一方の広島打線は、老獪な東尾の前に、チャンスを作るも、二つの併殺打で得点できません。ゲームが動いたのは5回裏でした。ツーアウトから1番山崎が四球を選ぶと、きっちり盗塁。ここで2番正田がしぶとくレフト前ヒットを放ち、1対1の同点に追いつきます。
正田4
 このまま、同点で迎えた8回裏、2番正田が四球で出ると、当然のごとく、盗塁を決めます。3番高橋は倒れたものの、4番小早川が疲れの見えた東尾の変化球を見逃さず、ライトスタンドへ!
小早川
 これで、1対3とした広島は、9回も大野が投げ抜き、1失点の完投で、対戦成績を3勝3敗のイーブンにします。
 まれに見る激戦となった日本シリーズですが、今回は時間切れでここまで。次回の例会が、優勝決定戦となりそうです。

 最後は、kawaさんが持ち込んだ「熱投12球団ペナントレース」(HJ)87年度をプレイしました。セパ両リーグから1チームを選ぶ、オリジナルの日本シリーズです。
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 kawaさん推しの西武ライオンズは、勝ち頭の工藤、東尾をはじめ、オリエント急行の郭太源、ナベ久など4人のA/B投手を、ベテラン伊東がリードするパリーグの覇者。打線も、やや打率は低いものの、一発のある秋山に、若き主砲の清原、堅実な守備で走塁能力の高い石毛、辻、苫篠など森(広岡)イズムが徹底しています。
 mitsuの選んだ広島東洋カープは、首位こそ巨人に譲ったものの川口、大野、金石のグレードB先発トリオに、炎のストッパー津田(A&C)にグレードBの川端と、強力な投手陣を擁します。打線も往年の主砲山本浩二は引退したものの、若き4番小早川や鉄人衣笠、高橋、正田、山崎の俊足トリオに、シュアなバッティングの長島、一発屋のランスなど、こちらも隙がありません。
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 第1戦は広島市民球場で、西武が工藤(グレードA)、広島が川口(グレードB)と左のエース対決になります。
  1回表、石毛・辻・秋山の三者連続三振で、川口が最高のスタートを切ると、その裏、3番高橋慶彦がソロHRを放ち、1点のリードとします。その後、両エースが踏ん張り、四球や単打でランナーを出すものの点を与えず、投手戦となります。
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 ゲームが動いたのは、終盤の8回裏でした。この回の先頭の達川が、疲れの見えた工藤の直球をレフトスタンドに運び、2対0とします。工藤は2アウトを取ったものの、2番正田がツーベースとし、ここで先制HRを放っている高橋。再び振り抜いた打球は、この日2本目のHRとなります。その後、小早川以下、西田らの代打攻勢で4連打し、試合を決めます。そのまま、エース川口が完投し、広島が先勝します。
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 第2戦は、西武が東尾(グレードB)、広島が大野(グレードB)の先発です。
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 3回表、先頭の伊東がショート高橋のエラーで出塁すると、なんと投手東尾がタイムリースリーベース!気落ちした大野から石毛が犠牲フライを打ち、2対0。2アウトを取ったものの秋山、清原に連続死球を与え、迎えたブコビッチが3ランホームラン!6番吉竹も連続HRとなり、西武が6点をリードします。
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 広島はその裏に高橋慶彦のタイムリーで1点を返すものの、5回に秋山のソロHRが飛び出し、点差は縮まらず。
 それでも広島は6回に鉄人衣笠がタイムリーで1点を取り、7回も満塁から山崎の犠牲フライで3点目を奪取します。が、満塁のチャンスも、継投した森が小早川を三振に取り、いまだ4点差。
 最終回、広島は意地を見せます。先頭の代打ジョンソンが出塁し、その後、ツーアウトになるも高橋、小早川が四球を選びます。ここで衣笠も落ち着いて、ボールを見切り、押し出し!3点差となり、一発逆転が期待できましたが、ああ、5番長島がライトフライに倒れ、ゲームセット。対戦成績は、1勝1敗になります。
  ここで終了時間となりましたが、非常に面白かったので、次回以降に続きをすることにしました。やっぱり、野球はいいですね~。

 めでたく我が阪神が2位となったのを記念して(?)、だいぶ前の2月のちはら会で第2戦まで進んでいたオリジナル日本シリーズを、kawaさんと再開しました。2005年阪神タイガース(mitsu)対2019年西武ライオンズ(kawa)です。
 http://chiharakai2019.livedoor.blog/archives/22144698.html
 前回は、第1戦を集中打で西武が4対3と逆転勝利し、第2戦は11対0と阪神が圧勝で、対戦成績は1勝1敗です。舞台を甲子園に移して、第3戦となります。
 この日の先発は西武が十亀(グレードD)、阪神が福原(グレードC)です。1回表、西武は制球に苦しむ福原から3四球で満塁とすると、5番中村がきっちりタイムリーで2点を先取します。

中村ヒット
 が、阪神も2回裏にシーツのタイムリーで1点差にし、3回裏に赤星、関本が四球とヒットでチャンスを作り、またもシーツのタイムリーで逆転に成功します。さらに6番檜山がツーベースで2点を加え、5対2と突き放します。
 その後は両軍が優秀なリリーフ陣を投入し、点が取れず。最後は守護神藤川が9回を締め、阪神が2勝目を上げます。
藤川
 第4戦は、西武松本(グレードE)と阪神井川(グレードC)の先発です。またも先制したのは西武で、リードオフマン金子がツーベースで出塁し、眠れる主軸森がタイムリーで帰します。
金子
 が、その裏、スリーベースの赤星を、打撃好調の鳥谷が犠牲フライで帰して同点に。
 3回裏、阪神の打点王今岡が目覚めます。ツーアウトから鳥谷以下のヒットと四球で満塁にすると、「誠の救世主」今岡がグランドスラム!
今岡
 その後も、金本のタイムリー、シーツのスリーラン等で加点を続け、阪神が大量得点に。先発井川が完投して、12対1で阪神が圧勝しました。
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 もはや後がない第5戦、西武はエースのニール(グレードB)、阪神は安藤(グレードC)でスタートします。1回、前日のタイムリーで目を覚ました森がランナー二人を置いて、ライトスタンドに3HRを叩き込みます。が、その裏、阪神も鳥谷のタイムリーに続き、頼れる「アニキ」金本がやはり、ライトスタンドにHRで同点に!
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 2回に不運な野手選択で西武は1点を失い、迎えた4回裏、阪神の集中打が飛び出します。赤星、関本のタイムリーに続き、またも4番金本が「今すぐ放り込め!ライトスタンドへ」と3ランHR!
金本
 これで勝負あったかと思われましたが、2019年パの覇者西武は強かった。5回に4番中村がランナー二人を置いて3ラン!さらに変わったJFKのウィリアムを責め、熊代・栗山のタイムリーで一点差に。
 その後は、両軍の救援陣がフル稼働し、終盤まで零封が続きます。西武の小川は中1日で3イニングスを投げ抜き、のべ6イニングスを0点に。阪神も江草-久保田-藤川の最強リレーで9回へ。
中村
 西武は守護神益田を投入し、最後の追い上げに期待をかけます。が、檜山がツーベースを放ち、1番赤星が代走秀太をヒットで帰して、2点差に。最後は、藤川がきっちりと締め、ゲームセット。この瞬間、阪神タイガースの日本シリーズ優勝が確定しました。
 MVPは、打率632(!)、ホームラン3本、8打点の金本が獲得しました。阪神はこれ以外にも、鳥谷が打率571(!)、シーツ、檜山、赤星が4割越えと打ちまくり。守っては、杉山・井川・下柳(敗北も)が完投し、強力リリーフ陣も威力を発揮。最後は守護神藤川が2セーブと、阪神らしさ全開で勝利しました。
 西武は中村が打率350、ホームラン1本、6打点 で敢闘賞に。金子が打率411、森が打率294、ホームラン1本、3打点など、そこそこ打ったものの、山川・外崎が打率1割台と低迷。自慢の重量打線が機能せず、敗退でした。

 「熱闘12球団ペナントレース」(HJ/同人)の2019年ヒストリカルシナリオで、以前、パリーグCSを行いましたが、今回はセリーグCSをkawaさんと対戦することに。mitsuは、もちろん、こよなく愛する「阪神タイガース」を受け持ちます。

[ファーストステージ]阪神タイガース(mitsu)対横浜DeNAベイスターズ(kawa)

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 第1戦は、阪神は西(グレードB)、横浜は石田(グレードA)の両チームのエース対決に。1回、糸井のタイムリーで先制すると、4回に阪神4番のマルテのHRで2点差に。
マルテ
 横浜もロペスのヒットで、1点差に持って行きます。
 が、8回、8番木浪がタイムリーで突き放すと、9回に守護神藤川が登板。ツーアウト後、捕手伊藤にソロHRを浴びますが、代打ソトを三振に打ち取り、先勝します。 
 第2戦は、阪神は青柳、横浜は今永のグレードB対決。1回裏、横浜は当たっている伊藤光と筒香の連続ツーベースで1点を先制します。
伊藤
 が、2回表に阪神はマルテのツーベース、梅野のスリーベースなどで3点を奪って、逆転となります。
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 その以後も、マルテと梅野の勢いは止まらず、ランナーをおいてのタイムリーで4点を加算。
 7回には、とどめとなるマルテのツーランHRで9点目をもぎ取り、勝負を決めます。先発青柳は1失点完投で、ファイナルステージ進出を決めました。
 阪神は投手陣が踏ん張った上に、近本が5本のヒット、マルテが2試合目にホームランを含む4打数4安打、梅野も3安打で5打点(!)などの活躍ぶりでした。
青柳
 横浜は、打線は捕手の伊藤と柴田が打率5割と活躍するも、主軸に一発が出ず、エース級が打ち込まれたため、無念の敗退でした。

