歴史・戦史研究「ちはら会」Drei

この会は、主にシミュレーションという手法を用いて、歴史・戦史を楽しもうという、有志の集まりです。興味ある時代をテーマに選び、図上演習(シミュレーションゲーム)を通して、文献研究では得られない「動きのある歴史」を見つめます。 「ちはら会」では、現在、会員を募集しています。年齢や資格等を問わず、興味のある方ならば、どなたでも参加できます。関心のある方は、下記にご連絡ください。 Eアドレス. chiharakai@apost.plala.or.jp (代表.mitsu)

WWⅡ 空戦

 今月のソロプレイ第4弾は、「RAF」(HJ)からキャンペーンシナリオです。8月11日から始まる史実初の航空撃滅戦(あるいは本土防衛線)を描いており、最低でも30日以上の長く苛酷な戦いです。
 これまで二つのシナリオをプレイした経験から、イギリス王立空軍の戦略を考えてみました。
 まず、第一は兵力の逐次投入を避けること。中途半端な迎撃は、部隊の疲労と損耗を招くだけで何の利点もありません。そこで必ず、敵を圧倒できる(殲滅できる)兵力を集中投入することを原則とします。
 そのためには、敵がどこを攻めてくるかを予測して哨戒飛行を組み立てる必要があります。これはオープンになった目標カードの流れを見れば、ある程度の予測が立てられます。
 次に敵を圧倒できる(殲滅できる)兵力ですが、護衛のMe109を殲滅できる可能性のある戦力投入とします(そうすれば完全戦力で爆撃機を狙える確率が高い)。情報が明確なら確実ですが、そうでなければ小規模の空襲に絞って1-2ユニットのMe109を殲滅できる兵力を集めます。例えば、規模が1ならどの部隊が来ても、12戦力の迎撃機を当てれば、2/3以上の確率でこれを撃滅できます。
 第二は、サドンデス負けの可能性があるところまで追い込まれたら、冷静に今後の空爆を想定し、爆撃阻止(VPの保持)に切り替えます。ただし、少数の迎撃機を投入して殲滅されると、さらにVPを献上することになるので、可能な限りの集中投入は当然です。
 そうはいっても、「哨戒飛行部隊の帰還」「第二目標の爆撃」等のイベントにより、大きく状況は変わるわけで、予期せぬ事態は多いでしょう。が、簡単にはサドンデス負けにはならないと腹をくくり、それまでは耐えに耐えて、時折、乾坤一擲の反撃に賭けることに徹します。
 特にドイツ軍にイベント「共同攻撃」が適用されると、部隊の消耗は驚くほど急速に進みます。ドイツ空軍が万全の状態で、3日間の全力攻撃があれば、まともに迎撃すると、それだけで勝負が決まる(敗北する)可能性があります。この時は前半に爆撃し放題にさせ、戦闘機が疲労しきったタイミングで反撃をかけるしかありません。それまでに「哨戒飛行部隊の帰還」や「ドイツ軍の回復」が出ないことを祈るだけです。
 そして、無事に9月10日を迎えたら、ゼレーベ作戦が発動しない範囲で、増援を投入します。最大で20点近くのVPを失いますが、ここまでRAFが防衛隊を維持していれば、この増援と合わせて、徐々にルフトヴァッフェに対して優位を確立できるはずです。

