歴史・戦史研究「ちはら会」Drei

この会は、主にシミュレーションという手法を用いて、歴史・戦史を楽しもうという、有志の集まりです。興味ある時代をテーマに選び、図上演習(シミュレーションゲーム)を通して、文献研究では得られない「動きのある歴史」を見つめます。 「ちはら会」では、現在、会員を募集しています。年齢や資格等を問わず、興味のある方ならば、どなたでも参加できます。関心のある方は、下記にご連絡ください。 Eアドレス. chiharakai@apost.plala.or.jp (代表.mitsu)

WWⅡ 東部戦線

 今月のソロプレイは、WWⅡ戦闘級アイテムの「TANKS+」(CMJ)から東部戦線追加シナリオ30「クーテルセルカの戦い」です。「TANKS+」では、初となる継続戦争(ソフィン戦争)で、1944年のソ連軍の大攻勢を、ドイツ軍が提供したⅢ号突撃砲で押しとどめようという設定です。
 参加兵力は、フィンランド軍がⅢ突3輛に、歩兵3ユニットのみ。ソ連軍は、T34/85が2輛に、PAKが2門、狙撃兵が3ユニットです。
T0
 勝利条件は、フィンランド軍が敵に占領された村を、奪還するというもの。えっ!この戦力で勝負になるのか、ですが、実際、T34/85は強力で、Ⅲ突に命中させれば、かなりの確率で撃破できます。Pakでさえ、当てられたら、危ない。
 そう、当てられたら、でして。実際、ソ連軍の命中率は悪く、かつ、Ⅲ突は車高の低さから小型目標になります。よほど近寄らない限り、T34の命中値は7以上になることはないでしょう。逆に、フィンランド軍(ドイツ軍製AFV)の命中率は非常に高く、後は撃破判定が上手くいけば、先に敵を無力化できる可能性があります。
 ただし、ターン数は、わずかに6ターン。フィンランド軍が、一定距離で射撃戦を続けるには、時間が足りません。敵の捕捉される(撃破される)ことを覚悟で、どこかで突進をかける必要があります。
 ソ連軍は、ほぼ固定配置で、村を守る前面にT34を配置します。フィンランド軍は、村に最短の位置に配置します。
 第1ターン、フィンランド軍は、敵にめがけて全速力で突進を行います。途中で、タンクデザント兵を下ろし、村を目指します。
T1F 突進
 ソ連軍はあえて防御射撃を行わず、満を持した準備射撃を行います。T34の砲弾が1発命中し、貴重なⅢ号突撃砲1輛が撃破されます。
T1S
 第2ターン、ここが勝負と、残ったⅢ号突撃砲が正確な射撃を浴びせ、2発の命中弾を出しますが、ああ、T34/85の傾斜装甲に弾かれ。
T2F 命中も跳弾
 逆に、またもやソ連軍の準備射撃で、Ⅲ号突撃砲1輛が撃破されます。
T2S 2両目が撃破れる
 第3ターン、最後の1輛が気迫の砲撃で、ついにT34/85の1輛を撃破します。また、歩兵スタックが対戦車砲陣地へ突撃し、1ユニットの犠牲を出しながらも、76.2mm砲の破壊に成功します。
T3F やっと1輛と1門を撃破
 これで、ソ連軍の砲撃を凌げれば、まだ、目があったのですが・・・T34/85の砲弾が無情にも最後のⅢ突を昇天させます。
T3S 最後のⅢ突が昇天
 第4ターン、フィンランド軍に残されたのは、歩兵突撃のみ。万に一つの勝利を求めて、シスの部隊が突進を行いましたが・・・1ユニットが85mm砲弾を至近に受けて壊滅。最後の1ユニットも、町に籠もるソ連兵の一斉射撃を受けて、全滅で終了となりました。
T4F 歩兵が絶望的な突撃も・・・
T4S
 う~ん、この兵力だと、やっぱり無理なのか?!いや、きっと手があるはずと、第2戦に。前回、敵に近寄りすぎて、命中されたので、今回はあえてⅢ突を敵から5へクス以上離れた位置に前進させたところ・・・これがビンゴ!ソ連軍が平均値以上のdrだったこともあり、Ⅲ突に命中せず。逆に、Ⅲ突が正確な射撃で命中弾を連続し、結果、1輛の損害もなく、T34とPak1門を撃破します。こうなると、75mm榴弾が威力を発揮し、敵の狙撃兵を漸減。第4ターンに敵の歩兵戦力が崩壊し、フィンランド軍歩兵が無傷で町を占領し、勝利となりました。ミニシナリオですが、考えることがあり、かつ、いい意味でdr運次第というのもよかったです。
R2

 今月のソロプレイ第11弾は、季節柄の「第6軍救出作戦」(Bonsai Games)です。その名の通り、スターリングラードで包囲された第6軍を救援するマンシュタインの攻勢で、冬の嵐作戦と呼ばれていました(最近では冬の雷鳴作戦というそうで)。編成上は装甲及び自動車化3個師団と強力ですが、充足していたのはフランスで再編された第6装甲師団のみで、あとは夏期攻勢の大消耗で保有戦車は定数の1/3以下に落ち込んでいます。これで、ソ連軍狙撃兵師団10個と機械化・戦車軍団3個を相手にしなければならない過酷さ!
T0
 ゲームシステムは、「金門島上陸作戦」(Bonsai Games)と同様のへクス/HQドリブンです。チットドリブンは有名ですが、このゲームでは任意の1へクスを指定し、そのユニット(スタック)が活性化します。または、師団/軍団チットを指定し、その所属ユニットが全て活性化します。ドイツ軍には師団及び軍団チットがあるので、1ターンに最大3回(!)の行動が可能です。ソ連軍は軍団チットのみなので、活性化は2回まで。ただし、行動済みのユニットが活性化するには補給ポイントが必要であり、第1ターン以外はどのユニットを活性化するか、計画性が必要です。
 勝利条件は、雷鳴線と呼ばれる救援位置までドイツ軍が進出すること。ソ連軍はこれを防げば勝利します。
 これに、drを振って大きい方が差額分だけ、支援チットを受け取れる航空優勢、戦車の優秀差を表すショック(事前に敵をステップロスさせる)等の特別ルールがあります。
 作戦方針ですが、ソ連軍は前線の部隊で時間を稼ぎつつ、ミシュコバ川後方にスタック戦線を引きます。また、薄くてもよいので二重線戦にして、ドイツ軍の戦闘後前進を制限します。機械化/戦車軍団は戦線の穴埋めに使うか、反撃を行います。
 ドイツ軍は、適切な活性化をしながら、効率よく敵の撃退と包囲撃滅を繰り返し、3線の雷鳴線の突破を目指します。
 第1ターン、ドイツ軍の支援マーカーは最大の5。そのうち、1個の空軍をミシュコバ川におき、敵が河川の防御効果を利用できなくします。
 第一撃は、第23装甲師団で、突出部から第91狙撃兵師団の1個連隊を攻撃し、これを最高比で撃破します。が、その後は、drの不調が続き、2/3でDEのはずのユニットが多数、生き残り、敵前線の掃討に時間がかかります。へクス単位の活性化が終わっても、まだ、ソ連軍は健闘していましたが、ここで第6装甲師団が活性化し、3ユニットを一気に除去します。
T1 ドイツ軍の攻撃開始
T1 へクスから師団へ
 ソ連軍は歩兵師団で再度、戦線を構築しますが、前進の機会を得た第23装甲師団がこれを強襲し、ミシュコバ川渡河に成功します。
 そのままの勢いで、ドイツ軍全ユニットを活性化できる第57装甲軍団チットで、戦線を北に押し上げます。次ターンの攻勢のため、あえて戦闘後前進で第23装甲師団の自動車化連隊を突出させます。
T1 軍団発動
 ドイツ軍が全行動を終了したことを確認したソ連軍は、第4機械化軍団で初の反撃に出ます。包囲下での2:1攻撃は見事に成功し、死守し切れなかった自動車化連隊スタックが壊滅します。
T1 機械化軍団の反撃成功!
 このターンの収支としては、戦闘drに嫌われたドイツ軍に分が悪い状態です。平均値が出ていれば、もう少し、ソ連軍に打撃を当てられていたはずなんですが・・・。
T1終了時
 第2ターン、ドイツ軍の航空優勢は4ユニットで、うち、2枚の空軍マーカーを戦線の両端に配置します。まずは左翼で第16自動車化師団が敵中を突進し、1個狙撃兵師団を包囲します。これに対し、ソ連軍は機械化軍団による連続反撃をかけますが、航空優勢が物をいい、第16自動車化師団が耐え凌ぎます。そのまま、包囲下の敵狙撃兵師団に2回にわたって攻撃をかけましたが・・・3:1の比率にもかかわらず、1/6の確率で失敗。2回の攻撃で第23装甲師団の装甲連隊を失う羽目に。その上、ソ連軍が死守に成功し、これを撃破できません。
T2 23Pzが包囲下の狙撃兵を叩くも・・・
 やむを得ず、ドイツ軍は主軸を第6装甲師団に移して、右翼に連打を打ち込みます。最強の戦力を持つ同師団の攻撃は強烈で、敵の補給基地を占領し、親衛赤軍を潰走させます。さらに、後方部隊も撃破して、ムイシュコワ川の渡河に成功します。 
T2 6Pzの死闘
T2 軍団命令で可能な攻撃をするも・・・
 第3ターン、ドイツ軍がかろうじて航空優勢をとり、3枚の支援マーカーを受け取ります。うち、2枚が幸運にも空軍!また、戦略予備の第17装甲師団(といっても稼働戦車は30台のみ)が到着します。が、ソ連軍にも突破を断固阻止するために、親衛狙撃兵師団4個(!)と最強の第2親衛機械化軍団が登場します。
 先手はドイツ軍で第6装甲師団が力押しで中央部を叩き、第1雷鳴線に後1へクスに迫ります。
 ソ連軍は、あえて、左翼の反撃を優先し、包囲下の第16自動車師団に、4度目の攻撃をかけます。これが成功し、補給切れで回復ができなかった第16自動車師団の主力が壊滅します。
T3 包囲下で耐える16Pzも限界に
 ドイツ軍はあと一歩、及ばなかったものの増援の第17装甲師団を左翼に投入し、再び、第1雷鳴線に迫ります。
T3 総予備の17Pzを投入
 ソ連軍は後方から大量の増援を投入し、前線を固めにかかります。全てが投入されたら、ドイツ軍の前進はほぼ不可能になります。
 おそらくチャンスは、一度しかない。ドイツ軍はここで切り札の第57装甲軍団チットを投入し、2カ所で第1雷鳴線に決死の攻撃をかけます。第6装甲師団の中央部への攻撃は、まさかのEXに(1/6)。これ以上の損害をさせないドイツ軍は、涙を呑んで退却します。残りは東端沿いに攻撃をかける新着の第17装甲師団。全てを注ぎ込んだ4:1攻撃は見事に成功。包囲下になることを覚悟で、装甲連隊が突進をします。
T3 雷鳴線まであとわずか
 突破に成功したので、勝利判定チット(雷鳴チット)を引くと・・・第6軍の脱出呼応!ドイツ軍がギリギリのところで、勝利をもぎ取りました。ああ、危なかったぁ!
終了時
 事前に何度かソロをしたのですが、取り得る作戦の幅が、なんと広いこと。ドイツ軍で最も効率がよいのが、へクス-師団-軍団の順の活性化ですが、場合によっては連係攻撃のため、いきなり師団や軍団を活性化することもありえます。また、ソ連軍も守っているだけだと、いずれは雷鳴線を守り切れなくなるので、貴重な機械化/戦車軍団を投入して敵に痛打を与える必要があります。これに、支援チットや補給制限があり、簡潔ながら非常に考えることが多い良作です。前作もそうでしたが、わずかクォーターマップにしては、非常に内容の濃い作品です。

 今月のソロプレイ第10弾は、青作戦の失敗後のソ連邦南部の激闘を描いた「第6軍を救出せよ!」(CMJ)です。42年後半のソ連軍の反攻とそれを迎え撃つ枢軸軍の戦闘です。史実では、スターリングラードが陥落し、その勢いを駆ってソ連軍が一時的にハリコフを占領。が、マンシュタインによる後手からの一撃で、ソ連軍の野戦軍主力が粉砕され、春の雪解けとともに戦闘が終結します。
 システムは、1ユニットずつが移動と戦闘を繰り返すという、相互行動シークエンスです。将棋やチェスのような駆け引きがあり、後作の「ESCAPE TO NOWHERE」にも取り入れられています。極一部の地域に影響を与える嵐や準備下攻撃の有利と機動攻撃の不利等も同様です。
 まず、ソロ演習をしてみましたが、ソ連軍が兵力を集中すると、表題と違ってスターリングラードの陥落は必至です。続いて、赤い津波による猛攻が始まるわけですが、陥落がいつ起こるかによって、展開は大きく異なります。マップの広さに比べ、ユニット数が少ないことから、早期の攻勢で一定数のユニットが撃破されると、ドイツ軍は戦線の維持ができなくなり、多数のユニットが包囲され、防御態勢が崩壊します。特に大量増援が来る第8ターンまでは、薄氷の展開になることが多いでしょう。逆にスターリングラードの陥落が遅れると、ソ連軍がドネツ河を越えられないことも。
 第1ターンは特別ルールで、ソ連軍は一切の行動ができません。ドイツ軍のみが行動できますが、移動力は1/2のため、戦線の形成で終了します。
T1
 第2ターン、ソ連軍は最強の打撃軍を含む増援の2ユニットを投入し、スターリングラード包囲戦を実行します。最大の+30戦力差を修整した+20戦力差の攻撃は、1/3に。第6軍の3ユニットが消耗します。
 同時に、別働隊で南部のモロズフスクを攻撃し、ここを守るイタリア軍を後退させます。が、北部のイタリア軍への攻撃は、dr6で最悪の0/2となります。
T2 モロゾフスク攻撃
 枢軸軍は予備の投入と前線部隊の細心の移動により、包囲をされないよう、戦線を維持します。
T2
 第3ターン、スターリングラード攻防戦は、またも1/3となり、これで合計の損害は6ステップロスとなります。
 また、南部も攻撃を続行し、直接攻撃と威力攻撃で、モロズフスクとツィムリャンスクを占領します。これにより、スターリングラードの防御効果は、左1シフトに低下します(特別ルール)。
T3
 第4ターン、消耗したスターリングラードのドイツ第6軍に、ソ連軍が襲いかかります。戦力差は、望みうる最大の+25。結果は、第6軍の全滅!これにより、ソ連軍は2つの勝利条件を達成し、負けはなくなります。
T4 スターリングラード強襲
 解き放たれた3個方面軍相当は、一斉に枢軸軍の戦線に向かいます。
T4
 第5ターン、ソ連軍は怒濤の勢いで、中央平原を守る歩兵軍団を威力偵察で包囲すると、+5の攻撃をかけます。結果は最高の1/3となり、敵歩兵軍団を殲滅します。
T5 第29歩兵軍団を包囲撃滅
 枢軸軍はあえてイタリア軍団を、戦線未形成の間隙に突入させ、敵主力の機械化部隊を補給切れにします。
 ソ連軍は後続部隊でイタリア軍を排除しようとしますが、drに祟られ、2回の戦闘で一方的な損害を受けます。イタリア軍団、奇跡の大健闘!
T5
 第6ターン、ここで冬の嵐が、はじめて、影響のある南部に発生します。
T6 もろに嵐が・・・
 ソ連軍は、今度こそ、包囲攻撃でイタリア軍を排除すると、主力を南下させ、ドネツ河方面に圧力をかけます。装甲軍団の修理工廠ミルレロヴォを占領し、敵の装甲補充を2ターンの間、無効にします。
 直接攻撃による退却と移動による戦線再編成の過程で、フレッター・ピコ臨時編成軍団が包囲下となります。ソ連軍は、機動攻撃の振りを顧みず、+4攻撃をかけますが、ここはF/P軍団が頑強に抵抗し、1/1とします。
 一方、北部でドイツ軍の第24装甲軍団が初反撃を行いましたが、これは2/0と失敗に終わります。
T6
 最も苦しい第7ターン、薄氷の枢軸軍戦線にソ連軍が猛攻をかけます。包囲下にしていた第48装甲軍団を攻撃し、3ステップロスを与えます。また、前ターンに排除できなかったF/P軍団も壊滅させます。
 後1ユニットでも除去されると、戦線崩壊となりかねない状況でしたが、ドネツ河畔に陣をはるイタリア軍が+5の攻撃を撥ね除け、ギリギリで戦線を維持します。
T7
 第8ターン、待望のA軍集団の主力がロストフに到着します。この装甲増援は直ちに前線に投入され、南部の危機を救います。それでも、ソ連軍の赤い津波は前進を止めず、浸透移動で敵を包囲しながら、要衝ノボシャフチンスク近郊まで到達します。
T8 装甲軍団、到着!
 一方、北部では強力な機械化軍団が突進し、威力偵察で包囲した1個歩兵軍団を瞬時に殲滅します。
T8
 いよいよ、ゲームは終盤の第9ターンに。ソ連軍が打撃軍と機械化軍団を投入して、オスコル河を強行渡河すれば、ドイツ軍はその南部で弱体化した狙撃兵軍団を圧倒的戦力で包囲殲滅します。
T9 中央部の激戦
 すると、今度はその北部で、ソ連軍が浸透攻撃で歩兵軍団を排除するなど、中央部付近での激戦が続きます。
T9 北部でも攻撃
 また、最も勝利都市に近づいている南部でも、歩兵軍団に包囲攻撃をかけますが、これは1/1と痛み分けに。
T9 ソ連軍、南部で攻勢
T9
 第10ターン、ソ連軍は前ターンに消耗させた敵歩兵軍団を、連続攻撃で殲滅します。
 一方、中央部でも乱戦が続き、包囲したイタリア軍を+5攻撃しますが、これは2/0の頑強な抵抗に遭います。なんとしてこれを除去したいソ連軍は、部隊をかき集め、再び、+5攻撃を実施しますが、またも2/0!イタリア軍団、奇跡の大健闘、再び!
T10 イタリア軍団、まさかの大健闘
 すると、今度はドイツ軍の装甲軍団が、敵主力の打撃軍+機械化軍団を逆包囲し、+20差攻撃をかけますが、こちらは1/1に引き分けに。
T10
 第11ターン、このままでは中央の主力が全滅しかねないと判断したソ連軍は、打撃軍を浸透移動で後退させます。ドイツ軍は後衛となった機械化軍団を、最大+30戦力で攻撃し、これを殲滅します。
T11 装甲軍団の猛反撃
 このままでは勝てない。ソ連軍は南部で全戦闘力をかき集めると、回廊を防いでいる臨時編成部隊とイタリア軍のスタックに、+15戦力差攻撃を実行します。結果は、DE!枢軸軍は予備の歩兵軍団を投入して、ロストフに最終防衛線を張ります。
T11 南部の要、寸土を守り抜く
T11
 最終の第12ターン、ソ連軍は最後の希望をかけて、ロストフに+4の強襲攻撃をかけましたが、結果は2/0。これにより、勝利都市タガンログの占領は不可能に。
T12 南部最後の攻勢も・・・
 枢軸軍はこれを受けて、完全な防御態勢に。ソ連軍はやむなく、中央の臨時編成部隊を包囲攻撃しますが、これも撃滅できず。ここで、ゲームオーヴァーに。
T12 中央部で包囲攻撃も撃破できず
 終わってみれば、枢軸軍が反撃で敵部隊を削り、損耗しながらも戦線を維持したことで、引き分けに終わりました。ソ連軍は史実を知っているため、無理な突進はしません。枢軸軍は戦線を維持しながら、装甲予備による反撃で相当数の敵を撃破できますが、敵の主力が全滅するようなことはありません。よって、今回のような「引き分け」が順当なところでしょう。
T12

 今月のソロプレイ第6弾は、WWⅡ戦闘級アイテムの「TANKS+」(CMJ)から東部戦線追加シナリオ26「地獄のバレンタイン」です。1942年のデミヤンスク包囲戦を描く陣地突破作戦です。
 参加兵力は、ドイツ軍は4門のFLAK/PAKと10ユニットの歩兵のみ。ただし、重機関銃と装甲効果を持つ掩体壕が使用できます。掩体壕は防御力は強力ですが、射界が限られているため、敵に回り込まれるとやっかいです。また、FLAK1門を除けば、PAK3門は貧弱で、T34/76 相手では正面からの撃破は容易ではありません(2d6で5以下)。攻勢側のソ連軍は、T34/76の10輛に支援された18ユニットの狙撃兵が登場します。
T0
 勝利条件は、最終12ターンまでに8個の掩体壕を破壊し、狙撃兵6ユニットが北端から突破することです。
 展開としては、ソ連軍が戦車を高速で突進させ、敵の掩体壕の射界外に回り込み、至近距離からの徹甲弾攻撃で、これを撃破することを狙います。壕または塹壕に籠もる歩兵に対しては、狙撃が数を生かした対歩兵戦闘を仕掛けるか、これを無視して浸透し、突破阻止のために壕を出たところで、捕捉する作戦です。
 ソ連軍は、この方針に沿って、東側に兵力を集中します。ドイツ軍は、同じく東側に対戦車砲3門を並べ、丘の上の射撃ポイントに長距離攻撃力に優れた88mm対空砲を置きます。
 第1ターン、ソ連軍は計画に沿って、全力で移動を開始します。ドイツ軍は防御射撃でタンクデサントのT34を狙い、2発が命中し、1輛を狙撃兵ごと吹き飛ばします。また、バンカーからの重火器の射撃で、狙撃兵1ユニットを撃破します。
 ソ連軍は至近距離での前進射撃で、掩体壕1つを破壊します。
T1S 88mmの長距離射撃で開始
T1S AFでバンカー撃破
 ドイツ軍は準備射撃フェイズに、前線歩兵による集束手榴弾でT34を1輛、重火器で狙撃兵1ユニットを撃破します。移動フェイズに、中央から西側の全ての歩兵を東側に向けて移動させます。
T1D 重機と歩兵の射撃、東側陣地へ
 第2ターン、ソ連軍は一気に優勢を決めんと、陣地に向けて、車輌/歩兵を突撃させます。が、結果的には、やや無謀でした。至近距離から対戦車砲と歩兵の防御射撃を喰らって、さらに3輛のT34が撃破されます。怒り心頭のソ連軍は前進射撃をしますが、dr修整が祟って、敵の歩兵2ユニットを撃破するのがやっとです。
T2S 突撃するも、DFで損害多し
 ドイツ軍は準備射撃でT34をさらに1輛、撃破し、歩兵が中央の陣地に入り、陣地転換を進めます。
T2D 緊急の陣地転換
 第3ターン、ソ連軍は戦車の停止射撃でバンカーを狙いますが、drにギリギリで疎まれ、命中なしか、当たっても弾かれます。運が悪いことに、T34の1輛が弾切れに。
T3S 2個目のバンカーを破壊するも
 こうなったら、歩兵突撃しかないと、「ウラー!」の雄叫びを上げて、狙撃兵が突進し、2個目のバンカーを破壊します。
 ドイツ軍は反撃で正確な準備射撃を繰り返し、T34の1輛と狙撃兵2個ユニットを撃破します。この時点でソ連軍の損害は、T34が7輛、狙撃兵が9ユニットに達します。
T3D 正確な射撃で、イワンに出血を与え
 第4ターン、ソ連軍は残った2輛のT34でバンカーを射撃しますが、隠蔽が効いて、当たらず。さらに悪いことに、2両目の弾薬切れを出してしまいます。やむなく、狙撃兵で白兵戦を仕掛け、対戦車砲ごとバンカー1つを破壊します。残りの歩兵は、必殺の零距離射撃を実施すべく、敵の掩体壕に接近しますが・・・。
T4S 狙撃兵の突撃でバンカー破壊
 ドイツ軍は88mm対空砲で機能する最後のT34を撃破すると、遮ることにない平地を横切る敵に正確な射撃を撃ち込み、狙撃兵2ユニットを撃破します。
T4D 最後の機能するT34を撃破、歩兵にも出血
 ジリ貧になりつつあるソ連軍ですが、第5ターンに意地を見せます。狙撃兵が三度目の突撃を開始し、防御射撃で2ユニットを失うも、決死の白兵戦で2つのバンカーを破壊するという戦果を上げます。
T5S 血で血を洗う肉弾戦
 第6ターン、さらに勢いに乗るイワンは、爆薬で7つ目の掩体壕を吹き飛ばしますが、ドイツ軍も陣地転換した戦力で逆襲をかけ、狙撃兵2ユニットを抹殺します。この時点で、ソ連軍の歩兵は、勝利条件ギリギリの6ユニットまで減少してしまいます。しかし、あともう1つ、バンカーを破壊しなければ、突破できない状況に。
T6S 7つ目のバンカーを破壊も
 第7ターン、奇跡を信じ、イワンは手に入れた塹壕を飛び出し、中央の掩体壕に突撃します。が、待ち構えていたドイツ軍の猛烈な防御射撃が、この部隊を襲います。正確無比な射撃と88mm対空砲の榴弾砲が炸裂し、狙撃兵2ユニットが昇天。生き残った1ユニットが8個目のバンカーを吹き飛ばしたのが、せめてもの慰めか。
T7S それでも義務を果たすイワン
 結果、ソ連軍はバンカーの破壊には成功したものの、突破兵力が規定に満たず、敗北となりました。
終了時
 ドイツ軍に装甲兵力がなく、陣地による突破阻止という、一見、地味なシチュエーションですが、十分に面白い!慣れるまでは、赤い津波にドイツ軍が呑み込まれる展開が多かったのですが、適時に狙った防御射撃と歩兵の陣地転換を組み合わせると、今回のように突破阻止も可能です。もっとも、ソ連軍に弾切れが多かったり、頼みの前進射撃がdrに祟られたりと、運が悪かったのもありますが・・・。

 今月のソロプレイ第5弾は、「TANKS+」(CMJ)より、東部戦線追加シナリオ22「タンネンベルク戦の戦い」です。1944年のナルヴァ攻勢後のタンネンベルク線での戦いです。
 ソ連軍には10両のT34/85があり、ドイツは4両のパンターのみ。ただし、丘の上に司令部にいる4個分隊の歩兵を守り切れば、ドイツ軍の勝利であり、時間稼ぎがうまくいけば、いい勝負になります。
 セットアップで、ドイツ軍は射程の取れる丘の上にパンターを配置します。対するソ連軍は、その正面に4両を置き、側面迂回に6両を投入します。
T0
 第1ターン、ソ連軍は計画取り、前進をし、6両が敵の側面に取り付きます。すかさず、前進射撃をしますが、dr修整がきつく、命中弾はなし。
T1S
 これに対し、ドイツ軍は丘の上から脅威となる側面の敵に、準備射撃を見舞います。4発中3発が命中しますが、撃破drでハイロールが連続し、T34の1両を撃破したものの、2両は移動不能にとどまります。
T1D
 第2ターン、ソ連軍は側面攻撃部隊で一斉に準備射撃を行い、パンター1両を撃破します。ここで一気に片を付けんと、正面の4両もい近距離に接近します。残った3両のパンターが防御射撃を実施し、突進してきたT34の2両を撃破します。が、続く、前進射撃で、さらにパンター1両が撃破されます。
T2S 正面からの突進
 第3ターン、圧倒的に数で有利に立ったソ連軍は、一斉に準備射撃を行い、パンター1両を撃破します。
T3S
 ドイツ軍は、この撃ち合いに分がないことから、最後に残ったパンター1両を後退させます。
T3D
 第4ターン、ソ連軍は丘を取り囲むように移動し、次ターンの突入を待ちます。
T4S
 第5ターン、4両のT34はピストルの合図を元に、一斉に丘を駆け上がります。残ったパンターが防御射撃で迎え撃ち1両を撃破。が、続く、前進射撃で最後のパンターが昇天します。
T5D PFが外れる
 第6ターン以降、T34の榴弾射撃とドイツ軍歩兵のパンツァーファウストの撃ち合いになります。命中率ではソ連軍戦車の方がよく、毎ターン、1ユニットずつ、歩兵を撃破していきます。が、途中で1両が弾薬不足を起こして、後退します。
 対するドイツ軍歩兵も、ひたすらパンツァーファウストを撃ち込みますが、drに嫌われ、命中はなし。徐々にジリ貧になっていくドイツ軍は、第9ターンが終わった時点で、最後の歩兵1ユニットを残すのみに。
T8S
 最終第10ターン、ソ連軍の2両のT34は必殺の榴弾を、敵の籠もる建物に撃ち込みます。命中率は、6割ずつあったのですが・・・ああ、最後の最後にdrの女神は微笑まず。2発とも外れとなったことで、ドイツ軍がかろうじて勝利となりました。
T10S ドイツ軍が耐え忍ぶ

 今月のソロプレイ第4弾は、「TANKS+」(CMJ)より、東部戦線追加シナリオAS19「合い言葉『自由』」です。いわゆるコルスン包囲戦で、第3装甲軍団による救出作戦を描いています。
 ドイツ軍の兵力は強力なTigerが4両とPantherが2両です。うち、1両でも盤端から突破するか、ソ連軍を全滅させれば勝利です。ソ連軍はパンターになら引けを取らないT34/85が4両に、命中すればどんな敵でも粉砕できる120mm砲搭載のJSⅡが2両となっています。
T0
 セットアップですが、ドイツ軍は遮蔽物を利用しながら距離を取って撃ち合えるように、中央付近の森への最短ルートの位置に付けます。ソ連軍は南端付近の森か、中央の建物に接近できる位置に配置します。
 第1ターン、ドイツ軍は計画通り、前進をします。
T1D ドイツ軍が前進
 ソ連軍もそれに対抗すべく、T34の2両とJSⅡが前進を開始します。ここで、森に陣取ったパンターが中距離での臨機射撃を実施し、一発を命中させるも距離があったため、装甲に弾かれます。
T1S 中距離で防御射撃を命中させるも・・・
 第2ターン、ドイツ軍はじりじりと前進を続けます。視線が届かない位置にいるソ連軍は、敵の進出を待って待機します。
 第3ターン、Tigerの前進が順調にいったため、森にいたPantaherが動きます。いったん後退し、向きを変えると隣接へクスへ。これで、射界が通ったPantherが前進射撃でT34に発砲し、ついに1両を仕留めます。
T3D T34の1両を撃破
 ソ連軍は生き残ったT34を建物に入れて遮蔽すると、重装甲を誇るJSⅡが射撃戦を挑むべく、前進を行います。
T3S 遮蔽物に入り込む
 第4ターン、この状況なら数的優位を取れると踏んだドイツ軍は、巧みな機動で敵の半数だけを相手にできる位置に突進します。3両の虎が前進射撃を行い、高い命中精度で建物に籠もるT34に命中弾を出します。強力な88mm砲弾が傾斜装甲を撃ち抜き、T34が撃破されます。
T4D
 怒り心頭のイワンは、JSⅡを停止させ、虎に向かって発砲します。2発とも命中となり、Tigerの重装甲を撃ち抜き、1両が炎上。が、もう1両は、キャタピラへの命中で移動不能に止まります。
T4S スターリンの120mm砲が虎を引き裂く
 第5ターン、残った3両のTigerと2両のJSⅡの壮絶な撃ち合いとなり、虎の放った3発が全て命中となります。1発は敵の砲塔基部を直撃し、撃破。が、2発は防御力8という驚異的な重装甲に弾かれます。
T5D 虎のパックフロント戦術
 ソ連軍は残った1両のJSⅡで射撃をしますが、こちらは照準器の差で命中せず。やむなく、最後の予備のT34を前進させ、建物に入ったPantherの側面を取ります。
T5S
 第6ターン、3両のTigerはスターリン重戦車にパックフロント戦術で集中射撃を見舞います。が、またも厚い装甲に弾かれ撃破はならず。ただし、1発がキャタピラを撃ち抜き、JSⅡを移動不能にします。また、Pantherは急速旋回して向きを変えると、前進射撃でT34の1両を撃破します。
T6D 激しい撃ち合い
 残り2両となったソ連軍は必死の抵抗を見せ、JSⅡの射撃でTiger1両を撃破。さらにPantaherに命中弾を出しますが、こちらは傾斜装甲に弾かれます。
T6S 反撃
 第7ターン、ここが勝負とドイツ軍は足の止まったJSⅡに、Tigerが発砲します。これまで3発の砲弾を弾いてきたJSⅡですが、装甲の薄い部分を貫通され、ついに炎上。同時に、建物内のPantaherがT34に集中射撃を行います。75mm砲弾が最後のT34/85に引導を渡し、ソ連軍が全滅。この瞬間に、ドイツ軍の勝利となりました。
T7D 精密射撃がイワンを打ち砕く
 今回はドイツ軍の機動がうまくいき、結果的に各個撃破できました。が、互いに相手を撃ち抜ける威力を持つため、drによってはドイツ軍の攻勢が頓挫する場合もあります(事前のプレイがまさにそうでした)。よって、バランスはよく、あとはいい意味で勝負のdr次第といったところでしょう。