[ファイナルステージ]阪神タイガース(mitsu)対読売ジャイアンツ(kawa)
 規定により、リーグ戦1位の読売ジャイアンツが1勝で、ファイナルステージが開幕します。
 第1戦は、阪神は高橋(グレードC)、巨人は山口(グレードB)の先発です。
  1回表、阪神は近本、木浪、大山のヒットで3点を先取します。さらに4回に投手高橋のスクイズで加点し、4点目とします。
 先発高橋は5回を1失点で切り抜け、6回からは阪神自慢の中継ぎ陣が参戦しましたが・・・変わったPJ(グレードA&C)が大誤算。丸、阿部、大城の長短打で3点を失い、まさかの同点に。

阿部
 さらに7回に、坂本に一発を浴びて、4対5と逆転を許します。
 阪神も必死に反撃しますが、戸根-中川の継投に抑え込まれ、初戦を落とします。
 なんとしても勝ちたい第2戦は、阪神は西(グレードB)、巨人は澤村(グレードA)のエース対決です。
 打線好調の阪神は、1回にランナー近本を置いて、2番糸原が先制のツーランを放ちます。が、巨人も丸と亀井の一発攻勢で、2回までに同点にします。
亀井
 その後、両エースの前に零行進が続きますが、7回裏、巨人の主砲岡本のソロで逆転に成功します。これまでかと思われた終盤、頼れる4番マルテがソロで同点に追いつき、ゲームは振り出しに。
 しかし、魔物は9回に潜んでいました。最優秀のセットアッパー岩崎(グレードA&C)から、丸がヒットで出ると、ツーアウトからライト糸井がまさかのエラー。2、3塁となったところで、ベテラン亀井がサヨナラタイムリー!阪神が鉄壁中継ぎ陣の崩壊で、連敗となってしまいます。
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 もはや、後がない第3戦は、阪神は青柳(グレードB)、巨人は菅野(グレードC)の先発です。はじめて阪神がグレードで優位に立ちますが、この日は乱打戦に。
 1回表、マルテのタイムリーで3試合連続で阪神が先制するも、その裏、岡本のタイムリーで同点に。
 3回表、福留、大山の連続タイムリーが出るも、その裏、下位打線の連打で満塁策を取ったところで、投手菅野にまさかのタイムリーを浴び、3対4と逆転されます。
福留
 阪神は意地を見せんと、5回に代打攻勢で3点を取って、再逆転。9回にも、大山のソロHRで7対5として、ストッパー藤川(グレードA)を送り込みましたが・・・。
 8番炭谷がヒットで出ると、代打重信に、坂本が続き、1点を返します。丸が四球を選んで満塁としたところで、4番岡本。藤川の渾身の直球をジャストミートし、まさかの満塁サヨナラホームラン!
岡本
  ああ、阪神は一勝もできず、ファイナルステージ敗退となりました。
 巨人は、亀井以外は打率は高くなかったものの、史実通り、長打力を生かし、坂本、丸、亀井、岡本などのHRで優勢を維持しました。投手陣も、中継ぎ・抑えが最少失点で切り抜け、戸根が2勝など接戦を制し、日本シリーズ進出を決めました。MVPはサヨナラ満塁HRを含む、2ホーマー、6打点の岡本となりました。
 阪神は、近本が打率367、糸原が437、大山が7打点、マルテが打率500でHR3本、6打点と、史実の貧打が嘘のように打ちまくりましたが、両リーグ最強を誇った中継ぎ・抑えがまさかの大崩壊を起こし、ストレート負けでした。敢闘賞は、当然、マルテとなりました。

  今月のソロプレイで実施した2019年CS/日本シリーズですが、今回、ちはら会でもコンバット・プローブンを得るべく、パリーグCS編を開始しました。
 【1Stステージ】東北楽天ゴールデンイーグルス(にし)対福岡ソフトバンクホークス(mitsu)
 第1試合は、楽天則本対ソフトバンク千賀のエース対決です。序盤、楽天は、ヒットの銀次、四球のウィラーを塁に置き、8番堀内のタイムリースリーベースで先制をします。その後は、両投手ともランナーを出しながら要所を締め、点を与えません。

堀内
 後半6回に、ソフトバンクはグラシアルの四球、デスパイネのヒットで1・3塁として、7番内川が犠牲フライで1点差に。
 7回裏にもツーアウト1・2塁のチャンスを作りますが、ここで楽天は守護神松井を投入し、グラシアルを三振に打ち取ります。
松井
 9回表、楽天はツーアウト2塁で、島内がモイロネからヒットを放ち、ダメ押しの3点目。そのまま、松井が締めて、楽天が先勝します。
 第2試合は、石橋と椎野の投げ合いです。今度は、初回にソフトバンクが4番グラシアルのツーランで先制します。
 好調椎野はこれをバックに7回まで零封を続けましたが・・・8回に6番渡辺に、まさかの同点HRを喰らいます。
 最終回、ソフトバンクはデスパイネがヒットで出ると、7番松田が値千金のツーベース!デスパイネの代走周東が俊足を生かして、ホームに帰り、劇的なサヨナラとなりました。これで、戦績を1勝1敗とします。
松田
 最終の第3戦は、岸と大竹のグレードC対決です。この日は、初回からソフトバンク打線が好調で、ヒットの浅村を置いて、4番ブラッシュがツーランホームランで先制します。
ブラッシュ
 その後も、またもブラッシュの犠飛やウィラーの一発、代打山下の犠飛で、点差を広げ、5対0とします。
 ソフトバンクは岸の前に10三振を喰らう凡退を繰り返し、6回まで全く手が出ず。7回裏にグラシアルが執念の一発で5対1とするものの、9回に守護神松井が三者連続三振で締めくくり。楽天が1Stステージの勝利を決めました。
 MVPは、8番ながら12打数4安打で初戦で2点の打点を挙げた捕手堀内が獲得しました。これ以外にも銀次が4割1分1厘、浅村が3割6分3厘、主砲ブラッシュ、ウィラーがホームランを放つなど、楽天打線が好調でした。ソフトバンクはグラシアルが2ホーマー、デスパイネが4割4分4厘と活躍したものの、柳田がわずか1安打などそれ以外が低調で1Stステージ敗退となりました。

 【ファイナルステージ】東北楽天ゴールデンイーグルス(にし)対埼玉西武ライオンズ(kawa)
 第1試合は、楽天辛島(グレードD)対西武ニール(B)の先発となります。西武は初回、ヒットの秋山を置いて、4番山川が先制のツーランでリードします。
  グレード差から西武が有利と思われましたが、好調楽天打線がニールを攻めます。3回に茂木のツーベースで1点を返すと、4回に4番ブラッシュがソロホームランで同点にします。そして5回、楽天はまたも茂木のタイムリーに続き、ワイルドピッチで2・3塁にすると4番ブラッシュが2点タイムリー!5対1と逆転に成功します。

茂木
 その後、両軍は中継ぎ陣を投入し、終盤に。8回表に西武から移籍した浅村がソロホームランで1点を追加。その裏、青山に対し、西武は外崎のツーランで追撃を掛けますが、9回、守護神松井に抑えられ、ゲームセット。
 楽天が1Stの勢いそのままで、対戦成績を1勝1敗とします(西武には優勝ボーナス1勝があり)。
Fステージ
 第2試合は、中4日の開けた則本(グレードB)と高橋(D)で開始となります。西武は初回、3番に戻った森のソロで先制すると、2回にベテラン栗山のツーベースで追加点を挙げます。そして、5回、前日に続く山川のツーラン、秋山のソロで5対0とします。
山川 HR
 楽天は高橋を打ちあぐね、5回まで零封されますが、6回に島内のソロHR 、8回に茂木から四球を挟む4つのヒットで3点を返します。
 が、7回裏、セットアッパー宋が、8番栗山にタイムリー、9番岡田にまさかの3ランを浴びて、大量失点。終わってみれば、9対4で重量打線が爆発した西武の勝利に。これで、対戦成績は西武の2勝1敗となります。
岡田
 第3試合は、石橋(グレードC)と今井(D)の投げ合いに。初回、楽天は銀次のタイムリーで先制すると、その裏、西武の秋山が2点タイムリーを放ち、逆転します。3回表、楽天は銀次の2本目のタイムリーで追いつくと、5回にウィラーのヒットで再逆転に成功します。
 すると、西武は5回に森のツーラン、外崎のツーラン、岡田のソロと一発攻勢で再々逆転に成功します。
森
 楽天も8回に島内のタイムリーで3点差にしますが、先発今井を打ち崩せず、完投を許します。結果、7対4で西武が勝利し、CS制覇に王手を掛けます。
 第4試合は、勝利を掛けた猛烈な打撃戦に。2回裏、四球の山川、中村を置いて秋山が先制の3ランを放ちます。
秋山
 3回表、絶対に負けられない楽天は、2つの四球を挟む3本のヒットで4点をもぎ取り、4対3と逆転に成功します。
 が、直後の4回裏、外崎が二人のランナーを置いて、2点タイムリーを放ち、再逆転に。
外崎
 7回、楽天は主砲ブラッシュが執念のソロHRで、またも同点に追いつきます。
 運命の終盤、8回裏に西武は二つの四球でランナーを貯めると、4番山川がシーズン3本目となるスリーランホームランを放ち、土壇場で楽天をリードします。
山川 どすこい
 最終回、西武は守護神増田を投入しますが・・・楽天は浅村の四球とブラッシュのヒットの後、銀次がツーベースで2点タイムリーで7対8に。一打同点のチャンスを作りましたが、最後は増田が締めて、ゲームセット。
銀次
 この瞬間、西武ライオンズが楽天ゴールデンイーグルスを下し、日本選手権シリーズへの進出を決定しました。
 MVPは、第1・第2・第4戦で3本のホームランを放った山川が受賞しました。敢闘賞は、ここ一番でタイムリーと本塁打を放ったウィラーとなりました。