8.11開始時
 初日の8月11日は、規定により晴天の通常攻撃です。イギリス軍は、前衛の6/11、1/11、4/10、5/11に哨戒飛行部隊を上げ、後方のロンドン上空に予備スタックを配置します。この日の第1、2派は、Worth島レーダーとForenessレーダーへの大規模空襲ですが、先の方針に従い、スルーします。それぞれ、1ヒットと2ヒットを受け、レーダー使用不能になりますが、回復可能な軽微な損害です。
 第3派で内陸のNorth Weald飛行場への小規模爆撃が来ます。編成は不明でしたが、早期警報の強みを生かし、周辺の13ユニットで迎撃します。敵が爆撃機中心の編成だったため、護衛のMe109を瞬殺すると、Me110ごとDo17の2部隊の殲滅に成功します。
8.11 第3派、迎撃
 その後、Biggin Hill飛行場への大規模空襲があり、最大の-3VPを受けますが、迎撃成功が奏功し、総VPは4点と、よい滑り出しです。
8.11
 8/12も、晴天の通常攻撃になります。この日は5度の爆撃があり、小規模爆撃が多かったのですが、迎撃機の投入のタイミングを逃して、「哨戒飛行部隊の帰還」が発生。結局、レーダーや港湾、工場が、一方的に爆撃受け、総VPは-3点に。
8.12
 が、本当の厄災は、この後に始まりました。8/13は晴天の全力攻撃となり、翌日は散発攻撃となるものの、8/15には再び、晴天の全力攻撃とドイツ軍の爆撃日和に。
8.13 想定通り、快晴の全力攻撃
 RAFも集中迎撃を試みて、8/13にPortsmouth港を狙った爆撃を11ユニットで迎撃をするも、Me109の大量援護により、損害はほぼイーブンで爆撃を決行されます。直後に「哨戒飛行部隊の帰還」で、以後は殴られっぱなしに。
8.13 全力の迎撃も・・・
 8/15は早朝から同時爆撃が敢行され、11時までに5度の空襲を受け、損害が嵩みます。14時にSouthend市への空襲があり、やや兵力不足も2セクターの迎撃機を投入します。ここで「ランデブーの失敗」が発生し、半数になった敵部隊を蹂躙し、久しぶりにDo17の2部隊撃破の戦功を上げます。同時に内陸のMiddle Wallpo飛行場へも攻撃があり、4/10セクターの全ユニットで迎撃して、機銃掃射を狙うMe110を撃墜します。
8.15 Do17を殲滅、久しぶりの戦果
 が、不断の連続空襲の被害は大きく、VPは-19点に急降下します。サドンデスまであと-16点。このまま、数日、全力攻撃が来たら、大英帝国敗北の危機でしたが・・・。
 8/16、17に奇跡的にハリケーンが発生し、RAFは披露しきった部隊に休養を取らせることができました。
 台風一過の8/18は、曇天ながらもドイツ軍が全力攻撃を実施します。序盤はレーダーサイトを狙った爆撃が続きますが、あえてこれを無視。第4派のSouthampton市攻撃に対し、地区の全力を持って迎撃をします。実は大量の護衛の付いたファイター・スイープ気味の編成でしたが、Spitfireがこれに食らいつき、Me109を撃墜します。
 しかし、この直後に「天候の急変」で快晴状態に。ここから容赦ない飛行場攻撃が連続し、Hornchurchを狙った小規模爆撃でMe110の撃破に成功したものの、半数で爆撃を許し、17時の第8派攻撃が終了した時点で、VPは-20点に。それでも、戦闘機部隊の休息が取れていたために、これで済んだ感があります。
 8/19は、晴天の通常攻撃でしたが、途中で今度は曇り空に。これはチャンスと、Portsmouth港を狙った爆撃機を、全力で迎撃し、Me109の4部隊に損害を与え、He111の2部隊を撃滅します。8/20は、曇天の散発攻撃となり、Hornchurch飛行場を狙った小規模爆撃を撃退し、Me109を血祭りに上げます。少しずつ、VPが回復したこの時点で、僥倖にも再び、2日間の荒天に。
8.19  ハインケルの編隊を撃滅
  明けた8/23、曇りながらドイツ軍は全力攻撃を敢行します。が、雲が多く爆撃は不調で、かつ、適時、小規模編成を狙ってRAFが迎撃を仕掛けたため、戦況は一進一退に。内陸のColtishall飛行場への最終第7派に対し、4/11セクターの5部隊が食らいつき、護衛のMe110ごとDo17を撃滅し、VPを-10点前後に止めます。
8.23 Coltishall防空戦
 翌8/24も迎撃機の大量投入でVPは変わらず、一日を終わった時点で-8点まで持ち直します。が、連日の迎撃により、RAFの1/3が要休息、損害状態となり、継戦が危ぶまれましたが・・・。
 ああ、ここで再び、大嵐。8/25から3日間続いた大型ハリケーンにより、RAFが完全回復することができました。
 風雨の収まった8/28は、曇天ながらドイツ軍の全力攻撃が実施されます。Biggin Hill飛行場への大規模空襲が三度あり、うち、2回をスルーして、ドイツ軍の疲労を蓄積します。そして、迎えた13時の空襲に対し、6/11と2/11セクターの全戦闘機で迎撃をし、Me109を撃滅します。
 これ以外にも、Yeovil工場に対する爆撃を、待ち構えていた1/10の8ユニットで迎え撃ち、5部隊のMe109を損傷させ、Ju88の2部隊を撃破します。また、夕刻には、内陸のFilton飛行場を襲った単独のHe111を、これまた単機のHurricaneが邀撃し、殲滅するなど、RAFが八面六腑の活躍で、VPを維持します。が、さすがに、全力迎撃のツケで、1日にして1/3の部隊が休養または損害状態になります。
8.27
 翌8/28は単発の港湾攻撃のみでしたが、ああ、ここでイベント「共同攻撃」が発生!詳細は、前回のAARを見ていただくとして、RAFにとっては、常に休養十分な敵を相手にするという極めて厳しい状況に。
8.28
  8/29は、曇天の全力攻撃でのべ3回の空襲でしたが、TangmereとDebden飛行場、Dover港が攻撃を受け、VPはじわじわと悪化します。
 8/30のイギリス上空は、もっとも避けたかった晴天となり、ドイツ軍が全力攻撃を実施します。9時には早くも「哨戒飛行部隊の帰還」が発生したため、全く迎撃ができない状況で、Hornchurch飛行場以下4つの基地と1つの工場が攻撃を受け、VPはあっという間に-16点に。
 翌日は、曇天の散発攻撃で2回の爆撃を受けます。Southend市を狙った小規模爆撃を迎撃し、Ju88を撃滅して、-13点と若干、盛り返します。が、次に晴れれば、再び、苛烈な全力攻撃に曝される可能性が高く、戦々恐々と天候drを振りましたが・・・。
