歴史・戦史研究「ちはら会」Drei

この会は、主にシミュレーションという手法を用いて、歴史・戦史を楽しもうという、有志の集まりです。興味ある時代をテーマに選び、図上演習(シミュレーションゲーム)を通して、文献研究では得られない「動きのある歴史」を見つめます。 「ちはら会」では、現在、会員を募集しています。年齢や資格等を問わず、興味のある方ならば、どなたでも参加できます。関心のある方は、下記にご連絡ください。 Eアドレス. chiharakai@apost.plala.or.jp (代表.mitsu)

仮想戦

 午後になって、kawaさん持ち込みの「明日なき世界 Tomorrow the World 2」(CMJ)を対戦しました。第3次世界大戦の戦略爆撃を描いた仮想戦アイテムで、ゲームについては、以前の記事をご覧ください。
 陣営は、日本軍(kawa)対ドイツ軍(mitsu)です。セットアップはドイツ軍(mitsu)は、局地戦闘機と通常戦闘機を全て本土マップに配置し、先制能力を持つMe262は日本本土攻撃隊の護衛とします。その上で、増援のゲーリング・ジェット(1/3の確率で通常戦闘機がジェット化)とパラサイト機(爆撃機の空戦dr+2)を採用します。
 一方の日本軍(kawa)は、地中海艦隊の航空支援で橘花4ユニットをドイツに配置しますが、その他の護衛機は通常戦闘機です。先制能力を持つ局地戦闘機とジェット機は、全て日本本土に配備するという超防御策!
 これにより、お互いに敵本土の爆撃には、かなり苦労しそうです。
 第1ターンのドイツ本土フェイズ、日本軍は盤端をかすめながら、ドイツ西部に向かいます。その途中で、いきなりミュンヘンに反応弾!若きヒトラーが一揆を行った南部の古都は、灰燼と化します。
T1 いきなり、反応弾が炸裂
 さらに、日本の戦闘機隊が先触れとして前進してきますが・・・この不用意な前進をドイツ防空隊がキャッチし、局地戦闘機Me162編隊が襲撃をかけます。あまりの高速に日本の戦闘機隊は一方的に叩かれます(先制攻撃)。生き残った神雷攻撃隊のみが複数の戦闘機隊を発進させ、一矢を報いるのがやっと(キルレシオは、日本5対ドイツ1)。
T1 局地戦闘機がレシプロ機を
 これで、慎重になった日本軍はマップ端を北部及び西部に向かって爆撃隊を前進させます。ここでドイツ軍は敢えて、シュヴァインフルトとドレスデンの中間に、戦闘機隊を前進させます。放置すれば、次ターンに爆撃機が襲われるのは確実のため、日本軍は数少ないジェット戦闘機橘花隊で迎え撃ちます。ここで、ドイツ軍は「巧みなドッグファイト」を発動し、drでは劣っていたものの、数の優位とドッグファイト優勢を生かして、損失をほぼ引き分けに持ち込みます。
 続く、日本本土フェイズでは、日本軍の防空隊の方が多いため、ドイツ軍は陽動をかけます。一旦、新潟方面に爆撃機の一部とMe262の6ユニットを向かわせ、首都圏にいた防空隊の2/3をこちらに引きつけます。
 十分に敵の目を引いたところで、残りの部隊は関西・九州方面に転進します。日本軍は慌てて、岡山と福岡の防空隊をこちらに向けますが、戦闘機の比率は一時的に同数になります。
T1
 第2ターンのドイツ本土フェイズ、帝国陸軍航空隊の一部が先攻し、ガッゲナウを核の炎で焼き払います。怒りに燃える局地戦闘機Me162編隊が残りの爆撃機を襲撃し、4ユニットを壊滅させます。
 さらにベルリンに向けて北上する日本軍を、局地戦闘機とゲーリング・ジェット化された戦闘機が反復攻撃し、これを全滅させます。残ったのは、ミュンヘン爆撃を行った爆撃団の2ユニットのみに。