 2019年の日本シリーズは、パリーグCSを勝ち上がった埼玉西武ライオンズとセリーグCSを勝ち上がった読売ジャイアンツの戦いです。規定により、奇数年はパの本拠地メットライフドームでスタートします。
  第1戦は、10月19日で、先発は澤村(グレードA)対ニール(グレードB)のエース対決です。先制したのは西武で、四球の森を置いて、主砲山川が豪快なツーランホームランを叩き込みます。
 が、その直後の2回表、巨人はサードのエラーで出塁した阿部を、ゲレーロの単打、田中のタイムリーで1点を返します。4回には、ツーベースと進塁打で3塁に進んだ阿部を置いて、ニールが痛恨の暴投で、同点としてしまいます。

田中
 迎えた7回、ゲレーロが値千金の勝ち越しソロで、逆転に成功します。
ゲレーロ
 8回には、代打重信のタイムリーで突き放し、そのまま、澤村が投げ抜いて、ゲームセット。澤村は先制されたものの、その後は尻上がりに調子を上げ、7回以降はパーフェクトで8奪三振(!)というすばらしいピッチングでした。
重信
  第2戦の先発は、山口(グレードB)対今井(グレードD)です。この日、先制したのは巨人で、2回表に絶好調阿部を2塁において、伏兵田中がタイムリーを放ちます。
 3回までランナーを出すものの点が入らない西武でしたが、5回裏、自慢の重量打線が爆発します。主砲山川が2試合連続のソロで同点にすると、外崎が四球、栗山がヒットで続き、9番金子が逆転タイムリー。直後に、秋山がスリーランを放ち、5対1と大きく勝ち越します。さらに、6回には「どすこい」山川が2打席連続のソロ!
秋山
山川
 7回には、四球でランナーをため、外崎が3ランHRと試合を決定づけ、8回には源田にもソロが出て、大量10点に。
 巨人は6回に重信のタイムリーで1点を返すものの、西武先発今井の完投を許し、試合終了。これで対戦成績は、1勝1敗となります。
今井
 移動日を挟んで東京ドームに舞台を移した第三戦は、まれに見る接戦になります。十亀(グレードD)対菅野(グレードC)でスタートした試合は、両投手が要所を押さえ、4回まで零行進となります。
 勝利投手の権利が絡んだ5回裏、巨人は十亀を攻め、田中のツーベース、小林のタイムリー、1番に還って丸のツーランで3点を先制します。
丸
 6回表、西武は森の犠牲フライで1点差にしますが、中継ぎ陣に抑えられ、最終回に。巨人の守護神中川が登板し、2三振でこのまま終了かと思われましたが・・・ツーアウトから中村の四球、源田のツーベース、代打熊代のタイムリーで、同点に追いつきます。
熊代
 その後は、増田や大竹の抑えの投入で、12回まで点を許さず。西武増田が12回裏を三者連続三振で締め、引き分けとなりました。
増田
 完全な五分で迎えた第四戦は、高橋(グレードD)対メルセデス(グレードC)の対決になります。1回裏、4番に座った阿部がタイムリーで先制します。
 5回、西武は4番山川がシーズン4本目となるツーランを放ち、見事に逆転します。
山川その2
 ここから両軍は、平井にヒース、デラロサに鍵谷、戸根の中継ぎ陣を投入し、6回まで2対1のまま。
 転機は7回裏でした。四球の小林に代わった巨人増田が盗塁を決め、ノーアウト2塁とします。1死後、1番丸がタイムリーで同点にし、代打大城が逆転ツーベースを放ちます。そして、止めは4番阿部のツーランHR!
阿部
 西武もグレードAの戸根を攻め、中村の2点タイムリーで1点差にしますが、前日の殊勲者熊代が三振に倒れ、5対4でゲームセット。巨人が2勝目を上げます。
 第5戦は、ローテから再び、ニール(グレードB)対澤村(グレードA)のエース対決です。ゲームは、グレード通り、1点を積み重ねる投手戦になります。
 1回裏、2番陽岱鋼が先制のソロを放ちます。しばらくは零行進が続き、6回、主軸の坂本がソロホームランで2点差にします。
陽岱鋼
 8回裏、疲れが見えたニールを攻め、阿部・岡本の連続ヒットの後、代打炭谷がタイムリーを放ち、ダメ押しに。
 西武は、単打を出すものの、後続が続かず、無得点。終わってみれば、散発2安打で13三振という、澤村の一人舞台で完封勝利を許しました。これで対戦成績は、3勝1敗1分けとなり、巨人が優勝への王手を掛けます。
澤村
 ここで再び、移動日を挟み、埼玉に戻った第6戦は、山口(グレードB)と今井の(グレードD)で開始。意地を見せたい西武は、1回裏に秋山のヒット、源田のツーベースの後、ゲレーロのエラーで先制します。続く2回、もう一人の主砲「おかわり」中村がソロホームランで2点目を取ります。巨人は3回表に好調陽岱鋼のタイムリーで1点を返します。
中村
 試合が大きく動いたのは、中盤でした。4回裏、西武は中村の四球に始まり、熊代のツーベース、木村のタイムリーで2点を追加すると、1番秋山のアーチで6点目をゲットします。続く、5回は四球の二人を置いて、8番木村がスリーランで勝負あり。
木村
 巨人も6回に代打亀井の2点タイムリーを放ちますが、時すでに遅し。10対3で今井の二勝目を許し、対戦成績を巨人の3勝2敗1分けとします。
 このまま、西武が追いつくか、巨人が逃げ切るか。第7戦の先発は、菅野(グレードC)対佐野(グレードD)です。2回表、巨人は阿部のソロホームランと石川のタイムリーで2点を取ると、西武はその裏、外崎の2ランで同点と一歩も譲らず。
外崎2
 が、3回、小林が四球の後、陽岱鋼、坂本のシングル、阿部の死球、岡本の犠飛で、3点を取ります。4回には、陽がツーベースで加点し、6対2に。
 西武は外崎が2打席連続ホームランで6対3とするも、佐野から代わった中継ぎ陣を攻め、坂本の2点タイムリーツーベースや石川、若林の連続ホームランなどで、11点目を取ります。
坂本
 
石川
 菅野が5回で勝利投手の権利を得た後、セットアッパー戸根が3回を零封し、最終回は守護神中川が締めてゲームセット。この瞬間、読売ジャイアンツが4勝2敗1分で、2019年日本選手権シリーズの優勝を決めました。
 MVPは巨人の阿部で、打率4割4分4厘、本塁打2本、5打点と、この年に引退するベテランが最後に大輪の花を咲かせました。3割7分9厘を打った3番坂本とのコンビでチャンスを物にしました。次点は澤村で、2試合連続の完投、防御率1.00、奪三振率14(!)と大活躍でした。これ以外にも、巨人は田中、重信、大城、石川が要所でタイムリーやホームランを放つなどの地道な加点が奏功しました。
 一方、敢闘賞は西武の山川で、打率は2割1分4厘ながら、本塁打4本、6打点とMVPの阿部を凌駕する打点でした。それ以外にも森が5割(!)、外崎、秋山、源田が2ホーマーなどホームラン数では圧倒するものの、投手陣の層の薄さが響きました。

