歴史・戦史研究「ちはら会」Drei

この会は、主にシミュレーションという手法を用いて、歴史・戦史を楽しもうという、有志の集まりです。興味ある時代をテーマに選び、図上演習(シミュレーションゲーム)を通して、文献研究では得られない「動きのある歴史」を見つめます。 「ちはら会」では、現在、会員を募集しています。年齢や資格等を問わず、興味のある方ならば、どなたでも参加できます。関心のある方は、下記にご連絡ください。 Eアドレス. chiharakai@apost.plala.or.jp (代表.mitsu)

中国史

 午後一番は、タナックさん持ち込みのマルチゲーム「群雄割拠:三国志」(CMJ)4人プレイです。プレイヤーは、赤(mitsu)・緑(fho)・オレンジ(タナック)・黒(kawa)です。
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 前半は、劉備・関羽・張飛を揃えた黒(kawa)が先行し、2ターン目にも有力群雄の袁紹を引いて、大きくリードします。オレンジ(タナック)は最後のVPを考えて、筍彧(名声チットVPが2倍)を取り、2位につけます。それを袁術-公孫度の地方群雄の赤(mitsu)と馬騰-何進の交易コンビの緑(fho)が追いかけます。
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 後半は、トップの黒(kawa)は、名声チットが尽きたため、群雄の選択ができず、張
繡-韓遂で78点と伸び悩み。ここで、オレンジ(タナック)が劉焉-董卓と、地方と中央を押さえて72点でトップに立ちます。これを公孫瓉-張魯と繋いだ緑(fho)が追いかけ、追加VPチット3枚(!)の威力で、80点に。が、最後に赤(mitsu)が、発展チットにも恵まれ、孫策-劉表と一貫した地方重視で、82点と再逆転勝利でした。
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 今回は、フルスペックの4ターン決戦でしたが、選択の幅が広くなり、面白くなりました。1時間程度で手軽にできるので、例会で重宝しそうです。

 ウォーミングアップが済んだところで、タナックさんお勧めの「群雄割拠:三国志」(CMJ)へ。ちはら会では初対戦なので、基本ゲームで、赤(タナック)・黄(エンジョウ)・緑(BIBI)・黒(mitsu)で3ターンのプレイとなります。
  第1ターン、黄(エンジョウ)が袁術で淮南を取ると、赤(タナック)は呂布で司隷を完全制覇します。続いて、緑(BIBI)は曹操でがっつりVPを稼ぎ、黒(mitsu)は北の雄袁紹でこれも高VPに。
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  第2ターン、黄(エンジョウ)渋く地方の馬騰でしたが、最後に名声が2倍になる支援カードをゲットします。赤(タナック)は周瑜に補佐された孫策で南を固め、緑(BIBI)は陶謙で追随します。、黒(mitsu)は名声を全てつぎ込んで、諸葛亮のいる劉備をゲットし、ここで一時的にトップに。が、しかし・・・。 
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 第3ターン、すでに選択の余地のない黒(mitsu)は張繡となり、わずか2戦力で最下位に転落。緑(BIBI)も、公孫瓉しかなく3位に。最後は、黄(エンジョウ)の公孫度と赤(タナック)の劉表のマッチレースになります。黄(エンジョウ)が名声2倍ボーナスで48点を取りますが、赤(タナック)が基本VPの高い地方にうまく分散したため、51点で逆転勝利となりました。
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 ベースはスモール・ワールド系ですが、とにかく戦力が少ないのが特徴で、数に任せてイケイケどんどんはなく。流れを見定めながら、支援カードも含めて、どの群雄を選ぶのかがシビアでよし。今度は、フルオプションでプレイしたいものです。

 残りわずかとなったところで、前回もプレイした正体秘匿型の三国志アイテム「三国志荊州争奪戦」(GJ)をプレイしました。
 第1ターン、先手を取ったmitsuがチットで1枚ほど多く確保します。
 第2ターン開始時に、陣営チットを引いたところ、劉備に。が、まだ、正体を明かさず、手番を進めます。と、中盤でBIBIさんが劉備陣営を使って、曹操を攻めます。ブラフでなければ、BIBIさんは孫権か?と、最後の手番で正体を明かします。やはり、孫権。
 BIBIさんは、最後の曹操を操って、劉備を消耗させようとしますが、ここでmitsuは「政略結婚」をプレイ。劉備に向かうはずの曹操が一転して、孫権を攻めます。別働隊が退路を断ったため、孫権はやむなく赤壁に後退します。
T2 追い込まれる孫権
 第3ターン、mitsuが劉備の宣言をして、敵が背水の陣を引く赤壁へ。戦力的には孫権がやや多いものの、こちらには諸葛亮がおり、先制で優位なはず。
T3 劉備による殲滅戦のはずが・・・
 まず、計略合戦が起こり、絶対に負けられない孫権が奇襲2つと火計を放ちます。が、これを諸葛亮が全て看破。劉備は逆に罠を仕掛け、孫権勢力の殲滅を狙います。
 もう、計略はないかと思っていたところ、なんと孫権が「連環の計」。劉備は退却ができなくなったものの、諸葛亮の能力があれば勝てるはず。ところが・・・ここで「離間の計」!敵の計略を全て見破ってきた孔明が、これを喰らうとは!
 これにより、先制は周瑜率いる孫権軍に。劉備も健闘したものの、張飛が敗走し、気がつけば、玄徳が敵中に孤立。一気呵成に攻め立てる孫権軍の前にあえなく敗死し、敗北となりました。
T3 劉備、まさかの敗死
 ああ、途中までは明らかに劉備が有利だったはずが、あの赤壁でまさかの逆転負け。負けたとは言え、このゲームは面白い!次の例会にも持ち込みますので、再戦したいものです。

