歴史・戦史研究「ちはら会」Drei

この会は、主にシミュレーションという手法を用いて、歴史・戦史を楽しもうという、有志の集まりです。興味ある時代をテーマに選び、図上演習(シミュレーションゲーム)を通して、文献研究では得られない「動きのある歴史」を見つめます。 「ちはら会」では、現在、会員を募集しています。年齢や資格等を問わず、興味のある方ならば、どなたでも参加できます。関心のある方は、下記にご連絡ください。 Eアドレス. chiharakai@apost.plala.or.jp (代表.mitsu)

WWⅡ 欧州末期戦

 今月のソロプレイ第1弾は、Bonsai Games最新作の「ラッダ・デンマルク作戦」です。現在、本邦で最もアグレッシブな出版を続けているBonsai Gamesですが、隙間を狙ったはがきゲームも発表しており。早速、ダウンロードでソロしてみました。
 作品については、Bonsai GamesのHPをご覧ください。
 シークエンスは標準的な作戦級で、増援-移動-戦闘-回復です。スウェーデン軍は師団で4戦力を持ちますが、スタックできず。ドイツ軍は全て大隊で1戦力ですが、こちらはスタックフリーです。戦闘はメイアタックで、1:1でイーブン。地形効果は首都コペンハーゲンのみで1シフトと、1損害で退却を無効にできます。ドイツ軍にのみ、空軍1ユニットが与えられ、任意の戦闘で自軍有利に1シフトできます。
 第1戦は、ドイツ軍の北部重視策を取ります。コペンハーゲンは敢えて2ユニットとし、攻撃可能に。ただし、先ほどの1損害で退却を無効にできるため、これにより時間を稼ぐ作戦です。
 第1ターン、スウェーデン軍は敵の北部軍が強力なため、コペンハーゲン強襲を行います。これはArとなって効果なし。
T1
 第2ターン、装甲部隊の増援を得たスウェーデン軍は、北で1:1とコペンハーゲンで1:1の2カ所で攻撃を行います。結果、双方とも成功し、ドイツ軍は混乱状態で潰走し、コペンハーゲン守備隊は1ステップロスをします。
T2 S軍突進
 ドイツ軍は増援で先に撃破された1ユニットが登場しますが、首都への増援もできず、、ロスキレでハイスタックを作ります。
T2
 第3ターン、コペンハーゲン強襲を行いますが、ルフトヴァッフェの投入で2:1となり、失敗します。また、ロスキレへの1:1攻撃も-/Drで失敗に。
 ドイツ軍は反撃を行い、コペンハーゲンに隣接するへクスを取り戻しましたが・・。
T3D 反撃
 第4ターン、スウェーデン軍は乾坤一擲のコペンハーゲン攻撃に。3:1の結果、Drでついに首都が陥落します。また、ロスキルの攻撃も成功し、ドイツ軍の主力は包囲下に取り残されることに。これにより、コペンハーゲンの奪還は不可能で、スウェーデン軍の勝利となりました。
T4
 第2戦は、オーソドックスな首都防衛策をとります。コペンハーゲンに3ユニットを置き、地形効果で1:2として攻撃できないようにします。残りのユニットで、北部に防衛線を引きます。
 第1ターン、スウェーデン軍は北部の敵に2:1攻撃を行いますが、これはArとなり、失敗。
 ドイツ軍は戦線を後退させ、時間を稼ぎます。
T1
 第2ターン、もう一度、西方の敵に向かって、2:1攻撃を行いますが、これもAr。スウェーデン軍は全く意図した前進にならず。
T2も失敗
 第3ターン、三度目の正直で2:1攻撃を行い、やっとDrになりました。さらに機械化部隊の戦闘後前進で、コペンハーゲンの隣接へクスも占領しますが・・・。
T3にやっとDr
 第4ターン、ドイツ軍はルフトヴァッフェを投入し、コペンハーゲン攻撃を阻止します。やむを得ず、スウェーデン軍はロスキレに攻撃をかけ、Drとするものの、そこまで。
T4 首都は攻撃できず
 首都コペンハーゲンを守り切ったドイツ軍の勝利となりました。
終了時
 ドイツ軍が堅実策をとると、あとは第3ターンまでに何度、攻撃を成功させるかにかかってくると思います。第2戦のように、2/3の失敗は論外ですが、一度の失敗でも攻略はかなり困難かと。それでも、一戦は5分程度なので、「もう1回!」と挑戦したくなりますね~。