 続いて、2019年セリーグCSのファイナルステージで、勝ち上がった横浜DeNAベイスターズを、読売ジャイアンツが本拠地の東京ドームで迎え撃ちます。

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  横浜DeNAベイスターズは、グレードAの石田を筆頭にB以上の先発が3人と、同様に山崎康晃以下、リリーフ陣でも3人がいます。3割バッターはいませんが、一発を秘めた筒香、ロペス、ソト、宮崎など、のべ8つの無条件HRナンバーの強力打線です。防御率を高めるために欠かせない守備力も、よほどのことがない限り30以上と、堅守が売りです。1Stステージでは、高い防御力による1-2点差のゲームを物にして、勝ち上がってきました。
 一方の読売ジャイアンツは、HR40本の坂本、31本の岡本に、ベテラン阿部慎之助、亀井、広島からネームヴァリューと資金力でもぎ取った丸、21本を打っているゲレーロと、無条件HRナンバーはDeNAを上回る10個です。先発でグレードB以上は2人と若干、落ちますが、リリーフ陣は3人と互角です。守備も横浜ほどではありませんが、外野が全て守備力4など、こちらも30に達します。
  第1戦は、10月9日で、先発は今永対山口のグレードB対決です。試合は、初戦の緊張感溢れる投手戦に。1回、DeNAが山口の立ち上がりを攻め、1アウト満塁とし、宮崎が押し出し四球で1点を先取します。が、ソト、柴田が倒れて、追加点はならず。
 一方の今永は、四球とヒットで満塁のピンチを迎えるなどしますが、敵のスクイズ失敗や二つのダブルプレーに助けられ、4回に1点を失ったのみで、中盤戦に。
 1対1で迎えた5回以降、両軍のセットアッパーのエスコバーとデラロサが好投し、9回を終えて延長戦に突入します。 
デラロサ
 巨人は守護神中川を投入し、10回表を零封します。その裏、2イニング目に入った藤岡から、阿部がヒットを打つと、代走増田が二盗を決め、一打サヨナラのチャンス。この日、2つのツーベースを放っている7番山本がきっちりと振り抜き、サヨナラツーベースで勝利しました。優勝ボーナスの1勝を加え、巨人が2勝扱いとなります。
山本
 第2戦は、石田(グレードA )対澤村(グレードA)のエース対決です。この日、先制をしたのはジャイアンツで、1回裏にヒットの亀井を置いて4番岡本の1発で2対0とします。その裏、DeNAは本塁打王ソトがソロHRで1点を返し、3回には主砲筒香のタイムリーで同点とします。
 ここから両軍のエースが持ち直し、零行進が続きます。ベイスターズの石田は、5回以降、なんとパーフェクトに。澤村も四球は出すものの、4回以降はわずかに1ヒットと好投します。
 勝負の分かれ目は、9回でした。DeNAが、ソトのヒット、嶺井の四球、石田のバントヒット(送りバントの功名)で1死満塁とします。ここで、ジャイアンツは前日の勝利投手中川を投入しますが、1番神里がきっちりとライトに犠牲フライを打ち上げ、均衡を破ります。
神里
 そのまま、石田が9回も締め、ゲームセット。石田は1四球、16奪三振と記録的な投球で、1Stステージと合わせてCSシリーズ2連勝となりました。
石田 (2)
 第3戦の先発は、濵口(グレードB)対菅野(グレードC)の投げ合いです。この試合も1点を争うマッチレースとなります。2回裏、阿部のヒットの後、レフト筒香のエラーで1アウト2・3塁にすると、山本のセカンドゴロの間に、1点を先取します。続く3回は、亀井のヒット、丸の進塁打で三番坂本がタイムリーを放ち、2点目を手に入れます。
坂本
 追いかけるDeNAは、4回にヒットの宮崎を置いて、この日5番に降格したロペスが同点ツーランを放ちます。
ロペス
 突き放したい巨人は、6回に坂本から阿部までの3連打で、3対2と勝ち越します。
阿部
 7回にDeNAも反撃に転じ、佐野と濵口の代打乙坂のヒットで1打同点のチャンスを作ります。巨人はここで菅野を諦め、セットアッパー戸根を投入し、ピンチを脱します。9回にデラロサが登板し、四球を出したものの、この日2安打の佐野をゲッツーに打ち取り、ゲームセット。巨人が3勝目を挙げ、ファイナルステージに王手を掛けます。
  もはや、後がなくなった第4戦は、東(グレードC) とメルセデス(グレードC)の先発でスタートします。勢いに乗るジャイアンツは1回裏、丸、坂本、阿部慎之助の3本のツーベースで2点を先取します。
丸
 DeNAも、2回表にロペス、ソトの連続ヒットで1・3塁とすると、嶺井がスクイズを決め、1点差に。その後、両軍は優秀な中継ぎ陣を投入し、7回まで零行進が続きます。
 迎えた8回裏、先頭の丸が四球で出塁すると、代走若林が盗塁を決め、ノーアウト2塁の追加点のチャンスに。ここで3番坂本が、藤岡(グレードA) から値千金の2ツーランホームラン!
 9回、ストッパーの中川が、宮崎のツーベースで、1アウト1・3塁と逆転のピンチを迎えます。が、ロペスを浅いライトフライ、ソトをセンターフライに打ち取り、試合終了。読売ジャイアンツが4勝1敗で、ファイナルステージを制し、日本シリーズ進出を決めました。
中川
  MVPは、巨人の坂本が、打率5割、本塁打1本、3打点で受賞しました。これ以外にも、この年引退の阿部慎之助が打率3割7分5厘で2打点を挙げました。投げては、デラロサ、中川が3登板、戸根が2登板で自責点を失うことなく、史実通りの鉄壁ぶりでした。
 敢闘賞は、1Stとファイナルステージで、2完投(2失点)で連勝した石田に送られました。DeNAは眠れるロペスとソトに1発が出たものの、最も当たっていた宮崎でも2割6分6厘、筒香が2割3分と、連打が出なかったことが響きました。

 続いて、2019年セリーグCSです。1Stステージは横浜スタジアで、2位横浜DeNAベイスターズ対3位阪神タイガースとなります。
 横浜DeNAベイスターズは、打率3割はいないものの、筒香の29本、ロペスの31本、HR 王ソトの43本(!)、宮崎の15本と一発攻勢が売りです。レギュラーに守備力4が2人、守備力5が2人(!)という、極めて堅い守りのチームで、ほとんどの場合、総合守備力はAとなります。先発はグレードAの石田に、Bの今永、濵口、絶対的守護神の康晃、グレードAの藤岡に、セットアッパーのエスコバーと、強力と言っていい投手陣です。
  対する阪神タイガースは、3割バッターは糸井だけ、主軸のマルテ、大山、孝介を合わせても36本と、ソト一人に届かない得点力の低さ。それでも、史実で3位となり、クライマックス・シリーズの1Stステージを突破できたのは、球界最強と言える投手陣にあります。先発こそ、グレードBは西と青柳ですが、リリーフにグレードBのドリス、Aの島本と守護神藤川、それを越えるA&C(!)の岩崎とPJと、中盤以降の安定性は抜群です。
  第1戦は、10月5日の横浜スタジアムで、先発は西(グレードB)対石田(グレードA)です。序盤、なかなかヒットが出ない中、2回裏に四球と進塁打で2塁に進んだ柴田を置いて、8番嶺井がタイムリーで先制します。 

嶺井
 その後は、零行進が続き、6回裏、疲れの見えてきた西から神里がツーベースを放ち、ソトが単打で1・3塁とします。ここで4番ロペスがセンターフライを打ち上げ、タッチアップで待望の追加点を挙げます。阪神は、7回までノーヒットノーランでしたが、梅野がツーベースでかろうじて出塁します。が、得点にならず。終わってみれば、石田が散発2安打で完封勝利となりました。 
石田
 DeNAが王手を掛けた第2戦の先発は、青柳対濵口のグレードB対決です。ここまで湿りっぱなしの阪神打線は、2回に主砲マルテがソロホームランで息を吹き返します。
 その後、5回まで零行進でしたが、濵口の後を継いだエスコバーが打ち込まれます。4回四球とヒットの二人を置いて、またもマルテが値千金の3ラン!
マルテ
 7回も敵の失策につけ込んで2点を挙げ、8回には福留の2ランでとどめを刺します。
福留
 投げては、青柳が前日のDeNAのお株を奪う、無四球完封勝利で、勝敗を五分に戻します。
青柳
 両軍にとって絶対に負けられない第三戦は、高橋と東の投げ合いに。初回、ヒットと盗塁の近本を2塁において、糸井が先制の2ランを放ちます。
糸井
 が、その裏、宮崎のタイムリーで1点を返すと、2回にスリーベースの大和を、東がスクイズで帰して同点に。続く、3回に柴田がソロHR、7番大和がタイムリーで逆転に成功します。 
大和
 もはや1点もやれない阪神は、PJ、島本の最強のリリーフ陣を投入し、なんと5回をノーヒットに抑えます。
PJ
 阪神は4回に梅野がソロホームランで1点差としますが、ランナーを出しても後続が続かず、あるいは代走植田海が盗塁死するなど、この1点が遠くのし掛かります。7回からは藤岡、最終回は守護神康晃が抑え込み、ゲームセット。
康晃
 この結果、ファーストステージは、史実を覆して2勝1敗で横浜DeNAベイスターズが勝ち上がりました。

 続いて、2019年パリーグCSのファイナルステージで、勝ち上がった福岡ソフトバンクホークスを、埼玉西武ライオンズが本拠地のメットライフドームで迎え撃ちます。
 福岡ソフトバンクホークスは、1、2番が打率以上の出塁をし、グラシアル、デスパイネの一発攻勢で勝ち抜いてきました。特に、4番グラシアルは打率5割3分8厘でMVPを取る、驚異的な活躍です。その裏でいぶし銀の内川がここ一番のタイムリーを打ったり、先発椎野があわやノーヒットノーランかという熱投もあり、初戦の敗北からの二連勝で1Stを突破し、勢いに乗っています。
  埼玉西武ライオンズは、先発ニールのみがグレードBで抑えの増田のA、小川のBと後はD以下で、投手力はソフトバンクよりかなり見劣りがします。が、尋常でないのは打線です。長打のある一番秋山に、足のある源田のコンビ、ホームラン20本以上の外崎、森、30本の「おかわり」中村に、2年連続のHR王「どすこい」山川。森はキャッチャーながら首位打者で、金子は盗塁王、100打点以上が3人と、まるで85年の阪神か、01年の近鉄以上か?!規定通り、西武には1勝が与えられています。
  第1戦は、10月9日のメットライフドームで、先発はソフトバンクの高橋礼対西武のニールです。ソフトバンクはファーストステージから中1日の連戦となるため、初戦で千賀や椎野が使えないのが痛いところです。

