歴史・戦史研究「ちはら会」Drei

この会は、主にシミュレーションという手法を用いて、歴史・戦史を楽しもうという、有志の集まりです。興味ある時代をテーマに選び、図上演習(シミュレーションゲーム)を通して、文献研究では得られない「動きのある歴史」を見つめます。 「ちはら会」では、現在、会員を募集しています。年齢や資格等を問わず、興味のある方ならば、どなたでも参加できます。関心のある方は、下記にご連絡ください。 Eアドレス. chiharakai@apost.plala.or.jp (代表.mitsu)

WWⅡ 太平洋戦争 水上砲撃戦・空母戦

 この日の緒戦は、前回に初プレイした「連合艦隊」(URA)です。
DSCF0002
 序盤、バーネット艦隊が航空兵力を整え、順当な攻勢をかけます。翔鶴、大鳳、飛鷹で先制攻撃を繰り返し、mitsu艦隊を削ります。その後も、サラトガとエンタープライズが来て盤石に。mitsu艦隊も赤城と飛龍を手に入れますが、少なすぎ、かつ、遅すぎて、後手に廻って集中投入できず。
さらに、空母の空襲!
 ならばと、水雷戦隊で空襲を避けますが、これも敵の強力な戦艦隊に捕捉され、ほぼ戦果なしに一方的に叩かれます。
水雷戦隊を、なんと戦艦隊が迎撃
 敵が全てのカードを配備したので、最後の賭けと、連合軍夜襲で敵本土特攻を試みましたが・・・3倍の艦艇に迎撃され、万事休す。
一か八かの本土攻撃も・・・
 結果、26点対5点で、バーネット艦隊の圧勝になりました。

  この日の緒戦は、ゲムマで購入した、同人のURA製作の2人用艦隊決戦カードゲーム「連合艦隊」(URA)です。ランダムに引いた艦艇で、艦隊を編成し、勝敗を争うもので、航空戦-砲撃戦-雷撃戦-(本拠地の)直接攻撃の手順です。艦コレに肖った便乗かと思いきや、フォーミタブルに、サウザンプトン級、ブルックリン級という玄人好みのラインナップが充実しており。特殊効果や艦艇編成、本土防衛のリソース等の妙味があり、勝つためには、けっこう、考えます。
DSC04254
 第一戦は、一番で来場したmoritaさんと。序盤、赤城・大和のmorita軍の攻撃を、mitsu軍がワシントン、伊勢等4隻で迎え撃ち、ともに戦艦を沈める相討ちに。
DSC04253
 その後も、配備をしては積極的に攻撃をかける激しい戦いが続き、両軍とも本土を守りつつ、消耗戦となります。
DSC04255
 終盤、mitsu軍がフォーミダブルとサウス・ダコタを繰り出すと、morita軍は夕張・長良の水雷戦隊で迎撃。先にフォーミダブルが長良を沈め、サウス・ダコタは敢えて敵本土の攻撃を選択します。すると、直前の雷撃戦で、なんと夕張がサウス・ダコタを撃沈!勝負は最終ラウンドまでもつれ込み、VP次第に。
DSC04256
 結果・・・25点対23点の僅差で、morita軍が勝利となりました。ああ、サウス・ダコタで、先に夕張を撃破していれば、勝てたのに(泣き)。一瞬の判断ミスで、とほほの結末になりました。
 第二戦は、例会の後半に、Jさんと。こちらは、翔鶴・フォーミダブル対飛龍・エンタープライズの本格的な空母戦で、幕を開け。両軍とも艦隊編成に力を入れ、定期的に攻撃・防御を繰り返します。mitsuが空母による増援で隻数で優位に立つと、中盤に一気に敵の本土攻撃に。最後は、朝潮の魚雷攻撃が奏功し、敵のリソースを破壊して、勝利となりました。
DSC04284
 見た目のような簡単なカードゲームかと思いきや、勝利のためには巧みな艦隊編成や迎撃、数があるようにブラフをかける本土防衛(カード)と、これが結構、奥深く。しばらく、楽しめそうです。

 後半に入って、こちらもテスト運用中の「運命のミッドウエイカードゲーム」(グループ乾坤一擲)を対戦しました。陣営は、日本軍(平)対アメリカ軍(mitsu)です。
 このゲームでは、日本軍が必ず、先制でミッドウェイ島攻撃を行います。耐久力の半分以上(15ダメージ以上)を与えられないと、第二次攻撃の必要が出てきます。今回は、第一撃の結果、全ての攻撃機が成功し、半数を超える16ヒットを与えます。