 今月のソロプレイは、末期戦アイテムの「Berlin'45」(CMJ)の最大シナリオ「日食作戦」です。史実ではこの時期、連合軍がドイツ南部の制圧を優先したため、ベルリン攻防戦はソ連軍のみが関与しました。が、このシナリオでは西側連合軍がベルリン占領に拘っていたら、という設定になります。

 ゲームでは、ベルリン攻略は西側連合軍が行い、総統官邸が落ちた時点で勝利宣言を行えます。これに対し、ソ連軍は任意でWWⅢの宣言を行い、西側連合軍との戦闘に入ることが可能です。

 特別ルールにより、西側連合軍とソ連軍は、WWⅢが始まるまで接触できません。そこで両軍は、区域内のドイツ軍を掃討しつつ、警戒線を張って敵の展開を妨害することになります。

 西側連合軍は序盤こそ、第1空挺軍と若干の増援のみで、阻止線を張ることもままなりませんが、第2ターン以降の大量増援と戦略爆撃、独立砲兵の投入で、急激に戦力を増強します。

 一方のソ連軍は、第1ターンから全ユニットが使用でき、かつ、毎ターン、2~4ユニットの(任意の)ドイツ軍を西部戦線に異動できます。作戦としては、進撃ルート上のドイツ軍を異動または殲滅によって排除し、できるだけ素早く西側の阻止線を押し上げる手が有効となります。

 WWⅢが始まると、先の圧倒的な戦力により、西側連合軍の一方的な猛攻になりますが、ソ連軍は少しでも粘って崩壊を先延ばしにできるかが、焦点でしょう(これまでの感覚では、バランスは西側連合軍の必勝です)。

 まず、セットアップですが、西部ドイツ軍は、ベルリンの総統官邸を守るハイスタックを作ります。続いて、ソ連軍は、東部ドイツ軍の異動を前提に、2~4箇所での突破を図る配置とします。

 第1ターン、西側連合軍は、まず、テンペルホフ飛行場を空挺突撃で奪取します。さらにOKWの置かれたZossenをMA(機動攻撃)で占領し、敵の移動力を一時的に麻痺させます(このターンのみ、移動力1/2)。西端から現れる増援は、攻撃力のないベルリン守備隊を放置し、#23XX列前後に沿ってソ連軍阻止の警戒線を引きます。

T1 西側DSC06410


 続いて、西部ドイツ軍ターンでは、異動drで6を出し、最大の4ユニットが西部戦線に異動します。ソ連軍は、もっとも突破効果の高いオーデル河沿岸の守備隊を異動させます。

 ソ連軍ターン、開いた大穴から計画通りに大量の機械化部隊が突破し、背後から駆けつけた歩兵軍団とともに、前線とその背後のドイツ軍ユニットを次々に包囲攻撃します。その数は・・・
7:1攻撃(2スタックに対する)…3箇所
6:1攻撃(1ユニットに対する)…16箇所(!)
5:1攻撃(1ユニットに対する)…1箇所
と尋常でない攻撃回数となります。

