今月のソロプレイ第4弾は、「エプソム作戦」(Tactics誌)です。雑誌に付いたミニゲームなんですが、これが見た目と違って難度が高く。というのも、一般的な共通ルールではなく、イギリス軍とドイツ軍にかなり別のルールが適用されるためです。今でこそ、各陣営毎に行動内容が異なるCOINシステムがありますが、当時はこのルールが斬新すぎて(自分も今回まで未プレイでした)。
T0
 まず、イギリス軍は全て師団単位で、ドイツ軍は初期配置の第12SS装甲師団が全て大隊単位です。これを反映して、規模の大きいイギリス軍は、高い移動力(歩兵8移動力、機甲師団12移動力)と敵ZOCからの離脱自由が適用されます。一方のドイツ軍は、なんらかの味方ユニットが敵を足止めしていないと、離脱ができなくなっています。移動力自体は4とイギリス軍の半分ながら、いずれのへクスも1移動力消費で済みます(河川の渡河も追加移動力なし)。これは、敵制空権下での夜間または隠密移動を表していると考えられます。また、道路移動は1/2で行えますが、終了時に1d6して、道路移動消費力以下が出ると、損耗状態(DD)になってしまいます。
 戦闘も別々の戦闘結果表を使い、修整も大幅に異なります。イギリス軍は一度に複数の敵ユニットを攻撃できますが、-2から-4のマイナス修整が付きます。対するドイツ軍は単独で接敵している敵しか攻撃ができず(つまり、1ユニットのみ)、修整値も諸兵科連合とロケット砲の参加、師団規模ユニットの参戦などで最大+5の修整が付きます。ただし、ユニット規模が2ランク小さいので、最良の条件下でも撃破にはdr5以上が必要です(連合軍は通常条件でdr5以上)。共通している修整は、包囲攻撃(+1)と河川越しの攻撃(-1)のみです。
 また、ドイツ軍は攻撃を受けた際に「反撃」という名の防御行動ができ、6(連合軍の支援なしの攻撃時には5-6)を出せば、攻撃自体をキャンセルできます。さらに、drをして失敗値を出さなければ、補給を消費して、戦闘結果を軽減できます。たとえ、Deでもふんだんな補給があれば、効果なしやArへの減殺効果があり得ます(もっとも大量に補給を使用するので、実際は数ポイントしか使用できませんが)。
 さらに両軍とも補給制限があり、この投入量によって使用するCRTが変化します。連合軍は北端から敵の突破さえなければ、始めに50ポイント、第4ターン以降に+10ポイントと優勢です。ドイツ軍は、30ポイントしかなく、先に挙げた戦闘結果の軽減で確実に減っていきます。さらにランダム増減判定があり、1/3の確率で+1.5ポイントの増加が、1/3で変化なし、1/3で-2.75ポイントの減少(!)が起こります(平均変化は-1.25)。
 ドイツ軍にとっては、補給残量のペナルティが酷く、10ポイントを切るとZOCを失い(!)、0になると全て損耗状態(DD)と、戦線が崩壊します。ランダム増減が期待値通りなら、ドイツ軍が減殺効果や反撃に使用できるのは、実質、11ポイントほどしかありません。
 これらを意識しながら、ソロプレイしたのですが・・・始めは、連合軍が無駄な集中攻撃を繰り返し、挙げ句の果てに北端からの突破を許し、攻めきれず。そこで、連合軍が個別攻撃による敵補給の減少(戦闘結果の軽減)を行ったところ、逆襲のポイント消費とランダム減少で、ドイツ軍の戦線が崩壊に。両軍とも残存補給を意識した適切な攻撃及び防御を行ったところ、最終ターンに引き分けと、やっとコツが掴めました。そこで、ソロAARに。
 第1ターン、イギリス軍は豊富な補給を使って、全6ユニットで攻撃をかけます。まず、支援を受けた第8軍で、第11機甲師団が敵の後方遮断を狙って攻撃するも、敵の反撃が成功し膠着に。第43歩兵師団がDr2*(2へクス後退で混乱)を与え、ドイツ軍が損害の軽減でDr2とします。第15歩兵師団もDr2*を与え、ドイツ軍が軽減に失敗したので、1個装甲擲弾兵大隊を潰走させます。さら第49歩兵師団は、Deを出し、ドイツ軍は2補給ポイント(以下、SP)を消費して、Dr2にします。
 支援をしていない第1軍団でも、カナダ第3歩兵師団がDrを出し、敵の装甲擲弾兵大隊を包囲下にします。
T1Br攻撃
 ドイツ軍は、離脱不能な2ユニットを諦め、それ以外の部隊を2回の移動により、カーン市街地方面に集結します。カルピケ飛行場から北部にかけて、2ユニット・スタックで強力な防衛線を引きます。ターンエンドの補給の増減では、2SPの減少となります。
T1G