T2 陸軍爆撃隊を撃滅
 この時点で護衛の役割を果たせなくなった日本軍の戦闘機隊は、ルール地方に向かいます。
T2 ドイツ本土
 日本本土フェイズ、先制のドイツ軍は、Me262を持って、関西・九州方面の火龍戦闘機隊に空中戦を仕掛けましたが・・・今度は、日本軍が「巧みなドッグファイト」を使用。Me262戦闘機隊が、壊滅的被害を受けます(キルレシオは、日本0対ドイツ5!)。 3個しかない護衛機スタックのうち、1つが消耗し、戦闘機数は2倍差となります(ドイツ2個スタックに対し、日本軍は4個スタック)。
T2 日本本土では、帝国軍が善戦
 これに優位を感じた日本軍は、九州へ向かうホルテン爆撃機隊(Me264と混合)に襲いかかりましたが・・・ドイツ軍は特別増援のパラサイト機を伴っていました。同じく先制能力を持つHo爆撃機に空戦修整+2が付き、火龍隊を圧倒。通常爆撃機こそ撃墜するも、防空戦闘機隊も半減してしまいます。
 また、新潟方面に向かった陽動隊は全滅するも、貴重な時間を稼ぎ、残りの部隊は西部攻撃に向けて転進をします。
 この時点で、すでに両軍の損害は、合わせて約50ユニット(!)に及びました(日本軍2ユニットのみが爆撃に成功)。まるで、魔女の釜!なんという、消耗戦!! 
すでに、50ユニット近くが損耗
 第3ターンのドイツ本土フェイズ、日本軍最後の爆撃機を、局地戦闘機隊が狩って、日本軍の戦略爆撃は2都市を壊滅させるに止まりました。
 守るべき物を失った日本軍戦闘機隊は、ケルンに機銃掃射をかけましたが、凄まじい対空砲火に阻まれ、撃墜されます。
T3 一か八かの機銃掃射も・・・
 続く、日本本土フェイズがターニング・ポイントになります。関西・九州爆撃隊を護衛するMe262戦闘機隊に、日本軍の防空ジェット戦闘機が襲いかかります。これが全滅すれば、爆撃機は護衛なしとなり、九州に辿り着く確率はほぼ零に。全ターンに1個スタックを失っているドイツ軍は、「巧みなドッグファイト」を発動(最大の6電子戦ポイントのため、惜しみなく投入)。日本軍は、そのまま、通常戦闘に移ります(ほぼ電子戦ポイントがなかったそう)。結果は、ドイツ軍の圧勝!(日本5対ドイツ0)
T3 ああ、巧みなDF!
 日本軍はさらにもう1スタックをぶつけますが、ああ、ここ一番のdrに祟られ、エース集団まで投入しながら、惨敗(日本4対ドイツ0)。
T3 日本でジェット機同士の激戦
 この隙に、電子戦のダブル・アクションを行ったAr234が長躯、本土に侵入し、地獄の業火を放ちます。奇しくも、その都市は広島。日露戦争時に大本営が置かれ、太平洋戦争の被害を免れた広島に、死の灰が降り注ぎ・・・・。
T3 広島に新型爆弾
 怒りに燃える日本軍は、北部から転進を行っているMe262部隊に、別のジェット戦闘機隊が要撃を実施します。こちらもドイツ軍が精密な誘導で「巧みなドッグファイト」を実行し、一方的に敵を叩きます。
 ドイツ軍はここでダブル・アクションを行い、日本海のMe262部隊は、関西に到達します。
 さらに殊勲の南部護衛隊は、一気に内陸の徳島を襲い、このターン4度目の「巧みなドッグファイト」で、防空隊を全滅させてしまいます(日本6対ドイツ0!)。
T3 日本本土
 この時点で、日本軍の戦闘機隊は1個スタック程度まで減少し(しかも分散)、2個弱を維持するドイツ軍の方が多くなります。あまりに強靱な電子戦と戦闘drの威力!なんという、大消耗戦!!
