中国史
わずか3ターンの箱庭三国志!兵力がミニマムなので、群雄の見極めが何より大事!~群雄割拠:三国志(CMJ)
圧倒的に有利なはずの劉備が、まさか!因縁の赤壁に死す!~三国志荊州争奪戦(GJ)
合戦に力が入るミニミニ三国志!中原の行方は・・・~猛虎三国志(SLGame)6人プレイ
露払いのはずの呉軍が大奮闘!最後は、空城の計が物を言う!~三国志荊州争奪戦争(GJ)
ミニミニゲームながら、11勢力までプレイ可能!合戦が非常に楽しい三国志キャンペーンの佳作!!~猛虎三国志(SLGamer)
第3ターンが終わった時点で、残りは5勢力になり、公孫瓉が4エリアを占領し、トップに。
孫権、死す!思い込みが生んだ悲劇(喜劇)?!正体秘匿のユニークさ!~三国志荊州争奪戦争(GJ)
諸葛亮の前には大軍も虚し!自滅した曹操を、孫権が席巻し、勝利に~三国志遊戯(はなやま)
前回のAARを見たTommyさんから、ぜひ、「三国志遊戯」(はなやま)をプレイしたいと要望があり。先に到着した4人で、対戦しました。陣営は、孫権(平)・劉備(mitsu)・袁紹(ybs)・曹操(Tommy) です。
中央にあって、曹操・孫権双方との争いを避けたい劉備は、領土の割譲を条件に、南陽を獲得します。そのまま、揚子江を渡って、四川へと進攻し、史実より早く三国鼎立に持って行きます。
中盤、西を固めた曹操は中原の制圧に乗り出します。まずは、わずか1戦力の劉備領に向かって南下を開始しますが、ここに諸葛亮!カードで敵の手札を丸裸にすると、先手を打って、計略と一騎打ちで敵を潰走させます。孫権と袁紹も都前まで兵を進めます。こちらは安泰とみた劉備は益州からの北上を開始すべく、秘かに諸葛亮と関羽をこちらに廻します。
中央が危ないと判断した曹操は兵力を集めて長安にスタックするとともに、益州を取るべく、南下軍を起こしましたが、やっぱり、ここに諸葛亮!典韋が討ち死にし、部隊は潰走します。その隙に孫権が都を席巻し、トップに躍り出ます。
もはや死に体の曹操ですが、このまま、行くと孫権の勝利に。そこで、3人で語らって、臨時に反孫権同盟を結び、カードを送り込んで曹操を支援します。が、運命の順番は、孫権が一番手に。そのまま、曹操を滅亡させ、勝利となりました。
究極に絞り込まれたルール、かつ、ヒストリカルな初期設定。演義らしい派手な展開を、短時間で楽しめる傑作!~三国志遊戯(はなやま)
この日、ぜひ、プレイしたかったのが、「三国志遊戯」(はなやま)です。発売元からわかるように、なんと花札会社が作った三国志アイテムです。まず、コンポーネントがとっても豪華で、マウントされたカラフルな中国の中原マップに、彩色された武将カード、積み重ねができる兵隊トークン、入札札のような番号札など、さすが老舗メーカー製。
となると、ルールは子ども向け、または三国志らしくないのではと警戒されがちですが、これがれっきとしたシミュレーションでして。人材と天命カード獲得に始まり、兵力の増強-移動・戦闘-領土の変更とシンプルな戦略級です。凝っているのが戦闘ルールで、知力による計略戦-前衛を蹴散らす一騎打ち-本命の兵力戦-殿を指定する退却戦と、まさに演義の世界です。
プレイヤーは、袁紹・曹操・劉備・孫権を指揮し、呂布と劉璋はNPC扱いです。各陣営は1領土ずつスタートするのですが、開始時の家臣と領土が決まっていて、それらしさが出ています。
・北辺に位置する有利さと内政の高さ(経済力)があるが、当主のカリスマが低く、思うように人材が来ない。単独では、早々に対抗できない。
[曹操]
・豊富な人材と内政の高さ、かつ都の経済力とスタートダッシュが可能。ただし、超一流の人材が来るかは運。トップになる分、敵を作りやすい。
[劉備]
・当主の飛び抜けたカリスマと尋常でない武勇を持つ二人の義兄弟、いずれ来る諸葛亮の人ならぬ破壊力があるが、来ないと経済力が弱く、序盤に潰されることもありえる。また、領土の伸びが厳しい。
