今月のソロプレイは、NHK大河にあやかって、源平合戦初期の戦いを描いた「吾妻鏡」(GJ)です。時期的には、頼朝の石橋山の戦いから富士川合戦、源氏による関東制圧までに当たります。
 基本は、敵味方が入り組み、全域蜂起になる内戦に適した「太平記」システムです。ただし、通常と異なるのは、兵員ユニットがなく、全てが武将であることと、動員が独立したフェイズではなく、行動フェイズの一環として行うことです。
 この動員で尋常でない能力を発揮するのが、源氏の棟梁である源頼朝です。通常は1行軍で1ユニット動員のところ、頼朝が招集をかけると4ユニット(!)までが動員できます。
 これ以外にも、合戦前の調略対象が通常は中立武将1つなのに対して、頼朝は全ての中立武将に呼びかけができます。この他にも、あるエリアを源氏が支配し、そこに頼朝がいると、全ての中立武将が源氏に寝返るとか、頼朝挙兵ボックスから任意のエリアに登場できるなど、まさに頼朝が主役のゲームといっていいでしょう。
 ただし、唯一の弱点が武勇でして、その数値は最弱の「1」。最大8個までのdrができるとは言え、1回の攻撃の期待値は1.3程度です。最優秀の中立武将の畠山重忠が敵方にいると、期待値は2となり、源氏の平均損害比率は平氏の1.5倍になります。
 よって、ゲームはいかに源氏側が頼朝を有効活用できるか、平氏側が少ない武将を効率的に使用して局地的優位を保ち続けられるかにかかっています。
T0
 第1ターンは、特別ルールで移動はなく、戦闘からになります。史実通り、石橋山の戦いが起こり、兵力数では同数だったため、源氏側が敗北となり、頼朝挙兵ボックスへ。
T1
 第2ターン、主導権は源氏+2になります。これまた、史実通り、房総で頼朝が再起し、さらに動員をかけた上で、戦闘になります。3倍の兵力差でもって、源氏が圧倒し、平氏側の3武将を全て討ち取ります。
T2
 第3ターン、主導権は平氏+5に。平氏は常陸で動員をかけ、地方を固めます。源氏は、中立武将の最大の潜在地-武蔵に頼朝を差し向けます。これに対し、平氏は中立武将を味方で動員すると共に、相豆から伊東祐親らを援軍で送り込み、武蔵決戦となります。
T3 武蔵決戦も・・・
 まず、調略では頼朝の威光も効かず、変化なし。源氏10ユニット対平氏7ユニットの戦闘で、源氏にも十分に勝機はあったのですが・・・戦下手の頼朝が、drを何度振っても1つも当たらないというポンコツぶり。一方的に5ヒットを受けて、房総に退却します。
 一方で、甲駿は決起した武田信義の活躍で、源氏支配とします。
T3
 第4ターン、主導権は源氏+4に。頼朝は房総で再動員をかけ、損害を回復します。平氏は武蔵でさらに中立武将を動員し、隙を作らず。ならばと、源氏は後の本拠鎌倉で決起し、4ユニットを投入しますが、平氏側も相豆から増援を送って、数的優位を保ちます。これが効いて、鎌倉戦は平氏側の勝利に。
T4 鎌倉合戦
 第5ターン、またも主導権は源氏+4となります。勝利のためには武蔵制圧しかないと、源氏側は頼朝を筆頭に武蔵へ突入します。平氏もがっちり固めていたため、源氏6ユニット対平氏10ユニットの戦闘に。当初は平氏優位でしたが・・・ここで、頼朝の調略が炸裂!なんと、4ユニットが平氏を見限って、源氏の棟梁の元に馳せ参じます。これにより兵力は10対6と逆転し、期待値以下のdrでも数の力で源氏が勝利します(やっぱり戦下手ですが・・・)。  
T4 寝返り!
 一方、甲駿の武田勢は山越えで相豆に突入し、優秀な戦術能力を生かして、勝利します。 が、房総には常陸の平氏勢が乱入し、ここを中立化してしまいます。これで、源氏の支配地は武蔵・甲駿・相豆の3エリアに。
T4終了時
 第6ターン、ここで、平氏の追討軍が登場し、甲駿エリアに平維盛以下6ユニットが進行してきます。これに勇を得たか、主導権は平氏+3に。
 源氏は、ここで大いに悩みます。通常なら、追討軍を迎撃し、同時に鎌倉を落とすのが良策です。が、ここまでに時間を浪費し過ぎていて、2カ所に主力を投入すると、残り2エリアの制圧が間に合わない公算が高くなります。そこで取ったのが、甲駿エリアに武田勢を戻して迎撃し、主力の頼朝は房総に再侵攻する作戦です。これに対し、平氏は最後の手番で鎌倉の山木勢を動かし、相豆で数的優位を立てます。
T5 追討軍、迫る
 まず、相豆戦ですが、これは順当に平氏が勝利し、これを奪還します。
 続いて、追討軍の迎撃戦となる甲駿戦ですが、期待値では源氏有利だったにもかかわらず、頼朝のポンコツが移ったのか、ああ、最後の1ユニットの戦いで源氏が敗北。このエリアの支配も失います。
 絶対に負けられない戦いとなった房総戦で、頼朝の威光は届かず、4ユニット対3ユニットの兵力で戦闘に入ります。結果は・・・源氏の敗北。しかも、最後まで粘ったために、頼朝が捕捉され、討ち取り(敗死)!この瞬間、源平合戦は平氏の勝利で幕を下ろしました。
T5 まさかの頼朝敗死
T5
 動員力と調略力は高いですが、戦いになると、やっぱり頼朝はポンコツでした。dr数は多いので当たると凄いのですが、ここまで振るわないとは。史実で緒戦(しかも敗北)以外は、源平合戦で一度も出陣しなかったことがよくわかります。「だって、しょうがないじゃん」という、大泉洋の顔が浮かんだのは、気のせいかしら(笑い)。