歴史・戦史研究「ちはら会」Drei

この会は、主にシミュレーションという手法を用いて、歴史・戦史を楽しもうという、有志の集まりです。興味ある時代をテーマに選び、図上演習(シミュレーションゲーム)を通して、文献研究では得られない「動きのある歴史」を見つめます。 「ちはら会」では、現在、会員を募集しています。年齢や資格等を問わず、興味のある方ならば、どなたでも参加できます。関心のある方は、下記にご連絡ください。 Eアドレス. chiharakai@apost.plala.or.jp (代表.mitsu)

WWⅡ 太平洋戦争 水上砲撃戦・空母戦

 この日の緒戦は、最新の空母戦アイテムの「ミッドウェイ海戦」(Bonsai Games)です。ベーシックは移動-索敵-航空攻撃とこれまでの空母戦と同じなんですが、新たに航空作戦ポイント(AOP)と必ず成功する索敵(!)の概念が導入されています。
 この二つは連動しており、索敵の結果がAOPの値に影響します。両軍の索敵値は固定で、アメリカ軍は7(ミッドウェイ基地だと8)で日本軍は6と、史実通り、アメリカ軍有利になっています。
 この索敵力値から相手までの距離を引いた値がAOPになります。1AOPで発進準備、発進、攻撃からの帰還、ハンガー入れ替えなど、航空ユニットの運用が1回できます。手順は1d6して、現在のAOP値を足し、大きい側が1AOPを実施します。
  両者のdrが同程度なら、アメリカ軍が先攻し、日本軍が途中で巻き返し、共に0になるまで攻撃を反復することになりますが、drによっては連続手順もあり得ます。このタイミングが、実に悩ましい。発艦準備をしなければ、当然、攻撃はできませんが、甲板上に爆弾と燃料を満載した攻撃機が駐機することに。ここを攻撃されると、ヒット値が+1となり、史実の「運命の5分間」もあり得るわけです。
 これをベースに、日本軍の空中集合やミッドウェイ基地攻撃、夜間、基地守備隊と攻略部隊など、特別ルールがあります。
 ゲーム展開としては、索敵が不利な日本軍は、敵との距離を考えつつ、勝負所では距離を詰めてAOPの差を埋めにきます。アメリカ軍としては、索敵能力の差を生かせる中長距離を選びながら、反復攻撃を行うためにはどこかで接近戦に持ち込む必要があります。これにdr幅の激しい航空攻撃があり、決して確定しない最適解を求めて、頭を使います。
 今回は、インストの後、日本軍(mitsu)対アメリカ軍(平)で対戦します。
  第1ターン、日本軍は慎重に最北端の海域に登場します。アメリカ軍はセットアップ海域のほぼ中央にいたため、攻撃ギリギリの5へクスの長距離に。アメリカ軍は日本軍の集中攻撃(空中集合)を懸念し、F4FのCAPを優先します。日本軍は、1手番のみを使って、攻撃機を送り出します。
T1
 第2ターン、アメリカ軍はこれを見て、ミッドウェイ方面に後退。結果、6へクス以上離れたため、このターンの攻撃は不可に。勇躍して前進した日本軍の航空隊は、敵を発見できず、むなしく帰還する羽目に。
T2
 日没が迫る第3ターン、日本軍はあえて動かず。アメリカ軍が前進したため、再び、攻撃可能な長距離となり、攻撃隊を発進させますが、準備に手間取ります。結果、攻撃前に日没となってしまい、やむなく夜間帰還に。ここで着艦事故が多発し、3ユニットが失われます。
T3
 第4ターンは夜間で、日本軍の攻略部隊が登場し、一路、ミッドウェイ島を目指します。一航艦もこれに合流。一方のアメリカ軍は、夜明けの攻撃に向けて、ミッドウェイ島に接近します。
 運命の第5ターン、夜明けと共に敵を発見した両軍は、航空戦に。まず日本軍は黎明のミッドウェイ島爆撃を成功させ、基地に2ヒットを与えます。
 が、ここからはともに防御を優先したため、次の攻撃準備に時間がかかります。空母戦でも、先手を取ったのは日本軍。しかしながら、厚いCAPに阻まれ、ヨークタウンを狙った雷爆撃は、失敗に。
 続いて、アメリカ軍が反撃で、ドーントレスの3個航空隊を敵攻撃に送り込みます。日本軍はCAPと対空砲火で相当数の敵機を撃墜します。が、これをくぐり抜けたSBD2ステップが、敵の攻撃機の並ぶ飛行甲板に爆撃。確率は2/3で命中だったんですが・・・ああ、ここで6ゾロ!
T5 まさかの外れ!
 が、続く、第2次攻撃で大きな損害を受けながらも、ついに飛龍に命中弾を浴びせ、これを撃沈します。
 ここから日本軍の同時雷爆撃が牙をむきます。まず、第二航空艦隊の3ユニットがヨークタウンを捕らえ、見事な練度でこれを撃沈します。これにより、待機と帰還中だった4ユニットが墜落します。同時に、第一航空艦隊がエンタープライズを攻撃するも、こちらはCAPと対空砲火に阻まれ失敗に。
T5 ヨークタウン撃沈
 続いて手番を取った日本軍は、第三次攻撃を実施。目標は、不沈艦エンタープライズ。ちょうど、CAPが払拭していたことで、堂々と警戒網を突破した雷爆撃連合が一気に3ヒットを与え、これを撃沈。タイミングが悪いことに、エンプラは攻撃隊を収容したばかりで、これが全て消滅に。
終了時
 この結果、基地機はまだ.若干、残っているものの、消耗や海没で艦載機はわずかにF4Fの1ユニットのみに。日本軍は未だ3隻の空母に十分な航空隊を残しており、これ以上の抵抗は不可能と、アメリカ軍の投了となりました。 