 その結果、ソ連軍はわずか4ステップの損害で、ドイツ軍に20ステップ(!)という未曾有の損害を与えます。

T1ソ連軍北部DSC06411
T1 ソ連軍南部DSC06412

T1 ドイツ軍崩壊の序曲DSC06413

 生き残った東部戦線ユニットは、なけなしの反撃を行い、ソ連軍に3ヒットを与えますが、逆に5ヒットを受けて、史実以上にドイツ軍が戦力ダウンします。
T1 東部ドイツ軍の特攻DSC06414
 第2ターン、西側連合軍の戦略爆撃が総統壕を襲い、守備隊に1ヒットを与えます。同時にもう一つの戦略爆撃が、西部戦線で唯一、期待できたヴェンクの第12軍をドンピシャで捕捉し、ヒトラー最後の希望の救援部隊を壊滅してしまいます。
T2 SBはベルリンへDSC06418
 続く、西側連合軍ターン、新たに出現した増援を加え、連合軍はライプツィヒ西方からベルリン北部まで及ぶ長大な警戒線を形成します。同時に、機甲師団+機械化師団+歩兵師団に独立砲兵を付け、総統壕に隣接する市街地を攻撃します。結果は2ヒットとなります。
T2 西側 警戒線を展開、ソ連軍を阻止DSC06420
T2 ベルリン攻防戦開始DSC06419
 ソ連軍は、前ターンに打ち洩らした進撃途中の敵を、次々と包囲殲滅します。その損害は17ステップに及び、この時点でドイツ軍の組織的な軍事力はほぼ潰えます。
T2ソ連軍、ドイツ軍を呑み込むDSC06422
T2ドイツ軍の崩壊DSC06425
 また、一部の快速部隊は、西側連合軍の警戒線の間隙を縫って前進し、将来の仮想敵に圧力をかけます。
T2終了時DSC06426
 第3ターン、西側連合軍によるベルリン攻略戦が始まります。前ターンまでに西部戦線に異動となった市街地の敵をまずは撃破し、次ターンの総統壕攻撃の下地づくりをします。
T3西側 市街地に進入したドイツ軍を排除DSC06428
 続く、ソ連軍ターンに、今は西部なれど、最終的な寝返りを危惧して、西部ドイツ軍を圧倒的な戦力で殲滅します。また、遠からぬWWⅢに備えて、歩兵と砲兵を前線に向かわせます。
T3ソ連軍が北部で前進DSC06430
 ベルリン守備隊以外、一時的に全滅したドイツ軍は、東部ドイツ軍ターンに南部からの増援を経て、ゲーリッツ周辺のソ連軍に反撃をかけます。重戦車を先頭にした通常攻撃により、1/1の損害を与えます。
T3終了時 DSC06435
 第4ターン、万事整えた西側連合軍は、いよいよ総統壕の攻撃へ。WWⅡ最後の空挺作戦を行った第1連合空挺軍が、猛烈な独立砲兵の支援下で最大比率の7:1攻撃を実施します。結果は0/4で、一瞬で総統壕を占拠し、ここに第三帝国は滅亡します。連合軍は、すかさず、勝利宣言を行います。
T4西側 ベルリン攻略DSC06437
 これに対し、ソ連軍はただちに連合軍に宣戦布告を行い、WWⅢが勃発します。ベルリンを中心に馬蹄形防御陣を引く連合軍に対し、ソ連軍の機械化部隊が北部からMAを行い、1個軍団半の損害と引き替えに、戦線に穴を空けます。そこから6個軍団が流れ込み、ベルリン西端の市街地の一郭を占拠。さらに、北部の3箇所で包囲攻撃を仕掛けます。が、連合軍が独立砲兵の防御支援を受けた1箇所が1:2となり、トータルの損害では、ややソ連軍不利に。
T4ソ連軍、WWⅢを宣言DSC06438
T4終了時DSC06439

 第5ターン、強襲を受けた連合軍は、北部でただちに反撃に移ります。この初期反攻で主力となったのは、イギリス連邦軍。北部の薄い敵戦線をMAで蹂躙すると、次々と部隊が背後に回り、のべで10個軍団を包囲。ベルリン近郊ではアメリカ軍も共同攻撃を実施し、のべで15ステップ(!)の損害を与えます。


T5西側 北部で反撃開始!DSC06440
T6の損害DSC06448
 ソ連軍はやむなく、北部での後退を実施し、ベルリン攻撃は諦めます。

T5終了時DSC06443
 第6ターン、後退により足並みの乱れた北部戦線に対し、連合軍の強力な機甲スタックが連続したMAをかけ、突破口を開きます。

T6西側 装甲スタックの圧倒的なMA!
 そこから流れ込んだ快速部隊が、敵の守りの要-砲兵軍団を攻撃し、3個軍団を撃破。さらにベルリン外郭で粘っていた12個軍団を丸々、包囲します。地形に立て籠もるものの、補給切れで戦闘力1/2となった敵に対し、軍団砲兵の支援を注ぎ込んで、高比率攻撃を実施します。その結果、23ステップ(!)という未曾有の大損害を与え、ソ連軍の総兵力の1/4を撃滅します。