 ああ、ここでまた、二日間の荒天!まさにRAFにとっては、何物にも代えがたい恵みの雨になります。
 9/5は曇り空の下の全力攻撃となりますが、鋭気を養ったRAFの迎撃機が果敢に小規模爆撃隊に反攻し、Me110を撃破するなど、地道に護衛戦闘機を削っていきます。この日も早々に「哨戒飛行部隊の帰還」が二度にわたって発生しましたが、イベントで時間を稼いだ上に、爆撃も雲に遮られ、効果は今ひとつで、総VPは-13点に止まります。
9.5 全力攻撃
 そして、荒天!確率的には6日ほどしかないはずの悪天候が、最も苦しい時期に9日間も発生したことになります。天候の神は、たった一国でナチスに立ち向かう大英帝国に微笑むのか?!
 9/7、倍以上の敵に一歩も引かず耐えに耐えてきたRAFに、史上空前の大戦果が舞い込みます。敵の目標が港湾に移ったことを察知した戦闘機軍団司令部は、1/11の海岸沿いに迎撃機を集結させます。そこへ、護衛機に先導された7部隊の爆撃機が突入してきます。上空から逆落としに攻撃をかけるSpitfireとHurricaneの大部隊がMe109を殲滅すると、He111の4部隊とJu88の3部隊を容赦ない反復襲撃で全滅させ、一気に18点(!)を獲得します。
9.7 空前の大戦果
 この日は散発攻撃だったため、もう一派で1ヒットを受けるものの、総VPは9点と、実に約1ヶ月ぶりにプラスに転じます。
9.7
  9/8は晴天だったにも関わらず、迎撃のdrが振るわず、3カ所が攻撃を受け、総VPは5点と、一時減少しましたが・・・。
 間もなく北部から増援がやってくると噂が立った9/9、天候は曇りで通常攻撃となります。この日は、午前中からレーダーサイトへの攻撃が続きます。第1派のForenessレーダーへの攻撃はスルーしますが、第2派のWorthレーダーへの爆撃にはあらん限りの迎撃機を注ぎ込んで、決戦を挑みます。のべ16ユニットのRAFの猛攻により、護衛のMe109の2部隊に始まり、Me110の3部隊、Do17の3部隊が大西洋の藻屑と消えます。
9.9 Worthレーダー防空戦
 さらに第3派のHornchurch飛行場攻撃も6/11セクターの全力迎撃を受け、低速のJu87の3部隊が殲滅されます。この日の戦績は11部隊を越え、1日としては9/7の大戦果を上回ります。
9.9 Hornchurch防空戦
 そして、迎えた待望の9/10、RAFは合計18点のVPを注ぎ込んで、全増援部隊を南部の戦線に投入します。が、まだ、移転途中のため、この日は参戦せず。9時には「哨戒飛行部隊の帰還」が起こったため、5度の爆撃を許しますが、VPは7点と依然としてプラスが続きます。
9.10 第3派
9.10
 9/11、戦果が芳しくなかったために、ドイツ軍のゼレーベ作戦は6日間の延期となります。増援の戦闘機も出撃準備が整い、数の優勢を取りつつあるRAFは、第1派のTangmere飛行場攻撃を迎撃します。Spitfire10部隊とHurricane8部隊は、護衛のMe109の3部隊を全滅させ、爆撃を阻止します。その後の2派も退けて、VPは15点に上昇します。
9.11 ゼレーベ延期
 9/12、それでもルフトヴァッフェの晴天時全力攻撃は、いまだ、強力でした。半端な迎撃は危険と、RAFがハイスタックを作ったのはよかったのですが、爆撃目標はことごとく裏をかかれます。「哨戒飛行部隊の帰還」が10時に発生したため、5度の爆撃を阻止できず。VPは6点と再び、一桁に。
 翌9/13は、曇天の散発攻撃で、状況はほぼ変わらず。
 いよいよ、ラストスパートに入った9/14、増強されたRAFの顎がドイツ空軍をかみ砕きます。13時のレーダー攻撃こそ、3ダメージを受けたものの、早朝からの飛行場攻撃を大部隊で迎撃し、護衛機ごとHe111とDo17編隊を全滅させます。この時点で、ドイツ軍の補充トラックはいっぱいとなり、回復できない部隊が続出します。
9.14 Kenley防空戦
9.14
 9/15、またも曇天となり、攻撃は散発に。朝一のファイター・スイープには引っかかったものの、Hurricaneが損傷したのみ。Hornchurch飛行場攻撃で2ヒットを受けるも、VPは勝利水準の18点を維持します。
9.15
 泣いても笑っても最終となるであろう9/16、晴天で全力攻撃が発動し、久しぶりのドイツ空軍爆撃日和になります。
 第一派のWorthレーダー攻撃は、勝敗には影響が少ないため、スルー。第2派のBristol工場攻撃は1部隊のみと判明したため、12戦力の迎撃を投入し、Me111を殲滅します。
 第3派、第4派はいまだ10時にも満たなかったため、スルー。10時のHornchurch飛行場攻撃はまたもや1部隊だったため、迎撃して撃墜します。
 度重なる護衛任務により、この時点でMe109は全てが疲労し、爆撃機に同行することさえ不自由になります。
 13時、North Weald飛行場を狙った攻撃を、一転してRAFが迎撃します。敵戦闘機も善戦するものの多勢に無勢、かつ疲労状態により、次々と討ち取られていきます。
9.17 第7派、邀撃
 終盤、17時にKenley飛行場を襲った爆撃隊を、RAFは最後の力を振る絞って迎撃します。満足な護衛もできないドイツ空軍に対し、休養十分なSpitfireとHurricaneが襲いかかり、Me109の1部隊、Me110の2部隊、Ju88の2部隊を全滅させます。
9.16 第9派の死闘
 ここで、日没。VPはうなぎ登りとなり、空前の31点を獲得します(後4点でサドンデス勝利でした)。この結果にヒトラーは英本土上陸を諦め、大英帝国の勝利となりました。 ・・・長い、長い戦いでした。前半は史実通り、優秀なルフトヴァッフェに押されまくりましたが、奇跡的に荒天が連続し、命運をつなぎました。中盤も、第2航空軍と第3航空軍の共同攻撃が発動し、第二の危機を迎えましたが、RAFの乾坤一擲の迎撃と、またもやタイミングのよすぎる荒天により、VPをプラスに戻して終盤に。9/10以降は大量の増援により、終始、優勢に作戦を進め、最終日にはサドンデス勝利かという戦果で勝利を飾りました。
終了時
 はじめのうちはカードに翻弄されがちですが、慣れてくると爆撃目標の推定とイベントの確率が推定できるようになり。あとは、敵の編成を見極めて(推測して)迎撃を行うことで、確実に敵兵力を削れるようになります。VP的には押されまくっている感がありますが、「まだ、限界ではない」と見極めて消耗戦に徹することで、大英帝国のTheir Finest Hourとすることができます。
 いつか、また、キャンペーンに挑戦してみたいです。