DSC03954
 これで、二次攻撃の必要がほぼなくなった日本軍は、全力を持って、空母決戦に。先手はアメリカ軍が取り、空母赤城の飛行甲板に深刻なダメージを与えるものの、撃沈ならず。
 ここで、日本軍が反撃に転じ、高い攻撃力を発揮し、ヨークタウンを一撃で撃沈します。
DSC03955
 アメリカ軍は次の攻撃で空母加賀を狙い、ヒットを与えるも、こちらも撃沈ならず。やむなく、第二次攻撃隊を発艦させ、これに引導を渡します。
 が、またも日本軍の攻撃より、今度はホーネットが爆沈。最後は、エンタープライまで中破に。
DSC03956
 結果、30VP対15VPのダブルスコアで、日本軍が勝利しました。やはり、ミッドウェイ島が一撃で中破すると、数の多い日本軍が有利になるのは、やむなしでしょう。
 あっという間に終わったので、同様の陣営で、第二戦へ。
  日本軍のミッドウェイ攻撃は、13ダメージに止まり、確実に第二撃が必要になります。この間に、アメリカ軍は空母飛龍を攻め、飛行甲板を使用不能にします。
 日本軍はミッドウェイ島第2次攻撃を行い、今度は計27ダメージと壊滅寸前まで追い詰めます。
 次はアメリカ軍の空襲で、今度は雷撃機で蒼龍を狙い、船体に4ヒットを与えます。続いて、損傷中の飛龍を攻め、これを撃沈します。
DSC03958
 日本軍は全力を挙げて、攻撃隊を送り出しますが、CAPと猛烈な対空砲火により、投弾できたのは、九九艦爆1枚のみ。しかも結果は、不発弾!
DSC03960
 残りカードが少なくなり、お互いに攻撃できるのは、あと1回程度。日本軍は乾坤一擲の攻撃をヨークタウンに仕掛けましたが、甲板・船体とも後一歩、撃沈に及ばず。
DSC03961
 アメリカ軍は満を持して、5枚の攻撃機を送り出します。日本軍はすでにカード切れで1枚しか対応できず、攻撃を許します。結果、損傷していた蒼龍も撃沈。
DSC03962
 15VPの日本軍を、16VPのアメリカ軍が1点差で躱し、勝利しました。 
 こちらも、先発の「珊瑚海の決戦」同様、手軽にプレイでき。ただし、やはり、ミッドウェイ島攻撃とアメリカ軍の奇襲の再現が難しく、バランス調整が非常にタイトだそうです。
 帰宅後、これを書きながら、振り返っていて、少し思いついたことが・・・両方のゲームで、いかに選択肢を増やせるか、考えてみました。「勝手に応援オプション」です。
 現時点では、「全戦力を投入してカードを使い切ること」が効率が良いので、激しい戦闘の様相は再現できます。が、プレイヤーの選択肢の幅は、S&Tと比べて、どうしても制限されるかと(S&Tには、砲雷撃戦や特殊兵器による先を見越したデッキ構築の要素があり)。
 そこで、オプションとして、以下の2点を入れると、戦術的ならしさが増すかも。
①1回の空襲で標的とできる空母は、現在の1隻のみから、複数目標にできる可能性を作る。たとえば、1d6して、1/2の隻数(端数切り捨て)を攻撃できる、など。こうすると、僥倖を信じて攻撃隊を分けるのか、一撃必殺を狙って集中するのか、考える余地が生まれます。
②また、同時に雷爆撃できた場合は、ボーナスを付ける(爆撃機と雷撃機の1組につき、第二次損害カードを追加1枚引ける、など)。
③史実のミッドウェイでは、1・2発の爆弾で誘爆が起こって、一気に3空母が戦闘不能(撃沈扱い)になったので、第二次損害カードに誘爆ルール(記述)を追加する。例えば、日本軍のみは、ダメコンの低さを反映して、「誘爆」(さらにもう1-2枚の第二次損害カードを追加で引く等)の記述を追加する。
④逆に(第二次損害カードだけでなく)甲板に一定のダメージが蓄積したら(甲板耐久力の1/2か2/3)、発着艦の停止とする。ただし、ダメコン(損害回復)で発着艦能力が復帰することもある。こうすると、運任せだった発着艦の停止が、一定の計算で狙えるようになる。①と合わせると、選択肢(悩み)が増えるかも。