 今月のソロプレイ第3弾は、WWⅡ戦闘級アイテムの「TANKS+」(CMJ)から東部戦線追加シナリオ17「クルィームスカヤ駅からの脱出」です。
 ドイツ軍の青作戦の攻勢を受けて、取り残されたソ連軍の第126独立戦車大隊が、撤退ため、逆襲に転じるという設定です。
 この時期にしては珍しくソ連軍の戦車はT26で、ドイツ軍の3号H型がかなり有利です。勝利条件は、ドイツ軍が脱出の拠点となる丘に1両でもいること。よって、ドイツ軍としては、アウトレンジで敵を削りつつ、最終ターンに一斉に丘に突進をして、生き残りをかけます。ソ連軍は、逆に1両でも多くの兵力を丘に埋伏させ、近距離での敵撃破を狙います。
T0
 以前の演習では、ソ連軍の全車両が丘に向かったものの、接近するドイツ軍に側面からの射撃を受け、3両が撃破されたことがあり。ならば、今回は2両を牽制部隊(犠牲部隊)としてドイツ軍と射撃戦をさせ、その援護の下に5両の戦車を丘に向かわせる作戦をとります。セットアップは、これに沿って配置します。
 第1ターン、両軍は計画通り、前進をします。まだ、距離があるため、ドイツ軍は前進射撃を控えます。
T1
 第2ターン、なおも、両軍は前進。命中率が若干、上がったので、ドイツ軍は前進射撃を行いますが、さすがに命中弾はなし。ソ連軍は、味方の援護のため、2両のT26を突進させます。
T2
 第3ターン、前方のT26が無視できなくなったので、ドイツ軍は距離を詰めながら、そちらに前進射撃を行いますが、drに恵まれず、命中はなし。ソ連軍は足を止め、準備射撃を行いますが、こちらも命中せず。この間に、主隊は丘の斜面に取り付きます。
T3S
 第4ターン、敵の牽制部隊に対し、ドイツ軍の2両が発砲し、1台を撃破します。3号戦車1両が前進をして、敵の主隊の側面を狙いましたが、惜しくも外れになります。
T4D
 ソ連軍は、生き残った牽制のT26で援護射撃を行い、その間に主隊が無事に丘の上に到着します。
T4
 第5ターン、ドイツ軍は目障りなT26を撃破。丘に向かって前進させます。
T5D
 第6ターン、丘にいるソ連軍は、ドイツ軍の進行方向に5両を展開し、待ち受ける形に。
T6
 第7ターン以降、ドイツ軍は最後の突進に賭けるべく、部隊を参加させると、3方向からの突撃準備を整えます。
 そして、迎えた最終の第10ターン、ドイツ軍の3両は一斉に丘を駆け上がります。ソ連軍の1両が近距離で防御射撃を行いますが、命中せず。ドイツ軍は前進射撃を行うものの、建物内に陣取った敵を十分に照準できず、外れとなります。
T10D
 続くソ連軍ターン、敵の殲滅を狙い、ソ連軍が近距離からの準備射撃を行います。ここで一発が外れ、残り3発で敵3両を撃破しなければならない展開に。
T10S
 側面を向ける3号に対し、2両が見事に命中させ、一撃で撃破!残りは距離3へクスの1両のみ。乾坤一擲の最後の射撃は命中!あとは、20%の確率で撃破できるはずでしたが・・・無情にもT26の45mm砲弾は、3号H型の正面装甲を貫通できず。この瞬間、ドイツ軍の勝利が確定しました。
終了時

 今月のソロプレイ第2弾は、WWⅡ戦闘級アイテムの「TANKS+」(CMJ)から東部戦線追加シナリオ16「サボロジュ橋頭堡からの撤退」です。
 その名の通り、1943年のクルスク戦後のソ連軍の反攻を扱ったもので、第16装甲擲弾兵師団の後衛戦闘を描きます。
 ソ連軍には、増援を入れてT34/76が13両、KV1Cが4両、登場し、敵戦車5両以上の撃破を目指します。ドイツ軍は、Ⅳ号H型が6両で、敵を10両以上撃破した上で、2両以上の脱出を狙います。
 序盤、後退するであろうドイツ軍を半包囲すべく、セットアップを行います。正面からKVとT34の8両を差し向け、右翼から側面を突くT34を4両投入します。一方のドイツ軍は、南西の森を拠点に敵を迎え撃つべく、6両を配置します。
T0
 第1ターン、計画通り、ソ連軍は装甲の厚いKVを先頭に前進を行い、4両の迂回部隊を東端沿いに浸透させます。このシナリオでは弾薬切れがないため、果敢に前進射撃をしますが、確率が低く、命中弾はなし。
T1S
 続くドイツ軍ターン、こちらも予定通り、森に向けて後進しながら射撃を行います。高い練度を誇るドイツ軍は、同じ条件でKVに3両の命中弾を出します。一発は装甲を貫通しなかったものの、1発が履帯を砕いて移動不能にし、もう1発で1両を撃破してしまいます。
T1D
 第2ターン、後方待機していたT34も前進を開始し、10両でドイツ軍に迫ります。ドイツ軍はさらに後退しながら、敵戦車を狙い撃ち、KVとT34の各1両を移動不能にし、1両を撃破してしまいます。恐るべき、ドイツ軍の技量!
T2S
T2D
 第3ターン、移動不能になったKVが長距離射撃を命中させますが、Ⅳ号の装甲を貫通せず。敵を屠るには距離を詰めるしかないと、稼働できる戦車は、なおも前進を続けます。
T3S
 ドイツ軍は後退射撃で2発を当てるも、こちらは弾かれて戦果なし。
T3d
 第4ターン、ソ連軍主隊は足を止めて、ドイツ軍を狙いますが戦果はなし。代わりに側面に回り込んだT34が距離を詰めます。
T4S
 側面の脅威に気がついたドイツ軍は、一斉に砲塔を旋回させると、6発の集中射撃で2両を撃破します。
T4D
 第5ターン、ソ連軍待望の増援が西端に登場します。併せて9両のT34がドイツ軍に向けて突進をかけます。前進射撃+3修整にもかかわらず、数の威力で1発を敵の側面に命中させ、ついにドイツ軍戦車1両を撃破します。
T5S 近距離の防御射撃
 ドイツ軍は地形効果の得られる森に後退すると、後進間射撃を実施し、4発を命中させます。が、T34といえども、正面装甲は堅く、1両を撃破したのみ。
T5D
 最大のチャンス到来!第6ターン、ソ連軍は、全車両で数を頼みの突撃を行います。わずか50-100mに、両軍併せて14両がひしめく混戦に。ドイツ軍は近距離の防御射撃で4両を撃破しますが、反撃で2両が破壊されます。
T6S 突進!
 ドイツ軍が防御射撃を行ったため、第7ターン、ソ連軍が先に準備射撃を行います。5両の攻撃にもかかわらず、森の命中修整が効いて、1両を移動不能にするにとどまります。対するドイツ軍も完全停止射撃で撃ち返し、T34の3両を撃破します。
T7S
T7D
 第8ターン、主力は壊滅寸前ですが、せめて一太刀とT34が発砲します。さすがに近距離だけあって、このうちの一発がⅣ号戦車の装甲を貫通!すでに1両は移動不能になっているため、これにより、ドイツ軍の2両脱出は不可能になり、勝利はなくなりました。
T8S
 怒り心頭のドイツ軍は準備射撃で2両を撃破し、ソ連軍の残りは移動不能の3両のみとなります。
T8D
 第9ターンから両軍は遠距離砲撃戦を始めますが、ソ連軍は距離があるため、dr「2」でしか命中せず。対して、優秀なドイツ軍が順に命中弾を出し、第11ターンにKVを、第12ターンにT34を仕留めます。
T11D
 第19ターン、最後に残ったKVが側面に回り込んだⅣ号の一撃で沈黙し、ともに勝利条件を満たせず、引き分けになりました。
T19D

 今月のソロプレイ第1弾は、WWⅡ戦闘級アイテムの「TANKS+」(CMJ)から東部戦線追加シナリオ11「ヤムノ」です。1942年初頭に北方軍集団に対して実施されたソ連軍の冬期反攻を描くもので、ヴォルホフ川のドイツ軍拠点に対する攻撃になります。
 このシナリオは、唯一、AFVが登場しないシナリオです。ソ連軍の勝利条件は8ターン以内に、丘の上に備え付けられたPak隊を撃破することです。
 参加兵力は、ソ連軍が歩兵18ユニットで、ドイツ軍は3基のPak38と歩兵10ユニットです。対歩兵射撃能力では、ドイツ軍の方が射程も長く優秀ですが、同一へクスでの近接戦闘ではソ連軍が8以下で敵を撃破と優位です。
T0
 ターン数が限られているソ連軍の作戦は、シンプルです。対戦車砲の射界外となる丘の南側から突撃をかけ、ここを突破。そのまま、対戦車砲陣地に雪崩れ込み、損害にかまわず、敵の撃破を目指します。
 ドイツ軍はこの南側に歩兵を集中し、長射程を生かして突撃前に敵を削ります。その後は、敵が侵入してきたところで臨機射撃を実施し、対戦車砲の射撃と合わせて敵兵力の覆滅を狙います。
 序盤、ソ連軍は計画通り、対戦車砲の死角となる丘の南斜面に向かいます。ドイツ軍もこれに呼応し、歩兵部隊を南に振り分けます。
T1
T2
 第3ターン、ライフルの射程では遠距離となる3へクス付近に、ソ連軍の先頭が到達します。ドイツ軍は少しでも敵を削るため、射撃を開始し、1ユニットを仕留めます。
T3
 第4ターン、政治委員に督戦されたソ連軍の狙撃兵部隊は、敵陣地ににじり寄ります。恐怖を紛らわせるように、前進射撃を行いますが、前進射撃修整により、はずれ。
T4
 ドイツ軍も詰め寄る敵に対し、準備射撃を見舞いますが、drに恵まれず、わずか1ユニットを撃破するに止まります。「こりゃ、危ないゾ・・・」
T4D
 第5ターン、「ウラー!!」のかけ声とともに、ソ連軍歩兵が一斉突撃を開始します。ドイツ軍も至近距離(同一へクス)まで引きつけて、猛烈な防御射撃を放ちます。これにより、ソ連軍の1/5強に当たる4ユニットが壊滅しますが、陣地内に入り込んだイワンが勇猛な白兵戦でドイツ軍の2ユニットを殺戮します。
T5S
 ドイツ軍は対戦車砲の射撃でさらに1ユニットを撃破し、歩兵の一部を後退させ、後方陣地の接近路を遮断します。
T5D
 第6ターン、ソ連軍は全ユニットで丘を駆け上がると、臨機射撃を物ともせず、対戦車砲陣地に向かってラッシュを掛けます。一部の部隊は建物に入り込み、そこから射撃を行います。地獄のような近距離戦闘は、熱中しやすいイワンに軍配が上がり、ソ連軍が2ユニットの損害に対し、ドイツ軍は歩兵2ユニットとPak38の1門を失います。
T6S
 もはや後がないドイツ軍は、対戦車砲の射撃で敵の2ユニットを撃破しますが・・・。
 第7ターン、当初の1/3まで減ったソ連軍ですが、その勢いはもはや止められず。1ユニットと引き替えに、敵対戦車砲1門を撃破します。これで残りは1門のみ。敵が門前まで迫ったためか、ドイツ軍の反撃は焦って外れに。
 第8ターン、至近距離での臨機射撃をかいくぐったソ連軍の狙撃兵が、最後の対戦車砲を破壊し、ジ・エンド。ヴォルホフ川の陣地帯の一部が崩壊し、ドイツ軍は綱渡りの兵力運用を余儀なくされることでしょう。
T8S
終了時

 今月のソロプレイ第4弾は、WWⅡ戦闘級アイテムの「TANKS+」(CMJ)から東部戦線追加シナリオ9「ドニエプル空挺作戦」です。その名の通り、ブクリン橋頭堡からの突進を狙ったカネフ近郊でのソ連軍の空挺作戦がモチーフです。
 両軍に戦車と歩兵が登場するのですが、シチュエーションが一風変わっていまして。マップ東からソ連軍の空挺部隊が登場し、丘の上の建物占領を目指します。一方でマップ西からT34が大量に投入され、空挺部隊との合流を目指します。
 ドイツ軍は、敵の半数の歩兵3ユニットで建物を防御しながら、主力の装甲兵力は中央から東側付近で敵のAFVの撃破を狙います。遠距離からの射撃で敵を漸減するため、Ⅲ号突撃砲は距離を取って最も東寄りに配置します。また、正面からの戦車戦では分が悪い3号戦車は、当初は丘の上に移動させ待機。状況によって、ソ連軍歩兵かT34隊に振り分けます。
T0
 第1ターン、ソ連軍は数を頼りにT34を突進させます(空挺部隊はこのターンは防御射撃以外できず)。ドイツ軍も想定通り、Ⅲ号突撃砲の射撃を開始。距離があったにも関わらず、2発を命中させ、1輛を撃破、もう1輛を移動不能(ほぼ無力化)にしてしまいます。
T1
 第2ターン、十分な数を持つソ連軍はなおも突進します。一方、空挺部隊は建物への侵入準備でスタックを組みます。
 ドイツ軍は、Ⅲ号突撃砲が再び、火を噴き、3発全てを命中させます。1発は跳弾となったものの、またも1輛を撃破、もう1輛を移動不能に。丘の上でも歩兵と3号戦車が攻撃を開始しますが、こちらは戦果なし。
T2D
 第3ターン、ソ連軍は有効射程に入るため、さらに前へ。前進射撃をしますが、dr修整がきつく当たらず。距離が詰まったドイツ軍はまたも全弾を命中させますが・・・ああ、全てがT34の傾斜装甲に弾かれ、戦果なし。一方、丘の建物では歩兵同士の壮絶な近接戦闘になります。侵入してきたイワンに対し、待ち構えていたドイツ軍歩兵が発砲し、3ユニットを撃破します。ソ連軍は前進射撃でdr7以下でしたが、全て外れ。
T3D T34の傾斜装甲が・・・
T3S 猛烈な防御射撃!
 第4ターン、ソ連軍は停止し、一斉射撃を実施します。突撃砲の小型修整があったものの数の力で次々と命中弾を出し、2輛を撃破してしまいます。また、半減した空挺部隊も得意の白兵戦で敵を圧倒し、歩兵2ユニットを撃破します。
T4S 数の暴力!
 一気に劣勢になったドイツ軍でしたが、粘り強い反撃を実施し、T34の2輛と歩兵1ユニットを撃破しましたが・・・。
T4D ドイツ軍の粘り
 第5ターン、再び、ソ連軍の猛火がドイツ軍を襲い、最後の突撃砲を撃破。また、歩兵も殲滅します。残りの3号戦車を撃破すべく、T34が突進を再開します。ここで全滅してもおかしくなったのですが、奇跡的に前進射撃が跳弾となります。
T5S
 第6ターン、T34は至近距離から3号戦車1輛を撃破し、ドイツ軍は壊滅状態に。生き残った3号戦車が、傍若無人に突進してくる敵戦車に防御射撃を行うもの、移動不能にするのがやっと。
T6S もはや2輛まですり減らされたドイツ軍を蹂躙
 第7ターン、最後の3号戦車が撃破され、ソ連軍の勝利が確定しました。
T7S ドイツ軍を殲滅、かつ合流に成功
 当初はドイツ軍の射撃技術が勝り、計画通り、T34と空挺兵を漸減することに成功しましたが、中距離になった第3ターンの射撃が悉く跳弾となったのが響きました。あれで、もう1-2輛を撃破できていれば、可能性はあったのですが・・・。短時間ですし、事前計画に沿って出たとこ勝負の射撃戦を楽しむシナリオと思えば、ノービスにはいいかも。

 今月のソロプレイ第3弾は、WWⅡ戦闘級アイテムの「TANKS+」(CMJ)から東部戦線追加戦線シナリオ7「タンネンベルク線 青い丘の戦い」です。解説によると、1944年のタンネンベルク線を巡る赤軍と武装親衛隊の攻防になります。
 守備側のドイツ軍は3基のPak40を持ち、隠蔽ルールが適用されます。ドイツ軍は最も視界が取れる#0606にPak2門を配備し、最後の守りとして1門を#0504に配置します。対するソ連軍は、T34/85が3輛とタンクデザントが3ユニットです。
 戦場が限定されているので(マップCの半分)、ソ連軍は迂回の余地は少なく、北端または南端沿いに進攻するしかありません。
 ソロ演習で数戦、ソ連軍が南端沿いまたは一部を中央に振り向けた攻撃をしてみましたが、優秀なドイツ軍のPakに阻まれ、丘に辿り着くこともできずに全滅に。そこで、今回は一部を中央寄りに振り向け、北端沿いの進攻を行います。
 第1ターン、計画通り、タンクデサントのソ連軍が前進をしてきます。これに対し中央のPakが発砲!「2」を2回という超幸運にも恵まれ、3発目の命中弾で中央のT34/85を乗車歩兵ごと吹き飛ばします。
T1
 第2ターン、敵Pakの死角に飛び込まんと、2輛のT34が全力を挙げて北端を走ります。中央のPak2門は、当然、臨機射撃を実施し、命中率は8以下命中と消して低くなかったのですが、なんと外れ!
T2 DF当たらず
 第3ターン、虎口を逃れたT34隊は、もう一つのPakの死角を縫って、じりじりと前進を続けます。
T3 Pakの死角を縫って
 第4ターン、タンクデザントの歩兵が下車し、突撃準備に入ります。ドイツ軍は歩兵を青い丘に上げ、敵を待ち受けます。
T4 にじり寄るイワン
 第5ターン、ソ連軍のT34が丘の上のドイツ軍に向かって準備射撃を実施。1輛が見事に敵歩兵を撃破しますが、1輛は、ああ、弾薬切れに!
T5 PFでドイツ軍歩兵を撃破
 第6ターン、機能する最後のT34がさらに1発を命中させ、敵歩兵1ユニットを追加で撃破します。ここで、ソ連軍は歩兵を先攻して前進させます。
T6 PFと歩兵の前進
 射界に敵を捕らえたPak40が、冷静に75mm砲弾を命中させ、歩兵1ユニットを撃破します。
T6D 75mm砲が直撃
 第7ターン、ここが勝負とみたソ連軍が巧妙な前進を仕掛けます。まず、攻撃力はなくなった弾薬切れのT34を丘に向かって前進させます(ただし、占領は可能)。T34はこれは脅威でないと、スルー。続いて、歩兵が前進し、丘に迫ります。ここで撃たないと射界外になるPakは臨機射撃を実施し、撃破に成功しましたが・・・もはや、危険がなくなったT34がそのまま、丘に向かって突進します。さらに前進射撃で見事、砲弾を命中させ、最後の敵歩兵を屠ります。
T7 ソ連軍の突進
T8 丘を占領!
 この瞬間、ドイツ軍に青い丘を守る手立てはなくなり、ジ・エンド。極めて優秀な敵の対戦車射撃を生き延び、巧みな機動でドイツ軍Pakの射界制限を付いた、イワンの戦術的勝利でした。

 今月のソロプレイ第2弾は、WWⅡ戦闘級アイテムの「TANKS+」(CMJ)から東部戦線追加シナリオ6「ミウス川撤退」です。クルスク戦後の赤軍の大反攻でハリコフが奪回され、南方軍集団崩壊の危機により、ミウス川からの撤退が始まります。
 ソ連軍の突破で逃げ遅れたドイツ軍部隊が、友軍との合流を目指す設定で、攻撃側がドイツ軍となっています。ミウス川戦線は主戦線ではないので、配備されているドイツ軍はマーダーⅢと歩兵のみ。これを阻止すべく、網を張るのが、ソ連軍のSU76自走砲。勝利条件は3輛のマーダーのうち、1輛でも突破すればドイツ軍の勝利です。
 オープントップ自走砲同士の射撃戦のため、相手に命中させれば、まず破壊となります。ソ連軍には8輛という数の優位があり、ドイツ軍には高い命中率という質の優位があります。
 ソ連軍の初期配置は、開けた北東部に2個スタックを置き、残り2隊は地形を利用して側面攻撃を行えるよう、西側に配備します。これを見たドイツ軍は、北東端の森林を利用して突破を図るべく、最短距離でたどり着ける向きに配置します。
T0
 第1ターン、両軍は戦場となる予定の東側に戦力を集めます。第2ターン、早くも森の手前まで来たドイツ軍に対し、ソ連軍の2スタックが先手必勝と準備射撃を行いますが、距離があったため、はずれ。
T2
 第3ターン、ドイツ軍はマーダー1輛を援護に残し、2輛を森林に走らせます。後方からの援護射撃が見事に命中し、最前線にいたSU76を吹き飛ばします。
T3D
 ソ連軍は援護のマーダーに集中射撃をしますが、遠距離で当たらず。残りの3輛を森に入れ、数を生かした迎撃態勢を取ります。
T3S
 第4ターン、森を抜けたマーダー2輛は、突破路を扼すSU76と対峙します。建物に籠もるSU76隊は、ドイツ軍に射撃をしますが、地形効果で当たらず。また、後方援護のマーダーに対し、4輛が攻撃をかけますが、これも当たらず。
T4D
 第5ターン、十分に照準をしたマーダー2輛は、建物内のSU76に撃ち返します。これが見事に命中し、2輛を撃破します。
T5D
 ソ連軍はこの損害を物ともせず、2個スタックを突進させ、2輛のマーダーと対峙させます。
T5S
 第6ターン、マーダーはこの新手に発砲し、2輛を撃破。同時に敵ににじり寄った歩兵が近距離からパンツァー・ファウストを命中させ、さらに2輛を撃破!これで敵はわずか2輛まで減少します。
T6D 敵は残り2両に
 が、ここでソ連軍も意地を見せます。建物内のSU76が発砲し、隣接へクスの敵歩兵を殲滅。さらにもう1輛がにっくきマーダーを屠ります。
T6S
 第7ターン、ドイツ軍もAFVはわずか2輛に。後方援護のマーダーはその役割を果たし、1輛のSU76を撃破。が、森にいるマーダーは、建物に籠もるSU76に命中弾を出せず。
T7D
 この生き残った唯一のSU76が森にいる敵に発砲し、見事に命中!執念の一撃は、マーダーの履帯を吹き飛ばし、走行不能に。まだ、後方援護のマーダーが残っていましたが、残り3ターンでは突破は不可能なため、この時点でソ連軍の勝利が確定しました。
T7S 最後の希望の1両が・・・
 前半から中盤はドイツ軍の射撃がよく当たり、最終的にSU76を1輛まで削ることに成功しましたが、最後の最後にこの1輛に止めを指された形になりました。ともに待ち伏せが主任務の自走砲なので、防御側のソ連軍がやや有利ですが、まだ何とかなるかもと思わせるバランスがいいですね~。

 今月のソロプレイ第1弾は、WWⅡ戦闘級アイテムの「TANKS+」(CMJ)東部戦線追加シナリオ2「ムツェンスクの戦い」です。このシナリオは、ソロ専用になっていて、隠蔽状態の敵を偵察し、Pakが現れると戦闘になります。
AS2
 また、毎ターン6を出すと、ドイツ軍にとって強敵のT34が➡マークから出現します。この登場drはPakが発見させる度に+1されるので、後半になればなるほど、T34の登場頻度が上がります。ちなみに、命中率以外の射程や貫通力、装甲値は、T34とPakとも遙かにⅢ号戦車を上回っています。
 たちが悪いのは、T34の登場へクスが中央から円心上にランダムで設定されていることです。敵Pakの捜索で迂闊に前進すると、思わぬ箇所から敵戦車が出現し、不意打ちを食らう可能性があります。
 そこでドイツ軍が考えた作戦が、初期のT34迎撃案です。下手な突進をして、敵の集中攻撃を受けないように、まずはT34の登場を待ちます。マップ中央の西寄りの建物と南西の森林に陣取り、敵が出現したら、正面からの引き付けと迂回攻撃により撃破をします。安全が確保されたら、慎重に前進し、Pakの発見と撃滅を狙います。敵はドクトリン(ルール)に沿って動くので、可能な限り連携をさせないように、各個撃破を狙います。
T0
 第1ターン、ドイツ軍は計画に沿ってマップに進入します。
T2 最初のT34、現る
 第2ターン、先鋒のⅢ号戦車が建物に取り付いたところで、T34が中央の森林に登場し、射撃を開始します。が、距離があるため、命中せず(地形効果でわずか1/36)。
T2 最初のT34、現る
 第3ターン、2輛の戦車が正面から牽制射撃を行う間に、2輛が視界外を迂回します。さらに、後方の2輛を前線の増強のため、前進させます。もう2輛は万が一、#0914からT34が登場した時に備え、後置します。
T3
 第4ターン、前線に増援が到着し、4輛による射撃を行います。が、不運なことに1輛が弾薬切れに。T34も撃ち返すも、命中率が低く当たらず。
T4
 第5ターン、なおも射撃戦が続くも、損害はなし。と、ドクトリンにより、いまだ優勢と判断したソ連軍は、盤端に向かって後退を始めます。
T5S
 第6ターン、ちょうど突撃待ちで待機していたⅢ号戦車に側面をさらすことに!すかさず、臨機射撃を実施し、薄い装甲を貫いて、見事に1輛目を撃破します。これで一時的に脅威がなくなったドイツ軍は、右翼で偵察を実施し、ダミーを発見・除去します。
T6D
 第7ターン、当面の安全が確保されたので、中央部の森林に向かって前進をします。
T7
 第8ターン、森林に進入し、向こう側を確認したところ、#1709にPak!待ち伏せ射撃を受けますが、こちらも森林にいるため、命中せず。
T8D
 第9ターン、Pakに対し、3輛が榴弾射撃を実施しますが、照準が厳しく外れ(地形効果と小型目標でdr+3)。と、警報を受けて、2輛目のT34が東端から登場し、反撃を開始します。
T9D PaK撃破も、もう一つが待ち伏せ
T9S 2両目のT34
 第10ターン、時間を掛けると、さらに敵が増えかねないと、ドイツ軍はPakに対し、集中射撃を実施します。これにより、危険な対戦車砲の撃破に成功します。次は、平地にいるT34を迂回攻撃せんと、左右から別働隊を移動させます。が、左の先鋒にいた弾薬切れのⅢ号戦車がPakの待ち伏せに。強力な76.2mm砲弾が装甲を貫き、ドイツ軍初の損害となります。
T10
 続く、ソ連軍ターン、3輛目のT34が#1715に登場します。左からの側面攻撃を狙っていた機動中のⅢ号戦車に発砲しますが、危ないところで外れとなります。
 第11ターン、ドイツ軍はPakへの制圧射撃を行う一方、突撃を一旦保留にし、前衛を後退させます。ソ連軍も最寄りの敵に向かって発砲しますが、照準器の精度が悪く、命中せず。
T11S
 第12ターン、ドイツ軍は二度目の集中射撃により、左翼のPak撃破に成功します。流れが変わったと判断した戦車隊指揮官は、ここで#1910に陣取るT34への突撃を指示します。前進射撃の不利なdr修整があるものの至近距離の射撃ならと期待しましたが、ああ、外れ。
 続くソ連軍ターン、間が悪いことにここで最後のT34が出現。しかもドイツ軍のど真ん中の#1412!先の突撃部隊をはじめ、外しようのない至近距離からの射撃で、2輛が撃破されてしまいます。
T12S
 第13ターン、#1412の敵を反撃で撃破すると、ドイツ軍は兵力を集中させるため、中央南寄りの森林の陰に部隊を集結させます。と、ここで射撃能力に優れたドイツ軍に幸運が。森に向かって移動中のⅢ号戦車が、中距離のT34に前進射撃をしたところ、命中。さらに貫通値-1だったにもかかわらず、これを撃破!これにより、残る敵戦車は1輛のみ。
T13D
 ソ連軍ターン、敵を見失ったT34はドクトリンに従って、突進を開始します。森林を迂回したところで、至近距離でドイツ軍に捕捉されます。ここを先途と、4輛のドイツ軍戦車が臨機射撃!このうち、1発がT34の側面装甲を貫き、撃破!
終了時
 守護神T34を失ったソ連軍は撤退し、ドイツ軍の勝利となりました。最終的な戦果は、ドイツ軍24点(T34を4輛、Pak3基)、ソ連軍6点(Ⅲ号を3輛)でした。
生きて帰らず

 午後になって、バーネットさんからオファーのあった「ターニング・ザ・テーブルズ」(CMJ)を対戦しました。陣営は、ソ連軍(mitsu)対枢軸軍(バーネット)です。
 第1ターンの第1インパルス、ソ連軍はハリコフ正面から南部、バラクレイア橋頭堡、西部の6カ所で攻撃に出ます。ハリコフ正面の力押しと南部のハンガリー師団への攻撃は成功し、2ユニットを壊滅させます。が、その他の高比率攻撃はドイツ軍の戦術チットに阻まれ、1ステップの損害(または無損害)を与えるに止まります。
T1S1
 ドイツ軍は、ハリコフ前面に突出した戦車旅団を、装甲師団を投入して殲滅します。
T1D1
T1A1終了時
 第2インパルス、ソ連軍のC3Iダイスは振るわず、攻撃は5カ所のみ。中央で包囲下にあったルーマニア師団を、オーバーキルで殲滅し、戦術能力の低い保安師団に2ステップの損害を与えます。また、バラクレイア橋頭堡の歩兵連隊を最高比率で除去します。が、ハリコフ南部の歩兵連隊は戦術チット効果で損害が激減し(損害-2!)、無傷で生き延びます。ハリコフ正面北の5:1攻撃も、無傷の退却となり、ソ連軍のみがヒットを受けることに。それでも、VPは7点に達します。
T1S2
 第3インパルス、ソ連軍は計画通り、バラクレイア橋頭堡の圧殺にかかりましたが、ドイツ軍の戦術チットが冴えまくり(騎士十字章+パックフロント!)、最高比率のはずが軒並み、5:1や4:1に低下し、ZOC浸透退却で撃滅できず。
T1S3
 ドイツ軍は、装甲2個師団弱をバラクレイア橋頭堡に投入し、包囲下の部隊に連絡線をつなげるとともに、反撃でこの地区を死守します。本来は10点近く取れるはずのソ連軍VPは、3点に低迷します。
T1終了時
 第2ターンの第1インパルス以降、ソ連軍はイニシアチブを取り戻そうと、敵装甲師団のいないハリコフ前面と西部で猛攻を加えます。3カ所で10:1攻撃をしかけ、突破口は開きましたが、敵戦力の撃滅にはほど遠く。枢軸軍は戦略移動で西部に部隊を回し、戦線の崩壊を防ぎます。
T2S1
 第2インパルス、今度はドイツ軍が南部で反撃に転じます。まだ、チットは十分ではないとは言え、戦術値6の威力は凄まじく、狙撃兵師団が打撃を受けて後退します。
T2D1  南部で反撃開始
 これを防ぐにはスタック防御しかないと、ソ連軍は、第3インパルスに早くも防衛体制に移行し、南部では2-3枚スタックを形勢します。
T2終了時
 第3ターン、中央部で一部のソ連軍は攻勢を続けるものの、ほぼ戦線は膠着します。
T3S1
 ドイツ軍は、積極的な反撃に転じ、南部で兵力を集中した攻撃をかけますが、さすがに3枚スタックは厚く、効果は思わしくありません。
T3終了時
 ならば、敵兵力の少ない部分でと、装甲師団を戦略移動で北西部に移動させ、周辺の歩兵師団を集めて、ソ連軍の戦線に穴を開けます。
 が、これは、ソ連軍の想定内でした。付近に終結していた戦車/機械化軍団を投入し、突出した敵の装甲師団と歩兵師団を包囲します。補給路の連結部に当たる第354歩兵師団を包囲攻撃し、0/3の損害を与えます。退却すれば、装甲師団が補給切れになるため、ステップロスで耐えるしかなく。
 第4ターン、これを解放するため、ドイツ軍はさらに外側から包囲攻撃をかけますが、装甲師団を有効に使えないため、消耗戦の様相となります。ソ連軍はここで、包囲下の第16装甲師団に、乾坤一擲の5:1攻撃をかけます。チットとdrによっては、装甲師団を半壊または撃滅できたのですが・・・ああ、ドイツ軍の戦術チットが、騎士十字章+パックフロント+電撃戦という、尋常でない引きに!結果、5:1の攻撃がなんと1:2まで低下し、攻撃は完全に頓挫します。
T4S2
  勢いを得たドイツ軍は、内外からの包囲攻撃で戦車/機械化軍団に痛打を与え、ついに装甲師団を解放します。
 と、ここで、例会終了時間となり、時間切れ(枢軸軍有利)で終わりました。もう少しソ連軍は粘れるでしょうが、よほどのdrやチットに恵まれない限り、勝利はほぼなく、後半のどこかで、枢軸軍が寄り切る可能性が高いです。史実ではソ連軍が大敗北を喫していることを考えると、それでも健闘でしょうが・・・。
終了時
 それにしても、このシステムは盛り上がる!特に枢軸軍の戦術的チットの優秀性が凄まじく、包囲した5:1攻撃のはずが、1:2で撃退されるなど、まさに小林原文の劇画並みの展開でした。いつか、じっくり時間を取って、勝負が付くまでプレイしたいものです。