T6西側 砲兵狩りと12個軍団の包囲!DSC06446
 ソ連軍は、包囲環の最も手薄な箇所を狙って、戦車軍団のMAを行い、損害を受けながら脱出口を開きます。生き延びたわずかな被包囲部隊と側面部隊はミュンヘベルク近郊に撤退します。また、戦闘が起こっていない中央部では、ソ連軍の快速部隊が敵の1個歩兵軍団を攻撃し、1ステップを与えますが、焼け石に水か・・・。

T6ソ連軍 中央1箇所のみ反撃DSC06447
T6終了時DSC06449
 第7ターン、戦力差がつき始めた途端、ソ連軍の崩壊が加速度的になります。連合軍の定石となった連続MAによる突破口開設から背面展開による大量包囲、補給切れユニットの殲滅が、北部ばかりか中央部でも発生します。包囲された敵は、残存戦力の半数を超える21個軍団!攻撃drが低調だったため、損害ステップ数は前ターンとほぼ同等でしたが、わずか2ターンでソ連軍の兵力は開始時の半数に落ち込みます。

T7西側 南北で包囲、包囲!DSC06451
T7の損害DSC06453
 もはや、これまでと見切ったソ連軍は、座して死を待つよりと、最後の反撃に出ます。包囲下の部隊をMAで救出すると、最大で3:1となる総花的反撃を8箇所で実施(1箇所だけは、例外的に7:1)。自軍の4ステップロスを上回る5ステップの損害を連合軍に与え、最後の意地を見せます。

T7ソ連軍、意地の反撃も・・DSC06452
T7終了時 DSC06454
 第8ターン、覚悟の反撃でさらに兵力を磨り減らしたソ連軍に対し、連合軍は各所で敵を分断し、脱出したユニットを含む大量の敵を再包囲します。北部・中央・南部で3つの包囲環が完成し、7:1攻撃の11箇所を含む(!)18箇所での総攻撃を実施します。ステップロスしたユニットも増加していたため、被害は鰻登りとなり、最大の28ステップ(!)が昇天します。

T8西側 ソ連軍主力の崩壊DSC06456
T8 大崩壊DSC06458
 この時点で、ソ連軍の組織的反撃力は終焉を迎えました。生き残った22ユニットは、少しでも地形効果の高い都市や森林に身を寄せ、最後の刻を待ちます。

T8終了時DSC06459
 第9ターンは、もはや戦争ではなく、単なる掃討戦でした。ライプチッヒからステッテンまでの各所に散らばるソ連軍のほとんどを包囲し、降伏を拒む敵を殲滅。22ステップの損害を受け、ターン終了時には損耗した7ユニットを残すのみに・・・。次ターンの全滅が確実になったところで、ゲーム終了となりました。

T9西側 モスクワの黄昏DSC06460
T9西側 Stettin陥落DSC06461
T9終了時
 これで「Berlin'45」(CMJ)の全シナリオが完了しました。史実・仮想戦シナリオとも、圧倒的な戦力差により、一方的な展開ばかりでしたが、その分、滅びの美学は堪能できました。大胆なMAに、そこそこ緻密な攻撃比率計算と、プレイ自体は飽きませんが、このバランスだとなかなか対戦に誘えないな~(笑い)。そういった意味では、ソロプレイで第三帝国終焉という「パノラマ」を楽しむアイテムなんでしょうね。
 なお、このソロプレイで、WWⅡ末期戦アイテムのプレイ率が6割に復帰しました。ジャンル別記事もご覧ください。

 今月のソロプレイ第三弾は、Berlin'45(CMJ)スターリンの決断の短縮シナリオです。

 このシナリオでは両軍の損害をランダムに決め、残った兵力を自由に展開できます。今回は、比較的に連合軍の損害が多くなったので、念のため、アメリカ軍・イギリス軍とも防御態勢を取ってスタートします。一方のソ連軍は、ドレスデン方面に若干の守備隊を配置した他か、全て、ベルリン周辺に半円形防御で配置します。

 第1ターン、ベルリンに立てこもる第1空挺軍と1個機甲師団に、ソ連軍が砲兵を注ぎ込んだ100戦力(!)以上の高比率で攻撃をかけます。市街地と河川の防御効果を物ともせず、1ステップの損害と引き換えに、5損害を与えます。