 続いて、取り組んだのが、ソロでもアップした「猛虎三国志」(SLGamer)です。陣営は、馬騰(fho)・袁紹(mitsu)・公孫瓉(平)・孫堅(Tommy)・曹操(エンジョウ)・劉璋(BIBI)となります(プレイ順)。
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 序盤、馬騰が中立の李傕を攻め、これを占領。が、拡張で薄くなった涼州を劉璋が攻め、ここを奪取します。以後、二勢力で交互に涼州を奪い合う展開に。
T1
 宿敵同士の袁紹と公孫瓉は北の大地で激しく激突しますが、第2ターンに袁紹軍が勝利し、公孫瓉が滅亡します。
 南部では孫堅が曹操と組んで北上を開始し、徐州まで取ります。
 最も人材が豊富な曹操はさらに軍師を引き当て、荊州と兗州を奪います。
T2
 中盤、司隷に本拠を置く馬騰が荊州に殴り込み、これを占領。すると、劉璋と孫堅も参入し、激しい荊州争奪戦になります(ちょっと陣営は違うが、三国による荊州争奪戦)。一方、史実通り、袁紹と曹操は兗州を巡って一進一退の攻防を繰り広げます(こちらは史実の官渡の戦い)。
T4
 と、まもなく終盤というところで、荊州を抑えた孫堅が電撃的に蜀に侵攻し、劉璋を滅亡させます。
T6 劉璋滅亡
 これで首位に立った孫堅に対し、曹操が人材を武器に大攻勢を開始します。まずは、荊州を奪還し、電撃的に揚州まで奪取。そのまま、兗州の公孫瓉も撃退して、第9ターンの終了時にはトップに。司隷に閉じこもっていた馬騰も、涼州、益州と奪い返して復活と、中原の情勢はめまぐるしく変わります。
T9
 そして、最終の第10ターン、馬騰が電撃的に荊州を取ってトップに。こうなると、馬騰を削るしかない公孫瓉は、満を持しての司隷攻めでこれを奪取。前ターンに魏と和平を結んでいた呉は揚州を取り返し、最後に曹操が馬騰から荊州を奪い返し、ゲームエンド。終わってみれば、曹操、孫堅、袁紹が3領土の「三国鼎立」で幕を閉じました。
T10

 続いて、前回のちはら会で思い切り読み違えて敗北した、正体秘匿型三国志アイテム「三国志荊州争奪戦争」(GJ)です。前回は瞬殺でしたが、読み合いが楽しかったので、プレイ準備をしていました。
 第1ターンは、特別ルールで全勢力が中立のため、地元勢力の取り込みに走ります。 先手を取ったmitsuが、蜀軍で若干、多めに地元勢力チットをゲットします。
T1
 第2ターン、早くもBIBIさんが正体を露見。受け持ちは、曹操。赤壁での痛手から立ち直り、数を生かして正攻法で攻勢に出ますが、ここまで好調だった行軍drがぱったり停まり。逆に、突出してきた呉軍の周瑜に蹴散らされる羽目に。
 これを見たmitsuはいかにも呉軍の体で、魏領をガシガシ侵食します。
T2 呉軍の攻勢
 第3ターン、mitsuが呉か蜀か迷った魏軍は、孫権を単独で突入させる(!)というリトマス紙作戦に。当然の如く、孫権は関羽に蹴散らされますが、これにより、mitsuが蜀と判明します。早速、宣言をした蜀軍は、呉軍を巧みに露払いに使い、その後をゆっくり北上する作戦に出ます。
T3 呉軍が盾になり・・・
 第4ターン、ならば数でこれを蹴散らさんと、魏軍が前線の呉軍に猛攻を加えますが、ああ、周瑜は強かった!二度にわたる強襲を撥ね除け、魏軍を圧倒。最大の補充力と行軍ポイントを持つはずの魏軍が、甚大な損害を出して停滞します。
 ここがチャンスと、蜀軍は強行軍も使って、支配エリアを拡大します。このままではサドンデスになると考えた魏軍は、呉軍を唆し、劉備主力の居座る赤壁を攻撃しましたが、諸葛亮の圧倒的な作戦の前に頓挫します。
T4 その隙に、本命の蜀軍が
 ならば、魏軍本隊で劉備を討つしかない!なりふり構わぬ魏軍は、強行軍を使用して、曹操本隊を差し向け、奇襲を仕掛けますが、劉備軍は空城の計!決死の覚悟のはずだった曹操が勝手に逃げ帰り(?)、この瞬間に蜀軍のサドンデス勝利となりました。
T4 最後の賭けも空城の計で無効に
 行軍drやチットによって、大きく展開が変わる本作ですが、これほどアトランダムな要素をちりばめても、バランスが取れているところが凄い!とBIBIさんも賞賛。勝っても負けても、面白い!また、例会に持ち込みますね~。