 第4ターンのドイツ本土フェイズ、それでも軌跡を残したい日本軍は、海軍戦闘機隊で再び、ルール攻撃を試みましたが、こちらも地対空ミサイルによって撃破されます。これにより、ドイツ本土の日本軍は全滅し、欧州の戦闘は終熄します。
T4 日本軍欧州派遣隊の鎮魂歌
 続く、日本本土フェイズ、ドイツ護衛機群は、分散状態の敵の護衛戦闘隊を次々に襲い、4ユニットの損害を引き換えに、これを全滅させます。この時点で、日本軍に残されたのは、防空師団のみに。
 有効な対抗手段を失った日本本土に対し、ドイツの爆撃機が妨害も受けずに、反応弾を投下していきます。ああ、史実の本土爆撃の再来か?!広島に続き、福山も灰燼に化します。
T4
 第5ターン以降は、一方的なドイツ軍の攻撃で神戸、岡山、徳島にも被害が。さらに大量の戦闘機隊が福岡を襲い、防空師団を撃滅。そこへ、反応弾が落とされ、大阪以西の中国・四国地方の主要都市と九州の福岡が「明日なき世界」に・・・。
T5 関西以西が明日なき世界に
 最後は、名古屋と金沢にも業火が降り注ぎ、ゲームエンド。最終VPは、
 ドイツ軍:17点(爆撃20点、増援-3点)
 日本軍:0点(爆撃4点、増援-4点)
となり、ドイツ軍の勝利になりました。
T6 名古屋も壊滅
終了時
 やっと、「正しいルール」でプレイができたわけですが、それにしても消耗率が尋常でなく高い!ソロ演習でも、まともに両軍がぶつかり、戦闘drと電子戦が偏ると、第3-4ターンにいずれかが全滅、というのも、珍しくなく。まあ、そこはボンバ仮想戦の振れ幅なんでしょうが。
 最後に今回の対戦を受けた作戦研究を(一体、誰得?笑い)。日本軍が本土防空に重点を置き、最低限のドイツ本土爆撃を成功させて逃げ切る戦略はあり、だと思いました。
・ドイツ本土は、登場ヘクスから目標都市までが近く、爆撃が成功しやすい(主導権の奪取がなければ、ミュンヘンは確実)。ドイツ軍が前進防御をしても、日本軍が制空部隊を集中すれば、もう1つまたは2つの都市は狙える(最大6VPか)。複数の爆撃に成功したら、一切、増援を使用せず、獲得した爆撃VPのみで勝利を狙う。ドイツ軍としては、電子戦で上回っていれば、主導権とダブルアクションで先に爆撃機を叩く手は有効である。
・日本本土では、登場ヘクスから目標都市までの距離があるので、前進守備で敵を上回る数の防空戦闘機隊を投入して、敵の戦闘機隊を圧倒。その後、都市に到着する前に、爆撃隊を全滅させる。それでも、戦闘drと電子戦で不利になった場合は、「防空施設の強化」で対抗する。
・ドイツ軍としては、電子戦のダブル・アクションと情報の錯乱、増援「航続距離の伸張」で、なんとか日本軍の防空網を突破し、爆撃を成功させ、敵のVPを越えるように試みる。とにかく、電子戦の優位を取れるかどうかが大きい。
 といったところでしょうか。この場合、低得点を争う「時化た展開」になるかもしれませんが、勝利条件的にはあるでしょうね~。

 なお、CMJに問い合わせたQ&Aと明確化は、以下の通りです。
[Q&A]
8.11 日本海軍721「神雷」航空隊
・「神雷」航空隊は、移動力6の海軍戦闘機として扱う。
9.2 ドイツ軍の増援
・「Silbervogel」は、移動力3の爆撃機として扱う。
9.1 日本軍の増援及び9.2 ドイツ軍の増援
・日本軍の増援「3.近接信管の採用」、ドイツ軍の増援「1.パラサイト機の採用」「2.V1ロケット」は、一度、要請したら、以後の全ての空中戦及び対空砲火に適用される。
9.1 日本軍の増援