第1戦
  ゲームは追いつき追い越しの戦いになります。1回裏に西武が3つの四球を挟んだ3連打で、3点を先取します。ソフトバンクは3回表に柳田の犠飛とエラーの後のデスパイネのタイムリーで同点に追いつきます。すると、その裏、振り逃げで出た外崎を塁において、主砲山川がツーランを放ち、再び、5対3とリードします。
山川2
 1勝のアドバンデージを取られているソフトバンクは、6回にグラシアルのソロで1点差に迫ると、8回に柳田と熱男松田のソロで逆転に成功します。
松田
 そのまま、モイネロ-森とつないでソフトバンクが勝利し、対戦成績を1勝1敗に戻します。西武は4回以降、強力な救援陣に抑え込まれたことが響きました。 
モイネロ
 第2戦の先発は、千賀(グレードB)対十亀(グレードD)です。序盤から西武打線がソフトバンクのエース千賀を攻め立てます。1回、ツーベースの金子を源田のタイムリーで帰して先制すると、2回の外崎の犠飛、栗山のスリーベース、源田の2点目のタイムリーで、突き放します。3回には森がソロホームランで千賀をノックアウトし、その後もこの日5打数5安打6打点となる源田の2本のホームランで10点を奪います。
源田
 西武先発の十亀はピンチをのらりくらりと躱し、5回に内川に始まる連打と3つの四球で3点を失いますが、勝利投手の権利を得ます。これを平井が4イニングスのロングリリーフでつなぎ、西武が勝利します。
十亀
 第3戦は、椎野(グレードB)対今井(グレードD)の投げ合いです。ソフトバンクは、1回に柳田のタイムリーで先制すると、3回にエラーと四球で出たランナーを主砲グラシアルの3ラン、デスパイネの連続アーチで4点を加え、5対0とします。
グラシアル
デスパイネ
 西武も秋山、栗山のタイムリーで2点を帰しますが、松田のタイムリーと今宮-柳田-グラシアルの連続ヒットと犠飛で、再び、突き放します。西武は、1Stステージで好投した椎野を攻めあぐね、8回に山川のツーランで揺さぶりを掛けるのがやっと。そのまま、完投を許し、これで対戦成績は、2勝2敗の五分に。
椎野
 勝った方が王手をかける第4戦は、再び、打撃戦に。2回にソフトバンクがデスパイネのソロで先制すると、その裏に秋山のタイムリーで同点に。5回、再び、デスパイネがスリーランを打ち込むと、ソフトバンクは最優秀セットアッパーのモイネロを投入し、逃げ切りに掛かりましたが・・・。
D2
 源田、森のタイムリーで1点差にすると、制球の乱れたモイネロから、7回裏に4つの四球で押し出しを奪い、同点に8回裏、秋山、栗山のヒット、代打メヒアの四球で満塁としたところで、ああ、ライト福田のタイムリーエラー!このリードを守護神増田が守り切り、西武がついにクライマックスシリーズの王手に。
増田
 第5戦は、波に乗る西武が怒濤の攻撃をかけます。先発松田(グレードC)対佐野(グレードD)で始まった対戦は、3回まで敵を攻めあぐね、0対0行進となります。
 二巡目に入った4回裏、西武の打線が爆発します。3番森から山川-外崎-中村の4連打で2点を取り、松田をノックアウト。代わった嘉弥真から秋山が値千金のスリーラン! 
秋山
 さらに5回、今度は眠れる主砲中村がツーランで目を覚まし、栗山が止めのタイムリーで8点目をもぎ取ります。
栗山
 ソフトバンクは四球を足掛かりに得点圏にランナーを進めるものの、決定打が出ず。そのまま、先発佐野が完封勝利し、アドバンテージの1勝を加え、4勝した西武がクライマックスシリーズを制しました。
佐野
  MVPは、西武の源田が、打率4割、本塁打2本、6打点で受賞しました。2戦目の固め打ちが効きました。これ以外にも、森が打率4割7分3厘、栗山が4割3分7厘と打線を牽引し、山川も本塁打2本とここ一番の勝負強さを発揮しました。
 敢闘賞は、1Stに続く、ソフトバンクのグラシアルで、打率5割、本塁打2本、5打点でした。打率は2割5分ながら、本塁打3本、7打点のデスパイネと、3回の登板で8回1/3を無失点に抑えた川原も、よい活躍でした。
川原
 次は、セリーグの覇者との日本選手権シリーズです。

 新型コロナ感染症の影響で、延期となっていたプロ野球がやっと開幕しました。もっともmitsuの虎党は、まだ、「練習試合」のようですが・・・(泣き)。
 野球好きのちはら会としては、これまで「熱闘12球団ペナントレース」(HJ/同人)を使用して、様々な対戦を楽しんできました。好きなチームを持ち寄って勝ち抜けをする「ワンディトーナメント」や阪神だけを使用する「タイガース・トーナメント」(必ず、阪神が優勝!)はては、新庄剛志の在籍チームを集め、いかに活躍するかを決める「新庄トーナメント」まで(笑い)。最近は、ヒストリカルな日本シリーズや好きなセパのチームによる「もう一つの日本シリーズ」「もう一つのクライマックス」が主流になっています。
 そこで、どうせなら、史実に基づいたCS/日本シリーズを行おうと思い立ちまして。名付けて「CS/日本シリーズ ヒストリカル・シナリオ」です。
 毎年のCS/日本シリーズのチームで戦うのですが、当然、クライマックスシリーズの結果によっては、日本シリーズの対戦相手も変わってきます。システム上、レギュラーシーズンの優勝チームが進出することが多いのですが、2014年阪神やここ2年間のソフトバックなど2位のチームが出場したり、時には2010年ロッテや2017年DeNAのように3位から成り上がることも。
 対象年を決め、できれば6チーム(6人)を募って、ヒストリカルなシリーズをしてみたいです。
 今回は、システム検証をかねて、得意のソロ演習で「2019年CS/日本シリーズ」をプレイしています。レギュレーションは、以下の通り。
【2019年セリーグCS】
 1Stステージ 阪神タイガース対横浜DeNAベイスターズ(横浜スタジアム)
 ファイナルステージ 1St勝者対読売ジャイアンツ(東京ドーム)
【2019年パリーグCS】
 1Stステージ 楽天ゴールデンイーグルス対福岡ソフトバンクホークス(ヤフオク!ドーム)
 ファイナルステージ 1St勝者対埼玉西武ライオンズ(メットライフドーム)
【2019年日本シリーズ】
  セリーグCS勝者対パリーグCS勝者(第1戦はパリーグ球場)


 まず、2019年パリーグCSです。1Stステージは、楽天ゴールデンイーグルス対福岡ソフトバンクホークス(ヤフオクドーム)となります。
 楽天ゴールデンイーグルスは、島内、茂木、銀次という安定した打率と、西武から移籍した浅村、ブラッシュ、ウィーラーなど一発のある打線です。先発は則本がグレードBのみですが、抑えの松井、セットアッパーのブセニッツ、森原の3人がA(!)、宋、高梨、青山がBと強力な救援陣です。
  対する福岡ソフトバンクホークスは1、2番の打率は低めですが、怪我から復帰した柳田、一発のあるグラシアル、デスパイネ、松田、いぶし銀の内川が主力です。守っては、先発の千賀、椎野がグレードBで、救援陣はセットアッパーのモイネロのAに、森、嘉弥真、髙橋、川原がBと、楽天ほどではありませんが、強力です。また、スローイング-1の甲斐キャノン、外野守備4の上林、釜元、盗塁のスペシャリスト周東など、多様性に富んでいて、史実でも2位から成り上がって、日本一になっています。
  第1戦は、10月5日のヤフオク!!ドームで、先発は則本対千賀のエース対決です。序盤、楽天は千賀の立ち上がりを攻め、無死満塁のチャンスに。浅村、ブラッシュを討ち取ったもののウィーラーに押し出し四球で先制点を得ます。2回も二つの四球とエラーで満塁とし、茂木のタイムリーと浅村の犠飛で2点をゲットします。さらに4回に、島内、銀次のヒットで作ったチャンスを、またも浅村の犠飛で1点を取り、4点目に。

第1戦
浅村
 ソフトバンクは、1番明石がソロホームランで1点を返すのがやっと。
 勝負を決定づけたのは、5回でした。下位打線を討ち取ったはずが、二つのエラーと四球で、またもやノーアウト満塁に。ここで、辰巳から浅村までが5連打!四球を挟んでウィーラーまでがヒットに。途中、千賀を諦め、嘉弥真にスウィッチしますが、勢いは止められず。結果、一気8点のビッグイニングとなります。
 意地を見せたいソフトバンクは、8回に疲れの見えてきた則本から、グラシアルとデスパイネの連続ホームランで3点を返し、ノックアウトしますが、点数差が大きすぎ。
則本
 8回途中からブセニッツが締めて、楽天が先勝し、ファイナルステージへ王手を掛けます。
  第2戦の先発は、岸(グレードC)対椎野(グレードB)です。初回、今宮からデスパイネまで4連打で1点を取ると、7番内川がさらに二人を返し、ソフトバンクが3点を先制をします。その後も、柳田のタイムリー、グラシアルのソロで加点し、8回には熱男松田が止めのホームランを放ち、6対0と突き放します。
第2戦
グラシアル
 絶対に負けられないソフトバンク椎野は、気迫の投球で三振の山を築きます。途中、連続四球でピンチとなるものの、要所を三振で締め、なんと7回までノーヒットノーランに。8回に島内にヒットを許すも後続を断ち切り、9回は浅村、ブラッシュ、ウィーラーを三者三振に打ちとり、ゲームセット。終わってみれば、わずか1ヒットで15奪三振(!)という驚異的な投球でした。
椎野
 対戦成績が5分となった第三戦は、激しい乱打戦になります。ソフトバンクが楽天先発石橋を攻め、今宮のツーラン、グラシアルのソロホームラン、1番明石のツーランで5点を取ります。一方の楽天も、2回にウィーラーのホームランから始める得意の集中打で、同点とします。
第3戦
ウィーラー
 お互いに強力な中継ぎ陣を投入したことで決定打が出ませんでしたが、5回にいぶし銀内川が内野安打で1点をもぎ取ると、6回に四球とエラーで満塁として、ブセニッツから柳田がタイムリー、デスパイネがスリーランで勝負を決めます。
内川
デスパイネ
 楽天は、9回にソフトバンク守護神の森から、浅村、ウィーラーのヒットで1点を返したものの、嶋が三振に倒れ、ゲームセット。この結果、ファーストステージは、史実と同様に2勝1敗でソフトバンクが勝ち上がりました。

 この日の緒戦は、2回目の参加となるkawa.Jrとの「熱闘!12球団ペナントレース」(同人)のオリジナル日本シリーズです。お互いに好きなチームを選んで日本シリーズの日程を行うもので、投手のローテーションや短期決戦のオーダーなど、このゲームの特徴を生かした対戦ができます。選んだチームは、2019年ロッテ(kawa.Jr)とやはり2019年阪神(mitsu)です。