 元は、非常に面白いゲームなので、バランス調整が上手くいくことを祈っています。また、ちはら会でも協力しますよ~。

 続いて、平さん持ち込みの「珊瑚海の決戦カードゲーム」(グループ乾坤一擲)をプレイします。このゲームのもとは「Ships&Tactics」で、艦載機戦のルールを取り出して、ブラッシュアップしたものです。これに追加損害(希に不発弾)のルールが加わり、空母戦のランダム性を高めています。両軍とも能力は同等の時期のため、史実と同様の激しい消耗戦となります。
 陣営は、日本軍(平)対アメリカ軍(mitsu)です。先手を取ったのは、日本軍で、理想的な雷爆撃が決まって、レキシントンが轟沈します。
DSC03932
DSC03934
 対するアメリカ軍は空母翔鶴を狙って、ドーントレスを送り出しますが、護衛戦闘機と回避に阻まれ、小破どまりに。一矢報いたいアメリカ軍は、第二次攻撃を敢行し、翔鶴に止めを刺します。
 ここで、カード(リソース)が切れたため、ゲームセット。結果、両軍とも1隻ずつの撃沈ながら、VPの差で日本軍の勝利となりました。
 初プレイでインスト付きながら、わずかに20分程度。さすがに定評のある「Ships&Tactics」システムだけ合って、簡単で激しい空母戦が楽しめました。

 この日の緒戦は、Bonsai Gamesの「エリトリア追撃戦」です。1943年にイタリアが降服し、それまで太平洋で通商破壊を行ってきた通報艦エリトリアが、昨日までの盟友-日本軍に追いかけられるという、最新はがきゲームです。
DSC02939
 イタリア軍ははじめに5/6の速度チットを引き、セイロン島に逃げ込むことを目指します。チットには1-3の速度があり、中には敵の哨戒をすり抜ける2速度チットが1枚あります。また、セットアップで、イニシアチブを覆す、または戦闘drを振り直させる幸運マーカーを持っています。
 一方の日本軍は、はじめに5drして、その数値によって稼働できる兵種が決まります。1-2は水上艦艇、3-4は海軍航空隊、5は任意、6は2ユニットとなっていて、どれが動けるかは運次第。
 手順は、主導権判定-先攻移動-後攻移動-戦闘です。
 第1戦の陣営は、日本軍(mitsu)対イタリア軍(バーネット)です。
 第1ターン、イニシアチブを取った日本軍は、マラッカ海峡を北上するエルトリアを敷設艦初鷹で迎撃します。が、これは難を逃れます。
T1
 第2ターン、インド洋に出たエルトリアを、今度は海軍航空隊が襲います。最新鋭の天山は、見事にエルトリアに命中弾!ここで、イタリア軍は幸運マーカーで振り直しをしますが、判定は覆らず、撃沈。日本軍の勝利となりました。
T2
 第2戦も、同じ陣営で。日本軍は球磨を北上させ、エリトリアの進路を制限します。エリトリアはマラッカ海峡のマレーシア側を通って、北上。
T1
 第2ターン、天山を進路に派遣し、攻撃を目論みましたが、ここでイタリア軍は2移動力のスルーチット!危うく、難を逃れます。
T2
 第3ターン、主導権を取った日本軍は、ここで判断ミス。先手をとってdr6でスクリーンを張るべきでしたが、後手を取ってしまい。エリトリアは機関も焼けよと、全速力(3移動力)で離脱成功!慌てて初鷹で追いかけますが、次ターンに幸運マーカーによる先手で逃げ切れることが確定し、イタリア軍の勝利となりました。
T3
 第3戦は陣営を入れ替えて、日本軍(バーネット)対イタリア軍(mitsu)の対戦に。イタリア軍には、スルーチットが来ず、苦しい戦いが予想されます。いかにある振りをして、突破を果たすか。
 第1ターン、日本軍の初手は軽巡球磨。イタリア軍はその脇をすり抜け、マラッカ海峡を北上します。
T1
 第2ターン、幸いにして、イニシアチブはイタリア軍。日本軍は敷設艦初鷹が北部を封鎖するのみ。ということは、ダブルダイスはない?!イタリア軍は大胆にも、サバング岬の近郊を通過します。
T2
