午後になって、kawaさん持ち込みの「明日なき世界 Tomorrow the World 2」(CMJ)を対戦しました。第3次世界大戦の戦略爆撃を描いた仮想戦アイテムで、ゲームについては、以前の記事をご覧ください。
陣営は、日本軍(kawa)対ドイツ軍(mitsu)です。セットアップはドイツ軍(mitsu)は、局地戦闘機と通常戦闘機を全て本土マップに配置し、先制能力を持つMe262は日本本土攻撃隊の護衛とします。その上で、増援のゲーリング・ジェット(1/3の確率で通常戦闘機がジェット化)とパラサイト機(爆撃機の空戦dr+2)を採用します。
一方の日本軍(kawa)は、地中海艦隊の航空支援で橘花4ユニットをドイツに配置しますが、その他の護衛機は通常戦闘機です。先制能力を持つ局地戦闘機とジェット機は、全て日本本土に配備するという超防御策!
これにより、お互いに敵本土の爆撃には、かなり苦労しそうです。
第1ターンのドイツ本土フェイズ、日本軍は盤端をかすめながら、ドイツ西部に向かいます。その途中で、いきなりミュンヘンに反応弾!若きヒトラーが一揆を行った南部の古都は、灰燼と化します。
さらに、日本の戦闘機隊が先触れとして前進してきますが・・・この不用意な前進をドイツ防空隊がキャッチし、局地戦闘機Me162編隊が襲撃をかけます。あまりの高速に日本の戦闘機隊は一方的に叩かれます(先制攻撃)。生き残った神雷攻撃隊のみが複数の戦闘機隊を発進させ、一矢を報いるのがやっと(キルレシオは、日本5対ドイツ1)。
これで、慎重になった日本軍はマップ端を北部及び西部に向かって爆撃隊を前進させます。ここでドイツ軍は敢えて、シュヴァインフルトとドレスデンの中間に、戦闘機隊を前進させます。放置すれば、次ターンに爆撃機が襲われるのは確実のため、日本軍は数少ないジェット戦闘機橘花隊で迎え撃ちます。ここで、ドイツ軍は「巧みなドッグファイト」を発動し、drでは劣っていたものの、数の優位とドッグファイト優勢を生かして、損失をほぼ引き分けに持ち込みます。
続く、日本本土フェイズでは、日本軍の防空隊の方が多いため、ドイツ軍は陽動をかけます。一旦、新潟方面に爆撃機の一部とMe262の6ユニットを向かわせ、首都圏にいた防空隊の2/3をこちらに引きつけます。
十分に敵の目を引いたところで、残りの部隊は関西・九州方面に転進します。日本軍は慌てて、岡山と福岡の防空隊をこちらに向けますが、戦闘機の比率は一時的に同数になります。
さらにベルリンに向けて北上する日本軍を、局地戦闘機とゲーリング・ジェット化された戦闘機が反復攻撃し、これを全滅させます。残ったのは、ミュンヘン爆撃を行った爆撃団の2ユニットのみに。
日本本土フェイズ、先制のドイツ軍は、Me262を持って、関西・九州方面の火龍戦闘機隊に空中戦を仕掛けましたが・・・今度は、日本軍が「巧みなドッグファイト」を使用。Me262戦闘機隊が、壊滅的被害を受けます(キルレシオは、日本0対ドイツ5!)。 3個しかない護衛機スタックのうち、1つが消耗し、戦闘機数は2倍差となります(ドイツ2個スタックに対し、日本軍は4個スタック)。
これに優位を感じた日本軍は、九州へ向かうホルテン爆撃機隊(Me264と混合)に襲いかかりましたが・・・ドイツ軍は特別増援のパラサイト機を伴っていました。同じく先制能力を持つHo爆撃機に空戦修整+2が付き、火龍隊を圧倒。通常爆撃機こそ撃墜するも、防空戦闘機隊も半減してしまいます。
また、新潟方面に向かった陽動隊は全滅するも、貴重な時間を稼ぎ、残りの部隊は西部攻撃に向けて転進をします。
この時点で、すでに両軍の損害は、合わせて約50ユニット(!)に及びました(日本軍2ユニットのみが爆撃に成功)。まるで、魔女の釜!なんという、消耗戦!!
