歴史・戦史研究「ちはら会」Drei

この会は、主にシミュレーションという手法を用いて、歴史・戦史を楽しもうという、有志の集まりです。興味ある時代をテーマに選び、図上演習(シミュレーションゲーム)を通して、文献研究では得られない「動きのある歴史」を見つめます。 「ちはら会」では、現在、会員を募集しています。年齢や資格等を問わず、興味のある方ならば、どなたでも参加できます。関心のある方は、下記にご連絡ください。 Eアドレス. chiharakai@apost.plala.or.jp (代表.mitsu)

WWⅡ 西部戦線 1943年以前

 第二週、続けて土曜日に、Tommyさんと「特定少数のオフ会」を開きました。緒戦は、前回、インストした「THE RISE OF BLITZKRIEG」(Bonsai Games)です。陣営は、Tommyさんが希望で連合軍を、mitsuがドイツ軍を担当します。

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 第1戦の勝利条件は、オープンがパリ陥落で、隠匿がマジノ線攻略です。マジノ線攻略はdr次第のところもあるので、ある意味、かなりきついかも。ブラフと本筋を織り交ぜて、揺さぶりを掛けるしかない。
 第1ターン、ドイツ軍は連合軍の戦線に楔を打ち込むべく、ディナンを攻略し、要衝ヴェルヴァンに突入します。この早い展開を予想していなかったようで、連合軍の戦術カードはなし。装甲効果と航空支援で押し切って、ここを占領します。