 今月のソロプレイ第11弾は、チットドリヴンの作戦級「激闘!スターリングラード電撃戦」(GJ)です。傑作「激闘!マンシュタイン装甲集団」(GJ)を援用した青作戦アイテムで、1942年のソ連邦南部の戦いを描きます。
T0
 攻勢を取るのはドイツ軍ですが、北部のVornezhに、中央部のスターリングラード、南部のコーカサス油田地帯と、VP地点がかつてないほど広域にわたっています。戦略目標を設定し、2個装甲軍と2個歩兵軍、同盟軍3軍をどう組み合わせて攻略するのか、マネージングが問われます。
 一方のソ連軍は、1ターンに最大で28ユニット(!)という驚異的な動員能力を誇ります。が、終盤まで実質3司令部しか活性化できないため、「図体はでかいが動きが鈍い」軍隊で、いかに防御するか、兵力バランスに相当の思考と判断が必要です。不用意なチット選択とランダム引きの巡りの悪さが合わさると、戦線が大崩壊しかねません。
 数回のソロ演習の後、本戦へ。今回の枢軸軍は、史実と同じ2方向への展開を戦略とします。第4装甲軍と第6軍でVornezhを攻略後、スターリングラード方面へ。第1装甲軍と第17軍は、Rostov経由でコーカサスに侵攻し、油田の占拠を狙います。なお、イメージは、プレイアビリティ向上のためのオリジナルのシート類です。
DSC01119
 第1ターン、第1アクションはドイツ軍が任意選択できるため、第4装甲軍を活性化します。機械化部隊による突破と歩兵による包囲攻撃を組み合わせ、3ユニットを討ち取りますが、drが極端で2個狙撃兵師団を取り残します。
T1 第1アクション
 続く、第2アクションで補給判定となり、作戦的包囲は間に合わず。しかも転出命令により、装甲師団1個と歩兵2個師団を引き抜かれる厳しい展開に。
 それでも、直後に第4装甲軍チットが来たため、浸透した装甲部隊がVornezh方面軍司令部を殲滅し、南に展開して半包囲状態を作ります。ここで、同方面軍のチットが空振りになれば、Vornezhの早期奪取が可能でしたが・・・。
T1 第3アクションで再び、4Pz
 第6アクションがソ連軍増援となり、大量の増援と共にVornezh方面軍司令部が復帰。続く、同方面軍チットにより、前線部隊の撤収は不可能なものの、増援によりドン河防衛線の構築に成功します。
 ドイツ軍は第1装甲軍を活用し、一部の快速部隊でドネツ河を突破し、北上。Valuyki付近で第4装甲軍と手を結び、大包囲網を完成させます。
T1 第9 第1装甲軍が手を結ぶ
T1
 第2ターン、第6軍が包囲環を締め付けている間に、再び、第4装甲軍チット。敵の次の増援が来る前にドン河を渡らんと、低比率ながら渡河攻撃をかけます。これが成功し、Vornezh-Svonova間で渡河に成功します。ソ連軍も、Vornezh方面軍で撃退しようと2:1で反撃をかけますが、残念ながら膠着に。
T2 ドン河渡河
 南では逃げる南方軍部隊を追って、第1装甲軍が追撃を仕掛けます。が、ソ連軍の撤退が一足早く、ロストフを軸にしたドン河防衛線が構築されます。
 と、ここで補給判定チット。中央部により残された14個師団相当が、補給切れによりステップロスします。
 その後も、ソ連軍の後退と枢軸軍の前進が交互に続き、北部と南部でドイツ軍がドン河橋頭堡を構築します。
T2
 第3ターン、南部では第1装甲軍がKuma河の突破にも成功し、Rostov側面に侵攻します。 
T3A2 Kuma河渡河
 一方、北部ではドイツ軍がVornezh橋頭堡の拡充を行います。が、大量増援を得たソ連軍が2個司令部で反撃を実施します。1.5:1と2:1の低比率戦闘をともに成功させ、敵の2個自動車化師団を消耗させるという殊勲を挙げます。
T3DSC01133
 第4ターン、Vornezh方面では独ソの死闘が続きます。第4装甲軍が鋭い攻撃で橋頭堡を拡充すれば、ソ連軍もすぐに反撃に転じ、戦線を押し戻します。早期にVornezhを攻略してStalingradに向かう計画はすでに破綻し、大消耗戦になります。
T4A2
 反面、南部では第17軍と第1装甲軍のタッグで、Kuma河を突破したドイツ軍がソ連軍戦線を攻略し、早くもMaykopを占拠します。
T4A4 第17軍も加勢
T4A13 Maykop陥落
 第5ターン、第2アクションで第6軍が活性化すると、先手を取ってVornezh戦線で攻勢に出ます。ソ連軍も反撃で押し戻そうとしますが、低比率のため、効果なしに。敵を押し込んだところで、第4装甲軍が活性化。戦闘後前進で敵の背後を取ると、戦術的包囲を多用し、一気に6ユニット以上を損耗・除去します。
T5A9 戦術的包囲で敵を撃破
 同時に、南部では後退中の敵を第1装甲軍が浸透・捕捉し、次々と敵ユニットを撃破していきます。これにより南部方面軍司令部が壊滅したため、ソ連軍はやむなく大量の増援をつぎ込んで、線路沿いに戦線を張るしかなくなります。
T5A3 第1装甲軍の猛追撃
T5
 第6ターン、いまだVornezhも墜ちず、このままでは勝利などおぼつかないドイツ軍は、第2アクションの第1装甲軍で、Tbilisi方面への圧力をかけます。が、drに恵まれず、敵を後退させただけに。やむなく、奥地への進撃を諦め、Groznyyへ転進します。
T6A2
 北部では、またも第6軍が先手を取ります。包囲下に残されたVornezh戦線の敵に対し、戦術的包囲による攻撃で9ユニット以上を損耗・除去します。ここで、第4装甲軍チット!突破口から機械化部隊が突進し、Vornezh方面軍司令部を殲滅、北部戦線の北半分をついに崩壊させます。
T6A5 第4装甲軍による連続活性化
 直後に南西方面軍司令部が活性化しますが、もはや反撃など不可能で、薄い戦線を引き直すのがやっと。第4装甲軍は、さらなる追撃で、北端のVP連絡源に迫ります。
T6
 第7ターン、第1装甲軍はTrek河を渡ると、堅牢な山岳地帯を避けて、Groznyy攻撃の拠点を作るため、西南部の森林地帯を進撃します。
T7A2 Groznyyを巡る死闘
 一方、北部ではVornezhを堕としたドイツ軍がポケットの掃討を実施。そのままの勢いで、北端のVP連絡源を占拠します。
T7 Vornezh方面の掃討
 いよいよ、後がなくなってきた第8ターン、焦点はGroznyy攻略に。第1装甲軍は森林地帯を突進し、敵都市に近づきます。ソ連軍も後方に残された山岳陣地と東から反撃に転じますが低比率戦闘で効果なしに。
T8A1 Groznyyへ向けて前進
T8 大量増援を継ぐ込んだソ連軍の反撃
 北部ではVP連絡源を奪還せんと、Vornezh方面軍が全力を挙げて反攻に転じます。が、こちらも、枢軸軍の堅いスタックに戦闘比が上がらず、数カ所で押し返すのがやっとです。
T8 北部でも総花的な反撃
T8
 迎えた最終第9ターン、達成は困難ながらも諦めないドイツ軍はGroznyyの南方へクスを占領し、一時的にGroznyyの包囲に成功します。
T9A1 第1装甲軍、Groznyyを包囲するも・・・
 あとは、波状攻撃でどこまで市街地守備隊を削れるかでしたが・・・攻略準備であまりに部隊を集中したため、その北の守りが手薄に。ここで、はじめてStavkaチットを発動させたソ連軍は、快速の戦車部隊を持って、敵戦線を迂回。さらに、僥倖の連続チットでイニシアチブを取ると、道路沿いに戦車師団が後方連絡線を遮断し、なんと、第1装甲軍を丸々、包囲してしまいます。
T9 第1装甲軍・第17軍逆包囲さる
 ドイツ軍はGroznyy攻略を諦めて、撤退を開始しますが、敵ZOCに絡め取られるうちに、補給判定。損耗していた2個機械化部隊が壊滅し、残りが全てステップロスをするという、甚大な被害を受けます。
 北部ではソ連軍が数に物を言わせた総花的な攻撃を連続しますが、ドイツ軍の死守にあって戦線は動かず。ここで、ゲーム終了となりました。
T9 耐え忍ぶ北部
 ドイツ軍は元から占拠していた4都市に加え、Vornezhと北端連絡源、Rostov、Maykopの4カ所で80点を獲得。しかしながら、最終ターン、ソ連軍の南部での反撃により、機械化2個師団、歩兵2個師団が壊滅したため、-6VPとなり、結果は74点で敗北でした。仮にもう1カ所が取れていたとしても、84点で勝利には1点足らない展開でした。
終了時
 本誌の作戦研究にあるとおり、ソ連軍が適切な対応をし続ければ、ドイツ軍が勝つ確率は極めて低いでしょう。が、不用意なチット選択とランダム引きの巡りの悪さが合わさると、一気に戦線が崩壊する可能性もあります。
 今回も、前半は適切な兵力配分とチット巡りでVornezhさえ奪えませんでしたが、中盤にドイツ軍の連続チットとソ連軍の反撃頓挫により、一気に北半分の戦線が崩壊。ドイツ軍は、Vornezhどころか、諦めていた北端連絡源まで確保できました。それでも、後1VP地点を取るのは、至難の業でしたが・・・。 
  ともあれ、戦略的な選択肢が抜群に多いことと、達成が厳しい時にいつ戦略目標を変更するか、枢軸軍にとっては悩みが多い(楽しい)好ゲームです。

 今月のソロプレイ第10弾は、「スターリングラード戦役~ヒトラー最大の敗北~」(旧GJ)です。いわゆる1942年の枢軸軍の攻勢とソ連軍の反攻を描く、戦役級です。
 1942年戦役と言えば、ヴォロネジからスターリングラード、コーカサスまで、作戦級の戦場としては広大ですが、当時の雑誌のコンポ制限からハーフマップとユニット数100程度が、精一杯だったようで。特別ルールが多いように感じるのはこの制限のためで、その中で史実らしさを再現できている点は、見事といっていいでしょう。デザイナーのふーらー中村氏は、後に「進化版」といえる「激闘!スターリングラード電撃戦」(GJ)をリリースしており、こちらは傑作「激マン」システムで安定の仕上がりです。
 このゲームの肝は、ランダム・インパルスと作戦ポイント(OP)です。ターン開始時に両軍はdrして、大きい側がインパルスを実行できます。インパルスを取れば、自動的に1へクスの移動が保証されますが、通常移動力を発揮するには枢軸軍は6スタック価ごとに1OPを、ソ連軍は司令部ごとに1OPを消費する必要があります。ZOCは弱ZOC で、1へクス移動や通常移動でも浸透ができます。
 戦闘も同様で、枢軸軍は1カ所ごとに1OPを、ソ連軍は司令部ごとに1OPを消費します。OPは当然、十分とは言えず、相当、ポイント配分に悩みます。
 勝利条件は、枢軸軍が第7ターン終了時に、5VP以上を獲得していることです。大都市で1点、ヴォルガ川に隣接していれば1点、盤外ボックスへの突破で1点です。ロストフは確実に取れるとして、残り4点をどうするか。北方重視なら、ヴォロネジを攻略してモスクワ方面への突破を行い、あとは2点を南部で取ります。が、ここは、ソ連軍の増援も展開しやすく、達成度はかなり高めです。史実のように、スターリングラードとコーカス方面への展開なら、少なくともスターリングラードの占領とマイコプ、グロズヌイの占領が必要になります。盤外への突破は、よほどソ連軍が下手を打たない限り、厳しいので、いかに適切に兵力を配分して、タイミングよく3カ所を攻略できるかが重要です。ちなみに、史実ではスターリングラードとグロズヌイの占領ができず、3VPで枢軸軍が敗北しています。
T0
 序盤に史実通りにドイツ軍が、ドネツ・ポケットを形成し敵の部隊を包囲殲滅できるか、ソ連軍がそれを防げるかで、展開は大きく変わってきます。史実並の戦果が挙がれば、ソ連軍は頼みの増援の多くをドン河沿いの防衛に回さざるを得ず、必然的にスターリングラードやコーカサス方面が薄くなります。逆に主力の退却が成功すると、二方面の兵力が増強でき、枢軸軍はかなり厳しくなります。
 第1ターン、特別ルールで枢軸軍の攻勢からスタートします。ただし、第1装甲軍と第17軍は、第一撃では使用できず。第4装甲軍と第2軍による第21軍への力攻は5:1で2Rとなり、敵を敗走させます。ソ連軍は、突破(2へクス前進)をさせないよう、ユニットをバラして、後退します。第6軍による第38軍への攻撃はオーバーキルとなり、機械化部隊が浸透します。
T1I1D
 ここでドイツ軍インパルスが来ていれば、ドネツ・ポケットを作れたのですが、イニシアチブはソ連軍に。ソ連軍は全戦線を後退させます。
T1I2S
 第3インパルスはドイツ軍で、気を取り直して2カ所で前線部隊を攻撃し、再び、突破口を開けます。が、第4インパルスはソ連軍で、ギリギリのところで戦線を後退させ、躱されます。
T1I3D
 第5インパルスはドイツ軍で、三度目の突破口を明け、包囲のために1OPは残しておきましたが・・・ああ、ソ連軍インパルス。
T1I5D
 結果、敵戦線を押し下げたのみで、肝心の包囲殲滅には失敗してしまいます。3回のうち一度でも枢軸軍インパルスが連続していれば、殲滅できたのですが・・・。ソ連軍部隊は、史実と異なり、ドン河北側の撤収に成功し、強固な防衛線を構築してしまいます。枢軸軍にとっては、相当、厳しい展開です(ほぼ、詰んだか?!)。
T1
 第2ターン、もはや北部強襲は、不可能。ならば、スターリングラードを落とす以外にない!腹を決めた枢軸軍は、中央の敵2個軍を包囲すると、機械化部隊の8割をスターリングラードに転進させます。
T2I1D
 同時に、ドン河を渡河した装甲師団が敵の退路を遮断し、ロストフ近郊の2個軍を殲滅します。
T2I5D
 第3ターン、潤沢な増援を得たソ連軍は、これをスターリングラード方面に投入し、ドン河とアクサイ川に戦線を引きます。が、集中したドイツ軍の装甲部隊の破壊力は、尋常ではありませんでした。2枚スタックの敵戦線を一点集中でこじ開けると、連続インパルスでこれを撃破。突進力を生かした戦闘後前進で5個師団相当を包囲してしまいます。
T3I3D
 ソ連軍はなまじ増援があったたため、救出部隊を派遣し、一時的に連絡線の確保に成功しますが、ドイツ軍の再攻撃で救出部隊ごと、包囲下になってしまいます。
 最も影響があったのは、スターリングラード後方の渡河点でした。ここは、ヴォルガ河越しで戦闘力1/4でかつ湿地のため、まず、攻撃成功の可能性はなかったのですが、救援部隊を出したばかりに手薄に。それでも、戦闘比はかろうじて成功の可能性のある1:1のみ。ここを取れれば、スターリングラードの命運を決められることから。ドイツ軍は強引に攻撃をかけます。確率は、わずか1/6でしたが・・・なんと成功!これにより、ソ連軍はスターリングラードに援軍を送れない事態になります。
T3I8D
T3
 第4ターン、ソ連軍は慌てて奪還のための増援を送り込みましたが、攻撃準備を完了する前に、ドイツ軍が強固な防御線を引き、奪還不可能に。枢軸軍は、スターリングラード市街地に4度にわたって包囲攻撃をかけ、陥落寸前に追い込みます。
T4I5D
 一方、南部では3個の歩兵軍団と2個装甲師団で、マイコプを攻略し、最終目標のグロズヌイへ向けて前進します。
T4
 第5ターン、枢軸軍は最終攻撃を実施し、スターリングラードを完全制圧します。また、鉄道輸送と活性化移動を使って、長躯、グロズヌイに十分な兵力を送り込み、これを奪取します。
 ソ連軍は部隊はいるもののOPが蓄積できず、反攻に出られません。
T5
 第6ターン、このままでは枢軸軍が勝利してしまう。ソ連軍は限定的なOPを投入し、ドン河中流域で反撃に出ます。ルーマニア1個軍団を撃滅し、戦闘後前進と連続インパルスで敵の2個軍団を包囲します。ドイツ軍は、3個装甲師団をスターリングラード地区から引き抜くと、浸透移動でわずかに開いた間隙に突入。包囲下の2個軍団に連絡線をつなげ、この救出に成功します。
T6I2S
T6S
 また、同じく第4装甲軍主力を、相当な兵力の集中が発生しているグロズヌイ戦線に派遣します。
T6
 最終第7ターン、先手を取ったドイツ軍はステップを浸透してきた敵部隊に8:1攻撃をかけ、これを撃破。グロズヌイ戦線の脅威を取り除きます。
T7I1D
 もはや、なりふり構っていられないソ連軍は、別のドン河中流域で総攻撃をかけます。連続攻撃により枢軸同盟軍の2個軍団を撃破し、鉄道網を遮断して一時的にスターリングラードの連絡線を切断します(このままだと、枢軸軍はVPにならず)。
T7I3S
 と、ここで、枢軸軍インパルスに。増援と南部からの再転進で連絡線を回復すると、そのまま、防御ラインを引き直してしまいます。兵力はいるもののOPを使い尽くしたソ連軍に、これを突破する力はなく、終了。
T7I5D
 ロストフとスターリングラード、マイコプ、グロズヌイ、ヴォルガ河を制圧した枢軸軍の勝利となりました。
終了時
 正直、第1ターンにソ連軍の大部隊を取りこぼした時点で、ほぼ詰んだかという状況でしたが、結果的にスターリングラードに装甲部隊を集中し、防衛線を早期に突破。ヴォルガ河越しの渡河点を僥倖にも奪取できたことで、奇跡的な逆転勝利をもぎ取りました。渡河点奪取がなければ、あれほどの装甲部隊でもスターリングラード占領はできたかどうか。ともあれ、とても楽しいソロ演習でした。

 今月のソロプレイ第9弾は、ハリコフ戦クワドリの「Kharkov1941-43」(SA)から「第2次ハリコフ会戦」です。このアイテムの詳しい記事は、以下をご覧ください。
 今回の「第2次ハリコフ会戦」は、1942年5月のソ連軍によるハリコフ北部及びイジュム屈強部からの攻勢とドイツ軍による猛反撃を描いています。ちょうど、両軍による攻勢が予定されていたこともあり、兵力はほぼ互角と言っていいでしょう。第3ターンに南東からの装甲増援が来るまでは、やや、ソ連軍が有利。その後は、多数の機械化ユニットを持ち、ルフトバッフェが支援に来るドイツ軍が有利となります。
 2回ほどのソロ演習から導き出された展開は、以下のようになります。
・ソ連軍は、ハリコフ及びクルスクの占領を目指す。一時的にでも攻略できれば、補給基地破壊によって、各10VPが獲得できる。その後は、緩やかに戦線を後退させ、兵力の消耗を避ける。
・ドイツ軍は綿密な機動防御(反応移動)と用兵で、極力、上記を阻止する。後半は、特に南部で優勢な兵力を用いて、敵戦線の後退と敵兵力の撃滅を行う(この時、ルフトバッフェの投入が、大きく影響をする)。
 勝利条件は、都市占領と補給基地の破壊、部隊壊滅のVPによって決まります。ソ連軍に若干有利に設定されているようですが、補給基地の破壊drがうまくいかなかったり、ドイツ軍の反撃がまともに決まったりすると、かなり厳しいです。それでは、ソロAARを。
 まず、自由配置のソ連軍は、危険なバルヴェンコヴォ突出部には最低限の兵力を置くだけにし、主力はバラクレアとクビヤンスク周辺に配置し、二方向からハリコフの直接攻撃を狙います。また、それより北方では、ティム及びプロホロフカにかけて兵力を集中し、クルスク攻略を狙います。軍ごとの規定があるドイツ軍は、なるべく中央から北方に兵力を集めるようにし、タイミングのいい機動防御(対応移動)を心掛けます。
 第1ターン、ソ連軍は既定の路線に沿って、中央及び北部で攻勢に出ます。また、唯一、包囲のできる南部では、スラビヤンスクに兵力を集中し、3:1の包囲攻撃をかけます。これに対し、ドイツ軍はなるべく1:2-1:3の低比率になるように対応移動を行います。が、ソ連軍のdrがよく、スラビヤンスクの1個師団と中央部で2:1攻撃の成功によって包囲した1個師団が、壊滅します。
T1ソ連軍 DSC06680
 ドイツ軍も機械化部隊を注ぎ込んで、突出した中央部の1個軍団を包囲殲滅します。が、北部では被包囲を見込んだ1:1攻撃が失敗し、戦果は挙がらず。
T1ドイツ軍DSC06681
 第2ターン、ソ連軍は中央から北部にかけて総花的攻撃を行いますが、今度はdrに恵まれず、ほとんどが失敗。唯一、ハリコフ前面の2:1攻撃が成功し、重要都市に接近します。
T2ソ連軍DSC06682
 ドイツ軍は、敵の攻撃失敗で乱れた戦線に逆襲をかけ、南部の1箇所で突出した1個軍団を包囲殲滅します。
T2ドイツ軍DSC06683
 第3ターン、ハリコフとクルスクの前面に辿り着いた赤軍は、低比率上等の攻撃をかけます(成功率は低いですが、最低で1/6で成功。うまくいけば、補給基地破壊で各10VPを獲得できる)。ドイツ軍も対応移動で機械化部隊を送り込み、1:3の最低比率に押し下げます。結果は、2箇所とも攻撃失敗。
T3ソ連軍 重要都市の攻撃DSC06684
 第4ターンも、ソ連軍は同様の低比率上等の攻撃を続けますが、飛来したルフトバッフェの影響もあり、軒並み、1:2や1:3の比率しか立たず。北で浸透移動して包囲した1個師団を屠ったものの、両都市の攻撃はまたも失敗。さらに1:3でAEが出始めます。
T4ソ連軍 再度、攻撃も・・・DSC06686
 反撃態勢に入ったドイツ軍は、空軍の支援で南部から中央にかけて、ソ連軍を押し返し始めます。乱戦の中で、このターンに両軍ともに3個ユニットずつが壊滅します。
T4ドイツ軍 中央から南部で反撃DSC06687
T4の損害DSC06688
 第5ターン、状況が厳しくなってきたソ連軍は、最後のチャンスにかけ、ハリコフとクルスクを強襲します。が、南部での安定が図れたドイツ軍は、ルフトヴァッフェを北部に投入。一帯の戦闘はほぼ最低比率で、当然、失敗。
T5ソ連軍 最後の攻撃チャンス!
 残された敵の乱れた戦線に対し、ドイツ軍が浸透移動を行い、敵主力の戦車軍団を包囲し、これを殲滅します。これ以外にも突出した敵や側面攻撃で退路を断った敵を包囲攻撃し、全面での反攻に移ります。
T5ドイツ軍 全面反撃DSC06690
 第6ターン以降は、もっぱらイニシアチブはドイツ軍に。ジリ貧になる前にと、イワンが無理して包囲下の敵を攻撃するも、ああ、失敗(NE)。逆に対応移動による低比率の強制攻撃で、毎ターン、2-3個軍団を失います(AE)。
T6ドイツ軍の猛攻DSC06692
 ドイツ軍ターンには、空軍の支援の元、乱れた敵戦線に浸透移動+側面攻撃を間断なく仕掛け、多くの部隊を包囲殲滅します。第8ターンには、装甲1個師団の損害と引き替えに、敵司令部を含む8個ユニット(7個軍団!)を殲滅します。
T7ドイツ軍 殲滅戦DSC06694
T8ソ連軍 意地で1個装甲師団を屠るが・・・DSC06697
 結局、北東部に押しまくられたソ連軍で、最終ターンまで生き残ったのは、わずかに4ユニットのみ。
T9 分断させ、撃滅DSC06700
 イメージは壊滅したユニット。ドイツ軍6個師団に対し、ソ連軍23個軍団が壊滅。VPでは・・・
 ドイツ軍:48点
 ソ連軍:6点
T9 分断させ、撃滅DSC06700
 史実をはるかに上回るドイツ軍の大勝利(戦略的勝利)となりました。
終了時DSC06701
 確かに、ここ一番のソ連軍drが冴えず、都市占領ができなかったのが、大きかったです。(確率的には、一つは取っていてもおかしくなかったのです)。仮に2箇所で成功していれば、ドイツ軍の作戦的勝利でした。かとって、第4ターンからのドイツ軍の反撃の結果が変わったとは思えませんが・・・。
 まあ、歴史の状況確認型のシナリオでしょうね。ともあれ、数少ない、第2次ハリコフ会戦をプレイできました。

 今月のソロプレイ第8弾は、「ターニング・ザ・テーブルズ」(CMJ)から、シナリオ1「飢えた群狼のように」です。「ターニング・ザ・テーブルズ」については、これまでいくつものゲーム紹介やAAR、作戦研究などがあり、「今さら」感が強いのですが、自分は未プレイだったりします。ちょうど、第二次ハリコフ戦80周年ということで、プレイをすることに。ゲームについては、こちらそちらをご覧ください。特にかみさんの解説は、たいへん、わかりやすいです。
 今回は、導入となるシナリオ1「飢えた群狼のように」です。が、導入と言っても、実質は通常の6ターン分に当たるわけで、2時間では片は付きません。その分、プレイ自体は、非常にエキサイティングで、十分にやり甲斐があります。
 第1ターンの第1セグメント、ソ連軍はC3Iの最大3ポイントを投入して、モーメンタムを取ります。dr+3のボーナスもあり、17移動力ポイント/7戦闘ポイントを獲得します。
 7カ所の戦闘は、ハリコフ正面とバラクレイア橋頭堡、西側突出部の3方面に割り振ります。ハリコフ正面では、戦術値4の部隊を各戦闘に参加させます。ドイツ軍の歩兵も戦術値4で防御しますが、奇襲によりドイツ軍の戦術チットの1/3はダミーであり、加えて実質的に使えないチット(戦闘激化など)も多く、4ヒットずつを受けて、歩兵2ユニットが壊滅します。
T1S1 ハリコフ正面
 主目標のバラクレイア橋頭堡では、ドイツ軍がパックフロントで9:1攻撃を6:1まで低下させたものの、ソ連軍drがよく、3ヒットを受けます(2へクスの退却により、1ステップロス)。さらに包囲下の7:1攻撃では、ソ連軍dr12と絶好調で、町に籠もる歩兵が殲滅されます。さらに、ランダムイベントでソ連軍の移動となったため、ハリコフ方面の第294歩兵師団を包囲します。
 西側突出部では、ハンガリー軍とルーマニア軍が健闘し、損害を受けずに後退しますが、スタックの第454保安師団が4ヒットを受け、さらに1ユニットが壊滅します。
T1S1 1連隊を圧殺、しかもRE
 一方のドイツ軍は、今こそ、可能な限りの対応が必要と、C3Iの2ポイントを投入。10移動力ポイント/4戦闘ポイントを獲得し、危機的なハリコフ方面で反撃に出ます。第23装甲師団も投入した乾坤一擲の9:1攻撃は、drがまさかの3で、敵を後退させるも、1ヒットを受けることに。その代わり、隣接する2:1攻撃では11が出て、思わぬ戦果となります。が、いずれも結果が極端で、予測が付きにくい展開に。
T1D1 乾坤一擲の反撃も
 また、バルヴェイコフ南で早くも反撃を開始しますが、やはりチット運がなく(ダミーが多く、または効果的なチットが来ない)、敵を後退させるに止まります。
 ドイツ軍の無理な反撃の結果、dr運のなさもあり、早くもソ連軍VPは12点に。
T1第1終了時
 第2セグメント、ソ連軍のモーメンタムは、16移動力ポイント/6戦闘ポイントで上々です。このセグメントの攻撃は、前回にまして、振れ幅が大きくなります。
T1S2
 ハリコフ正面では、翼端の歩兵連隊に対し、9:1攻撃をかけますが、騎士十字章により戦闘比が4:1まで低下。さらに、drで2を出してしまい、退却により、ソ連軍のみが損害を受けることに。さらに悪いことに、ランダムイベントがドイツ軍の攻撃となり、南翼の被包囲部隊が0/2(退却に成功するも敵ZOC通過で1ステップロス)となります。
T1S1 ハリコフ方面の抵抗
 反対にバラクレイア橋頭堡では、dr12が出て、被包囲下のドイツ軍歩兵連隊を殲滅します。が、ランダムイベントは、敵のC3Iに1ポイント追加と、枢軸軍有利が続きます。
 西側突出部では、ドイツ軍チットで戦闘比は落ちたものの、包囲攻撃でルーマニア師団を殲滅し、他の2カ所で敵を後退させます。
T1S2  ルーマニア師団壊滅
 ドイツはC4Iが1ポイントしかありませんが、活動drがよく、7移動力ポイント/4戦闘ポイントを獲得します。これで必死に戦線を繕うとともに、南部で攻勢を続け、敵に1ステップロスを与え、2個師団を包囲下に置きます。
T1D2
 第3セグメント、ソ連軍のモーメンタムは、最大の3ポイント消費にも関わらず、14移動力ポイント/5と低調に。
T1S3
 まず、南部の敵の攻勢に備えて、少なからずの移動ポイントを消費して、部隊を展開します。残ったポイントでは主攻勢軸に十分な部隊を接敵できず、4カ所のみの攻撃になります。
 が、戦闘drに助けられ、ハリコフ正面で1ステップロス、バラクレイア橋頭堡で歩兵スタックに2ステップロスを与えます。
T1S3 バラクレイア橋頭堡を圧迫
 西側突出部では、ハンガリー師団に1ステップロスを強いるものの、ドイツ軍歩兵連隊への攻撃は高い戦術能力で阻止され、損害なしになります(退却のみ)。
T1S3 西側は苦戦
 一方、ドイツ軍の反撃ですが、包囲下の2狙撃兵師団に敵ZOC通過ペナルティを加えた4ステップを与えます。前線にうろうろしていた戦車旅団にも最大比攻撃をかけますが、こちらはdrとチットの組み合わせが悪く、単に後退させるだけに。史実より2ターン早い反攻を開始したため、チットが揃わず(ダミーが多く)今ひとつ、打撃力には欠けますが、ドネツ河への突進は順調なため、やむなしか。
T1D3 南部で限定反撃
 ゲームは、シナリオ終了の第2ターンに。ソ連軍はバラクレイア橋頭堡の掃討とそれによる10VPを獲得できるか、ドイツ軍は逆渡河でそれを阻止できるかに焦点が絞られます。
 第1セグメント、ソ連軍のモーメンタムdrはまたも振るわず、13移動力ポイント/4戦闘ポイントに。
 まずは、南部での逆渡河を防ぐため、機械化騎兵軍団を含む3ユニットを差し向け、強固な防衛線の構築を開始します。残ったユニットで限定的な攻撃に出ます。
 ハリコフ正面は一旦、放置し、最も重要なバラクレイア橋頭堡で、湿地にいる補給切れの敵歩兵を攻撃します。最大比率の攻撃により、これを殲滅し、ドネツ河東の枢軸軍を全て駆逐します。
 また、戦車軍団と機械化狙撃兵軍団を投入し、西側突出部で攻撃をかけましたが、これは老獪なドイツ軍歩兵連隊に阻止されます。
T2S1
 続く、ドイツ軍セグメントでは、ドネツ河の逆渡河に向けて、南部で攻勢を続けます。包囲下の狙撃兵師団を消耗させるとともに、装甲師団及び自動車化師団を軸に高比率攻撃をかけ、ドネツ河の隣接へクスにまで辿り着きます。
T2D1
T2D1
 一方、逆渡河ができなかったときのために、敵を消耗させるべく、中央突出部の北翼で装甲師団による反撃をかけ、敵を1ステップロスさせます。
 第2セグメント、両軍の激しいマッチレースの中、ソ連軍はバラクレイア橋頭堡の残存部隊を殲滅するとともに、手薄になったハリコフ正面で、再び、猛攻をかけます。装甲師団がいなくなっていたため、歩兵師団がこの攻撃をもろに受け、損害はなかったものの、戦線後退を余儀なくされます。
T2S2
 ドイツ軍は2作戦ポイントを投入しますが、作戦drは最低の2で、攻撃は2か所のみ。南部で包囲下の狙撃師団を撃破するとともに、中央部で装甲師団を突進させます。
T2D2
 最終の第3セグメント、ソ連軍は突出してきた装甲師団に対し、あらゆる機械化部隊と狙撃兵師団をかき集めて、6:1の包囲攻撃を仕掛けましたが・・・さすがに戦術値6の装甲師団は強力で戦闘比は3:1に低下。ソ連軍は、dr修整で1/1の痛み分けにするのがやっと。同時に、渡河点にいた消耗状態の敵2個連隊に9:1攻撃をかけるも、こちらも戦術値6の装甲偵察連隊の活躍により、2/1と大きな損害を受ける羽目に。
T2S3 重包囲下の攻撃も・・・
  最後のドイツ軍セグメントは、14移動力ポイント/5戦闘ポイントに。南部では逆渡河を狙った一か八かの攻撃を模索しましたが、ソ連軍が対岸に巧妙な防衛線を引き終わっており、渡河成功はほぼ望めず。
T2D3
 ならば、敵部隊の消耗で、ソ連軍VPを11点以下にするしかない!ドイツ軍は高い戦術能力を信じて、5カ所で総花的な攻撃を仕掛けます。包囲下の部隊に打撃を与え、そうでない部隊には高比率戦闘で、打撃増しを狙います。が、ここに来て、ソ連軍も猛烈な抵抗を見せ、ともに消耗する展開に。
 両軍の激闘の結果、ソ連軍のVPは一時的に3点になりましたが、ドネツ河東岸の制圧により、10VPを獲得し、ソ連軍の勝利となりました。
終了時
 延べ3時間のソロ演習でしたが、今さらながら、こいつは面白い!ソ連軍の数を恃んだ怒濤の攻撃とドイツ軍の類い希な軍事能力の反撃が、見事!1ターンが通常の3倍あり、かつ、戦闘にも時間がかかるため、近年だと重ゲー扱いでしょうが、これこそ、東部戦線の作戦級という楽しいプレイでした。
 このままだとキャンペーンは10時間くらいかかかるかも?ですが、ぜひ、対戦したいものです。求む、東部戦線の勇者!
 ここからは余談ですが、現在の「プーチンの戦争」(特別軍事作戦)で、否が応でも目に付く、ハリコフ(ハリキウ)周辺が描かれています。わずか5日間の奇襲により、ハリキウ州のほとんどを奪還したそうですが、インテリジェンスと兵器の優劣を、まざまざと見せつけられた感があります。今さら、部分動員をしたところで、戦力になるのか甚だ疑問な訳で、むしろ、国内の締め付け策としか思えません(反対デモの参加者のモラルが高いはずがない)。
 いずれにしろ、ここまで半年以上、戦時が続いてしまったわけで、一日も早い軍事衝突の終了を祈っています。「ウクライナに、戦争は(もう)いらない」