[孫権]
・江東の地(南辺)の有利さと当主を含めそこそこの人材で確実に伸びるが、勝利するには運と人材引きが必要。
さらに、マップには人材を隠蔽して配置するので、どこを狙っているのか、ブラフを掛けやすくなっています(兵力配備は誤魔化せませんが)。
実際にプレイしてみると・・・
・1ターンに2回の行動があるので、動きが非常に流動的。
・計略が決まると、一度に20万近くの兵が吹き飛ぶことも。ただし、知力が高くないと使えないカードも多い(諸葛亮は全て使え、まさに20万の兵に匹敵することも!)。
・いつでも使える手持ちカードやイベントが強力(生き返らせる華侘、必ず劉備の元に行く諸葛亮、誰が引いても袁紹に部下を殺させる内紛など)。
この強力なカード類は、プレイヤー間でいつでもやりとりができる(領土と兵力も!)ので、誰かが勝ちそうになるとみんなで阻止したり。ずっと、日陰を維持しながら、最終ターンに飛び出したり。それでいて、プレイは1時間半程度と手軽で、再戦がしやすくなっています。
プレイ感覚としては「三国志演義」(エポック)より遙かに軽く、「三国志覇王」(璋企画カードゲーム)よりやや詳細です。リプレイアビリティは両者にも劣らず、かつ、カードゲームより短時間でプレイ可能かも。
今回は、kawa.Jrを含む4人戦でスタートします。袁紹(エンジョウ)・曹操(kawa.Jr)・劉備(mitsu)・孫権(BIBI)の陣営です。この配置だと領土の伸びがない劉備(mitsu)は、秘かに江東の孫権(BIBI)を狙います。そのため、開始早々に曹操(kawa.Jr)と同盟を結びます。
焦ったのは袁紹(エンジョウ)で、単独では曹操(kawa.Jr)に撃破されるのは時間の問題のため、呂布を嗾けますが、敵の計略であえなく敗死。
ならばと、曹操(kawa.Jr)に先制攻撃をかけ、2エリアを取ったのはよかったのですが、都を手にした丞相の圧倒的な戦力に逆襲されます。
と、第3ターンに諸葛亮が登場!ちょうど、兵力を貯めた劉備(mitsu)軍は、長江を渡って南下をします。これを孫権(BIBI)が全力で迎え撃ちましたが、ああ、諸葛亮が扇を振っただけで全滅!(連環の計で被害3倍)が、諸葛亮も「反間の計」で死亡し、劉備(mitsu)も撤退に。あとから考えると、先に全滅した時点で退却になるはずなので、この死亡はなかったんですが・・・。
ともあれ、劉備(mitsu)を退けた孫権(BIBI)が反撃に出ます。経済力の差はいかんともしがたく、このまま滅亡かと思われましたが・・・。
ここで「名医華侘」!あの世の縁から諸葛亮が復活し、再び、孫権(BIBI)軍を全滅させます。そのまま、押しまくれば勝利だったのですが、先に北部で曹操(kawa.Jr)が袁紹(エンジョウ)を滅ばし、ゲームセット。VPが10点を超えた曹操(kawa.Jr)の勝利となりました。
ゲームに慣れたところで、群雄を引き直し、第二戦へ。袁紹(kawa.Jr)・曹操(BIBI)・劉備(エンジョウ)・孫権(mitsu)の陣営です。
第1ターン、いきなり諸葛亮が劉備(エンジョウ)陣営に登場します。この計略王を止める術はなく、袁紹(kawa.Jr)とともに、曹操(BIBI)を都から追い落とします。曹操(BIBI)は益州を目指して敗走します。このターンに死亡した人材たち(なんて、派手なゲーム!)。
この間、着々と領地を拡大した孫権(mitsu)は兵力をため込み、維持を目指します。 と、ここで袁紹(kawa.Jr)がいきなり劉備(エンジョウ)を裏切り、進攻を開始します。が、これは優秀な人材により防御され、全滅する羽目に。
劉備(エンジョウ)が袁紹(kawa.Jr)に逆侵攻へ。あと一歩で全滅となった間際に、袁紹(kawa.Jr)から孫権(mitsu)に「お手紙」が届きます。イメージは、届いたリアル「舌先三寸の計」。