T1 ヴェルヴァン攻略
 同時に「ブラフの態を装って、実は本命」の一つ-メッツ攻撃を行い、奪取します。連合軍はこれに反応し、なんとヴェルダンに4個歩兵を集結します。
T1 メッツ攻略
 そして、こちらは本当のブラフとして、装甲部隊でオランダを制圧します。これを見た連合軍は「しまった、南部に送り込みすぎたかも」と疑心暗鬼に。
T1
 南北に敵の注意がいったところで、第2ターン、ドイツ軍は作戦と機甲突破で一気に中央を突破し、英仏海峡に到達します。連合軍は、防御を基本に考えていたようで、作戦カードがなく、反撃態勢を整えるだけで、ターンエンドに。
T2 英仏海峡到達
 第3ターン、この状態なら敵戦力の壊滅が狙えると、ドイツ軍は北部の攻略に切り替えます。ヘントにいるイギリス軍を装甲効果で駆逐し、港湾に押し込めると、そのまま、機甲突破でダンケルクを攻略。これにより、BEFは全滅し、4個相当の捕虜を得ます(イギリス軍は降伏時に2倍扱い)。
T3 イギリス軍降伏
 連合軍もドゴールの指揮の下、3個戦車師団を集中し、ヴェルヴァンを奪還しますが、すでに北部ルートで補給が通じていたため、ドイツ軍の作戦能力は衰えず。
T3 連合軍の反撃も・・・
 リールで包囲下に置かれたフランス軍歩兵2個を、装甲師団が強襲し、撃滅。この瞬間、敵の損失が5個以上となり、ドイツ軍のサドンデス勝ちとなりました。まさに、完璧な電撃戦でした。
T3 フランス軍を包囲殲滅
  そのまま、同じ陣営で第2戦に突入します。勝利条件は、オープンがパリ陥落で、隠匿が低地国征服です。
 第1ターン、今回は1手目にリブラモンを占領し、南またはパリへの進軍を匂わせます。そこから「素直に」隠匿条件の達成をめざし、エバン・エマール要塞を占領し、装甲部隊はオランダ経由でヘントへ。
T1
 第2ターン、南または西へと見せかけるために、敢えてヴェルヴァンを強襲し、機甲突破でディナンにいた敵歩兵を降伏させます。連合軍はこれに反応し、兵力をかき集めてヴェルヴァンに投入します(奪回)。
 これを見て、ドイツ軍は本命の北部攻勢を仕掛け、ベルギーのほぼ全土を制圧。さらに南への侵攻を匂わせるため、リールを攻略します。
T2
 第3ターン、連合軍が北西部を固めたので、リールの装甲部隊を転進させ、港湾攻略の態でオーステンドを奪取します。この時点で、ドイツ軍は秘かに勝利条件を満たします。
T3
 第4ターン、もしや低地国の征服かと疑った連合軍は、ヴェルダンから虎の子の戦車師団を出撃させ、ディナンを奪います。
T4 フランス軍戦車が突入するも・・・
 が、タイミングが早すぎたため、ドイツ軍は中央の装甲部隊でヴェルヴァンを再奪取し、ディナンの敵を降伏させます。
 第5ターン、こうなるとドイツ軍は守り切るだけでよくなり、低地国エリアから一歩ずつ前進して緩衝地帯を確保。そのまま、ゲームエンドで勝利しました。
T5
 連合軍のディナン奪還は正しかったのですが、タイミングが早すぎたため、失敗。これを最終ターンの後半にやられていたら厳しかったです。もっとも、連合軍は不安からついつい、早く反撃したくなるんですよね~。
  なんとか一矢報いんと、第3戦へ。勝利条件は、オープンが英仏海峡封鎖で、隠匿がパリ陥落です。
 第1ターン、例のごとく、ドイツ軍は選択肢が多いディナンルートで、ヴェルヴァンを攻略。と、連合軍が敢えてスタッフワークでアラスに撤退したので、パリへの道がガラ空きに。ならばと、モメンタムを二つ消費して、クレルモンを奪取し、北部の連合軍を全て補給切れにしてしまいます。
T1
 第2ターン、一手目の兵站で前線を強化したドイツ軍は、北部の敵を殲滅すべく、アブヴィルを攻略します。これに対し、連合軍は必至に兵力を動員すると、反撃で関門クレルモンを奪回します。
T2
 第3ターン、ドイツ軍は戦線の拡大で前線兵力が薄くなり、連合軍は主力が北部に拘置されて、やはり兵力不足に。お互いに少ない兵力で、北部で激しい攻防戦が繰り広げられます。ドイツ軍がアラスを強襲してフランス軍の中核を叩き出せば、連合軍はアブヴィルのドイツ軍歩兵を殲滅し、一時的に補給線を回復します。
T3
 第4ターン、アブヴィルに進んだ敵の援軍を含め、北部の敵を再度、補給切れにすべく、ドイツ軍がクレルモンを強襲。楽勝のはずがローロールとなり、やむなくピンゾロで敵戦車の撃破を選んだのですが・・・ここで、連合軍もまさかのピンゾロ!疲労困憊の中、お互いに1個ずつ部隊を失い、ドイツ軍が再奪取に成功します。
T4 疲労困憊のクレルモン決戦
 と、連合軍は、セダンの2個歩兵でヴァルヴァンを強襲し、ここを奪取。これにより、パリ方面のドイツ軍が補給切れに。こうなったら、オープンの勝利条件か、敵撃破で勝利するしかないと、ドイツ軍は装甲部隊を持ってカレーを強襲しますが、連合軍がハイロール(しかもゾロ目!)を連発し、死守。2個装甲師団が昇天し、敵が防御に成功したため、モメンタムははじめて連合軍に。
T4
 第5ターン、このままだとドイツ軍敗北に。もはや連続戦闘で港湾を奪取するしかないと判断したドイツ軍は、一切の戦術カードを放棄し、補充と作戦に全てを賭けます。戦車の補充2枚で装甲師団を回復すると、兵站でアラスに集結。そこから、ダンケルクとオーステンドを攻略し、イギリス軍1個を降伏させます。そして、最後の作戦カードを使って、連合軍が集結するカレーへ3度目の強襲をかけます。ドイツ軍3dr:連合軍3drの結果は・・・ギリギリでドイツ軍の勝利。この瞬間、英仏海峡の封鎖とスタックオーヴァーによる敵戦力壊滅により、ダブルの条件を満たして、勝利となりました。
T5 勝敗はカレー戦の結果次第に
  いやー、危なかった!圧倒的な優位に立っていたはずが、フランス軍との乱戦に巻き込まれ、第4ターンの連続敗北で、手がなくなるところでした。ほぼイーブンの3戦闘で一つでも負けていれば、ジ・エンドという、薄氷の勝利でした。第1ターンに無理をして敵主力を補給切れにしたのですが、同時にこれを殲滅できるほど、ドイツ軍の総兵力はなく、敵の反撃に対応するのが精一杯。そういった意味では、非常によく作り込まれていると、感想戦で盛り上がりました。

