歴史・戦史研究「ちはら会」Drei

この会は、主にシミュレーションという手法を用いて、歴史・戦史を楽しもうという、有志の集まりです。興味ある時代をテーマに選び、図上演習(シミュレーションゲーム)を通して、文献研究では得られない「動きのある歴史」を見つめます。 「ちはら会」では、現在、会員を募集しています。年齢や資格等を問わず、興味のある方ならば、どなたでも参加できます。関心のある方は、下記にご連絡ください。 Eアドレス. chiharakai@apost.plala.or.jp (代表.mitsu)

日本史 幕末・維新

 この日の最後に取り組んだのが、「志士の時代 新版」(WGJ)です。オプションの黒幕ルールを入れて、BIBI・morita・平・J・mitsuの5人でプレイします。
 序盤は、mitsuの井伊直弼の「安政の大獄」が炸裂。これにより、一橋・毛利・山内が行動できず。
E1
 第2エポックも、先を見越して、後半に働く人材を激しくビットします。落とそうと思ってスタートから5金を入れたのに、みなが牽制し合い、戻ってきたときには、なんと10金越えということも・・・。それでも、ビットするかどうか、悩んだあげく「10って、いくら?!」(いや、10は10でしょう!笑い)と誰に話しかけているのやら。
 展開は岡田以蔵が井伊直弼の用心棒(!)につき、暗殺ならず、時代も進まず。結果、mitsuが11点、平さんが10点、Jさんが9点と三強となります。
E2
 時代が大きく動いたのが、第3エポックでした。中途まで相変わらず、井伊直弼が権勢を振るいますが、さすがに尊皇攘夷が続き時代を進めたいと、みなが井伊暗殺に走ります。井伊は一度目は資金で凌ぐも、これ以上の浪費はよくないと警護を諦め、結果、大老暗殺が成功。一橋・毛利・山内らが息を吹き返し、一気に時代が進みます。
E3
 迎えた最終の第4エポック。これが最後と、人物ビットにも力が入り。特にBIBIさんは強力とは言えないキャラを多く集めていましたが(ガヤばかり?!)、残りわずかのところで河合継之助が来て、大いに迷うも大枚を叩いてゲット。と、直後に、本当は欲しかった村田蔵六!思わず、「あっー!」「ああー!」と雄叫びがこだまして。よほど欲しかったのでしょうけど、みなは大笑い。
 行動フェイズでは、ほぼ全てのキャラが行動後に「ええじゃないか!」で戊辰戦争が勃発。江戸と京に兵を集めていた幕府軍が有利かと思われましたが、孝明帝と明治帝の両方を揃えたmitsuが、長州に「錦の御旗」宣言。これで、兵力差を補った長州軍が京を奪還。
戊辰戦争、勃発
 すると、小栗上野介を持っていたJさんが、なんと幕府軍を解散!さらに、一橋慶喜が間髪入れずに謹慎し、勝海舟が無血開城と、まるで史実の再現に(一番、VPが獲得できる)。
長州の力攻
 残りは、抵抗を続ける会津藩のみに。と、奥羽列藩同盟の盟主だったはずの仙台藩が裏切って、会津に侵攻し、これを陥落させてしまいます(VP的には正しいのですが、末永く恨まれるゾ)。最後に残った蝦夷地を、なんと長岡藩が点数稼ぎに陥落させて、軍事的には平和になったはずでしたが・・・ここからが丁々発止のVP稼ぎに。時代遅れのキャラを隠居させ(パージ)、VPの高いキャラをなんども使い回し。「和宮はもう役にたたん」とか「岩倉は稼げる」とか、新政府での影響力を手に入れようと、激しい任官運動が繰り返され、VPがインフレ状態に。
 最後の黒幕効果も入れたところ、結果は・・・
 BIBI:77点(第3エポックから+61点!)
 morita:65点(+59点!)
 平:62点(+44点)
 J:77点(+31点)
 mitsu:36点(+19点)
と、BIBI派閥の逆転勝利でした。ゲームが終わった直後は、morita派閥がトップでしたが、黒幕ルールでガヤばかり思っていた人物カードが奏功し、これだけで17点をゲットしたのが大きかったです。まあ、moritaさんもグラバーやスネルなど怪しい外国人を雇っては、武器を売りまくり、あと一息でした。

 この日、最後にプレイしたのが、「志士の時代 新版」(CMJ)です。基本はほぼ従来版と同じですが、戊辰戦争ルールがシンプルに整理され、かつ、戦争開始直後に人物が再利用できるようになるので、最終エポックはかなり熱くなります。プレイヤーは、str会長・にし・タナック・mitsu・moritaの5人です。
 第1ターン、井伊直弼、松平容保を獲得したmoritaさんが、お約束の安政の大獄を発動し、4VPを得ます。その結果、山内容堂、毛利敬親を引いたstr会長は、全く、行動できず、0VPに。孝明天皇、一橋慶喜を獲得したmitsuも、一橋が余波を喰らって、点にならず。にしさんは、吉田松陰で2点をとり、下関戦争で加点し、4VP。盤石だったのは、島津斉彬、篤姫、徳川家茂のコンボを揃えたタナックさんで、8VPと飛び出します。
T1
 第2ターン、まず、岡田以蔵を取ったstr会長が、井伊を暗殺。やっと動けるようになった毛利と山内を使い、3VPとします。前ターンにRPを消耗したタナックさんは、勝安房を獲得したのみで、13VPに。ここで、池田屋事件、薩英戦争を得たにしさんがイベント効果で、13VPの同点に。ついで、和宮を得たmitsuが、公武合体を進め、慶喜、孝明帝のプレイで、12VPと追いかけます。moritaさんは、先を見越して、薩摩軍を動かせる島津久光と近藤勇を手に入れ、9VPに。
T2 井伊暗殺
 第3ターン、ボーナスを存分に使い、西郷、大久保、中村半次郎の3トリオと坂本龍馬(!)を手に入れたタナックさんは、龍馬効果(他の人物カードのイベントを使用できる!)で一気に時代を進め、25VPと再び、トップに立ちます。mitsuも、慶喜や岩倉具視の時代修整を駆使して、最も効率の良いVP獲得を進め、24VPと背後に迫ります。moritaさんはグラバーをゲットし、幕府に武器を売ってVPを獲得し、19VPに。イベント魔王(?)と化したにしさんは、大政奉還を手に入れますが、人物が少なく18VPに。「イベントを全部発動したら、追加VPはないの?」そんなルールはありません!(笑い)出遅れていたstr会長は、乾勘助と伊藤俊輔を手に入れ、14VPまで進めます。
T3
 第4ターン、ここで勝負と、各陣営は激しいビッティングに。
 にしさんが、人物不足を補おうと、山縣、村田蔵六、伊達を手に入れ、タナックさんは幕臣の小栗をゲット。moritaさんは、スネルとロシュを獲得し、グラバーと合わせて武器商人3兄弟をコンプリート(?)。お金のないstr会長は、戊辰戦争のトリガー「ええじゃないか」を手に入れ、イニシアチブを取ります。mitsuは、錦の御旗を示す明治天皇と河井継之助を得て、戊辰戦争の流れを見守ります。
 岡田以蔵による龍馬暗殺計画、中村半次郎の身代わり、大政奉還後の龍馬排除など、それぞれが、一定の行動を終えたところで、str会長が戊辰戦争を勃発させます。ここで、京にいた佐幕派は・・・新撰組のみ!そう、タナックさんがVP獲得のため、小栗に命じて幕府軍を解散(!)してしまったため、どうにもできない展開に。長州兵は、まともな武器を持たない新撰組を一掃し、京を制圧します。
T4 戊辰戦争勃発
新撰組散華
 続けて、今度はstr会長が、長州兵を進行させ、江戸を無血開城します。
T4 長州兵、江戸無血開城
 これを見て、mitsuは長岡藩を新政府軍に恭順させ、在命の孝明帝で錦の御旗を与え(!)仙台に進攻し、これを確保します。
 ここで、不気味なのは、薩摩藩。藩主を握るmoritaさんは、「もっともおいしい展開」を計算し、ここで去就を明らかにせず。「長州を攻めた方が得か、ふつうに新政府に加わるか・・・」と、なんとも物騒な算段を。新政府軍の要請に一向に腰を上げない薩摩は、後に「島津の空弁当」と呼ばれることに(笑い)。
 この時点で、トップは幕府軍を解散し、西郷どんらを擁するタナックさん、これを各陣営が激しく追いかけます。もはや、軍事的な勝利は難しいと判断したmitsuは、2人の天皇(!)と商人白石を使って、他の人物の暗殺(牽制)に走ります。天皇が権威を使って、商人が金に物をいわせて粛正を仕掛けるとは、こりゃ、たちが悪い(笑い)。その上で、幕末に絶大なVPを獲得できる岩倉具視をフル稼働して、一気にトップに踊り出ます。が、ダメ押しをするはずだった三度目の岩倉ムーブは、moritaさん御用達のロッシュによって妨害(粛正)され、そこまで。おのれ!外国勢力に魂を売ったか?!と、一同、大盛り上がり。
岩倉具視、外国人勢力に暗殺される
 結局、最後は薩摩が新政府軍に加わったものの、「朝敵」会津は、長州藩が単独で攻め落として、終了。
T4 長州単独で会津討伐
 最終得点は・・・
 mitsu:53VP
 タナックさん:51VP 
 str会長:50VP
 にしさん:49VP
 moritaさん:42VP
と僅差の勝負で、異様に盛り上がりました。おそらく、後1アクションあれば、十二分に逆転がある展開でした。
 それにしても初プレイで最後までトップ争いを続けたタナックさん、第1ターンの0VPから起死回生したstr会長、イベント王として君臨したにしさんと、さすがベテラン。でも、最も楽しんだのは「島津の空弁当」と「外国勢力に魂を売ったか(ロシュによる岩倉粛清)」をしたmoritaさんだったかも(笑い)。
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 それなりの慣れが必要で、プレイヤーを選ぶアイテムですが、未導入のフィクサールールを入れて、やってみたいです。

 お年玉を終え、全10名が揃ったところで、組み合わせをして、「志士の時代」(CMJ)をプレイしました。参加者は、風見鶏・mitsu・fho・Tommy・kawaの5名です。
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 fhoさんは、島津斉彬と和宮の公武合体系を手に入れ、序盤にVPを得るも、後半は一気に大政奉還に機運が動き、思うほどVPは伸びず。
 kawaさんは豪商や長州の一部を手に入れますが、時代を動かす能力が少なく、VP獲得で苦労します。
T1
 Tommyさんは、進んで時代を引き戻したり、孝明天皇と岩倉具視のセットで自分で天皇暗殺したりするなど、黒幕ぶりを発揮します(単に騒乱を楽しんでいる?!)。
 mitsuは、徳川慶喜と徳川家茂のセットで佐幕から公武合体でVPを稼ぎ、2位に付けます。また、坂本龍馬で時代を大政奉還に一気に進めます。
 風見鶏さんは豊富な手札で長州と会津の二刀流で、時代を巧みに渡り、トップで第3ターンを終えます。
豊富な手札
 最終第4ターン、kawaさんが「ええじゃないか」を手に入れましたが、軍隊を動かすカードがなく、通常の歴史ゲージで得点しているうちに、時機を逸します。その間に、幕府・会津と薩長が、京に兵を集結します。
T4 ええじゃないか
 そして、後半になって、イベントを発動!兵力では幕府軍が上回り、戦闘修整は西郷のを持つ薩長軍と武器を手にした幕府軍は互角でしたが、明治天皇(fhoさん)が史実通り、幕府軍を賊軍指定します。幕府軍もかなり粘ったものの、兵力差が逆転したところで一気に消耗し、撤退します。ここで、mitsuは幕府を見限り、慶喜恭順で3VPを獲得します。
薩長軍の勝利
 すぐに追撃に移りたかった薩長軍ですが、ほとんどのカードが使用済みだったので、動けるのは本国に待機していた長州勢のみに。当初は幕府押しだった風見鶏さんが、その名の通り(?)、薩長に乗り換え、長州軍で江戸攻めを行います。ここも、幕府軍が兵力に勝っていたものの賊軍修整が効いて敗退。と、動けるカードが尽き、ここでゲームセットに。
終了時
 結果、佐幕と倒幕の両方を揃え、巧みに時代得点を獲得した風見鶏さんが、勝利しました。終了時の得点は、以下の通りでした。
 風見鶏:19点
 mitsu:15点
 kawa:12点
 Tommy:11点
 fho:6点

 新春一番の今月のソロプレイは、「新撰組始末記 洛中辻斬剣戟編」(CMJ)です。昨年度末にコンプリートした幕末維新ジャンルですが、CMJ誌に「新撰組始末記」(WGJ)のヴァリアントシナリオが載っていたことに気付き。新年一発目のソロはこれしかない(!?)と早速、ソロしました。
 ヴァリアントと書きましたが、実際は「新撰組始末記」(WGJ)のユニットを使用した別のチャンバラゲームです。シナリオ名は「油小路事件」で、この時点で血なまぐさいゾ!
T0
 各陣営は最大3ユニットまでスタックでき、スタック単位で行動します。道路は1移動力、町家には3移動力、坪庭には2移動力で進入します。敵に隣接したら、問答無用の斬り合いになります。すでに隣接している場合は、移動できず、マストチャンバラになります。スタック(ユニット)は1手番ずつ、交互に動かすため、移動順が重要になります。
 戦闘では、ユニット分のdrをし、それに最大の武力を加え、比較します。差の分だけ、相手が討ち死にする(!)という壮絶な斬り合いに。その他、drを増やせる「剣」、敵の攻撃を受け流す「柔」、奇数のダイス目を+1できる「強」、それらを無効にできる「経」などの技能があります。なお、町屋のみ防御効果がありますが(dr数+1)、「刀」「槍」の技能を持つ攻撃側は、これを無効にできます。このため、目的を持った(技能を生かせる)スタック編成が重要になります。
 勝利条件は、御陵衛士が伊東甲子太郞の遺体を運び出すか、敵を切った数(身分数)の多い側が勝利します。御陵衛士が全滅すると8VPなので、ゲーム終了まで可能な限り、生き延びるか、新撰組を斬ってVPを稼ぐか、となります。
 当たり前ですが、スタックは人数が多い(dr数が増える)方が有利です。また、dr数を増やす「剣」は各スタックの中核になります。
 これに沿ったセットアップは、以下のようにしました。
 先配置の新撰組は、剣・斬・強を組み合わせた斎藤隊と永倉隊を、敵の退路の町屋に配置します。1ユニットのみ、増援確保のために南路地に配置します。一方の御陵衛士は、最強の服部武雄に、敵の「剣」を無効にする毛内、町屋の防御を効果なしとする鈴木を剣戟スタックとし、それ以外を伊東甲子太郞の遺体周辺に配置します。
 第1ターン、先攻の御陵衛士が果敢に新撰組に斬り込みます。狙いは、2名スタックの永倉隊。服部隊の技能と高い武力が物をいい、包囲して油断していた永倉隊を全滅させます。
T1 服部隊、永倉隊を撃滅
 続く、新撰組は斎藤隊を町屋間の移動をさせ、北側を警戒していた加納をバッサリと切り捨てます。
T1 斎藤隊、加納を斬殺
 その後、御陵衛士は敵の増援を阻止すべく、西と南に隊士を向かわせます。藤堂が南の町屋に潜んでいた原田と一騎打ちに。これに勝てば、増援を阻止できたのですが、地の利を得て、待ち伏せしていた原田に返り討ちになります。
T1 篠原を原田が返り討ち
 これにより、南街路に沖田隊が到着します。
T1終了時
 第2ターン、なおも、御陵衛士は積極的にVPを稼がんと、服部隊が斎藤隊に攻撃をかけます。ともに6を出しましたが、武力で勝る御陵衛士が、敵1名を討ち取ります。
T2 服部隊、斎藤隊を襲撃
 と、そこへ沖田隊が街路を疾走し、服部隊を横撃!御陵衛士1名を討ち取ります。
T2 沖田隊が横撃
 斎藤隊も反撃に出て、服部隊を攻撃するも、引き分け。町屋を巻き込んで、壮絶な斬り合いが発生します。
T2 斎藤隊、膠着
 最後の増援は、運がなく1のみ。沖田に次ぐ剣戟能力を持つ近藤局長が西端に現れます。4名の増援が出たため、次の第3ターンで終了に。
 追い詰められた御陵衛士ですが、血路を開くべく、服部隊が斎藤隊に討ってかかります。建物からの急襲を受けて隊は動揺し、斎藤一と島田魁が討ち死に!
T3 服部隊、逆襲!
 が、沖田総司が側面から襲いかかり、服部武雄と鈴木を討ち取り、仇を取ります。
T3 沖田隊の斬撃!
 VPは新撰組6点:御陵衛士7点と、御陵衛士に分があります。唯一、生き残った藤堂平助は町屋に潜んでパスを選びます。ならば、と近藤局長自らが町屋に押し入ります。池田屋事件もかくやという斬撃戦の結果、藤堂を討ち取り!
T3 局長が引導を渡す
 この時点で、VPは新撰組8点:御陵衛士7点と逆転し、ギリギリの勝利でした。
終了時
 いやー、服部武雄の死に様は凄かった!自身を含め、3名が討ち死にするも、新撰組隊士5名を斬り、御陵衛士の勝利になるところでした。これを討ったのが、最強の剣士沖田総司というのも、よくできており。最後は、近藤局長自らが御陵衛士を殲滅し、逆転勝ちに。
 ただ、史実では生き延びた斎藤一は会津戦争に参戦できず、また、永倉新八も「新撰組始末記」を書くことなく、この世を去ってしまい。やっぱり、チャンバラは「危険がアブナイ」ですね~。