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 2019年阪神(mitsu)は、3割バッターはレギュラーでは糸井のみで、無条件ホームランナンバー1もたったの4つ(!)という極貧打線。かわりに1割台の控え選手に1が多いというアンバランスぶり。利点としては、近本5、植田4、梅野4という盗塁力があります。対して投手陣は、先発こそ西、青柳のグレードB、髙橋Cと少なめですが、リリーフ陣は、A&C2人!(岩崎とP.J)、A2人!(島本、藤川球児)、B1人(ドリス)と球界最強を誇ります。このおかげで、史実では3位に滑り込み、クライマックスシリーズ第2戦にまで行きました。
 2019年ロッテ(kawa.Jr)は、3割バッターは同じく荻野一人ですが、無条件ホームランナンバー1は日ハムから移籍したレアード、井上を中心に、鈴木、中村など、阪神の倍近い7つを持ちます。が、投手陣は、先発で種市がグレードB、岩下、石川がC、押さえの益田がAと、阪神と比較するとかなり厳しい状況です。史実では借金1の4位になっています。
 第1戦は甲子園球場で、ロッテが種市(グレード)Bと阪神が西(グレードB)のエース対決です。試合は息詰まる投手戦となり、7回まで種市が散発2安打、西はノーヒットで、零行進が続きます。一発が試合を決める展開ですが、案の定、8回表、清田がソロHRで1対0に。貧打阪神にとっては重たい一発でしたが、8回裏、代打中谷が流れを変えます。2アウトから値千金の同点弾!気落ちした種市から、長打のある近本が連続HR!最強ストッパーの藤川が、9回を3人で締め、劇的な逆転勝利となりました。
T 中谷
 第2戦は、ロッテが石川(グレードC)と阪神が青柳(グレードB)の先発でスタートし、この日は一転して激しい打撃戦に。3回、ロッテがレアード、鈴木、中村奨吾、清田の4連打で3点を取ると、その裏に阪神も福留、梅野、近本のヒットで3点を返します。
L レアード
 同点の5回、ロッテはヒットと四球で満塁にすると、4番レアードがデッドボール!動揺する青柳から鈴木が2本目のヒットを打って2点を追加します。阪神は青柳を諦め、PJ-ドリス-島本の得意の救援陣を投入しますが、ロッテは8回に連打で貯めたランナーを藤岡の3ベースヒットで返し、10点目を取り突き放します。
L 藤岡
 阪神もマルテの2本のツーベースなどで3点差まで詰め寄りますが、頼りの福留が倒れて試合終了となります。
 1勝1敗で迎えた第3戦は、マリンスタジアムに移ります。ロッテが二木(グレードD)と阪神が髙橋(グレードC)の投げ合いに。勢いに乗るロッテは、2回裏にヒットで出た8番田村を岡が送り、藤岡のヒット、鈴木大地の2ベースで2点を先制します。
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 阪神は5回に福留が一発を放ち、1点差に。が、7回裏、中継ぎの岩崎が2番中村の2ベースで1点を追加され、3対1。阪神も8回の近本のタイムリーで再び1点差にし、9回代走植田がスチールを決め、一打同点にまで持って行きましたが・・・ストッパー益田がマルテを抑えて、ロッテが2勝となります。
L 益田
 第4戦は、ロッテ岩下(グレードC)と阪神がこの年に引退となるメッセンジャー(グレードE)でスタート。が、1回にロッテの藤岡から田村までの長短打を喰らい、4点を失点。阪神は、早々にメッセを諦め、球界最強の救援陣を投入し、PJ(2回と2/3)、島本(5回!)のロングリリーフなどでロッテの攻撃を抑え込みます。
T PJ
 対する阪神は、岩下を攻めあぐね、6回まで零封されましたが、7回に梅野のツーベースなどで2点を取ります。そして、8回、大山・マルテの連続HRで同点に。ロッテもこれ以上、点をやれないと、ストッパー益田を投入し、そのまま、延長戦に。前日に登板している益田が9回に降板すると、10回表に近本の1発で勝ち越しに成功します。これで守護神藤川でおしまいと思いきや・・・なんとロッテの代打マーティンが同点HR!
L マーティン
 まさかの延長12回、試合を決めたのは5番に下げられた大山でした。レフトスタンドへ見事なアーチ!これで、阪神が勝率を五分に戻します。
T 大山
 両軍とも負けられない第5戦は、ロッテが種市(グレード)Bと阪神が西(グレードB)のエース対決、再び。四球やシングルヒットでチャンスを作るものの、両エースはなかなか打ち崩せず。こうなるとやはり1発が大きく、2回裏、好調梅野が先制のソロHRを放ちます。と、4回、阪神に悲劇が・・・角中のショートゴロを木浪がキャッチしたもののランナーと交錯し、3試合の負傷退場に。が、チャンスは直後にやってきて、ツーベースのマルテを置いて、ショートを交代した鳥谷に。「さあ、君がヒーローだ!鳥谷敬!」でタイムリー!
T 鳥谷
 8回裏も福留のタイムリーが止めとなり、3対0の西の完封勝利で王手を掛けます。
T 西
 甲子園球場に戻った第6戦、ロッテ石川(グレードC)と阪神青柳(グレードB)の二度目の対決は、前回同様、激しい乱打戦に。初回、ロッテが藤岡から鈴木の連打で3点を取れば、阪神も4番福留のツーベースなどで同点。2回も四球を絡めた藤岡からの3連打でまたもや3点を奪取します。阪神も負けじと、5回に梅野のスリーベース、6回にまたもや福留のタイムリーで7対7の同点に。
T 福留
 勝負を決めたのは、リリーフ陣の差でした。阪神はPJが3回を零封したのですが、ロッテは7回裏に唐川が梅野、糸原、糸井、福留(三度目!)のタイムリーで3点を失います。最後は、藤川がきっちりと三人で締めてゲームセット。この瞬間に、阪神の「日本シリーズ優勝」が決定しました。
T 藤川
  阪神は、先発の西が2試合で17イニングスを投げて1失点で2勝と大活躍。中継ぎ陣も、ドリス、岩崎が打ち込まれることはあったものの、PJ、島本のロングリリーフ、藤川の抑え(1勝2セーブ)と、役割を果たしました。打っては、近本が2HRで打率.320、4盗塁、福留が打率.375で1HR、5打点、梅野がそれを上回る打率.476(!)、1HR、6打点とここ一番での活躍が目立ちました。
 ロッテは、抑えの益田が3試合で、無失点、1セーブと踏ん張りましたが、エース種市が援護少なく2敗。打撃では、集中打でビッグイニングが多かったのですが、ここ一番で競り負けました。鈴木大地と田村が3割5分を越えたものの、主軸の井上が2割、レアードが1割3分でともにホームランはなし。レギュラーシーズンで唯一、3割を越えた荻野が14打数0安打と完全なブレーキとなったのが痛かったです。
 戦績は、以下の通りです。
 優勝:阪神タイガース2019年
 MVP:西勇輝(投手)2勝0敗、完投1、完封1、防御率.0.53
  敢闘賞:田村龍弘(捕手)17打数7安打、打率.412、打点4
L 田村
 ちなみに、MVPの次点は、梅野隆太郎(捕手)21打数10安打、打率.476、打点6でした。個人的には、負傷退場の木浪に変わった鳥谷のタイムリーが最高でした(えっ、そこ?!笑い)。
T 梅野

 コロナ対応の第3弾として、ybsさんとBIBIさんと自宅オフ会を行いました。この日の緒戦は、「熱闘12球団ペナントレース」(HJ/同人)です。せっかく3人ならばと、好きな球団を選んで、クライマックスシリーズをすることに。第1ステージは、2010年3位からの下克上を成し遂げたロッテと、言わずと知れた1985年の最強の猛虎打線阪神です。

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 第1戦は、ゲイルと成瀬の投げ合いに。序盤、先制をしたのはロッテで、3回表に先頭の西岡が出塁すると、荻野、井口の連打に、4番金の犠飛で2点を取ります。さらに1点を加えた5回に、井口のソロで加点し、2アウトから四球と連打で1・2塁に。これは危険と里崎を歩かせたのですが、9番投手成瀬にまさかのタイムリーを浴び、のべ7点を失います。
井口
 一方の阪神は、4回裏から反撃に出ます。まず、一人ランナーを置いて、掛布が2ラン!5回は、真弓が同様に2ラン!なんと、6回にまたも掛布が、7回にやはり真弓がそれぞれ2ランを放ち、逆転に成功します。まさに、最強の猛虎打線!これを機に7回2/3から、ストッパー中西を投入し、ロッテ打線を押さえ込み、緒戦をものにします。
掛布2
真弓
 ロッテは、西岡が4安打で2打点を、井口も3の3でやはり2打点を挙げる活躍をするも、成瀬が史実通り(?)4本塁打を浴びる展開で、破れました。阪神は、真弓が2ホーマーで5打点、掛布も2ホーマーで4打点とエースを打ち砕きました。
西岡
 第2戦は、地元出身の唐川と池田の投げ合いに。初回、ロッテがサブローのタイムリーで先制すれば、阪神も2回に池田のスクイズで追いつき。3回表に4番金の併殺打の間に取った1点を、4回裏に池田(!)がタイムリーで再び同点に。
 その後、2回は両投手とも安定したものの、7回表に荻野・井口の長短打で2点を奪って、三度目のリード。ここからロッテは、古谷-小野-藪田の小刻みな継投で、長崎のタイムリー1点に抑え、ゲームセット。勝敗を1勝1敗に戻します。
荻野
藪田
 ロッテは、2番荻野と3番井口が3安打でタイムリーを重ね、継投による勝利をもぎ取りました。阪神は6番佐野が3安打と一人気を吐いたものの、主軸が散発であと1点が追いつけず。
佐野
 泣いても笑っても、最終の第3戦は、渡辺俊介と工藤の先発で始まります。が、序盤から荒れた展開に。1回裏に阪神がバース、岡田、佐野の単打で2点を取るものの、3回表にロッテの眠れる4番金が目を覚まし、ツーベースで同点とし、サブローのタイムリーで逆転に成功します。
サブロー
 甲子園で負けるわけにはいかない阪神は、3回に岡田のタイムリーで追いつくと、4回に走者2名を置いて、バースの3ラン!これで勝負あったかと思いきや、5回に再びサブローが同点3ランを放ちます。両投手とも、この時点でノックアウトされます。
バース
 緊迫した試合は、6回裏に最高潮を迎えます。9番の代打川藤が四球を選ぶと、真弓が四球、吉竹がフィルダースチョイスで満塁に。ここで期待のバースが力みすぎて三振しますが、4番掛布がライトスタンド上段に、見事な満塁ホームラン!その後は、抑えのエース山本が3回を散発2安打に占め、ゲームセット。この瞬間に阪神の第2ステージ進出が決定しました。
掛布
  ロッテは西岡と井口が.538、荻野が.500、サブローも5打点の.394と高打率をマークしましたが、4番金が1・2戦でブレーキとなり。ちなみに7番今江、8番里崎の二人も、22打数4安打でチャンスを作れず。
 阪神は、真弓が2本、バースが1本、そして掛布がグランドスラムを含む3本で計15点を奪う一発攻勢で、ロッテ投手陣を打ち砕きました。陰に隠れてしまいましたが、中西と山本の抑えの両エースがロングリリーフで零封したのも、大きかったです。