 幕末京都の余韻が冷めやまぬところで、Tommyさんと予定した「ターニング・ザ・テーブルズ」(モメンツ・イン・ヒストリー)をプレイしました。ソ連軍(Tommy)対枢軸軍(mitsu)です。コンポは原版のモメンツ・イン・ヒストリー版で、戦術チットのみ、日本版を使用します。
 第1ターンの第1イニングス、ソ連軍は最良の17移動ポイント/7攻撃ポイントを獲得しますが、慎重なソ連軍は5カ所の攻撃のみを行います。結果、枢軸軍は1個ルーマニア歩兵師団が壊滅し、他も2ステップの損害を受けますが、これ以外は後退で凌ぎます。対するソ連軍は、drは良かったものの、戦術チットで戦力やdrに修正を受け、ソ連軍の方が損害が多くなります。結果、VPはイーブンの0点です。
T1S1
 第2イニングス、ソ連軍は西側で攻撃を続行し、枢軸軍に少数の損害を与え、戦線を押し上げます。が、やはり、攻撃側の損害が上回り、VPは-3点に。また、早くも開始されたドイツ軍の反撃で、南翼では押され気味に。
T1S2
 第3イニングス、ソ連軍はなおも攻勢を行いますが、ほとんど戦果はなし。逆に枢軸軍の反撃で1個狙撃兵師団が壊滅し、結果、VPは-3点のまま。ということは・・・出血過多で、枢軸軍のサドンデス勝利に!なんともあっけない春期攻勢の終焉でした。
T1D3
 Tommyさんは初対戦ということで、若干、兵力の集中が足りず、最高比率での攻撃は2-3回のみ。当然、枢軸軍への打撃が減少し、逆に自軍の損害が増加。結果、ギリギリでしたがサドンデス敗北に。
 自分もソロで初めのうちは、戦車旅団を多く使ったのですが、実は歩兵戦力の方が攻撃力が高いことがわかり。特に第1ターンは前線にほぼ隣接しているため、集中運用すれば、ほぼ最大比率まで持って行けます。さらに、効率よい攻撃を行うことで、最大7カ所の攻勢ができ、必然的に枢軸軍に損害を多くすることができます。
 また、モメンツ・イン・ヒストリーでは出てきませんが、日本語版ヴァリアントの騎兵軍団分割を使用すれば、戦術値4の攻撃を増やし、打撃力も向上します。
 今回は、練習プレイでしたので、次回は本戦をやってみたいです。

 この日の緒戦は、moritaさんと「スコープ:スターリングラード」(Bonsai Games)です。誤解を恐れずに言うと、スターリングラード戦をモチーフにした神経衰弱です。
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 第1戦は、4×3のクイックデュエルです。先手を取ったソ連軍(morita)が、いきなり初手でドイツ軍(mitsu)の狙撃兵を発見し、これを除去します。
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 ドイツ軍も反撃に転じますが、囮を引かされ、危ない状況に。やむなく、生き残った狙撃兵は移動します。
 その後、両軍はサーチを繰り返しますが、無人地帯が続きます。
 と、中盤にドイツ軍が、ついに敵スナイパーを発見!これを除去して、状況をイーブンに持ち込みます。
 後は、どちらが早く敵を見つけるか、でしたが・・・ドイツ軍が狙撃兵を発見!奇跡的に逆転勝利となりました。
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 第2戦は、4×4のディープフロントです。陣営は、ドイツ軍(mitsu)対ソ連軍(morita)で変わらず。 
 今度は、ドイツ軍に幸運が訪れます。初手で敵スナイパーを撃ち抜くと、反撃を躱して、なんと2連続で狙撃兵狩りに成功します。
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 こうなると、後は確率の問題でしたが、両軍は機動戦を行った後、やはり、敵を発見したのはドイツ軍に。珍しく3対0の完勝でした。

 この日の最後も、前日にプレイした「モスクワ電撃戦2」(Bonsai Games)です。枢軸軍(mitsu)対ソ連軍(kawa)です。
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 第1ターン、ブレスト前面のみDLとなったものの、スツーカを投入した枢軸軍の攻撃は冴え渡り、他は全てDEと幸先のよいスタートになります。突破フェイズに2個装甲が飛び出し、ミンスクも占領します。
 ソ連軍は後方からの増援でレニングラードを固めると、生き残った狙撃兵軍団がミンスクを再占領します。
T1D
T1S
 第2ターン、枢軸軍は装甲軍団が突進し、不用意に前進していたレニングラード方面軍を撃破。そのまま、古都レニングラードを占領します。中央部ではミンスクを奪還するとともに、突破フェイズに2個装甲が突進して、スモレンスクを占拠します。南では残敵相当をしながら、キエフを占拠します。
T2D
 ソ連軍はセヴァストポリを固めると、残りはモスクワ-ロストフの防衛線に退却します
T2S
 第3ターン、泥濘のため、遅々として進まず。それでも突破フェイズまで使用してツーラを攻めますが、さすがに陥落せず。南では機動戦により、ドニエプロペトロフスクを占拠します。
T3D
 第4ターン、快速を取り戻したドイツ軍は一気にツーラを攻め、これを攻略します。南では、突進した第1装甲軍団がスターリノ攻略に成功します。
T4D
 ソ連軍は、強力なシベリア兵団をもって逆襲をかけ、ツーラ側面を守る2個装甲軍団を後退させます。
T4S
 第5ターン、敵がモスクワ方面に傾注している隙を突き、南下した装甲軍団と南方軍集団が共同で、ハリコフを陥落させます。また、北方のカリーニンを歩兵軍団で攻撃しましたが、これは落ちず。
T5D
 ソ連軍は乾坤一擲の反撃をツーラに実施し、これを奪還します。が、ハリコフへの攻撃は失敗し、狙撃兵軍団にZOCがないため、戦線に穴が空きます。 
T5S
 第6ターン、ドイツ軍は反撃でハリコフ方面の敵を包囲殲滅し、敵の戦力を削ります。同時に、追いついた歩兵と共同でロストフを攻撃し、これを占拠します。
T6D ロストフも占領
 この時点でVPは14点で、3都市の奪還が必要でしたが・・・最後の反攻も全て攻撃失敗となり、バルバロッサ作戦は枢軸軍の勝利を持って終了しました。
終了時
 結果的には圧勝でしたが、序盤のレニングラード失陥がなければ、2都市の奪還といずれかのユニットの除去で逆転負けもあり得ました。

 この日、最後にプレイしたのが「モスクワ電撃戦2」(Bonsai Games)です。2と言いながら、元の「モスクワ電撃戦」(CMJ)とは別のゲームでして。規模やシークエンスは似ているものの、通常の戦闘ルールだったり(以前は同一へクス内戦闘)、カードを使用した兵站のプランニングだったり、とよい意味で選択肢が増えています。枢軸軍(mitsu)対ソ連軍(ybs)です。
 第1ターン、北方では力押しの攻撃で戦線を食い破り、装甲軍集団が背後に展開、ほとんどのユニットを補給切れで除去します。南方もルーマニア化の攻撃が成功し、包囲により前線部隊を排除します。
 ソ連軍は増援でレニングラードを強化すると、なけなしのユニットで前線を構築します
T1
 第2ターン、枢軸軍はスモレンスクを攻略し、1個装甲軍集団でツーラを攻めますが、これは失敗。南部では、キエフを陥落させます。
 ソ連軍は、鉄道輸送でセヴァストポリを強化すると、カリーニン-ロストフに増援を集中し、防衛線を引きます。
T2
 第3ターン、泥濘の中、ドイツ軍は意表を突いて、北方のカリーニンを攻撃し、これを占拠します。また、南方ではハリコフを攻め、歩兵と共同でこれを奪取します。
T3D
 第4ターン、強力な援軍を得たソ連軍は、カリーニンとハリコフで反攻に出ますが、drに恵まれず、奪還ならず。
T4S 反撃も・・・
 第5ターン、ドイツ軍は今度は機動力を発揮して中央のツーラに攻撃をかけ、ここを陥落させます。諦めないソ連軍は、降雪の中の反攻で、カリーニンとハリコフを奪還します。
T5D
 最終の第6ターン、枢軸軍はツーラ方面で牽制攻撃を仕掛け、これを成功させ、敵マップ端に向けて前進します。これにより、ツーラの奪還は極めて困難に。また、隙を突いてモスクワ強襲を行い、これを成功させます。
 この時点のVPは12点。モスクワを奪還し、敵装甲軍集団を消耗させるか、モスクワとハリコフを奪還できれば、ソ連軍の勝利です。部隊をかけ集めると、両都市に向かって反攻を開始しましたが・・・双方とも1:1の攻撃は、失敗。この瞬間、枢軸軍の勝利が決定しました。
T6
 軍/軍団規模のバルバロッサ作戦に絞り込んだことで、展開はシンプルでカードやdrによって、逆転また逆転の展開になり得る良作ですね~。バランス的には、ややソ連軍が有利なようです。

 続いて、Bonsai Gamesの新作の「スコープ:スターリングラード」(Bonsai Games)です。狙撃兵同士の戦いを描いたカードゲームで、言ってみれば、神経衰弱の一種です。プレイヤーは、一定の枚数の敵戦場を視察し、有効な敵を見たら射撃します。カードには、兵士や将校、機関銃座、迫撃砲陣地などがあり、0-2VPになっています。中には無人地帯だったり、必ず撃たねばならない囮もあり。発砲したら敵を除去できますが、自分の狙撃兵の位置を4枚のカード上に置いて、知らせなければなりません。当然、敵はこの4枚を狙って撃ってくるわけで、狙撃を続ければ、いずれ命中します。これを避けるために、任意の4枚のシャッフル(移動)もできます。一定のVPを稼ぐか、敵の全狙撃兵を除去すれば、勝利です。
  第1戦は、4×3のレギュレーション1です。先に射撃をしたのは、ソ連軍(ybs)です。機関銃座に向かって発砲し、これを除去します。すわ、ドイツ軍(mitsu)が反撃でこの狙撃兵も狙いますが、巧妙に隠れたのか見つからず。逆に、ソ連軍の反撃で、この狙撃兵は除去されることに。
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 怒り心頭のドイツ軍(mitsu)は、もう一人の狙撃兵で敵を討ちますが、ソ連軍(ybs)の二人目のスナイパーはカウンターで捕捉に成功し、ドイツ軍(mitsu)の全狙撃兵を除去し、勝利します。
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 第2-3戦も同じ陣営でプレイしますが、いずれも先手を取ったソ連軍(ybs)が、初偵察で狙撃兵を見つけ、除去!なんということ、こちらの位置が丸わかりなのか!!2戦目は、カウンターでソ連軍(ybs)の狙撃兵を除去しますが、最後はやっぱり敵に狩られ。第3戦などは、敵狙撃兵の姿も見ずに完敗。ソ連軍(ybs)の狙撃兵は、ひょっとしてニュータイプか?!
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 第4戦はレギュレーション2で4×4とします。今度はドイツ軍が幸先よく、初偵察でスナイパーを発見し、これを除去します。この後、両軍が必死の偵察をしますが、戦場が広くなったこととカード構成が変わったこと(スナイパー)が多くなったことで、なかなか決定打が出ず。
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 それでも強制発砲の囮に引っかかり、両軍とも1名ずつの狙撃兵を失います。2:1で迎えた終盤、ついに移動中の敵スナイパーを発見!これを撃ち抜き、4戦目にして、やっとドイツ軍が勝利しました。

 駆けつけ一番は、事前の掲示板で大盛り上がりだった「パタパタくるりん」(オリジナル)です。元はダイソーのキティちゃんアイテム(!)なんですが、システムの簡便さを流用して、ゲーマーらしいオリジナルを制作。これが思いのほか、受けがよく、ついつい、拡充をしてしまっています。
 なんと言っても、6歳から(!)できる運と記憶の正体秘匿ゲームなので、インスト1分でスタートです。
 第1戦は、タツノコプロ編その1で、プレイヤーは、ゴワッパー5ゴーダム、とんでも戦士ムテキング、未来警察ウラシマン、タイムボカンのプロデューサーになり、視聴率を競います。
 実は準備の時から、ybsさんのテンションは上がりっぱなし。「おお、ゴワッパーだ!」「タイムボカンシリーズでは、ヤッターマンが好き」とか、脳内物質が出まくりで、「テンション上がって、むせちゃった」状態に。案の定、自分で裏返したはずのパネルを覚えていないという、本末転倒に(笑い)。
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 勝ち負けを超越したプレイの結果、「とんでも戦士ムテキング」を担当したmitsuの勝利となりました。
 第2戦は、タツノコプロ編その2で、新造人間キャシャーン、破裏拳ポリマー、宇宙の騎士テッカマン、科学忍者隊ガッチャマンの玩具販売を競います。
 ここでも、ybsさんの脳内覚醒は止まらず。カードを置くたび、「♪響け、キャシャ~ン」と、主題歌を熱唱し、次の手番が来ても、まだ口ずさんでいるトランス状態(笑い)。ここも、破裏拳ポリマーを担当したmitsuと新造人間キャシャーンのNPC(!)が勝利しましたが、「10代前後で覚えた記憶は、忘れられませんね~」と、ybsさんは全く勝ち負けは関係なし。
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 第3戦は、伝説巨神イデオンおっさんキャラ編で、ドバ総司令、ダラム、ギンドロ、ズオウ大帝が生き残りを賭けて戦います。落ち着いたかと思いきや、イデオンの思い出話が出る、出る!「全員が死んでしまう作品は、(これ以外)ない」とか「アーシュラの死に方は惨い」「パージカードが、巨星墜つ(彗星)なのはいい!」とか、まるで昨日、見てきたかのよう。
 さすがに3戦目になると、丁々発止のやりとりなりましたが、最後はybsさんのカード配置で、ギンドロがトップになり、mitsuの三連勝でした。「これからも、よしなにな」とギンドロの声色を真似したら「似てる~」とこれも大受け。
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 さすがに、このままでは終われないと、昼食後に(!)第4戦に。今度は、最新モジュールの「WWⅡ労農赤軍編」です。プレイヤーは、ジューコフ、コーネフ、ロコソフスキー、チュイコフのいずれかになって、独ソ戦を戦い抜きます。
 序盤、mitsuにやたらとロコソフスキーが来たので、この振りをして、拡張をします。すると、これを警戒したybsさんは、案の定、ダミーのロコソフスキーをパージします。中盤からさりげなく、mitsuが本命のチュイコフを押し始めると、ybsさんもジューコフを配置。きっとこれに違いないと、mitsuは「鉄の男」スターリンを使って、ジューコフをパージします。
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 これに、ybsさんが大喜び?!「粛正だぁ~、シベリヤ送りだぁ」「鉄の男は、アブな~い!」自分のカードがパージされているのにも関わらず(笑い)、史実を知っているだけに、鉄の男の恐ろしさが脳内補完されていました。結局、今回もブラフを通しきったmitsuのチュイコフが勝利しました。
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 終わってからも、ひとしきり、全てのモジュールを見て、「これは、いい」「このパージカードが最高!」と盛り上がっていました。もはや、勝敗はそっちのけでしたが、それを超えた対戦は、たしかに楽しいですね~。むしろ、ゲーマーとしての勝利と言っていいでしょう。

 今月のソロプレイ第2弾は、「モスクワ'41」の続編に当たる「レッド・タイフーン」(CMJ)です。「ドイツ装甲軍団」シリーズの4作目に当たる本作ですが、システムの根本が変化しています。移動-戦闘-回復の手順は原システムのままですが、軍ごとに移動及び戦闘のそれぞれで、アクション・ポイントを消費します。当然、ポイントには限りがあり、どこに重点をおいて攻勢をかけるのか、あるいは移動で敵の後退を強いるのか、大局的な視点と決断が求められます。
 序盤は、ソ連軍が7ポイントで3方面軍半が行動できますが、途中から6ポイントに減少します。対するドイツ軍は序盤はわずか4ポイントで満足な後退さえできませんが、徐々にポイントは上昇し、最後はソ連軍と並ぶ6ポイントになります。ドイツ軍機械化部隊の優秀さを表すルールとして、移動命令を受けた装甲師団は無条件で攻撃が行えます。機械化移動による道路移動力2倍とこの移動・戦闘ルールにより、ドイツ軍装甲部隊による機動防御が可能になっています。もっとも、ソ連軍には敵の高い質を覆せる大兵力があります。
 第1ターン、ソ連軍は北西方面軍、カリーニン方面軍、西部方面軍左翼を機動させ、攻撃を行います。狙いは、延翼による戦線の拡大とそれによるドイツ軍戦線の弱体化(と後退の強要)です。つい、強力な第1突撃軍を中心とした正面攻撃をしたくなりますが、CRTが流動型であることとシステム上、予備があれば突破はできないため、このゲームでは下策です。リプレイにあるとおり、「側面を押し込めば、(主戦線は)自然と後退する」という間接アプローチが有効です。
T1S
 序盤は、ドイツ軍が可能な限りのスタックをしていることから、戦闘比は4:1が最高で、以下、4カ所の攻撃を行います。2:1の2カ所でAR、それ以外もDEはなく、DRとなります。が、第9軍の戦区で唯一、後方予備のなかった敵スタックを後退させたことで、戦闘後前進で隣にいた歩兵2個スタックを包囲します。
T1S攻撃
 ドイツ軍のアクションはわずか4ポイントのため、反撃はできず、第16軍予備、第4装甲軍、第4軍、第2装甲軍を機動させ、戦線の穴を塞ぎます。ただし、北部と南部では二重戦線は引けず、薄い防衛網です。
T1D
 第2ターン、再び、北西方面軍とカリーニン方面軍を活性化させたソ連軍は、拡大した北部戦線全域で攻撃をかけます。結果、包囲した3:1攻撃と5:1攻撃でDEとし、残りはDRで、敵の戦線が不規則後退により弱体化します。鉄道に向けた突進と平押しの2:1攻撃は、ARとAL(攻撃側のみ1ユニットロス)となります。一方、南部では西部方面軍左翼が薄い戦線を強襲し、3:1の包囲攻撃がCとなるもの、2カ所でDR3とDR4を出し、騎兵による戦闘後前進でスピニチを占領します。
T2S
 ドイツ軍は、またも全ポイントを機動に当て、戦線を後退させますが、北部マップ端とスピニチ西方は間隙を塞ぎきれず、突破口があいたままに。
T2D
 第3ターン、ソ連軍の攻勢は激しさを増します。北部では長躯、ホルムを占領すると、ヴェルキ・ルキエ方面に先駆隊が突進し、3:1攻撃でDR2として、戦線を延翼します。そこからルジャフ付近まで6カ所で総花的攻撃を行い、包囲下の1ユニットを撃破し、残りの半数をDRとします。
T3S
 ドイツ軍は即撃破のユニットこそないものの、DRで有効な戦線が引けず、徐々に鉄道線に向かって戦線が後退します。
 南部では、ソ連軍が戦線の間隙から突進し、戦線を拡大するとともに、2カ所で包囲攻撃を成功させ、2ユニットを除去します。もとよりユニット数が少ないため、ドイツ軍は装甲師団や自動車化師団も投入して、戦線を再構築せざるをえず。ただ、敵の突破口が狭いため、この側面に反撃を行い、敵の前進を牽制しようとしましたが・・・5:1でまさかのEXとなり、数少ない機動予備がさらに減少することに。
T3D 南部で反撃
 決戦部隊(機動予備)である第4装甲軍の装甲軍団は、本来、全部隊での集中運用をしたいところですが、戦線両端での危機に、やむなく軍団を二分割して、各方面に機動させます。
 第4ターン、ソ連軍の攻勢はさらに熾烈に。再び、ヴェルキ・ルキエ近郊からルジャフ付近まで全域で攻撃をかけ、1ユニットを除去し、3カ所をDRとして、圧力を強めます。
 南方では西部方面軍左翼によるガチンコの殴り合いで、正面攻撃で1個装甲師団をDEとし、包囲下の1ユニットも除去、一時的にスパス・デメンスクも占領します。
  ここで、ソ連軍はとっておきの空挺部隊を、ヴィヤジマ近郊に降下させます。これにより、第9軍及び第4装甲軍の戦線は、全て孤立状態となります。また、このターンから登場するパルチザンは、南西部の6の森林に登場します。
T4S
 この危機に、ドイツ軍は第4軍を全面的に後退させ、戦線を縮小するとともに、南部の敵の突出部に、装甲師団を持って逆襲をかけ、一部の敵を後退させます。
T4D 機動反撃
 第5ターン、数を恃むソ連軍の攻撃は続き、北部の6:1攻撃でDEを出し、その他でもDRで戦線を押し込みます。北部の中央付近の突進で、ヴェルキ・ルキエに続き、ドイツ軍のVP地点のネリドヴォも陥落します。
 また、敵が孤立状態となっている中央付近では、はじめて西部方面軍右翼が攻勢に出て、2カ所で戦線を押し上げます。
 そして、最大の戦果は南部で挙がりました。前ターンに反撃に出てきたドイツ装甲部隊に対し、可能な限りの兵力をかき集め、6:1攻撃を仕掛けます。drにも恵まれ、機械化2個師団が壊滅します。
T5S なおも数を頼んだ攻勢
 前面に強力なソ連軍、後背に連絡路を遮断する空挺部隊と、ドイツ軍はかなり危機的な状況に陥ります。決して潤沢とはいえないアクション・ポイントをかき集め、第4軍の歩兵で敵の空挺部隊を包囲し、これを除去します。
 また、南方では包囲下に置かれた1個装甲師団が、外部の歩兵との連係攻撃で、なんとか脱出に成功します。同時に、敵の集中するスパス・デメンスク周辺を避け、兵力の少ないその南方で牽制攻撃を仕掛け、これを成功させます。
 北部では、ヴェルキ・ルキエの奪還を目指し、やっと到着した装甲師団で敵の側面に攻撃をかけ、後退させます。
T5D
 両軍がともに攻撃と反撃を繰り返す激しい戦いの中、第6ターンはさらなる混戦に。北部では、ヴェルキ・ルキエ近郊で反撃に出たドイツ軍に対し、ソ連軍は後方から部隊を送り込んで再反撃に転じ、側面を支えている1個歩兵師団を殲滅します。北部中央付近では予備もおけないギリギリの敵戦線に対し、ネリドヴォ攻略の勢いのまま、ベーリィを目指してラッシュを掛けます。
 ドイツ軍の限定反撃を受けた南部ですが、兵力状況は自軍が有利と判断したソ連軍は、敵の牽制には目もくれず、逃げ遅れた装甲師団を包囲殲滅し、要衝ブリヤンスクへの道を開きます。また、さらなる西方への前進のため、側面に食い込んでいる歩兵師団を最高比率の攻撃で後退させます。
T6S ソ連軍がさらに攻勢
 猛烈な重圧に耐えかねたドイツ軍は、やむなく反撃を中止し、戦線の整理と拠点防御に切り替えますが・・・。
T6D
 第7ターン、完全に主導権をものにしたソ連軍は、北部の2個軍と西部方面軍左翼にアクション・ポイントを集中し、大攻勢に出ます。いまや主攻勢となった南部で、パルチザンを投入してスモレンスクを占領。さらに、要衝ロスラウリにいた装甲師団を包囲殲滅。最後は、ブリアンスク前面の自動車化師団も粉砕するという、ゲーム中最大の戦果となります。
T7S スモレンスク攻撃
 一方、北方でも3カ所の戦闘全てを成功させ、ソ連軍のVP地点ベーリィを陥落させます。
 ドイツ軍は装甲師団の集中攻撃で、北部ヴェルキ・ルキエの近郊で包囲された歩兵師団を救出します。が、北部中央付近の突破口は埋まらず、ムチェンスクからビリヤンスクまで薄い戦線を引くのがやっと。
T7D 北部の攻防
 第8ターン、北部で塞がれなかった突破口から、ソ連軍の快速部隊が突進し、4カ所でドイツ軍を包囲します。全てを3:1以上としたことで、逃げ場を失った4個師団(装甲1個師団を含む)が壊滅し、もはや戦線構築は不可能に。
T8S ソ連軍の集中攻撃がドイツ軍の質を上回る
 南部でも、ロスラウリを落とした3個軍団がスモレンスクの包囲体制をとります。ブリヤンスク方面では、最後の装甲師団を包囲殲滅し、正面からの2:1攻撃を敢行します。これが決まっていれば、ブリヤンスクの失陥は確実でしたが、第2装甲軍の歩兵が踏みとどまります(戦闘結果はC)。
T8S ブリヤンスク方面の攻勢
 ドイツ軍は効果的な戦線構築を放棄し、次ターンに敵の移動を阻害する遅滞戦術に切り替えます。これにより、ヴィテブスクの攻略は不可能になります。唯一の反撃は、スモレンスクに立てこもるパルチザンで、包囲によりこれを除去します。
T8D スモレンスク奪還
 ソ連軍はこれだけ押しているものの、中央部のドイツ軍VP都市が健在のため、VP的にはほぼ拮抗している状況です。
T8D
 最終第9ターン、もはやVP地点以外には目もくれず、ソ連軍は占領した地点の死守と敵のVP地点の奪取に全力を注ぎます。
 まず、要衝スモレンスクの装甲師団に包囲攻撃をかけ、これを撃破し、南部市街地を占領します。続いて、北部のドイツ軍の防衛拠点ルジェフに1:1攻撃を掛けますが、さすがにこれはARに。
T9S 第二次スモレンスク攻防戦
 最後は、南部2カ所での猛攻で、ムチェンスクを奪取します。さらに重要拠点ブリヤンスクを2:1で強襲します。これが決まれば、ほぼ勝負は確実でしたが、今や歩兵だけとなった第2装甲軍が粘りを見せ、ここを死守します。ソ連軍ターンが終わった時点で、VPは3点差に。
T9S 南部の要衝攻撃
 栄光のドイツ国防軍は、あり得る全戦力をかき集めると、反撃に出ます。スモレンスクを奪還できれば逆転勝利で、ヴェリシとスパス・デメンスクの奪取ならば同点で規定によりドイツ軍の勝利でしたが・・・全てが2:1以下という厳しい攻勢条件を覆せず、ARに。この瞬間、ソ連軍の勝利が確定しました。
T9D 奇跡を信じて反撃するも・・・
 「ドイツ装甲軍団」のシンプルさはそのままに、アクションポイントというリソースを導入しただけで、高い戦略的思考を要求する秀作となりました。これに空挺降下とパルチザンによるランダム性が加わり、リプレイアビリティも抜群です。これこそ、まさに対戦向けアイテムでしょうね~。

終了時

 この日、茨城会の水戸爺さんと対戦予定をしていたのが、「マンシュタインの切り札」(CMJ)でした。このアイテムは、yagi会長とテストプレイをしたことがあり、久々の対戦となります。
DSC01580
 第一戦は、ソ連軍(mitsu)対ドイツ軍(水戸爺)でスタート。第1ターン、ソ連軍はスラビヤンスク付近を突破すると、一路、ドニエプルペトロフスクを目指すように見せかけます。
T1
 これに対し、ドイツ軍は早々に反撃を開始しますが・・・これは誘い水でした。敵の装甲師団が集結した側面を突き、これを間接包囲。正面からの打撃と合わせて、3個装甲師団を屠ります。
 第2ターン、南端への回廊を確保し、南東からの敵増援を封じ込めると、優勢な戦力でドイツ軍の北部戦線を痛打。ドイツ軍も増援を投入して、なんとか突破を防ぎますが、足を止めて守りに入ったことが災いし、高比率攻撃-戦闘後前進による包囲-退路を断って殲滅という負の連鎖に陥り、こちらも損害がうなぎ登りに。もはや、戦略的な反攻は不可能ということで、ソ連軍の勝利となりました。
T2
 第二戦も、同じ陣営で再戦に。第1ターン、ドイツ軍は全軍移動カードで組織的に後退し、一部を除いて主戦戦はスタック防御に成功します。
 これに対してソ連軍は、防御力の低い北部の歩兵スタックを狙って揺らぎを作り、敵が装甲師団をバラしたところで正面からの高比率攻撃を見舞います。3カ所で6:1攻撃を行いましたが、全てでDE(!)の結果に。
T2 イワンの猛攻
 北部戦線は実質上、破綻し、ドイツ軍は歩兵部隊を犠牲にしながら、マップ南方に戦線を引くしかなくなります。
T2終了時
 第3ターン、ソ連軍は全軍を動かすカードを使って、戦線を整えると西方から大量の突破を行います。ドイツ軍も南方で反撃を開始しますが、刻すでに遅し。ソ連軍のサドンデス条件を回避できなず、終了になりました。
T3
大突破
 近いうち、某雑誌に投稿しますが、切り札シリーズは、部隊数もカード数もギリギリまで絞られていて、シンプル故に一手一手が非常に考えさせられる作品です。最善を尽くしても、戦闘drによって展開が大きく変わり、選択肢の多さに悩みは付きません。わかりやすく奥深い、このシリーズは名作といってよいでしょう。

 今月のソロプレイ第8弾は、モスクワ攻防戦を描く最新の「激闘!タイフーン電撃戦」(GJ)です。フルマップ1枚、ユニット数250個と見た目は普通の作戦級ですが、プレイ時間は優に8時間を越える超本格派です。
 基本システムは、傑作「激闘!マンシュタイン軍集団」(GJ)のチット・プル・システムです。所属部隊ごとではなく、司令部ユニットから4へクス以内の全ユニットが活性化するため、司令部の集中と電撃戦、あるいは機動防御がシンプルなルールで楽しめます。
 ゲームの展開としては、お約束の前半の大包囲と突破、泥濘と凍結の中の前進、降雪後のソ連軍の大反攻となっています。特にポイントとなるのが、第1-2ターンで、ここでどれだけ多くのソ連軍を補給切れ除去ができるかによって、展開は大きく異なります。
 また、モスクワ戦を描いたゲームでは、珍しく、ツーラとモスクワへ突入しやすくなっています(その後の維持はかなり厳しいですが)。
 プレイ時間が膨大なため、おいそれと繰り返しはできませんが、数回の練習プレイを経て、ソロ演習と行きます。
T0
 第1ターン、このターンはソ連軍は奇襲の影響で、一切の行動ができず(チットなし)、ドイツ軍の独壇場となります。途中で補給チットが出たものの、グデーリアン・チットの割り込みでこれをキャンセル。結果、第3装甲軍と第4装甲軍の連携が決まり、巨大なポケットが形成されます。ソ連軍の第16軍、第20軍、第24軍が包囲され、全てがステップロスに。
T1 中央部の攻撃
T1 壮大なポケット成功!
 一方、南方では、第2装甲軍の主力がブリヤンスクを奪取します。また、分遣隊が、早くもクルスクを攻略します。
T1 南部の攻勢
 第2ターン、ドイツ軍は増援チットで、すかさず、クルスク周辺を強化します。と、この直後に、サプライ!これにより、包囲下のソ連軍3個軍(36ユニット!)が全滅します。補給切れで除去されたユニットは、後の増援にできないため、大きなアドヴァンテージになります。また、せめて時間稼ぎにと入れていた第16軍・第20軍のチットが、無駄になってしまいます。
T2 補給切れで大殲滅
 怒濤のドイツ軍は、中央及び南部で突進を続け、オリョールとキーロフを攻略し、ヴィヤジマを包囲下におきます。ソ連軍は、先のチット不足から展開が遅れ、第22軍・第29軍の撤退がやっとです。
T2
 第3ターン、ロシアの大地を泥濘が包み込み、ドイツ軍の使用チット数が4に減少します。それでも、ドイツ軍は平押しで戦線を押し上げ、あるいは間隙から浸透し、要衝カルーガを攻略し、モスクワまで7へクスに迫ります。また、ヴィヤジマ北方を迂回し、第32軍を包囲下にします。
T3
 突き進むなら今と、ドイツ軍は少ないリソースをモスクワに迫る第4装甲軍に振り向けます。これが奏功し、2手番連続で第4装甲軍の機動に。前ターンに空けて置いた突破口を突進し、モジャイスクを攻略。そのまま、モスクワ攻撃を実行します(まだ、10月!)。
T4 モジャイスク突破
T4 モスクワ戦、開始
 ソ連軍はかろうじてこれを堪え忍び、大量の増援を緊急展開し、オスターシャコフからルジェフ経由でモスクワまでの防衛線を引き直します。
T4
 第5ターン、敵の防衛体制が不十分なうちにと、ドイツ軍はここを先途にモスクワへの猛攻を掛けます。第4装甲軍の総力を挙げた攻撃により、ついに市街地に突入!(先頭はDas Reich自動車化師団)さらに、もう1へクスも占領して、勝利条件の一部を満たします。
T5 モスクワ突入
 一方、リソースを回せず、展開が遅れていた第2装甲軍もオカ川を渡河し、ツーラの包囲に成功します。
T5
 第6ターン、天候は凍結に。このターン、包囲下にあったツーラが陥落し、ドイツ軍は早くも防御態勢に移行します。モスクワ市街地に歩兵を入れ、装甲師団を機動防御に備えて、予備に回します。
 また、スタック防御の長大な戦線を敷くとともに、一部では攻勢に出て、敵を包囲攻撃し、反撃を牽制します。
 ソ連軍は、大量の増援で戦線を強化しながら、反攻に向けて、ツーラ東方に部隊の展開を始めます。
T6
 第7ターンは、両軍とも戦術的な攻撃のみで、戦線はほぼ膠着状態に。
T7
 第8ターン、いよいよ、ロシアの厳冬が到来します。このターンから、ソ連軍のZOC進入・離脱移動力が+1に減り、かつ戦闘時にはソ連軍有利に2シフトに。いよいよ、東部に集結したソ連軍が反攻に移りますが、ドイツ軍の戦線も厚く、若干の後退をするのみに止まります。
T8
 第9ターン、ソ連軍の反攻が本格化します。東部及び北西部で、司令部を集中した反復攻撃を実施。敵の防御も堅いので、ソ連軍にも少なからずの損害が出ますが、強襲により徐々にドイツ軍も損耗します。
T9
 第10ターン、東部に敵の予備を惹き付けたところで、親衛赤軍をモスクワ前面に投入し、大反攻に出ます。薄くなっていたドイツ軍の防衛線はこれに耐えきれず、ついにモスクワからの撤退を開始します。
 一方、北西部でも3個司令部と大量の増援を投入して、オスターシャコフ・ヴェルキエルーキ鉄道沿いにラッシュをかけます。
 残り2ターンの時点で、ドイツ軍の占領都市は8つに減り、最終の勝利条件ギリギリになります。
T10
 第11ターン、大戦果は北西部で上がりました。攻撃-増援-攻撃の理想的なローテーションが決まり、ヴェルキエルーキに肉迫。3個狙撃兵師団に司令部までつぎ込んだ3:1攻撃の結果は・・・RR!ここが陥落し、 ついにドイツ軍の勝利都市数を7まで減少させました。
T11 ヴィルキエ・ルキエ陥落
 また、中央部でも重層的な攻撃をかけ、モスクワ川沿いまで第4装甲軍を撤退させます。
T11
 最終第12ターン、ドイツ軍にはもはや都市を取り返す力はなく、増援と機械化予備で突破口に薄い戦線を引くのがやっと。北西部のソ連軍は怒濤の進撃を続け、スモレンスクを狙える位置まで前進します。と、ここでゲームエンド。
T12
生きて帰らず
 結果は、圧倒的にドイツ軍有利だったはずが、最後はソ連軍の勝利に。序盤で空前の3個軍を包囲で失い、かつてない早期にモスクワに突入され、きわめて厳しい状況に。反撃戦力も十分とは言えなかったのですが、連続チットにも恵まれ、怒濤の冬季攻勢により、都市数を削減できたのが、大きかったです。
 まさに、独ソ戦最大の舞台をうまく切り取った名作でしょう。あまりにもプレイ時間が長いので、二の足を踏む方もあるかと思いますが、この展開こそ、SLGamerの本懐です。ゲーマーの高齢化とともにライト級全盛の昨今ですが、年に一度くらい、ハードアイテムを突き詰めてもいいかも・・・。と、いうわけで、対戦者を募集中です(ただし、例会2回分で、笑い)。