当然、介入する以外ないと考えていた孫権(mitsu)は、長江を越えて劉備(エンジョウ)領に進攻します。これを見た劉備(エンジョウ)は主力を都に戻します。袁紹(kawa.Jr)・劉備(エンジョウ)の領土の細分でさすがの諸葛亮を持ってしても、兵力補充が整わず。
このまま、押し切って勝負かと思ったところ、益州で兵を蓄えた曹操(BIBI)が孫権(mitsu)領に攻めてきます。益州離脱を助けてやったのにと言ってみたいところですが、まあ、勝利阻止なら当然でしょう。ならばと、孫権(mitsu)軍も長江南に舞い戻り、敵と対峙します。
兵力ではほぼ五分でしたが、こちらがカードをかなりため込んで経過し、少数によるゲリラ戦以外は、対峙が続きます。と、ここで時間切れ。結果、最も多くの領土を確保した孫権(mitsu)が勝利しました。
やっぱり、あったゾ!官渡戦役!~官渡戦役(CMJ)
これ以上ないタイミングでの寝返り!諸葛亮、後漢再興の夢を果たす!!~ 孔明北伐(GJ)
第1ターン、蜀軍は諸葛亮の主力をもって南進を行い、南蛮軍を鎧袖一触します。が、これを見た魏軍は張郃を漢中に突入させ、呉軍への対応で兵力の少ない蜀軍を撃破し、ここを支配します。殿となった馬謖が「泣く」間もなく死亡します。
第2ターン、蜀軍は前線に部隊を送り、これ以上の進攻を防ぐともに、諸葛亮で雲南を攻略し、南蛮軍を降伏させます。魏軍は、山越えで進行数が少ないため、攻勢を止め、漢中に兵力を増強します。 第3ターン、南蛮軍は間に合いませんが、成都で再編成した部隊を持って、諸葛亮が漢中奪回戦に乗り出します。魏軍も張郃以下の全力で対抗しますが、超雲が先鋒戦で活躍し、諸葛亮が変幻自在の戦術を駆使して、魏軍を圧倒します。やむなく、魏軍は魏興に撤退しますが、殿の辛毘が討ち取られます。 第4ターン、蜀軍の北伐が開始され、諸葛亮率いる蜀・南蛮連合軍が天水に進行します。これに対し、魏軍は漢中への逆侵攻をかけます。結果は、天水では蜀軍がパーフェクトゲームで圧勝し、今度は郭淮を討ち取ります。漢中でも馬岱がカード使用により、張郃の攻撃を凌ぎきります。 第5ターン、蜀軍はここを先途と、重要拠点の武威に侵攻部隊を突入させ、これを奪取します。ここで、殿の夏候楙が討ち取られます。さらに、魏軍も巧みな機動で蜀軍先鋒の補給路を断ち切りますが、押され気味の魏軍にさらなる悲劇が・・・「孟達の裏切り」!これにより退路を失った漢中侵攻軍が全滅し、郝昭が死亡します。蜀軍も足止めのための鄧芝が討ち取られ、両軍合わせて6将が死亡するという惨憺たる戦役に。 第6ターン、勢いに乗る蜀軍は、山越えの兵力不足の不利を越えて、最前線の陳倉に進行します。魏軍は、全力を持って陳倉にハイスタックを築きましたが・・・陳倉決戦の行方を決めたのは、イベントでした。このターンに登場したばかりの夏候覇が「裏切り」!2倍以上の優勢だったはずの魏軍が崩壊し、ついに要衝陳倉が陥落します。 第7ターン、魏将の討ち取りにより、蜀への傾斜を深めていた呉に対し、外交を仕掛けます。drの結果は最高の6!(魏軍6ユニットを除去)。前戦闘の損害を回復するまもなく、魏軍は長安に籠もります。一方、蜀軍も、後方から増援に時間がかかり、このターンはにらみ合いになります。 第8ターン、悪運続きだった魏軍に、最後の希望-司馬懿仲達が登場します。ジリ貧になる前にと、陳倉に対し果敢にも反撃をかけましたが、数でも戦術でも勝る諸葛亮に一蹴されます。
第9ターン、ついに蜀軍が長安に迫ります。魏軍は全軍を籠城させ、2倍以上の蜀軍を迎え撃ちます。計略は、ともに「看破」され効果なし。城攻めでも奇襲を連発する諸葛亮に対し(戦闘dr+1)、常に1損害を減少できる城塞に籠もる司馬懿とで、壮絶な攻城戦になりましたが・・・6戦力しかない魏軍は、司馬懿の戦略値を生かせずに消耗。最後の城兵が討ち取られ、古都長安が陥落しました。諸葛亮、後漢再興の夢を果たす!!