 この日の緒戦は、再販なったばかりの「志士の時代」(CMJ)です。カードプレイを主体にした佐幕派と倒幕派の駆け引きのマルチです。ただし、プレイヤーはどちらかの陣営の固定でなく、両派の主要人物カードを戦略を考えながら競り落とし、歴史上で影響力を発揮することを目指します。主要人物カードのビットには、史実を元にしたボーナスが付くので、ある陣営は長州藩中心だったり、ある陣営は幕府だったりします。が、競り状況によっては両派の人物が揃う(揃えるざるをえない)こともありえます。
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 ターン数は4で、最終ターンには戊辰戦争が勃発する可能性があります。スタートは京都決戦(鳥羽伏見の戦い)ですが、それ以後はシステムが変わり、カードで軍隊を動かし、敵の拠点を攻めてVPを獲得します。
 今回は、mitsu・morita・龍安寺・バーネットの4人プレイです。自分とmoritaさんは昔に一度だけプレイしたことはありますが、ほぼ初プレイ状態です。
 第1ターン、スタートのmoritaさんから主要人物カードを競っていきます。moritaさんは島津斉彬や西郷隆盛など薩摩藩を中心にビットし、井伊直弼で「安政の大獄」を実行します。バーネットさんは、慶喜や近藤勇(新撰組)など佐幕派をかき集め、公武合体やトップに踊り出します。mitsuは島津久光や和宮、山内容堂などの公武合体派でこれを追いかけます。龍安寺さんは毛利敬親や高杉晋作など長州藩閥を集めますが、時代マーカーのコントロールがうまくいかず、出遅れます。
エポック1
 この傾向は、第3ターンまで続き、バーネット18点、mitsu13点、morita13点、龍安寺6点となり、最終ターンを迎えます。
 第4ターン、先手を打って京都に幕府軍と会津軍を集結したバーネットさんが「ええじゃないか」で戊辰戦争を起こします。戦闘技能はほぼ互角でしたが、兵力の差が物をいい、長州藩は敗退し、京都を佐幕派が保持します。倒幕派の分が悪いと判断したmitsuは、土佐藩を中立から佐幕派に変えます。
エポック4 戊辰戦争勃発
 が、これは、一手、早すぎました。幕府軍は薩摩攻撃ができるようになりましたが、薩摩藩は先手を打って土佐を制圧。結果、mitsuは何ら戊辰戦争に貢献(有効なVP獲得)ができないことに。
 その後は、バーネット幕府軍と龍安寺長州軍、morita薩摩軍が激突しましたが、幕府軍が兵力差を生かして、両者を圧倒。倒幕派を薩摩に押し込んだところで、ゲームエンドに。中盤からイニシアチブを握り続けたバーネットさんの勝利となりました。 
長州藩と土佐藩、制圧

  最近、ソロアイテムが流行のようで、対戦ゲームの牙城だったはずのGJ誌やCMJ誌でもソロ専用が付録になるくらい。というわけで、先発の「箱館戦争ソリティア」(Bonsai Games)を(当然、ソロで)プレイしてみました。
T0
 このアイテムは、上記に先んじて販売されたミニゲーム風なんですが、実はヘビー級アイテムといってよい本格派です。プレイヤーが旧幕府軍を担当し、蝦夷共和国建国を目指すのは、先行作品と同じです。が、ゲーム開始を、新政府軍の反撃ではなく、旧幕府軍の松前藩平定にしたことで、ヴァリエーションが増え。さらに新政府軍の行動(一部、旧幕府軍の行動や戦力)をチットドリブンにし、作戦的な流動性と後半の怒濤の新政府軍の攻勢を、再現しています。
 このチットが24枚あり、新政府軍の総攻撃、主攻、助攻、艦隊移動(と海戦)に、悪天候や列強の注目などのイベント、旧幕府軍の人材や防御施設など、専用サマリーがついているくらい。事件も、海賊船嫌疑やガルトネル開墾条約、住民との摩擦、遊軍隊の暗躍、艦砲射撃など、11種類の多彩な内容が起こりえます。
 戦闘は通常の陸戦の他に、海戦、襲撃(青森強襲や宮古湾海戦)ができ、その分、ルールが詳細に。この中では、陸戦が最も簡単な部類です。
 システム自体は、旧幕府軍-新政府軍の順に、行動しなくなるまで交互に実行していくシンプルものですが、それをチットや事件の豊富なヴァリエーションで補っており、ある意味、箱館戦争絵巻のラスボス感さえ、あります。
 展開は、第3ターンまでに旧幕府軍が松前藩を追い落とし、状況によっては青森・宮古湾に襲撃をかけます。第4ターンには新政府軍艦隊が行動をはじめ、制海権を取った箇所に上陸を行います。第5ターン以降は、新政府軍が12枚を超える圧倒的な枚数の行動チットで、大攻勢をかけ、旧幕府軍は遅かれ早かれ五稜郭の戦いに。旧幕府軍はなんとか、この攻撃を耐え凌ぎ、機を見て敵軍を海に追い落とし、威信を守り切れば、勝利となります。
 しかしながら、勝利条件は、史実同様に困難極まるレベルになっています。敵が2カ所の上陸地点を抑えれるごとに威信-1、軍艦が沈めばその戦闘力分の威信が低下、さらに五稜郭への攻撃や艦砲射撃、イベントで一方的に威信が低下することも。もとより威信は10しかなく、めったに上昇は期待できないので、最終ターンには押し切られることがほとんどです。
 事前に数戦、プレイをしましたが、全て、負け。勝てる確率は極めて低いのですが、それでも運がよければと思わせるのが、チットドリブンです。この厳し目のバランスが絶妙で、つい、もう一戦、となるあたりは、さすが作り込まれた中黒デザインです。
 それでは、セットアップに沿って、ソロプレイに。イメージは、ちはら会謹製のオリジナルチャートです。
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 第1ターン、まず、資金が必要な旧幕府軍は、住民に重税を課します。1/2の確率で安泰のはずでしたが、貧しい地での厳しい生活に耐えてかねた住民の怒りが高まり、感情が1つ悪化します。やっと手に入れた3金を加えた18金を、陸軍補給9点、海軍補給6点、残余3金に割り振ります。
 貴重な補給を得た旧幕府軍は、土方指揮の衝鉾隊で松前藩兵に攻撃をかけます。が、これがいきなり「失敗」。兵力比が2倍以上のため、最低限の前進はできましたが、必死の抵抗に手を焼きます。気を取り直した第二撃も同じ結果に。う~ん、出足はかなり厳しいゾ。
T1 土方の攻撃
 攻撃がやっと成功したのは第三撃で、乙部方面の松前藩兵は潰走し、青森に逃げ伸びます。
T1 鶉で潰走させる
 が、松前方面の拠点は残ったままで、これにより威信は-1となります。
 新政府軍チットで、イベントが起きなかったことと、松岡と甲賀の旧幕府軍の人材が来たことが、救いか?
T1チット
 第2ターン、またも資金調達をするも、さらに住民感情が1つ悪化します。これで、新政府軍有利なチットが1枚プールに加わります。
 旧幕府軍は、土方と艦隊を投入して、松前方面で攻勢に出ます。これは奏功し、2回の潰走で、蝦夷に残った最後の新政府軍が撤退します。
 これで一安心のはずでしたが、事件で住民との摩擦や海賊船嫌疑がかかるなど、情勢は落ち着かず。澤左衛門が到着したのが、唯一の朗報か(資金調達の円滑化のため、五稜郭に配置)。
T2終了時
 第3ターン、新政府軍は反攻準備のため、大きな動きはなし。が、事件が多発。見国隊が合流し、陸軍補給が増えたことはよかったのですが、直後に悪天候で貴重な海軍兵力-回天が座礁沈没!(威信-4!)さらに朝廷の追討令が出て、威信が低下した上に、諸外国との交渉ができなくなります。この時点で、旧幕府軍の威信は4にまで落ちます。
 第4ターン、いよいよ、新政府軍の反攻が始まります。品川沖に集結した甲鉄をはじめとする新政府軍艦隊は、宮古湾へ。その後の事件では、アルビヨン号が立ち寄ったものの、新政府軍チットと2枚が追加されるバッドdrに(2/3の確率で、旧幕府軍に資するはずだったのですが)。また、蝦夷地に潜伏する新政府軍の遊軍隊が暗躍し、旧幕府軍の1部隊を消耗させます。最後に、ガルトネル開墾条約を求めてプロイセンが来ましたが、この状況では得策ではないと、旧幕府軍はこれを断ります。
T4チット
T4
 第5ターン、このままではジリ貧になると考えた旧幕府軍は、甲賀源吾の指揮の下、襲撃隊を編成し、新政府軍の出鼻を挫くことを狙います。新政府軍の艦隊が青森まで来たので、ここを襲撃し、結果は、成功!敵の陸軍3ユニットを大混乱に陥れ(プールに)、こちらは、蟠竜が損傷したのみに。
T5 青森襲撃
 これで、余剰の補給が途切れたので、後は新政府軍の活動放題に。艦隊移動で日本海に進攻した新政府軍艦隊の支援下で、長州藩部隊が乙部に上陸、直後に松前藩が松前に上陸します。
 敵の陸軍は、豊富な兵力と補給をもって五稜郭に向かって前進をします。旧幕府軍は大野に胸壁を築いて抵抗しますが、土方率いる衝鉾隊隊が反撃に失敗し、五稜郭へ後退します。松前方面でも、敵が木古内まで前進してきます。騎虎の勢いの黒田隊(長州藩)は五稜郭を攻撃しますが、さすがにこれは失敗します。
T5 五稜郭に迫る
 残りは2ターンのみ、しかし、新政府軍の行動チットは18枚(!)と圧倒的です。
 第6ターン、旧幕府軍は大鳥圭介が有川に四稜郭を構築し、松前方面で徹底抗戦に。防御時に2drできる強みを発揮し、4度にわたる敵の主攻勢を食い止めます。が、さすがに5度目の防衛では弾薬がつき、やむなく撤退しますが、十二分に時間を稼ぎます。
 乙部方面でも土方隊が反撃に出て、敵を押し返し、組んずほぐれつの乱戦で鶉のラインで戦線を安定させます。
T6 土方の反撃
 が、やはり補給切れで、これ以上の攻勢に出られず。新政府軍は艦隊を太平洋に展開すると、回復なった弘前藩兵と薩摩藩兵を砂原と鷲ノ木に上陸させます。
 これで4カ所の上陸地点を抑えられたため、威信はさらに-2となり、士気崩壊寸前に。
T6
 最終の第7ターン、状況は非常に厳しいですが、旧政府軍は全ての資金を補給に回し、一か八かの反撃を狙います。
 まず、第一手で衝鉾隊を回復し、敵海岸堡の攻撃準備を進めます。
 ところが・・・新政府軍の第一手で、いきなり五稜郭への攻撃が成功。それで、威信はさらに-1に。
 それでも諦めない旧幕府軍は、衝鉾隊単独で鷲の木を奪還し、最後の希望-土方隊で砂原方面で攻勢に出ます。三度にわたる猛攻の末、ついに新政府軍を海岸から追い落とします。
T7  噴火湾方面の激闘
T7 土方、敵を海へ追い落とす 大鳥圭介の決死の攻防
 これにより威信は1のままですが、乙部と松前の奪還は不可能で、いずれは0(敗北)に。残された手は・・・敵軍艦を沈め、威信を上昇させるしかない!
 悲壮な覚悟を決めた旧幕府軍艦隊司令官は、五稜郭で榎本に別れを告げると、太平洋にいる敵艦隊に殴り込みをかけます。5戦力対9戦力という圧倒的に不利な戦力差でしたが、第一次噴火湾海戦は引き分け。そして、迎えた第二次海戦でしたが・・ああ、奮闘ならず、敵の優勢な砲撃を受け、蟠竜が撃沈!この瞬間、旧幕府軍の威信はマイナスとなり、敗北が決定しました。
T7 一か八かの艦隊決戦も・・・
 惜しかった!この時で、残された新政府軍チットは3枚のみ。砲撃成功の確率は27.7%でしたが、まだ、もう1回、海戦ができる補給は残っており、いずれかが成功(敵艦を撃沈)していれば、威信をギリギリ食い止められた可能性がありました。
敗北時
 負けたとはいえ、非常に面白かったです。どうにもならない戦力差に絶望しかけながらも、奇跡を信じて立ち向かう旧幕府軍の姿が、実にいい!軍神こと鹿内氏がよく評価に上げる「このゲームには、物語性がある」んです。ルール量に圧倒されていたり、機会がなく死蔵されている方は、ぜひ、プレイをしてみてください。
 なお、勝つまでやるのがちはら会なので、その後、第5戦目をしたところ・・・ついに、勝ちました!序盤に、松岡・甲賀・澤がきて、さらに胸壁と四稜郭も完成。悪天候で千代田形を失ったものの、2回行った外交が奇跡的にともに成功し、ほぼ万全の体制で新政府軍を迎え撃ちます。
T3
 第4ターンには、襲撃隊が宮古湾でアボルダージュに成功し、甲鉄を撃沈!
T4 アボルダージュ!
 第5ターンから新政府軍の上陸が始まりますが、反撃で数カ所は海に追い落とし。ある地点では大鳥圭介が類い希な指揮を発揮して、死守。
T6
 森本弘策による蟠竜の拿捕などもありましたが、最後は旧幕府艦隊が殴り込みに成功し、陽春を撃沈して、凱歌を上げました。
T7 陽春、撃沈!
終了時
 そして、最後の新政府軍チットを凌ぎきり、威信7点で堂々の勝利を飾りました。住民感情が悪化していたので、持久的勝利でしたが、なんとか初勝利に辿り着きました。