  今月のソロプレイは、「猛虎三国志」(SLGamer)です。SLGamerという同人誌掲載のため、クォーターマップにわずか40ユニットというミニゲームですが、合戦の楽しさ満載で、実にプレイしがいがあります。
T0
 合戦は先鋒戦・中堅戦・大将戦を戦い、うち、2戦をとった側が勝利します。原則、武将を投入できるのは1回のみなので、どの順で誰を投入するのか(軍師で誰を補強するのか)、頭を悩まします。
  武将は采配-武勇-防御を持ち、采配値が高い側が先制攻撃ができます。攻撃は武勇+drで敵の防御値以上ならば成功します。例えば、標準的な4-4-8同士(夏候惇や太史慈、張遼)の戦いだと、drで先攻を決定し、攻撃はともに1/2の確率で成功します。これが呂布相手だと、呂布の攻撃は5/6で成功しますが、夏候惇の攻撃は1/3の成功となります。ちなみに、呂布と関羽が戦うと、関羽が先手を取って1/2の確率で成功に、それに耐えると呂布が2/3の確率で勝利します。
 武将には軍師1名が助太刀でき、その能力を武将に加算できます。序盤最強の周瑜は全てに+3と、まさに呉軍の屋台骨です。その他の軍師は人材登用で登場し、+1-+2という並の能力から、+3-+4の陸遜や郭嘉、+4-+5の司馬懿や龐統、+6の諸葛亮(!)までがランダムにやってきます。なお、諸葛亮については、劉備なら無条件ですが、それ以外ではdrによって参加しなかったり、曹操や呂布には決して靡かない(!)ルールとなっています。
 なお、各武将は在地主義を取っていて、あるエリアを占領されると、そこに所属する全ての武将は相手に寝返ります(君主は死亡)。これがあるため、エリアの争奪戦によって、人材が大きく動き、ゲームの活性化に寄与しています(かつ、歴史的にも正しい)。
 今回は、最大11勢力(ミニゲームでこれが成り立つのが凄い!)によるキャンペーンです。各勢力が減って史実の「三国志」になると、千日手になりやすいので、10ターンで終了とし、最大のエリア数を確保した勢力が勝ちとします。
 第1ターン、先手を取った側が激しい攻撃で、隣接する勢力を従えていきます。まず、一番手の曹操が荊州を攻めて劉表を滅ぼし、魏延や黄忠を配下に置きます。
T1 曹操が劉表を殲滅
 二番手の呂布は、戦闘準備の整っていない冀州を攻め、なんと袁紹を殲滅してしまいます。
T1 呂布が袁紹を殲滅
 続いて、李傕が無理を承知で呂布攻めをしますが、地力が足りずに敗退。劉璋は、人材が整わないため、カードを温存し、益州に籠もります。
 六番手の孫策は、中央への進出を狙って、淮南に侵攻し、袁術を滅亡させます。
 七番手の馬騰は、益州攻めをしますが、地の利がなく敗退(山地越え)。
 九番手の公孫瓉は、呂布を攻め、奇襲を受けるものの、趙雲・田豫のコンビが呂布に打ち勝ち、そのまま、冀州を奪い取ります。
T1 その呂布を公孫瓉が撃退し、冀州を奪う
 十番手の劉備は、人材を待って、徐州に引きこもります。
 第1ターンが終了した時点で、劉表、袁紹、袁術が滅亡し、8勢力となります。
T1
 第2ターン、一番手の曹操が取ったばかりの荊州から揚州を強襲します。火計を使って一気に攻めまくりますが、孫策がこれを看破。それでも、地力で曹操軍が押していましたが、当て馬のはずの黄蓋が奇跡の6で曹操本隊を破り、防衛に成功します。
T2 曹操、孫策を攻めるも敗退
 孫策も反撃で荊州を狙いますが、こちらは曹操軍が耐えて保持します。
 これを見て二番手の呂布は、曹操の本拠豫州を攻めますが、伏兵にあって、敗北。
 そこを公孫瓉に攻められ、先鋒戦は呂布が勝利したものの、中堅戦・大将戦を落とし、呂布が滅亡します。
T2 公孫瓉が、呂布を殲滅
 三番手の李傕は、人材登用で諸葛亮を引いたものの、朝敵には与しないと、すげなく断られます(絶対失敗)。
 四番手の劉璋は、作戦カードが入ったため、馬騰を攻撃。山地越えの不利はありましたが水攻が見事に決まり、馬騰を滅亡させます。
T2 劉璋が水攻めで、馬騰を殲滅
 八番手の劉備は、孫策の淮南を攻め、これを占領します。
 この時点で、馬騰、呂布が滅亡し、6勢力となります。
T2
 第3ターン、曹操はなおも揚州を攻めますが、孫策がギリギリで凌ぎ、滅亡を免れます。孫策は反攻で荊州を攻め、これを奪取します。
T3 孫策が反攻で荊州を奪取
 曹操は、本拠地に兵を戻し、再反攻に備えますが、呂布を滅ぼした公孫瓉が一気に南下。離間の計で頼りの軍師が使えない曹操軍を撃破し、ここを占領。曹操、ついに滅亡す。
 第3ターンが終わった時点で、残りは5勢力になり、公孫瓉が4エリアを占領し、トップに。
T3
 第4ターン、天はさらに滅亡の火を掲げ、中原の覇者候補を三国に絞ります。いまだ、人材とカードに恵まれない李傕を、昇天の勢いの劉璋が攻撃し、見事に成功!李傕は滅亡します。
T4 劉璋が李傕を殲滅
 孫策は淮南を取り返し、荊州・淮南・揚州の南部を固めます。
 そして、最大勢力となった公孫瓉が徐州の劉備を攻撃。水攻対伏兵の激戦は・・・公孫瓉軍の勝利に。これで劉備も滅亡します。
T4 公孫瓉、劉備を撃滅
 公孫瓉、孫策、劉璋による新「三国志」が始まります。
T4
 第5ターン以降、最大勢力の公孫瓉を孫策・劉璋の連合軍が攻める展開に。公孫瓉は劉璋の攻めを空城の計で躱しますが、カードが尽きたところを孫策に攻められ、豫州を失います。が、かわりに優秀な人材で司隷を攻め、これを奪います。
T5 公孫瓉、司隷を攻略
T5
 第6ターン、劉璋が離間の計で公孫瓉の軍師を封じ、司隷を奪還。孫策が徐州を攻めますが、今度は公孫瓉が離間の計でこれを保持。最後に、公孫瓉が再び、司隷を攻めますが、馬超らの活躍により、再奪取はならず。
T6 劉璋・孫策対公孫瓉
 第7ターン、先手の劉璋が司隷から冀州を攻め、これを奪取。同時に孫策は第二次徐州戦を仕掛け、水攻でこちらも成功させます。絶体絶命の公孫瓉は、火計を看破されるも、趙雲らの活躍で冀州を取り返します。
T7 孫策が水攻で徐州を攻略
 この時点で、孫策5エリア、公孫瓉と劉璋が3エリアに。
T7
 第8ターン、事態が大きく動きます。劉璋が攻めて失敗した冀州を、孫策が満を持して攻撃。孫策の奇襲に対して、公孫瓉も火計で対抗しますが、采配で+3の周瑜と程昱が作戦を指導し、公孫瓉軍を撃破。公孫瓉は幽州に閉じ込められます。
T8 孫策、冀州を攻略
 支配エリアは、孫策6エリア、劉璋4エリア、公孫瓉1エリアに。
T8
 終盤の第9ターン、このままだと勝てないと判断した劉璋は、同盟を破棄して孫策に襲いかかります。伏兵が成功し、荊州を奪い取ります。
 怒り心頭の孫策軍でしたが、まずは公孫瓉の撃破と北に兵を進めます。が、カードを使い果たしていたため、通常戦で苦戦。公孫瓉軍が奇跡の6を出して、生き残ってしまいます。
T9 孫策、公孫瓉を殲滅できず
 すかさず、趙雲を先頭にした反撃部隊が南下し、火計で孫策軍を蹴散らし、冀州を奪います。
T9 公孫瓉の反攻
 勝利まで後一歩まで行っていた孫策(4エリア)はエリア数で劉璋に逆転されます(5エリア)。
T9
 最終の第10ターン、劉璋は先手を打って豫州を攻撃し、離間の計でこれを奪います。孫策軍も荊州を取り返し、エリア数は同じまま。
T10 劉璋が豫州を攻略DSC01649
 もはや勝利はない公孫瓉でしたが、いずれかに勝利させるのは癪だと、精鋭を持って帝都司隷を攻めます。が、ここで、劉璋はとっておきの空城の計!これを看破できなかった公孫瓉軍は撤収し、ゲームエンド。
 結局、5エリアを保持した益州の太守劉璋が、勝利しました。
T10 劉璋の勝利
 いやー、ソロでしたが、面白かった!作戦カードがあれば、圧倒的に有利ですが、それを無効にする看破や対抗作戦があり、戦力の読み合いに力が入ります。そして、圧倒的に不利な局面でも、まさかの6(自動的勝利)で流れが一気に変わることも。ミニゲーム故の絞り込みが劇的展開を生みやすくしており、手軽にできるキャンペーンとして「三国志覇王」(翔企画)に並ぶ傑作かも。ちはら会例会に持ち込みますので、大人数でやってみたいですね~。