 今月のソロプレイ第7弾は、この時期ぴったりの冬季戦「モスクワ'41」(CMJ)です。ドイツ戦車軍団システムを使用したタイフーン作戦アイテムで、極めて高いプレイアビリティを誇ります。例によって、十分なデヴェロップがされており、バランスも上々です。
 基本は、移動-戦闘です。戦闘は戦闘比で解決し、2:1で攻撃側が有利となります。後退したユニットが混乱状態(移動・戦闘不能)になるのは同システムの特徴ですが、モーメンタムを表すために回復ポイントを導入し、前半はドイツ軍有利に、後半はソ連軍有利に回復できるようになっています。
 また、初めて補給の概念が導入され、補給切れになると混乱状態に、さらに次ターンも補給切れだと除去されます。
  特別ルールとしては、ソ連軍のみ強制反攻ルールがあります。ターン終了時に反撃チットを引き、「スターリンの反撃命令」が出ると、次ターンはソ連軍が先手となり、一定ユニット数の反撃を行わなければなりません(足りない分は、VPを献上します)。その後にドイツ軍ターンとなるので、次ターンと合わせると、ドイツ軍は計算のできるダブルムーブとなります。
 勝利条件は、モスクワにドイツ軍が突入すればその瞬間にサドンデスですが、めったに起こりません。それ以外は指定都市と町の占領によるVPとドイツ軍損害により決定します。
 秀逸なのは、各都市/町のVPが不明で、ゲーム終了時にVPチットを確認します。VPは2-6点と差が大きく、ゲーム中はどれだけ勝っているのかが両軍とも不明です。平均は4.3点なので、期待値としては5都市をとれば、ドイツ軍勝利の20点を超える可能性が高くなります。撃破された装甲師団/自動車化師団1ユニットにつき、-1Vとなるので、損害如何によって勝敗ラインが変動します。
 ちなみに、マップ南端にはヴォロネジがあり、これを獲るとVPは2倍になります。が、ソ連軍の増援が登場するマップ端が近く、それなりの兵力をつぎ込まないと占領は難しいです。
 両軍はフリーセットアップを行い、ゲーム開始です。なお、第1ターンのみは、特別ルールで、ドイツ軍が二度の移動-戦闘を行えます。
 第1ターンの第1フェイズ、ドイツ軍は可能な限り敵ユニットを除去するため、装甲師団2個と自動車化師団1個、歩兵師団1個を組み合わせた攻撃チームを編成します。これだと、敵歩兵の戦力が4以下ならば6:1(2/3の確率で敵を除去)となり、最大の7戦力でも4:1(1/3の確率で敵を除去)となります。アントライドの結果、6:1が4つ、5:1が1つ、4:1が6つ、3:1が2つとなります。1カ所のみC(攻撃失敗、膠着)でしたが、EXを含め、12ユニットの撃破に成功します。
T1D1
 第2フェイズは、敵の第二戦線への攻撃となり、混乱状態の敵の自動壊滅を含め、さらに12ユニットを撃破します。
T1D2
 ソ連軍は増援を加え、なんとか北部から中央部で敵の戦略移動を狭める配置をします。南部は壊滅ユニットが多すぎて、戦線を張れず。唯一、包囲可能な装甲師団を攻撃し、EXでこれを撃破します(ドイツ軍のVP-1点)。
T1S 反撃で装甲師団を包囲撃滅
T1S終了時
 第2ターン、ドイツ軍は北部から中央部で正面攻撃で敵を撃破する一方、南部では敵歩兵集団を包囲します。別働の装甲部隊でクルスクを占領し、2個がヴォロネジを目指し、戦略移動を行います。
T2D
 対するソ連軍は、再び、増援で前線を繕いながら、後方に残された歩兵で反撃を成功させ、これを親衛赤軍に昇格させます。また、南部の包囲網にはブリヤンスクから登場した増援で、補給をつなぎます。
T2S反撃
 と、ここで引いた反攻チットは「スターリンの反撃命令」!第3ターン、先攻となったソ連軍は包囲下の部隊を中心に反撃を行い、先の攻撃で混乱状態になった敵への攻撃とEXで、2個歩兵師団を除去します。さらに包囲可能な自動車化1個師団を殲滅します。
T3S
 が、ドイツ軍の逆襲も凄まじいものでした。第3ターンの後攻攻撃で戦線に穴を開けると、第4ターンのダブルムーブで敵を包囲攻撃します。結果、北部のソ連軍は軒並み包囲下となり、中央部では前線が完全消滅します。
T3D
T4D北部
 ソ連軍は反撃で北部の連絡線は回復したものの、中央部ではカリーニン要塞線に沿って薄い戦線を張るのがやっとです。
T4終了時
 第5ターン、高い機動力を持つドイツ軍は、モジャイスク近郊の親衛赤軍を撃破し、一時的にモスクワへの街道を占拠します。また、ツーラ側面に回り込んだ部隊が東端の敵を撃破します。北部では、2個の敵を包囲殲滅し、同時にカリーニン側面を攻撃をして、圧力をかけます。
T5D
 ソ連軍は、カリーニンはもはや守れないと、これを放棄。6ユニットに増加した増援を必死に投入し、なんとか戦線を張り直します。
T5S
T5
 第6ターン、ドイツ軍は北・西・南からモスクワに圧力をかけ、前進をします。ここで、装甲1個師団が突出し、モスクワまであと2へクスに迫ります。
T6D
 一方、ヴォロネジ方面では敵が増援を回せないのをいいことに、装甲部隊で攻撃をかけ、ヴォロネジを占領し、さらに先制攻撃をし続けて、敵の反撃を封じます。
T6D南部
 ソ連軍はモスクワ市街から直接、増援を登場させ、必死の防衛線を引きます。 
T6S
 第7ターン、歩兵が追いついてきたドイツ軍は、装甲師団と連携し、モスクワ防衛線と北部戦線に正面攻撃をかけます。攻撃は成功し、モスクワまであと1へクスに迫ります。
T7D
 ソ連軍は、なりふり構わず、部隊を投じて、主防衛線を維持します。一方で、ヴォロネジ方面ではイニシアチブを取り替えさんと、なけなしの増援を投じて反撃を実施しますが、残念ながら成功せず。唯一の朗報は、スターリノゴルスクから登場した狙撃兵で、隙を突いてクルスクを奪還したことか。
T7S
T7Sヴォロネジ戦線
 第8ターン、ドイツ軍は歩兵師団を交えて、正面攻撃を強化し、モスクワ市街地攻撃の準備を整えます。が、北部は5:1攻撃がDRとなってしまったため、戦線突破は不可能になります。ヴォロネジ戦線では、ドイツ軍が再反撃に転じて、戦線を押し込みます。
T8D
 このままでは、モスクワ陥落はほぼ必至。ソ連軍は戦車師団及び親衛赤軍、狙撃兵を投じて、最前線の装甲2個師団に逆襲をかけます。これが成功すれば、脅威を多少なりとも減少できたのですが・・・2:1攻撃の結果はEX。装甲師団1個を屠り、敵VPは減ったもののモスクワ攻撃拠点は死守されます。
T8S モスクワ前面の反攻
 最終第9ターン、ドイツ軍は満を持して2へクスからのモスクワを攻撃。戦闘比は6:1で、ここを守る狙撃兵部隊を見事、殲滅!戦闘後前進でついにモスクワに入城したドイツ軍の勝利となりました。
T9Dモスクワ強襲
 最終ターンまでもつれ込む激戦でした。ちなみに、これが墜ちなかったらVP判定でしたが、クルスク、オリョール、カリーニン、ツーラ(再奪還)、ヴォロネジ(VP2倍)、クリン(町で1/2VP)と実質6都市以上を占領。が、装甲部隊の損害も-7VP(7個師団壊滅)で、確認したら20VPに届かず。危ないところでした。
 ソ連軍としては、ヴォロネジ奪還のため、増援を投入し続けたのが裏目に出た形ですが、モスクワ防衛もギリギリの「崩壊」だったわけで、結果論でしょうね。
 雪や泥の影響が感じられず(逆に雪が降ると凍結して、ドイツ軍機械化部隊の機動力が上がる?!)、モスクワ冬季戦らしさが少ない点が不満ですが、シンプルな「ドイツ装甲軍団」の特徴を維持することで、わずか2時間で決着がつくプレイアビリティは特筆ものでしょう。史実では届かなかったヴォロネジ戦線があることでヴァリエーションが拡大し、また、アントライドや「スターリンの反撃命令」のランダム性により、競技性の高さはまさに中黒デザインです。是非、対戦したいものです。

 今月のソロプレイ第6弾は、季刊Tactics誌の付録となった「モスクワ総進撃」です。ユニットは軍団規模で、マップはクウォーターサイズの自作ゲームです。
 システムは、ドイツ軍が移動-戦闘-機械化移動-機械化戦闘ダブルインパルスで、ソ連軍が移動-戦闘です。最後に補給フェイズがあり、マップ端から続く鉄道に3へクス以内で連絡線が引けないと、補給切れになります。補給切れだと移動はできるものの戦闘は不可で、続けて補給切れになると除去されます。
 また、包囲戦を表現するため、WWⅡの作戦級にしては珍しく、強ZOCを持っています。機動力に勝るドイツ軍は、第1インパルスで戦線に穴を開け、第2インパルで敵後方の連絡線を遮断し、強ZOCで拘束して補給切れによる敵の除去を狙います。
 戦闘はベーシックな戦闘比ですが、4:1でDEは33%、EXが16%、DRが50%です。最大比の6:1だと、66%がDEで、33%がDRです。1:1以下だとAEがあり、2:1以上にはEXがあります。先に述べた強ZOCのため、後退狙いの1:1以下攻撃もあります。また、ドイツ軍のみ、2ステップがあり、EXでも優位に立ちます。
 マップの設定はよく練られていて、モスクワ近郊の防御に適した森林地帯、ツーラ周辺から南方の平原、北部の森と川による防衛線などにより、それなりに史実に近い展開になります。 
 また、天候の規定もあり、泥濘と積雪では、鉄道以外の消費移動力が2倍となります。ソ連軍の補充も後半ほど有利になっています。
 これがたった3ページ(!)でルール化されていて、シンプルで必要な内容を盛り込む手腕は素晴らしい!デザイナーは伏見素行氏です。数回のソロ演習を経て、本戦に。
 第1ターン、ドイツ軍は可能な限り効率よく敵を撃滅するよう、戦車と歩兵を巧みに組み合わせて戦闘を仕掛けます。北の6:1はDRで取り逃がしますが、中央では歩戦共同で4:1攻撃を掛け、EXで敵を除去し、1個装甲軍団が飛び出します。
 南方では、6:1と包囲下攻撃を組み合わせ、5カ所全ての攻撃で敵を除去します。
T1D1
 第二次攻撃では、北方で敵が後退・壊滅した箇所から、戦闘後前進で突進した装甲軍団が6:1攻撃を掛け、さらに2ユニットを除去します。完全な突破口が開いた南方では、あえて攻撃をせず、機動のみで敵歩兵の連絡線を遮断します。
T1D2
 続く、ソ連軍ターン、前線での抵抗は無意味と、生き残ったソ連軍は一気にモスクワ方面に後退します。1ユニットのみがスモレンスクを無血占領し、補給下で立てこもりますが、それ以外の拘束された6部隊は、全て補給切れになります。
T1S
 第2ターン、ドイツ軍は装甲軍団を持ってさらに突進し、カリーニン西方の敵を後退させます。が、続く、機械化インパルスで、森林に立てこもる狙撃兵に3:1攻撃を掛けますが、ARではじき返されます。
T2D1
 一方、南方ではオリョールへの3:1攻撃がDEとなり、これを占領。そのまま、3個装甲軍団がツーラを強襲し、ここも占領します。
 ソ連軍は、増援をつぎ込んで全戦線を強化します。ターン終了時に、前ターンに補給切れになった6個ユニットが壊滅します。
T2S
 第3ターン、ロシアの大地は泥濘に。鉄道沿い以外、満足な機動ができない状況ですが、前線に到着していた装甲師団で、ドイツ軍は攻勢を継続します。北部では3:1攻撃が成功し、再び、カリーニンを占拠します。中央部では森林に籠もる敵を、2:1ながらDRとします。
 また、スモレンスクに籠もっていた狙撃兵を、やっと除去します。
 第二次移動で間隙から装甲軍団が突入し、北部で1個狙撃兵軍を包囲攻撃で除去します。
T3D1
T3D2
 ソ連軍は、後方から部隊を前進させ、北部では二重戦線を、中央ではスタックによる防御網を構築します。
 敵がわずか3個装甲軍団で守っている南部では、相打ち上等で2:1の反撃をしましたが、残念ながらARに。
T3S
 第4ターン、なおも泥濘が続き、ドイツ軍は泥をかき分けながら。北方で集中攻撃を掛けます。が、6:1にもかかわらず、DRに。ただし、部隊が後退したことで戦線がいびつになります。ここへ第二次攻撃を掛け、2:1ながらEXで後方の騎兵を除去すると、戦闘後前進で狙撃兵軍を包囲し、これを撃破します。 
T4D1
T4D2
 南方では、後方から駆けつけた装甲軍団と共同でツーラ近郊の敵を攻撃し、これを後退させます。
 北方を突破されたソ連軍は、増援をもってヴォルガ川沿いに戦線を引き直します。が、前線の部隊は拘束されているため、密度は薄くならざるを得ず。また、南方ではツーラ奪還を目指して2:1攻撃を掛けますが、またもARとなります。
T4S 増援をつぎ込んで
 第5ターン、路面は凍結となり、再び、機動戦が可能になります。後方から歩兵も追いつき始めたドイツ軍は、北方とモスクワ前面に戦力を集中し、強襲を掛けます。モスクワ南西こそARとなったものの、北の4:1攻撃2カ所では、DEとEXで前線に穴が開きます。 
T5D1
 ここから装甲軍団が浸透し、北部の増援登場へクスを占領。ヴォルガ川沿いで抵抗する2個スタックを包囲攻撃(2:1)で除去します。そして、モスクワ郊外を守るわずか1戦力の狙撃兵を5:1でDEとし、戦闘後前進により、ついに赤い首都を占領します。
T5D2
  南方では、ツーラ近くの増援登場へクスに攻撃を掛け、これも占領します。
 この時点で、ドイツ軍のVPは14点ちなり、サドンデス勝利条件を満たします。
 ソ連軍には、もはや、モスクワ奪還以外にサドンデスを防ぐ手はなし。増援をかき集めると、奇跡を信じて1:1攻撃を行いますが・・・ああ、無情にもAR。この瞬間、ドイツ軍の勝利が確定しました。
T5S モスクワ奪還に掛けるしか・・・
 今回は、ドイツ軍の電撃的な勝利となりましたが、兵力の投入バランスと戦闘結果によっては、モスクワどころか、その遙か前面でがっちり止められたり、南方で猛反撃を食らって5個を越える装甲師団が壊滅したりしたこともありました。まだ、両軍とも勝つチャンスがあり、かつ、史実的にもさもありなんという展開になるあたりは、十分なデヴェロップが窺えます。初めに触れましたが、それをたった3ページで納める見事な手腕!なかなか評判を聞かない本作ですが、もっと評価されていいですね~。
T5 ゲーム終了
 なお、このソロプレイで、アイテム最大数を誇るWWⅡ東部戦線ジャンルのプレイ率が4割を突破しました。こちらもご覧ください。

 今月のソロプレイ第5弾は、最新のタイフーン作戦アイテムである「モスクワ攻防戦」(学研)です。歴史群像の付録となった歴史ファン向けのSLGで、その数は公称36000部発行と、影響力は極めて大です。
T0
 基本は、ドイツ軍が戦闘-移動-戦闘というもので、ソ連軍は移動-戦闘と、ドイツ軍有利になっています。ただし、降雪となる第7ターン以降はこれが入れ替わり、主導権の転換を表しています。
 基本は移動力の分だけ、移動でき、ZOC停止。地形効果は、湿地が3、森が2、河越えが+1とシンプルです。
 戦闘はメイアタックで、最大比率の6:1でもDEは1/2の確率です。障碍地形は防御力を+し、大都市は+2となります。損害の受け方は、ドイツ軍とソ連軍では異なっています。ドイツ軍は1個装甲軍+1個歩兵軍の損害チャートが有り、これが最大数8になるまでは損害を受けません。いっぱいになると、今度は退却でヒット数を満たすことになります。一方のソ連軍は、はじめから退却のみで損害を充当します。ただし、大都市で守備しているソ連軍は、1ヒットのみは無効にできます。
 数回の練習プレイの後に、ソロ演習となります。
 第1ターン、ドイツ軍は装甲軍団の高火力を持って、攻撃をかけます。ソ連軍のアントライドが比較的高く、北から4カ所の攻撃では1カ所でDEとなり、1カ所が1/1、2カ所がD1となります。
T1D1
 第2攻撃では、戦力をさらに集中し、2カ所で6:1を、1カ所で4:1としますが、drに恵まれず、敵の退却のみとなります。
T1D2
 ソ連軍は特別ルールで動けないため、包囲された部隊が消耗上等の1:1反撃をかけましたが、1カ所でD1を出して、第2装甲軍+第2軍に1ヒットを与えます。
T1S
 第2ターン、中央部で装甲2個軍団が隣接していた歩兵軍に4:1攻撃をかけますが、これは1/1とドイツ軍にも損害が出ます。
T2D1
 戦線をこじ開けた第2装甲軍が飛び出し、やっと電撃戦らしくなります。第2戦闘で3:1の正面攻撃では1/1と痛い目に遭いますが、3:1の包囲攻撃と6:1でDEを出し、2個軍を撃破します。
T2D2
 ソ連軍は逃げ遅れた部隊で足止めと反撃を行った他は、整然と戦線を形成しながら、後退します。
T2S
 第3ターン、ドイツ軍は機動力を生かして敵に接敵し、猛攻を加えます。逃げ遅れと展開が遅れた2個軍を包囲して、これを殲滅します。その他では退却が多かったのですが、最も確率の低い4:1でまさかのDEが出て、前進を果たします。
T3D2
 が、ソ連軍にも続々と増援が来て、カリーニンからツーラまでの半円防御線を引きます。
T3S
 第4ターン、ドイツ軍は正面強襲を続け、DEこそ、1カ所でしたが、多くの部隊を後退させ、VP地点のカルーガ、ルジェフ、スピニチを占領します。
T4D
 第5ターンは、ドイツ軍のdrが冴え、5カ所の攻撃で3軍をDEにします。が、要衝ツーラへの攻撃は、D1が大都市効果で無効になり、弾かれます。
T5D
 一方、ソ連軍も冬期反攻に向けて、敵の損害を増やすべく、増援を投入して、3カ所で反撃を行い、D1を一つ与えます。この時点でドイツ軍の損害数は以下の通りです。
 第3装甲軍・第9軍-4損害
 第4装甲軍・第4軍-3損害
 第2装甲軍・第2--3損害
T5S
 第6ターン、ドイツ軍は最後の計画的攻勢を行います。まず、VP地点のカリーニンに4:1攻撃をかけ、これを奪取します。また、反撃で突出した歩兵軍を包囲殲滅し、また、1個軍を正面からの6:1でDEにします。が、焦点のツーラは、激しい抵抗を見せ、またも落ちず。
T6D
 ソ連軍は、反撃の前哨戦として、兵力の薄い南部2カ所で攻撃を行い、ともにD1として、第2装甲軍・第2軍の累積損害を5に上昇させます。
T6S
 第7ターン、イニシアチブが入れ替わり、ソ連軍が先手で冬期反攻が開始されます。まず、前ターンに接敵していた部隊が6カ所で攻撃をかけ、全てでドイツ軍にダメージを与えます。結果、第2装甲軍・第2軍は一切の攻撃が不可能に。
T7S
 続く、第2攻撃も熾烈で7カ所の攻撃の全てに成功し、1カ所では奇跡のDEを出します。
T7S2
 ドイツ軍も残った第3装甲軍と第4装甲軍で意地の反撃を行い、1個軍を撃破します。
T7D
 第8ターン、ソ連軍の第1攻撃は2カ所で成功し、第3装甲軍・第9軍も攻勢不可能になります。
T8S1
 第2攻撃は8カ所での総花的攻撃になり、半数がD2と包囲下のDEとなり、戦線は大きく後退します。この時点で、保持したツーラをはじめ、カリーニンとクルスクを奪還しますが、今だ、ドイツ軍は勝利条件の4VP都市を確保しています。
T8S2
 最終第9ターン、ソ連軍が奪取できる可能性があるのはカルーガのみ。そのためには第1戦闘で前衛の装甲軍団を排除しなければなりません。砲兵もつぎ込んで3:1の戦闘は、1/3の確率でこれを排除できましたが・・・結果は、D1。この時点でカルーガへの接敵は不可能となり、押されながらもドイツ軍の勝利となりました。
T9S1
 初期にソ連軍に高戦力が多かったり、ドイツ軍の戦闘drが優れず、モスクワ攻撃は全くできませんでしたが、ドイツ軍が無理せず、防御態勢に移れば、ほぼ戦術的勝利は間違いないと思います。デザイナー推奨の砲兵2シフトがあっても、です。
 改定案としては、ツーラの得点を2にすると、今回の展開なら引き分けにはなるかと思います。また、ソ連軍が普通に守れば、モスクワ攻撃はかなり至難の業(かつ危険が伴う)ですが、例えば隣接だけでも+1点などすれば、ドイツ軍が(史実通り、強引に)モスクワを目指す動機にはなるかと。
 とはいえ、慣れたSLGamerだから、そこまで突き詰めるわけで。多くの「歴史群像」のユーザーはそこまで行かずとも、モスクワ戦の雰囲気を味わえれば、十分なんでしょうね。まあ、これを契機に、幾ばくかの歴史ファンが、シミュレーションに転んでくれれば、ラッキーなんですが・・・。

 今月のソロプレイ第6弾は、「ルントシュテットの戦い」(CMJ)の関連で、「ドイツ南方軍集団」(サンセット)ロストフ・シナリオです。「ドイツ南方軍集団」は、一世を風靡したPGGの後継作品で、「キエフ」「ロストフ」「星作戦」「コルスン」の4つのシナリオが入ったクワドリです。ただ、惜しむらくは、いずれもハーフマップに多くのユニットが登場するため、本家のドライヴ感がない点でしょうか。
T0
 基本システムは、移動-戦闘-機械化・騎兵移動となっています。一度、敵ZOCに入ると戦闘結果以外で離脱ができない強ZOCと、移動途中に+3追加移動力で可能なオーヴァーラン(以後、
OR)、ソ連軍にのみ必要とされる司令部とアントライドが、特徴です。CRTは8:1以上でないとDEはない後退型であり、戦闘後前進も退却と同数できます。よって、一度、戦線が止まると、膠着が続く反面、機動戦になるとORの威力で二重・三重の戦線の突破もありえます。
 このロストフ・シナリオでは、特別ルールとして、消費移動力が2倍になる曇天・荒天、ドイツ軍に必要となる補給段列、ソ連軍にのみに許されたZOCからの離脱があります。特にソ連軍は、+1追加移動力で敵ZOCからの離脱ができる反面、1/2の確率でステップロスをしたり、あらぬ転進をさせられたり、とかなり不確実な兵力転換とならざるを得ません。
 いつものように、軽くソロ演習をした上で、本戦に入ります。まず、ドイツ軍の勝利条件は、VPによって異なります。Kharkov10点、Rostov15点など、都市の占領が主で、Don及びDonets川の渡河(と補給線の維持)は事実上、困難です。ソ連軍は、敵の占領阻止と都市奪還による各2VP、ドイツ軍の壊滅(1ユニット1点)などで、ドイツ軍のVPを削ります。ドイツ軍としては、Stalinoを取った上で、KharkovまたはRostovの占領ができないと、勝利はおぼつかないでしょう。
 第1ターン、もっとも敵兵力の薄い中央部に対し、ドイツ軍が主力の装甲部隊で突破を目指します。兵力が確定している第28騎兵師団と第13戦車旅団、第255狙撃兵師団に、精鋭歩兵師団を含む5個師団がORをかけますが、drに恵まれず、3回に渉って停滞します。このターンに抜けないと、かなり厳しかったのですが、4回目でやっと成功。イタリア戦車師団や第5SS 自動車化師団がここから突進します。続く、機械化・騎兵移動で、側面展開し、突破口付近の敵司令部や兵力を随時、包囲するとともに、WIKIG師団の1個連隊が長躯、Stalinoを陥落させます。 
T1 ORによる中央突破
T1D スターリノ陥落
 ソ連軍は敵ZOCからの離脱を使って、少なからずの兵力を消耗しながら、主力を後退させます。後方からの増援と合わせて、非常に薄いながらもBerdyansk-Mariipol-Voroshilovgradの戦線を構築します。
T1S 撤収により、薄氷の戦線構築
 第2ターン、突破口側面を中心に歩兵で拘束した敵を包囲殲滅すると同時に、装甲部隊を中央に集結し、ORをかけます。戦闘と機械化・騎兵移動による執拗な機動攻撃が奏功し、ソ連軍の薄氷の戦線を突破!補給切れになった部隊をさらにORで殲滅し、チィモシェンコの司令部までも一時除去します。
T2D 再び、ORでタガンログ占領
 先鋒隊は、補給切れ上等でアゾフ海に突進し、Tabanrogを占領するとともに、南部のソ連軍を丸々、包囲してしまいます。
T2D戦闘
 司令部を失った南部ソ連軍は、わずかな増援でRostov-Donets川の戦線を張るのがやっとです。また、北部では、離脱がうまくいき、Kharkovの外周に防御陣地を構築します。
T2S
 第3ターン、北部に大量のドイツ軍増援が到着し、Psel川沿いに取り残されていたソ連軍を壊滅させます。南部では、大量の被包囲のソ連軍を半数ほど掃討しつつ、Donets-Don回廊を前進します。
T3D ハリコフへ
T3D終了時
 ソ連軍は、南部の戦線構築をあきらめ、Rostovを中心に防御陣地を構築。北部のKharkovでは、増援を投入して、死守態勢に入ります。
T3S ハリコフとロストフの死守へ
 第4ターン、未だ残る包囲下のソ連軍を掃討しながら、Donets回廊を完全に制圧したドイツ軍は、Rostovに対して、攻撃を実施します。 
T4D ドン川西岸を掃討
 が、ここは頑強な歩兵師団により、1ステップずつの損害で膠着します。一方、北部では、周辺の被包囲部隊を撃破しつつ、Kharkov南陣地に2:1攻撃をかけ、敵に1ステップの損害を与えます。
T4D ハリコフへ
 第5ターンから、最重要のVP都市KharkovとRostovを巡る激戦が展開されます。Kharkovではドイツ軍の総力を挙げたフルスタック攻撃が開始され、1:1、2:1、3:1攻撃により、両軍に少なからずの損害が出ます。豊富なステップを持つドイツ軍に対し、ソ連軍も随時、増援を投入して戦線を維持。一時的にかなり兵力を失ったものの、第8ターンまでの4ターンに渉る猛烈な消耗戦を耐え抜きます。
T5D 二大都市での攻防戦
 最大得点のRostovでは、特別ルールにより市街地から発生した増援が奏功し、4個に及ぶドイツ装甲師団の猛攻を、耐え抜きます。と、大量の10個の増援を得たティモシェンコが南部からの反撃を開始。2ターンに及ぶ猛攻で、第14装甲師団を後退させることに成功し、ついに包囲網を打ち破ります。
T5S チィモシェンコの反撃
 こうなると、前面に出すぎていることが危険と判断したドイツ軍は、低比率攻撃をしかけ、戦術的な退却を狙いましたが、この時に限ってなぜかEngが続き、戦線を後退させることができません。
T7D ロストフからの撤収を計るが・・・
 流れが変わったのが、第9ターンでした。すでに北部では、第8ターンから荒天により、補給路が3へクスに減少していましたが、数少ないドイツ軍の補給段列をソ連空軍が襲撃!これを完全に麻痺させてしまいます。その結果は、北部ドイツ軍全域にわたる補給切れでした。当然、Kharkov攻撃どころではなく、枢軸軍は防御態勢に移行します。
T9D ソ連空軍の補給妨害!
 これと呼応するように、Kramatorsk付近とDonets回廊で、ソ連軍の反撃が開始されます。補給切れになったドイツ軍に対し、北と西の二方向から大量の増援を投入した攻勢となります。
T9S 中央部での反撃
 ドイツ軍はなけなしの航空補給を使って、ハリネズミの陣で耐えますが、度重なる波状攻撃で、第10ターンに、Donets回廊の第16装甲師団が師団効果を維持できなくなり、敗退。戦闘後前進で突進したソ連軍前衛が、Mius川前面まで辿り着きます。
T10S 中央から南部での反撃
 続いて、第11ターンに今度は、Kramatorsk近郊の枢軸同盟軍が狙い撃ちされ、突破口が開きます。ドイツ軍は、すぐさま、唯一の予備-第14装甲師団を投入しますが、混戦の中で戦闘後前進により包囲され、1ユニットが壊滅。続く、機械化・騎兵移動フェイズに、補給切れでORを喰らって、さらに1ユニットが除去されます。もはや、塞ぎようにない大穴があき、ここから突進した戦車・騎兵師団がStalinoまで後3へクスに迫りました。
T12S スターリノへの突進
T13S 最後の攻勢
 が、ここで、タイムアップ。包囲されながらも航空補給で3ターンに渉って時間を稼いだ歩兵師団や第16自動車化歩兵師団等の力闘により、なんとか、Stalinoを守り切った形でした。
終了時
 前半は、ドイツ装甲部隊の猛烈な電撃戦が展開され、KharkovとRostovでのソ連軍の粘り、そして冬の訪れとともに猛反攻と、ほぼ史実に近い展開になります。今回は、Kharkov方面での離脱が比較的うまくいったこととRostovでの高火力歩兵のおかげで、両都市は陥落せず。逆襲で、ドイツ軍が失ったユニットが4ユニット(歩兵師団と3個装甲擲弾兵連隊)、奪還された都市1つにより、ドイツ軍のVPは14点となり、ソ連軍の作戦的勝利となりました。