 この日の本命は「幕末京都騒乱」(GJ)で、いわゆるCOINシステムです。COINの凄いところは、4勢力の勝利条件とシークエンス(できること)が全て違う点でして。特別ルールを全てカードに落とし込んで、歴史再現性とプレイアビリティを上げたカードドリブンも画期的でしたが、COINはそれを突き詰めた感があります。
 言ってみれば、4つのシステムを同一プレイするわけで、敷居は高めですが、マスターできると、それっぽさに痺れます。今回は、幕末京都を舞台にした4勢力の暗躍をインストします。ランダムで陣営を選び、会津藩(mitsu)・新撰組(Tommy)・尊皇攘夷(kawa)・長州藩(タナック)となります。
 序盤、機動力を生かして新撰組(Tommy)が洛内を駆け巡ります。まず、上京に6枚スタックを突入させると、サーチ・アンド・デストロイよろしく、尊皇攘夷(kawa)の志士と公家を全滅させます。
序盤、新撰組が切りまくり
 返す刀で、今度は祇園に進攻しますが、尊皇攘夷(kawa)も資金を注ぎ込んで隠匿で対抗します(尊皇志士と長州藩士は、潜伏状態では撫で切りできない)。
さらに祇園に斬り込み!
 この間、会津藩(mitsu)は藩兵と見廻組を動員するとともに、主力を禁裏に集め、ここの支配を盤石にします。長州藩(タナック)は、藩士を散開させて新撰組のいないエリアの支配を取り、資金をばら撒いて支持を上昇させます。が、肝心の藩兵は、なかなか動員できず。
 第1期末は新撰組(Tommy)が3カ所支配で3VP、尊皇攘夷(kawa)が新撰組がいなくなった後の上京に志士を沸かせて公家を再配置し、4VP(勝利条件は6VP)。会津藩(mitsu)と長州藩(タナック)は、支持がそれほど取れず、6VPです(勝利条件は12VP)。
第1期末
 第2期は、新撰組(Tommy)と尊皇攘夷(kawa)が相変わらず、「鬼ごっこ」を続け。新撰組(Tommy)がサーチすれば、尊皇攘夷(kawa)が地下に潜り、隙を見て隊士をオルグして転向させるなど、学生運動並の混沌に(いや、正確には、こっちの方が先)。
 長州藩(タナック)は、藩兵の終結を進め、本国に相当数の正規軍が動員されます。
 と、ここで、会津藩(mitsu)が次の期末を睨んで、コマンドを駆使して、一気に御所の支持を4カ所まで拡大します。そして、そのまま、第2期末を迎え、12VPを獲得し、サドンデス勝利しました。
第2期末、会津藩のサドンデス勝ち
 システムがわかったところで、2戦目に。再度、ランダム選択しましたが、偶然にも陣営は変わらず。
 展開は、ほぼ第1戦と同様ですが、新撰組(Tommy)は、同陣営ながら会津藩(mitsu)を警戒して、上京ではなく、下京を制圧します。尊皇攘夷(kawa)は、陰で長州藩に金をせびりながら(活動資金をくれないと、町人から徴収して支持を落とすゾ)、勢力を伸ばします。
 やむなく、会津藩(mitsu)は自前の見廻組を壬生と西陣に派遣して、ここの支配を取りますが、支持の取り付けに苦労し、VPは伸びず。長州藩は、進発論が国元で発動され、早くも6個藩兵が長州藩邸へ。
 第2期はそれぞれの思惑が絡みながら進み、フル動員した会津藩(mitsu)の見廻組が禁裏でご用改めをして、長州藩士と勤王志士を捕縛します。
第2期末
 一方、尊皇攘夷(kawa)は長州藩(タナック)のアシストもあり、特能をつかって4名の新撰組(Tommy)隊士を寝返らせます。これにより、新撰組(Tommy)が隊士不足を起こし、動きが不全となります。
 迎えた第3期、行動の自由を得た長州藩兵(タナック)が洛内を暴れ回ります。上京と下京に乱入した藩兵が、片っ端から新撰組(Tommy)を抹殺。ここの支配を取ります。う~む、過激派相手にはめっぽう強いけど、武装警察では、とても正規軍には太刀打ちできない。このままでは、倒幕派に京を制圧されてしまう!
第3期 長州兵、洛内に乱入
 焦った佐幕派は、新撰組(Tommy)のアシストで、全ての会津藩兵(mitsu)を市街地に投入します。上京と下京で激しい市街戦となりなり、側面からの奇襲を受けた長州藩兵(タナック)は総崩れとなり、今度は佐幕派が有利に。
第3期 それを会津兵が撃破
 そのまま、ゲームは第4期に突入。新撰組(Tommy)は山崎蒸の技能を使って、祇園でサーチ・アンド・デストロイを仕掛けますが、隊士不足と斬り込みdrに祟られ、制圧できず。全体的なユニット数が足りない佐幕側は、会津藩兵(mitsu)で軍政を引きますが、長州藩兵(タナック)が再集結を始めたため、やむを得ず、御所へと引き上げます。
 これにより、締め付けが緩まった尊皇攘夷(kawa)と長州藩(タナック)は、志士と藩士を動員して、西陣と祇園の支配を維持・奪還します。
 そして、第4期末の「長州征伐」。勝利の候補は、5人の公家を展開している尊皇攘夷(kawa)か、現時点で御所を含む4カ所を制圧している会津藩(mitsu)に。そして、最後の行動も、この2勢力になります。できれば、後手が望ましかったのですが、先手は会津藩(mitsu)。尊皇攘夷(kawa)の動きを想定して、藩兵を壬生と下京に派遣します。これに対し、尊皇攘夷(kawa)が志士を下京で発生させ、この支配を取り返します。結果、会津藩(mitsu)は勝利条件に2点足らず、尊皇攘夷(kawa)が1点不足で上回り、尊皇攘夷(kawa)の勝利となりました。
終了時
 ちなみに警戒ポイントに会津藩兵を置いていれば、尊皇攘夷(kawa)のユニット移動が限定され、下京を固め、勝利でしたが、プレイ中は、気がつきませんでしたね~。まあ、いいところまで行きましたので。

 このまま、最終ヴァリアントに移ります。ここでは史実で失われた共和国海軍の旗艦開陽が登場します。一方、強力無比だった弁天台砲台の火力は、新政府軍の遊撃隊の活躍で1dr-1に。drしたところ、なんと1火力に。防御力は替わらないものの、ほぼ、無力となります。
T0
 それでも、座礁して砲力が倍加した敵艦隊と砲台に、迂闊に近づくのは危険です。よって、新政府軍としては、、敵艦隊の能力をある程度、無力化してから、弁天台砲台の攻撃に移る作戦とします。
 序盤、共和国艦隊は同様に弁天台砲台をめざして、全速力で前進します。これにより、開陽と回天の主力艦2隻と、蟠龍と千代田形が分離せざるを得ないのは止むなしとします。これに対し、新政府軍艦隊は移動力1と移動力2の艦列を組み、一丸となって敵に接近します。
T3
 共和国軍艦隊が、砲門を開いたのは第4ターンでした。二列の単縦陣で接近する新政府軍艦隊に、砲撃を行い、甲鉄と朝陽を混乱状態にします。が、すぐに回復し、実害はなし。
T4 初砲撃
 第5ターンにお返しとばかり、回頭を終えた甲鉄が、主力艦から遅れていた蟠龍を狙い、砲撃。アームストロング砲が突き刺さり、1ヒットを与えます。
T5
 第6ターン、またも共和国軍艦隊が砲撃しますが、混乱のみで損害はなし。と、新政府軍艦隊が移動を終え、3隻が回頭を得た時点で砲撃。蟠龍に最大砲撃が降り注ぎ、2ダメージ目を与え、移動不能にします。
T6
 第7ターン、新政府軍艦隊は慎重に砲台から4へクスの距離を取り、単縦陣で戦列を展開します。敵が近距離に接近したところを見計らって、開陽と回天が自主座礁し、全砲門を指向します。主力艦同士の砲撃が始まり、蟠龍(移動戦闘不能)が大破します。
T7
 第8ターン以降は、激しい砲撃戦に。共和国軍艦隊が2度の砲撃で混乱状態を作れば、新政府軍艦隊は主導権ホールドの回復をタイミングよく使って、連打を回避。それでも、朝陽が1ヒットを受けます。対して、共和国軍艦隊は開陽と千代田形が1ヒットを受けます。
T8
T9
 その後も、正面からの殴り合いで損害が急増。第10ターンが終わった時点で、共和国軍艦隊は千代田形はが3ダメージで攻撃力を失い、開陽も同じく攻撃力-1となります。が、新政府軍の被害も甚大で、最も防御力の低い延年が4ダメージで行動不能で、砲撃を浴び続けている朝陽も3ダメージを受けます。
T10
 第11ターン、ここに来て共和国軍の砲撃チットが連続し、延年と第二丁卯が沈没!朝陽も行動不能に。が、共和国軍も開陽が移動行動不能になり、弁天砲台の右翼海域の艦艇が沈黙します。
T11
 残り3ターン、このままだと自動的勝利となるのため、新政府軍は無傷の甲鉄と春日を突進させ、弁天砲台への攻撃を開始します。強力な砲撃で度々、弁天砲台を混乱状態にするものの、タイミングよく回復チットが来て、ヒットを与えられず。
 共和国軍の猛烈な反撃を受けながら、分厚い装甲でわずか1ヒットに止めた甲鉄が、最終ターンに奇跡を信じて、弁天砲台へ最終砲撃を行いますが、これも混乱が限度。この瞬間、弁天砲台の無傷が決まり、共和国海軍の自動的勝利となりました。
T14
 通常シナリオに比べ、かなりいいところまで行ったのですが、やはり弁天砲台の堅さがポイントでした。

 今月のソロプレイ第6弾は、「箱館湾海戦」(WGJ)から、最終シナリオのシナリオ4「箱館湾海戦」です。このシナリオは、箱館湾での最終決戦を描いたもので、史実では新政府軍が朝陽を撃沈されるも、敵艦隊と砲台を沈黙させ、政府軍の勝利に貢献しています。
 共和国海軍には特別ルールで座礁があります。敢えて座礁をさせることで、砲撃機会が2倍になる(左舷・右舷両方)ものです。ただし、射界は限られるので、座礁位置の判断が重要になります。
 勝利条件は、敵により多くの打撃を与えた側が勝ちですが、やはり弁天台砲台に損害を与えられなければ、自動的に共和国軍が勝利します。弁天台砲台は装甲2を持つため、ヒットを与えるには最大drでも確率は低くなります。そこで、新政府軍としては艦隊を二つにわけ、左舷と右舷を交互に射撃し、混乱を重ねてヒットを狙う作戦に出ます。
 序盤、両軍はそれぞれの思惑通り、艦隊機動を行います。新政府軍は、移動力1の主力部隊と移動力の分遣隊に分離し、弁天台砲台を前面で合流させる計画です。一方の共和国軍は、適切な座礁位置を探りつつ、一心に弁天台砲台に接近します。
T2
T4
 初の砲撃になったのは、第5ターンで、先に射撃位置を占めた共和国海軍が、敵主力艦隊の2番艦延年を砲撃し、混乱状態に。が、距離もあって、すぐに回復します。
T5 共和国軍の初砲撃
 その後も、両軍は弁天台砲台前に向けて移動を継続し、第8ターンに新政府軍の別働隊と主力部隊の一部が射撃位置に取り付きます。これを見た共和国軍は、一斉に艦隊を座礁させ、敵主力艦隊に集中砲撃の態勢を取ります。同時に弁天台砲台が火を噴き、敵別働隊の春日に1ヒットを与えます。新政府軍も旗艦甲鉄のアームストリング砲で、千代田形に1ヒットを与えます。
T8 共和国軍、座礁して猛砲撃
 第9ターンから、近距離砲撃での死闘の幕が切って落とされます。共和国海軍は延年に砲撃を集中し、混乱の蓄積で1ヒットを与えます。新政府軍は、まずは砲台に損害をと、別働隊の砲撃で混乱状態にします。
T9
 第10ターン、共和国軍は1手目で回復しましたが、新政府軍の両部隊の砲撃が連続で決まり、弁天台砲台に待望の1ヒットを与えます。これで、敵の自動的勝利を阻止します。
T10 弁天台に1ヒット!
 ならば、あとは砲台の射界から外れるべく、移動を開始しますが、そうは問屋が卸さないと、共和国海軍が猛烈な射撃を春日に浴びせます。混乱に陥ったところに命中弾が集中し、春日は3ダメージを受けて中破となります。
T10
 第11ターン、艦隊移動中のため、効果的な砲撃ができない新政府軍に対し、共和国海軍が集中砲撃を連続し、春日と延年を大破(移動・戦闘不能)に。続く、2ターンの攻撃が止めとなり、両艦が沈没します。この時点で両軍の損害は、新政府軍10:共和国海軍4とダブルスコア越えに。
T11 猛烈な火砲に捕まる
T13 2隻が轟沈
 第14ターン、新政府軍は意地の砲撃で、蟠龍に2ヒットを与えるもそこまで。最終的には、10:6の損害で、共和国海軍の勝利となりました。
終了時
 う~ん、弁天台砲台に先にヒットを与えてからという作戦は機能しましたが、近距離から2倍の砲撃を受けたたため、損害過多となりました。やはり、一定程度、共和国海軍を消耗させてからでないと厳しいか。その場合は、弁天台攻撃は敵の回復チット次第になりそうです。