 今月のソロプレイ第3弾は、「RAF」(HJ)からシナリオ「薄く青い戦線」です。バトル・オブ・ブリテンの佳境と言える8月27日開始で、9月11日のゼレーベ作戦の決行・延期までの比較的長いシナリオです。

8.27開始
 初日の8月27日は、規定により晴天の通常攻撃です。第1派のTangmere飛行場への攻撃は1部隊のため、見送りましたが、迎撃を受けなかったDo17が1ヒットを与えます。
8.27 初迎撃は失敗も・・・
 第2派は、内陸のDuxford飛行場が目標となり、Me110護衛付きのDo17の1部隊となります。これは落さんとSpitfireとHurricane各1部隊で迎撃するも、まさかの一方的な損傷となります。爆撃の損害がなかったことが、幸いか。
 第3派は、Hornchurch基地への大規模空襲となったので、3セクターの全迎撃機を投入します。戦力集中が奏功し、Me109を損傷させ、Me110の2部隊とDo17を、撃墜します。最後に、第4派でMe110がHornchurch基地へ機銃掃射を行うも外れとなり、日没を迎えます。
8.27 Hornchurch基地で邀撃、初期としては大戦果!
 2日目は、3派の空襲があり、若干のVPを失うものの、総VPは5点とまずまずの滑り出しです。
8.28
 ところが、3日目の8月29日から、状況は一変します。この日は曇りながら、ドイツ空軍初の全力攻撃が実施されます。イギリス軍は全迎撃機をパトロールに投入します。
 早速、6時のDebden基地の空襲を撃退したのですが、ここでイベント「哨戒飛行部隊の帰還」が発生してしまいます。給油のため、ほとんどの空域から飛行状態のRAFがいなくなり、ドイツ軍の独壇場に。
8.29 全力攻撃の初回に、哨戒機帰還
 前日のHornchurch飛行場に、Biggin Hill基地、再び、Debden基地へ、さらに工場やレーダー、港湾も爆撃を受け、地上で損傷する機も続出します。1日が終わった時点で、総VPは-3点に急降下します。
 続く、8月30日は晴天。前日に全力攻撃だっため、ドイツ軍の行動は鈍るはずでしたが、まさかの二日連続の全力攻撃に。
8.30 晴天でまさかの全力攻撃が連続
 午前中だけで7派の連続空襲が起こります。RAFも必死に迎撃し、前半は大健闘してMe109を含む全6機を撃墜します。が、後半は迎撃可能機が激減し、Biggin Hill基地や内陸のMiddle Wallpo基地まで爆撃を受ける状態に。終わってみれば、1/3以上にあたる14部隊が消耗状態となり、VPはさらに低下し-8点となります。
8.30 第5派を全力迎撃、戦果も・・・
8.30 RAF大消耗
  8月31日は曇りで散発攻撃になるも、なおも飛行場攻撃が続き、VPは-14点に下降。
8.31 曇り散発も爆撃が続く
 9月に入っても、ドイツ空軍の猛攻は止まらず。6時の第一撃で、Ryeレーダー基地が襲撃され、5ターンに渡って使用不能になります。そして、致命的だったのは、ここでイベント「共同攻撃」が発生!それまではルフトヴァッフェの第2航空軍と第3航空軍は別々に爆撃を行っていました。片方に出撃が偏ると部隊の疲労・消耗が進むので、そこを狙ってRAFが迎撃機を大量投入するという作戦が有効でした。が、このイベントにより、戦区を越えて部隊が投入されるようになり、RAFは常に休養十分な敵機を相手にする羽目になります。
9.2 共同戦線の実質開始
 効果は覿面で、上空には健全な護衛戦闘機が大量にいるため、RAFの損害が多くなります。曇りにも関わらず日没までに7派の猛爆撃が続き、この日が終わった時点で、VPは最悪の-22点に。
 きつい、きつすぎる!このまま、数日間の全力攻撃を受け続ければ、RAFの防空網は崩壊し、爆撃し放題でサドンデス敗北になりかねない事態に。
 しかし、この状況が再び、一変することに。翌9月2日は、曇りの散発攻撃で一度しか空襲はなく、Tangmere飛行場が1ヒットを受けたのみでした。が、イベント「目標優先順位の変更」で、無差別爆撃(都市爆撃)が発動します。この結果、目標カードの大幅な入れ替えが起こり、イギリス空軍の撃滅のため飛行場や工場を目標としてきた優先順位が、ロンドンを中心とした都市爆撃に変更になります。
9,2 最悪の-22VP
 9月3日、最初の空襲は想定通りのLondon爆撃に。健全なMe109が大量にいたため、敢えてこれを無視し、第2派の6部隊によるLondon空襲を、上空にいた15部隊のRAF編隊で迎撃します。史上最大の航空戦は、護衛戦闘機ごと全ての敵部隊を殲滅するという、RAFの大戦果に。
9.3 ロンドン爆撃始まる!6部隊を殲滅!
 さらに、Tangmere飛行場に飛来した4部隊を集中迎撃し、これも全滅させます。
9.3 さらに4部隊を撃滅
 夕刻の15時の最終爆撃が終わった時点で、一気にVPは回復し、-2点となります。が、さすがに全力の迎撃により、RAFも約半数の部隊が休養状態になります。
 ここで、僥倖が起こります。9月4日が飛行機が全く飛べない荒天に。
9.4 荒天で回復
 この完全休養で息を吹き返したRAFは、その後、連続したイベント「哨戒飛行部隊の帰還」に悩まされながらも、第2・第3航空軍の通常攻撃をギリギリで持ち応え、9月10日を迎えます。
 この日、増援部隊の補充の目途が付いたRAFは、9VPを払って残り全ての予備兵力を獲得します。そして、第1派のKenley基地襲撃に対し、ロンドン上空で待機していた14ユニットを投入。護衛のMe109ごと6部隊の爆撃隊を殲滅し、ついにVPを0点に戻します。
9.8 首都上空の密集哨戒
 9月10日の荒天の後、9月11日に予定していたゼレーベ作戦の延期が決まります。ドイツ軍はなんとか大勢を挽回せんと、大規模空襲を繰り返しますが、目標の多くがロンドンを中心とした都市爆撃に限られたため、敵部隊を観測して一気に大部隊で迎撃するRAFの作戦の前に、損害と殲滅が続きます。
9.10 Kenley攻撃部隊を殲滅
 9月12日には久しぶりの全力攻撃で7派の爆撃になるものの、度重なる出撃で戦闘機部隊が疲労状態を早める結果となります。そこへRAFが全力迎撃を敢行したため、ドイツ軍の損害が増え続けます。当然、RAFも疲労するものの機体の損失は抑えられたため、回復で防空力を維持します。
9.12 久しぶりの全力攻撃も・・・
 9月13日、曇り空の下の散発攻撃に対しても、RAFは継続的な迎撃を繰り広げ、VPを27点に伸ばします。
9.13 さらにドイツ軍が消耗
9.13終了時
 9月14日、早々に「哨戒飛行部隊の帰還」のため、三度の爆撃を許したものの、ここまでの積み重ねが効いて、RAFの優勢は変わらず。
 そして、迎えた9月15日、あまりの損害の多さと挽回の見込みのない展開に、ヒトラーは、あしか作戦の中止を決定しました。
 いやー、苦しかった。前半は、ルフトヴァッフェの全力攻撃と2個航空軍の共同攻撃により、防空隊の崩壊直前まで行きました。が、9月2日の敵の戦略目標の転換により、息を吹き返したRAFが迎撃機の大量投入による反撃に転じ、ドイツ軍の消耗に成功。最後までこの方針を維持したイギリス空軍により、敵戦闘機の不足を呼び起こすことに成功し、逆転勝利となりました。