T1ソ連軍 DSC05899

 続いて、時間のない連合軍は、早速、反撃に移ります。潤沢な砲兵支援(5個)を効果的に使って、敵の砲兵を沈黙させます。その上で敵戦線の外郭に戦力を集中して、損害を与えます。

T1連合軍、戦略爆撃DSC05901
T1連合軍DSC05902

 第2ターン、円形防御を維持しながら、ソ連軍はなおもベルリンを攻め、さらに2ステップを与えます。後2ターンあれば、いや、せめて1ターンでも、ベルリンを占領できる可能性がありましたが・・・。

T2ソ連軍DSC05904

 連合軍ターン、定石となった機甲師団スタックによる機動戦闘の波状攻撃で戦線に穴を空けると、そこから大量の部隊が突入!ベルリン・ドレスデンとも、包囲と砲撃の組み合わせで猛攻を加え、のべ10ユニット(20ステップ)!を殲滅します。


T2終了時DSC05906
T2連合軍、ドレスデン包囲DSC05905
 第3ターン、円形防御の一点に絨毯爆撃とオーバーランを集中し、またも突破を行った連合軍は、敵戦線を分断。ベルリン北部のソ連軍を丸々包囲し、同時に南東部からも圧力を加えます。

T3連合軍、ベルリンを包囲態勢DSC05908
 第4ターン、ソ連軍も予備の機械化部隊を使って、敵包囲網にオーバーランで穴を空け、部隊の救出に成功しますが、一部は移動力が足りず、逃げ切れず。残った戦線も薄く伸びたままに。

T4ソ連軍、ベルリン放棄DSC05911

 ゲームになったのは、ここまででした。第4ターン、連合軍は、各地点での包囲下の部隊の掃討に力点を置き、またも10ユニットを撃破します。連合軍も敵のMAで6個師団・旅団の損害を出しますが、キルレシオではいまだに圧倒します。

T4連合軍、敵主力を捕捉DSC05913

T4連合軍、南部で包囲網DSC05912

T4の損害SC05914

 第5ターン、もはや戦線を維持できないソ連軍は、東に向けて撤退を開始します。

T5連合軍、東端に追い詰めるDSC05916


 それを連合軍が高い機動力で追撃し、第6ターンにはマップ東端に追い詰めます。


T6連合軍、包囲包囲!DSC05918
 MAによる突破と包囲、砲兵シフト、絨毯爆撃のコラボにより、ソ連軍が全滅したのは第7ターンでした。

T7終焉DSC05922
 う~ん、やっぱり、ソ連軍はきついな。ZOCがないことが徒になって、一点突破-包囲殲滅を防ぐ手立てがなし。もしあるとすれば、MAによる相討ち上等による消耗戦ですが、確率的にはソ連軍に損害が多いので、死期を早めるだけかも・・・。ソ連軍の名案がある方は、ぜひ、対戦しましょうか?!

 今月のソロプレイ第二弾は、末期戦アイテム続きで「Berlin'45」(CMJ)から「スターリンの決断」です。その名からわかるとおり、WWⅡの終了直後に起こった、ソ連軍対連合軍の仮想シナリオです。

 設定によれば、ドイツ軍が「アルデンヌ攻勢」を東部戦線で発動したため、ソ連軍の進撃が大幅に遅延。史実とは異なり、連合軍がベルリンを含むドイツの大半を占領したことになっています。すでに始まりつつあった「冷戦」で支配が固定化されることを危惧したスターリンが、連合軍にベルリン奪取の攻勢をかけるという想定です。

T0 連合軍中央ー北部DSC05850
T0 連合軍南部DSC05851
T0 ソ連軍北部DSC05855

 第1ターン、特別ルールにより、ソ連軍は移動を行えません。連合軍としては、損害を控えるため、地形を利用したスタック防御を行います。その結果、うまくいっても2:1しか戦力比が立たないため、ソ連軍はこのターンの攻撃は諦めます。