 今月のソロプレイ第5弾は、「箱館湾海戦」(WGJ)から、シナリオ3「松前沖海戦」です。このシナリオは、松前要塞攻撃に来航した新政府軍艦隊を、共和国軍艦隊が迎え撃つというもので、史実ではなかった仮想戦です。前年末に江差沖で座礁した開陽が健在という設定です。
 勝利条件は、敵により多くの打撃を与えた側が勝ちですが、松前砲台に損害を与えられなければ、自動的に共和国軍が勝利します。
 そこで、共和国軍は、松前砲台を攻撃しにくくするため、前面の海域に艦隊でスクリーンを張る作戦を取ります。新政府軍は、共和国海軍に打撃を与えつつ、タイミングを見て松前砲台を損傷させる計画です。
T0
 第1ターン、共和国海軍は優速の開陽と回天を前進させると、事前の計画通り、上端から6へクス目で転進し、阻止ラインの準備をします。新政府軍は、一斉回頭で単横陣となり、距離を詰め始めます。
T1
 第2ターン、接近する春日に対し、いち早く頭を押さえた開陽が砲撃します。が、距離があったため、混乱状態にするに止まります。
T2
 第3ターン、同航戦に入った春日と朝陽が、後方の回天を砲撃し、こちらも混乱状態に。
T3
 第4ターン、主導権を取った新政府軍は、事前チットで共和国軍回復をホールドすると、左舷砲撃で混乱中の回天を連続砲撃。またも混乱状態にし、累積で1ヒットを与えます。開陽も先頭の春日に撃ち返し、こちらも1ヒットを与えます。
T4 初の命中弾!
 第5ターン、両軍の低速艦が追いつき、横二線の単縦陣の撃ち合いが開始となります。
T5
 当初、優勢に立ったのは新政府軍でした。最新鋭艦甲鉄のアームストロング砲が火を噴き、共和国海軍旗艦の開陽に1ヒットを与えます。
T6
 が、第7ターン、共和国軍も撃ち返し、損害を与えている春日に2ヒットを追加し、速力-1、砲撃力-1とします。新政府軍は先頭と殿に砲火を集中し、開陽に1ヒット、千代田形に2ヒットを与えます。
 その後、共和国軍の回復と砲撃のタイミングが合い、小破している春日にさらに2ヒットを与え、これを大破(8行動不能)にします。お互いにヒットを与えていますが、いまだ、松前砲台は健全です。
T9
 ここで、新政府軍は目の前の敵艦隊を飛び越して、松前砲台に遠距離砲撃を仕掛けます。これが見事にヒットし、砲台に1ダメージを与えます。これで、敵の自動的勝利をソ失できたので、再び、敵艦隊との決戦に。
 第10ターン、与えたヒット数で同数の新政府軍は、相打ち上等と敵との距離を詰めて
激しい砲撃戦に。かなりの艦艇が混乱しながらも、回天に2ヒット目を与え、1ポイントリードします。
T10  松前砲台にヒット!
 第11ターン、突進した朝陽が開陽の一斉射を受けて、中破しますが、甲鉄のアームストリング砲で回天も中破に。
T11
 最終第12ターン、先手を取った新政府軍は、回天に砲撃を集中し、ついにこれを大破に。結果、総ダメージ数は、10:7となり、新政府軍の勝利となりました。
終了時
 今回の勝利に寄与したのは、主導権の獲得数でした。引き分け1回、共和国軍3回に対し、新政府軍が8回と、圧倒的にチットコントロールをできたことが、有利に働きました。主導権を取ったから絶対的有利とまではいえませんが、事前チットで敵の動きをある程度、制御できるのは、最終的な優勢に繋がります。シンプルなシステムですが、海戦における運不運や優秀な艦隊の機能性をうまく発揮していると思います。

 続いて、ヴァリアントに挑戦します。戦力的に不利な共和国軍に、史実では途中で迷子になった蟠龍を加えるものです。
 共和国軍の作戦は、2隻の軍艦による共同攻撃です。通常シナリオと同様に、回天によるアボルダージュという選択肢もありますが、決して成功率は高くないことや蟠龍のみでの砲撃では春日にヒットを与えられる可能性は低いことから、両艦による集中砲撃が合理的でしょう。
T0
 序盤、共和国軍は計画に沿って、新政府艦隊に近づきます。移動力2の回天のみでの突入は当然、選択せず。蟠龍の速度に合わせ、前進をします。
 砲撃開始は、第4ターンでした。前衛の回天が突進して敵艦隊に横付けし、足の遅い蟠龍も3へクスの近距離で砲門を開きます。最大dr数の5の攻撃では、春日に2発の命中となり、装甲値を引いて1ヒットと混乱を与えます。
T4 春日へ砲撃
 第5ターンに、新政府軍は稼働チェックを行いますが、drは1。これで最終ターンまで、稼働することはなくなります。共和国軍はなおも春日に猛砲撃を加えますが、今回はdrが優れず、混乱のみ。
 最終の第6ターン、春日が混乱から回復する前に、共和国軍が三度目の砲撃。直撃弾はなかったものの、至近弾でさらに混乱となり、1ヒットを加えます。ここでゲーム終了。
T6
 本命の甲鉄は無傷でしたが、それに次ぐ優秀艦の春日を中破させたことで、来る箱館決戦では、共和国軍に有利な要素となったことでしょう。
終了時

 今月のソロプレイ第3弾は、「箱館湾海戦」(WGJ)からシナリオ2「宮古湾海戦」です。開陽を海難事故で失った共和国軍が、起死回生の戦力奪取を試みて、宮古湾に停泊中の甲鉄を狙うという設定です。史実では、夜間の奇襲で甲鉄への接舷に成功するも、甲板の高さから十分にアボルダージュができず、時間を浪費。最後は、接舷を解いて、回天が撤退しています
 まず、奇襲を受けた新政府軍は、当初は行動できません。夜間視認か攻撃を受けると、次ターンから1d6して合計が10に達すると、稼働できるようになります。
 また、共和国軍は甲鉄にアボルダージュを実施できます。両軍とも砲撃力分のdrをして、揃い目の分だけ、敵の人員に損害を与えられます。これが3ヒットになると、乗っ取りに成功します。もっとも甲鉄は、回天と同じ3砲撃力があり、かつ、ガトリング砲の威力(dr1個を裏返せる)から、アボルダージュでも有利です。
 初期配置は固定で、新政府軍艦隊の左舷から共和国軍の回天が接近するところから、スタートです。
T0
 第1及び第2ターン、回天は敵に視認されぬよう、速力を調整しながら、敵艦隊に忍び寄ります。
T2 忍び寄る回天
 第3ターン、速力を上げて突進すると、見事な操艦で転舵し、甲鉄の舷側に横付けします。そして、アボルタージュを実行!いきなりの奇襲に甲鉄の乗組員は慌てたものの、回天も甲板の高さから乗り移りが遅れ、結果は1ヒットずつのイーブンに。
T3 アボルダージュ実行!
 第4ターン、混乱から回復した甲鉄がガトリング砲をぶっ放し、回天の切り込み隊をなぎ倒します。これで、損害は甲鉄1:回天2に。
T4 
 第5ターン、ここで回天に乗船していた土方が、檄を飛ばします。「俺に続けー!」2m以上の高低差を乗り越え、甲鉄に乗り移ると、抜刀して敵に斬りかかります。これで、損害は甲鉄2:回天2のイーブンに。
T5 ともに2ダメージ!
 どちらが勝ってもおかしくない展開でしたが・・・再び、ガトリング砲が火を噴き、甲板上にいた共和国軍兵士を一掃します。これに勢いを得た新政府軍兵士が、逆アボルタージュを仕掛け、回天を制圧。甲鉄を守り切った上に、敵艦を奪取した新政府軍の勝利となりました。
 う~ん、確率的に分が悪いのはわかっていましたが、アボルダージュはやっぱり賭ですね。
T5 最後は、ガトリング砲が物を言い・・・

  今月のソロプレイ第2弾は、せっかくなので、ヴァリアントシナリオの甲鉄対開陽に移ります。甲鉄(ストーンウォール)は、ゲーム最強の装甲2と防御力18を誇り、火力こそ3ですがアームストロング砲の効果でダイス1つを裏返せる能力を持ちます。よって、開陽といえど、よほどのことでなければ、有効弾(3打撃以上)は難しく、やはり混乱の積み重ねによるダメージを狙います。
 14ターンという長丁場のため、序盤、両軍は慎重に距離を詰めます。
T3
 第4ターン、有効射程に入った甲鉄が開陽へ砲撃を行い、混乱状態にします。が、直後に回復し、今度は開陽から甲鉄へ砲撃。このうち2発が命中となるものの、厚い装甲に阻まれ、混乱状態になる程度。
T4 甲鉄は固かった!
 第5ターン、新政府軍が回復した直後に、再び、開陽の砲撃に。またも2発を命中させるも、甲鉄はその名の通り、硬かった!それでも連打を浴びたため、回頭して一旦、距離を取ります。
T5 甲鉄の装甲を抜けず
 その後、両艦は右旋回をしながら、有効射程に入るタイミングを図ります。
 再び、接近したのは、第10ターンでした。甲鉄が絶妙な操艦で、自艦だけが砲撃できる位置を取ると、第11ターンに開陽を夾叉し、混乱状態にします。連打を嫌った開陽は、一旦、離脱します。
T10 接近!
T11 開陽、混乱
 回復した段階で、残りあと2ターンに。決着を付けるべく、両者は距離2に急接近し、猛烈な砲撃を浴びせ合いましたが・・・第13ターンに、甲鉄が開陽を再び、混乱状態にするもののすぐに回復。
T13
 最終第14ターン、至近距離から開陽が甲鉄に2発を命中させるも、ヴァイタルパートを打ち抜けず、損害なし。
T14
 結局、両軍とも有効打がないまま、損害なしで終了。規定により、新政府軍の勝利となりました。
 主力艦同士の仮想戦でしたが、甲鉄の防衛力はイデのバリア並みに強力でした。

 今月のソロプレイ第1弾は、マイブームの幕末維新アイテムから「箱館湾海戦」(WGJ)です。「箱館戦争」(WGJ)に同梱された海戦アイテムで、基本はチットドリブンです。両軍の移動、左舷砲撃、右舷砲撃、回復チットをランダムに引き、それぞれ、実行します。
 移動は移動力分だけ、前進できますが、最大でも2なので、予測はしやすくなっています。旋回は1へクス移動する度に60度回頭ができ、移動しなければ120度まで可能です。ただし、回天や春日といった外輪船は小回りが利かないので、移動後に60度のみの旋回となっています。
 戦闘は砲撃力分のdrをして、ゾロ目あるいは揃い目の分だけ、ヒットするのは、元の「箱館戦争」と同じです。だたし、両軍の主力艦は装甲があり、その分がヒット値から引かれるので、損害を与えることは容易ではありません。代わりにdrを合計し、それが目標の防御力を越えると、混乱になります。混乱状態の船がさらに混乱すると1損害となるので、回復チットのタイミングを見て、有効な砲撃を行うことが重要です。
 このゲームでは、主導権の規定があります。主導権を取った側は、1-3までの指定数のチットをターン始めに獲得し、任意のタイミングで使用できます。敵のチット引くこともありますが、いわゆる「動きを読んだ対応」ができ、有利な攻撃を(あるいは不利な状況からの離脱を)しやすくなっています。
T0
 まずは、シナリオ1「阿波沖海戦」です。これは、鳥羽伏見の戦いの時期に、大阪湾から離脱を図る新政府軍の春日を、幕府軍の最強艦開陽が迎撃するものです。砲力や防御力は開陽が圧倒的していますが、春日には主導権2(チット2枚を任意で使用できる)があります。
 第1ターン、両軍は砲撃距離(6へクス以内)に入るため、接近をします。
T1
 第2ターン、主導権で幕府軍の回復チットを引いた新政府軍は、すぐにこれを使用して無駄にさせます。これによって、新政府軍が砲戦で有効打を連続して、開陽に損害を与える確率が高くなります。続いてランダムチットは、幕府軍の移動となり、お互いの砲撃距離に入ります。新政府軍は回復チットを適切なタイミングで引けるよう、ここで先に敵に撃たせますが、幸いにして効果なしに。続いて、新政府軍の砲撃となり、混乱状態にできるチャンスでしたが、こちらも当たらず。
T2
 第3ターン、またも主導権で幕府軍の砲撃を引いた新政府軍は、先に撃たせるものの、効果なし。新政府軍の砲撃も残念ながら、当たらず。
T3
 第4ターン、幕府軍の回復チットが無駄になった直後に、新政府軍が砲撃するも、やはり当たらず。と、同様に新政府軍の回復チットが無駄になった直後に、今度は幕府軍が砲撃。これが春日を夾叉し、混乱状態にします。
T4
 第5ターン、回避を図る新政府軍ですが、旋回性能に勝る幕府軍が追いすがり、再び砲撃。5火力でなんと3ヒットとなり、春日の損害は一気に2へ!さらに混乱状態に。
T5
 第6ターン、運は完全に幕府軍にあり、ランダムの第一チットが幕府軍の砲撃。今回は直撃こそなかったものの、春日は混乱から回復する前に、再び、混乱となり、3ダメージ目を受けます。
 結果、3損害で春日を中破させた幕府軍の勝利となりました。主導権は、砲戦力の壁を越えられず。
T6
 

 この日の緒戦のお相手は、なんと中学生のShogunさん!2年ほど前から千葉会に来るようになり、ゲームずれしたおっさんたち(失礼!)を相手に、一歩も引かない健闘をしています。
DSC01570
 千葉会yagi会長から「トワイライトに誘ってみよう」とマッチメイクがあり。当日、「トワイライト・ストラグル」(GMT)とそのシンプル・バージョンの「江戸幕府の黄昏」(GJ)を持ち込んだところ、ご希望で「江戸幕府の黄昏」に。陣営はこれも本人の希望で佐幕派を、mitsuが倒幕派を担当します。少し丁寧にインストをした後に、対戦へ。
 第1ターン、佐幕派と倒幕派は西国3エリアの支配を巡って、激しく影響力合戦を行います。先手の倒幕派は薩摩を抑えると、早々に得点カードで6VPをゲットします。早くも吉田松陰が来て、長州は安泰。佐幕派は土佐藩に集中投下し、これを支配。薩摩は、佐幕派が介入し、両派の激しいレースに。「生麦事件」が起こったため、ターンエンドには攘夷実行VPが倒幕派に入り、11点まで押し上げます。
T1
 第2ターン、佐幕派は京都で攻勢に出ます。前ターンに配置した新撰組に加え、京都守護職の松平容保が登場。ここで、すかさず、京情勢VPをゲットします。倒幕派も京に政治力を積み重ねますが、福井藩と彦根藩(倒幕派のプレイで井伊直弼が登場、泣き)を押さえた佐幕派は、京に対して内紛!一度は逆転された京情勢をイーブンに戻します。この中学生、ただ者じゃないぞ!やむなく、倒幕派は薩摩・鳥取・宇和島藩を押さえ、なんとか、主導権を維持します。佐幕派の巻き返しで、VPは倒幕派6点まで低下します。
T2
 第3ターン、奥羽・中部・南海道を押さえた佐幕側は、中国地方で攻勢に出ます。焦点となったのは、長州藩。政治安定度が低いことに目を付け、クーデターを行いますが、drに恵まれず、不発に。が、さらに、もう一度、クーデターを仕掛け、今度は長州藩の支配を奪います。う~む、緒戦で内紛に続き、クーデターまで使いこなすとは、やっぱり、ただ者じゃないぞ!が、倒幕側も再々クーデターを仕掛け、奪還に成功します。「日米和親条約」に「通商条約」が来て、時代は一気に開国へ。
T3
 第4ターン、迸る若い力とロートルの老練さの戦いは、土佐藩へ。倒幕派が「武市半平太」で藩論を抑えれば、すかさず、佐幕派は山内容堂を擁し、土佐勤王党を壊滅させます。ここで、倒幕派は必殺の「敬天愛人」で一気に土佐を引き寄せます。
 このターンは、倒幕派のカードがよく、天狗党の乱で会津を切り崩し、クーデターで水戸を奪還。熊本と福岡も押さえて、盤上の優勢を確保します。佐幕派は自ら「桜田門外の変」をプレイせざるを得ず。が、佐幕派が攘夷決行等でVPを凌いで、倒幕派2点まで低下させます。
T4
 第5ターン、ここから、佐幕派の大攻勢が始まります。水戸藩をクーデターで取り返すと、土佐藩もひたすら影響力を積み重ね、藩論を佐幕派に。さらに周辺の阿波・高松・岡山を次々と支配。京都では、佐賀藩兵に幕府歩兵も加わり、軍事力でもって盤石の優勢を確保します。
 倒幕派は,逆に佐幕系のカードばかりで、したくない得点を強要され、VPは一気に佐幕派が9点に。
T5
 第6ターン、この勢いは続き、京情勢得点を佐幕派が行って、VPは一時、サドンデス危険領域の16点まで跳ね上がります。が、倒幕派も粘って開港場のVPで取り戻します。また、佐幕派がVPに拘っている隙を突き、九州と中国で完全な優勢状態にします。見学していた水戸爺さんがターン終了時に「よく、凌ぎましたね~」というくらいの激闘でした。
T6
 第7ターン、耐えに耐えた倒幕派が報われるときが・・・ここで九州の得点カードを使って7点を奪い返します。その後、「海援隊」で坂本龍馬を土佐藩に送り込み、ここの支配を奪還。次は「陸援隊」で中岡慎太郎を水戸藩に派遣し、これも逆転。前ターンの優勢をフル活用し、内紛を仕掛けまくって、中国地方を完全制覇。九州・奥羽・南海道も部分支配を確立し、VPを倒幕派2点まで奪い返します。と、これを見たShogunさんは、逆転は不可能と投了となりました。
T7
 最後は、ロートルの意地で勝利できましたが、それにしてもShogunさんは強かった!緒戦からクーデターと内紛をこなす熟練ぶり、得点カードの時期を得た実施、そしてなによりイベントの抜群の使用!勘所がよい上に、覚えが早く、システムの本質を見抜く力は、並み居るおっさんたちを大きく凌駕していますね~。自分で同好会を立ち上げ、あのMCさんにも勝利したことがあるということも、納得できる実力でした。
 また、機会がありましたら、ぜひ、再戦しましょう。今度は,本家の「トワイライト・ストラグル」でも・・・。