 今月のソロプレイ第2弾は、「RAF」(HJ)からシナリオ「最も苛酷な日々」です。
 「RAF」(HJ)はRoyal Air Force(イギリス王立空軍)の略称で、1940年のイギリス本土航空戦を描いた、ウエスト・エンド社のゲームです。変わっているのはソロ専用という点で、「Ambush」(HJ)など、ソロアイテム制作では評判の高いジョン・バターフィールドがデザイナーです。

T0
  1ターンは1日で、天候決定から始まり、RAFの哨戒計画、ドイツ軍の作戦計画が日々、設定されます。この状況に沿って、ドイツ軍の空襲計画をランダムのカードの引きで決定していきます。その時のレーダー情報等によって、RAFは迎撃の戦闘機部隊を投入していきますが、部隊の規模や種類まで判明している場合から、全く不明な状況まで、千差万別です。大規模空襲に戦闘機部隊を集中投入したらファイタースイープだったり、逆に少数の戦闘機が奇跡的に敵の爆撃を阻止したり。どの程度の部隊を投入し、どの施設を守るのか、その都度、柔軟な対応が求められます。
 さらに、空襲の度に発生するイベントで、ドイツ軍の目標優先順位が変更になったり、哨戒部隊が燃料切れになったり、敵が合流に失敗したりと、様々な変化が起こります。
 戦闘機部隊は一度、投入すると、疲労面になって精度が低下します。さらに、出撃すると、休養ボックスで1日を過ごす羽目に。
 情勢を見極めつつ、軽重をつけて、貴重な戦闘機を送り込み、運を天に任せて健闘を祈る-そんなタフな戦いが求められます。
 今回は、はじめの7日間の戦いを描いた、シナリオ「最も苛酷な日々」です。
 第1日目(8/11)は、晴天でドイツ軍の通常攻撃です。早朝6時に8部隊による大規模空襲が、Tangmere飛行場を襲います。が、出遅れたRAFは少数の随時投入を避けるべく、あえてこれを見送ります。降り注ぐ爆弾が滑走路を掘り返し、待機中のハリケーン中隊に損害を与えます。
T1B1 Tangmere
 続いて、10時にロンドン近郊のBeggin Hill飛行場を、Ju88とHe111の混成部隊が襲います。早期の捕捉に成功したイギリス軍は、6つの戦闘機部隊をかき集め、迎撃を行います。結果、Me109を休養ボックスに送り、疲労状態のJu88を撃破しますが、生き延びたHe111が爆撃に成功します。この日の空襲は、これで終わり、VPは0点のままです。
T1B2
T1終了時
 と、第2日目(8/12)は、いきなりの荒天で、両軍とも航空作戦はできず。
 第3日目(8/13)は、天候は完全に回復し、晴天でドイツ軍の全力攻撃が始まります。第一撃は6時で、Forenessレーダー基地が狙われます。なんとか戦闘機部隊の「目」を守らんと、スピット・ファイアを含む8部隊を投入し、Do17を全て損傷させます。が、こちらもスピット・ファイアとハリケーンが損傷に。
T3B1
 迎撃機の1/4を疲労したRAFに対し、ドイツ軍の攻撃は執拗を極めます。同時刻に港湾のPortmouthとPlymouthを爆撃し、H打撃を与えます。さらに12時にSouthampton襲撃と見せかけて、Polingレーダーを攻撃し、これを2日間、使用不能にします。
 RAFも全力で迎撃するも徐々に消耗し、後半には疲労困憊で全く迎撃できない状況に。
T3 疲労し尽くしたRAF
 ドイツ軍は攻撃の手を緩めず、15時にはBeggin Hill飛行場を、合間の16時にBeachyレーダー基地を攻撃し、5日間使用不能にします。さらに17時には再び、Beggin Hill飛行場を襲って、H打撃(3VP)と大損害を与えます。
 最後のDuxford飛行場爆撃が終わったのは、18時でした。大胆にもロンドン後方の奥地に進入したHe111に対し、5機の戦闘機が気力を振り絞って迎撃し、なんとかこれを阻止しました。
T3B8
 延べ8回にわたる大規模空襲で、2回は阻止したももの、6回で爆撃を成功され、VPは一気に-13点に。
T3終了時の損耗状態
 第4日目(8/14)は、曇天となるも、ドイツ軍の通常攻撃が続きます。40%以上の兵力が疲労状態にあるRAFは、穴の空いた哨戒空域に、隣接地区から戦闘機を送り込み、なんとか薄い「迎撃線」を張ります。
 6時のNorth Weald航空基地への第一撃は、敢えて見送りますが、敵が空中集結に失敗したので(イベント)、2ヒットに止まります。
 続く、10時の空襲は、修復しつつあるPolingレーダー。なんとしてもこれを阻止せんと、スピットファイア3個中隊を注ぎ込んで、爆撃機を蹴散らします。
T4B2
 最後は、14時のHornchurch基地への爆撃となり、可能な部隊をかき集めて抵抗し、1ダメージに止めます。
 これで終了したので、RAFの戦力も若干、回復しましたが、VPはさらに悪化し、-14点となります。
T4
 第5日目(8/15)は、曇りながら、晴天でドイツ軍の通常攻撃です。機能不全に陥っていたPolingレーダーが回復します。
 この日は、4回の空襲が来ます。6時のWeymouthへの大規模空襲は、迎撃が少ないため、敢えて行わず、1ヒットを受けます。
 続いて、内陸のMiddle Wallop基地への攻撃は、爆装のMe110のみのため、2分隊で迎撃し、蹴散らします。
 そして、14時には、Beggin Hill飛行場攻撃に見せかけた、ロンドン爆撃が敢行されます。早期警戒に成功したRAFも全力で迎撃し、Ju881部隊を撃破します。
T5B3
T5B3 大空中戦
 最後に、17時に港湾Doverが襲撃され、1ヒットとなります。これにより、VPは-16点と、かなり厳しい状況に。
T5
 それでも、状況の好転を信じて、第6日目(8/16)へ。この日は、曇天でドイツ軍の(初の)散発攻撃です。空襲回数は少ないはずと踏んで、積極的な迎撃を試みます。
 6時のRyeレーダー基地攻撃は、Me109のファイタースイープのため、2部隊で対応します。
 そして12時のHornchurch基地への攻撃がこの日の最後の襲撃とみて、全力で迎撃をします。護衛の戦闘機を叩き落とすと、全戦闘機部隊は無傷で爆撃機へ。エスコートを失ったDo17とHe111に対し、各2個中隊のスピット・ファイアとハリケーンが集中攻撃をかけます。結果は、2個爆撃隊の撃墜!これにより、VPは-12点まで回復します。
T6B2 敵を殲滅
T6
 迎えた最終日の第7日目(8/17)、ここで全力攻撃が来たら、防ぎきることはできなかったでしょう。僥倖にも、天候は荒天!これにより、VPは-10点で決着し、ギリギリのところで引き分けに持ち込むことができました。
 全てを守ることは不可能なので、ローテーションに気を配り、軽重をつけて部隊の投入をしたつもりですが、読めない敵兵力と振れの大きい空戦結果により、ああ、苦しかった(負けないでよかった)。もっとも当時のイギリスの置かれた状況と考えれば、雰囲気はバッチリですね~。続きも、ソロで頑張ります(そりゃ、ソロ専用ですから、笑い)。  

 今月のソロプレイ第1弾は、「独立雷撃隊出動」(Bonsai Games)です。Quaeter International社が発売したソロ戦用の空戦ゲームで、BANZAIマガジンに最新号に転載されました。
 このゲームの変わっている点は、イタリア空軍の攻撃機SM79を主役にしているところ。第2次世界大戦の地中海を舞台に、サヴォイアSM79のクルーとなってイギリス軍の船団を攻撃したり、ジブラルタルを狙ったりします。
 任務は10回で、13の任務カードからランダムに決定します。目標の隻数、天候や敵の護衛の追加情報があり。目標艦はこちらもランダムに艦船カードから引いてきます。防備は厳重ながら価値の高い空母や戦艦から、対空砲の多い護衛艦、狙いやすい輸送艦まで14枚あります。
 攻撃は、基本7枚のイベントデッキに、天候による太陽、雲、波カード、オプションの対空火器、敵戦闘機、味方護衛機、高速飛行カードを指定通りに加え、ランダムに引いてきます。目標までの距離7からスタートし、1枚のイベントを処理すると距離が一つ近づきます。距離4回になると雷撃が可能になりますが、近づけば近づくほど魚雷が当たりやすくなります(距離1なら75%)。が、対空砲火も強力になるので、どの距離で魚雷を放つかの判断が求められます(距離1なら同じく75%で損害)。
 10回の任務中、何隻(何回)に命中させたかで、与えられる勲章が異なります。0-2隻なら叙勲なし、3隻以上なら戦功十字章、5隻以上なら銅勲章、7隻以上なら銀勲章、9隻以上なら金勲章です。戦功金勲章はよほどの幸運がないと、難しいでしょう。これ以外にも大型艦に攻撃が成功すると、追加で戦功銀金勲章が獲得できます。
  事前の演習後に、今回のソロプレイに。
 第1任務は、「追跡」。天候は快晴で波高し(陽光、波カードをイベントに追加)。目標艦は、輸送船RAWNSLEYです。
 開始早々、かなりの高波があり、一旦、任務をやり直します(波カードが2枚となり、距離1でも魚雷命中が50%となってしまうため)。注意を引くため、対空射撃の命中率は上昇しますが、輸送艦は対空射撃は低めと判断して、リトライです。
  序盤から思った以上に対空射撃が来ますが、距離があったためと、陽光と雲を利用したことで命中なし。高波の中でしたが、至近距離から必殺の魚雷を放ちましたが・・・まさかのはずれ(命中値は66%だった)。 