 今月のソロプレイ第5弾は、正統派の東部戦線アイテムから「Kharkov1941-43」(SA)です。元は、SSシリーズの一作だった「ハリコフ大戦車戦」(翔企画)をデザイナーの山﨑氏がリデザインし、拡張版としたアイテムです。第3次ハリコフ戦が主題でしたが、これに第1次から4次までの会戦を追加した、まさにハリコフ会戦だけのゲーム!シナリオ数とこれまでのプレイ状況は、以下の通りです。
 第1次ハリコフ戦 1941.10.6-1941.11.1
 第2次ハリコフ戦  1942.5.11-1942.5.28
 第3次ハリコフ戦 1943.2.1-1943.3.17 ☆
 第4次ハリコフ戦  1943.8.2-1943.9.6
 今回の「第1次ハリコフ会戦」は、ドイツ軍によるバルバロッサ作戦での怒濤の進撃を描いています。
T0 DSC04524
 システムは移動-戦闘と至って簡単ですが、敵ターンの途中に入る機械化対応フェイズによって、戦闘はかなり流動的になります。(都市と大河越し以外は)スタックなしのマストアタックのため、強力な機甲部隊が対応フェイズに隣接し、敵に低比率戦闘を強制。AEや後退により、戦線に穴が開くと、そこから自軍ターンに部隊が突入し、包囲や突破を狙います。
 この機械化ユニットは、ドイツ軍が圧倒的で、6ユニットが自由に機動できます。これに対し、ソ連軍はわずかに1ユニットのみ。しかも、対応移動には、敵ZOC外で司令部の指揮範囲にいることが必要です。
 2回ほどのソロ演習から導き出された展開は、以下のようになります。
・ソ連軍の歩兵と司令部による二重戦線に対し、ドイツ軍が対応移動で戦線を乱す。
・ドイツ軍ターンに浸透した部隊が、歩兵と協力して、敵を包囲攻撃し、撃破。
・次ターンのソ連軍は、開いた突破口に対し、再編された歩兵配置と後退によって戦線を繕う(突出しすぎた敵がいたら、反撃も)。
 勝利条件は、都市占領と工場破壊、部隊壊滅のVPによって決まりますが・・・これがドイツ軍にめっぽう厳しい。全都市の占領はもちろん、最低2個の工場破壊、あとは突破によりますが、うまくいって引き分けでしょう。初プレイでは不慣れもあって、ソ連軍の戦略的勝利(ドイツ軍はわすか3VP!)でした。
 今回のリプレイでは、ドイツ軍の反応移動ー強制攻撃を最大限に活用しつつ、場合によっては補給切れ覚悟でZOC to ZOC突進も狙います。あとは、1:3でいくつ「6(AE)」が出るか・・・。
 第1ターン、ソ連軍は敵歩兵に隣接しないようにしながら、可能な限り、西側で戦線を張ります。これに対し、ドイツ軍の6個機動ユニットが対応移動で接敵し、敵に攻撃を強要します。その結果、1:3攻撃で北方の2ユニットが撃破され、クルスク前面の兵力が大きく不足します。
T1 ソ連軍北方DSC04526
T1ソ連軍 南方DSC04527
 続く、ドイツ軍ターンでは乱れた戦線に付け込んで、敵を包囲し、2ユニットを壊滅させます。
T1ドイツ軍DSC04528
 第2ターン、補充でソ連軍の2ユニットが復活し、クルスク方面に投入されます。が、補給切れにより、後方に取り残された軍団は3ユニットに及びます。
T2ソ連軍DSC04530
 ドイツ軍の機械化部隊は遮二無二、突進し、またも低比率攻撃を強要します。7箇所の1:3戦闘で、1ユニットが自滅。大きく崩れた戦線にドイツ軍が浸透し、4ユニットを包囲殲滅します。
T2ドイツ軍DSC04532
T2終了時DSC04533
 第3ターン、南部ではさらにソ連軍4ユニットが補給切れになり、ピンチを迎えましたが・・・この危機を救ったのが、ロシアの泥将軍でした。消費移動力が2倍となったおかげで、ドイツ軍の突進が止まります。
T3ソ連軍DSC04534
 それでも、補給切れのユニットを狙い撃ちして、司令部・狙撃兵・自動車化の3ユニットを屠ります。さらに2個機械化部隊を投入して行ったハリコフ戦で勝利し、都市の占領とともに、工場の破壊で25VPを獲得します。
T3終了時DSC04535
 第4ターン、今度は一転して、晴れ。ソ連軍は、復活した3ユニットを北に投入し、突出していた装甲師団に包囲攻撃を試みますが、対応移動でするりと逃げられ、戦果なし。逆に南の低比率攻撃でAEとなり、戦線に穴が開きます。
T4ソ連軍の反撃DSC04537
 すかさず、高機動力を駆使して、ドイツ軍の機械化部隊が敵を包囲し、2個ユニットを除去し、スターリノに向かって前進します。
T4ドイツ軍DSC04538
 第5ターン以降は、さすがに泥濘が続きます。泥の大地をドイツ軍は遮二無二、対応移動で前進し、退路を断った上で敵の低比率攻撃を誘います。最低でも2ユニットの除去を目論んでいましたが・・・ああ、ここでソ連軍の反撃(1/6の確率)が成功!なんと、イタリア軍機械化師団が退却不能で、除去になってしまいます。しかも10箇所で起こった1:3攻撃では一つも自滅なし!
T5ソ連軍北部で反攻DSC04541
 最南部ではソ連軍の独壇場になったターンでしたが、中央部ではドイツ軍の攻撃が成功し、ジリジリと前進を果たします。
T5終了時DSC04543
 第6ターン、ついにドイツ軍がスターリノに到着。歩兵スタックへの攻撃は1:2と不利でしたが、装甲師団の戦術が勝り、これを奪取します。
T6終了時DSC04546
 第7-8ターンは、泥と雪の中での死闘が続きます。北部で前進しすぎたドイツ軍歩兵師団を赤軍が包囲殲滅すれば、逆襲でドイツ軍は中央部の攻勢を強め、ついに#1016への連絡線切断に成功します。
T7ドイツ軍DSC04547
T8終了時DSC04552
 そして、迎えた最終第9ターン。ソ連軍は戦闘比1シフトを信じ、南北で総花的な攻撃を仕掛けます。うまくすれば、2ユニット以上を撃破できるはずでしたが・・・最後に来て運命の女神はドイツ軍に微笑みます。ドイツ軍歩兵1個師団を撃破したものの、3個ユニットを失う大損害。しかも、閉ざされていたクルスクへの回廊がクリアに!
T9ソ連軍の反撃DSC04553
 すかさず、ドイツ軍装甲師団が突入し、クルスクを確保。さらに包囲攻撃により3ユニットを撃破。最後は、WIKINGを先頭に3ユニットが突破し、ゲーム終了となりました。
T9ドイツ軍突破DSC04556
T9南部の激戦DSC04554
 今回は、3都市全てを占領し、工場2個を撃破、さらに突破とかなりの好感触でしたが、VPに当てはめてみると・・・
 ドイツ軍 45VP 
 ソ連軍 3VP
 よって、累計VPは42点で、ソ連軍の作戦的勝利。いやはや、厳しいバランスでした。
終了時DSC04557
生きて帰らずDSC04558

 今月のソロプレイ第4弾は、「Panzergruppe Kleist」(T誌付録)です。かの有名な「Panzergruppe Guderian」(AH)のヴァリアントで、その名の通り、クライスト装甲集団の戦闘を描きます。
T0
 シークエンスは、移動-戦闘で、その後にドイツ軍のみ機械化移動があります。戦闘結果以外に離脱できない強ZOCに、流動型の戦闘結果表と、普通に攻撃すると、ただの押し合いになりますが、そこは電撃戦を表現できる仕掛けがあります。そう、オーバーランです。
 移動途中で、+3追加移動力で実施でき、防御側が後退するとZOCを失います。オーバーランでは戦闘力が1/2になりますが、ドイツ軍の機械化師団はスタックによる同一師団効果による2倍化により、実質は額面戦力での攻撃ができます。
 展開としては、ソ連軍の薄い箇所にオーバーランを仕掛け、これを後退させてZOCを奪います。開いた穴から後続の部隊が突進し、通常攻撃で包囲殲滅。さらに、機械化移動フェイズに包囲した部隊をオーバーランで蹂躙し、突進します。敵の主戦線には歩兵また突破した機械化部隊が取り付き、強ZOCで拘束し、後退ができなくします。ちなみに、歩兵師団でもオーバーランはできるので、包囲下の敵を急いで排除したいときに重宝します。
 また、ソ連軍には司令部の指揮範囲という縛りがあり、範囲外だと全ての部隊が補給切れ(戦闘力1/2)になります。よって、突破を果たしたドイツ軍は、この司令部の除去を目論みます。これを救済するため、ソ連軍司令部の撤収というルールがありますが、包囲下で生き残っていればの話で、うまく脱出できても再登場できるのは次ターンとなるため、前線部隊が補給切れで取り残されるのは確実です。
  第1ターンですが、特別ルールによりドイツ軍の戦闘フェイズからとなります。機械化移動のための突破口を開けるべく、ドイツ軍は3カ所で攻撃に出ます。うち、1カ所は5防御力ユニットが出て4:1となりますが、ここがEngとなり、戦線に穴が開きます。
T1D戦闘
 続く、機械化移動フェイズでオーバーランにより後退したユニットを含む3個師団を撃破し、先頭部隊はLutskの戦車師団を捕捉します。
T1D機械化移動
 第2ターン、ソ連軍は大量の増援を投入し中央部を固めますが、司令部がいないため、いずれも補給切れとなります。南部では指揮範囲4の司令部が戦車に命令を与え、なんとかStyr川から中南部の森林地帯を利用した戦線を構築します。
 ドイツ軍は主力をそのまま突進させると、オーバーランで足止め部隊を後退させ、一気にStyr川を渡ります。4:1の攻撃で敵を後退させると、戦闘後前進で1個戦車師団を包囲殲滅し、他を後退させます。南では、歩兵によるオーバーランが成功し、開いた穴から部隊が浸透し、2ユニットを包囲殲滅します。
T2D
 機械化移動フェイズに、オーバーランで戦線を崩壊させると、高速部隊が回り込んで再度の蹂躙攻撃!これにより、中央戦線は完全に崩壊します。
T2DM
 第3ターン、ソ連軍は増援により、薄いながらも、中央のRownoを軸にした防衛拠点を整えます。南部では敵ZOCに拘束された戦車軍団を諦め、南部から登場の司令部を軸にL'vov円形陣地を構築します。
T3S
 ドイツ軍は、かろうじて張った敵戦線を容赦なく蹂躙します。オーバーランで穴を開けると後方に浸透し、司令部ごとRownoの守備隊を包囲攻撃します。赤軍も死に物狂いの抵抗を見せ、一撃では墜ちなかったものの、続く機械化移動でこれを占領します。
T3D
 これにより、遮る敵がいなくなった主幹道路を1個連隊が驀進し、早くも東端のKorostenを占拠します。
T3DM
 南部では円形陣地の一角を装甲師団が切り崩し、敵の後方連絡線を遮断。同時に取り残されていたSan川の防衛線を殲滅し、L'vovへの直接攻撃で1へクスを占領します。
 第4ターン、もはや組織的な防衛が破綻したソ連軍は、2個狙撃兵師団を投入して、Korostenにいる1個自動車化連隊に反撃を行います。自動車化連隊は補給切れなものの、都市の地形効果で実質の戦闘力は変わらず、戦闘比はわずか1:1に。が、ここで赤軍は意地を見せ、最善のdrで自動車連隊をステップロスさせます。
T4S 反撃!
 この危機にドイツ軍は機械化2個師団を投入し、ルートを遮断していたNovograd-Volynskiyの敵を撃破。続く、機械化移動フェイズに、反撃を指揮していた敵司令部をオーバランで殲滅し、反攻の芽を摘みます。
T4D
T4DM 司令部を殲滅
 南部では、L'vov市街地を完全に包囲しますが、イワンが必死に抵抗し(司令部が残るのみ)、なんとかこのターンの陥落は免れます。
 第5ターン、ソ連軍の頼みの特別増援は、わずかに2個師団。状況は絶望的ですが、占領を遅らせんと、Proskurov前面から側面にかけて戦線を構築します。
T5S
 このターンで決めるべく、ドイツ軍はまず、L'vovを占領。大森林と湿地により接近が遅れていたSarnyを、迂回した装甲師団と3個歩兵師団で包囲攻撃し、占領します。Korostenの敵を一掃し、中央部のShepetovkaも歩兵師団で奪取。南部のProskurovだけは、最強の8防御力ユニットが出たため、攻略できませんでしたが、それ以外は全てのVP地点を占拠します。
 残りは機械化部隊の突破で片が付くと、機械化移動フェイズに3個装甲師団と2個自動車化師団を東端に突入させ、勝利条件の100VPをします。決定的勝利にはなりませんでしたが、ドイツ軍の戦略的勝利で幕を下ろしました。
終了時
 ドイツ軍が習熟すると、今回のように史実を越える展開となるでしょう。少なくとも第5軍司令部がStyr川東岸へ退却できれば相当に粘れますが、そのためにはセットアップの要件を変更するのがいいかもしれません。
 mitsu私案:
 第5軍司令部は、第5軍または第22機械化軍団の最低1つを指揮下におけるへクスに配置する。
  もっとも、よほどアントライドが強力で、かつdrがソ連軍に有利でも、いずれはオーバーランの嵐の前に戦線が突破され、包囲殲滅となりますが・・・。

 今月のソロプレイ第3弾は、東部戦線作戦級「Bear's Claw」(シックスアングルズ)から、キエフ=ウマーニ・シナリオです。前回のスモレンスク・シナリオの南方軍集団ヴァージョンで、ドイツ軍の装甲集団は1つのみで、逆にソ連軍の機械化軍団は8個と多くなっています。ただし、狙撃兵師団はやや強力なものの数は少なく、地形はスモレンスクより平地が多くなっています。
 まず、ソ連軍の作戦方針ですが、後退防御策とします。事前のソロ演習で前面防御策を取ったのですが、第1ターンは粘れるものの、第2ターン以降にドイツ軍の歩兵軍団が投入されると戦線が崩壊し、そのまま、ソ連軍主力がごっそり包囲され、壊滅。あとは、無人の野を行くが如く、ドイツ軍の機動力の前にほとんどのVP地点が陥落しました。ならばと、後退防御作戦にしたところ、突出した機械化部隊をうまく撃退でき、この時はいい勝負になりました。
 第1ターン、ソ連軍の第1作戦フェイズですが、足止めの3個狙撃兵師団を除き、主力は計画に沿って後退させ、スラッチ河を利用した戦線を引きます。
T1S1
 続いて、ドイツ軍フェイズですが、敵の足止め部隊を撃破すると、機械化移動で反撃で包囲されないように前進します。が、貴重な1個装甲師団が回復に失敗し、包囲の危機に。
T1D1
 ソ連軍は第2作戦フェイズで、有利な地形を捨て打って出ることも考えましたが、敵の装甲師団を壊滅させることは難しく、猛烈な逆襲を受けると判断し、自重します。後方からの増援を加えて、前線の厚みを増します。
  これに対し、ドイツ軍は第2作戦フェイズで、全面攻勢に出ます。航空部隊を投入し、7カ所で攻撃を行い、少なくとも相討ちで敵の戦線を揺るがせます。機械化移動フェイズに中央に開いた突破口から南方に背面展開し、同時に南方正面でもオーバーランの嵐を実行。drにも恵まれ最南端も突破し、終わってみれば、機械化軍団3個を含む6ユニットとHQを包囲下に置きます。また、北部では湿地帯を迂回した自動車化師団の突進で、2個機械化軍団とHQを補給切れとします。
T1D2
 ソ連軍はやむなく、包囲下の2個司令部と1個狙撃兵師団を撤収させます。
 終了ステージには、有効な反撃不足からドイツ軍に2チットが与えられます。
T1終了時
 第2ターン、ソ連軍は北部で機械化軍団による反撃と南部での包囲下での抵抗を試みます。このうち、2カ所で2打撃を与え、有効な反撃に成功します。
T2S1 反撃と包囲下での抵抗
 が、ドイツ軍第1作戦フェイズに、オーバーランで南部の中央に回廊ができたことで、包囲下の敵部隊をほぼ全力で攻撃し、5ユニットを除去し、3ユニットを後退させます。
T2D1
 そこから、突進した機械化部隊が巧みにオーバーランによる包囲攻撃を繰り返し、中央部から南部の戦線を崩壊させます。
T2DM1
 ソ連軍は第2作戦フェイズで、北部の1カ所で攻撃に出て、有効な反撃を成功させますが、その他では拠点防御を取らざるを得ず。
T2S2
  ドイツ軍第2作戦フェイズで、一方的に包囲下の部隊を攻撃します。ジトミールとヴィンニツァは決死の抵抗で陥落を免れますが、重要拠点のウマーニが墜ちます。続く、機械化移動フェイズに、装甲部隊が駆け巡り、南部から中央のVP地点を一時的に占領します。
T2終了時
 最終の第3ターン、せめて一矢報いんと、ソ連軍は増援を持って、南部2都市を奪還し、中央のボクスラブに反撃をかけ、これを奪取します。
 が、後方から援軍を得たドイツ軍が、逆襲に転じます。拠点を直接攻撃することを避け、第2作戦フェイズを念頭に、周辺の部隊を排除します。同時に、後方の包囲下の3都市を確実に陥落させます。
T3D1
T3DM1
 ソ連軍の第2作戦フェイズ、これで最後と5カ所で反撃をかけ、1カ所で有効な反撃に成功します。
T3S2
 ドイツ軍の第2作戦フェイズ、部隊が揃った枢軸軍はキエフ攻略を諦め、その他の拠点の奪取に向かいます。取っておいた空軍を投入し、4カ所全ての攻撃に成功。ここで、ゲーム終了に。
T3終了時
 VP計算をしたところ、
 ソ連軍:13点(拠点5点、1個歩兵師団の壊滅1点、有効な反撃7点)
 ドイツ軍:34点(拠点29点、有効な反撃5点)
と、トリプルスコアとなりました。
VP
 少なくとも、前進防御よりはまともな展開でしょうが、ドイツ軍が習熟しオーバーランの連打が決まると、ソ連軍の主力が包囲され、今回のような展開になるのはやむなしですかね。ともあれ、スモレンスクとキエフ=ウマーニとも、ソロできたので、次のバルバロッサアイテムに行きます。

 今月のソロプレイ第2弾は、東部戦線作戦級「Bear's Claw」(シックスアングルズ)から、スモレンスク・シナリオです。マップを見ればわかるとおり、ミンスク包囲戦が終わった後の中央軍集団の突進を描いたもので、傑作作戦級アイテムの「PGG」(AH)とほぼ同テーマです。
 手順としては、ソ連軍の作戦(任意の順で移動及び攻撃)-ドイツ軍の作戦-ドイツ軍機械化移動を2回繰り返すもので、第二次世界大戦アイテムではよくあるシークエンスです。
 ユニット規模は、原則は師団ですが、ソ連軍の機械化部隊は軍団となっています。よって、ドイツ装甲師団が9-7-8(攻撃力-防御力-移動力)に対し、ソ連軍機械化軍団は最強で23-8-7(!)とべらぼうな攻撃力を誇ります。ただし、装甲師団は3ステップですが、機械化軍団は2ステップです。
 どうやって、こいつを仕留めるかというと、ドイツ軍の機械化部隊にのみ許された浸透移動とオーバーランで周辺の敵部隊を駆逐して包囲し、同一装甲集団効果と航空戦力でオッズを引き上げ、3:1以上に持って行きます。1ステップでも与えれば、戦力は半減しZOCを失い、かつ、退却により防御時に不利な2コラムシフトを受けるようになります。drに恵まれれば、一撃で撃破することも可能です。
 なお、VPはマップの占領とドイツ軍の除去ですが、例外でソ連軍の「有効な反撃」があります。これは、2打撃以上を敵に与えると、そのたびに平均値2VP の「有効な反撃」チットを獲得できます。逆に、指定回数の反撃を持たせないと、ドイツ軍に「有効な反撃」が与えられます。始めは2回の攻撃義務ですが、ドイツ軍がスモレンスクとイエルニャを占領すると、必要な攻撃回数が1つずつ増えます。
 そのほか、ソ連軍は、増援や補給で司令部の指揮範囲内であることなど、結構、細かなルールがあり。また、ソ連軍は全てアントライドで、戦力の幅が大きく、予測がしづらいです。
  何度かソロ演習しましたが、アントライドでその都度、戦闘比を確認することやドイツ軍はオーバーランを多用するので、結構、時間がかかります。全3ターンですが(実質は6ターン)、3時間程度は見ておいた方がいいでしょう。
 ちなみに、今回のソ連軍は、前進防御と積極反撃作戦にしてみます(有効な反撃チットでVPを稼ぐ作戦)。
 第1ターン、ソ連軍の第1作戦フェイズですが、計画に沿って部隊を前進させます。ヴィテブスクにいる敵の装甲師団に対し、機械化軍団等で4:1攻撃をかけ、「有効な反撃」を1回、成功させます。
T1S1 前線防御と攻撃
 続いて、ドイツ軍の第1作戦フェイズですが、まず、スモレンスク街道の狙撃兵師団にオーバーランをかけ、敵戦線に穴を開けます。そこから浸透した装甲師団が連続オーバーランで1ユニットを除去します。
 戦闘では、北から南まで6カ所で攻撃を行います。アントライドで高防御力のユニットもあり、場所によっては厳しかったのですが、drに恵まれ、3ユニットを除去し、3ユニットを退却させることに成功します。
T1D1
 ドイツ軍の第1機械化移動フェイズでは、機械化部隊が浸透し、敵戦線を乱します。
T1DM1
 これに対し、ソ連軍は第2作戦フェイズで、断固とした反撃を行います。機械化軍団4つを投入した3カ所の攻撃は、全て、成功!敵に合計2ステップロスを強います。これで、「有効な反撃」は4回の成功となり、攻撃義務を大きく超えたVPチット4枚をゲットします。
T1S2 猛反撃
 が、足を止めた反撃により、今度はドイツ軍の第2作戦フェイズで逆襲を受けます。巧みに計算されたドイツ軍の攻撃は、その多くが成功し、敵2ユニットを除去し、戦線に再び突破口が空きます。
T1D2
 そこから第2機械化移動フェイズに機械化部隊が躍進し、半数以上の敵部隊を包囲してしまいます。殲滅を恐れた司令部が撤収した結果、ソ連軍は10ユニットが補給切れとなる厳しい展開に。また、4ユニットが退却の余波で、混乱状態で残されます。
T1終了時
 第2ターン、ソ連軍は大量の増援で薄いながらも戦線を再構築すると、第1作戦フェイズで突出した敵の装甲師団に包囲攻撃をかけます。これがまたも成功し、1ステップロスを与えた上に「有効な反撃」も成功させます。
T2S1 スモレンスク方面の攻防
  これに対し、ドイツ軍は増援を加えた堅実な攻撃で、3個機械化軍団を含む、包囲下の敵部隊を殲滅します。続く、第1機械化移動フェイズで、薄い前線をオーバーランし、突破口から浸透、さらに包囲してオーバーランと連打を決め、敵戦線を崩壊させます。
T2D1
T2DM1
 ソ連軍は、第2作戦フェイズでまたも大量の増援でなんとか、戦線を引きますが、高火力部隊を失っているため、反撃は1カ所のみに。包囲下の機械化部隊に1打撃の結果でステップロスをさせるものも、「有効な反撃」には至らず。
T2S2
 ドイツ軍は、第2作戦フェイズで易々と敵戦線を切り裂くと、第2機械化移動フェイズに、大いなる前進でヤルツェヴォとプレチストエを占領します。ドニエプル河南岸では司令部を含む5個ユニットを包囲下に置きます。一方、別働隊で攻略中だったヴェルキエ・ルキエも陥落し、「有効な反撃」の不足も加えて、一気にVPが上昇します。
T2D2
T2終了時
 最終第3ターンのソ連軍の第1作戦フェイズ、撤収した部隊を併せた10ユニット以上の大量増援を受け取ると、イェリニャ-クリチェフ-スラジ間で戦線を再構築し、突出した敵の自動車化師団に反撃を実施します。これにより、1ステップロスを与え、さらに「有効な反撃」を獲得します。
T3S1
 ドイツ軍も、このターンで最後と、猛烈な反撃を開始します。オーバーランと浸透移動で敵戦線に食い込むと、航空戦力も全て投入して10カ所で猛攻を加えます。結果、スモレンスクとクリチェフを奪取し、敵を半壊させます。
T3D1
 さらに、ドイツ軍の第1機械化移動フェイズでも、相討ち上等でオーバーランを多用し、敵の6ユニットを包囲下に置きます。
T3DM1
 ソ連軍には、もはや組織的な反撃を行う部隊はほぼおらず、増援を敷き詰めて、なんとか拠点を守ろうとしますが・・・ドイツ軍は容赦なく襲いかかり、包囲下の敵部隊を殲滅。イェリニャを陥落させ、第2機械化移動フェイズでロウスラウリとウネチャを占領します。
T3D2
 終わってみれば、ソ連軍が確保できたのはスラジ、ゴメリ等の4地点のみ。拠点VPの9点に「有効な反撃」7点で、合計16点に止まります。対するドイツ軍は、拠点VPの30点に「有効な反撃」不足3点で、33点のダブルスコアに。ただし、多くの機械化部隊がステップロスし、4個師団がカンプ・グルッペになる等損害も大きかったです。それでも、全滅したユニットがなかったのが幸いでした。
終了時
 ちなみに、この後、戦線を思い切って下げ、ドニエプル河南岸の拠点を守る後方防御も行ってみました。第2ターンまではほぼ敵の機械化部隊のみの攻撃だったので、多くのソ連軍が生き残り、最後まで反撃戦力を維持でき、ドイツ軍の2個自動車化師団を屠るという展開に。ただし、最終ターンに猛烈な攻撃と損害上等のオーバーランで、イェリニャとロウスラウリが陥落。しかも反撃不足で相当の反則ペナルティを受けて、ソ連軍:24点対ドイツ軍:44点のやはりダブルスコア近くなりました。やりこむと、いずれの作戦でも、ドイツ軍有利のようです。いっそ、「有効な反撃」の反則ペナルティをなくしてもいいかも(成功した分だけ、ソ連軍にVPが入る)。
 次は、キエフ=ウマーニ・シナリオの予定です。

 今月のソロプレイは、激闘!バルバロッサシリーズの「激闘!レニングラード電撃戦」「激闘!スモレンスク電撃戦」の二連結キャンペーン(GJ)です。その名の通り、両戦線をリンクしたもので、実質、フルマップ2枚弱、ユニット数300ほどのセミ・ビッグゲームにあたります。
T0
 展開としては2作とほぼ同様ですが、序盤に北方軍集団の第4装甲集団と中央軍集団の第3装甲軍集団がアシストし合えるので、ソ連軍の前線部隊の早期壊滅が図りやすくなっています。その分、ソ連軍も第4ターンから増援を12ユニット分、受け取れ、第6ターンからはモスクワ防衛の特別増援12ユニット(!)が加わるので、戦略的な幅が広がりました。ただし、 敵の攻勢軸がどこか、先読みの難しさは変わらないため、兵力配分は相当に難しく、かなりの習熟が必要です。
 第0ターン、ドイツ軍は4つの装甲集団が奇襲攻撃をかけます。練りに練った攻撃で、集中除去-戦闘後前進-包囲攻撃をしかけ、戦車2個師団、歩兵3個師団を撃滅し、歩兵3個師団をステップロスさせます。

T0全景
T0終了時
 第1ターンがスタートしますが、いきなり、ソ連軍第8軍のチットを引きます。すかさず、マンシュタイン・チットで、キャンセルと介入をします。突破口から第4装甲集団の機械化部隊が背面展開し、多くの敵を討ち取ります。
T1 Mチット
 ここから、第18軍、さらに第4装甲集団と3連続して、ドイツ軍北方軍集団の活性化となり、先手を打ってソ連軍第8軍の司令部の除去に成功します。これにより、同軍所属のユニットは行動不可となり、前線で捕捉・撃滅されることが確実です。
 続いて、ソ連軍第3軍のチットが来ましたが、まだ、中央部の包囲環が閉じられていないため、これもグデーリアンチットで介入します。第2装甲集団の部隊が快速を生かして、ソ連軍の3個軍の後方連絡線を遮断します。
 と、幸先よく、補給チット!目論み通り、丸々、3個軍を含む24個師団相当が消耗します。
T1 補給チット
 その後、交互にドイツ軍とソ連軍チットとなりますが、敵が動く前に再び、第2装甲集団チットが来たため、こちらも脱出を指揮するソ連軍第3軍司令部を撃破してしまいます。ここまで、ソ連軍の前線3個軍司令部が壊滅し、麻痺状態に。
 最後に未活動だった第3装甲集団が連続して活性化し、ソ連軍第11軍主力を壊滅させ、先鋒はウィルナに達します。
T1終了時
 第2ターン、ドイツ軍は中央部の包囲を歩兵と一部の機械化部隊に任せると、第2及び第3装甲集団でミンスクへ向かいます。ここを守るソ連軍第23軍が活性化する前に、同軍の包囲に成功します。
T2 3Pz ミンスク強襲
 そのまま、装甲集団の2回の活性化により、包囲下の部隊を次々に消耗させたところで、終盤に補給チット!中央部のソ連軍部隊は全滅し、ミンスクポケットも第23軍司令部を除き、全滅となります。
  一方、北方軍集団では、第4装甲集団がリガを攻略し、ドヴィナ河を突破します。
T2終了時
 第3ターン、枢軸軍は前方への移動を優先し、各部隊を前線へと投入します。中央軍集団では、スモレンスク方面へ2個装甲集団が突進し、オルシャを攻略。一部はドヴィナ河を渡河して、ヴィテブスクへ圧力をかけます。
 北方軍集団では、歩兵の前進を助けるため、第4装甲集団がドヴィナ河の敵を撃破。プスコウへの道を開きます。
T3終了時
 第4ターン、集結を完了した装甲集団の突進が再開します。前ターンに渡河した2個機械化師団の迂回攻撃により、ヴィテブスクを攻略。同時に、ドニエプル河南北からの力押しで、ソ連軍第20軍を半壊状態にします。
T4 スモレンスク陥落
 ソ連軍も後方部隊を投入してどうにか戦線を構築するものの、集中投入された装甲部隊に蹴散らされ、スモレンスクも陥落します。
T4 Gチットでスモレンスクへ
 一方、北方軍集団では、予定通り、プスコウ戦線を蹂躙し、レニングラード外郭防衛線への道を開きます。
T4 マンシュタインチットでプスコウラインを突破
T4終了時
 第5ターン、ドイツ軍は集中状況を維持して、ヴィヤジマ及びロウスラウリ方面へ装甲による連打を続けます。
T5 2Pzで前進攻撃
 ソ連軍も虎の子の戦車師団を投入して、突出した自動車化師団を包囲攻撃しますが、惜しくも損害なし。
T5 16軍の反撃は効果なし
 これにより前線に敵の主力が投入されたため、反撃の再反撃で、ドイツ軍はイエルニャ周辺の敵を撃破してしまいます。ソ連軍は増援でかろうじて、薄い戦線を再構築します。
T5 そのまま、東へ
 北方軍集団では、第4装甲集団及び第18軍がルガ防衛線を迂回し、一部がルガ河を渡河します。
T5終了時
 第6ターン、ここでドイツ軍は装甲部隊を分け、第3装甲集団でヴィヤジマを、第2装甲集団でロウスラウリへの攻勢を行います。チット引きも良く、ソビエト軍の増援はグデーリアンチットでキャンセルして、怒濤の攻撃でヴィヤジマを占領します。
T6 ヴィヤジマ占領
 が、ソ連軍も決死の覚悟で、あらかたの増援及びモスクワ防衛の特別増援を投入し、第3装甲集団に反撃をかけます。第3装甲集団は、これに対応できず、一時は1個装甲師団が包囲下に取り残されます。なんとか、最後の第3装甲集団チットで内と外からの救出作戦を実行し、這々の体でヴィヤジマから撤退します。
T6 ソ連軍の反撃で包囲下に
 が、この影響は、ソ連軍の北部戦線に大きな危機を持たらします。ヴィヤジマ方面に援軍が集中した結果、レニングラード前面を強化できず、第4装甲集団のラッシュで第23軍の戦線が半壊。次のチット次第では、全滅する危機に陥ります。
T6終了時
 第7ターン、その危惧は現実に。第1チットは、第4装甲集団!さらに、マンシュタインチットによる連続攻撃で、浸透した機械化部隊と正面からの力攻により、ソ連軍2個スタックが包囲下で全滅。前面を守っていた消耗した2個戦車師団も高比率の攻撃で壊滅し、レニングラードへの道が開かれます。 
T7 4Pzで第23軍を粉砕
 一方、反撃でヴィヤジマへの道が閉ざされたドイツ軍は、快速を生かして第3装甲集団を南にシフトさせます。再び、装甲集団のツインシフトを取ると、クリチェフ方面にラッシュをかけ、ドニエプル河の支流に沿って、ゴメリへの突進を再開します。
T7 矛先を南部へ転換
T7終了時
 第8ターン、ソ連軍もキエフ方面から必死に増援を投入し、ゴメリ前面に兵力を向けます。が、防御効果の乏しい地形故、ドイツ軍機械化部隊の跳梁を許し、次々と増援ごと部隊を撃破されます。最後は、ゴメリ市への直接攻撃により、これが陥落します。
T8 ゴメリへ向けてラッシュ
T8 怒濤の2Pz
 また、北部では第16軍チットにより、レニングラード市街地2カ所と要衝シュリセリブルクを占領し、レニングラードを完全な包囲下に置きます。最後まで抵抗していたネヴァ河南側の市街地も陥落し、そこから東に突進した機械化部隊により、救出部隊も蹂躙され、ソ連軍の北部戦線は崩壊します。
T8 ソ連軍の増援部隊を殲滅
 と、ここでVP計算をしてみたところ、
 ドイツ軍:190点(都市13カ所占領+追加ボーナス30点+東端への突破30点)
 ソ連軍:63点(都市3カ所占領+追加ボーナス30点+機械化部隊壊滅3点)
と、ドイツ軍の勝利は揺るがないため、終了としました。仮に、第9ターンまで行っても、ドイツ軍のVPは変わらず、ソ連軍が反撃で数点を稼ぐのみかと思います。
VP
 今回、ソ連軍としては一度奪われたヴィヤジマを奪還するなど、善戦はできたかと思います。が、そのため、増援を中央に回しすぎたことが響いて、ゴメリはやむを得ないとしても、古都レニングラードが陥落したのが大きかったです。いやはや、兵力バランスが難しい。また、序盤で前線司令部を軒並み、除去されたことで、ソ連軍が戦線形成に苦慮したことも遠因でしょう。
終了時
 フラットなところでは、ソロで両軍の意図がわかっていてもこの状態であり、習熟するとドイツ軍有利バランスになるかと思います。よって、ある程度、ゲームになれたら、より習熟したプレイヤーがソ連軍を担当した方がいいかもしれません。