 第3ターン、ここでイタリア軍は先攻を取って、最大戦速で離脱。次ターンの突破が確実になり、勝利しました。
T3
 非常にシンプルですが、速度マーカーとdrによる稼働兵種の組み合わせで、多彩な展開がありえます。さらに、イタリア軍が一度だけ使える幸運マーカーが、いい味を出しています。さすが、信頼の中黒デザイン!考えどころ満載のはがきゲームになっています。

 この日の緒戦は、最新の空母戦アイテムの「ミッドウェイ海戦」(Bonsai Games)です。ベーシックは移動-索敵-航空攻撃とこれまでの空母戦と同じなんですが、新たに航空作戦ポイント(AOP)と必ず成功する索敵(!)の概念が導入されています。
 この二つは連動しており、索敵の結果がAOPの値に影響します。両軍の索敵値は固定で、アメリカ軍は7(ミッドウェイ基地だと8)で日本軍は6と、史実通り、アメリカ軍有利になっています。
 この索敵力値から相手までの距離を引いた値がAOPになります。1AOPで発進準備、発進、攻撃からの帰還、ハンガー入れ替えなど、航空ユニットの運用が1回できます。手順は1d6して、現在のAOP値を足し、大きい側が1AOPを実施します。
  両者のdrが同程度なら、アメリカ軍が先攻し、日本軍が途中で巻き返し、共に0になるまで攻撃を反復することになりますが、drによっては連続手順もあり得ます。このタイミングが、実に悩ましい。発艦準備をしなければ、当然、攻撃はできませんが、甲板上に爆弾と燃料を満載した攻撃機が駐機することに。ここを攻撃されると、ヒット値が+1となり、史実の「運命の5分間」もあり得るわけです。
 これをベースに、日本軍の空中集合やミッドウェイ基地攻撃、夜間、基地守備隊と攻略部隊など、特別ルールがあります。
 ゲーム展開としては、索敵が不利な日本軍は、敵との距離を考えつつ、勝負所では距離を詰めてAOPの差を埋めにきます。アメリカ軍としては、索敵能力の差を生かせる中長距離を選びながら、反復攻撃を行うためにはどこかで接近戦に持ち込む必要があります。これにdr幅の激しい航空攻撃があり、決して確定しない最適解を求めて、頭を使います。
 今回は、インストの後、日本軍(mitsu)対アメリカ軍(平)で対戦します。
  第1ターン、日本軍は慎重に最北端の海域に登場します。アメリカ軍はセットアップ海域のほぼ中央にいたため、攻撃ギリギリの5へクスの長距離に。アメリカ軍は日本軍の集中攻撃(空中集合)を懸念し、F4FのCAPを優先します。日本軍は、1手番のみを使って、攻撃機を送り出します。
T1
 第2ターン、アメリカ軍はこれを見て、ミッドウェイ方面に後退。結果、6へクス以上離れたため、このターンの攻撃は不可に。勇躍して前進した日本軍の航空隊は、敵を発見できず、むなしく帰還する羽目に。
T2
 日没が迫る第3ターン、日本軍はあえて動かず。アメリカ軍が前進したため、再び、攻撃可能な長距離となり、攻撃隊を発進させますが、準備に手間取ります。結果、攻撃前に日没となってしまい、やむなく夜間帰還に。ここで着艦事故が多発し、3ユニットが失われます。
T3
 第4ターンは夜間で、日本軍の攻略部隊が登場し、一路、ミッドウェイ島を目指します。一航艦もこれに合流。一方のアメリカ軍は、夜明けの攻撃に向けて、ミッドウェイ島に接近します。
 運命の第5ターン、夜明けと共に敵を発見した両軍は、航空戦に。まず日本軍は黎明のミッドウェイ島爆撃を成功させ、基地に2ヒットを与えます。
 が、ここからはともに防御を優先したため、次の攻撃準備に時間がかかります。空母戦でも、先手を取ったのは日本軍。しかしながら、厚いCAPに阻まれ、ヨークタウンを狙った雷爆撃は、失敗に。
 続いて、アメリカ軍が反撃で、ドーントレスの3個航空隊を敵攻撃に送り込みます。日本軍はCAPと対空砲火で相当数の敵機を撃墜します。が、これをくぐり抜けたSBD2ステップが、敵の攻撃機の並ぶ飛行甲板に爆撃。確率は2/3で命中だったんですが・・・ああ、ここで6ゾロ!