 第2ターン、イギリス軍は敵の厚い北部ではなく、防備の薄い第8軍戦区に攻勢支援を行います。前ターンに離脱できなかった2個装甲擲弾兵大隊に包囲攻撃を行い、ともにDeとします。うち、1ユニットは損害の軽減で混乱で逃げたものの、1ユニットは初の除去となります。
T2Br攻撃
 ドイツ軍は、やむなくカルピケ飛行場近郊の1個装甲擲弾兵大隊を引き抜いて、オドン河前面に戦線を引き直します。このターンのSP増減はなしに。
T2G
 第3ターン、攻撃を続けたいイギリス軍でしたが、SPが不足したため、移動のみに止めます。一息ついたドイツ軍は増援の3個装甲師団を投入し、前線を固めます。さらに、SP増減は初の2SPの増加(!)と、ここまではドイツ軍有利に展開します。
T3G
 第4ターン、なんとかイニシアチブを取り返したいイギリス軍は、第1軍団に初の攻勢支援を与え、4個師団による力押しを敢行します。第59歩兵師団の攻撃は、反撃で無効化され、カナダ第3歩兵師団の攻撃は防御修整(スタックによるdr-2)により、頓挫します。が、第3歩兵師団と第51歩兵師団が攻撃に成功し、東側の3個部隊を後退させ、戦闘後前進でカーン市街地に迫ります。
T4Br 攻撃
 ここで、ドイツ軍は初の反撃に出ます。パンター装甲大隊スタックと第10SS装甲師団を投入し、第3歩兵師団を包囲攻撃します。+4のdr修整の強力な攻撃により、第3歩兵師団を潰走させます。
T4G 初の反撃
 戦闘後前進で戦線を引き直し、カーンにがっつりと防衛線を引きます。ただ、このターンのSP増減は4SP低下となり、ドイツ軍のSP総量は19に落ち込みます。
T4G
 第5ターン、イギリス軍は第1軍団に引き続き補給を優先し、カーン方面で強襲をかけます。第51歩兵師団の攻撃は敵スタックに阻止されるも、包囲下にあった第25SS 装甲擲弾兵連隊第2大隊をDeとします。さらに、2回目の戦闘を選択し、連続攻撃をかけ、第51歩兵師団が敵高射砲と空軍のスタックをDr2*(損害軽減でDr)にします。さらにカナダ第3歩兵師団がDr2*を与え、こちらは軽減に失敗し、そのまま、潰走になります。カルピケ飛行場近郊の第51歩兵師団の攻撃は、反撃により阻止されます。
T5Br
 ドイツ軍はここで、ネーベルヴェルファーの支援を受けたパンター装甲大隊スタックと第12SS装甲師団で、反攻に出ます。dr修整+6という猛烈な攻撃により、カナダ第3歩兵師団が壊滅します。これにより、第1軍団の戦力は25%低下し、カーンの攻略はもはや困難かと思われましたが・・・。ああ、この反攻とSP増減(5SP減少!)により、ドイツ軍のSP総量はなんと10を下回ってしまいます。結果、全てのドイツ軍はZOCを失い、防衛線は破綻します。
T5G
 第6ターン、イギリス軍はZOCのない「ドイツ軍点線」をすり抜けて、カーンの半分の市街地と第112高地を占領します。カーンでは、第10SS装甲師団を包囲攻撃し、これをDeとします。
T6Br 浸透攻撃
 このままでは、補給の枯渇となるドイツ軍は、第112高地の奪還に最後の希望をかけます。第9SS装甲師団と再編成した混乱部隊(3ユニットで通常の1ユニット扱い)に支援を付け、第15歩兵師団を見事にDeにします!これで、第8軍団の戦力も25%低下に。
 まだ、ドイツ軍の残存SPは6残っており、拠点防御で第112高地とカーンの一部を死守できる可能性がありましたが・・・ああ、SP増減で全6SPを喪失!結果、全ドイツ軍が混乱状態に。 
T6G 戦線崩壊
 第7ターン、イギリス軍はカーン市街地を全面占領すると、蹂躙攻撃で9ユニットを撃破します。ドイツ軍のSPは回復せず、零のまま。
T7
 最終の第8ターン、あとは第112高地のドイツ軍を蹂躙すれば、完勝でしたが・・・なんとここで、ドイツ軍が反攻に成功!(1/6の確率で連合軍の占拠を阻止)続く、第2フェイズに蹂躙を行うも、除去には至らず、ゲームエンド。
T8
 VP計算をしたところ、
 連合軍:カーン市街地占領で10VP
 ドイツ軍:第112高地の死守で8VP
連合軍の+2VPで、勝利条件上は引き分けになりました。
 第5ターンまでは、ドイツ軍有利だったのものが、反撃とまさかのSP増減(期待値の2倍近くの減少!)により、ZOCを失い、ドイツ軍戦線が崩壊。さらに、補給総量が0となり、全ユニットが混乱状態になり、そのまま、連合軍完勝かと思われましたが、最後の最後の「反撃」に成功し、引き分けに。物量に勝る連合軍の全面攻勢とドイツ軍の諸兵科連合による猛反撃と戦術の粋を尽くした激戦の末、最後は補給dr が勝利を決めるという、この作品らしい展開でした。