続いて、プレイしたのが、がっちりB級の「ウルトラマン」(バンダイ)です。ちはら会では、かなり以前に、特撮好きの素人さん相手に、一部を対戦したことがあり。「シン・ウルトラマン」の応援企画で、プレイします。怪獣の特性を表す特別ルールはありますが、原則は移動・戦闘、または特殊攻撃とシンプルです(科学特捜隊はもう少し複雑)。なお、陣営は希望により怪獣側をTommyさんが、科学特捜隊側をmitsuが担当しました。

第1話 ウルトラ作戦第1号(ベムラー)
 イントロ:ビートル機でパトロール中の科特隊員ハヤタは、竜ヶ森上空で謎の赤い光球と衝突してしまった。その赤い光球こそ、凶悪な宇宙怪獣ベムラーを追跡していたウルトラマンであった。
 
 北東の湖に登場したベムラーは、高得点のエリアを目指して、南下します。
高得点を狙い、南下したが・・
 が、わざわざ、陸軍基地に飛び込み、集中砲火を浴びて4ヒットを喰らいます(科特隊って、強いじゃん、とTommyさん)。
 弱ったところで、ハヤタが怪獣のいるエリアの炎に飛び込み、ウルトラマンに変身!すかさず、八つ裂きリングを見舞って、ベムラーを倒しました。
ハヤタが炎の中に飛び込み、変身!八つ裂きリングでとどめ!

第13話 オイルSOS(ペスター)
  イントロ:中近東の油田や航行中のタンカーが、相次いでオイルを吸う油獣ペスターに襲われた。オイルを求めてさまようペスターは、東京湾のコンビナート群へ上陸してしまった。
 
 東京湾に現れたペスターは、早々に京葉工業地帯の石油コンビナート群へ上陸し、火炎攻撃で一帯を火の海にします。
ベムラー、京葉工業地帯に上陸
 科特隊は陸上からの接近を試みますが、炎の勢いが強く、戦車が焼失するなど、なかなか有効打を与えられません。
 見かねたハヤタが、単独でビートルに乗って突入し、ウルトラマンへ。
T3にハヤタがビートルで突っ込み、ウルトラマンへ
 すかさず、格闘戦を仕掛けますが、動きを読まれて苦戦します。それでも、諦めないタフ・ファイトでペスターに徐々にダメージを与えます。ここに科特隊の攻撃も加わり、ペスターが虫の息に。
格闘戦をしかける
 ペスターは回復を使って、一時的に体力を取り戻しますが、最後はスペシウム光線が決まって、ジ・エンド。
最後は、スペシウム光線

第20話 恐怖のルート87(ヒドラ)
  イントロ:死んだはずの少年の予告どおり現れた巨大な怪鳥。それこそ、国道でトラックにひき逃げされた少年の魂が乗り移った高原竜ヒドラだった。ヒドラは少年のうらみを晴らすべく、次々に国道を走る車を襲いだした。

 高原竜ヒドラは山間部を飛翔し、道路を破壊し、次々と車を襲います。
T1
 が、科特隊基地から近距離なこともあり、すかさず、ハヤタ特攻作戦で、ウルトラマンが登場。
 もとから戦闘力は高くないので、ビートルとウルトラマンの攻撃で、5ヒットを喰らい、退散。
5ヒット
 第一戦はあっという間に終わったので、何か手はないかとTommyさんが作戦研究(!)のため、第二戦に。
DSC02187
 あれこれ考えましたが、こちらもほぼ同じ展開で、ハヤタが第2ターンには登場。こうなると、ヒドラに手はなく、通常攻撃と八つ裂きリングでゲームオーバーに。
DSC02188
 しかし、交通事故死した少年の乗るヒドラを「八つ裂き」なんて、ウルトラマンは酷い!と、視聴者から苦情がいったのは違いない。

第23話 故郷は地球(ジャミラ)
  イントロ:国際平和会議に出席する人々の乗った船や飛行機が、次々と攻撃された。それは、宇宙の異常環境の中で怪獣化した宇宙飛行士ジャミラの復讐だったのだ。

  序盤、川や海など水には入れないジャミラは、河川の北辺をなぞりながら、オリンピックセンターを目指します。
河川の北辺を移動するジャミラ
 ハヤタは早々に変身を試みますが、ジャミラへの同情か、3度にわたって、ウルトラマンになれず。その間も前進するジャミラは、科特隊の猛攻を受けながらも、恨みをこめた蹂躙攻撃や火炎攻撃で侵攻を続けます。
前進するジャミラ
 まもなく、センターへ到着する直前、ついにウルトラマンが登場。ウルトラマンは、腕からジャット水流を出して、ジャミラの動きを止めます(本当は八つ裂きリング)。弱り切っていたジャミラは、そのまま、絶命。会議の開催と引き換えに、苦い結末になりました。
最後は、八つ裂きリング