・「2.航続距離の伸張」で、爆撃機の移動力が「4」に、本土マップの戦闘機は「7」になる。
8.9 対空砲火の解決手順
・対空砲火の解決手順で、「航空機が移動中ならばこのような攻撃は行動としてカウントされないので、裏向ける必要はありません」とあるが、裏向ける必要がないのは、対空砲火をしたSAM軍団や防空師団である。
・SAM軍団や防空師団は、敵スタックが隣接へクス(か同一へクス)に入る度に、混乱(使用済み)にならない対空砲火を「1回のみ」行うことができる。すでに混乱(使用済み)になったSAM軍団や防空師団は対空砲火を行うことはできない。同一ヘクスにいる航空機に対する対空砲火は判定後、混乱(使用済み)になる。
6.5 巧みなドッグファイト
・「巧みなドッグファイト」は、各本土マップ側のプレイヤーが先に使用を宣言する。仮に先に宣言するプレイヤーが使用を見合わせて相手側が使用を宣言した場合、無効化するための宣言は行える。先に宣言した側がアンチ電子戦で無効にされた場合、反対側(無効にした側)の陣営は、次に宣言できない。
・「巧みなドッグファイト」と「エース集団」が同時に使用する場合は、最初のダイスの判定結果のみを変更する。例えば、最初に投じたダイスの結果が全て引き分けになった場合は、引き分けの結果を勝利にする「巧みなドッグファイト」が有効になる。よって、仮に「巧みなドッグファイト」で敗北になっても、「エース集団」で勝敗を変更することはできない。

 続いて、昼食を挟んで、今回、唯一のへクスゲーム「明日なき世界 Tomorrow the World 2」(CMJ)をプレイしました。内容は全然、「まともでない」仮想戦なんですが・・・(苦笑い)。
 「明日なき世界」(CMJ)は、アメリカにおける仮想戦デザイナーの雄-タイロン・ボンバ氏作成の最新作です。第三次世界対戦が勃発し、日独はそれぞれの地域攻勢を成功させ、敵本土爆撃を可能に。ほぼ同時期に核兵器の開発に成功した両国は、互いの本土への戦略爆撃を行うという、まさに「明日なき世界」大戦になります。
DSC04106
 システムは、このところ、ボンバ氏が拘っている相互逐次行動で、主導権側から1スタックずつ、交互に移動・戦闘を行うという手順です。SLGの一般的な片側ずつの移動・攻撃と違い、戦略を決めた上で、相手が打つ手を読みながら、適切な対応をしていくという、将棋やチェスと同じ感覚です。
 ユニット数が多いと煩瑣になるシステムですが、そこはスタック単位での行動を主となるようになっていて。一方が受け持つスタック数は15程度で、ほどよい展開になります。 戦闘は同一へクスで、ユニット数分のdrをし、1番目と2番目の高いdrを比較し、勝った側が敵の1ユニットを削れます(今回は先制攻撃・通常攻撃とも「最大2ヒット」でプレイしましたが、CMJ誌へのQ&Aで、3番目以降も比較するそうです)。よって、基本は、最大6スタックでの殴り合いになります。各航空機には、先制攻撃能力と通常攻撃能力があり、まずは先制戦闘を行い、次に通常戦闘を行うという、手順です。
 ちなみに、戦闘機と爆撃機はスタックできず。つまり、直掩戦闘機という概念はなく、護衛戦闘機は爆撃機に先んじて、敵の迎撃機に攻撃をかけ、間接的に爆撃機を守る形にします。爆撃はそのへクスに進入できれば、オートで成功します(原子力爆弾の投下)。
 対空能力を持つ軍団/師団は4ユニットしかなく、隣接または同一へクスの敵を、1d6して1/2(端数切り捨て)数分、撃破できます。