 今月のソロプレイ第3弾は、同じく「ミッドウェイ海戦」(Bonsai Games)の練習シナリオ「飛龍奮闘す」です。アメリカ軍の奇襲を受け3空母が撃沈され、唯一、生き残った飛龍が航空隊の消耗と引き換えに、ヨークタウンに1ヒットを与えた状況です。
 登場戦力は、飛龍と零戦×2、99艦爆×1、97艦攻×1のみ(全てステップロスした航空機で)。対するアメリカ軍は、空母3隻にF4F×6ユニット、SBD×6ユニットと3倍の戦力であり、圧倒的です。
 日本軍が勝利するためには、全ての敵空母を撃沈しなければならず、事実上、不可能に近いです。
セットアップ
 第3ターン、日本軍が接近戦を挑んだことに対し、アメリカ軍もカードの指示で接近に。AOPは両軍とも最大の4となります。まず、アメリカ軍の航空移動ですが、攻撃部隊は格納庫にいるため、1戦闘機をCAPに上げて、残りは出撃準備を行います。
T3 アメリカ軍が発進準備
 よって、先制攻撃は準備を整えていた日本軍が実施します。航空隊は、零戦×1と97艦攻×1 のみ。決死の思いで突入しますが、CAPによる迎撃と激しい対空砲火により、全滅します。
T3 日本軍が続いて先制攻撃を行うも・・・
 ここで、アメリカ軍の航空隊が3派による攻撃を行います。日本軍も零戦のCAPでF4Fを撃墜しますが、対空砲火は当たらず。SBDが急降下爆撃を行い、飛龍の甲板に1ヒットを与えます。が、第二派のSBD単独攻撃は対空砲火で撃墜され、第三波のSBD攻撃は当たらず
T3 アメリカ軍の反攻で、飛龍が1ヒット
 続いて、アメリカ軍の第二次攻撃が来ます。これも零戦の奮闘で第一波のF4Fを撃墜し、SBDは対空砲で火を噴きます。が、これ以上の迎撃は不可能で、2派、3派の攻撃は一方的に。が、奇跡的に爆撃drが外れ、飛龍は生き残ります。
 ターン終了間際、日本軍は唯一、残っている99艦爆で攻撃を行いましたが、ああ、強力な対空砲火を浴びて、撃墜。これにより、攻撃の手段を失った日本軍に勝ち目はなく、敗北が確定しました。
T3 日本軍が艦爆のみで攻撃を行うも
 う~む、想定通り、日本軍の勝利はかなり厳しい。それでも10戦まではやってみることに。
終了時
 第2戦、第3戦はいきなりアメリカ軍の空爆が成功し、何もできないうちに飛龍が沈没。第4戦は健闘してエンプラに1ヒットを与えたものの、一日目の終わりに潜水艦攻撃に失敗し、サドンデス負け。
 そして迎えた第5戦。日本軍は思い切って、防御に徹してその後に反撃を試みる作戦に変更します。これでも相当不利ですが、敵の航空機を漸減できれば、まだ、勝負になるかも。
 前半、この作戦が奏功し、零戦によるCAPでF4Fの3ユニットを撃墜します。護衛戦闘機の庇護を失った攻撃機が脆弱になり、対空砲火がよく当たって、なんと4ユニット(全攻撃機の2/3)を撃墜することに成功します。
半数以上の敵機を撃墜
 ターン終了間際に対空砲火の弱いヨークタウンを飛龍艦爆隊が攻撃しますが、残念ながら当たらず。このままではサドンデスになるので、潜水艦を使って、ヨークタウンを撃沈することに成功します。これで戦闘は二日目に。
日本軍の反撃も失敗
T3終了時に潜水艦によりヨークタウン撃沈
 そして迎えた第5ターン、またもアメリカ軍が先制攻撃を行いますが、零戦のCAPがF4Fを蹴散らし、AAでさらにSBDの1機を撃墜。もう1ユニットは、恐れをなしたか、爆撃に失敗します。
T5 二日目の攻撃もCAPとAAで凌ぐ
 ここで日本軍は反撃に転じ、憎きエンタープライズに1ヒットを与えることに成功します。
根性でエンプラを損傷
 第6ターン、再び、アメリカ軍の攻撃になりますが、すでにF4F戦闘機を消耗し尽くしており、TDF単独の雷撃に。護衛もなく突っ込んでくるアヴェンジャーを対空砲火で撃墜し、アメリカの攻撃機を全滅(!)させます。
 第7ターン、あとは、日本軍の攻撃が成功するかどうか。残存AOPを考えると、2回の攻撃がギリギリ。飛龍座乗の山口多聞は決死の攻撃隊を送り出しましたが・・・ああ、命中なし。
 これにより、通常の勝利条件判定となり、4VP差でアメリカ軍の勝利となりました。
T7 最後まで2空母は沈まず
 最後のチャンスは、第8戦でした。すっかり定番となった日本軍の防御優先作戦がうまくいき、第3ターンでSBD3ユニットを撃墜します。さらに薄暮攻撃で夜間着陸となり、アメリカ軍はF4FとSBD各1ユニットを失います。イベントによる潜水艦攻撃でヨークタウンが沈み、ゲームは続行。
T3 薄暮攻撃も
 第4ターンに日本軍のイベント「栗田艦隊」が成功し、ミッドウェイ島の航空隊は全滅します。あとは敵任務部隊とのガチンコ勝負に。 
T3-4 ヨークタウン撃沈、栗田艦隊、夜間着陸失敗
 第5ターン、至近距離の空母戦はアメリカ軍が先攻しますが、飛龍の対空砲が火を噴き、SBDの2ユニットを撃墜します。これで、アメリカ軍の攻撃隊は全滅。
T5 敵攻撃隊を撃墜
 あとは、日本軍の攻撃がうまくいくかどうか。間髪入れず、飛龍が戦爆連合隊を繰り出し、エンタープライズを狙いましたが、惜しくも外れ。
T5 エンプラ攻撃も不発
 第6ターン、今度は目標をホーネットに切り替えて、戦雷連合隊で攻撃。これが見事に決まって、1ヒットを与え、駐機していたF4Fを破壊します。
T6 ホーネットに一撃
 最終第7ターン、日本軍は黎明攻撃で損傷しているホーネットを狙い、見事に撃沈!が、攻撃できるのはあと1回。無理を承知で、護衛なしで雷爆連合隊を送り出します。これが2ヒットを与えられれば、初勝利だったのですが・・・F4FのCAPに99艦爆が食われ、猛烈な対空砲火で97艦攻も撃墜。不沈艦エンタープライズは沈ます、日本軍の敗北となりました。これが一番、惜しかった。
T7
終了時
 その後、2戦を行いましたが、日本軍勝利にならず。5回に1回程度は、惜しいところまでは行くのですが、それが限界か。情報力で劣り、3倍以上の敵を相手にするこのシナリオは、Mission Impossibleと言えそうです。