 続いて、「田原坂の戦い」(WGHB)からキャンペーン・シナリオです。ターン数は、第16ターンで、政府軍が補給下の15へクス以上の街道を支配していれば、勝利となります。薩摩軍も第5ターンまでに補給下で高瀬を占領していれば、サドンデス勝利になります。
 展開としては、当初、薩摩軍が攻勢をかけ、高瀬占領は無理としても、可能な限り街道沿いの支配地域を広げます。政府軍は増援でそれを凌ぐと、第8ターンから陣地の地形効果を無効にする抜刀隊を投入し、反撃を行います。戦力差は大きく、いずれは薩摩軍が敗退するでしょうが、最終ターンまでどこまで守り切れるかが、勝敗を分けます。
T0
 第1ターン、特別ルールで行動のできない政府軍を、薩摩軍の前衛が急襲します。木葉にいる政府軍を3:1でD1としますが、勢いに乗って行った第二次攻撃は戦果なしに。
T1SA1
 第2ターン、政府軍は大量の増援を受け取ると、高瀬を中心にしながら、可能な限り、前衛で防衛線を張ります。
T2G
 薩摩軍は、主力を集中し、中央から南側で攻撃をかけますが、戦果は低く、敵を後退させるに止まります。
T2S
 第3ターン、政府軍は北部の薩摩軍が突出したのを見逃さず、限定反撃をかけます。包囲下の4:1攻撃が順当に成功となり、初の損害はなんと薩摩軍となります。
T3G
 怒り心頭の薩摩軍は、北部と南部で攻撃をかけ、北部では渡河攻撃でD2を出して、敵の1ユニットを除去します。南部では、3:1攻撃でD1を出し、隣接へクスが包囲されるため、後退を嫌った政府軍はステップロスで凌ぎます。が、肝心の3:1攻撃は、まさかのARに。
T3S
 第4ターン、前ターンに4ユニット、このターンに5ユニットの増援を受け取った政府軍は、早くも全面反攻に出ます。北・中央・南で同時攻撃をかけ、中央こそ膠着となるものの、南ではD3と大きく敵を後退させます。そして、北の4:1で、望外のDE(!)で2ユニットを除去します。
T4G
 3ユニットを失いイニシアチブを維持できない薩摩軍は、早くも防御態勢に。敵の反攻を遅らせるために、牽制攻撃を中央部で行いますが、ああ、これがまたもARとなってしまいます。
T4S
 第5ターン、政府軍の攻撃は猖獗を極めます。まだ、抜刀隊が登場しないにもかかわらず、北部では陣地に籠もる薩摩軍にD1を与え、陣地をステップロスさせます。中央部での2:1攻撃、空の陣地に対する6:1攻撃、南の2:1攻撃の全てが成功し、戦闘後前進により、薩摩軍2スタックが補給切れに。
T5G
 薩摩軍はなんとか補給切れの部隊に連絡を付けようと、2:1攻撃をしますが、ああ、三回連続のARで、救出ならず。
T5S
 第6ターン、政府軍は北から南まで4カ所の総花的攻撃を実施し、包囲下の2ユニットを除去します。
T6G
 体勢を立て直した薩摩軍が、再び、解放のための反撃を行いますが、南部では4回目のARと膠着により、まったく、めどが立たず。
T6S
 第7ターン、政府軍は包囲の手を緩めず、攻撃を繰り返し、北部の部隊を陣地ごと壊滅させ、南部でも1ユニットを除去します。さらに戦闘後前進で、1ユニットを包囲する怒濤の勢いです。
T7G
 薩摩軍はやむなく中央から部隊を引き抜いて、北部の政府軍に2:1の包囲攻撃かけますが、戦果は1ユニット(後退不能によるステップロス)のみに止まります。薩摩軍はすでに7ユニットと2つの陣地を失い、相当、厳しい状況に。
T7S
 第8ターンは、決定的な転換点となります。北部で包囲下においていた薩摩軍1ユニットを、政府軍は5:1の高比率で攻撃してこれを除去。2へクスの戦闘後前進により、来援に来た薩摩軍の2スタックを、丸々、補給切れにしてしまいます。
T8G
 これに対応するため、薩摩軍は中央部と南部の2ユニットを急ぎ、北部に向けようとしますが・・・。
T8S
 第9ターン、政府軍は切り札の抜刀隊を投入し、D2の戦果で高地の陣地を抜きます。南部でも、足止め部隊にD3の結果を与え、山岳奥地に後退させ、事実上、無力化します。これにより、薩摩軍の4スタックが補給切れに。
T9G
T9
 第10ターン、政府軍は手を緩めず、包囲下の部隊への攻撃を行います。薩摩軍はもはや組織的な行動はできず、一部の部隊で街道上を封鎖するのが精一杯です。
T10G
 第11ターン、政府軍の猛攻により、殲滅戦に。北部で2カ所の包囲攻撃、中央の1カ所での攻撃により、3ユニットが壊滅します。南部の4:1こそD1となるも、高地への後退のため、これも補給切れに。
T11G
 第12ターン、政府軍は残った包囲環を締め上げ、さらに3ユニットを壊滅させます。
T12G
 第13ターン、かろうじて占領を防いでいた田原坂の1ユニットが包囲攻撃により壊滅。北の高地で抵抗していたスタックも崩壊し、薩摩軍に残されたのは補給切れの3ユニットのみ。
 残りのターンで、薩摩軍の全滅と街道の完全制圧は確実となったため、ここで終了としました。
T13G 薩摩軍の全滅必至
 いやー、かつてないほどの薩摩軍の大崩壊でした。第3ターン以降の薩摩軍の攻撃が不調続きだったこと、政府軍の増援が早期に登場し、かつ、反撃のdrが冴えまくったことが原因でしょう。事前のソロ演習では、これが逆になって、木葉を薩摩軍が守り切って勝利したこともあり、決して一方的ではないと思いますが、振れ幅は大きいかもしれません。
終了時
 いずれにしろ、幕末維新アイテムの達成率が90%を越え、残りは2アイテムとなりました。新年には是非、プレイして、2ジャンル目の完全制覇をしてみたいと思います。ポイントは、対戦に4人が必要な「幕末京都騒乱」(GJ)かしら。プレイ準備をしてインストもできるようにして、新春のちはら会に持ち込むか?!

 今月のソロプレイ第1弾は、西南戦争続きで、「田原坂の戦い」(WGHB)から「高瀬の戦い」シナリオです。このアイテムはWGHBに掲載されたミニゲームで、システムは古典的作戦級の「ドイツ戦車軍団」(CMJ)を流用しています。
 「ドイツ戦車軍団」(CMJ)は移動-戦闘という手順ながら、後退すると次ターンは行動できないことから、予備の必要性をシンプルにあわらしています。また、このゲームでは追加ルールとして補給の概念が加わり、補給切れのユニットは行動ができなくなります。他に敵ZOCに入らずに道路上のみを移動すると移動力が2倍となる戦略移動や薩摩軍のみ防御力が2倍になる陣地、それを打ち消す警視庁抜刀隊があり、西南戦争らしさを表現しています。
T0
 展開としては、史実通り、北方への突破を狙う精鋭薩摩軍が木葉方面や伊倉方面で攻勢に出て、別働隊が北方から迂回を狙います。政府軍は豊富な増援を元に、高瀬を軸にした防御陣を引いて持ちこたえ、機を見て木葉方面での反撃を試みます。
 なお、このシナリオは7ターンとなっていて、高瀬を占領し、連絡線をつなげた側が勝利します(政府軍はさらに#1207を支配していなければならない)。
 第1ターン、特別ルールにより政府軍の行動はなく、薩摩軍のみが行動と2回の攻撃を行います。薩摩軍は木葉の敵スタックを攻撃し、D1とします。続く、第二次攻撃は残念ながら、膠着に。
T1SA1
T1SA2
 第2ターン、政府軍は、初期部隊で薄いながらも南に防衛線を張ると、大量の増援を高瀬付近へ集結させます。
T2G
 薩摩軍は、敵の堅陣ができる前にと、木葉後面と伊倉方面で攻勢に出ます。中央部では3:1攻撃を2カ所でかけますが、あろうことかともにC(膠着)。南の4:1もわずかにD1と、全くdrが振るいません。
T2S
 第3ターン、このターンの増援は5ユニットと多めに。政府軍は北部に9ユニット(!)を投入し、6:1攻撃をかけます。結果はD3となり、薩摩軍は河川の遙か後方まで撤退します。
T3G
 薩摩軍は、ここを先途と全域で攻撃をかけますが、中央で1ユニットを損害充当で除去したものの、要の南での3:1攻撃に失敗するなど、押し切れません。
T3S
 第4ターン、政府軍の増援はわずかに1ユニット。中央部で時間稼ぎになればと3:1で反撃をしますが、これはC(膠着)となります。
T4G
 薩摩軍は、総力をもって攻撃をかけますが、中央の3:1でCとなり、包囲下のスタックも1ヒットのみで壊滅させられず。さらに南の2:1攻撃の2カ所は、ARになるなど、ほぼ最悪の結果に。
 第5ターン、増援は4ユニットとなり、政府軍は安定のために中央部へ。さらに、ここで3:1の攻撃をかけますが、こちらもまさかのAR。
T5G
 薩摩軍も消耗上等の連続攻撃をかけますが、包囲下の5:1攻撃でD1のみ、さらに2カ所もCと振るわず。両軍の稚拙ぶりが際立ちます。南部の2:1攻撃で、D2となったのが、せめてもの救いか。
T5S
 終盤となった第6ターン、政府軍も懲りずに反撃に出ます。敵の包囲を狙った4:1攻撃はC(一体、何度目か!)となり、敵の拙い攻めで包囲できた中央部の2:1攻撃で1ヒットのみを与えます。
 残りわずかでなんとかしたかった薩摩軍も、ここに来てもARや包囲した4:1でCと、相変わらずの低調ぶり。唯一、伊倉方面の1:1でD2として、高瀬に接敵できたのが、僥倖です。
T6S
 最終の第7ターン、もはや薩摩軍の勝利はなく、政府軍は敵の攻撃に先立って猛反撃を行います。これはそこそこdrに恵まれ、包囲した4:1攻撃で成果を出し、薩摩軍1ユニットを除去します。
T7G
 諦めない薩摩軍は総花的攻撃を行い、包囲下の部隊を中心に敵の3ユニットを除去しますが、時すでに遅し。高瀬を望むも、これ以上の進撃はならず。政府軍も田原坂までは届かなかったため、引き分けとなりました。
T7S
終了時

 今月のソロプレイ第9弾は、幕末維新アイテムから「最後のサムライ-西南戦争-」WGJ)です。その名の通り、西南戦争全体を描いたキャンペーンで、少数精鋭の薩摩軍とそれに同調する各地の旧士族と数で圧倒する明治政府軍との戦いです。
 周年アイテムではないのですが、会津戊辰戦争つながりで「八重の桜」を見ていて。ちょうど、西南戦争で佐川官衛兵と西郷隆盛が討ち死にしたところでして(影響、受けすぎ、笑い)。
T0
 さて、ゲーム解説ですが、マップはポイント・トゥ・ポイントで、九州全域を描きます。システムは、デッキ購入型のカードドリブンで、デザイナーの砂漠のキタキツネ氏がCMJ誌で発表した「マンシュタインの切り札」や「ノルマンディの切り札」と同様です。
 展開としては、薩摩軍が史実通り北上して、熊本を占拠。その後、熊本城攻めをするのか、さらに北上して九州北部の制圧を狙うのか、長崎、大分等の港湾の占領を目指すのか、主に3つの選択肢があります。政府軍としては熊本城を維持しながら、田原坂付近で防御し、援軍を待つという作戦が主になります。ある程度、兵力が揃えば、購入した敵前上陸カードで揺さぶりをかける手も。
 実際、数回のソロ演習をしてみましたが・・・普通のdrだと、薩摩軍がかなりつらい。熊本はまでは取れるものの、城を攻めるには時間とカード、そして一定の損害を覚悟しなければなりません。迅速に北上すれば田原坂は取れるでしょうが、その先で複数の政府軍に展開され、反撃で一進一退の攻防になりがちです(まさに史実通り)。もう一つが海上輸送を用いた長崎等の強襲ですが、敵に迎撃カード(川村純義)があれば自動失敗で、そうでなくても上陸戦闘に勝利しなければなりません。史実と同じなら、占領地点のVP差で毎ターン、薩摩軍は1点ずつを失い、第6ターン終了時に敗北となります。
 一方の政府軍はVPで大きな差を付けられないように、圧倒的な兵力動員で戦線を膠着させれば、あとは時間が味方します。中盤以降に正面からの押し戻しや海上輸送による電撃的な九州南部制圧で勝利できます。
 そこで、今回の薩摩軍は、可能な限り迅速に北部突破を図る作戦をとります。どうせ、ジリ貧になるのなら、兵力差が付く前に勝負をかけようというものです。
 まず、セットアップは、薩摩軍が主力を全て前面に展開します。政府軍はこれを見て、突破対策に田原坂に第14連隊を展開し、ここを封鎖する配置をします。唯一、選べる第1ターンの作戦カードは、敵の強襲上陸を防ぐための「川村純義」にします。
 第1ターン、薩摩軍のカードは3枚が購入系という不作に(逆に次のターンには、高作戦ポイントが来るわけですが)。まずは、このターンに確実に落とさなければならない熊本攻めを行います。ここで戦闘drがはじけ、守備していた第13連隊を殲滅し、薩摩軍には損害なしとなります。
T1 作戦カード
T1 熊本攻め
 政府軍は小倉の第1旅団を戦略移動させ、南関(田原坂)を固めます。補充により、これを完全戦力にします。
T1
 第2ターン、一気呵成に北上を狙う薩摩軍は、植木と山鹿にスタックを進めると、集中攻撃を行います。元陸軍少将篠原国幹の突撃により、政府軍に7ダメージ(!)を与え、大潰走させます。
T2 田原坂越え
 政府軍は通常なら反撃を行うところですが、あまりの消耗ぶりにめどが立たず。やむなく後方から援軍を投入して、前線を固めるのみに。
T2
 勝負を決めたのは、第3ターンでした。前線部隊を入れ替えて兵力を補強した薩摩軍は、久留米を攻撃。ここで攻撃が成功し、敵に4ダメージを与え、敗退させます。薩摩軍は無傷で、これを手に入れます。
T3 久留米攻略
 後方から兵力を投入し、必死に立て直しを図る政府軍を尻目に、薩摩軍は今度は長崎へ強襲上陸。川村純義(上陸の自動失敗)はなく、見事に守備隊を撃破し、ここを占領します。
T3 長崎強襲上陸!
 これにより、政府軍のVPは4点に低下し、薩摩軍の7点と大きな差が付きます。政府軍の士気は一気に半減(3に低下)します。
T3
 第4ターン、なんとしても、久留米を奪還しなければならない政府軍でしたが、先手を取ったのは薩摩軍でした。南関と久留米の2カ所から佐賀に強襲をかけ、これを占領してしまいます。政府軍が奪還のための兵力を展開している隙に、薩摩軍は党薩隊(佐賀隊)を動員しこれを固めてしまいます。
 やむなく、政府軍は久留米への正面攻撃に切り替えます。6戦力を集めた政府軍は5戦力の薩摩軍に優位に立ちますが、drが冴えず、ともに2ダメージずつの相討ちに。
 もはや、時間がない政府軍は最後の希望を託して、第4フェイズに二度目の久留米奪回戦を仕掛けましたが・・・ああ、これも2ダメージずつの相討ちに。
 この結果、VP地点を取り戻すことのできなかった政府軍の士気が崩壊し、薩摩軍のサドンデスとなりました。
T4
 なんとソロ演習を通じて、初の薩摩軍勝利となりました。通常は基本展開に書いたように、中盤からジリ貧になって敗北というのがほとんどなんですが、今回は薩摩軍の戦闘drが走りに走り、政府軍の反撃を許さない展開に。また、タイミングよく、長崎の攻略にも成功し、VPで大差を付けて2ターンで政府軍を崩壊させたのが大きかったです。
 政府軍としては、第1ターンに強襲上陸に備えた「川村純義」が使えず、キープしたところ、引けなかった1枚が「大久保利通」になってしまい。最大の動員カード「山縣有朋」を第3ターン以降に引けなかったことも、地味に響きました。
 ともあれ、本来であればCDSは対戦アイテムですので、みなさんの挑戦をお待ちしています。