T5 まさかの外れ!
 が、続く、第2次攻撃で大きな損害を受けながらも、ついに飛龍に命中弾を浴びせ、これを撃沈します。
 ここから日本軍の同時雷爆撃が牙をむきます。まず、第二航空艦隊の3ユニットがヨークタウンを捕らえ、見事な練度でこれを撃沈します。これにより、待機と帰還中だった4ユニットが墜落します。同時に、第一航空艦隊がエンタープライズを攻撃するも、こちらはCAPと対空砲火に阻まれ失敗に。
T5 ヨークタウン撃沈
 続いて手番を取った日本軍は、第三次攻撃を実施。目標は、不沈艦エンタープライズ。ちょうど、CAPが払拭していたことで、堂々と警戒網を突破した雷爆撃連合が一気に3ヒットを与え、これを撃沈。タイミングが悪いことに、エンプラは攻撃隊を収容したばかりで、これが全て消滅に。
終了時
 この結果、基地機はまだ.若干、残っているものの、消耗や海没で艦載機はわずかにF4Fの1ユニットのみに。日本軍は未だ3隻の空母に十分な航空隊を残しており、これ以上の抵抗は不可能と、アメリカ軍の投了となりました。 

 今月のソロプレイ第3弾は、同じく「ミッドウェイ海戦」(Bonsai Games)の練習シナリオ「飛龍奮闘す」です。アメリカ軍の奇襲を受け3空母が撃沈され、唯一、生き残った飛龍が航空隊の消耗と引き換えに、ヨークタウンに1ヒットを与えた状況です。
 登場戦力は、飛龍と零戦×2、99艦爆×1、97艦攻×1のみ(全てステップロスした航空機で)。対するアメリカ軍は、空母3隻にF4F×6ユニット、SBD×6ユニットと3倍の戦力であり、圧倒的です。
 日本軍が勝利するためには、全ての敵空母を撃沈しなければならず、事実上、不可能に近いです。
セットアップ
 第3ターン、日本軍が接近戦を挑んだことに対し、アメリカ軍もカードの指示で接近に。AOPは両軍とも最大の4となります。まず、アメリカ軍の航空移動ですが、攻撃部隊は格納庫にいるため、1戦闘機をCAPに上げて、残りは出撃準備を行います。
T3 アメリカ軍が発進準備
 よって、先制攻撃は準備を整えていた日本軍が実施します。航空隊は、零戦×1と97艦攻×1 のみ。決死の思いで突入しますが、CAPによる迎撃と激しい対空砲火により、全滅します。
T3 日本軍が続いて先制攻撃を行うも・・・
 ここで、アメリカ軍の航空隊が3派による攻撃を行います。日本軍も零戦のCAPでF4Fを撃墜しますが、対空砲火は当たらず。SBDが急降下爆撃を行い、飛龍の甲板に1ヒットを与えます。が、第二派のSBD単独攻撃は対空砲火で撃墜され、第三波のSBD攻撃は当たらず
T3 アメリカ軍の反攻で、飛龍が1ヒット
 続いて、アメリカ軍の第二次攻撃が来ます。これも零戦の奮闘で第一波のF4Fを撃墜し、SBDは対空砲で火を噴きます。が、これ以上の迎撃は不可能で、2派、3派の攻撃は一方的に。が、奇跡的に爆撃drが外れ、飛龍は生き残ります。
 ターン終了間際、日本軍は唯一、残っている99艦爆で攻撃を行いましたが、ああ、強力な対空砲火を浴びて、撃墜。これにより、攻撃の手段を失った日本軍に勝ち目はなく、敗北が確定しました。
T3 日本軍が艦爆のみで攻撃を行うも
 う~む、想定通り、日本軍の勝利はかなり厳しい。それでも10戦まではやってみることに。
終了時