 遅滞防御が成功した連合軍は、一斉に後退を行い、ベルリンとドレスデン近郊に防衛線を引きます。

 第2ターン、ソ連軍の機械化軍団と自動車化された砲兵がこの戦線に襲いかかります。地形効果と砲兵支援(連合軍に2シフト)により、2:1で2箇所、1:2で1箇所の攻撃となりますが、drに恵まれ、ほぼ相討ちの結果になります。

T2 ベルリン近郊での攻撃DSC05857
 一方、ドレスデンでも河川越しの1:1攻撃に成功し、0/1の損害を与えます。

 兵力的に劣勢な連合軍は、第1空挺軍をベルリンに籠城させると、主力は一斉に西端付近まで退却し、援軍の到着を待ちます。

T2終了時DSC05859
 第3ターン、ソ連軍は本命のベルリン攻略に着手します。周囲をくまなく包囲し、高戦力の機械化部隊と猛烈な砲撃(36火力!)を集中して、6:1攻撃を2箇所、2:1を1箇所で行います。3損害を受けるもののそれを上回る4打撃を第1空挺軍に与え、効果的な防御を不能にします。
T3 ベルリン包囲DSC05860
 このままだと、持っても、後1ターンか・・・。ベルリン陥落の危機に、連合軍は早期の反撃を決断します。機甲師団のスタックをもって、最前線のソ連軍を蹂躙し、ポツダム近郊で突破口を開くことに成功します。そこから、快速師団が流れ込み、籠城中の第1空挺軍と呼応して、7箇所での反撃に出ます。砲兵を投入した攻撃により、8ステップの損害を与えます。
T3 連合軍、反撃開始DSC05862
 また、ドレスデン方面からの転用を阻止するため、兵力不足を承知でこちらも反攻に出ます。が、drに恵まれず、1ヒットの打撃と引き替えに、3損害を受けてしまいます。
T3 ドレスデン攻防戦DSC05863
T3終了時DSC05866
 第4ターン、想定外に早い反攻にソ連軍は急遽、ベルリン攻勢を取りやめ、歩兵を前面に押し立てて、機械化部隊を後方に待機させ、防衛体制を引きます。

 その分、優勢に展開しているドレスデン方面に予備を注ぎ込み、連合軍の別働隊を捕捉します。快速の偵察部隊が退路を遮断し4:1以上の高比率戦闘を4箇所で実施します。補給切れで砲兵の使用できない連合軍は、7ステップの大損害を受けます。

T4 ドレスデン近郊で連合軍包囲さるDSC05867
 正面兵力が厚いと見た連合軍は、市街地奪回戦を進めながら、主力は北方を迂回し、敵の砲兵の届かない、北東から中央部を攻撃します。7:1で2箇所、5:1で2箇所、4:1で1箇所の攻撃で前線を撃破します。
T4終了時DSC05872
 一方、包囲されたドレスデンでは後方から援軍を投入し、なんとか脱出口を確保します。救出した兵力でエルベ川沿いに戦線を引きますが、先の打撃により、兵力不足は否まず。

 第5ターン、ソ連軍は消耗した連合軍のドレスデン戦線を蹂躙し、追加の兵力を注ぎ込んで、さらに7ステップの打撃を与えます。これにより、ドレスデン戦線はほぼ消滅します。

T5 ドレスデン、連合軍崩壊DSC05873
 また、ベルリン方面の主戦線では、歩兵と砲兵のスクリーンを北にシフトするとともに、予備の機械化部隊をもって、北東部を塞ぐ機動を行いましたが・・・。

 ドレスデン虐殺の怒りに燃える連合軍は、機甲師団のスタックをもって、北東戦線に繰り返しMA(機動攻撃)を行い、またも突破口を開くことに成功します。そこから、別の機動スタックが滑り込み、ソ連軍の攻守の要である砲兵軍団2個を撃滅します。

T5連合軍 猛攻DSC05875
 さらに、3個にまで増加した砲兵支援を注ぎ込み、北部戦線で全面攻勢を行います。
T5連合軍 北端から迂回、砲兵蹂躙DSC05874
 第6ターン、完全に防御態勢に移ったソ連軍に対し、連合軍が鋭い攻撃を仕掛けます。ベルリン市街地に行った絨毯爆撃が大成功し、中央部に穴が開きます。そこから浸透したイギリス軍と第1空挺軍が、さらに砲兵軍団2個をオーバーラン!市街地に籠もるソ連軍に猛攻を加えます。ソ連軍も必死の抵抗をして、補給線だけは維持したものの、損害が嵩みます。
T6 ベルリンに戦略爆撃DSC05876
T6連合軍 市街地で突破DSC05877
 同時に、北部でも砲兵支援を受けたアメリカ軍が高比率戦闘で敵を撃破します。