 続いて、同じ系統の「江戸幕府の黄昏」(GJ)へ。陣営は佐幕派(たなっく)対倒幕派(mitsu)です。
 第1ターン、西国諸藩を巡って激しい影響力合戦が起こります。長州は倒幕派が押さえたものの、薩摩と土佐は佐幕派が押さえます。
T1 薩摩を押さえるも、長州、土佐は佐幕派へ
 第2ターン、ならばと薩摩からの出兵で倒幕派が京都を押さえ、VPを獲得し、倒幕派8VPとなります。また、雄藩周辺を支配して、次に備えます。佐幕派は会津若松と水戸藩を支配し、奥羽情勢で若干のVPを取り戻します。と、ここで早くも開国に!
T2 京をがっちり押さえ、他も最小限度の差に
 第3ターン、クーデター合戦が開始となります。政情不安な長州や土佐でテロの嵐が吹きまくり、長州を倒幕派が奪還。佐幕派もイベントを効果的に使って、土佐と薩摩の倒幕支配を切り崩します。 
T3 京を譲り渡すも、長州を奪還
 第4ターン、京都守護職の力で佐幕派が京の支配を取り戻すも、中国、南海道、開港場の倒幕派支配は続きます。ここで二度目の得点チャンスが来て、VPは倒幕派15点に。
 そして迎えた第5ターン、クーデターや内紛が飛び交い、丁々発止の勢力争いが続きますが、大きな形勢の変更はなし。と、最後に、佐幕派が中国の得点カードを使用せざるを得ず、そのまま、VPが倒幕派に入り、サドンデス勝利となりました。
T5 西国有利は変わらず、サドンデスに
 これを見学していたybsさんが、プレイヤー入れ替えで、第二戦に。陣営は、やっぱり佐幕派(ybs)対倒幕派(mitsu)です。
DSC01260
 第1ターン、いつものように(?)佐幕派(ybs)に、倒幕イベントばかりが行き、「松下村塾」は調停工作に飛ばしたものの、「天誅組」や「生野義挙」が連発。
 第2ターンもこの勢いは止まらず、九州、中国、南海道を倒幕派が席巻します。佐幕派は、「咸臨丸」をプレイし、京の支配を取ります。得点カードがほぼ佐幕派に行ったこともあり、タイミングを外され、VPは佐幕派1VPに。と、ここで過去最速の開国へ。
T2
 第3ターンのでクーデター合戦を経て、第4ターン、一気にイベントの流れは倒幕派に。「亀山社中」に続き「海援隊」を倒幕派がプレイし、土佐の支配を固めると、佐幕派も泣く泣く「陸援隊」を実施。佐幕派は京都に見廻り組や新撰組を集めて、なんとか優位を維持するのがやっとです。
T4
 第5ターン、遅れてやってきた井伊大老が「安政の大獄」を行いますが、その「直後に「桜田門外の変」でパージされます。佐幕派は「鯨酔公」で敵の支配を崩しますが、逆転までは至らず。
T5
 第6ターン、再び、クーデターの嵐が吹き荒れますが、情勢は変わらず。倒幕派の地道な加点で、VPは2点になります。
T6
 終盤の第7ターン、倒幕派にやっと得点カードが来て、圧倒的有利な九州で9VPを加点します。土佐藩は両陣営とも10点を超えるハイビットですが、倒幕派支配を堅持します。
T7
 迎えた最終第8ターン、佐幕派は開港場をイーブンとし、奥羽の支配を取りますが、西国諸藩と京都の支配を奪還した倒幕派により、最終得点で倒幕派勝利となりました。
DSC01267
 CDSは初プレイではなかなか勘所がつかめないのですが、2戦目となったybsさんはイベントラッシュに押されながらも「寺田屋事件」や「池田屋事件」を効果的に使い、最終ターンまで持ち込みました。あとは「安政の大獄」さえ連打できれば、佐幕派の勝利は近い?!
 なお、隣で対戦の様子を見ていた軍神さんは、絶大な効果を発揮するイベント「敬天愛人」について「天を敬い、△△【時節柄、自主規制】を作る」とギャグを飛ばし。「史実でも西郷どんは、複数の△△を抱えていた」「絶対、そういう意味に違いない」「今日は、勉強になりました」と、ウォーゲーマーらしい健全な(?)アイロニー満載でした。(笑い)やっぱり、みなさんとの時間は楽しいな~。

 最後は、前回のちはら会でもプレイした「江戸幕府の黄昏」(GJ) を対戦することに。陣営は、佐幕派(mitsu)対倒幕派(BIBI)です。
 第1ターン、両陣営は西国雄藩の支配を巡って、影響力合戦を行います。その中で倒幕派はアクションポイントをとるために、やむなく「井伊直弼、大老就任」をプレイします。朝廷工作に飛ばされるだろうと高をくくっていた佐幕派は、びっくり。そう、別のイベントをすでに朝廷工作していたので、手元に「桜田門外の変」が!こちらも泣く泣く井伊大老を暗殺する羽目に。う~む、倒幕派が井伊を就任させ、佐幕派がテロとは、これいかに?!(苦笑い)第1ターンは、薩摩藩と長州藩を倒幕が押さえて、やや優勢に。
T1
 第2ターン、佐幕派が巻き返しを始めます。将軍家茂を就任させると、その勢いで土佐藩を支配。熊本藩も支配し、薩摩藩に2影響力を送り込んで牽制します。
T2
 大きく動いたのは、第3ターンでした。薩摩藩で佐幕派がガツンガツン政変を起こして、これを占拠してしまいます。倒幕派も同じく政変で対抗しますがdrが今一歩、優れず。
すると、佐幕派は標的を長州に換え、これも支配に持ち込みます。また、京都には松平容保と幕府歩兵が登場し、こちらも優勢に。倒幕派はイベントで吉田松陰を配置しますが、そこまで。ここで早くも、開国となります。
T3 開国
  第4ターン、列強の介入度が高まりすぎたため、政変はできず。代わりに雄藩周辺を押さえて、内紛合戦になります。時間ばかりが過ぎて、雄藩そのものの支配は変わらず。
 第5ターン、ここで得点ラッシュに。薩摩藩、長州藩、土佐藩をがっつり佐幕派が押さえていたために、VPは一気に佐幕派の12点になります。あとは、南海道を残すだけで、必死にビッティングするものの倒幕派は、形勢を覆すに至らず。そのまま、調停工作を成功させた佐幕派のサドンデス勝利となりました。
T5 佐幕派が西側雄藩を押さえる
 いやー、第1ターンに読み違いで、自分で「桜田門外の変」を起こしたときには焦りました。が、なんとか地道に西国雄藩を押さえ続けたたことで、VPを逆転し、勝利となりました。
 トワイライト系の展開にも大分、慣れたので、次は本家の「トワイライト・ストラグル」(クロノノーツ)に行きたいです。

 この日の緒戦が、スタートに到着していたybsさんと「江戸幕府の黄昏」(GJ)です。陣営は、佐幕側(ybs)対倒幕側(mitsu)です。
DSC_0011
 序盤、両陣営は西国雄藩の支配を巡って、激しく競り合います。特に薩摩藩については、先攻する倒幕側に、佐幕側が切り崩しをかけ、6対5と混戦状態に。と、倒幕側が「寺田屋騒動」で一端、チャラにして、再リードをかけ、ここを死守します。その直後に、九州情勢カードで6VPを倒幕側が獲得。はじめに京の優勢で5VPを得ていた上に、佐幕側が「攘夷決行」をしてくれたため、2VPが入り、倒幕側の13点リードになります。
T1 西国雄藩を抑え
  第2ターン、佐幕側は奥羽で水戸藩と会津藩を押さえ、3点ほど盛り返しますが、激しいビッティングの末、土佐藩は倒幕側に。なんとか流れを変えようと、「井伊直弼の大老就任」をプレイしますが、間髪を入れずに「桜田門外の変」!(このゲームのあるある)
T2
 第3ターン、武市半平太と山内容堂が組んで土佐藩は安泰。佐幕側はやむなく期末処理で倒幕側にVPを献上し、17点まで行きます。
 第4ターン、一発目のイベントで「生麦事件」が発生し、そのまま、20点越えで倒幕側のサドンデス勝利となりました。
 第二戦も、同じ陣営でスタート。今度は、中部を抑えた佐幕側が幸先よく、3点のリードとします。
 第2ターン、前ターンに西国雄藩を抑えていた倒幕側が、京及び九州情勢で逆転します。
 その後、両陣営とも望まぬイベントは「調停工作」し、京都より以西で激しいビッティング合戦を繰り広げますが、薩摩・長州・土佐とその周辺を抑えた倒幕側が「内紛」を多用して、敵の影響力を排除し続けます。
T3
 佐幕側も「禁門の変」で京都の優勢を奪いますが、西側の倒幕傾向は変わらず。
 開国を迎えた第5ターン、ここで佐幕派には厳しいカードばかりに(トワイライト系のあるある)。やりたくないのに「情勢」が入り、その上、「敬天愛人」に「奇兵隊」など「宇宙開発(調停工作)」で裁ききれない倒幕系イベントが目白押しに。倒幕側のVPは一気に15点に達します。
T5
 迎えた第6ターン、倒幕側に「錦の御旗」が!即実行し、佐幕側に1VPを与えたものの、堂々の寄り切りで倒幕側のサドンデス勝利となりました。
T6 錦の御旗
 久しぶりに「江戸幕府の黄昏」をプレイしましたが、やっぱり面白い!井伊直弼が何にもしないうちに暗殺されたり、やりたくもない敵のイベント祭りになったり(ybsさんいわく「ずっと敵軍ターンが続いているよう」笑い)ということもありますが、逆に[安政の大獄」を三発喰らって、ぺんぺん草一つ生えない展開もあり得ます。いずれにしろ、史実を知っているとニヤリとすることばかりで、歴史好きには堪らないです。
 次回も持ち込もうと思いますが、元祖の「トワイライト・ストラッグル」もいってみたいですね~。

 この日最後の対戦が、「会津戊辰戦争」(WGJ)です。陣営は、新政府軍(Tommy)対奥羽列藩同盟軍(mitsu)です。
 序盤、奥羽列藩同盟軍(mitsu)に危機が!2ターンに渡ってイベントとなり(しかも1枚は「同盟脱落」)、全く行動ができず。この間に、新政府軍は白河城を迂回して、三森峠を陥落させます。
 このまま、会津市街地突入かと思われましたが、新政府軍は北陸道軍の進撃を優先します。柳津で激戦となりますが、奥羽列藩同盟軍は山川隊を送り込んでここを死守します。
T3
 西からの攻撃が行き詰まった新政府軍は、要衝白河城の攻略に乗り出します。と、ここで会津勢が狙撃!これが見事、伊地知指揮官を撃ち倒し、新政府軍は攻勢の要を失います。
T5 狙撃成功!
 その後も、第三次まで攻防戦が続きますが、後方からの補充で会津勢がこれを死守します。
 もはや、時間がなくなってきた新政府軍は、改めて三森峠経由で三代に進出します。ここに防御陣地を引く奥羽列藩同盟軍と激戦になります。猛烈な射撃で陣地を除去するものの占拠はならず。
三代の戦い
 「会津の冬」も来て、時間切れとなり、会津市街地を守り切った奥羽列藩同盟軍の勝利となりました。