T1
 いきなりコケた第1任務でしたが、気を取り直して第2へ。任務は、「マルタ船団攻撃」。天候は曇りで、敵戦闘機あり。目標艦は、輸送船TANIMBARです。
  雲を利用して接近したため、距離2まで無事に通過します。距離1で敵戦闘機に襲われますが、幸運にも損害なし(破損確率は66%でした)。
 雷撃は、今度こそ、成功し、戦績1となります。
T2
 第3任務は、「ハープン作戦襲撃」。天候は快晴で、敵戦闘機2機、味方護衛機1機。3隻の敵艦から駆逐艦FEARLESSを選びます。
 対空砲火を浴びながら接近すると、距離3で敵戦闘機が襲来!これに味方戦闘機が対抗しますが、時代遅れの複葉機CR32には荷が重かったか、阻止できず。が、敵機の攻撃も奇跡的にはずれに。
 そのまま、接近を続け、至近距離から対空射撃を受け、1ダメージを受けます。これに動揺したか、魚雷ははずれ。う~む、3任務中、成功したの1任務のみで、この時点で戦功金勲章はなくなりました(泣)。
T3
 第4から第6任務は、全て「北アフリカ」。沿岸を通る敵の独航艦を狙います。時折、対空砲火を浴びますが、距離があったり、外れとなったりで、いずれも至近距離での魚雷発射に成功します。が、1発が外れ。ここまでの命中率はわずかに50%(期待値では75%あるのに)・・・とほほ。
 まあ、よかったのは、機体損害がほぼないことでしょうか。第5任務で1ヒットを受けましたが、迅速な修理で回復しました。
T6
 いよいよ、正念場の後半戦へ。
 第7任務は、再び、「マルタ船団攻撃」。雲を使って、うまく対空砲火を躱した距離2で雷撃(距離1だと敵機の攻撃の確率が高いため)。見事に命中し、はじめて命中数が失敗数を上回ります。
T7
 第8と第9任務は、いずれも「エーゲ海」。ここで、なんと戦艦ネルソンが出現。極めて強力な対空砲火ですが、陽光と雲を巧みに使って、距離2で必殺の魚雷を撃ち込みます。これが、見事、命中し、オプションの戦功銀勲章を獲得します。
T8
 もう一隻の独航輸送船も沈めて、ヒット数が7となります。
 最終の第10任務は、「ペデスタル作戦」。同作戦は、イギリス海軍がはじめて空母3隻によるタスクフォースを組んだ作戦です(それも輸送船団護衛のため!)。3隻から目標を選択ができますが、狙うは最大の艦船、空母インドミタブル!対空砲火5枚に、直衛戦闘機4枚(!)という強力無比な防御網です。
 序盤から容赦なく対空砲火が来ますが、距離があったため、当たらず。雲を抜けて距離を稼ぎますが、最後の距離1で案の定、敵襲来。が、まさかの損害なしになります(このキャンペーンでは一度も敵機が攻撃に成功しませんでした)。
 対空砲の曳光弾に包まれながら、敵空母の巨体にギリギリまで近づいたところで、魚雷発射!最後の一撃が見事に船体を直撃し、任務達成となりました。
T10
  最終的な戦果と叙勲は、 
 7隻に魚雷命中       …戦功銀勲章
 戦艦ネルソンに魚雷命中   …戦功銀勲章
 空母インドミタブルに魚雷命中…戦功銀勲章
と、戦功銀勲章を3つも獲得し、序盤の雷撃が嘘のようなリカバリーぶりでした。それでも、戦功金勲章は遠いですが。
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 作戦の決定から、目標艦の多様さ、はらはらドキドキの雷撃と、実にテンポよく、かつ、内容も地中海海戦らしい、佳作アイテムです。慣れれば、1時間程度という、プレイ時間もGood!
 雰囲気のよいプレイをしていて、以前、ちはら会で(唯一)制作した「ペデスタル作戦」を思い出しました。https://chiharakai2005.at.webry.info/200704/article_13.html
 また、「アークロイヤル」(ツクダ)にも、上記の作戦シナリオもあったので、これを呼び水に、対戦したくなりました。

 この日の初戦は、デザイナーの平さんが持ち込んだ「バトル・オブ・ブリテン・カードゲーム」(グループ乾坤一擲)です。以前もちはら会でテストをしたことがあり、80周年記念の発売に向けて、改良版のテストプレイです。
 今回は、陣営を固定し、ドイツ軍(mitsu)・(平)・(ゆいしか)対イギリス軍(Tommy)となります。
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 序盤、やたらとRAFの戦闘機が来て、ドイツ軍の航空機が削られていきます。このままでは、ドイツ軍全体が敗北すると危機感が高まり、急遽、三者の協力プレイに。
RAFエースの迎撃
 まずは、レーダー基地を爆撃し敵の対応力を奪ったところで、航空基地やロンドン以外の都市の爆撃を行います。結果、RAFの戦闘機の被害が増大し、かつ、生産工場も打撃を受けます。
 と、中盤になったところで、イベント「鷲の日」と「ロンドン爆撃」が出ますが、ルフトヴァッフェの戦闘機部隊の勇戦で、RAFの迎撃力が低下します。
 そして、ついにイギリス軍の山札が枯渇し、ドイツ軍の勝利に。VPを換算したところ、2回の都市爆撃を成功させたmitsu航空軍が15点となり、勝者となりました。 非常に手軽なのに、史実の再現性も高く、なによりプレイして楽しかったです。
終了時

 到着して、集まりを待っていたところ、千葉会へ参加のゆいしかさんが「見学」に来まして。せっかくなので、「KOMET!」(Bonsai Games)をインストプレイしました。登場兵力は、基本シナリオのMe109G×4とP47D×4です。

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  第1ターン、両軍は慎重に前進します。と、Me109Gの01号機が高速機動を掛け、P47Dに側面射撃を見舞いますが、防弾装備に弾かれ、損傷なし。
T1 01号機の先制射撃
 第2ターン、ここから、両軍入り乱れての乱戦になります。ここで気を吐いたのが、先制射撃を行ったMe109Gの01号機。猛烈な機動で、P47D04号機を追いかけ、これを損傷させます。
T2 01号機が、P47の4号機を損傷させる
 さらに、援護に入った03号機の側面を捕らえ、一発で撃墜!「エースだ、あいつはエースだ!」
T2 01号機が敵機3号機を撃墜!
 アメリカ軍も度々、射撃を行うもののdrに背かれ、1機を損傷させるのがやっと。
 第3ターン、にっくきMe109G01号機に対し、損傷した04号機が決死の機動で後方をとり、やっと損傷させます。
T3 にっくき01号機を損傷させる
 アメリカ軍は本来の射撃の優秀性(高火力+1)を取り戻すと、第4ターンに次々とヒットを与えます。後半にドイツ軍の3機目を撃墜し、ジ・エンド。Me109Gの01号機にかなり苦労させられましたが、チーム戦でどうにか勝利できました。
終了時
 その後、休憩中の空き時間を利用して、追加シナリオ「バトル・オブ・ブリテン」をソロプレイ(!)しまして。
 シナリオ1は、Me109Eに護衛されたHe111を盤端に突破させるシナリオで、Spitfire3機がこれを迎撃します。
 左端を駆け抜けようとするHe111をスピットファイア2機が追いかけ、1機を撃墜。怒り心頭のドイツ軍は、護衛のMe109がスピットを追いかけ、再三、攻撃をかけますが、機動チット「ブレーク」等で損傷させるのがやっと。
ブレークで躱す!
  が、もう一機のHe111がエンジン全開で駆け抜けて、突破に成功。これによって引き分けとなりました。
He111の後方に回り込むも・・
 シナリオ2は、鈍足のJu97を損傷したSpitfireが迎え撃つというもの。Spitfireは速度が落ちていて、チャンスはわずかしかありませんでしたが、幸運にも突破直前に後方にぴたりと付け、一斉射撃。見事、撃墜を出し、RAFの勝利となりました。
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 これで「KOMET!」はヴァリアントも制覇できました。
 う~む、例会場でソロプレイなんてと思っていましたが、頭の切り替えには、けっこうイケることがわかりました。今度、ちはら会でコロナ対策として「全員ソロプレイ例会」でも行きましょうか?!(ウソ)