 緊急事態宣言もまん防も効果がなく、海外から相当数のアスリートを招いたオリンピックの影響もあり。終熄とはほど遠い感染拡大が続いています。市井では、運動会や体育祭、各種の交流が軒並みが中止、やれても保護者の参観もできない状況。一方で1000人の関係者はOKという、オリ開会式。極論ですが、所詮、オリンピックは「他人の間接体験」であり、貴重極まる「直接経験」が拡大防止の名の下に奪われることを、どう考えるのでしょうね。誰にとっても、人生は「今」しかないのに・・・。
  ちょっと愚痴ってしましましたが、のんびりTVで観戦する気にもなれず、ybsさんと「行政の指針」に従ったミニマムオフ会(サシの対戦)をすることにしました。
全景
 この日の緒戦は、事前に呼びかけていた激闘!バルバロッサシリーズから「激闘!キエフ電撃戦」(GJ)です。ybsさんは根っからの赤軍ファンと言うことで、キエフを選択します。他の2作と比べて唯一、ドイツ軍の介入チットがなく、かつ、ソ連軍の機械化ユニットも多く、反撃も容易なため、楽しめるかと。
 第0ターン、第1装甲集団で奇襲をかけ、いくつかの前線に穴を開け、第1ターンの地ならしをします。惜しむらくは、配置位置でAGS(南方軍集団)直属の6個機動部隊が使用できないことですが、バランス上、こうなっているのでしょう。 
T0詳細
 第1ターン、奇襲で開けた穴から第1装甲集団が突進し、2回の活性化で早くも要衝リヴォフを占拠します。また、1個装甲師団を北に派遣し、第5軍司令部を足止めします。
T1 1Pzの突進
 ソ連軍は、生き残った機械化部隊と司令部を、全力で西に脱出させます。
T1
 第2ターン、素早い後退に取り残された敵部隊をカルパチア山脈等を利用して包囲しながら、第1装甲集団の主力はタルノポリとフメリヌィーツィスキーを抜き、西方への突進を続けます。
T2
 第3ターン、第1装甲集団は一部を南下させ、前進してきたルーマニア第3軍と手をむ結び、敵の第12軍と第26軍の一部を丸ごと包囲する巨大なポケットを作り上げます。また、北では第6軍が敵をプリャピチ湿地に追い込み、こちらも包囲下に。ソ連軍は必死に連絡線の再開通を狙いますが、その前に補給判定チットとなり、前ターンからの包囲と合わせて、30個師団弱が消耗します。
T3 大包囲網
 これに勢いを得たドイツ軍は、一気にウマーニを陥れます。ソ連軍で唯一、予備となっているキエフ西方の機械化部隊集団は、すでに行動済みで対応できず。
T3
 第4ターン、始めのチットは第1装甲集団!千載一遇のチャンスに、ドイツ軍はチェルカッッシー経由でドニエプル河を渡河し、キエフ後方に回り込みます。敵より先にもう1枚の第1装甲集団チットが来れば、一気に敵の機械化部隊を補給切れにできる賭けでしたが・・・ああ、ここで第26軍とソ連軍の増援チット!
 これにより、司令部を含む6個師団相当が逆包囲に。そして、その直後に補給判定チット!一転して、6個師団相当が全滅の危機にさらされます。
 ドイツ軍は第6軍及び第17軍司令部を北部に急行させると、増援と転進で機械化の救出部隊を送り込みます。そして、最後の第1装甲集団チットで、突破口を切り開き、再び、補給線を確保します。何という、めまぐるしい展開!
T4
 第5ターン、先に動いたのは、ドイツ軍でした。集中していた歩兵軍の司令部が活性化し、キエフ回廊を確保。さらに大胆な機動で、キエフ自体も包囲します。さらに、続けて第1装甲集団が活性化し、ソ連軍第26軍を浸透攻撃で撃破してしまいます。
T5 再攻勢
 そして、ここで補給判定チット。消耗したキエフ守備隊に、再び、第1装甲集団の一部が攻撃をかけ、2へクスを占拠します。
 この時点で、キエフの陥落は決定的となり、逆転は不可能と言うことで協議終了としました。
T5
 振り返れば、第4ターンの第1装甲集団の突進はかなり危うかったかも。終了後にybsさんも言っていましたが、ソ連軍戦車による逆襲をされていたら、あるいは二重包囲をされていたら、装甲集団司令部を含む6個師団相当が壊滅していたかもしれません。チット引きと歩兵軍の司令部の活性化で逆転できたのは幸いでしたが、個人的にはかなりハラハラで面白かったです!
 いずれにしろ、3部作の中では、もっとも作戦オプションが豊富で、かつ、チットのタイミングによるランダム性もあり、まだまだ、底が見えないですね~。次回のちはら会でも持ち込むので、よろしければ、一戦、いかがでしょうか?その前に、もう1回くらい、オフ会で行けるかも・・・。

  この日の初戦は、「激闘!スモレンスク電撃戦」(GJ)です。本作と「激闘!レニングラード電撃戦」、「激闘!キエフ電撃戦」からなるバルバロッサ三部作で、合わせるとキャンペーンができるそうで。まずは、個別にプレイし、次に北部と中央部の二結キャンペーン、最後は三結キャンペーンを目指しています。陣営は、ドイツ軍(mitsu)対ソ連軍(kawa)です。
 第0ターン、ドイツ軍の奇襲は、突破口の開設と6個師団の殲滅と、ほぼ想定通りの戦果を上げます。ラッキーだったのは、ソ連軍の初期配置で機械化部隊が前面にあったため、この多くを撃破または捕捉できたことです。
T0
 第1ターン、第9軍チットから始まり、第2装甲軍チットが来たため、第4軍司令部を含む敵を殲滅しながら、ドイツ軍部隊が突進します。続けて、グデーリアン・チットの割り込みで、早くも二重の包囲網が完成します。
 ソ連軍も必死の反撃で、包囲網内側の第1騎兵師団を壊滅させますが、包囲は破れず。後半に来た補給判定チットにより、15個師団相当がステップロスします。
 これにより、ポケット掃討のめどが立ったドイツ軍は、最終の第3装甲集団チットで一気にミンスク軍管区へ。まさか、届くと思っていなかった第13軍司令部を8:1の正面攻撃で殲滅し、ここにいた7個師団の指揮系統を麻痺させます(次ターンも行動不動に)。
T1 包囲網の完成と第13軍司令部の撃破
 第2ターン、南から第2装甲集団も加わり、第二の包囲環を完成させ、第3装甲集団と連動して、ミンスクポケットを掃討します。
 そして、再び、補給判定チットにより、第一の包囲環のソ連軍ユニットは全滅します。
T2
 最後に第3装甲集団チットが来たので、殲滅を終えた装甲部隊を一路、北方へ向かわせます。
 第3ターン、第22軍、第20軍、第19軍のチットが来て、ソ連軍はヴィテブスクとオルシャを軸に防衛線を引きますが・・・これを予測していたドイツ軍はポロツクを攻撃しドヴィナ河を渡河すると、北部から快速部隊が回り込みます。同時にヴィテブスク-オルシャ間を小包囲を繰り返しながら、装甲部隊が平押しし、南からの突破に成功します。両翼からの包囲下での連続攻撃と補給切れにより、ヴィテブスク市街地守備隊を除き、第22軍は崩壊します。
T3 第22軍戦力を丸々、包囲
 第4ターン、ヴィテブスクを平定したドイツ軍は、スモレンスクへの突進を開始します。2個装甲集団の4枚のチットによる強力無比な攻撃で突破口を開け、スモレンスクを占拠。ここで、いったん、第3装甲集団の一部を北に向け、ヴェルキ・ルキエを占領します。
T4 スモレンスクへの突進
 これを見たソ連軍は、少なからずの増援をルジェフとヴィヤジマ方面に投入します。
T4
 第5ターン、北の突破は不可能ではないが守りが堅い(堅くなる)と判断したドイツ軍は、南東のロウスラウリ方面に転進します。そこに集結していたソ連第16軍を捕捉し、装甲ラッシュで半壊させます。一方、一部の部隊を南側寄りに機動させ、(実は本命の)南方突進に備えます。
T5 南東部への進路変更
 第6ターン、ロウスラウリを占領したドイツ軍は、十分に敵の増援を西に引きつけた後、一気に南下を開始します。クリチェフを占拠し、突破口から一部を大きく迂回させて、ドニエプル河沿いの敵集団に対し、三度目の包囲をします。
T6 一転して、南下開始
 第7ターン、いきなりの補給判定チットが来て、前ターンに包囲し損耗していた部隊が全滅します。もはや、遮る敵がいなくなったドイツ軍は、難なくゴメリを占領し、to Kievの突破へクスを制圧します。そのまま、鉄道沿いに敵部隊を包囲殲滅しながら、ブリヤンスクへ。
T7 ゴメリ占領後、ブリヤンスクへ
 ソ連軍の頼みの綱は増援による防衛線でしたが、肝心の増援チットが最後まで来ず。ドイツ軍は一路、西進し、ついにブリヤンスクも占領します。
T7 ブリヤンスク占領
 ルジェフとヴィヤジマを除き、7都市を占領し、南方突破へクスを抑えた時点で、勝負あり。協議の上、終了としました。VP的にも、ドイツ軍が115点で、ソ連軍が21点と圧勝でした。
T7
 今回は、初期のポケットが早期に完成し、第2ターンまでに計画通りに掃討できたこと、ミンスクの第13軍司令部(とその所属部隊)を奇襲で殲滅できたこと、結果、ドニエプル河防衛部隊が不足し、スモレンスクまで早期に各個撃破できたこと(追加VPがあり)が、勝因でしょう。逆に言えば、それが躓くとスモレンスク攻略あたりで、力尽きることも。いずれにしろ、読みとチット引き、そしてdrで大きく展開が変わる、かなりリプレイアビリティの高い作品です。
  なお、別卓では、ドイツ軍(エンジョウ)対ソ連軍(タナック)で「激闘!レニングラード電撃戦」(GJ) が行われていました。タナックさんは初参戦でしたが、激闘シリーズがしたいと、遠路はるばる来場され。
DSC00672
 これまでの経験を生かして、ソ連軍による遅滞戦術を駆使し、二度にわたってドイツ軍の後方連絡線を遮断。ドイツ軍もこれを排除するものの、タイトなスケジュールからレニングラードの占拠は不可能になり、ソ連軍の勝利でした。
 エンジョウさんも、激マンシステムは全くの初めてにもかかわらず、早くもドイツ軍の運用をマスターしたのは、さすが。3部作中でも最も難しいとされる北部のドイツ軍を担当し、ゲームを崩壊させないテクニックはベテランの技ですね~。
DSC00674
 このまま、しばらくはキエフも含めてバルバロッサシリーズを広げますので、次回以降もぜひ。また、ゆいしかせんやybsさんはじめ、千葉会・茨城会系のみなさんもいかがでしょうか?近いうちに千葉会一門掲示板に激闘シリーズ希望をアップするので、例会がなくても、自宅オフ会でもお声かけください。

 今月のソロプレイ第5弾は、激闘!バルバロッサシリーズの「激闘!レニングラード電撃戦」(GJ)です。このアイテムはシリーズ中、最もコンパクトにできており、フルマップの実質3/4の広さとユニット数120個ほどで、入門用によいと紹介されています。ただし、ユニット数が少ないので、一手(またはチット巡)の重みは増しており、枢軸軍の勝利のためには十分な練度が必要です。
 展開としては、事前攻撃で穴を開けたソ連軍戦線から、ドイツ軍の機械化部隊が突破するのは、他のシリーズと一緒です。が、広いマップに、各地に散らばるソ連軍、1個しかない装甲集団と、包囲による損耗戦術はかなり取りにくくなっています。第4装甲集団をバラして歩兵軍の支援に回せれば、包囲は可能ですが、タイムスケジュールは他よりタイトで、グズグズしているとあっという間に、レニングラード要塞となってしまいます。よって、原則は左翼を第18軍が、右翼を第4装甲集団と16軍が突き進み、小規模な包囲による力攻を繰り返すことになります。ソ連軍は、適当に足止めをしながら、レニングラード近郊に兵力を集結し、スタック防御を行うことになります。
 第0ターン、ソ連軍は第4装甲軍集団の奇襲を受けますが、包囲下の4:1攻撃で1ユニットがステップロスしたのみ。それ以外は無傷で退却となり、ドイツ軍にとってほぼ最悪の結果となります。
T0
T0終了時
 第1ターンがスタートしますが、ツキのなさは続きいきなりの補給チットで、ドイツ軍としては、キャンセルせざるを得ず。マンシュタイン・チットの割り込みで、第4装甲集団を活性化させ、逃げた敵部隊を包囲殲滅しますが、前進ははかどらず。
T1 4PzG
 が、続けて第4装甲集団チットが来たので、結果的にダブルムーブとなり、中央の街とカウナスを占領し、司令部を含む6個師団相当の補給路を断ちます。その後、第16軍チットで第11軍司令部を包囲したところで、タイミングよく、補給チット。包囲下の全部隊が損耗及び壊滅します。
T1 2回目の4PzG
 ソ連軍は、やっときた第8軍チットで、司令部と機械化1個師団を撤退させます。
T1終了時
 第2ターン、ドイツ軍は主力の第4装甲集団を一時、北方に向け、リガを強襲し、ここを占領します。また、一部をドビナ河中央に派遣し、ヤコブピルスを占領します。これにより、進路が開けた第18軍が躍進します。
T2 3PzG
 ソ連軍は貴重な司令部を撤退させ、プスコウを軸に足止めの戦線を引きます。 
T2終了時
 第3ターン、出遅れのドイツ軍は躍起になって戦略移動で前進しますが、プスコウ戦線に辿り着いたところで、このターンを終えます。
T3
 第4ターン、一撃でプスコウ戦線を殲滅した第4装甲集団は、そのまま、騎虎の勢いでルガ防衛戦に強襲をかけます。この2:1攻撃が成功し、装甲部隊がルガラインを越えます。
T4 ルガ河防衛戦
 また、ノブゴロド前線で足止めしていたソ連軍部隊が、不注意からドイツ軍に捕捉され壊滅。結果、ドイツ軍の増援投入で一気にチュドボウ、ノブゴロド、スタラヤ・ルッサが陥落します。さらに、タルゥに向かった第18軍がこれを占領します。遅れていた分を一気に取り戻す、前進ぶりです。 
T4
 第5ターン、補給切れで消耗したルガ防衛隊を包囲殲滅すると、ドイツ軍は一路、レニングラードに向けて北上を開始します。ここでも第4装甲集団のダブルムーブを行い、第23軍司令部ごと3ユニットを除去します。
T5 ルガライン蹂躙
 が、前半にチットを使い切ったところを、ソ連軍が増援による反撃をかけ、鉄道輸送で到着していた最前線の敵歩兵師団を、後退により損耗させます。 
T5 ソ連軍の逆襲
T5
 第6ターン、いよいよ、レニングラードへの直接アプローチへ。ドイツ軍は装甲兵力を集結すると、同市街への閂の役割であるプスキンを強襲しますが、3:1攻撃にもかかわらず、失敗。
T6 コルピノ攻撃
 ならばと、浸透して、河川越しの司令部を狙う3:1攻撃の渡河攻撃をかけますが、こちらもソ連軍が頑強な抵抗で譲らず。
 逆に6個師団の増援を得たソ連軍が、ヴォルコフとチュドボウの中間で反撃に転じますが、こちらはドイツ軍が死守します。
T6 側面攻撃へ
T6
 第7ターン、先に動いたのはソ連軍でした。早々に増援を得ると、再び、レニングラード前面で攻勢に出て、戦線を押し戻します。このまま、直接アプローチしても効果は少ないと判断したドイツ軍は、側面の攻撃に転じます。ヴォルコフ-チュドボウ間の戦車師団を含む敵を浸透による包囲攻撃で、撃破。
T7 チュドヴォ攻略
 そこからの突進で、敵を撃滅しながら、再び、ネヴァ河の戦線に辿り着きます。
T7 再び、北進
 第8ターン、前線に第18軍司令部も到着し、ドイツ軍は装甲集団と併せての連打が可能になります。すると、目論み通り、先制チットは第18軍!コルピノへ集中した6:1攻撃をかけ、ついにここを占領します。
T8 コルピノ襲撃
 その後、側面方向のソ連軍が活性化しますが、部隊が足りず、動きなし。が、続いて、レニングラードを固める第27軍チットが来たため、マンシュタイン・チットで割り込みをします。第4装甲集団の総力を挙げた攻撃で、ついにネヴァ河の渡河に成功し、ヴォルコフ方面の敵主力の包囲に成功します。
T8 マンシュタインチットで連続攻撃
 が、ソ連軍も死力を尽くして抵抗し、戦闘後前進で突出していた自動車化師団に反撃をかけます。1.5:1攻撃ながら、見事、Rを出して、ZOC後退時の追加損害で、この師団を撃破します(ドイツ軍はじめての壊滅)。
 ドイツ軍はさらに第18軍と第4装甲集団の連続攻撃を行い、これらの部隊を殲滅すると、要衝シュリセリブルクを占領し、レニングラードを完全包囲下に置きます。
T8 シュリセリブルク陥落
 いよいよ、最終の第9ターンへ。ここでもソ連軍が先手を取り、チュドボウ方面に増援を集結し、3個司令部による連打をかけます。戦車による浸透攻撃でZOCの通過損害で歩兵がステップロスしますが、レニングラード方面から増援を回して、壊滅は免れます。
 勝敗は、レニングラードの市街地を1つでも奪い取れるかどうかに。まずは、第4装甲集団チットで#3702へ強襲をかけますが、3:1がやっとで1ステップロスのみ。と、ここで、マンシュタイン・チットで連続攻撃。#3702への強襲と補給源の#3601への直接攻撃へ。1/2の確率で補給源占領がありえましたが・・・ああ、無情にもdrは効果なし。#3702への強襲も、またも1ステップロスに止まります。
T9 マンシュタインチットで補給源を狙うも・・・
 第18軍によるもう一撃があれば、という状況でしたが・・・ここで、運命のソ連軍第27軍チット。消耗した前線部隊を入れ替えて、防御力を均等化したために、もはや、レニングラードが墜ちる見込みはなくなり、ゲーム終了となりました。
T9 やむなく、前面攻撃に
T9 終了時
 VP計算をしたところ、
 ドイツ軍…40点(都市4カ所占領の各10点)
 ソ連軍 …48点(レニングラードの保持45VP+ドイツ軍自動車化師団の壊滅3点)
で、ソ連軍の勝利となりました。ちなみに、レニングラードの補給源が占領できていたら、逆転できていました。
 いやー、掲載号のリプレイ通り、まさにドイツ軍のタイトロープですが、楽しかった!ギリギリしかない部隊数とチット回しで、レニングラードの一角をいかに奪うか、知恵と運が試されます。ソ連軍も、引き際と足止めのバランスが極めて肝心で、かつdrに恵まれないと、敗北の可能性が十分にあります。慣れれば、3-4時間でプレイできるので、これを連戦してスキルアップを図るにはいいでしょうね。

 今月のソロプレイ第四弾は、80周年記念のバルバロッサ作戦を描く「激闘!スモレンスク電撃戦」(GJ)です。フルマップ1枚、ユニット数250個と普通の作戦級ですが、司令部活性化のチットドリブンです。
 基本システムは、傑作「激闘!マンシュタイン軍集団」(GJ)と同様で、司令部ユニットから4へクス以内の全ユニットが活性化します。同システムの特徴で、司令部の集中による劇的な突破戦闘が、シンプルなルールで描かれます。
 ゲームの展開としては、事前攻撃で穴を開けたソ連軍戦線から、ドイツ軍の機械化部隊が突破。包囲下で補給切れにできれば、前線のソ連軍3個軍は2ターンで消滅します。ソ連軍はこれを防ごうと、機械化部隊や司令部まで投入して、後方突破(補給線の確保)を狙います。いずれ、3個軍は壊滅するでしょうが、どこまで時間稼ぎをできるかが、その後の戦況を大きく左右します。以後は、ミンスク、ビテブスク、スモレンスクと戦場が東に移り、ソ連軍の増援とチット次第で、ドイツ軍が東方または南方への突破か、ソ連軍が踏みとどまるかという展開となります。
 第0ターン、奇襲を受けたソ連軍に、第2及び第3装甲軍集団の部隊が攻撃(のみ)を行います。第3装甲軍集団はdrに恵まれ、唯一の3:1攻撃を除き、敵の除去に成功します。南部の第2装甲軍集団では、包囲下の4:1攻撃がまさかの効果なしになりますが、それ以外は戦闘後前による包囲による攻撃で、やはり2ユニットを除去します。
T0 攻撃
T0
  そして、いよいよ、第1ターンがスタートします。始めのチットはソ連軍第3軍でしたが、このまま、退却をさせるわけにはいかないので、グデーリアン・チットでキャンセルし、ドイツ軍の第2装甲集団を活性化します。事前に開いた突破口から機械化部隊が浸透し、ソ連軍第4軍を蹂躙します。同時に、一部の部隊を北上させ、ソ連軍の後方遮断を狙います。第2か第3装甲集団のチットが来れば、包囲網が完成するところでしたが・・・残念ながら、ここで補給判定となり、ソ連軍は消耗せず。
 その後、第9軍、第3装甲集団と続き、包囲網を完成しますが、一歩遅く。ドイツ軍は通常攻撃で敵を撃退し、ブレストとウィルナを占領します。
 ソ連軍も3軍のチットが来て、東方への脱出を試みますが、ZOCに阻まれ、連絡線はつながりません。
T1
 第2ターン、ソ連軍は第4軍チットの代わりに、Reserveを入れ、連絡線の確保を試みます。すると、立てて続けにReserveと2個軍のチットが来て、目論み通り、東方へ連絡線接続に成功します。が、次が第3装甲集団チットとなり、再び、包囲下に。同時に主力は突進して、ミンスクの第13軍を攻撃します。
T2 3Pz、ミンスクへ
 包囲網が形成されているうちに、ドイツ軍としては補給チット(補給切れ判定)が欲しかったのですが、これがなかなか来ず。やむなく、通常攻撃で敵を除去していきます。
 結局、補給チットは一番最後となり、ここで包囲下のソ連軍が消耗します。ドイツ軍はミンスクを占領し、ソ連軍はドニエプル河の防衛線形成に向けて、部隊を集結します。
T2
 第3ターン、ドイツ軍は第3装甲集団を突進させ、ドビナ河畔のボロツクを電撃占領します。その後、ソ連軍のチットが続き、連絡線の再設定まであと一歩まで行きますが、ここで補給判定!包囲下のソ連軍は、ついに全滅します。
T3 補給通じず
 これで、ドイツ軍による東への突進が可能に。第4軍に代わって選択しておいたOKHチットを使って行動済みのHQを前進させ、そのHQを使って部隊を活性化する作戦で、効率よく部隊運用を行います。北方では湿地帯への攻撃でビテブスクへ圧力をかけます。結果、後方に残った第4軍の歩兵を除き、ほとんどの部隊がドニエプル河畔へ辿り着きます。ソ連軍も薄いながらも戦線を形成し、後方から中央部と南部に増援が向かいつつあります。
T3 ポロツク強襲
T3
 第4ターン、装甲集団ばかりか歩兵司令部も前線に到着しているため、ドイツ軍の怒濤の連打が起こります。第9軍に始まり、敵のチットをキャンセルして第2装甲集団、OKH、さらに第3装甲集団と、4連続のドイツ軍チットの北部攻勢により、ヴェルキ・ルキエとビテブスクが陥落します。
T4 ヴィテブスク陥落
T4 北部での攻勢
 ソ連軍もなんとか増援を送り込んで戦線を維持しようとしますが、中央部でも連打により突破が発生します。そこから浸透した機械化部隊により包囲された第19軍の一部と第20軍が壊滅し、スモレンスクが南北から包囲されます。
T4 怒濤の連打
 第5ターン、ここでドイツ軍は真東への突進を第3装甲集団に委ね、2回の攻撃でスモレンスクを奪取し、司令部を失った第19軍を圧迫します。その南部を第2装甲集団が併走し、投入された増援ごと、次々と敵を撃破していきます。
T5 スモレンスク強襲
T5 そのまま、モスクワ正面軍を圧迫
 ソ連軍はやむなく、南に展開していた第16軍の一部を転用しますが、連携の取れたドイツ軍の前に被害を増やすだけとなります。
 第5ターンが終了した時点で、ヴィヤジマ周辺のソ連軍の数個師団を除き、ほぼ中央部は一掃され、ドイツ軍の東方への突破は確定的になります。 
T5
 第6ターン、ソ連軍の増援チットが来たものの、グデーリアン・チットであえなくキャンセルされ、ヴィヤジマ・ポケットが壊滅し、東端の補給源が占拠されます。これにより、ソ連軍の特別増援を含む全増援が投入不可に。
T6 ヴィヤジマ攻略と東端への到達
 勢いに乗るドイツ軍は、第3装甲集団でルジェフを攻略し、第2装甲軍でブリヤンスクに迫ります。また、部隊を引き抜かれた盤部の戦線に対し、第2軍が攻撃をかけ、クリチェフ南方で突破口を開きます。
 ここで、第6ターンが終了し、ドイツ軍はこの時点で115点を獲得します。今後、特別増援を投入しても、押し返すことは不可能ということで、終了としました。
T6
  まさに傑作「激闘マン」システムの真骨頂で、ドイツ軍の電撃戦が見事に再現できます。ただし、OKHチットを使うと、要となるHQの活性化があまりに効率よくなり、今回のように史実を越える戦果となりがちです。よって、もりつちさんがブログで提案されていたように、選択ルールのOKHチットでは「部隊のみ活性化でき、司令部はできない」と制限するといいかも。
 ちなみに、事前のソロ演習で、OKHチットを使用しなかったところ、見事にドニエプル河戦線で敵の侵攻を停止し、3個司令部を投入した反撃で装甲2個を含む5個師団を除去するという展開も(もっとも調子に乗って中央ばかりを厚くしたところ、北部に2個装甲集団HQを投入したドイツ軍の集中攻撃で、リャザン経由でヴィヤジマと東方へクスが占領されました)。
 ソ連軍も隙を作れず、敵の意図を読み、的確な兵力を投入する(一度と投入したら、転用はほぼ効かない)作戦眼が必要です。そういった意味では、様々な展開があり、システムの自由度が生きていると感じます。6ターンシナリオで4時間、9ターンなら6時間コースですが、久々に楽しくやり応えのあるバルバロッサ作戦です。

 今月のソロプレイ第三弾は、「中央軍集団東へ」(GJ)です。商業誌となったGJ誌の第7号付録となった作品で、バロバロッサ作戦初期の中央軍集団の戦いを描きます。先達には「独ソ電撃戦」(エポック/CMJ)がありますが、このアイテムはスモレンスクまでを含んでおり、作者曰く「独ソ電撃戦+PGG」となるそうです。
 今や、スタンダードになったチットドリブンを使用し、両軍の差を描きます。ドイツ軍は1ターンに4回の移動または戦闘を実施でき(うち、機械化移動または戦闘が1回)、かなりの柔軟性を持ちます。対するソ連軍は、軍ごとのチットで移動-戦闘で、史実でもそうだった連携不足が、基本システムで表現されています。
 それ以上に強烈なのが、ソ連軍のドクトリンです。史実での不器用さを表すために、初期のソ連軍は、数多くの制限が付いています。作戦の強要(指揮チェック表でランダムに決定)、スタック、共同攻撃、後退の禁止、複数軍の隣接禁止、移動後攻撃の制限、ZOC離脱のペナルティ(移動力1/2)と、いわゆる陰謀ルールでがんじがらめになっています。
 よって、序盤の展開としては、高い柔軟性で突破-包囲を繰り替えすドイツ軍に対し、無謀な反撃で自滅していくソ連軍が、見事に再現されます。
 面白いのは、このドクトリンがターンを追うごとに(ランダムチットで)解除されていく点です。何が来るかは、神のみぞ知るですが、あれほど無様だった赤軍が、中盤にかけて拠点防御ができるようになり、終盤には数を生かした反撃が可能になります。
 ソ連軍には増援を引かないことで、任意の戦術チットを選択できるルールもあり、増援が先か、ドクトリンが先か、いい意味で悩むことになります。ソ連軍の増援は12個軍も有り、3-5個歩兵師団の貧弱な軍から、戦車・機械化師団6個を含む22個師団の増援まで、これまたランダムで登場し、ゲーム展開を極めて多彩にしています。
 オリジナルではゲームバランス的にソ連軍がかなり有利だったとのことで、その後、バランス調整ルールが発表されました。今回は、そのうちのドクトリンの選択制限のみ、使用しています。
 第1ターン、ゲームはドイツ軍の奇襲セグメントから開始となります。都市以外ではスタックできないソ連軍に、戦闘比とその後の展開を考えて、効率のよい攻撃を仕掛けます。攻撃側に損害の出ない8:1+1以上の攻撃を4カ所、「1」以外なら撃破となる7:1を2カ所、それ以下を3カ所、行います。結果、最も比率の低かった5:1でD1となった以外は、全て敵の撃破に成功します。
T1 奇襲フェイズ
 その後、通常のシークエンスに戻りますが、ドイツ軍行動が続き、機械化戦闘を含め、三度の攻撃を仕掛けます。Brest-Litovsk要塞への3:1のみ失敗(C)したものの、それ以外ではEXを含め、何らかの損害を与え、のべで15個師団を撃破します。
T1  ①AGC戦闘
 ソ連軍チットも引かれましたが、指揮チェック修整-1により、第3軍と第10軍が無謀な反撃を強要されます。結果、さらに5個師団が壊滅し、1個師団がステップロスとなります。
T1 ⑧3A自殺攻撃
 第1ターンが終わった時点で、ソ連軍前線はわずか5個師団を残すのみとなります。
T1終了時
 第2ターン、ソ連軍のドクトリンチットで「スタック」が来ますが、先の制限に従って引き直しとなり「戦略移動」に。
 行動チットはまたもドイツ軍が先制し、効率的な移動と連続攻撃により、ソ連軍の残存部隊と都市守備隊へ攻撃の矛先を向けます。第1戦闘こそ、やや接敵が少なく、低比率戦闘で若干の損害が出ましたが、連続攻撃により、3手番目までにBialystokとGrodnoを占領し、Brest-Litovsk要塞にも2ヒットを与えます。
T2 ③AGC連続戦闘
 ソ連軍は、小規模増援の第30軍をスモレンスクへ東進させた以外は、防御に徹します。
T2終了時
 第2ターン終了時には、ドイツ軍は快速の第2装甲集団でBaronovichiを包囲し、第3装甲集団はやや遅れて、ミンスクへ。
 第3ターン、またもソ連軍の増援は小規模の第28軍で、ドクトリンチットも指揮チェック修整+1と低迷します。
 速度は力とばかりに、ドイツ軍は一旦は包囲したBaronovichiを後にし、行動の全てで移動を選択します。特別ルールによりこのターンまで補給切れがないことから、第3ターンが終わった時点でMinskを装甲集団が、Baronovichiを歩兵部隊が包囲し、次ターン攻略の準備を終えます。
T3
 第4ターン、前ターンと一転し、ドイツ軍は満を持して連続攻撃をかけます。攻撃ユニット数が6を越えたため、2回のdrが可能となり、BaronovichiとMinskが陥落。Brest-Litovsk要塞も後1ステップを残すのみになります。
T4 ⑥AGC 都市攻略
 効率のよい攻撃で、補給路を確保したドイツ軍は、快速の装甲部隊を突進させ、ベレジナ川を守備していた1個機械化師団を包囲し、渡河に成功します。
T4 ⑧AGCベレジナ川渡河
 ソ連軍は、第13軍の一部撤収に成功し、Vitebsk-Orsha-Mogilevの拠点にスタック配置できたものの、増援は全て小規模軍のみで、Smolnesk-Roslavlの守備は極めて脆弱なままです。
T4終了時
 第5ターン、装甲部隊と後続の歩兵部隊の間に大きな間隙ができたため、ドイツ軍は移動を優先して、前線への送り込みを急ぎます。装甲集団は快速と独自行動を生かして、早くもOrshaに取り付き、ここを機械化戦闘で奪取します。そのまま、唯一の中央戦線である第30軍を捕捉し、Smolneskへの道をこじ開けます。一方、南北端のVilnaとSlutskには歩兵の別働隊が追いつき、攻略に着手します。また、粘りに粘った後方のBrest-Litovsk要塞がついに陥落します。
T5 ⑥オルシャ陥落
 ソ連軍は、撃破された第30軍の代わりに、わずか3個師団の第20軍で、急遽、Orsha-Smolneskの中間に戦線を張ります。その背後には、第16軍の大量11個師団が展開するものの、「スタック」ドクトリンがないため、はなはだ心許ない状況です。
T5終了時
 第6ターン、ソ連軍の増援は大規模の第24軍となりますが、いまだ、「スタック」ドクトリンは来ず。
 ドイツ軍は移動-戦闘のオーソドックスな手順で兵力を集中し、Slutskを歩兵で攻め落とします。主力の装甲集団は第20軍を鎧袖一触で吹き飛ばし、そのまま、突進。先駆隊は戦線を張りながら、Smolneskまで2へクスに迫ります。
T6 ③AGC攻撃
 第7ターン、ソ連軍は背に腹は換えられず、増援を諦めて、待望の「スタック」チットを任意選択します。
 こうなると、さすがのドイツ装甲集団も単独でのSmolnesk攻略は荷が重いため、一旦、進撃を停止します。移動行動を優先させ、歩兵を追従させて、補給路の確保と周辺都市の攻略に振り向けます。これにより、北のVilnaと南のBobruyskが陥落。ドニエプル川沿いに補給路の遮断に来た敵歩兵師団を迂回包囲し、兵力の終結を待ちます。
T7 ⑦AGC攻撃
T7終了時
 第8ターン、ソ連軍はまたも任意選択で「スタック」チットを獲得し、3スタックによる防御を展開できるようにします。
 前線への兵力が集結し始めたところで、ドイツ軍は攻勢を再開します。防備の厚いSmolnesk正面攻撃を避け、北寄りの歩兵師団スタックに装甲2個スタックをぶつけ、7:1で2drの猛攻でこれを撃破します。同時に、補給路を遮断する歩兵師団を高速機動で包囲し、1個スタックを撃滅します。
 南方では2個戦車師団が籠もるMogilevを、比率は低いものの歩兵による飽和攻撃(1:1の2dr)で攻撃し、1個師団を撃破。さらに南の渡河点で、第28軍の1個師団を撃破し、渡河に成功します。
T8 ④AGC攻撃
 ドクトリンチットの任意選択で増援が来ないソ連軍は、やむなく戦線をさげます。
T8終了時
 大きな転機が、第9ターンに起こりました。Smolnesk側面を攻撃していたドイツ軍は、敵の除去により、一時的に突破口を開くことに成功します。そこから、第14自動車師団がSmolnesk-Roslavl間にするりと抜け出します。運悪く行動チットを使い果たしていたソ連軍は、これに対応できず。機械化移動を含む2度の移動が連続して決まり、なんと南部の突破へクスへ突入してしまいます。これにより、ソ連軍の南部への兵力展開が著しく困難になります。
T9 ⑧AGC 14自動車化師団が突破 
 同時に兵力の充実により、Smolnesk正面攻撃を再開し、多くの敵部隊の除去に成功します。
T9終了時
 この危機にソ連軍は次々と大量増援を送り込んで、Smolneskの防衛を試みます。第10ターンに第19軍を、第11ターンに第21軍と、各10個師団を越える部隊でハイスタックを作り、Smolnesk全面に投入し続けます。さすがに3枚スタックとなると、ドイツ軍もこれまでのような高比率の攻撃はできなくなりますが、それでも高火力の装甲スタックで力押しにじりじりと前進を続けます。
T11 ②AGC 絶え間なき攻撃
 そして、本当の危機は南部で・・・。突破により、この方面へ直接増援を送れないソ連軍に対し、ドイツ軍は1個装甲軍団強の快速部隊と歩兵師団群を投入し、各個撃破に移ります。決して十分とは言えない兵力でしたが、ドイツ軍の作戦の柔軟性が勝り、そこここでの小包囲とRoslavlの占領に成功します。
T12 ⑪AGC 比率は上がらずも攻撃
 それでもあきらめないソ連軍は、次々と現れる増援にドニエプル川を強行渡河させ、一時的に数の優位でRoslavlの間接包囲に成功します。
 Smolnesk正面での猛烈な消耗戦とRoslavl周辺の補給路を巡る壮絶な戦闘が繰り広げられましたが・・・最後に笑ったのは、打撃力と高火力に勝るドイツ軍でした。
T12終了時
 最終の第13ターンに、2度に及ぶ大規模攻撃で、ついにSmolneskが陥落します。そして、南部での逆襲により、Roslavlの安全を確保し、突破へクスまでの補給路の開削に成功しました。
T13 ③AGCの攻撃
終了時
 ここで、ゲームエンド。VP計算をしたところ・・・
 13都市の占領…+13VP
 南部への突破…+2VP
合計15VPとなり、ドイツ軍の勝利となりました。
 いやー、面白かった。知人の印象ではソ連軍圧勝と聞いていましたが、追加選択ルール「ドクトリンの制限」を入れるだけで、極めて白熱した戦いになりました。第9ターンの極端なチット廻りで突破ができ、結果的にはドイツ軍の圧勝でしたが、あれがなければ、おそらくRoslavlの確保(補給線の維持)は厳しかったと思います。となると、あとはドイツ軍の損害によっては、逆転もありえたかと(ドイツ軍は2個歩兵師団が壊滅しており、あと1個の壊滅で-1VPでした)。
 14年前のGJ誌で絶版になって久しいですが、3時間程度で終わるバルバロッサ緒戦の作戦級として、十分に評価できると思います。もし、対戦希望がありましたら、早めに言っていただければ、ちはら会で受けますよ~。