 二つ目のアイテムが、昨年11月に発売されたばかりの「THE RISE OF BLITZKRIEG」(Bonsai Games)です。いわゆるデッキ構築型のカードドリブンですが、様々な仕掛けでランダム性が高められています。
 まず、勝利条件は4つのうちから2つをランダムで決めます。このうち1つが非公開となります。よって、ドイツ軍はあえて手番の動き(場合によってはターンの動き!)をブラフに使い、有利な状況を整えるようにします。連合軍は公開の条件をベースにしながら、些細な動きから垣間見える敵の意図を推察し、もう一つの条件を推理し、対応します。この読み合いが、かなり楽しく、かつ悩ましい。
 ドイツ軍は、毎ターンのカード使用が平均7枚で、豊富なヴァリエーションを選べますが、油断をすると連合軍の的確な防御や反撃を受けて、簡単にプロットが頓挫します。一直線に向かっても勝利はほど遠く、陽動が必須です。
 連合軍は基本的に敵の動きへの対応となりますが、意図を正しく読んで、カードを仕込む必要があります。枚数はドイツ軍8枚から2枚少ない6枚しかなく、かつ後半はそこからランダムで2枚を失うので(疲労)、読み違いやランダム引きの結果で,対応能力に大きな差が生まれます。
 そして、最後は戦闘drに一喜一憂しながら、その都度、その都度、作戦の修正をしていきます。
 今回は、mitsuのインストで、ドイツ軍をTommyさんが、連合軍をmitsuが担当します。公開の勝利条件は、パリ占領です。
 まず、第1ターンですが、連合軍はディール計画でカード1枚につき、2エリアまでの距離の戦術移動で可能です。今回は、ダンケルクのイギリス軍をベントに、リールのフランス軍をブリュッセルに前進させます。

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 ドイツ軍の攻勢が始まります。史実通り、ディナンに装甲師団が襲いかかりましたが、安牌のはずのdr数1:3で、まさかの敗北!いきなり、モメンタム1点を失います。気を取り直して、リブラモン経由で機甲突破でセダンを墜としたのが、精一杯。連合軍は、この間に、イギリス軍とフランス軍の連携を可能にし、戦車師団1個を動員します。そして、最後の手番で戦車2個師団を投入して、セダンを奪還します。
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 第2ターン、ならばとドイツ軍は2ターン越しのディナン強襲と機甲突破で、要衝ヴェルヴァンを墜とします。そのまま、装甲部隊主力はモンスに北上します。同時に、エバンエマール要塞を突撃工兵で攻め落とします。連合軍も必死に抵抗し、何度か押し返しますが、損害drが続いて、歩兵3ユニットを失います。
 第3ターン、ドイツ軍は損害を与えるもののブリュッセルを墜とせず。ゾロ目はよく出るのですが、ローロールが続き、攻勢は進展せず。連合軍は予備をアラスに送り、敵の移動を制限すると、セダンの戦車師団を投入し、ドゴール指揮の下、要衝ヴェルヴァンを奪回します。
T3
 第4ターン、ここに来て、ドイツ軍がセダンの強襲に出ます。時間がなくなる中での攻撃とは、もう一つの勝利条件はマジノ線攻略か?!匂いをかぎ取った連合軍は、勝負処とみて航空支援とフランス要塞を投入し、損害を出しながらも、虎の子の空挺作戦と航空支援を行ったドイツ軍を退けます。
T4
 第5ターン、ドイツ軍はザールブリュッケンからマジノ線を攻撃!やはり、そうか!あえて装甲師団を投入して勝利したものの、その先が続かず。連合軍は予備を投入しようとしましたが、ドイツ軍はカードの組み合わせを間違えたらしく「ああ、ダメだ・・・」と投了となりました。
T5
 結果的にいい展開の少なかったドイツ軍でしたが、選択肢の多さがよかったらしく「面白かった」。これだけ、無駄のないシンプルなルールで、高いランダム性とリプレイアビリティがあるとは。中黒デザインは、やっぱり、キレッキレでした。

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