やっぱり、面白い!双方に勝利のチャンス有り!~官渡戦役(CMJ)2戦
続いて、ちはら会では評価の高い「官渡戦役」(CMJ) を、エンジョウさんと対戦しました。陣営は、エンジョウさんが希望で袁紹軍を、mitsuが曹操軍を担当します。
第1戦、積極的に前に出た袁紹軍先鋒でしたが、曹操が強行軍を使って迎撃。drに恵まれ、いきなり、文醜を討ち取ります。
これで、動きの鈍った袁紹軍は、なかなか前進できず。機動で敵の領土を無力化しますが、曹操軍がすかさず、支配マーカーを置き直して、イタチごっこに。
この間に袁紹軍の士気が低下し、逆転不可能ということで、曹操軍の勝利となりました。
第2戦は、袁紹軍は同じ轍は踏まずと、袁紹と別働隊2隊が連動しながら、渡河します。曹操軍も機動戦で顔良隊を壊滅させますが、討ち取りまでは至らず。
と、ここで隙を突いて、淳于瓊が許に進攻します。わずか1戦力まで落ちていた于禁の守備隊は壊滅し、この瞬間、袁紹軍のサドンデス勝利となりました。う~ん、以前もDas Reichさんに同じ手を喰らった覚えが・・・つい、曹操の機動に夢中になり、手薄にしてしまうんですよね。
いずれにしろ、ゲームごとの偏りはあるものの、短時間で何度もプレイでき、トータルではいずれにも勝ち筋があるいいゲームです。
あまりに厳しい道なれど、なおも孔明は北進す~孔明北伐(GJ)
序盤、蜀軍はセオリー通り、南蛮を撃破して、孟獲を降伏させます。魏軍も隙を見て漢中に兵を繰り出しますが、超雲の活躍で浸透できず。
が、第3ターンに蜀の主力が北上するタイミングで再び、張郃が漢中に進攻し、高い作戦能力で超雲を打ち破り、ここを占領します。
第4ターン、集結した蜀軍主力が狙ったのは、漢中奪回ではなく、アグレッシブに天水進攻でした。この危機に張郃率いる魏軍は3倍以上の兵を集中し、事なきを得ます。
その後も3ターンに渡って、諸葛亮の北進が続きますが、せっかくの計略が看破されたり、損害回復に時間がかかったりと、魏軍ががっちり守り続けます。
やはり山越えは分が悪いと判断した蜀軍は、第8ターンに漢中へと矛先を切り替えます。魏軍も多くの兵を差し向けますが、山越えもあって2倍がやっと。ここで魏延の先鋒戦と諸葛亮の合戦がdrが爆発し、魏軍が全滅します。
第9ターン、勢いのまま、蜀軍は魏興に進撃し、これを占領。孟達を蜀に投降します。が、魏軍はここで手薄になった漢中に、張郃を送り込みます。兵力は6対5とほぼ互角で打撃を与え合い、姜維が負傷するなど、最後は1兵力ずつの死闘に・・・結果は、鄧芝の奇跡的勝利でここを守り抜きます。
あまりの損害に第11ターンは兵力回復に費やし、最終ターン、蜀軍は一転して陳倉に。と、ここで魏軍は「孟達の裏切り」を実行し、漢中を奪ってしまいます。これにより、蜀軍の勝利はなくなり、ゲームエンド。
まあ、よほどのことがない限り、蜀の北進は成功しないのですが、カードの巡りによっては「もしや」と思わせる演出が効いています。次回はぜひ、蜀軍を担当したいものです。
諸葛亮は、漢中進軍に後漢再興の夢を見る・・・~孔明北伐(GJ)