 続いて、mitsu・平・ybs・にしの4人で、グループ乾坤一擲の新作の「バトル・オブ・ブリテン・カードゲーム」のテストプレイに移ります。このゲームは「ビスマルク追撃戦」と同様に、基本はドイツ軍をプレイしながら、イギリス軍が輪番で回ってくるシステムです。

 基本はドイツ軍プレイヤーとして、爆撃隊を編成し、レーダーや航空基地、後半になるとロンドンやその他の都市を爆撃します。成功すると、迎撃の手順が替わったり(レーダーの損傷)、VPが手に入ります。この時、イギリス軍は迎撃隊を組織して、妨害をします。敵を撃破すると、イギリス軍としてのVPとなります。

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 ゲーム自体は、ドイツ軍カードか、イギリス軍カードが尽きたときに、残っている側が勝利します(それだけ敵を損耗させたとみなす)。ドイツ軍の勝利ならVPが最も高いプレイヤーが勝利します。イギリス軍の勝利なら、イギリス軍として獲得したVPが最も高いプレイヤーが勝利します。

 序盤は、ドイツ軍の3個航空艦隊が、イギリスに襲いかかります。史実通り、レーダーを潰し、ドイツ軍の進入が楽になり、VPが上昇します。

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 が、中盤になって、ロンドン空襲が可能になると、高VPを狙って、奥地への進入が多くなります。レーダーの回復により、敵の動向をつかんだRAFは、効率的にドイツ軍の迎撃ができるようになります。敵戦闘機の航続距離制限などもあり、ドイツ軍の被害が続出します。

VPは高いが、損害も多し

 このまま、イギリス空軍がルフトバッフェに痛打を浴びせ、勝利に。結果、RAFとして最も高いVPを積み重ねたにしさんの勝利となりました。

 初プレイでも1時間弱でしたが、手軽なカード形式でバトル・オブ・ブリテンをうまく表現できていまして。特に後半に都市爆撃にかまけて、ドイツ軍の損害が続出し、RAFの勝利となったあたりは、見事に史実を再現できていました。特別ルールで強制するのではなく、競合によりRAFに有利になるシステムは、うまい作りです。

 バトル・オブ・ブリテン80周年の来年に発売されるそうで、購入を考えたいと思います。

 この日のメインは、WWⅡ空戦ジャンルから「Down in Flames」(CMJ)でした。これまで数々のキャンペーンを制覇してきており、最後の昼間爆撃1944(ドイツ本土決戦)をプレイすることにします。

 第1任務は、史実通りノルマンディ戦で戦場1を選択します。オプションは、連合軍がNo.8でモスキート1機に任務ターンの2ターン縮小です。対するドイツ軍も、No.8(!)。太陽を背にしたMe262の2機と、早くも最強オプションです。

 第1ターン、高高度から急降下したMe262は、護衛のモスキートを瞬殺すると、後方のB-25に襲いかかり、第2ターンにこれを撃墜します。

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 連合軍も必死の対空防御で、Me262の1機を損傷させますが、最新鋭のジェット戦闘機の高火力を浴びて、もう1機のB-25も損傷状態に。が、ちょうど、敵の弾薬が切れたところで逃げ切り、分散爆撃でかろうじて、ノルマンディ上陸に成功します。

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 圧倒的に不利だった割には、任務の部分達成ができました。VPでは、わずか1点と、枢軸軍の大勝利レベルです。

 第2任務は、戦場7のルール侵攻を選択します。オプションは、連合軍がNo.1で、P51D とP47Dが各1機です。ドイツ軍は機数を優先し、No.5でMe109 KとFw190A3を2機、さらにMe410 を投入します。  

 第1ターン、戦闘機数は2:1と劣勢ながら、P51Dが果敢にFw190A3に襲いかかり、6ダメージで損傷を与えます。これに対し、Fw190A3の2機が逆襲に転じ、優位を取りますが、P51Dが巧みな機動で射線を外し、損害はなし。もう一方のP47Dは時間稼ぎのため、高空に逃げ、これをMe109 KとMe410が追います。

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 第2ターン、Fw190A3を撃墜したP51Dが高空に逃げ、時間を稼ぎます。護衛機がいなくなったところで、ドイツ軍はFw190A3とMe410を投入し、後尾にいたB-25に4ダメージを与えます。

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 第3ターン、そこへ逆落としに連合軍の護衛機が襲いかかります。第一目標は、ドイツ軍最強のBf109K。P51Dのエンジンがうなりを上げ、燃料タンクを狙って3連射!結果、一撃で撃墜となります。

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 怒り心頭のドイツ軍は、そのまま、2機による爆撃機攻撃を続行し、B-25の1機を撃墜します。

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 が、これが限界でした。対空射撃で損傷を受けていたFw190A3が、サンダーボルトの斉射を喰らって、撃墜。殊勲のP51Dも、機動力で劣るMe410の背後を取ると、4連射で撃墜します。

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 もはや、迎撃の恐れがなくなったB-25は悠々と爆撃を敢行し、ルール工場地帯に損傷を与えます。この時点で連合軍のVPは39点で、枢軸軍の辛勝まで回復します。


 第3任務は、戦場9のハンブルク空襲です。オプションは、連合軍がNo.4で、ウィスナー搭乗の1機を含む、P51Dの2機。ドイツ軍はNo.1で、ヴィルケ搭乗のBf109GとBf109K、Me410の各1機です。

 第1ターン、アメリカ軍エースのウィスナーは、敵のエースのヴィルケのBf109Gに攻撃を仕掛けます。いきなりの燃料タンク被弾!これを避けないと一発撃墜となるヴィルケは、エースチットを使って離脱を試みますが、ウィスナーもチットを投入した上に、エースカード!両軍のエース対決は、速攻でアメリカ軍に軍配が上がります。

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 怒ったドイツ軍は、Bf109KとMe410の2機で、もう1機のP51Dを追い詰め、これを撃破します。

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 残ったウィスナー機に対し、Bf109KとMe410が襲いかかりますが、巧みな機動で決定打を打たせません。

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 第4ターン、一瞬の隙を突いてシザーズを使ったウィスナーは、Bf109Kの背後を取ることに成功します。そのまま、次ターンにこれを撃墜します。

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 こうなると基本性能で大きく劣るMe410には勝ち目はなく、最終ターンに撃墜されます。