 今月のソロプレイ第2弾は、80周年記念になる「ミッドウェイ海戦」(Bonsai Games)の練習シナリオ「空母攻撃演習」です。同アイテムの戦術戦闘部分のみを行うソロ演習で、日本軍は任意の8ユニット、アメリカ軍はdrによって決まるCAPとなります。今回は、drが日本軍に振れ、迎撃のF4Fはわずかに1ユニットです。
セットアップ
 まず、CAPによる迎撃ですが、F4Fの2ステップの期待値で1ヒットとなります。当然、日本軍は攻撃機を守るため、零戦に割り振ります。
F4Fの迎撃
 続いて、対空砲火ですが、護衛戦闘機がいるため、命中値は6のみ。2隻の空母が健在のため、4d6しますが、当たらず。
 これをくぐり抜けた97艦爆と97艦攻が、同時雷爆撃を行います。標的は、エンタープライズ。史実では不沈艦でしたが、高い練度の攻撃が見事に命中し、一撃でエンプラは海の藻屑に。
同時雷爆撃で、エンプラを撃沈
 続いて、第2航空隊の97艦爆と97艦攻がホーネットに攻撃をかけます。こちらはエンプラ沈没で対空力が落ちているため、2d6の対空砲火となり、当たらず。
 2ステップずつの97艦爆と97艦攻が満を持して、同時雷爆撃を行い、ホーネットも撃沈!盤石の航空攻撃で、日本軍の大勝利となりました。
ヨークタウン撃沈
 このゲームの日本軍は、索敵力(航空運用数)で劣るものの、空中集合と雷爆撃の優秀さで秀でています。本戦では、これをうまく活用できるかにかかっています。