 この日の緒戦は、タナックさん持ち込みの「三国志荊州争奪戦争」(GJ) です。以前、GJ誌で発表された「武田遺領争奪戦」のバリアントと言えるもので、いわゆる正体秘匿型の2人用アイテムです。プレイヤーは赤壁の戦い直後の魏・呉・蜀のいずれかを、秘密裏に受け持ちます。正体を明かすまでは、手順に沿って3陣営が動き、自分の陣営が敵に委ねられることも。陣営を宣言すれば、以後は自陣営及び中立陣営を動かせます。よって、宣言までいかにブラフをかけ、敵を誘導するかが肝になります(あるいは誤解しないか)。
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 タナックさんからインストを受け、早速、プレイ。第1ターンは、陣営チットは引かないので、3陣営をそれぞれ操って、中立地帯を攻め、イベントを手に入れます。
T1
 第2ターン開始時の陣営決めでは、自分は呉に。そのターン、思惑を秘めて、3陣営が動きます。ここで、劉備陣営がかなり強力なスタックを孫権陣営に突撃させます。これにより、呉は本国近くまで攻め込まれます。
 一方、呉は密かに通じた(中立の)蜀を使って、魏の前線を痛打。もし、タナックさんが魏ならば、それなりの兵力をつぎ込んで防御するはずとモニターしたところ、本軍は動かさず防御に徹し、蜀の侵攻を容認する(ような)動きに。
 となれば、タナックさんは蜀の可能性が高いと判断。ならば、蜀を叩くまでと、ここでmitsuは正体を明かして、組織的に蜀への攻撃を始めます。効率よい攻めで、蜀軍に打撃を与えますが、それでもタナックさんは正体を秘匿・・・よほど、我慢強いか、あるいは別の陣営なのか?
 と、この時、イベントを確保に行った孫権本隊が、思わぬ苦戦で損害を連発し、単独で取り残されることに。イベント「強行軍」を使えば、一度、撤退できたのですが、直接、蜀軍に攻撃される恐れがないと、そのまま、居座ることに。
 ここで、タナックさんが正体を明かします。なんと、魏軍!前線でふらふらしている孫権を魏軍が取り囲み、ジ・エンド。
T3 孫権死す
 終了時
 いやー、完全にやられた!!後から思えば、第2ターンに魏軍の動きが鈍かったのは、単に行動drが低かったからでしたね~。ああ、深読みしすぎて、墓穴を掘りました。
 このシステムは初めてプレイしましたが、基本ルーチンは軽く、ブラフの掛け合いと正体の読み合いに集中できるのは、非常に楽しいです。ちょうど来年は、本能寺の変440周年にあたるので、両方ともプレイ準備をしてみましょう。

 前回のAARを見たTommyさんから、ぜひ、「三国志遊戯」(はなやま)をプレイしたいと要望があり。先に到着した4人で、対戦しました。陣営は、孫権(平)・劉備(mitsu)・袁紹(ybs)・曹操(Tommy) です。

全景
 序盤、それぞれは領土を拡張します。早々に、けっこうな負のイベントが来て、劉備陣営は事故で張飛を、袁紹陣営は粛正で顔良と凌統を失います。
序盤
いきなり3人が退場
 中央にあって、曹操・孫権双方との争いを避けたい劉備は、領土の割譲を条件に、南陽を獲得します。そのまま、揚子江を渡って、四川へと進攻し、史実より早く三国鼎立に持って行きます。
 中盤、西を固めた曹操は中原の制圧に乗り出します。まずは、わずか1戦力の劉備領に向かって南下を開始しますが、ここに諸葛亮!カードで敵の手札を丸裸にすると、先手を打って、計略と一騎打ちで敵を潰走させます。孫権と袁紹も都前まで兵を進めます。こちらは安泰とみた劉備は益州からの北上を開始すべく、秘かに諸葛亮と関羽をこちらに廻します。
ここに諸葛亮!
 中央が危ないと判断した曹操は兵力を集めて長安にスタックするとともに、益州を取るべく、南下軍を起こしましたが、やっぱり、ここに諸葛亮!典韋が討ち死にし、部隊は潰走します。その隙に孫権が都を席巻し、トップに躍り出ます。
追い込まれる曹操
 もはや死に体の曹操ですが、このまま、行くと孫権の勝利に。そこで、3人で語らって、臨時に反孫権同盟を結び、カードを送り込んで曹操を支援します。が、運命の順番は、孫権が一番手に。そのまま、曹操を滅亡させ、勝利となりました。
孫権軍の陣容


 この日、ぜひ、プレイしたかったのが、「三国志遊戯」(はなやま)です。発売元からわかるように、なんと花札会社が作った三国志アイテムです。まず、コンポーネントがとっても豪華で、マウントされたカラフルな中国の中原マップに、彩色された武将カード、積み重ねができる兵隊トークン、入札札のような番号札など、さすが老舗メーカー製。
 となると、ルールは子ども向け、または三国志らしくないのではと警戒されがちですが、これがれっきとしたシミュレーションでして。人材と天命カード獲得に始まり、兵力の増強-移動・戦闘-領土の変更とシンプルな戦略級です。凝っているのが戦闘ルールで、知力による計略戦-前衛を蹴散らす一騎打ち-本命の兵力戦-殿を指定する退却戦と、まさに演義の世界です。
 プレイヤーは、袁紹・曹操・劉備・孫権を指揮し、呂布と劉璋はNPC扱いです。各陣営は1領土ずつスタートするのですが、開始時の家臣と領土が決まっていて、それらしさが出ています。