守るべき物を失った日本軍戦闘機隊は、ケルンに機銃掃射をかけましたが、凄まじい対空砲火に阻まれ、撃墜されます。
続く、日本本土フェイズがターニング・ポイントになります。関西・九州爆撃隊を護衛するMe262戦闘機隊に、日本軍の防空ジェット戦闘機が襲いかかります。これが全滅すれば、爆撃機は護衛なしとなり、九州に辿り着く確率はほぼ零に。全ターンに1個スタックを失っているドイツ軍は、「巧みなドッグファイト」を発動(最大の6電子戦ポイントのため、惜しみなく投入)。日本軍は、そのまま、通常戦闘に移ります(ほぼ電子戦ポイントがなかったそう)。結果は、ドイツ軍の圧勝!(日本5対ドイツ0)
この隙に、電子戦のダブル・アクションを行ったAr234が長躯、本土に侵入し、地獄の業火を放ちます。奇しくも、その都市は広島。日露戦争時に大本営が置かれ、太平洋戦争の被害を免れた広島に、死の灰が降り注ぎ・・・・。
ドイツ軍はここでダブル・アクションを行い、日本海のMe262部隊は、関西に到達します。
さらに殊勲の南部護衛隊は、一気に内陸の徳島を襲い、このターン4度目の「巧みなドッグファイト」で、防空隊を全滅させてしまいます(日本6対ドイツ0!)。
第4ターンのドイツ本土フェイズ、それでも軌跡を残したい日本軍は、海軍戦闘機隊で再び、ルール攻撃を試みましたが、こちらも地対空ミサイルによって撃破されます。これにより、ドイツ本土の日本軍は全滅し、欧州の戦闘は終熄します。
有効な対抗手段を失った日本本土に対し、ドイツの爆撃機が妨害も受けずに、反応弾を投下していきます。ああ、史実の本土爆撃の再来か?!広島に続き、福山も灰燼に化します。
第5ターン以降は、一方的なドイツ軍の攻撃で神戸、岡山、徳島にも被害が。さらに大量の戦闘機隊が福岡を襲い、防空師団を撃滅。そこへ、反応弾が落とされ、大阪以西の中国・四国地方の主要都市と九州の福岡が「明日なき世界」に・・・。
ドイツ軍:17点(爆撃20点、増援-3点)
日本軍:0点(爆撃4点、増援-4点)
となり、ドイツ軍の勝利になりました。
やっと、「正しいルール」でプレイができたわけですが、それにしても消耗率が尋常でなく高い!ソロ演習でも、まともに両軍がぶつかり、戦闘drと電子戦が偏ると、第3-4ターンにいずれかが全滅、というのも、珍しくなく。まあ、そこはボンバ仮想戦の振れ幅なんでしょうが。
最後に今回の対戦を受けた作戦研究を(一体、誰得?笑い)。日本軍が本土防空に重点を置き、最低限のドイツ本土爆撃を成功させて逃げ切る戦略はあり、だと思いました。
・ドイツ本土は、登場ヘクスから目標都市までが近く、爆撃が成功しやすい(主導権の奪取がなければ、ミュンヘンは確実)。ドイツ軍が前進防御をしても、日本軍が制空部隊を集中すれば、もう1つまたは2つの都市は狙える(最大6VPか)。複数の爆撃に成功したら、一切、増援を使用せず、獲得した爆撃VPのみで勝利を狙う。ドイツ軍としては、電子戦で上回っていれば、主導権とダブルアクションで先に爆撃機を叩く手は有効である。
・日本本土では、登場ヘクスから目標都市までの距離があるので、前進守備で敵を上回る数の防空戦闘機隊を投入して、敵の戦闘機隊を圧倒。その後、都市に到着する前に、爆撃隊を全滅させる。それでも、戦闘drと電子戦で不利になった場合は、「防空施設の強化」で対抗する。
・ドイツ軍としては、電子戦のダブル・アクションと情報の錯乱、増援「航続距離の伸張」で、なんとか日本軍の防空網を突破し、爆撃を成功させ、敵のVPを越えるように試みる。とにかく、電子戦の優位を取れるかどうかが大きい。
といったところでしょうか。この場合、低得点を争う「時化た展開」になるかもしれませんが、勝利条件的にはあるでしょうね~。
なお、CMJに問い合わせたQ&Aと明確化は、以下の通りです。
[Q&A]
8.11 日本海軍721「神雷」航空隊
・「神雷」航空隊は、移動力6の海軍戦闘機として扱う。
9.2 ドイツ軍の増援
・「Silbervogel」は、移動力3の爆撃機として扱う。
9.1 日本軍の増援及び9.2 ドイツ軍の増援
・日本軍の増援「3.近接信管の採用」、ドイツ軍の増援「1.パラサイト機の採用」「2.V1ロケット」は、一度、要請したら、以後の全ての空中戦及び対空砲火に適用される。
9.1 日本軍の増援
・「2.航続距離の伸張」で、爆撃機の移動力が「4」に、本土マップの戦闘機は「7」になる。
8.9 対空砲火の解決手順
・対空砲火の解決手順で、「航空機が移動中ならばこのような攻撃は行動としてカウントされないので、裏向ける必要はありません」とあるが、裏向ける必要がないのは、対空砲火をしたSAM軍団や防空師団である。
・SAM軍団や防空師団は、敵スタックが隣接へクス(か同一へクス)に入る度に、混乱(使用済み)にならない対空砲火を「1回のみ」行うことができる。すでに混乱(使用済み)になったSAM軍団や防空師団は対空砲火を行うことはできない。同一ヘクスにいる航空機に対する対空砲火は判定後、混乱(使用済み)になる。
6.5 巧みなドッグファイト
・「巧みなドッグファイト」は、各本土マップ側のプレイヤーが先に使用を宣言する。仮に先に宣言するプレイヤーが使用を見合わせて相手側が使用を宣言した場合、無効化するための宣言は行える。先に宣言した側がアンチ電子戦で無効にされた場合、反対側(無効にした側)の陣営は、次に宣言できない。
・「巧みなドッグファイト」と「エース集団」が同時に使用する場合は、最初のダイスの判定結果のみを変更する。例えば、最初に投じたダイスの結果が全て引き分けになった場合は、引き分けの結果を勝利にする「巧みなドッグファイト」が有効になる。よって、仮に「巧みなドッグファイト」で敗北になっても、「エース集団」で勝敗を変更することはできない。