最後に、このところ、マイブームの「熱闘12球団ペナントレース」(HJ/同人)オリジナル日本シリーズを対戦しました。前回のオフ会で取り組んだ、2010年阪神タイガース(mitsu)対2009年楽天ゴールデンイーグルス(BIBI)の対戦です。ここまでの成績は、阪神1勝、楽天2勝です。
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 第4戦は、仙台クリネックススタジアムで、阪神対楽天となります。先発はスタンリッジ(グレードC)と藤原(D)です。グレードが高くないのですが、投手戦になります。楽天は2回に主砲山崎がソロホームランで先制します。
山崎
 その後も、ぽつぽつとヒットでランナーを出しますが、ほぼ連打が出ず、追加点ならず。一方の阪神は、4回まで零封されますが、5回ツーアウトから林・藤川・鳥谷・平野が長短打の4連打で一気に3点を挙げ、逆転します。  
林
平野
 これ以降、8回までお互いに点が入らず。最後に、阪神の守護神藤川が5番からの楽天打線を封じ、3対1で阪神の勝利となりました。
藤川
 第5戦も、仙台での戦い。第1戦同様、田中将大(グレードA)と能見(C)の先発です。マー君が投げると楽天が奮起する展開となり、4回に中村・小坂の連打を宮出が返し、セギノールの一発で4点を奪います。
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 3回もヒットと四球でノーアウト満塁として、能見をノックアウト。阪神は中継ぎの久保田を投入しますが、嶋のヒットとまたもセギノールの押し出しで2点を失います。
嶋
 絶対エースの田中相手に相当に厳しい展開でしたが、阪神も意地を見せます。城島のタイムリーや平野のツーベース、林とマートンのソロHRなどでワンポイントをものにして、5点をもぎ取り、田中のグレードをBに墜とします。が、ビッグイニングは起こせず、楽天の2点追加点もあり、5対8で楽天の勝利となります。これで、楽天は優勝への王手を掛けます。
楽天田中
 第6戦は、舞台を甲子園に戻して、岩隈と久保のグレードB同士の戦いに。絶対に負けられない戦いに阪神はエース久保を投入しましたが、好調の楽天打線に捕まります。鉄平・渡辺・草野が3連打で1点を取ると、この日から4番に座ったセギノールが値千金のスリーラン!さらに、5回、ツーアウトから中村のヒット、小坂の四球で得点圏にランナーを進めると、7番嶋がしぶとくタイムリーで4点目を挙げます。
渡辺直
草野
小坂
 阪神は心機一転を図り、史実の開幕の打順で望みましたが、1番マートンが2安打、鳥谷のヒットなどでチャンスを作るものの、悩める4番金本がランナーを置いて悉く凡退。それでも奇跡を信じて、久保田、渡辺、西村、藤川の継投をしましたが、結局、岩隈を打ち崩せず、完封負けに。
岩隈
 この勝利で、4勝2敗で、2009年楽天ゴールデンイーグルスの優秀が決まりました。MVPは、当初はスタメンでなかったものの、打率.500でホームラン1本、打点8点を上げたセギノールが獲得しました。阪神の敢闘賞は、全試合でヒットを放ち、打率.327、ホームラン1本、打点4のマートンとなりました。

  ここで、西武ファンのkawaさんが最新版の2019年データを持ち込みまして。阪神がもう一度、受けて立とうと、2005年阪神タイガース(mitsu)対2019年西武ライオンズ(kawa)の日本シリーズに。2019年西武は言わずと知れたパリーグ覇者で、辻監督の下、俊足好打の秋山、栗山、一発のある森、山川、中村の強力打線が売りです。ただし、投手陣はグレードB以上はニールだけで、先発陣に不安が残ります。一方の2005年阪神はセリーグ優勝チームで、リードオフマン赤星に、絶対4番の金本、打点王になった今岡などのバランスのよい打線。それ以上に強力なのが投手陣で、下柳、杉山の先発2枚看板に、井川、安藤の10勝越え投手、さらにリリーフはグレードAの久保田、藤川に、ウィリアムス、江草、橋本がBとあまりにも豪勢な陣容です。
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 第1戦は、西武所沢球場で、ニールと下柳のグレードBのエース対決です。先制は阪神で、初回に3番シーツがソロホームラン。
シーツ
 その後、投手戦が続きましたが、4回裏、西武自慢の打線が火を噴きます。森と山川のツーベースで同点に追いつくと、中村のタイムリー、メヒアのツーベース、9番金子の単打で計4点をもぎ取ります。
森
メヒヤ
 阪神も5回に2番鳥谷のタイムリーと8回金本のツーベースで2点を返し、1点差に。最終回も代打関本がヒットで出て、同点のランナーとなりましたが、ここはニールが踏ん張り、完投。3対4で西武が競り勝ちました。
ニール
 第2戦は、阪神杉山(グレードB)対西武高橋(D)の戦い。この日は阪神打線が爆発します。立ち上がり不調な高橋を攻め、一番赤星のヒットから2番鳥谷の失策出塁を経て、3番シーツが先制のタイムリー。
赤星
 その後も満塁として、9番関本が走者一掃のツーベース。打者一巡も勢いは止まらず、またも赤星と鳥谷のヒットで、計7点をもぎ取ります。
関本健太郎
 2番手の今井から、金本のホームラン、濱中のタイムリーなどで4点を加えます。一方の西武打線は、四球を絡めてチャンスは作るものの、ここ一番でヒットが出ず。先発杉山が三発安打で得点を与えず、11対0で完封勝利となりました。
金本
杉山
 これで、通算成績は、西武1勝、阪神1勝のタイになりました。この続きは次回に・・・。

 最後に、昨年末からブーム再来の「熱闘!12球団ペナントレース」(同人)の日本シリーズ対戦をします。選んだチームは、2009年楽天イーグルス(BIBIさん)と2010年の阪神タイガースです。

ベナントレース
 2009年楽天イーグルスは、グレードAの田中将大とBの岩隈、永井を擁し、今期退団の福盛、小山のBリリーフ陣もそれなり。打率:327の鉄平や盗塁5の渡辺、一発のある春男山崎やセギノール、シェアなバッティングの宮出等、2位をもぎ取った野村監督最後の1年です。
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 対する2010年の阪神タイガースは、往年の主軸金本こそ、低迷していますが、3割越えの鳥谷、平野、マートン、新井に、一発のあるブラゼル、城島、林等の強力打線で、チーム打率:290の超攻撃型。リリーフも絶対守護神のグレードAの藤川に、Bの渡辺がおり、最後まで優勝争いをしました。ただし、先発陣は久保がグレードBのみで、終盤戦で2位になった経緯があります。
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  第1戦は甲子園球場で、楽天田中と阪神能見が先発でしたが、1回表に考えられない番狂わせが。楽天は、1番鉄平から7番嶋まで1四球を挟んで、なんと6連打で5点を先制し、能見は1アウトも取れずにノックアウト。2回には5番中村のタイムリーで加点し、7回には4番山崎のソロHRで、のべ7点をゲットします。一方の阪神は、4番ブラゼル、5番新井が2安打し、合計9安打を放つも、田中将大の前に要所要所を締められ、完封負けに。3番に入った楽天草野が、3安打2打点と大活躍でした。
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 続いて、第2戦、意地でも甲子園で連敗できない阪神は、1回裏に、2番平野、3番マートンの連打に、4番ブラゼルのHR、さらに6番林のソロHRで4点を獲得します。が、楽天は2回に2アウトから6番小坂(今季で引退!)、7番嶋が連続ヒット。危険を感じたバッテリーが8番宮出を敬遠しますが、なんとピッチャー岩隈がタイムリー!3回には2番渡辺、3番草野のヒットと山崎の四球で満塁にし、5番中村の犠牲フライで1点差に。が、5回、1番鳥谷から5番新井までが5連打し、3点を取って突き放します。8回途中からは、守護神藤川が楽天打線を封じ込め、4対8で勝利しました。
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 第3戦は、楽天宮城球場に舞台を移し、楽天永井と阪神鶴が先発。序盤はグレードBの永井から阪神がヒットを重ね、3点をゲットします。対する楽天も鶴を攻めセギノール、中村のタイムリーで1点差に。と、4回、嶋がエラーで出塁すると、動揺した鶴が宮出とセギノールに四球を与え、満塁に。ここで、1番鉄平のショートゴロ、2番渡辺の犠牲フライでヒットなしで2点を取って、逆転してしまいます。阪神は、6回表に5番新井が値千金のソロHRで追いつきます。が、4回途中から投入した渡辺亮が、楽天主砲山崎の2点タイムリーを許し、さらに7回には西村が宮出、セギノール、鉄平に3連打を浴び、延べ9点に。最終回、2番平野が1点を返すも、ジ・エンド。
 楽天は、草野3番、平野5番、小坂6番(!)等、決して強力といえない選手が活躍し、全てのスタメンがヒットを放ち、強力打線の阪神に打ち勝っています。阪神は個々のヒットはあるものの打線の繋がりが悪く、9安打で零点や14安打を放ちながら逆転負けを喫する等、負け越しています。かつての主砲金本がランナーを置いて全て凡退する等、ブレーキになっています。なんとか、打線をつなげて、逆転優勝をめざします。この続きは、2月のちはら会で・・・。
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 この日の緒戦は、自宅オフ会でスタートした、85年阪神(mitsu)対88年近鉄(BIBI)の「熱闘!12球団ペナントレース」(HJ)日本シリーズです。