全景
[袁紹]
・北辺に位置する有利さと内政の高さ(経済力)があるが、当主のカリスマが低く、思うように人材が来ない。単独では、早々に対抗できない。
[曹操]
・豊富な人材と内政の高さ、かつ都の経済力とスタートダッシュが可能。ただし、超一流の人材が来るかは運。トップになる分、敵を作りやすい。
[劉備]
・当主の飛び抜けたカリスマと尋常でない武勇を持つ二人の義兄弟、いずれ来る諸葛亮の人ならぬ破壊力があるが、来ないと経済力が弱く、序盤に潰されることもありえる。また、領土の伸びが厳しい。
[孫権]
・江東の地(南辺)の有利さと当主を含めそこそこの人材で確実に伸びるが、勝利するには運と人材引きが必要。
 さらに、マップには人材を隠蔽して配置するので、どこを狙っているのか、ブラフを掛けやすくなっています(兵力配備は誤魔化せませんが)。
 実際にプレイしてみると・・・
・1ターンに2回の行動があるので、動きが非常に流動的。
・計略が決まると、一度に20万近くの兵が吹き飛ぶことも。ただし、知力が高くないと使えないカードも多い(諸葛亮は全て使え、まさに20万の兵に匹敵することも!)。
・いつでも使える手持ちカードやイベントが強力(生き返らせる華侘、必ず劉備の元に行く諸葛亮、誰が引いても袁紹に部下を殺させる内紛など)。
 この強力なカード類は、プレイヤー間でいつでもやりとりができる(領土と兵力も!)ので、誰かが勝ちそうになるとみんなで阻止したり。ずっと、日陰を維持しながら、最終ターンに飛び出したり。それでいて、プレイは1時間半程度と手軽で、再戦がしやすくなっています。
 プレイ感覚としては「三国志演義」(エポック)より遙かに軽く、「三国志覇王」(璋企画カードゲーム)よりやや詳細です。リプレイアビリティは両者にも劣らず、かつ、カードゲームより短時間でプレイ可能かも。
 今回は、kawa.Jrを含む4人戦でスタートします。袁紹(エンジョウ)・曹操(kawa.Jr)・劉備(mitsu)・孫権(BIBI)の陣営です。この配置だと領土の伸びがない劉備(mitsu)は、秘かに江東の孫権(BIBI)を狙います。そのため、開始早々に曹操(kawa.Jr)と同盟を結びます。
 焦ったのは袁紹(エンジョウ)で、単独では曹操(kawa.Jr)に撃破されるのは時間の問題のため、呂布を嗾けますが、敵の計略であえなく敗死。
 ならばと、曹操(kawa.Jr)に先制攻撃をかけ、2エリアを取ったのはよかったのですが、都を手にした丞相の圧倒的な戦力に逆襲されます。
 と、第3ターンに諸葛亮が登場!ちょうど、兵力を貯めた劉備(mitsu)軍は、長江を渡って南下をします。これを孫権(BIBI)が全力で迎え撃ちましたが、ああ、諸葛亮が扇を振っただけで全滅!(連環の計で被害3倍)が、諸葛亮も「反間の計」で死亡し、劉備(mitsu)も撤退に。あとから考えると、先に全滅した時点で退却になるはずなので、この死亡はなかったんですが・・・。
R1T3
 ともあれ、劉備(mitsu)を退けた孫権(BIBI)が反撃に出ます。経済力の差はいかんともしがたく、このまま滅亡かと思われましたが・・・。
 ここで「名医華侘」!あの世の縁から諸葛亮が復活し、再び、孫権(BIBI)軍を全滅させます。そのまま、押しまくれば勝利だったのですが、先に北部で曹操(kawa.Jr)が袁紹(エンジョウ)を滅ばし、ゲームセット。VPが10点を超えた曹操(kawa.Jr)の勝利となりました。
袁紹討ち死でゲームエンド
R1 T2で大激突
 ゲームに慣れたところで、群雄を引き直し、第二戦へ。袁紹(kawa.Jr)・曹操(BIBI)・劉備(エンジョウ)・孫権(mitsu)の陣営です。
 第1ターン、いきなり諸葛亮が劉備(エンジョウ)陣営に登場します。この計略王を止める術はなく、袁紹(kawa.Jr)とともに、曹操(BIBI)を都から追い落とします。曹操(BIBI)は益州を目指して敗走します。このターンに死亡した人材たち(なんて、派手なゲーム!)。
生きて帰らず
 この間、着々と領地を拡大した孫権(mitsu)は兵力をため込み、維持を目指します。 と、ここで袁紹(kawa.Jr)がいきなり劉備(エンジョウ)を裏切り、進攻を開始します。が、これは優秀な人材により防御され、全滅する羽目に。
 劉備(エンジョウ)が袁紹(kawa.Jr)に逆侵攻へ。あと一歩で全滅となった間際に、袁紹(kawa.Jr)から孫権(mitsu)に「お手紙」が届きます。イメージは、届いたリアル「舌先三寸の計」。
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 当然、介入する以外ないと考えていた孫権(mitsu)は、長江を越えて劉備(エンジョウ)領に進攻します。これを見た劉備(エンジョウ)は主力を都に戻します。袁紹(kawa.Jr)・劉備(エンジョウ)の領土の細分でさすがの諸葛亮を持ってしても、兵力補充が整わず。
 このまま、押し切って勝負かと思ったところ、益州で兵を蓄えた曹操(BIBI)が孫権(mitsu)領に攻めてきます。益州離脱を助けてやったのにと言ってみたいところですが、まあ、勝利阻止なら当然でしょう。ならばと、孫権(mitsu)軍も長江南に舞い戻り、敵と対峙します。
 兵力ではほぼ五分でしたが、こちらがカードをかなりため込んで経過し、少数によるゲリラ戦以外は、対峙が続きます。と、ここで時間切れ。結果、最も多くの領土を確保した孫権(mitsu)が勝利しました。
終了時

 例会も残り1時間となったところで、千葉会系で評判の高い「官渡戦役」(CMJ)を対戦しました。袁紹軍(にし)対曹操軍(mitsu)です。

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 序盤、川を越えてきた袁紹軍に、曹操本隊が機動防御をかけますが、戦闘drに恵まれず、損耗が続きます(3戦連続で1ばかり!泣き)。

T1
 それでも隙を見て、顔良隊を粉砕しますが、オーバーキルでも討ち取れず。

T2

 が、中盤からはdrも回復し、巧みな迎撃と強行軍で、袁紹本隊の動きを掣肘し、膠着に持ち込みます。

T4
 そのまま、袁紹軍の士気が低下。最後は、6が出れば勝利と、袁紹本隊が許に強襲をかけましたが・・・ 当然、成功せず。曹操軍の勝利となりました。
T6

 例会の最後に、久しぶりにWilandorさんと対戦しまして。「孔明北伐」(GJ)をインストプレイです。陣営は、蜀軍をmitsuが、魏軍をWilandorさんが担当します。

 第1ターン、蜀軍は諸葛亮の主力をもって南進を行い、南蛮軍を鎧袖一触します。が、これを見た魏軍は張郃を漢中に突入させ、呉軍への対応で兵力の少ない蜀軍を撃破し、ここを支配します。殿となった馬謖が「泣く」間もなく死亡します。

T1
 第2ターン、蜀軍は前線に部隊を送り、これ以上の進攻を防ぐともに、諸葛亮で雲南を攻略し、南蛮軍を降伏させます。魏軍は、山越えで進行数が少ないため、攻勢を止め、漢中に兵力を増強します。

T2
 第3ターン、南蛮軍は間に合いませんが、成都で再編成した部隊を持って、諸葛亮が漢中奪回戦に乗り出します。魏軍も張郃以下の全力で対抗しますが、超雲が先鋒戦で活躍し、諸葛亮が変幻自在の戦術を駆使して、魏軍を圧倒します。やむなく、魏軍は魏興に撤退しますが、殿の辛毘が討ち取られます。

T3
 第4ターン、蜀軍の北伐が開始され、諸葛亮率いる蜀・南蛮連合軍が天水に進行します。これに対し、魏軍は漢中への逆侵攻をかけます。結果は、天水では蜀軍がパーフェクトゲームで圧勝し、今度は郭淮を討ち取ります。漢中でも馬岱がカード使用により、張郃の攻撃を凌ぎきります。