 これに、電子戦があり、主導権奪取や連続手番、空中戦の引き分けを勝ちにする「巧みなドッグファイト」、敵1ユニットを行動不能にする「情報の錯綜」、対空砲火の振り直し等ができます。電子戦ポイントは0から6まで幅が広く、毎ターン、ランダムで引くポイント数で、展開が左右されます。
  また、かなり効果の大きい戦術オプションとして、負のVPを支払って使用する「増援」があります。今回は、初プレイということで、このルールは採用しませんでした。
 陣営は、日本軍(mitsu)対ドイツ軍(fho)です。セットアップですが、以下のようになります。
 【ドイツ本土マップ】
    日本軍:戦闘機22+全爆撃機
    ドイツ軍:戦闘機31
 【日本本土マップ】
    日本軍:戦闘機24
    ドイツ軍:戦闘機16+全爆撃機
セットアップ
 第1ターン、まず、ドイツ本土マップ戦で、日本軍が敵戦闘機隊との距離を測りながら、ゆっくりと前進します。あえて、1スタックを囮に前に出したところ、敵戦闘機が果敢に迎撃にきます。が、敵のスタック数が少なかったこととdrが日本軍に振れたことで、日本軍がキルレシオで6:1と圧勝します。
初会敵
 これで慎重になったドイツ軍は、攻撃を見合わせ、中央付近に戦闘機隊を集結させます。
 一方の日本本土マップ戦では、大胆にも前進してきた敵の爆撃機隊を、金沢の通常戦闘機のスタックが迎撃しましたが、これは返り討ちに遭い、日本軍が2ユニットを失います。これ以外の日本軍戦闘機隊は、同様に中央付近に集結し、敵の動きを待ちます。
T1 ドイツ本土
T1 日本本土
 第2ターン、ドイツ本土マップ戦で、日本軍は果敢にファイター・スウィープを仕掛けます。潤沢な電子戦ポイント(最高の6!)を使用し、引き分けでも勝ちに変えていきます。ドイツ軍は(苦渋の表情で)アンチ電子戦を仕掛けず(実は、電子戦0ポイントだったそう)。戦闘drも日本軍に微笑み、若干の爆撃機が食われたものの、のべで敵の20ユニット以上(!)を屠ります。キルレシオは、4:1と圧倒的です。
T2 ドイツ軍、約4倍の損害
 日本本土マップ戦では、足の遅い爆撃機を放っておき、日本軍の戦闘機が数に物を言わせて、敵の護衛戦闘機と激しい戦いを繰り広げます。ここでも、電子戦ポイントを使い「巧みなドッグファイト」で、ドイツ軍の戦闘機スタック2つを損壊させます。
T2
 第3ターン、ドイツ本土マップ戦では数的有利を逆転した日本軍が、相討ち覚悟でドッグファイトを仕掛け、さらに敵の防空戦闘機隊を駆逐します。
 日本本土マップ戦では、先制攻撃力を持つ橘花隊が敵のジェット戦闘機(Me262)を圧倒し、こちらも敵戦闘機をわずか1スタック半にまでに撃ち減らします。と、この隙を突いて、日本本土に達した戦略爆撃機が、都市破壊爆弾を投下!金沢が一瞬にして、灰燼と化します。
T3 金沢が焦土に
 第4ターン、ドイツ本土マップ戦では、さらなる消耗戦の結果、ドイツ軍戦闘機隊は半スタックまで磨り減り、ほぼ残敵掃討に。迂闊にベルリンに隣接した日本軍の戦闘機隊が対空砲火で痛い目に遭ったことが、せめてもか。
T4 ドイツ本土の防空の終焉
 日本本土マップ戦では、敵戦闘機の無力化に成功しつつある日本軍は、原爆を積んだ爆撃機隊に目標を変えます。敵も必死の防御砲火により、損害を与えますが、1スタックを除き、壊滅。その直前に、新潟を爆撃したのが、白鳥の歌となります。
T4
 第5ターン、ドイツ本土マップ戦では、最後の防空戦闘機隊が全滅し、もはや、爆撃に対抗できるのは、SAM軍団のみになります。日本軍は最終ターンの北部3都市爆撃に向けて、じわじわと戦略爆撃機が前進をします。