 第2戦、第3戦はいきなりアメリカ軍の空爆が成功し、何もできないうちに飛龍が沈没。第4戦は健闘してエンプラに1ヒットを与えたものの、一日目の終わりに潜水艦攻撃に失敗し、サドンデス負け。
 そして迎えた第5戦。日本軍は思い切って、防御に徹してその後に反撃を試みる作戦に変更します。これでも相当不利ですが、敵の航空機を漸減できれば、まだ、勝負になるかも。
 前半、この作戦が奏功し、零戦によるCAPでF4Fの3ユニットを撃墜します。護衛戦闘機の庇護を失った攻撃機が脆弱になり、対空砲火がよく当たって、なんと4ユニット(全攻撃機の2/3)を撃墜することに成功します。
半数以上の敵機を撃墜
 ターン終了間際に対空砲火の弱いヨークタウンを飛龍艦爆隊が攻撃しますが、残念ながら当たらず。このままではサドンデスになるので、潜水艦を使って、ヨークタウンを撃沈することに成功します。これで戦闘は二日目に。
日本軍の反撃も失敗
T3終了時に潜水艦によりヨークタウン撃沈
 そして迎えた第5ターン、またもアメリカ軍が先制攻撃を行いますが、零戦のCAPがF4Fを蹴散らし、AAでさらにSBDの1機を撃墜。もう1ユニットは、恐れをなしたか、爆撃に失敗します。
T5 二日目の攻撃もCAPとAAで凌ぐ
 ここで日本軍は反撃に転じ、憎きエンタープライズに1ヒットを与えることに成功します。
根性でエンプラを損傷
 第6ターン、再び、アメリカ軍の攻撃になりますが、すでにF4F戦闘機を消耗し尽くしており、TDF単独の雷撃に。護衛もなく突っ込んでくるアヴェンジャーを対空砲火で撃墜し、アメリカの攻撃機を全滅(!)させます。
 第7ターン、あとは、日本軍の攻撃が成功するかどうか。残存AOPを考えると、2回の攻撃がギリギリ。飛龍座乗の山口多聞は決死の攻撃隊を送り出しましたが・・・ああ、命中なし。
 これにより、通常の勝利条件判定となり、4VP差でアメリカ軍の勝利となりました。
T7 最後まで2空母は沈まず
 最後のチャンスは、第8戦でした。すっかり定番となった日本軍の防御優先作戦がうまくいき、第3ターンでSBD3ユニットを撃墜します。さらに薄暮攻撃で夜間着陸となり、アメリカ軍はF4FとSBD各1ユニットを失います。イベントによる潜水艦攻撃でヨークタウンが沈み、ゲームは続行。
T3 薄暮攻撃も
 第4ターンに日本軍のイベント「栗田艦隊」が成功し、ミッドウェイ島の航空隊は全滅します。あとは敵任務部隊とのガチンコ勝負に。 
T3-4 ヨークタウン撃沈、栗田艦隊、夜間着陸失敗
 第5ターン、至近距離の空母戦はアメリカ軍が先攻しますが、飛龍の対空砲が火を噴き、SBDの2ユニットを撃墜します。これで、アメリカ軍の攻撃隊は全滅。
T5 敵攻撃隊を撃墜
 あとは、日本軍の攻撃がうまくいくかどうか。間髪入れず、飛龍が戦爆連合隊を繰り出し、エンタープライズを狙いましたが、惜しくも外れ。
T5 エンプラ攻撃も不発
 第6ターン、今度は目標をホーネットに切り替えて、戦雷連合隊で攻撃。これが見事に決まって、1ヒットを与え、駐機していたF4Fを破壊します。
T6 ホーネットに一撃
 最終第7ターン、日本軍は黎明攻撃で損傷しているホーネットを狙い、見事に撃沈!が、攻撃できるのはあと1回。無理を承知で、護衛なしで雷爆連合隊を送り出します。これが2ヒットを与えられれば、初勝利だったのですが・・・F4FのCAPに99艦爆が食われ、猛烈な対空砲火で97艦攻も撃墜。不沈艦エンタープライズは沈ます、日本軍の敗北となりました。これが一番、惜しかった。