 今月のソロプレイ第二弾は、「MINSK1941」(GJ)です。何度か、触れていますが、今年はバルバロッサ作戦80周年ということで、こちらを多めにプレイしたいと思っています。
 「MINSK1941」(GJ)は、天津老師デザインのシンプルなアイテムです。クォーターマップで、基本システムは移動-戦闘のみ。特徴は、ドイツ装甲軍団のみ、最大3へクスの戦闘後前進ができる点とソ連軍の狙撃兵軍団がアントライドであることくらい。
T0
 若干、変わっているのが戦闘システムで、解決は1ユニット同士で行い、戦力分のdrをして、1が出ればヒット。同数で引き分け、1差で退却、2差以上で壊滅です。ドイツ軍の装甲軍団と自動車化軍団が6戦力で、ソ連軍は0から4戦力までの狙撃兵軍団と1戦力の戦車軍です。よって、平均的なdrでは、正面攻撃での壊滅は難しく、うまく戦闘後前進を利用して、包囲することが基本になります。
 第1ターン、ドイツ軍は北から南まで8カ所で攻撃をかけます。が、drが整わず、逆にソ連軍の奮闘もあって、このターンに除去できた敵はわずかに1ユニットのみ。しかも、4カ所で膠着と、かなり厳しいスタートになります。
T1 バルバロッサ開始
 ソ連軍は逃げ切れない狙撃兵を犠牲部隊として、全体を後退させます。
T1終了時
 第2ターン、ドイツ軍は逃げる敵を捕捉し、5カ所で攻撃をかけます。1カ所でDEが出たので、3へクスの戦闘後前進を生かして敵を包囲し、もとから包囲可能だった場所と合わせて、3つの戦闘で敵を殲滅します。が、南の1戦力の狙撃兵軍団への3個装甲軍団・自動車化軍団の攻撃は、ソ連軍の奮闘で膠着に。
T2D 1戦力の狙撃兵軍団が奇跡の防衛
 ソ連軍は前線から撤退と後方から駆けつけた戦車軍団をスタックさせ、可能な限り厚い防衛線を引きます。
T2
 第3ターン、敵の前線が強化されたため、突破しにくくなりましたが、ここが勝負とドイツ軍は装甲軍団で強襲をかけます。幸いにして、北部中央部で3戦力+戦車1戦力の強敵をDEに!ここから浸透した装甲軍団が、敵の1個スタックを包囲します。
T3D
 北部での前進防御か、後のことを考えた撤退か。ソ連軍は悩んだあげく、北部戦線を後退させます。
T3D終了時 突破成功!
 第4ターン、ドイツ軍は包囲下の敵スタックを撃破する一方で、機動力を生かして、北部を疾走します。戦線が拡大し部隊が足らなくなったソ連軍は、やむなく、ミンスク近郊に撤収します。
T4
 第5ターン、最終目標の突破へクス及びミンスクに向けて、ドイツ軍は全域で攻撃をかけます。うち、最北の狙撃兵軍団が0戦力!すかさず、戦闘後前進で、突破へクスに隣接します。また、これにより前線の1個スタックが包囲され、執拗な攻撃により、全滅します。
T5D
 もはや後がないソ連軍は、南部から部隊を回そうとしますが、移動力が足らず、ミンスクと突破へクスに1部隊ずつを置くのがやっと。
T5
 第6ターン、ソ連軍の最終防衛線に対し、9つの装甲・自動車化軍団が襲いかかります。最も脂の乗ったドイツ軍の電撃戦の前に、突破へクス、ついでミンスクが陥落します。また、南部では正面攻撃で1個スタックが崩壊します。
T6D
 それでも、諦めないソ連軍は、圧倒的不利を承知で最後の反撃を試みます。奪われた突破へクスとミンスクに、半分以下の戦力で突撃を実施しましたが・・・結果は、ドイツ軍の装甲戦術の前に、逆襲を受け、全滅。史実より1ターン早い、終了でした。
T6S 反撃も実らず
終了時
 後知恵ですが、ソ連軍は第3ターンで前進防御をする手もあったかも。ただ、次ターンに突破が決まると、多くの部隊が消滅しかねず、難しいところです。
 流れだけ見ると、ドイツ軍の圧勝でしたが、以前のプレイではdrが平均となり、ソ連軍の戦線を破れなかったこともあります。慣れれば、1時間程度なので再戦もできるので、ノービスではじめて独ソ戦をする人やベテランが時間調整にプレイするにはいいかも。

 今月のソロプレイ第一弾は、80周年記念の独ソ戦から「独ソ戦カードゲーム」(Bonsai Games)です。ベストセラーとなった大木毅氏の「独ソ戦」にインスパイされたもので、気鋭のデザイナー中黒氏がデザインし、無料配布されています。
T1スタート
 システムはシンプルで、お互いに戦力カードを出し合い、勝つと1マス前進できます。見込みがないと戦力を投入しないと2マスの前進を許します。首都圏での防御で敗北すると、余分に1枚をパイルさせられます。攻撃しなければ、1枚のカード補充ができ、首都圏の防御だと2枚を引けます。
 イベントとして「収奪戦争」カードがあり、2枚引いたところでターンがサドンデスで終了です。この時、手札に戦力カードがなければサドンデス負けです。最終ターンにミンスクを境にどちらよりかで、通常の勝利判定となります。
 また、ソ連軍だけが使用できる殲滅戦争カードがあり、年を追うごとに戦力値とカードが増えていきます。
 第1ターン(1941年)、そこそこ優秀な戦力を手に入れたドイツ軍は、軍事境界線から攻撃に出ます。ソ連軍は、まともな戦力がないのでこれをスルー。ドイツ軍の先鋒はスモレンスクに到達します。
T1スモレンスクへ ソ連軍抵抗せず
 そのまま、連続攻撃を仕掛け、ソ連軍も抵抗するもモスクワへ。第1次モスクワ戦はドイツ軍が優勢に。ソ連軍はかろうじて、予備兵力1枚を残し、凌ぎます。
T1モスクワ戦
 第2ターン(1942年)、モスクワ前面で激しい戦闘になります。ドイツ軍が攻撃して、首都一歩手前まで行きますが、ソ連軍は予備を投入して耐えます。その後は、両軍とも部隊の補充に努め、膠着に。
T2第二次モスクワ戦
T2膠着
 第3ターン(1943年)、カード枚数で上回ったソ連軍は反攻に出ます。殲滅戦争4を投入しますが、ドイツ軍も6戦力を使ってこれを撃退。ソ連軍に余分に1枚を捨てされます。 
T3 ドイツ軍が切り札の装甲軍団投入
 が、これも織り込み済みだったソ連軍は、今度は本命の5戦力で連続攻撃に。さすがに耐えかねたドイツ軍は初の後退となります。
T3ソ連軍の反攻
 ドイツ軍はここで虎の子の装甲軍団7戦力を投入します。ソ連軍もカードを廻すために抵抗しますが、当然、敗北を決し、戦線はまたもモスクワへ。
T3第三次モスクワ戦
 第4ターン(1944年)、ソ連軍はまたも反攻に出ますが、ドイツ軍は装甲軍団7戦力でこれを撃退します。と、ここで連続して収奪戦争が出て、ターン終了。
T4ソ連軍反攻も機動防御で敗退
 第5ターン(1945年)、このままだと敗北となるソ連軍は、必死に反撃を試みますが、ドイツ軍も高戦力カードを投入して、猛烈に抵抗します。
T5ソ連軍なおも反撃するも・・・
 一時はスモレンスクまで押し返すものの、6戦力を投入したドイツ軍の攻撃にまたも敗退。
T5逆襲成功
 結局、モスクワ前面で戦線が膠着し、規定により、ドイツ軍の勝利となりました。
T5再び押し返される
 数戦、ソロをしましたが、普通に戦うとドイツ軍の方が優位なよう。それでも、カード周りによっては、ドイツ軍のカードがなくなり敗北したこともあります。42年以降は、各ターン1回程度、ソ連軍の反攻で2枚のカードを認めるなどすると、もう少し、バランスは取れそうです。
 ともあれ、掛け引きも楽しめ、慣れれば10分でできる独ソ戦ということで、例会の対戦の合間にはもってこいかも。

 続いて、90分でできるソフィン戦争のCDS「FREEZING DEATH」(LINDEN LAKE GAMES)をmitsuのインストでプレイします。物量のソ連軍をTommyさんが、兵力配分のさじ加減が必要なフィンランド軍をmitsuが担当します。
DSC00472
  序盤、両軍は戦争準備に励みます。ソ連軍はあえて攻撃しやすいカレリア地峡ではなく、中央部のラドガ・カレリア戦線に兵力を集中します。フィンランド軍もそれに備えて増強していましたが・・・。
T2終了時
 第3ターン、開戦となり、侵攻してきた第一陣は、フィンランド軍の防御射撃の前に半壊します。が、その後、次々と援軍を投入するソ連軍。それでも通常のdrで迎え撃ちますが、3個師団の攻撃が当たりに当たり(一度に5ヒット!)、フィンランド軍の前線が崩壊します。
T3
 なんとか、立て直さんと緊急で増援を出しますが、多勢に無勢で、第4ターンにはラドガ・カレリア戦線が征服されてしまいます。
T4 ラドガ・カラリア、征服さる
 第5ターン以降、ここから直接、ヘルシンキ攻撃が始まります。マンネルハイム線からも部隊を引き抜き、耐えに耐えますが、無尽蔵とも言える敵の前に、フィンランド軍の損害がかさみます。
 そして、最終第6ターン、ソ連軍の砲撃と地下コミュニストのコンボで兵力を削られた首都守備隊を、ソ連軍師団が蹂躙し、ついにヘルシンキが陥落。ソ連軍の勝利となりました。
T6 ヘルシンキ陥落
 そのまま、同じ陣営で第二戦に。フィンランド軍は余分な損害を避けるため、国境近くからは兵力を後退させ、主要陣地で待機します。
T2
 第3ターン、ラドガ・カレリア戦線とスオムッサルミ戦線に突入してきたソ連軍を、激しい防御射撃で釘付けにします。
 と、第4ターンに、スキー部隊を迂回させ、敵の補給線を切断するモッティ戦術を発動。後方補給線を絶たれた1個師団が壊滅し、3個師団が包囲下に残されます。
T4 迎え撃つフィンランド軍、M戦術
 第5ターン、フィンランド軍が攻勢をかけ、この残敵を殲滅します。その後、2戦線は膠着状態となります。
 最終第6ターン、ソ連軍は最後の希望のカレリア地峡で、猛攻に出ます。強力なカードを使った攻撃drがまたも冴え、二度ほど、マンネルハイム線が突破されかけます。が、フィンランド軍は後方から増援をつぎ込んで、ギリギリで持ちこたえます。
T6引き分け
 ここで、ゲーム終了。1/3の確率で国際世論が味方に付けば、フィンランド軍の勝利でしたが、英仏は動かず。結局、引き分けになりました。
 数で勝るソ連軍のdrが当たりまくると、どうにもできませんが、イベントを駆使するフィンランド軍の抵抗が感じられる良作だと思います。

 続いて、80周年記念の独ソ戦から「バルバロッサ」(アークライト)です。kawa・mitsu・BIBI・エンジョウの4名でモスクワ攻略を目指します。
 序盤、まずは補給と、各軍団ともポイントを使ってトラック輸送や鉄道輸送を組み入れます。ある程度、増援が進んだところで、エンジョウ軍団が工兵による圧縮を始めると、皆も追随し、次々とグレードアップを図ります。すると、いきなりトラック輸送が品切れに。
 軍事作戦としては、擲弾兵と砲兵を軸に据えたエンジョウ軍団が、高地を攻略し、そのまま、陣地へ鞍替え。蓄えた作戦的優位を駆使して、2都市を攻略します。
 それをmitsu軍団が追いかけ、装甲連隊を配備した後は、一気に陣地や都市攻撃に移り、3都市の攻略に成功します。
DSC00358
 と、この時点でも、圧縮合戦が続き、今度は鉄道輸送も品切れに。トラック・鉄道の補給がなくなったため、やむなく非機械化輸送や空中補給(!)で凌ぐという、スターリングラード包囲並の非効率化に。
 中盤になると、各陣営とも都市の攻略を進めますが、今度は基幹となる装甲連隊が品切れ!そこそこ、数は満たしていたのですが、皆がSS装甲連隊への昇格を進めたため、ドイツ軍の中核がいなくなるという珍風景が現出します。
 それでも、みな、圧縮効果が高いため、都市の攻略が連続し、気がつけばモスクワ戦に。ここまで後塵を拝してきたkawa軍団が意地を見せ、全滅上等でこれを攻略。
モスクワ陥落
 結果的は、延べ5都市を堕としたmitsu軍団が63点で勝利しました。 

 第二戦は、前回のちはら会でプレイした「バルバロッサ」(アークライト)です。
 序盤は、両軍団とも補給ポイントをレベルアップし、装甲連隊などの高価値の部隊を集めます。これを配備するために、師団本部中隊や装甲偵察大隊を購入します。
 先に攻撃態勢を整えたのはmitsu軍団でスターリングラードを皮切りに、キエフ、ロストフなどを次々と攻略します。
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 その結果、泥濘や冬将軍がBIBI軍団に殺到し、レニングラードを落としたところで大休止に。
DSC00270
 mitsu軍団は、消耗した部隊の再配備が効率よく決まって、攻撃の手を緩めず、リガ、ヴォロネジ、ミンスク、オデッサを堕とします。
 さらに、配備カードの「ルントシュテット」も手に入れて、VPを押し上げます。
 一矢報いたいBIBI軍団は、ハリコフとスモレンスクを堕とすと、すぐさま、モスクワ攻略へ。と、ここでイベントは「渡河」(さらにイベント2枚を追加)!撤退しても全滅するだけと覚悟したBIBI軍団は、持てる全てのリソースを投入して攻撃!結果、なんとか赤い首都を占領しました。
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 VP的には、前半のリードが生きて、以下のようになりました。
 mitsu軍団…104点
 BIBI軍団…51点

 続いて、独ソ戦開戦80周年を記念して、ドミニオン系の「バルバロッサ」(アークライト)を3人で対戦します。かなり久しぶりで、ルールの勘違いもあり、お試しの後、本戦に。
全景
 kawa軍は、突撃砲を主隊に擲弾兵を揃えて攻撃する、手堅い作戦を展開します。平軍は基本通り、戦車連隊と装甲擲弾兵を軸に高地や陣地を奪いますが、実は結構、消耗があります。mitsu軍は、戦車連隊は少なめにして、繰り返し使える対戦車砲を多く揃えて、行けるところから都市を攻略していきます。
 中盤で、kawa軍がやや出遅れて1都市、平軍が2都市、mitsu軍が4都市を攻略し、一歩リードします。
中盤
 後半になると、それぞれ、攻撃力を増強し、都市の攻略へ。kawa軍がロストフを落とすと、平軍は膨大な損害を出しながら、要衝スターリングラードとレニングラードを押さえます。mitsu軍は冬将軍に祟られ、キエフを追加するのがやっと。
 残ったのは、赤い首都モスクワのみ。各軍とも必死に戦力の増強を図りますが、先手をとったのはmitsu軍でした。装甲連隊はSSを含めてわずかに2個でしたが、対戦車砲大隊を4つ揃え、周辺の陣地も攻略してギリギリ攻略できるかというところでしたが・・なんと、イベントはドイツ軍の航空支援!これにより、モスクワが陥落し、首都を含む6都市を攻略したmitsu軍の勝利でした。
モスクワ攻略
 「バルバロッサ」というには装甲擲弾兵やSS装甲連隊、重戦車大隊など、3年早いぞという部隊ばかりですが、独ソ戦キャンペーンと考えれば、それっぽい雰囲気でした。
 久々にプレイしましたが、ドミニオン系はやっぱり面白い!また、次回も持ち込みます。

 今月のソロプレイ第7弾は、WWⅡ戦闘級アイテムの「TANKS+」(CMJ)から東部戦線シナリオ5「白ロシア」です。ソ連軍20輛に、ドイツ軍10輛が登場するこのシナリオは、先に敵の半数を撃破すれば勝利となります。タイトルからも、正面から大兵力をぶつけて中央軍集団を押し潰したバグラチオン作戦がモチーフと思われます。
 このシナリオのドイツ軍は、史実通り、かなりの劣勢にあります。主力のパンター4輛は優秀な命中率と貫通力を誇りますが、敵もSU100にT34/85、さらにStalinⅡとかなりの装甲を持っていて、近距離にならないとそう簡単には撃破できません。残りの6輛は命中率こそ、ソ連軍より優勢ですが、貫通力と装甲は敵の方が上。つまり、全車輌が中距離以内で撃ち合うと、圧倒的に数の多いソ連軍に軍配が上がる見込みです。
 試しのソロ演習では、1回戦は南西の丘に6輛を、中央にパンターを配備してみましたが、中央北側の森からSU100の援護射撃を受けたT34/85の大軍に呑み込まれ、敗北。ならばと、2回戦は中央南部の森林に籠もり射撃戦をしてみましたが、こちらは地形効果はあるものの射界が悪く、半数の車輌しか射撃ができず、やはりソ連軍の赤い津波を止められず。
 そこで考え出したのが、あえて兵力を二分し、お互いに側面を狙える布陣です。南西の丘に6輛を置くのは替わらず、中央のやや南端寄りに、パンター4輛を配置します。パンターは射界の広さから、初期から遠距離砲撃戦ができ、命中すれば敵の一部を削れます。敵が南西の丘に主力を向かわせるようなら、パンター隊は一旦、森の陰か西端に寄り、側面から敵の突撃部隊に射撃を見舞います。
 敵が先にパンターの制圧に掛かったら、中央南部の森林に入って射撃戦を行います。パンター隊は全滅するでしょうが、それまでに相応の敵を屠れるでしょう。同時に、距離的にはやや厳しいですが、南西の丘の6輛が稜線越しに射撃を行い、敵戦車の側面を攻撃します。うまくすれば、敵の損害限界の10輛撃破も狙えます。それでも、最後は南西の丘の部隊との近距離戦で決着するものと想定できます。
  第1ターン、この布陣をみたソ連軍は、先にパンター隊を撃破すべく、主力をこちらに向けます。助攻として、長距離射撃能力のあるSU100の4輛を北部側に登場させます。この部隊は中央北部の森林に入り、その長い射程を生かして、パンター隊または南西部の丘の部隊の側面攻撃を狙います。
 第2ターン、これを見たパンターが助攻のSU100に、超長距離射撃を実施します。これが見事に、SU100の履帯に命中!1輛を移動不能(実質上の戦力外)にします。
T2ドイツ軍の布陣
T2D
 それでも潤沢な兵力を持つソ連軍は、当初の計画通り、遮蔽地形を利用して前進をします。
 第3ターンは、ドイツ軍は射撃戦に備え、森林へと身を潜めます。ソ連軍は中央の丘の陰に到着し、援護役のSU100は森で射撃準備に掛かります。
T3
 第4ターン、両軍は最良の射撃位置を目指して、移動。
T4
 第5ターン、ドイツ軍は遠距離ながら、長距離砲撃能力を生かして、一斉に準備射撃を実施します。パンター4輛の集中射撃で遠距離で森林内にいたSU100をあぶり出し、1輛を撃破。また、南西の丘から6輛が行ったパックフロントで、1発がT34を貫き、これを撃破します。
T5D
 ソ連軍は、SU100の援護射撃の元、スターリンが前進を行います。
T5S
 第6ターン、またもドイツ軍が遠距離射撃を行い、SU100に命中させますが、威力が落ちた砲弾では撃破できず。
T6D
 流れが変わったとみたソ連軍は、スターリンを先頭にT34の大群が、パンター隊に向かって突撃を開始します。
T6S 突進!
 第7ターン、接近する敵に対し、ドイツ軍の全車輌が一斉射撃を行います。これにより3輛が火だるまとなりますが、残りの車輌は速度を緩めず、パンター隊の至近距離に。
 パンターは連続となる臨機射撃を実施し、さらに2輛を撃破します。が、+5のdr修整(前進射撃+地形効果)を物ともせず、T34/85が2発をパンターに命中させ、これを屠ります。最悪なことに、パンターの1輛はこのタイミングで弾薬切れに!
T7S 肉迫するイワン
 第8ターン、南西の丘にいるドイツ軍は側面攻撃を行い1輛を撃破しますが、遠距離が災いして、これ以上の戦果はなし。
T8D
 ソ連軍は、スターリンの122mm砲で最後のパンターにとどめを刺すと、一転して残ったドイツ軍に突撃します。
T8S 豹を屠り、残存部隊へ
 第9ターン、6輛のドイツ軍は集中射撃で命中弾は出すものの、厚い装甲に阻まれ、戦果なし。
T9D
 ソ連軍は後方のSU100隊を待つために、T34が停止射撃を行いますが、このうち1発が4号戦車の履帯を吹き飛ばし、移動不能に。
T9S
 第10ターン、本来ならば一旦、後方の安全地帯に後退する予定だったドイツ軍は、四号戦車を見捨てられず、やむなく砲撃戦に。が、やはり威力不足で被害を与えられないどころか、ヘッツアー1輛が弾薬切れに。
T10D
 ソ連軍は、SU100とスターリンの前進の間に、T34隊が射撃を行い、2発を4号戦車に命中させ、これを撃破。半数を上回る7輛を撃破または弾薬切れで失ったドイツ軍の敗北が決定しました。
T10S
終了時
 始めはいい具合に敵の戦力を削れたので、もしやと期待しましたが、肝心の近距離戦で撃ち漏らしや弾薬不足があり、流れがソ連軍に。ドイツ軍に今少しの幸運があれば、圧倒的な赤い津波を押しとどめられたかも・・・。いつか、ドイツ軍で勝利したいものです。
生きて帰らず

 今月のソロプレイ第6弾は、WWⅡ戦闘級アイテムの「TANKS+」(CMJ)から東部戦線東部戦線シナリオ4「ドニエプル」です。表題と登場AFV種類から、キエフ攻防戦前後の戦いであり、包囲されたドイツ軍による突破作戦を表しています。
 ここでもソ連軍は15輛と、ふんだんな物量を誇ります。しかも、主力はT34/76からT34/85にレベルアップしており、長距離砲撃能力の高いSU100が5輛です。これに対し、パンター、Ⅳ号戦車、Ⅲ突のわずか8輛のドイツ軍混成部隊が、盤外突破できるかという、状況になっています。
  地形は北西部に森林が、東南部に丘があり、照準線の妨害地形となっています。近距離の戦闘ならソ連軍もほぼイーブンの戦闘能力を持つため、どこから敵が来ても対応できるよう、北西部の森林と東南部の丘に兵力を二分し(片方でもほぼドイツ軍の台数に相当)、照準線が届かない位置に配置します。
 ドイツ軍には北端、南端、中央の進攻路がありますが、両側から全ユニットの攻撃を受ける中央路は論外でしょう。北端か南端かが妥当とみて、数回、ソロ演習をしてみましたが、北部の森林での戦いは移動に時間がかかり、その間に東南部の増援が駆け付け、兵力差で押し切られる展開がたびたび。そこで、今回は、地形的障害の少ない南端からの侵攻ルートとします。
  第1ターン、ドイツ軍は丘の上で待ち構えるソ連軍に警戒しながら、最南端のルートを辿ります。ソ連軍は数的にはイーブンなので、こちらの部隊は方向を変えるのみで接敵せず。T34/85の1スタックのみは、丘の迂回に備えて西側の縁に展開します。同時に、北西部にいるもう半分の部隊を、全力で南の丘に向かわせます。
T1
 第2ターン、ドイツ軍はなおも丘を警戒しながら、その麓を前進します。ソ連軍の援軍は、中央付近に到達します。
T2
 第3ターン、敵が合流する前に片を付けるべく、ドイツ軍が丘の麓から西盤端に向けて、前進を開始します。まず、牽制のため、先頭にいたパンター2輛が方向転換し、丘の西側を固めるT34に接近します。
T3D
 この距離なら外すことが少ないソ連軍は、臨機射撃を実施。2発とも命中しましたが、1発はパンターの傾斜装甲により跳弾、もう1発は履帯を損傷させるに止まります。生き残ったドイツ軍戦車は、前進射撃を見事に命中させ、T34の2輛を撃破します。この隙に三号突撃砲が、盤端を西に駆け抜けます。
  続く、ソ連軍ターン、T34の1スタックは丘を駆け上がり、兵力を有利にします。残りの6ユニットは、中距離での阻止射撃を行うべく、ドイツ軍の撤退路を扼する位置へ。
T3S
 第4ターン、脱出のため、3号突撃砲が南端を突進します。これに対して、長距離能力のあるSU100が臨機射撃を実施します。が、移動中であり、小型目標の敵を捕らえられず。まずいことに1輛は、弾薬切れに。
 それを援護するため、4号戦車とパンターが側面に微速前進し、敵の阻止部隊を捉えます。ここで、パンターの放った前進射撃がSU100に命中し、見事に撃破します。
T4D
 すでに中央を越えた2輛の3号突撃砲を阻止できなければ、ソ連軍の敗北に。T34の中距離射撃能力は決して高くはありませんが、全4輛が準備射撃を行います。確率的には27%でしたが(それを4回)、どうにか1発を命中させ、これを撃破します。
  なんとか、サドンデスは防げる見込みになったソ連軍は、丘の上の2スタックを後退路を睥睨する西端に前進させます。
T4S
 第5ターン、ドイツ軍は3輛の戦車で丘の上に陣取るソ連軍に、近距離から射撃を撃ち込みます。これにより、長距離砲撃能力を持つSU100の2輛を仕留めることに成功しますが、1発が外れ、2輛が生き残ります。やむなく、この状態で脱出部隊を前進させます。
 これに対し、生き残ったT34が臨機射撃を実施し、側面を曝して前進中だった4号戦車1輛を撃破します。怒り心頭のドイツ軍は、もう1輛の4号戦車が砲塔を急旋回させ、このT34を射撃。確率は高くなかったものの、見事にこれを命中させ、仇を討ちます。
T5D
 ドイツ軍の1輛がほぼ突破を決め、もう2輛が中央部に達している状況で、ソ連軍も正念場を迎えます。現在、前線にいる5輛のAFVで、中央の2輛に準備射撃を実施します。いずれも命中率は30%以下でしたが、気迫のこもった射撃は、高速移動中の敵を捕らえ、1輛を撃破、もう1輛を移動不能にしてしまいます。(この瞬間にソ連軍のゲーム的勝利が確定)。
T5S
 実質、移動可能な戦車は2輛にまで減少したドイツ軍は、第6ターン、憎きSU100に集中射撃を行いますが、ああ、1発は跳弾で、もう1発で移動不能にするのがやっと。
T6D
 戦力が約3倍と有利に立ったソ連軍は、生き残った敵を殲滅すべく、全車輌が敵に突撃をかけます。ドイツ軍は近距離の防御射撃で2輛を屠りますが、7輛のソ連軍がこれをかいくぐります。
T6S
 第7ターン、満を持してソ連軍が発砲し、ドイツ軍3輛を全て撃破。ソ連軍の決定的勝利となりました。
T7S
 やはり、このシナリオのドイツ軍は難しい。前半はソ連軍の不運なdrも助けられ、一方的に3輛を撃破したのはよかったのですが、脱出を狙った部隊が中距離射撃で無力化され、最後はいつもの数の力に押し切られた形です。ただ、あと少しだっただけに、何度もプレイしたくなる魅力(あるいは罠?)があります。 

 今月のソロプレイ第5弾は、WWⅡ戦闘級アイテムの「TANKS+」(CMJ)から東部戦線シナリオ3「プロホロフカ」です。その名の通り、クルスクの戦いのクライマックスを描いたシナリオで、両軍合わせて43輌という空前の戦力が登場します。
 マップは非常に開けた戦場であり、長距離砲撃能力に長けたドイツ軍にとってはもってこいですが、車輛数はわずかに10輌のみ。しかも、最も強力なTIGERⅠは、4ターンの増援です。 
 逆にソ連軍は33輌という数を生かし、敵に対して一斉に襲い掛かるように、突入速度を調整します。なお、数は多いものの装甲の薄いSU76は射界外に置き、タイミングを見て突入させることにします。 
 序盤、ドイツ軍は南部中央の森林を拠点にすべく、前進します。対するソ連軍は、最短の接近路から重装甲のKVⅠを送り込み、快速のT34は西側の森林を浸透させます。オープントップのSU76は予定通り、北端中央の丘に上げ、突入の命令を待ちます。
T1
T2
 真夏の太陽が降り注ぐ中、ドイツ軍の先鋒隊は森林に潜んで敵を待ちます。第3ターン、中央部のKVに呼応して、西側のT34部隊が動き出します。
T3
 第4ターン、最近で7へクスに迫った大戦車部隊に対し、ドイツ軍の一斉射撃が火を噴きます。照準を絞った精密射撃はT34の前衛を直撃し、3輛がたちまち被弾します。さらに、後方から駆け付けたTIGERⅠも射撃を開始し、行進間射撃にも関わらず、1発を命中させます。
T4D
 誤算だったのは、この初弾発射で3号及び4号の各1輛が、弾薬切れを起こしてしまったことです。これでドイツ軍はあと3輛の損害(あるいは弾薬切れ)を出すと、敗北になってしまいます。
 左翼にTIGERⅠが投入されたことで、分が悪いと判断したT34部隊は、一時的に後退し、一部は丘の陰に、多くは森林に逃げ込みます。と、同時に中央の丘にいたSU76が一斉に動き出し、配備の薄い東側から接近を試みます。
T4S
 第5ターン、側面に接近するSU76に対し、半数のドイツ軍車輌が発砲しますが、距離があったことと自走砲でサイズが小さいこと(命中dr+1)のため、当たらず。唯一、TIGERⅠの長距離射撃が森に逃げ込もうとするT34を直撃し、これを吹き飛ばします。
T5D
 第6ターン、T34が捕らえにくくなったので、ドイツ軍は視界にいる敵に目標を切り替えて射撃しますが、drが優れず。TIGERⅠがKV1輛の履帯を吹き飛ばしたのみに止まります。
T6D
 このチャンスに、KV部隊の援護射撃のもと、全てのソ連軍車輌が突進を開始します。
T6S
 第7ターン、ドイツ軍は最大速度で砲弾を充填すると、敵に向かって猛射撃を開始します。4号戦車とTIGERⅠが4発を命中させますが、うち2発はT34の傾斜装甲に弾かれます。右翼への増援に向かった3号戦車は、迫り来るSU76の大軍に1輛で攻撃を開始し、SU76の1輛を走行不能にします。
T7D
 が、この程度の損害ならば許容できる物量が、ソ連軍にありました。SU76の一部で援護射撃を行うと、KVⅠ、T34/76、SU76がエンジンを全開にして近距離へ踏み込みます。
T7S
 第8ターン、再び、ドイツ軍の一斉射撃が火を噴きます。外しようのない距離での射撃は次々と敵に呑み込まれ、T34/76の3輛が昇天します。が、1台はしぶとく跳弾となります。
T8D
 同じく近距離となったT34とKVは足を止め、猛烈な射撃を開始します。敵が森林にいるため、命中率はがた落ちですが、それでも大量の射撃により、3号戦車1輛が炎上。4号戦車にも命中しましたが、かろうじて装甲板が持ち堪えます。これで、ドイツ軍の敗北まで、あと1輛に。
T8S
 第9ターン、足を止めたノーガードの撃ち合いは、思いもよらぬアクシデントに。生き残った6輛のドイツ軍が一斉射撃で3輛を屠りますが、ああ、主力の4号戦車が弾薬切れに。しかも2輛!また、後退戦を行っていた右翼の3号戦車もSU76に捕捉され、炎上。この瞬間、損害(及び弾薬不足)が7割を超え、ドイツ軍の敗北が決定しました。
T9D
 勝敗は付いたものの、せっかくなので、その後の「プロホロフカ」をプレイすることに。赤い津波と化したソ連軍は、敵の虎小隊に突進。隣接へクスからの側面攻撃で、TIGERⅠの1輛を撃破します。
T9S
 生き残ったドイツ軍2輛は、最後まで持ち場を捨てず、T34の2輛を撃破するものの、至近距離からの一斉射撃を浴びて、第10ターンに全滅となりました。
T10S
 今回はドイツ軍のdrが全般的に優れず、特に4輛の弾薬不足を出したのが痛かった。まあ、普通に射撃ができていたとしても、ソ連軍の物量の前に、大いに苦戦するでしょうけれども。ともあれ、膨大な車輌でガチンコの射撃戦ができるこのシナリオは、チーム対戦にもいいでしょうね。
損害

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