T4激闘
 第5ターン、蜀軍はここを先途と、重要拠点の武威に侵攻部隊を突入させ、これを奪取します。ここで、殿の夏候楙が討ち取られます。さらに、魏軍も巧みな機動で蜀軍先鋒の補給路を断ち切りますが、押され気味の魏軍にさらなる悲劇が・・・「孟達の裏切り」!これにより退路を失った漢中侵攻軍が全滅し、郝昭が死亡します。蜀軍も足止めのための鄧芝が討ち取られ、両軍合わせて6将が死亡するという惨憺たる戦役に。

T5
 第6ターン、勢いに乗る蜀軍は、山越えの兵力不足の不利を越えて、最前線の陳倉に進行します。魏軍は、全力を持って陳倉にハイスタックを築きましたが・・・陳倉決戦の行方を決めたのは、イベントでした。このターンに登場したばかりの夏候覇が「裏切り」!2倍以上の優勢だったはずの魏軍が崩壊し、ついに要衝陳倉が陥落します。

T6 陳倉戦
 第7ターン、魏将の討ち取りにより、蜀への傾斜を深めていた呉に対し、外交を仕掛けます。drの結果は最高の6!(魏軍6ユニットを除去)。前戦闘の損害を回復するまもなく、魏軍は長安に籠もります。一方、蜀軍も、後方から増援に時間がかかり、このターンはにらみ合いになります。

T7
 第8ターン、悪運続きだった魏軍に、最後の希望-司馬懿仲達が登場します。ジリ貧になる前にと、陳倉に対し果敢にも反撃をかけましたが、数でも戦術でも勝る諸葛亮に一蹴されます。

 
 第9ターン、ついに蜀軍が長安に迫ります。魏軍は全軍を籠城させ、2倍以上の蜀軍を迎え撃ちます。計略は、ともに「看破」され効果なし。城攻めでも奇襲を連発する諸葛亮に対し(戦闘dr+1)、常に1損害を減少できる城塞に籠もる司馬懿とで、壮絶な攻城戦になりましたが・・・6戦力しかない魏軍は、司馬懿の戦略値を生かせずに消耗。最後の城兵が討ち取られ、古都長安が陥落しました。諸葛亮、後漢再興の夢を果たす!!                                      

T9 長安強襲!
 今回は、奇跡的なタイミングで寝返りが2回も起こり、かつ、魏の武将の敗死が多く、呉の参戦もあったことから、蜀の勝利となりました。Wilandorさんは緒戦ながら度々、カウンターを仕掛けるなど、アグレッシブに対応していて、普通の展開だったら、十分に可能性はあったと思います。逆に言えば、このぐらいの僥倖がないと、蜀の勝利はないんでしょうね~。バランスは決してイーブンではありませんが、ひょっとしたらと思わせる「孔明北伐」は、もっと評価されてもいいかも、です。

 続いて、ちはら会では評価の高い「官渡戦役」(CMJ) を、エンジョウさんと対戦しました。陣営は、エンジョウさんが希望で袁紹軍を、mitsuが曹操軍を担当します。

 第1戦、積極的に前に出た袁紹軍先鋒でしたが、曹操が強行軍を使って迎撃。drに恵まれ、いきなり、文醜を討ち取ります。

T1 文醜、討ち取り

 これで、動きの鈍った袁紹軍は、なかなか前進できず。機動で敵の領土を無力化しますが、曹操軍がすかさず、支配マーカーを置き直して、イタチごっこに。

T4 

 この間に袁紹軍の士気が低下し、逆転不可能ということで、曹操軍の勝利となりました。

 第2戦は、袁紹軍は同じ轍は踏まずと、袁紹と別働隊2隊が連動しながら、渡河します。曹操軍も機動戦で顔良隊を壊滅させますが、討ち取りまでは至らず。

T1 袁紹本隊が渡河

T3 顔良、死なず
 そうこうするうちに、江南で孫策が参戦します。唯一、対抗できる曹操本隊がこれを迎撃に行きますが、孫策は本拠に後退し、曹操を拘束し続けます。
T1 袁紹本隊が渡河

 と、ここで隙を突いて、淳于瓊が許に進攻します。わずか1戦力まで落ちていた于禁の守備隊は壊滅し、この瞬間、袁紹軍のサドンデス勝利となりました。う~ん、以前もDas Reichさんに同じ手を喰らった覚えが・・・つい、曹操の機動に夢中になり、手薄にしてしまうんですよね。

T7 隙を突いて、淳于瓊が許を落とす

 いずれにしろ、ゲームごとの偏りはあるものの、短時間で何度もプレイでき、トータルではいずれにも勝ち筋があるいいゲームです。

 マルチが終わったところで、「官渡戦役」(CMJ)に触発された「孔明北伐」(GJ)を、エンジョウさんと対戦しました。蜀軍(エンジョウ)対魏軍(mitsu)です。

 序盤、蜀軍はセオリー通り、南蛮を撃破して、孟獲を降伏させます。魏軍も隙を見て漢中に兵を繰り出しますが、超雲の活躍で浸透できず。

T1 蜀主力が南下

 が、第3ターンに蜀の主力が北上するタイミングで再び、張郃が漢中に進攻し、高い作戦能力で超雲を打ち破り、ここを占領します。

T3

 第4ターン、集結した蜀軍主力が狙ったのは、漢中奪回ではなく、アグレッシブに天水進攻でした。この危機に張郃率いる魏軍は3倍以上の兵を集中し、事なきを得ます。 

T4 北伐開始!

 その後も3ターンに渡って、諸葛亮の北進が続きますが、せっかくの計略が看破されたり、損害回復に時間がかかったりと、魏軍ががっちり守り続けます。

T7

 やはり山越えは分が悪いと判断した蜀軍は、第8ターンに漢中へと矛先を切り替えます。魏軍も多くの兵を差し向けますが、山越えもあって2倍がやっと。ここで魏延の先鋒戦と諸葛亮の合戦がdrが爆発し、魏軍が全滅します。

T8

 第9ターン、勢いのまま、蜀軍は魏興に進撃し、これを占領。孟達を蜀に投降します。が、魏軍はここで手薄になった漢中に、張郃を送り込みます。兵力は6対5とほぼ互角で打撃を与え合い、姜維が負傷するなど、最後は1兵力ずつの死闘に・・・結果は、鄧芝の奇跡的勝利でここを守り抜きます。

T9
 蜀軍はここが勝負と、第10ターンに9戦力を持って長安に出撃します。対する19戦力の魏軍を率いるのは、司馬懿仲達!ここで諸葛亮は、とっておきのカード「火計」を使用し、戦力差は7に。勢いに乗る諸葛亮の指揮は凄まじく、魏軍はさらに8戦力を失います。それでも最後は、司馬懿の反撃が成功し、蜀軍が全滅します。
T10