今月のソロプレイは、「官渡戦役」(CMJ)にインスパイアされて、三国志の作戦級アイテム「孔明北伐」(GJ)です。その名の通り、三国志後期の諸葛亮孔明による魏侵攻作戦です。国力では呉と合わせても遙かに及ばない蜀が、漢中の高山地帯を越えて、魏の西部に出撃を繰り返します。結果的には、この一連の出兵が経済的に劣る蜀を一層、衰退させたといわれていますが、出師の表に刻まれた後漢再興の夢と相まって、ゲーマーの琴線を大いに刺激します。

マップはエリア式で、蜀から魏に侵攻するには、部隊数の制限がある山岳を必ず、通ります(逆も同様)。しかも、木牛流馬が出てくるまでは非補給扱いと、進攻側がかなり不利になっています。
シークエンスは、人材-イベント-呉の参戦-蜀の移動-魏の移動-戦闘-生産-再配置です。1年1ターンと考えると、妥当なターン構成でしょう。
特徴的なのは、移動が蜀-魏の順になっていることです。これにより、諸葛亮や姜維など相対的に質の高い蜀が先手を打って進攻し、(司馬懿登場までは)人材で劣る魏が物量を生かして対抗する図となります。
戦闘はミニゲーム風の割にはかなり凝っていて、まず、先陣同士の先鋒戦(1ラウンド)が有り、ラウンド制限なしの合戦、その後に籠城部隊がいれば攻城戦が発生します。戦闘は基本的に統率数の2倍か兵力の少ない分のdrをして、6が出れば1ユニット除去になります。先鋒戦では、武勇の差が、合戦では采配の差をdrに加えることができます。部隊が全滅するか、撤退を宣言すると、1ラウンドの追撃と武将の討ち取りチェックが入ります。
イベントはカードになっていて、曹丕死去(魏はこのターンの生産なし)や特定武将の裏切り、蛮族の協力や裏切り、諸葛亮/司馬懿の一時的な失脚、各種の戦術カードがあり、ゲーム展開のヴァリエーションを大いに広げてくれます。
ただ、GJでもかなり初期のアイテムということも有り、少し野暮ったい印象はあります。今ならよりスマートなCDSあたりになるのでしょうね。
展開としては、南蛮の攻略を終えた蜀が、3000m級の山々を踏み越えて、魏の領土に繰り替えし、進攻します。孔明の采配は3と突出していますが、魏にも采配2の張郃がおり、また、部隊制限や魏の物量、後攻の有利があって、進攻の成功率は決して高くはありません。それでも、イベントの組み合わせやdrが偏りがあれば、なんとかなることも。ただし、後半に司馬懿が登場すると(統率値は孔明3を上回る4!)、まず、絶望的でしょう。
それでは、ソロプレイに入ります。
まず、開始前の魏のオプションですが、呉の外交値上げ(+4)と胡王の引き込みを行います。GJ誌にも書かれていたのですが、外交値上げはイベントよりも効率がよいので、ほぼマストの選択でしょう。かつ、前半に蜀の北伐を可能な限り遅らせるために、蛮族の1つを味方にしておきます。
第1ターン、人材は魏に夏候覇が、蜀は馬超は生き残り、馬忠が来ます。蜀にとっては最良の出だしです。これに脅威を覚えた魏は、早速、呉の外交を試みます。drはこちらも最善の4(!)が出て、蜀は4戦力を失います。
このままでは南蛮進攻と北部の防御はかなり厳しかったので、蜀は早速、イベントカード「孟達の裏切り」を使用します。これにより、魏が南下をする可能性はほぼなくなりました。