 続いて、カードゲームの「突入?レイテ湾」(CMJ)をプレイしました。いわゆる見るボーンタイプの海戦ゲームですが、敵がアメリカ軍の戦艦だったり、空母だったりと、それっぽい設定がよく、カード運はあるもののバランスもいいです。なにより15分で、レイテ湾海戦ができるのがいい。
 第一戦は、各艦隊がそこそこ進んだところで、「栗田ターン」(前進停止)が出て、不毛な消耗戦になります。
 が、中盤にそれを抜けると、イベント「ナッシュビル」に。俄然、やる気になった三艦隊が驀進します。先導を切ったエンジョウ艦隊がレイテ湾に飛び込み、マッカーサーを戦死させ(!)、勝利しました。
R1 マックの戦死
 第二戦は、スタートダッシュに成功し、三艦隊とも100海里を超えて前進します。が、やたらと、イベントの回りが早いなと思ったら、中盤で4枚目の栗田ターンが出て強制終了。270海里を進んでいたmitsu艦隊の勝利となりました。 
R2 栗田ターンのおかげでmitsu勝利
 第三戦は、早々から激しい各空戦が起こり、各艦隊とも大和や長門などの戦艦戦力を投入して、敵を撃破します。襲い来る敵を撥ね除け、微速ながら前進を続けますが、時間切れとなり、レイテ湾には到達できず。この時点で最も進んでいたBIBI艦隊の勝利となりました。
R3 カードが尽きて・・・
 三戦とも三様の結果になり、やっぱり、このアイテムは傑作だと一致しました。

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