終了時

 この日の最後が、WGJのカードドリブン「会津戊辰戦争」(WGJ)です。ゲームについては、以前のソロ記事をご覧ください。陣営は、新政府軍(mitsu)対奥羽列藩同盟軍(kawa)です。
 セットアップですが、奥羽列藩同盟軍は白河城と日光口にかなりの戦力を集中します。特に最良の指揮官山川は、ランダムで白河城に配置となります。
 これを見た新政府軍(mitsu)は、西から土佐藩でアプローチで揺さぶりをかけ、東部が薄くなったら薩長の主力で攻撃をかける作戦をとります。
 序盤、「西郷隆盛の知略」で新発田藩を寝返らせると、土佐藩隊が村松に侵攻し、これを攻め落とします。焦った奥羽列藩同盟軍は、二本松藩のほとんどを津川に集結させ、柳津に防御陣地を置きます。
 と、ここでイベント「同盟脱落」が起こり、郡山藩と棚倉藩が新政府軍の軍門に降ります。ならばと、新政府軍は東側からの主攻で浅川を攻めます。奥羽列藩同盟軍はイベント「狙撃」で伊地知を狙いますが、八重の手元が狂ったか、命中せず、浅川が墜ちます。
 今回は新政府軍にカード運があり、「総攻撃」(2グループ行動可で戦力+1!)が来たので、西では土佐藩が、東は薩長が攻勢に出てます。圧倒的な火力の前に、二本松藩兵は壊し、津川と二本松城が墜ちます。
T4 二本松城陥落
 西側は外郭防衛線に迫りますが、ここは会津藩兵が防御陣地で頑強に抵抗します。一方、東側では二本松から転進した薩長軍主力が土湯峠を攻めます。東軍も白河城から山川隊を引き抜き、ここに投入し、時間を稼ぎます。
 が、またも、ここで西軍の「総攻撃」カード!drも冴え、土湯の奥羽列藩同盟軍は指揮官を除き、全滅となります。
T5 柳津と土湯攻め
 東軍は、松平容保を出陣させ、会津市街地に防御陣地を築きます。
 第8ターンの「会津の冬」で一時、時間を稼ぎますが、第9ターン、西軍に「錦の御旗」(西軍の自動勝利)が来ます。十六橋を渡った薩長軍主力が錦旗を掲げながら会津市街地に突入し、これを占領してしまいます。
T9 錦の御旗で会津市街地陥落
 東軍は、必死に部隊を送り込んで、混戦状態として士気の低下を防ぎますが、第10ターンにほぼ兵力がいなくなった白河城を、板垣率いる新政府軍の別働隊が落とし、VPを上昇させます。
T10 白河城陥落
 第11ターンには柳津を抜いた土佐藩兵も会津市街地に辿り着き、圧倒的火力で奥羽列藩同盟軍を蹴散らし、東軍の士気が低下。大きく3ポイントの差が付いたので、新政府軍のサドンデス勝利となりました。
T11 サドンデス勝利
 今回は、「総攻撃」や「錦の御旗」の有利なカードが来て、逆にイベント「米沢藩の参戦」がなかった等、西軍にかなり有利なカード廻りでした。一応、圧勝ですが、カードが逆になっていたら(または、八重の狙撃が当たっていたら)、膠着のまま、ゲームエンドになっていた可能性もあります。ともあれ、インストを入れて1時間強でプレイできるリプレイアビリティなので、次回も希望者がいれば、対戦したいものです。

 今月のソロプレイ第6弾は、幕末維新アイテムから「会津戊辰戦争」(WGJ)です。ベーシックは「長篠システム」と呼ばれるカードドリブンです。
 プレイヤーは自分の手番に1枚カードを使って、1スタックの活性化か自軍イベントを行います。それ以外に、強制イベントがあり、カードは両軍共通です。移動については、敵ユニットがいるか、障害地形に入ると停止します。
 敵味方が同じエリアにいれば、自動的に戦闘が発生します。ユニット数だけdrして戦闘値以下が出れば。1ヒットとなります。市街地・峠攻めは戦闘力-1となります。城は戦闘力-1と同時に、受けたヒットが1/2に。生き残ったユニットは、任意で撤退か次ターンの継戦を選びます。
 兵力としては、奥羽列藩同盟軍の方が数は多いです。ただし、10ユニットは会津若松城にあり、かつ、ほとんどが1ステップのみです。対する新政府軍は数は少ないものの、11ユニットが2ステップを持ち、かつ指揮官も、自動命中2発という強力無比な伊地知や2ユニットの攻撃をふり直せる山縣など、かなり有利になっています。
T0
 作戦としては、新政府軍は、白河城攻めと新発田-村松ルートが基本です。ただし、史実では一撃で墜ちた白河城もdrによっては、終盤まで持ちこたえることも。
 奥羽列藩同盟軍としては、まずは白河城での抵抗を試み、その後は会津若松を取り囲む各峠での防御となります。新政府軍には自動勝利となる「錦の御旗」イベントもあるので、可能な限り、会津市街地には進入させないようにしたいです。
 第1ターン、新政府軍は「西郷隆盛の知略」を使い、新発田藩を降伏させ、村松を陥落させます。奥羽列藩同盟軍は編成を使って、西側の三砦に守備隊を送ります。
t1
 第2ターン、そのまま、新政府軍は勢いをかって、会津外郭陣地の柳津を攻めます。これに対し、奥羽列藩同盟軍は逆襲カードで、最優秀の山川隊を送り込みます。激しい戦いの結果は、新政府軍2:奥羽列藩同盟軍1の損害で、奥羽列藩同盟軍が峠を守り抜きます。
T2
T2終了時
 第3ターン、正面の柳津と白河城ともに堅いとみた新政府軍は、搦め手からの間接アプローチとして、浅川攻めをします。ここには、敵が1ユニットしかいなかったので、難なく占領します。奥羽列藩同盟軍は、代わりに白河城に防御陣地を築き、ここを強化します。
T3
 第4ターン、新政府軍はそのまま、白河城の背後をつき、大平口へ。奥羽列藩同盟軍は、鶴ヶ城から5ユニットを移動させ、会津市街地を固めます。
T4
 第5ターン、新政府軍は「総攻撃」を使い、2カ所で強襲をかけます。まず、柳津で第二次攻防戦が起こり、共に1ユニットずつが損害を受けます。
T5 第二次柳津攻防戦
 もう1カ所は、本命の白河城で、自動的に2ヒットを与えられる伊地知正治指揮で、薩長連合5ユニットが強襲をかけます。ところが・・・ここで、奥羽列藩同盟軍が「狙撃」。先頭に立つ伊地知を、山本八重のライフル銃が撃ち抜き、戦死!これで勢いを失った薩長軍は、わずかに敵1ユニットを除去するのが、やっとでした。
T5終了時
 第6ターン、なんとか白河城を落としたい新政府軍は、地形修正を無効にできる「機略」を使いますが、ああ、drに恵まれず、ともに1ヒットのみ。返す返すも、伊地知を失ったのが大きい。
T6 白河城攻め
 第7ターン、西軍の引いたカードは「米沢藩参戦」。奥羽列藩同盟軍は、「徹底抗戦」でこのターンも白河城を守り抜きます。
 第8ターン、西軍は「補充」を使って、板倉隊の回復を行います。また、白河城攻めも損害を受けながらも、あと一歩まで行きますが・・・。
T8
 第9ターン、ここで会津諸隊が白河城に到着。5回目となる会戦は、新政府軍の一方的な3損害となり、やむなく、撤退に。
T9
 第10ターン、このままでは勝利はないと判断した新政府軍は矛先を変え、手薄になった二本松城を強襲します。が、二本松少年隊の奮戦もあってか、共に損害なし。また、「分進合撃」で合わせて柳津を攻めますが、こちらは新政府軍が4ヒットを受けます。
T10
 第11ターン、ああ、イベントは「会津の冬」。なにもできず、時間だけが過ぎていきます。
T11
 最終第12ターン、新政府軍は切り札の「錦の御旗」を投入し、ついに白河城を陥落させますが、二本松城は墜ちず。
T12
 結果、新政府軍のVPは2点で、奥羽列藩同盟軍の士気は3のため、奥羽列藩同盟軍の勝利となりました。
 よりによって最強の指揮官伊地知が狙撃で瞬殺されたり、戦闘drが優れずかつ細かな戦術的ミス(柳津攻めの部隊を南部に後退させ、南から峠を攻める手を忘れる)があったりしたことが、敗因でした。
 ただし、数戦のソロ演習では、史実同様に、隙を突いて会津盆地に突入した新政府軍が「錦の御旗」でこれを制圧し、そのまま、圧勝したこともあり。手札の廻りと投入のタイミングによるので、バランスはそこそこかと感じました。

 オフ会終盤に選んだのが、もう一つのマイブームの幕末維新アイテムから、その名も「幕末維新始末」(GJ)です。ちはら会例会で2回ほどプレイしたアイテムで、イニシアチブや支配判定drによって、展開が大きくかわります。陣営は、Tommyさんが佐幕派で、mitsuが倒幕派です。
 第1ターン、いきなり、外国人殺傷事件で幕府の威信が低下し、直後に外交折衝が来る波乱の幕開けに。それでも、佐幕派は慶喜直率軍で播摂を支配下におき、倒幕派は佐賀を抑えます。

N1T1
 その後、倒幕派は西郷と木戸を芸州・因州に派遣するも、よりによって2ターンに渡り支配できず。一方の佐幕派はカード巡りもよく、芸州・因州・土州を抑え、西日本に勢力を広げます。
N1T4
 迎えた第6ターン、慶喜率いる幕府軍が長州に侵攻します(第二次長州征伐)。ここを取られると勝負が決まると考えた倒幕軍は、保持していた3枚のカードをパイルし、開戦に。戦闘の結果は、山縣率いる長州兵が圧勝します。
N1T6 開戦
 2年目の第2ターン、勢いに乗った倒幕軍は、芸州と土州を奪取すると、2VPの播摂へ繰り出します。幕府軍も松平容保麾下の軍勢が決戦を挑みましたが、戦術能力に優れた倒幕軍が圧倒します。
N2T2
 第3ターン、勝利した倒幕軍は、京へと進撃し、数の力でもって御所の支持を取り付けます。
N2T3
 じりじりと前進を続ける倒幕軍に対し、幕府軍は関東で兵力の立て直しを図ります。駿府を抑えた幕府軍は、甲州の平定に乗り出しますが、第7ターンに登場した大村益次郎がこれを迎撃し、鎧袖一触で蹴散らします。一方で乾退助に率いられた北陸軍は北越に進出しますが、戦闘に勝ったものの支持を得られず、撤収します。
N2T7 大村益次郎、来る
 事態が混迷するうちに、外国人殺傷事件が連発し、幕府の威信は地に墜ち、横浜と神戸を外国が接収してしまいます。
 次に外国人殺傷事件が起きたら、両軍とも負けるところでしたが、一時的に京の支持を取り付けた幕府側は政権を立て直し、かろうじて外国の侵略を防ぎます。
 もはや、時間がない!カードの巡りが悪く政権を奪取できない薩長軍は、一気に敵拠点を押さえるべく、大村率いる主力隊を北越に派遣します。これに対し、幕府軍も洋式訓練を受けた精鋭を、河井継之助の指揮の下、迎撃に向かわせます。かつてない規模の戦闘の結果は・・・薩長軍の圧勝!巧みな戦術で敵を撃破した大村益次郎は「勝つようにしたのですから、勝って当たり前です」と火吹き達磨ぶりを発揮したとか。
N3T4 北越決戦
 倒幕派が北越を押さえた直後に、外交折衝。佐幕派の3倍の支持を獲得した薩長軍が政権を認められ、ここに明治新政府が誕生しました。まさに、外国の植民地化か、新政府の樹立か、ギリギリの争いでした。
N3T5 明治新政府、承認

 ああ、新型コロナウィルスのため、断腸の思いで、ちはら会例会を中止にせざるを得ず・・・せめて少人数のオフ会をと、Tommyさんと対戦をすることにしました。選んだゲームは、幕末維新アイテムから「箱館戦争」(WGJ)です。陣営は、Tommyさんが共和国軍で、mitsuが新政府軍です。

DSCN3218
 セットアップですが、共和国軍は江差を主上陸地点と想定して、かなりの兵力を前線に送ります。これを見た新政府軍は、その裏をかき、噴火湾から上陸します。
T0
 第1ターンに、峠下の額兵隊を撃破し、二股峠の裏手に出ます。
 共和国軍も反撃に転じ、一時は峠下を奪還しますが、大野も抑えていた新政府軍は要衝二股峠を墜として、土方隊の連絡路を遮断します。
T6
 二股峠-箱館間で激戦が続き、消耗戦となりますが、こうなると、基礎兵力と回復力に優れた新政府軍が優勢に。さらに、新政府軍の別働隊が噴火湾方面から箱館市街地に突入したため、共和国軍が主力の榎本隊を戻さざるを得なくなります。ならばと、数の力を生かして、新政府軍の一部隊がするりと抜けて北方からも箱館市街地(四稜郭)に突入します。
T9
 共和国軍は、松前方面で遊兵化した大鳥隊を引き戻そうとしますが、新政府軍の山田隊が矢不来を抑え、敵の合流を阻みます。
 後半戦、弁天台砲台を確保した新政府軍は、優勢な艦隊を使って猛烈な艦砲射撃を実施します。唯一、箱館で奮闘する榎本隊にのべで4ヒットを与え、反撃力を奪います。
 五稜郭は落とせなかったものの、拠点4カ所を抑え、1カ所の連絡を絶った新政府軍の勝利となりました。
終了時
 第二戦は、陣営を入れ替えて、mitsuが共和国軍で、Tommyさんが新政府軍です。共和国軍の配置は、後方守備態勢で木古内・二股峠を軸に持久をする戦略です。
T0
 史実通り、江差に上陸した政府軍は、松前を攻略すると、木古内に向けて前進しますこれを想定していた共和国軍は大鳥隊を籠城させると、海軍を使って妨害を試みます。こちらの砲撃が命中し、前進してきた山田隊がヒットを受けて混乱します。
前半戦 序盤
 ならばと、新政府軍は優勢な艦隊を投入し、共和国海軍を蹴散らしますが、ここで前半戦が終了となります。
前半戦 共和国軍の艦砲射撃
 後半戦、物量の新政府軍が正攻法で、木古内要塞に猛攻をかけます。が、十分に部隊を集結していた共和国軍は、頑強に抵抗し、鉄壁の防御を誇ります。損害を受ければ箱館の部隊と入れ替え、わずか1枚の補充と軍艦乗組員の揚陸によって、防御力を維持し続けます。
 新政府軍は艦砲射撃も試みますが、要塞の防御力により砲撃力は半減し、効果薄。
 結局、このまま、木古内と二股峠を守り切った共和国軍の勝利となりました。
終了時
 どうも新政府軍が厳しそうということで、第三戦は、再び、元の陣営で、Tommyさんが共和国軍で、mitsuが新政府軍です。勝利条件を一部緩和して、5カ所の拠点占拠ではなく、4カ所にしてみます。
 茂草に敵ユニットがいなかったのでここを上陸地点に選んだ新政府軍は、第1ターンに松前を強襲し、これを攻略します。そのまま、木古内に進撃し、激戦を繰り広げます。
T1 松前攻略
 同時に、敵に圧力をかけるため、噴火湾空も上陸を行います。果敢な共和国軍は、敵の橋頭堡に向けて土方を先頭に猛攻をかけますが、政府軍の物量の前に損耗し、攻略ならず。逆に政府軍が反撃を仕掛け、峠下に突破します。
前半戦 北部政府軍の逆襲
 後半に入り、箱館湾に進行した新政府海軍が敵艦隊を蹴散らし、艦砲射撃を行います。湯川を守備していた大鳥隊が隊長を含め、全滅します。
 敵がこちらに兵力を転用した隙を突き、大野から山田隊が箱館市内に突入します。共和国軍は、土方のもとに新撰組と衝鉾隊を集結し、反撃で四稜郭を奪回します。
 ならばと、新政府軍は補充で回復した黒田隊で矢不来を攻略し、勢いに乗って七里浜へ突入します。
T15 矢不来陥落
 両軍とも、手番はあと1回ずつ。四稜郭にいる土方隊を撃破できれば新政府軍の勝利、そうでなければ共和国軍の勝利です。と、ここで引かれたカードは、寄りによって「芯止之松」!両軍が停戦したことにより、共和国軍の勝利となりました。
寄りによって、最後に芯止之芝