蜀は馬超と2戦力を武都に送り、超雲と馬謖を漢中に向けます。牂柯には諸葛亮と魏延を5戦力で進攻させます。魏延は裏切る可能性があるので、そうなったら確実に討ち取れる孔明と同行させるのがセオリーです。魏は、やむなく裏切り者の孟達を討つべく、曹真、張郃、夏候覇を魏興に送ります。
魏興と牂柯で戦闘が発生しますが、結果はともに一方的になります。魏興では4戦力同士の戦闘でしたが、先鋒戦で張郃がいきなり2ヒットを与え、孟達軍が半減します。合戦では、孟達軍も善戦し、2ヒットを与えますが、総大将の曹真が2倍の戦力で圧倒し、孟達軍を全滅させます。孟達は戦死扱いとなり、上庸ボックスへ送られます。
牂柯では、真逆の展開で、孟獲が先鋒戦を仕掛けますが、魏延が防御に徹し、損害なし。合戦では諸葛亮の采配+3が物をいい、孟獲軍を瞬殺します。
第1ターンが終了した時点で、魏は魏興を回復し、蜀は想定通り、牂柯を制圧しました。
第2ターン、ここで馬超が死亡し、代わりに蜀に費褘が登場します。魏は、登用なしです。蜀は、諸葛亮の主力が4戦力を持って、雲南に進攻し、城に籠もる南蛮軍を一蹴して、孟獲を降伏させます。同時に、漢中を5戦力で固め、超雲を武都に向かわせます。
これを見て魏は、魏興を奪回した兵力をもって、漢中に電撃的に進攻します。兵力的には5戦力対5戦力のイーブンでしたが、またも張郃が先鋒戦で2ヒットを与え、優位に立ちます。こうなると、馬謖・馬忠コンビには荷が重く、1戦力を除いて部隊を失い、剣閣に撤退します。その過程で、殿を勤めた馬謖が、討ち死にしてしまいます(「泣いて斬る」間もなく死亡)。
第3ターン、魏は馬謖の討ち取りによって、再び、上昇した外交値を使って、呉との外交を試みます。drはまたも最善の4(!)が出て、蜀は4戦力を失います。
蜀はやむなく減少した戦力で、漢中奪回を試みます。諸葛亮直率とはいえ、わずか4戦力では、張郃の指揮する9戦力に対抗できず、1:4のキルレシオで全滅します。これにより、VPは魏の振り切り6点となります。
第5ターン、国力を回復した蜀は、二度目の漢中奪回戦を仕掛けます。諸葛亮を筆頭に4将が険しい山岳地帯を越えて、漢中へ進攻します。これを迎撃したのは、またも張郃の指揮する9戦力です。結果は・・・補給切れのため、打撃力が半減した蜀軍は、諸葛亮の戦術を持ってしても劣勢を挽回できず、壊滅します。
第6ターン、蜀はまたも諸葛亮を内政に。孔明動けず、の報に接した魏は、このチャンスに7戦力を武都に送り込みます。迎え撃つ超雲の6戦力と激戦となりましたが・・・張郃の作戦能力が物をいい、ついに武都を奪取します。ここまで張郃は4勝(1敗)と、大車輪の活躍です。
第7ターン、緒戦の損害で宰相による内政整備も追いつかないことから、蜀は思い切って剣閣での籠城戦略をとります。勢いに乗る魏といえど、さすがに剣閣への進攻は時期尚早で、こちらも漢中と武都の防御に徹します。
第8ターン、ついに司馬懿仲達が登場します。が、都にいるため、このターンの戦闘には参加できず。ならば、ここで占領された武都を奪還せんと、蜀が全兵力を持って反撃に出ます。蜀軍9戦力対魏軍11戦力の激闘は、姜維の伏兵(戦術カード)で幕を開けます。先手を打った姜維は先鋒戦で1ヒットを与え、戦力をほぼイーブンにします。さらに諸葛亮の作戦が光り、一方的に魏に4ヒットを与えます。こうなると逆転はほぼ難しいと、全滅する前に魏軍が撤退します。