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 ボックス隊形を組んだ連合軍の重爆撃機は、通常高度で精密爆撃を行い、ハンブルクをエンジョウさせます。この時点で連合軍のVPは166点となり、まずは辛勝レベルに到達します。


 第4任務は、戦場8のドイツ南部の鉄道網を攻撃します。オプションは、連合軍がNo.2で、イギリス軍のスピットファイヤⅩⅣcの2機。ドイツ軍はNo.6で、Bf109Kの2機と高射砲の強化を選びます。

 第1ターン、獰猛なスピットファイヤⅩⅣcの2機は、共同でBf109Kに襲いかかり、これを撃墜します。もはや、全滅は必至と覚悟したもう1機のBf109Kは、B-24Dリベレーターに側面攻撃をかけますが、ダメコンが効いて、2ヒットを与えるに止まります。

 第2ターン、連合軍の2機の猛禽類は、爆撃機につきまとうBf109Kを襲撃し、2機目の攻撃でこれを撃墜しました。

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 当然、爆撃も成功し、鉄道網は破壊されます。これで、連合軍のVPは261点に上昇し、連合軍の大勝利レベルに。


 第5任務は、早くも戦場10のベルリン爆撃を選択します。オプションは、連合軍がNo.3で、エースのゼムケを擁するP47Dの2機です。ドイツ軍は、もはや後がないと、No.4でBf109GとK、さらに最後のジェット戦闘機Me262を投入します。

 第1ターン、連合軍は時間稼ぎのため、果敢にもドイツ迎撃機に挑みます。サンダーボルト1機がBf109Kの真後ろに付け、損傷を与えます。が、残ったBf109GとMe262は、ゼムケのP47Dを狙います。ゼムケもエースチットを繰り出すなど必死に回避しますが、手札の少なさが災いし、ついにMe262の機関砲に捉えられ、撃墜。

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 第2ターンに、残ったP47DをBf109Kと相打ちで撃破したドイツ軍は、重爆撃機編隊に突入します。側面からBf109Gが、後方からMe262が空の要塞B-17に襲いかかり、3ヒットを与えますが、猛烈な対空砲火でグスタフが炎上し、撃墜されます。

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 その後、Me262が追いすがり、B-17に10ヒットを与えますが、撃墜ならず。

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 生き残った重爆撃機編隊は、対空砲火を避けるため、分散爆撃を行い、大きな損害なく、爆撃を成功させます。

 これで、連合軍のVPは306点となり、連合軍の圧倒的勝利レベルに。

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 第6任務は、戦場4のハンブルク空襲を選択します。オプションは、連合軍とドイツ軍はともにNo.7です。連合軍はP38とスピットファイヤⅩⅣで、ドイツ軍はBf109Kが2機ですが、奇襲効果で第1ターンに敵戦闘機がいません。

 第1ターン、敵の戦闘機を出し抜いた2機のBf109Kは最後尾のB17に襲いかかり、8ヒットを与えます。連合軍も防御射撃で1機に3ヒットを与えます。

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 第2ターン、連合軍の戦闘機が介入し、4機による巴戦に。3ターンにBf109Kを撃墜し、さらに第4ターンにP38が高火力を生かして、もう1機のBf109Kも撃破します。

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 当然、B17は任務に成功し、得点は361ともはや連合軍の勝利は揺るがず。


 最終の第7任務は、連合軍が勝ち逃げを目論み、戦場5のオランダ空襲を選択します。オプションは、連合軍がNo.5で迎撃機がない代わりにターン数を3減少させます。結果、ミッチェルの2ターン減少と相まって、わずか1ターンの任務となります。ドイツ軍は、「戦いは数だよ」とばかりにNo.3のFw190A3の2機を追加します。

 1回だけ耐えれば終了する連合軍は、高速でオランダに侵入しますが・・・ここまでの鬱憤を晴らすかのように、3機のドイツ軍機が爆撃機に襲いかかります。Bf109KとFw190A3の連続攻撃でまず、1機を撃墜。残りの1機に、最後のフォッケウルフが性能限界を突破して接近し、至近距離から鋭い一撃!これが燃料タンクを撃ち抜き、見事に完勝となりました。

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 結果、爆撃を阻止したことにより、30点が入り、最終的には306点で終了しました。ただし、ここまでの累積が効いて、ドイツ本土決戦は連合軍の圧倒的勝利で幕を下ろしました。


 この対戦により、「Down in Flames」(CMJ) の全シナリオを制覇しました。同時にWWⅡ空戦ジャンルとしても、5割を超えましたので、そちらの記事もご覧ください。

 二つ目は、傑作カード空戦ゲームの「Down in Flames」(CMJ)です。以前、途中までドイツ本土決戦のキャンペーンをしていたのですが、間が開いたので、仕切り直しで「スターリングラード」キャンペーンに取り組みます。陣営はmitsuがドイツ軍で、Tommyさんがソ連軍です。

 第1ラウンドは、南の防衛線を巡る戦闘で、Bf109E +FW190Aの混成ロッテとYak-1×2の戦いに。Bf109EとYak-1 はほぼ互角ですが、機動性に勝るFW190AがYakを追い込み、エミールがとどめを刺して勝利に。                          

R1-2

 第2ラウンドは、北の防衛線を巡る戦闘で、混成ロッテとYak-1×2という前回と同じ陣容です。展開もほぼ同じで、FW190Aが敵を確実に屠り。Yak-1も意地で、スツーカを攻撃しますが、2ヒットを与えたのに止まり、爆撃は成功します。

R2

R2-2

 第3ラウンドは、いよいよ、スターリングラードの市街戦に。Bf109E +Bf109F+Bf110の重護衛に対し、ソ連軍は最新鋭機のMig-3を投入します。さすがにMig-3は秀逸で、Yak-1と合同でBf109Fを撃墜します。

R3-3

 が、ドイツ軍も反撃でBf110cがYak-1を屠り、機数は2:1に。このBf110cもMig-3に討たれ、1:1になりますが、ここで爆撃予定だったBf110cが爆装を投げ捨て、戦闘に介入。

R3-2
 最後は、Bf109EがMig-3を狩って、3連勝となります。
R3-1

 第4ラウンドは、中央のママエフ墓地を巡る戦いに。Bf109Fの攻撃で損傷したYak-1はシザーズで形勢を逆転しましたが、二番機の横撃を受けて、撃墜されます。

R4-2
 怒り心頭のMig-はBf109Fを損傷させますが、あと一歩、及ばず。後方から僚機のBf109Eの攻撃により、散華します。
R4-1

 第5ラウンドは、中央工場地域の攻防へ。ここでドイツ軍はエースのグラーフを投入します。当然、ソ連軍も正念場とエースを投入かと思いきや、通常の防御に。こうなると、展開は一方的に。グラーフが初手でYak-1を撃墜。

R3-2
 もう一機のYakはHe111に食いつき、墜落寸前まで追い詰めますが、残りの2機の挟撃を受けて、散華。爆撃も成功し、この時点でドイツ軍の勝利が確定しました。
R3-1

 単機ずつでも楽しめますが、先行きを考えながら作戦を練る楽しみは、やはり、キャンペーンならでは、でした。

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