T7
終了時
 その後、2戦を行いましたが、日本軍勝利にならず。5回に1回程度は、惜しいところまでは行くのですが、それが限界か。情報力で劣り、3倍以上の敵を相手にするこのシナリオは、Mission Impossibleと言えそうです。

 今月のソロプレイ第2弾は、80周年記念になる「ミッドウェイ海戦」(Bonsai Games)の練習シナリオ「空母攻撃演習」です。同アイテムの戦術戦闘部分のみを行うソロ演習で、日本軍は任意の8ユニット、アメリカ軍はdrによって決まるCAPとなります。今回は、drが日本軍に振れ、迎撃のF4Fはわずかに1ユニットです。
セットアップ
 まず、CAPによる迎撃ですが、F4Fの2ステップの期待値で1ヒットとなります。当然、日本軍は攻撃機を守るため、零戦に割り振ります。
F4Fの迎撃
 続いて、対空砲火ですが、護衛戦闘機がいるため、命中値は6のみ。2隻の空母が健在のため、4d6しますが、当たらず。
 これをくぐり抜けた97艦爆と97艦攻が、同時雷爆撃を行います。標的は、エンタープライズ。史実では不沈艦でしたが、高い練度の攻撃が見事に命中し、一撃でエンプラは海の藻屑に。
同時雷爆撃で、エンプラを撃沈
 続いて、第2航空隊の97艦爆と97艦攻がホーネットに攻撃をかけます。こちらはエンプラ沈没で対空力が落ちているため、2d6の対空砲火となり、当たらず。
 2ステップずつの97艦爆と97艦攻が満を持して、同時雷爆撃を行い、ホーネットも撃沈!盤石の航空攻撃で、日本軍の大勝利となりました。
ヨークタウン撃沈
 このゲームの日本軍は、索敵力(航空運用数)で劣るものの、空中集合と雷爆撃の優秀さで秀でています。本戦では、これをうまく活用できるかにかかっています。

 続いて、カードゲームの「突入?レイテ湾」(CMJ)をプレイしました。いわゆる見るボーンタイプの海戦ゲームですが、敵がアメリカ軍の戦艦だったり、空母だったりと、それっぽい設定がよく、カード運はあるもののバランスもいいです。なにより15分で、レイテ湾海戦ができるのがいい。
 第一戦は、各艦隊がそこそこ進んだところで、「栗田ターン」(前進停止)が出て、不毛な消耗戦になります。
 が、中盤にそれを抜けると、イベント「ナッシュビル」に。俄然、やる気になった三艦隊が驀進します。先導を切ったエンジョウ艦隊がレイテ湾に飛び込み、マッカーサーを戦死させ(!)、勝利しました。
R1 マックの戦死
 第二戦は、スタートダッシュに成功し、三艦隊とも100海里を超えて前進します。が、やたらと、イベントの回りが早いなと思ったら、中盤で4枚目の栗田ターンが出て強制終了。270海里を進んでいたmitsu艦隊の勝利となりました。 
R2 栗田ターンのおかげでmitsu勝利
 第三戦は、早々から激しい各空戦が起こり、各艦隊とも大和や長門などの戦艦戦力を投入して、敵を撃破します。襲い来る敵を撥ね除け、微速ながら前進を続けますが、時間切れとなり、レイテ湾には到達できず。この時点で最も進んでいたBIBI艦隊の勝利となりました。
R3 カードが尽きて・・・
 三戦とも三様の結果になり、やっぱり、このアイテムは傑作だと一致しました。

↑このページのトップヘ