T6終了時DSC05878
 第7ターン、ベルリン市街地を叩き出されたソ連軍は、西部からの兵力を回し、なんとか戦線を維持します。が、オーバーランで突破口をうがち、小包囲を繰り返す、容赦ない連合軍の猛攻により、ミュンヘンベルグも陥落します。

T7連合軍 北端の崩壊DSC05879
 第8ターン、限界を迎えていたソ連軍が戦線が、音を立てて崩れ落ちます。中央部に行われた絨毯爆撃が前線の部隊を吹き飛ばし、そこからアメリカ軍と第1空挺軍の機械化部隊の大部隊が突破!最後の砲兵軍団2個を蹂躙し、のべ10個軍団以上が包囲下に置かれます。補給切れで戦力の半減した敵に対し、砲兵支援を注ぎ込んだ包囲攻撃が炸裂し、このターンだけで11ユニット(!)が壊滅する大損害に。

T8 中央部と各所で包囲DSC05880 
T8の大損害DSC05881
 第9ターン、あまりの損害にソ連軍にできたことは、戦線を縮小しながらの後退だけでした。すると、今度は、イギリス軍が短くなった戦線の西方を迂回。アメリカ軍の正面攻撃と合わせて、8箇所の攻撃で、なおも出血を強います。

T9 ベルリン撤退DSC05885
 第10ターン以降は、もはや敗走する敵の追撃となります。最も弱い敵にオーバーランで殲滅し、大量のユニットが浸透。最後の砲兵も壊滅し、ハイスタックによる効率的な包囲攻撃で、驚くべき速さで戦線が崩壊。
T10 蹂躙攻撃で突破口DSC05888

 因縁のドレスデンにも、別働隊が殺到し、敵に逃げる間を与えずに、包囲します。


T10 ドレスデンも被包囲DSC05890
T11 東部の最終ラインへDSC05891
 第12ターンには、ソ連軍のほぼ全ての部隊が包囲され、身動きができない中で、猛烈な砲撃を受けて、消滅。
T11 包囲!包囲!DSC05892
 残り2ユニットとなり、次ターンの全滅が確定した時点で、連合軍の圧勝で幕を下ろしました。

T12 ソ連軍全滅DSC05894
 久々でしたが、相変わらず、豪快なプレイとなりました。ZOCなし、制約なしの機動攻撃、2シフトの強力な砲兵と破壊的な絨毯爆撃が相まって、実質的にソ連軍が勝利することはほぼ不可能でしょう。まあ、仮想戦ということですから、いっそ、ターン数を半分(8ターン!)くらいにすると、いいかもです。
終了時DSC05895
生きて帰らずDSC05896

 久々の今月のソロプレイは、WWⅡ欧州末期戦アイテムから、ハガキゲーム「Operation Konrad」(CMJ)です。その名の通り、45年のブダペスト救出作戦を扱ったテーマで、なんとソロアイテムです。さすがにルール量が多くなり、ハガキの裏には載せられなかったようで、Bonsai GamesのHPからルールをダウンロード(!)することになっています(この時点でハガキゲームじゃないって?!笑い)。
Ope K

 とはいっても、基本システムはやっぱりシンプルです。プレイヤーはドイツ軍を受け持ち、ソ連軍を撃破して(または躱して)ブタペスト突入を狙います。ドイツ軍が各ターンに実施できるのは、移動か戦闘のみ。ソ連軍は活性化しない限り、行動しません。

 移動は、許容移動力分だけ動かすことができ、ZOCはありません。丘陵地では進入と同時にストップします。スタック制限は厳しく、戦闘による後退を含めて、一切のスタックはなし。