第24話 海底科学基地(グビラ)
  イントロ:海底資源の開発を目的とした海洋センターの運転が開始された日、突如海底から怪獣グビラが出現した。ちょうど海洋センターにいあわせたムラマツたちは、グビラにパイプラインを切られてしまったために、内部に閉じこめられてしまった。

 このシナリオでは、科特隊員が海洋センターに閉じこめられており、毎ターン、1d6して5-6で、1名ずつ脱出させなければなりません。頼りのハヤタは、特別ルールにより、早くて4人目です。ということは、平均で12ターン後にならなければハヤタは出てこず(当然、ウルトラマンも)、同じエリアにグビラがいなければ、さらに変身まで数ターンがかかることになります。
 果たして、東京湾に出現したグビラは、高得点の狙えるS13(海洋センターのエリア)を目指します。
東京湾にグビラ現る
 科特隊はdrにも嫌われ、10ターンが終った時点でアラシ隊員1名のみしか、脱出させられず。
 グビラは、マイペースで敵の攻撃されない沖合のセンターを破壊し続け、やっとアラシが脱出したところで、悠々と洋上へ去って行きます。
S13で海底基地を破壊後、房総半島へ
 房総半島に再上陸したグビラを、アラシの操縦するジェットビートルが追いかけますが、時すでに遅し。石油コンビナートを破壊し、VPを満たしたグビラの勝利で終わりました。科特隊初の敗戦です。
ジェットビートルが攻撃するも,敗北

第32話 果てしなき逆襲(ザンボラー)
  イントロ:土地開発のために眠りをさまたげられた灼熱怪獣ザンボラーは、火を吐いて森を燃やし、思うままに暴れた。

  地球人の「野蛮な開発」で目を覚まされたザンボラーは、特殊能力で火を吐いて山間部を燃やしていきますが、2ターン間にハヤタの乗ったジェットビートルが突っ込み、ウルトラマンが登場します。
 格闘戦で損害を受けたザンボラーに、ウルトラマンのスペシウム光線が炸裂し、あえなくジ・エンド。
R1
 きっと方法があるはずと、第2回戦に突入。今度のザンボラーは、高い山間の走破能力を生かして、山岳部をひた走りながら、各地に放火していきます。これには、科特隊の陸上ユニットは付いていけず、苦労します。Tommyさんの放火dr(?)も冴えまくり、各地で山火事が広がります。
 やっとハヤタが追いついて、ウルトラマンになれたのは、12カ所の放火が起こった後でした。
やっと、ウルトラマンが登場
 やっと包囲網を形成できた科特隊も参戦し、ウルトラマンとの相互攻撃で、ザンボラーにヒットを与えます。
 最後は、ウルトラマンのスペシウム光線を浴びて、爆死でした。
ウルトラマンと追いついた科特隊の集中攻撃で、撃破

 初プレイのTommyさんは、始めこそ、怪獣の動かし方が「不器用」(怪獣ぽかった)ですが、だんだんとコツを掴んで、いかにしたら勝てるかに、精力を注いでいました。シナリオ的には(史実的には)最終話以外は全てウルトラマンが勝っているので、決してバランスが取れているとは言えませんが、あまり気にならなかったようで。それよりも、ペスターが石油コンビナートを火の海にしたり、グビラが自在に海を泳ぎまくったり、ザンボラーが火付け盗賊並に放火(?)しまくったりしたことが、実に楽しく「満喫した」そうです。
 この世代は、ウルトラマンがすっかり記憶にすり込まれているので、勝手にBGMや映像(台詞)が出てくるんですよね~。第1話「ウルトラ作戦第1号」のイントロを読み上げたところ、Tommyさんがうれしそうに「知ってる!」とか、ジャミラの前に立ち塞がるダテ隊員に「攻撃できない特別ルールはないの?」とか、脳内補完しまくっていました(笑い)。
  それにしても、当時はあまりに死者の多さに交通事故が「戦争」と言われていたり、第三次中東戦争で石油の供給が危ぶまれたり、アポロが初めて地球外の天体にいったりしていたわけで、シナリオも時事ネタがたくさん。
  子供向け番組で、当時は漠然と感じていただけでしたが、今になって振り返ると、そこに垣間見える悲哀を感じます。高原竜ヒドラのエピソードに心を打たれ、捨てられた元宇宙飛行士ジャミラに涙し、人類に眠りをさまたげられてしまったザンボラーの哀れ(ただ眠っていたところを無理矢理起こされ、腹が立って暴れたら、「正義の味方」に退治される)・・・。
 まだ、8つほど、未プレイシナリオがあるので、背景も感じながら、対戦したいものです。