 あまりの損害に第11ターンは兵力回復に費やし、最終ターン、蜀軍は一転して陳倉に。と、ここで魏軍は「孟達の裏切り」を実行し、漢中を奪ってしまいます。これにより、蜀軍の勝利はなくなり、ゲームエンド。

 まあ、よほどのことがない限り、蜀の北進は成功しないのですが、カードの巡りによっては「もしや」と思わせる演出が効いています。次回はぜひ、蜀軍を担当したいものです。

 今月のソロプレイは、「官渡戦役」(CMJ)にインスパイアされて、三国志の作戦級アイテム「孔明北伐」(GJ)です。その名の通り、三国志後期の諸葛亮孔明による魏侵攻作戦です。国力では呉と合わせても遙かに及ばない蜀が、漢中の高山地帯を越えて、魏の西部に出撃を繰り返します。結果的には、この一連の出兵が経済的に劣る蜀を一層、衰退させたといわれていますが、出師の表に刻まれた後漢再興の夢と相まって、ゲーマーの琴線を大いに刺激します。

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 マップはエリア式で、蜀から魏に侵攻するには、部隊数の制限がある山岳を必ず、通ります(逆も同様)。しかも、木牛流馬が出てくるまでは非補給扱いと、進攻側がかなり不利になっています。
 シークエンスは、人材-イベント-呉の参戦-蜀の移動-魏の移動-戦闘-生産-再配置です。1年1ターンと考えると、妥当なターン構成でしょう。
 特徴的なのは、移動が蜀-魏の順になっていることです。これにより、諸葛亮や姜維など相対的に質の高い蜀が先手を打って進攻し、(司馬懿登場までは)人材で劣る魏が物量を生かして対抗する図となります。
 戦闘はミニゲーム風の割にはかなり凝っていて、まず、先陣同士の先鋒戦(1ラウンド)が有り、ラウンド制限なしの合戦、その後に籠城部隊がいれば攻城戦が発生します。戦闘は基本的に統率数の2倍か兵力の少ない分のdrをして、6が出れば1ユニット除去になります。先鋒戦では、武勇の差が、合戦では采配の差をdrに加えることができます。部隊が全滅するか、撤退を宣言すると、1ラウンドの追撃と武将の討ち取りチェックが入ります。
 イベントはカードになっていて、曹丕死去(魏はこのターンの生産なし)や特定武将の裏切り、蛮族の協力や裏切り、諸葛亮/司馬懿の一時的な失脚、各種の戦術カードがあり、ゲーム展開のヴァリエーションを大いに広げてくれます。 
 ただ、GJでもかなり初期のアイテムということも有り、少し野暮ったい印象はあります。今ならよりスマートなCDSあたりになるのでしょうね。
 展開としては、南蛮の攻略を終えた蜀が、3000m級の山々を踏み越えて、魏の領土に繰り替えし、進攻します。孔明の采配は3と突出していますが、魏にも采配2の張郃がおり、また、部隊制限や魏の物量、後攻の有利があって、進攻の成功率は決して高くはありません。それでも、イベントの組み合わせやdrが偏りがあれば、なんとかなることも。ただし、後半に司馬懿が登場すると(統率値は孔明3を上回る4!)、まず、絶望的でしょう。

 それでは、ソロプレイに入ります。
 まず、開始前の魏のオプションですが、呉の外交値上げ(+4)と胡王の引き込みを行います。GJ誌にも書かれていたのですが、外交値上げはイベントよりも効率がよいので、ほぼマストの選択でしょう。かつ、前半に蜀の北伐を可能な限り遅らせるために、蛮族の1つを味方にしておきます。

T0

 第1ターン、人材は魏に夏候覇が、蜀は馬超は生き残り、馬忠が来ます。蜀にとっては最良の出だしです。これに脅威を覚えた魏は、早速、呉の外交を試みます。drはこちらも最善の4(!)が出て、蜀は4戦力を失います。
 このままでは南蛮進攻と北部の防御はかなり厳しかったので、蜀は早速、イベントカード「孟達の裏切り」を使用します。これにより、魏が南下をする可能性はほぼなくなりました。
 蜀は馬超と2戦力を武都に送り、超雲と馬謖を漢中に向けます。牂柯には諸葛亮と魏延を5戦力で進攻させます。魏延は裏切る可能性があるので、そうなったら確実に討ち取れる孔明と同行させるのがセオリーです。魏は、やむなく裏切り者の孟達を討つべく、曹真、張郃、夏候覇を魏興に送ります。
 魏興と牂柯で戦闘が発生しますが、結果はともに一方的になります。魏興では4戦力同士の戦闘でしたが、先鋒戦で張郃がいきなり2ヒットを与え、孟達軍が半減します。合戦では、孟達軍も善戦し、2ヒットを与えますが、総大将の曹真が2倍の戦力で圧倒し、孟達軍を全滅させます。孟達は戦死扱いとなり、上庸ボックスへ送られます。
 牂柯では、真逆の展開で、孟獲が先鋒戦を仕掛けますが、魏延が防御に徹し、損害なし。合戦では諸葛亮の采配+3が物をいい、孟獲軍を瞬殺します。
 第1ターンが終了した時点で、魏は魏興を回復し、蜀は想定通り、牂柯を制圧しました。

T1

 第2ターン、ここで馬超が死亡し、代わりに蜀に費褘が登場します。魏は、登用なしです。蜀は、諸葛亮の主力が4戦力を持って、雲南に進攻し、城に籠もる南蛮軍を一蹴して、孟獲を降伏させます。同時に、漢中を5戦力で固め、超雲を武都に向かわせます。

 これを見て魏は、魏興を奪回した兵力をもって、漢中に電撃的に進攻します。兵力的には5戦力対5戦力のイーブンでしたが、またも張郃が先鋒戦で2ヒットを与え、優位に立ちます。こうなると、馬謖・馬忠コンビには荷が重く、1戦力を除いて部隊を失い、剣閣に撤退します。その過程で、殿を勤めた馬謖が、討ち死にしてしまいます(「泣いて斬る」間もなく死亡)。

T2

 第3ターン、魏は馬謖の討ち取りによって、再び、上昇した外交値を使って、呉との外交を試みます。drはまたも最善の4(!)が出て、蜀は4戦力を失います。
 蜀はやむなく減少した戦力で、漢中奪回を試みます。諸葛亮直率とはいえ、わずか4戦力では、張郃の指揮する9戦力に対抗できず、1:4のキルレシオで全滅します。これにより、VPは魏の振り切り6点となります。