 今回の緒戦は、朝一番に来たエンジョウさんと、前回にチュートリアル・プレイした「幕末維新始末」(GJ)です。陣営は倒幕側をエンジョウさんが、佐幕側をmitsuが担当します。
 慶応3年は、両陣営とも味方の確保を行います。佐幕側は紀州や北畿の京周辺と関東を固め、兵力を摂播に送り込み、持久体制をとります。倒幕側は、九州、四国、中国の諸藩を動員し、上洛準備を進めます。

Y1-5
 一時、「社会不安蔓延」で肥前の支配が揺らぐことはありましたが、すぐに長州兵を投入し、支持を奪還します。
Y1終了時
 慶応4年(明治元年)、倒幕側は満を持して上洛に。西側諸藩兵を摂播に投入し、この支配を狙います。佐幕側も海軍を含む増援を投入し、ガチンコの政治闘争に。2ターンに渡って、倒幕側の進行を阻止しましたが、第3ターンに摂播を奪われます。
Y2-3 摂播が倒幕側の手に
 これに勢いづいた倒幕側は、京への投入をしますが、drが安定せず、御所の支配を取ったり取られたり。政治的に混乱が続くうちに、「外国人殺傷事件」や佐幕側の支配失敗などで、幕府の政権点はついに0に!
Y2-4 御所の政治的暗闘
 ならば、イベントで対抗と、佐幕側は乾退助と西郷吉之助を暗殺するものの、京周辺を抑えられて、挽回までは至らず。年末には、介入を狙っていた外国軍が横浜港を接収するなど、さらなる混乱が巻き起こります。
Y2-5 ああ、政権点0に
 明治2年、このままでは日本の独立が危ないと踏んだ倒幕軍は、カード3枚を投入して強引に開戦に。さすがに倒幕軍の質と量は凄まじく、佐幕軍は一時的に壊滅状態になります。
Y2-5 ああ、政権点0に
 あとは、政権を取って、追撃に思った矢先、三度目の外国軍介入が起こり、ゲームエンド。あくなき政治的迷走の果てに、諸外国に占領されるという、「最悪のシナリオ」でした。
Y3-3 ついに開戦も・・・
 終了後の感想戦で、エンジョウさんと「まさに、幕末あるあるだぁ~」と妙に納得しました(苦笑い)。倒幕派が兵力集中に時間をかけ過ぎた感のある一方、佐幕派も社会不安扇動や暗殺など、政治的暗闘に拘ったので、この顛末。まさにデザイナーの罠に填まったかしら。

 1月中旬の三連休に時間が取れたので、BIBIさんと自宅オフ会をしました。このところ、プレイ熱が上がっている幕末維新アイテムから「箱館戦争」(WGJ)を対戦します。陣営は旧幕府軍をBIBIさんが、新政府軍をmitsuが担当します。
 序盤、江差に上陸した新政府軍は、第2ターンに松前城を強襲し、これを奪取します。この部隊を牽制にきた旧幕府海軍を、新政府軍の甲鉄等が迎え撃ち、沈没寸前まで追い込めます(第4ターン、白神岬沖海戦)。

T2
T4 白神岬沖海戦
 海域の安全を確保した新政府軍は、そのまま、木古内に突入し、これを奪取します。これにより、稲穂峠に終結していた榎本釜次郎隊が孤立します。相次ぐ敗退に、旧幕府軍は箱館方面から部隊を引き抜き、矢不来に集結させます。
 十分に敵を引きつけたところで、新政府軍は砂原に2個部隊を上陸させ、分進合撃を狙いましたが・・・ここで、旧幕府軍が東部の部隊をかき集め、乾坤一擲の反撃に出ます。戦力は5drずつとイーブン、引き分けでも新政府軍の勝利でしたが、なんと後1足りずに敗退。後退路がない新政府軍は海に蹴落とされ、壊滅します。
T5 砂原橋頭堡壊滅
 ならばと、新政府軍は豊富な補充を見込んで、矢不来に強襲をかけ、消耗戦を仕掛けます。旧幕府軍は乗組員の陸揚げや1枚の補充カードで補完をしますが、なりふり構わぬ攻撃に徐々に消耗していきます。やむなく、東部から部隊を引き抜き、矢不来に。
 今度こそ、第二戦線を構築せんと新政府軍は、再び、砂原に上陸を実行します。戦力差は圧倒的で、このまま、北部または東部から箱館市内に進撃をするはずでしたが・・・ここでイベント「遁走」(強制退却)!このタイミングで来るか?!結局、この2個部隊も恐慌を来して壊滅し、前回と合わせて約4割に当たる兵力が消滅してしまいます。ああ、砂原は新政府軍の墓場なり・・・。
前半戦終了時
 この消耗が響き、新政府軍は後半戦に入っても、正面攻撃を余儀なくされ、土方率いる旧幕府軍を突破できず。それでも、二股からの電撃的な侵攻や鹿部からの強襲上陸で黒田清隆隊を箱館市内に突入させることに成功しますが、これが手一杯。弁天台場も落とせず、ゲームエンドとなりました。
終了時 箱館市内
 う~ん、ほぼ想定通りに作戦を実行できたのですが、drとカード引きに祟られ、惨敗でした。新政府軍に、明日は来るのか?!ちょっとソロ演習で、修行します。

 新年会のため、9時スタートでしたが、一番に駆け付けてくれたエンジョウさんと「幕末維新始末」(GJ)をインストお試し対戦をしました。倒幕軍(エンジョウ)対佐幕軍(mitsu)です。
 序盤、倒幕軍は長州兵が各藩に乗り込んで、順調に勢力を拡大していきます。幕府軍は、摂播と紀州平定までは順調でしたが、北陸や会津の支配が遅れます。

T2
 一方の御所や世論は大荒れに。第2ターン目に、幕府軍が朝廷の支持獲得に失敗し、御所内は薩長閥の一色に。ここで、倒幕軍がクーデターを起こし、早くも政権を奪ってしまいます。が、その後も幕府側が一時、盛り返すなど、京情勢は混沌に。
 ここで、外国人殺傷事件が続発し、政権の権威が地に墜ちたところで、二度、生麦事件が起こり、怒った諸外国は神戸と横浜を占領してしまいます。
T5
 このままでは外国の植民地になる!と危機感を持った倒幕軍は、九州と中国、土佐の兵力をもって、実力行使で摂播を攻略します。幕府軍も軍艦を送って蝦夷の占拠を試みますが、あろうことか松前藩は新政府についてしまいます。ここで、外交交渉が来て、VPを高めた倒幕軍が支持を1点に取り戻します。
 と、エンジョウさんが仕事の都合で、ここまで。まだ、予断を許しませんが、圧倒的な戦力で摂播と京を固め、政権を取った倒幕軍が優勢といったところ。次回は、ぜひ、最後までプレイしたいものです。

 正月休みが明けたら、なかなか、アップできそうにないので、今月のソロプレイを行きます。「幕末維新始末」(GJ)です。発売されたのは2年前ですが、かなり以前にできあがっていたらしく、CDSではなく、選択カードイベント形式です。デザイナーズ・ノートにもあるように「明治維新」(翔企画)に対するオマージュで、同作の拡大版といった位置づけです。
 このゲームの肝は、原則、各ターンには一手しかできないこと。このため、毎ターン、しっかりと作戦を考え、カード選択から、部隊の移動、開戦か政事攻勢かの判断まで、事前に組み立てる必要があります。ただし、強制カード(外国人殺傷事件や外交折衝)や支持での振れ(1/6で必敗)、戦闘における主導権、敵の出方などの不確定要素も多く、最善手を尽くしてもひっくり返ることも。ゲーム展開が同じになることは、ほぼありません。
 かといって、行き当たりばったりでは、まず、勝てません。現ターンは勿論、次ターンやその先まで見越して作戦計画を立てる。様々な不確定要素を勘案して、最善の一手を打つ。そして、最後はdrに賭ける。形は小さいですが、この選択の重さが堪らない(予想外のdrも堪らない)。絶妙なアンバランスさ、とでも言いましょうか。早速、ソロ演習です。
 まず、セットアップですが、初回のカードは「勅命降下」(2回の移動)と「宮廷工作」(カードの奪取または朝廷支持dr+3)となります。
 第1ターン、カード選択フェイズでは、佐幕側は「宮廷工作」をゲットします。倒幕側もいずれかを選びたかったのですが、ここで強制カード「外国人殺傷事件」が起こり、手札を取れず。せめてもと、佐幕派の政権点を-1します。
  作戦フェイズでは、両陣営とも足場固めに。佐幕派は板倉勝静+2ユニットを摂播におくり、2VPのここを確保します。倒幕派は、サドンデスの阻止と優秀な兵力の確保のため、肥前に山縣狂介と桂小五郎+長州藩兵を送り、味方に付けます。

T1
 第2ターン、佐幕側は「勅命降下」をゲット、倒幕派は「公議輿論」をプレイし、ぞれぞれ、北越と土州を自陣営に引き入れます。
 佐幕派は、摂播を平定した板倉隊を、優秀な兵力源の紀州に送り、ここを味方にします。一方、倒幕派は京での支持獲得を諦め、西郷吉之助と大久保一蔵を芸備と因州に派遣します。
T2
 第3ターン、佐幕派は「列藩同盟」で会津を引き入れます。倒幕派は京の政治的中心の徳川慶喜の暗殺を試みますが、こちらは失敗に。
 倒幕派は、主力の6スタックを肥後に送り、ここを平定。同時に、山縣を薩摩に送り、兵の移動に備えます。一方の佐幕派は、同様に兵力を回収するため、松平容保を北陸に派遣します。
T3
 第4ターン、佐幕派は「軍制改革」で幕府兵2ユニットを伝習歩兵に転換します。倒幕派は、またも強制イベント「外交折衝」を引き、佐幕派の政権点獲得をアシストしてしまうことに。
 佐幕派は、紀州で兵を蓄えた板倉を北畿に派遣し、これを平定します。一方、倒幕派はまだ時間があると踏んで、予讃に大久保を送って、味方に付けます。
T4
 だいぶ兵力も集まり、数ターン以内の薩長の上洛が見えてきた第5ターン、激震が走ります。佐幕派が「社会不安蔓延」(いずれかのエリアの支配を無効にし、支持獲得をやり直す)をプレイし、なんと肥前を幕府支持に変えてしまいます。この直後に2ターン連続の「外交折衝」!肥前が幕府についてしまったため、佐幕派が3倍のVPを獲得し、サドンデス勝利となってしまいました。
T5 サドンデス負け
 今回は、まさにカード引きによって、勝負がついてしまいましたが、油断すると、これがあるんですよね~。倒幕派としては、ある程度、まとまった兵力で上洛したいのですが、流れによってはこんなことも。
 第一戦があっという間に終わったので、第二戦に突入します。今度は、支持獲得drが荒れに荒れて、両陣営とも予期せぬ展開に。
 佐幕派は、「人事改革」(自陣営のキャラをランダム引き)で得た河井継之助を摂播に投入しますが、drが届かず、支持を得られず。ならばと、第2ターンに河合+慶喜の最強コンビで再び、摂播に向かいますが、ああ、dr「1」で連続失敗。第3ターンに三度目の正直で、やっとここを平定します。
 一方の倒幕派も、山縣・桂ペアが肥前を平定したのはよかったのですが、あの大西郷が芸備と地元の薩摩で、まさかの支持獲得に失敗。
T4
 その分、「公議輿論」(支持のない雄藩を支持下に)、「列藩同盟」(支持のないエリアを支持下に)、「外交折衝」がよく回ったので、両陣営ともそこそこ基盤となるエリアの支持獲得には、成功します。
T5
  第6ターン、いよいよ、兵力蓄積なった薩長軍が上洛を開始します。山縣・桂率いる8ユニットが摂播へ。対する幕府軍は、河合・慶喜の6ユニット。dr修整は、政権点補正も有り、やや佐幕派が有利。第一次政治決戦の行方は・・・佐幕派の勝利となりました。
T6 摂播の政治的攻防
 第7ターン、紀州兵も加えた薩長軍が再び、摂播へ。北畿にいた小笠原隊も加わり、今度dr修整は、イーブン。一歩も引けないdrの結果は、またも佐幕派の勝利に。
T7
 第8ターン、兵力で上回りながらも優位に立てない倒幕派に焦りが。正面突破が無理なら、搦め手でと、西郷率いる薩摩・土佐兵が北畿に上陸します。が、ここでも、drが「1」で失敗。せごどんが三連続で失敗し、大西郷じゃなくて、負西郷じゃん!
T8
 第9ターン、健闘しながらも援軍がない佐幕派は、慶喜を尾州に、河合を幕府軍主力のいる総武に派遣し、援軍の準備を進めます。一方の倒幕派は、三度目の正直とばかりに、摂播と北畿に大軍を投入し、政治的圧力をかけます。そして、運命の支持獲得フェイズに。まず、京都で佐幕派が圧倒的影響力がありながら、dr「1」で失敗(ここで来るか!)続いて、摂番で倒幕派がついに支持を獲得!北畿の制定にも成功し、畿内は倒幕派に鎮圧されます。これにより、畿内の佐幕派兵力が一掃されます。
T9 倒幕派の大攻勢
 第10ターン、一転して劣勢になった佐幕派は、慶喜を加越に派遣し、兵力の補充と北陸路の封鎖を行います。対する倒幕派は、長州の大軍を京市内に進行させ、宮廷を制圧します。
T9
 第11ターン、「外交折衝」と「外国人殺傷事件」が連続し、横浜が外国軍に接収されるなど、佐幕派の権威は地に落ちます。と、ここで倒幕派の「クーデター」!!京都を抑えた薩長軍を諸外国が承認し、新政権が樹立されます。
 新政権軍は、後方の憂いを取り除かんと、桂隊を因州に送り、西郷隊を尾州に進行させます。幕府軍は、このままジリ貧になるよりはと、河合隊を北畿に上陸させ、反撃に出ます。結果は、幕府軍に北機を奪還されるも、新政府軍が尾州と因州を獲得し、地歩を固めます。
T10
 第12ターン、北機を再奪還せんと桂隊が反転し、河合隊と対峙します。その一方で、甲信にいた板倉隊が駿河湾経由で海上移動し、摂播に上陸をかけます。dr修整では幕府軍が不利ですが、両方をとれれば状況を一変できる可能性が・・・しかし、drは無情にも薩長に微笑みます。これにより、幕府軍の主力はほぼ壊滅し、河合も敗走中に怪我が悪化し、命を落とします。
T12
 第13ターン、流れは一気に新政府側に。「列藩同盟」で駿遠を抑えた薩摩軍は西郷を総武に突入させます。相手は、史実通り、勝海舟になりましたが、江戸が火の海になることを嫌って和睦が成立し、新政府軍が占領します。一方、なんとかサドンデスを避けたい佐幕派は北陸の慶喜が蝦夷へ進行し、支持を訴えましたが・・・ああ、なんと松前藩の出した答えは、薩長政権の承認でした。
T13
 第14ターン、「外国人殺傷事件」で政権点を-1するも、大勢に影響なし。薩長軍は甲信に進行し、これを平定。幕府軍は、戦力を補強のため、動かず。
T14
 第15ターンを迎え、ここで「外交折衝」に。今度は、新政府側のVPが幕府側の3倍となったため、薩長軍のサドンデス勝利になりました。よくよく考えると、政権点を失うのがもったいないと、両陣営とも「開戦」せずに幕末を乗り切ったわけで。激しく長い内戦にならなかったあたり、ある意味、史実に近いですね~。

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