一方、剣閣では魏延が裏切りを試みましたが・・・諸葛亮により警句を受けていた馬忠がこれを討ち取り、事なきを得ます。
第9ターン、武都を奪い返した蜀は、山岳地帯の要衝-漢中奪回戦に臨みます。魏軍は司馬懿仲達が指揮を執る12戦力で、蜀軍は諸葛亮率いる9戦力です。前ターンまでなら、蜀軍は補給切れでしたが、厳しい山岳路に効率よく補給を運ぶ木牛流馬により、補給下となります。
まず、司馬懿は火計を仕掛けますが、諸葛亮は難なくこれを看破。そのまま、合戦に雪崩れ込みます。dr数では魏軍の方が有利でしたが、それを上回る諸葛亮の戦術能力により、なんと2ラウンドで魏軍が7ヒットを受けます。魏軍も蜀に3ヒットを与えますが、さらに2ヒットを受けたところで、やむなく撤退。第2ターン以降、魏の支配下にあった漢中を奪還します。2ターン連続で敗退した魏軍ですが、ここまで積極的に蜀領土を侵食したため、十分に時間稼ぎとなりました。
やっと、本来の領土を回復した蜀軍に残された時間は、あと3年。第10ターン、ついに出師の表を実現すべく、諸葛亮が天険を越え、6戦力を持って魏領に進攻します。同時に、イベントカードで胡王を懐柔し、武威へ突入させます。
これに対し、魏軍は全力を持って迎撃に出ます。要衝陳倉には司馬懿が涼州兵を含む11戦力を集結させ、武威には敵の2倍の4戦力を投入します。その結果は・・・陳倉では、蜀軍の猛攻により、魏軍が5戦力まで半減するも、司馬懿の反撃で蜀軍は全滅します。武威では魏軍が圧勝し、損害なしで蛮族を蹴散らします。
第11ターン、状況は前ターンより悪化するも、諸葛亮は姜維、馬忠を伴って、7戦力で再び、陳倉へ。迎え撃つはまたも司馬懿の14戦力です。ここでは先鋒の働きが勝敗を分けました。蜀軍の姜維が4drをするもヒットなし。対する魏軍はここまでの功労者張郃が6drでなんと4ヒット!序盤戦だけで半数を失った蜀軍に勝機はなく、圧倒的多数の魏軍に攻撃を受けて全滅します。この大敗走の最中に、殿を勤めた馬忠が討ち死にしてしまいます。
最終12ターン、もはや蜀軍の勝利はありませんが、先帝への思慕に突き動かされた孔明は陳倉へ最後の出撃を行います。戦力的に余裕ができた魏軍は、陳倉に倍以上の16戦力を送るとともに、隙を突いて漢中侵攻軍を送ります。
まず、漢中では孟獲がこれを迎え撃ちますが、張郃の戦術に翻弄され、全滅。南蛮王孟獲が命を落とします。続いて、陳倉決戦では、先鋒戦こそ、蜀軍が2ヒット(魏軍は1ヒット)と姜維が意地を見せましたが・・・司馬懿が新戦術を見舞って、諸葛亮の戦術的優位を覆します。結果は、蜀軍の全滅。さらに、退却中の姜維が討ち取られ、ジ・エンド。
結果的には、ほぼ史実並みの魏の圧勝でした。Web上の評判でも、「バランス悪すぎ」、「なるようにしかならない」等が多いようです。が、実際の史実が「なるようにしかならなかった」わけで、そう思いながらも、戦闘のdrやイベントによってはもしかしたら・・・と思わせる演出は、極めて優れていると思います。言い方は難しいですが、勝敗のバランスはよくないですが(あえて史実チックにしている)、十分にデヴェロップされているため、プレイしていて大いに楽しさを感じることができます。ぜひ、対戦したいものです。