T5 北部に迫る爆撃隊
 日本本土マップ戦では、ドイツ軍が最後の爆撃隊を重要都市の名古屋に差し向けます。3ユニットのいずれかが生き残れば、これを壊滅できたのですが・・・ああ、防空師団の激しい対空砲火によって、全滅(dr6!)。僥倖にも、名古屋が生き残ります。
T5 名古屋空爆の3航空団が対空砲火で壊滅
 第6ターン、ドイツ本土マップ戦では、ついに日本の戦略爆撃隊が、デュセルドルフ、ケルン、エッセンに到達します。対空砲火で4ユニットが撃墜されるも、残りは強力無比な都市破壊爆弾を投下。連続する巨大な火球が、北の重要都市を焼き尽くします。これ以外にも、フランクフルト、シュヴァインフルなど、5都市が爆撃を受け、ドイツの戦争継続能力はほぼ崩壊します。
T6 ドイツ北部壊滅
 日本本土マップ戦では、先制攻撃能力を持つHo229が、福岡を焦土に変えたところで、ゲーム終了。
 終わってみれば、ドイツ軍機が全滅し、主要都市3つを含む、8都市が壊滅し、22点対6点で、大日本帝国が世界の覇者となりました。
 今回は、電子戦が圧倒的に日本軍に有利だったこと(6ポイントが2回、ドイツ軍は0ポイントが2回!)、ドイツ軍がフルスタックを作らず、4機程度の中規模スタックで対応したこと、戦闘drが日本軍に優勢だったことなどから、圧勝となりました。
終了時
損害
 が、フルオプションの増援が入ると、ドイツ軍の戦闘drがかなり有利になり得ると思われ、評価には数戦が必要そうです。
 なお、CMJ誌にQ&Aを行った結果は、以下の通りです。
8.11 日本海軍721「神雷」航空隊
・「神雷」航空隊は、移動力6の海軍戦闘機として扱う。
9.2 ドイツ軍の増援
・「Silbervogel」は、移動力3の爆撃機として扱う。
9.1 日本軍の増援及び9.2 ドイツ軍の増援
・日本軍の増援「3.近接信管の採用」、ドイツ軍の増援「1.パラサイト機の採用」「2.V1ロケット」は、一度、要請したら、以後の全ての空中戦及び対空砲火に適用される。
8.9 対空砲火の解決手順
・対空砲火の解決手順で、「航空機が移動中ならばこのような攻撃は行動としてカウントされないので、裏向ける必要はありません」とあるが、裏向ける必要がないのは、対空砲火をしたSAM軍団や防空師団である。
・SAM軍団や防空師団は、敵スタックが隣接へクス(か同一へクス)に入る度に、「混乱(使用済み)」にならない対空砲火を「1回のみ」行うことができる。すでに「混乱(使用済み)」になったSAM軍団や防空師団は対空砲火を行うことはできない。同一ヘクスにいる航空機に対する対空砲火は判定後「混乱(使用済み)」になる。
6.5 巧みなドッグファイト
・「巧みなドッグファイト」は、各本土マップ側のプレイヤーが先に使用を宣言する。仮に先に宣言するプレイヤーが使用を見合わせて相手側が使用を宣言した場合、無効化するための宣言は行える。先に宣言した側がアンチ電子戦で無効にされた場合、反対側(無効にした側)の陣営は、次に宣言できない。
・「巧みなドッグファイト」と「エース集団」が同時に使用する場合は、最初のダイスの判定結果のみを変更する。例えば、最初に投じたダイスの結果が全て引き分けになった場合は、引き分けの結果を勝利にする「巧みなドッグファイト」が有効になる。よって、仮に「巧みなドッグファイト」で敗北になっても、「エース集団」で勝敗を変更することはできない。

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