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 第3戦は藤井寺球場に舞台を移し、阪神中田、近鉄山崎の先発でゲーム開始となります。
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 阪神は1回に、1番弘田がツーベース、吉竹がエラーで出塁のあと、バースが併殺打の間に1点を先制します。
 近鉄は2回に先発の中田を攻め、ブライアント以下が連続ヒットと四球で満塁とします。8番真喜志の併殺崩れで1点を返したあと、9番に入った村上が満塁ホームランで逆転に成功します!
村上
 ところが、直後の3回表に、ツーアウト3塁から山崎がまさかの大乱調で、なんと5つの四球を与えます。
山崎
 そして、5番真弓が起死回生の逆転満塁ホームラン!
真弓
 その後、阪神は5回に佐野のツーランで追加点を、7回に真弓以下の三連打と木戸のスクイズなどで、ダメ押しとなる3点を加えます。
 投げては2回途中からリリーフに立った伊藤が一人で7回1/3を投げ抜き、勝利投手となりました。
伊藤
 阪神の2勝1敗となった第4戦は、阪神工藤、近鉄小野の先発です。1回裏、1番大石がヒットで出ると、2番吹石が先制のツーランホームラン。続く、金村も連続HRで3点をリードします。
吹石
 その後は、4回まで投手戦となり、無失点が続きましたが、5回に動きが起こります。阪神の5番真弓がソロHR狼煙を上げると、佐野・渡真利が連続ヒットし、平田の犠打と木戸の犠飛で1点を返します。ここで、真弓に替わった好調な1番弘田が、同点タイムリーを放ちます。
弘田
 が、その裏、近鉄は先頭打者吹石が、ソロHRで再びリード。さらに、ブライアントも1発で2点差とします。
 近鉄小野は要所を締めながら8回ツーアウトまで来て、このまま、完投かと思われましたが・・・阪神の粘りは凄かった。バース、岡田、真弓が3連続ツーベースヒットで、終盤に同点に追いつきます。
岡田
 試合は延長戦に入り、5対5のまま、10回へ。試合を決めたのは、最強の助っ人外人ランディ・バースでした。
バース
 代打長崎が1塁手のエラーで出ると、バックスクリーンへの決勝ツーラン!10回裏に、鈴木貴久の1発で1点差としますが、最後はストッパー中西が締めて、ゲームエンド。阪神は、日本一へ王手をかけます。
中西
 後がなくなった第5戦、近鉄はエースの阿波野を投入します。阪神は左の仲田が先発です。試合はいきなり序盤から激しい展開に。1回表、阪神真弓が先頭打者HRで先制すると、その裏にはスリーベースの近鉄大石を、絶好調の吹石がヒットで返して、同点に。
阿波野
 3回表には、エース阿波野から阪神が、真弓のツーベース、バースのタイムリーなどで2点をリードします。
 その後、しばらく、両投手の投げ合いが続きますが、6回表、四球の吉竹を1塁において、またも、ランディ・バースのツーラン!さらに掛布もバックスクリーンへ1発を放ち、5点差に。
掛布
 このまま、楽勝かと思われたその裏、阪神の仲田が史実通りのノーコンぶりを発揮します。オグリビーと鈴木を四球で歩かせると、梨田の内野安打で満塁に。さらに替わったゲイルから、代打新井、村上が連続押し出しで、わずか1安打で2点を奪います。
 さらに、7回裏、オグリビーのソロ本塁打も出て、近鉄は2点差にまで詰め寄りましたが・・・悲劇は8回表に待っていました。ここまで投げ抜いてきた阿波野が、2番の代打川藤を四球で歩かせると、岡田の四球を挟んでバース・掛布・永尾に連打を浴び、2点を与えます。7番弘田も歩かせたところで、ストッパー吉井に替わりますが、勢いに乗った阪神は止められず、平田のヒット、木戸のスリーベース、真弓のタイムリーでのべ6点を得点します。
 7回途中からリリーフした福間が、第1戦に続き好投し、無失点でゲームセット!
 85年阪神(mitsu)が、88年近鉄(BIBI)を4勝1敗で下し、日本一に輝きました。チーム成績は、近鉄が13本塁打と打ちまくったのですが(阪神は10本)、得点は逆に阪神が39点(近鉄は24点)とタイムリーの数で勝りました。MVPと敢闘賞は、以下になりました。
 MVP:ランディ・バース 打率.550(20打席11安打) 本塁打5本 7打点
 敢闘賞:吹石徳一 打率.360(25打席9安打) 本塁打4本 4打点
  ちなみに、MVPでは、阪神の真弓明信も、打率.416で打点はバースを上回る10点と甲乙付けがたい選考でした。
 これを見ていたライオンズ・ファンのkawaさんが、2018年度版の同人モジュールを持ち込みまして。次回は、2005年阪神あたりと、新日本シリーズでも行きましょうか?

 「トロールボール」を持ち込むくらいですから、BIBIさんは、さぞ、野球ゲームを楽しんだのかと思いきや、「Buffaloesは好きですが、実はまともな野球ゲームをしたことがないんです」と驚愕の発言!では、どんなアイテムをやったんですか、と聞いたところ、超B級で名高い「Wizball(アスキー)くらいですね」と、もっとビックリ。そんなプレイヤーもいるんだぁ!

 ぜひ、「きちんとした」野球ゲームをしましょう、とちはら会らしからぬ「まっとうな」お誘いで、「熱闘!12球団ペナントレース」(HJ/同人)をプレイすることに。
  それぞれ、20年以上の歴代チームから、BIBIさんが選んだのは、88年の近鉄。ブライアント、オグリビー、金村、鈴木貴久の強力打線に、阿波野、小野、山崎、吉井の投手陣が揃っています。あの10.19で優勝こそ逃したものの、首位西武とゲーム差なし(!)の二位となったチームです。

阿波野
 一方のmitsuは、Tiger栄光の85年優勝チームです。真弓、バース、掛布、岡田の超強力打線に、山本、中西の2枚ストッパーが売りです。
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 第一戦は甲子園球場で、阿波野とR・ゲイルのエース対決でしたが・・・序盤、先発の柱のゲイルがいきなり打ち込まれます。1回に大石のヒットの後、金村がセンターバックスクリーンへの2点ホームラン!2回も非力なはずの梨田に2ベースを許し、あろうことか阿波野のタイムリーで、3点目を献上します。
金村
 短期決戦でこれ以上の失点は厳しいと、吉田監督は、ゲイルを諦め、工藤を投入します。先ほど、HRを打っている金村を三振に取って、追加点を与えず。
 これで勢いを取り返したTigersは、エース阿波野に襲いかかります。1回にバースがソロホームランで1点を返すと、2回には佐野のヒットと木戸へのデッドボールで1、2塁に。焦った梨田がパスボールでピンチを広げると、ここで代打弘田が見事にレフト前ヒット!2点タイムリーで、同点に追いつきます。
弘田
 勝負を決めたのは・・・やはり、最強の助っ人バースでした。3回に2打席連続となる決勝のソロホームラン!4回には、気落ちした阿波野から、真弓がソロホームランで続き、5対3と勝ち越します。
バース
 が、ここで、悲劇が!3回にヒットで出た掛布が2塁へのスライディングの際に、足首を痛めて負傷退場!全治5日間と診断されます。130試合フル出場の掛布の代わりなどいるわけもなく、やむなく、ベテラン永尾が3塁の守備につきます。
 が、これに奮起したTigers投手陣は、中継ぎの福間が大健闘し、なんと5イニングスを無失点で切り抜けます。そのまま、8回、9回をストッパー山本がランナーを出しながら、要所を締め、緒戦は阪神の勝利となりました。 

福間
山本和行
  第二戦は、近鉄高柳と阪神池田の先発です。1回、2つのフォアボールと不安定な立ち上がりの池田が、2回に鈴木貴久にソロホームランを浴びて、1点を失います。阪神も、3回に1番弘田の2試合連続のタームリーで同点にしますが、4回に池田が今度はオグリビーに1発を浴びて、再び、リードを許す展開に。
 致命傷となったのが、5回でした。吹石、金村の連続ヒットで1、2塁とすると、眠れる主砲ブライアントが特大のスリーラン!阪神も、6回に岡田のタイムリーで2点を返すものの、5対3のまま、最終回の攻防に。
吹石
ブライアント
 9回表、替わったばかりの伊藤が、吹石にホームランを許し、3点差。さらに、またもブライアントが止めのソロを放ち、7対3に。ここで、近鉄は抑えのエース吉井を投入。勝負あったかと思われましたが・・・。
吉井
 9回裏、先頭の平田が狙い澄ました一撃で、2ベースヒット!代打北村、大野が倒れたものの、1番弘田が2ベースで1点を返します、さらに永尾のタイムリーで、再び2点差に。真弓、バースが内野安打で続き、2アウト満塁。一打出れば同点、長打でサヨナラの場面で、バッターは岡田でしたが・・・ああ、ショートゴロで3アウト。2戦目は、近鉄が接戦をモノにしました。

 初プレイのBIBIさんも、シンプルでスピーディな展開がよかったようで、このまま、日本シリーズに突入することに。次は、懐かしの藤井寺球場に舞台を移して、第三戦です。

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