T3

 第4ターン、前ターンに8戦力の損害を受けた蜀は、諸葛亮を一時的に内政に廻し、戦力の回復に努めます。これを見た魏は、6戦力を持って要衝の地-武都に進攻します。迎え撃つは、蜀の至宝こと超雲子龍。先鋒戦で防御に徹する張郃に対し、蜀は超雲を先頭に突撃し、2ヒットを与えます。合戦では魏の作戦能力が上回りますが、超雲が2ラウンド目に3ヒットを与えて、ここを死守します。
T4 魏による武威進攻(第一次)

 第5ターン、国力を回復した蜀は、二度目の漢中奪回戦を仕掛けます。諸葛亮を筆頭に4将が険しい山岳地帯を越えて、漢中へ進攻します。これを迎撃したのは、またも張郃の指揮する9戦力です。結果は・・・補給切れのため、打撃力が半減した蜀軍は、諸葛亮の戦術を持ってしても劣勢を挽回できず、壊滅します。

T5 漢中奪回戦(第一次)

 第6ターン、蜀はまたも諸葛亮を内政に。孔明動けず、の報に接した魏は、このチャンスに7戦力を武都に送り込みます。迎え撃つ超雲の6戦力と激戦となりましたが・・・張郃の作戦能力が物をいい、ついに武都を奪取します。ここまで張郃は4勝(1敗)と、大車輪の活躍です。

T6 再び、魏の武威進攻(第二次)
T6

 第7ターン、緒戦の損害で宰相による内政整備も追いつかないことから、蜀は思い切って剣閣での籠城戦略をとります。勢いに乗る魏といえど、さすがに剣閣への進攻は時期尚早で、こちらも漢中と武都の防御に徹します。

 第8ターン、ついに司馬懿仲達が登場します。が、都にいるため、このターンの戦闘には参加できず。ならば、ここで占領された武都を奪還せんと、蜀が全兵力を持って反撃に出ます。蜀軍9戦力対魏軍11戦力の激闘は、姜維の伏兵(戦術カード)で幕を開けます。先手を打った姜維は先鋒戦で1ヒットを与え、戦力をほぼイーブンにします。さらに諸葛亮の作戦が光り、一方的に魏に4ヒットを与えます。こうなると逆転はほぼ難しいと、全滅する前に魏軍が撤退します。

T8 武威奪還戦(第三次)

 一方、剣閣では魏延が裏切りを試みましたが・・・諸葛亮により警句を受けていた馬忠がこれを討ち取り、事なきを得ます。

 第9ターン、武都を奪い返した蜀は、山岳地帯の要衝-漢中奪回戦に臨みます。魏軍は司馬懿仲達が指揮を執る12戦力で、蜀軍は諸葛亮率いる9戦力です。前ターンまでなら、蜀軍は補給切れでしたが、厳しい山岳路に効率よく補給を運ぶ木牛流馬により、補給下となります。

T9 第二次漢中戦

 まず、司馬懿は火計を仕掛けますが、諸葛亮は難なくこれを看破。そのまま、合戦に雪崩れ込みます。dr数では魏軍の方が有利でしたが、それを上回る諸葛亮の戦術能力により、なんと2ラウンドで魏軍が7ヒットを受けます。魏軍も蜀に3ヒットを与えますが、さらに2ヒットを受けたところで、やむなく撤退。第2ターン以降、魏の支配下にあった漢中を奪還します。2ターン連続で敗退した魏軍ですが、ここまで積極的に蜀領土を侵食したため、十分に時間稼ぎとなりました。

T9

 やっと、本来の領土を回復した蜀軍に残された時間は、あと3年。第10ターン、ついに出師の表を実現すべく、諸葛亮が天険を越え、6戦力を持って魏領に進攻します。同時に、イベントカードで胡王を懐柔し、武威へ突入させます。

 これに対し、魏軍は全力を持って迎撃に出ます。要衝陳倉には司馬懿が涼州兵を含む11戦力を集結させ、武威には敵の2倍の4戦力を投入します。その結果は・・・陳倉では、蜀軍の猛攻により、魏軍が5戦力まで半減するも、司馬懿の反撃で蜀軍は全滅します。武威では魏軍が圧勝し、損害なしで蛮族を蹴散らします。

T10 蜀による北伐開始

 第11ターン、状況は前ターンより悪化するも、諸葛亮は姜維、馬忠を伴って、7戦力で再び、陳倉へ。迎え撃つはまたも司馬懿の14戦力です。ここでは先鋒の働きが勝敗を分けました。蜀軍の姜維が4drをするもヒットなし。対する魏軍はここまでの功労者張郃が6drでなんと4ヒット!序盤戦だけで半数を失った蜀軍に勝機はなく、圧倒的多数の魏軍に攻撃を受けて全滅します。この大敗走の最中に、殿を勤めた馬忠が討ち死にしてしまいます。

T11 第二次陳倉戦

 最終12ターン、もはや蜀軍の勝利はありませんが、先帝への思慕に突き動かされた孔明は陳倉へ最後の出撃を行います。戦力的に余裕ができた魏軍は、陳倉に倍以上の16戦力を送るとともに、隙を突いて漢中侵攻軍を送ります。

 まず、漢中では孟獲がこれを迎え撃ちますが、張郃の戦術に翻弄され、全滅。南蛮王孟獲が命を落とします。続いて、陳倉決戦では、先鋒戦こそ、蜀軍が2ヒット(魏軍は1ヒット)と姜維が意地を見せましたが・・・司馬懿が新戦術を見舞って、諸葛亮の戦術的優位を覆します。結果は、蜀軍の全滅。さらに、退却中の姜維が討ち取られ、ジ・エンド。

T12 珍倉と漢中の戦い

 結果的には、ほぼ史実並みの魏の圧勝でした。Web上の評判でも、「バランス悪すぎ」、「なるようにしかならない」等が多いようです。が、実際の史実が「なるようにしかならなかった」わけで、そう思いながらも、戦闘のdrやイベントによってはもしかしたら・・・と思わせる演出は、極めて優れていると思います。言い方は難しいですが、勝敗のバランスはよくないですが(あえて史実チックにしている)、十分にデヴェロップされているため、プレイしていて大いに楽しさを感じることができます。ぜひ、対戦したいものです。

T12終了時


 この日に最も対戦数が多かったのが、CMJ誌の最新作「官渡戦役」でした。テストプレイヤーだったDas Reichさんのインストで、Tommyさんと陣営入れ替わりで、3戦。

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D対Tommy
 その後、自分とにしさんも、2戦を行いまして。はじめのうち、戦闘drが悪すぎて(1しか出ない!)かなり苦戦しましたが、こちらもテストプレイの経験を生かして、中盤までに巻き返し、連勝できました。
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 例会後半にも、今度はにしさんがエンジョウさんを誘って、インストを行い、時間ギリギリまで楽しんでいました(結果は、時間切れ引き分け)。

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