 戦闘は、両軍が2d6して、戦闘力以下が出るとヒットになります。ヒット値を比べ、2以上なら敗者が壊滅、1なら後退、0ならば膠着です。ここで問題は、ドイツ軍の装甲師団が2-3戦力なのに対し、ソ連軍の戦車軍団は全て3戦力以上あるということです。中には5戦力(drして5/6でヒット!)という化け物も。つまり、まともに戦ったら、ドイツ軍に勝ちはありません。そこで、ドイツ軍は、隣接するユニットが+1d6できる戦闘支援を駆使して、3dまたは4d攻撃による敵の壊滅を狙います。

 が、通常の移動では、1ユニットずつしか敵に隣接できません。ソ連軍戦車は隣接すると活性化するので、こちらの支援体制が整う前に反撃で撃退され、典型的な連続敗走になってしまうことも・・・。

 そこで考えたのが、東部戦線の「釣り伏せ」作戦です。装甲師団単独でソ連軍戦車に攻撃を仕掛け、あえて「敗走」。敵が強制される戦闘後前進で、あらかじめ、ドイツ軍2ユニットが展開する場所へおびき寄せます。そして、次のターンに、支援付きの攻撃を行い、突出した敵を撃滅するという戦術です。

 もちろん、先の「敗走」がdrによっては壊滅になってしまったり、乾坤一擲の逆襲がスカだったりと、絶対とは言えませんが、敵を抹殺できる確率は最も高いはず。

 何度かの演習を経て、 Konrad 作戦の開始です。

 序盤、ドイツ軍は南端のソ連軍歩兵を除去し、空いた間隙から、計画通り、SS装甲師団等を南下させます。

T6
 「釣り伏せ」態勢を引いた上で、Baracskaの戦車軍団に囮の装甲師団を隣接させます。アントライドの戦力は予定通り「3」。

 2回の反撃は、ドイツ軍が「奮闘」してしまい膠着でしたが、第7ターンに吊り出しに成功します。そして、第8ターン、待ち伏せによる3個装甲師団の集中攻撃により、第2親衛戦車軍団を見事、撃滅します。

T8 3個師団の集中攻撃
 この作戦を完遂しべく、次は第10ターンに吊り出しを狙いましたが・・・ここでソ連軍がローロールを出し、ドイツ軍がスカだったため、囮の第3装甲師団が壊滅します。

T10 二度目の釣り伏せを狙って
 が、この犠牲は無駄ではありませんでした。結果的につり出された第2親衛戦車軍団に、後方予備の装甲師団も投入して、3個装甲師団の集中攻撃を掛けます。これも、見事に撃滅!半分を費やして、ブタペストまで3へクスに迫ります。
T12 またも3個師団の集中攻撃

 Bieskの敵を撃破できれば、ブタペスト突入が見えてくる第13ターン、おそるおそるめくったアントライドは・・・最凶の5戦力軍団!

T16 ああ、5戦力戦車とは!

 確率的にはかなり厳しい局面でしたが、ここでSS装甲師団が奮闘を見せます。単独で反撃を受けたDH師団が、5/6の猛攻を凌ぎ、膠着に。すかさず、Viking師団も介入し、なんと支援付きの攻撃で、第5親衛戦車軍団を撃破してしまいます。

 と、ここで第18ターン、北部の装甲師団が歩兵を攻撃して、第5親衛戦車軍団を拘束することに成功します。その隙に、再び、DH師団が北上し、側面を援護します。

T18 DHの奮闘!

 第18戦車軍団とDH師団で死闘が繰り広げられている最中、Viking師団がついにブタペスト郊外の歩兵軍団を撃破し、王手を掛けます。

 第19ターン、このViking師団に対し、戦力で勝る第18戦車軍団が猛反撃を掛けましたが、歴戦の第5SS装甲師団はギリギリのところで、死守に成功します。

T19 SSが現地を死守!

 これにより、時間を稼いだドイツ軍は、殊勲のViking師団をブタペスト市街地に突入させ、友軍の救出に成功しました。

T20 悲願のブタペスト入城!
 いやー、なんとか、「勝つ」ことができました。前半は順調に「釣り伏せ」作戦が功を奏し、後半は確率論的にかなり厳しい展開を、dr運で乗り切りことができました。実はここまで3戦をして、全くブタペストにたどり着けなかったんです。バランス的には史実通りドイツ軍にきつめになっていますが、その分、勝てたときの喜びは大きいですね~。

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