今月のソロプレイ第6弾は、季刊Tactics誌の付録となった「モスクワ総進撃」です。ユニットは軍団規模で、マップはクウォーターサイズの自作ゲームです。
 システムは、ドイツ軍が移動-戦闘-機械化移動-機械化戦闘ダブルインパルスで、ソ連軍が移動-戦闘です。最後に補給フェイズがあり、マップ端から続く鉄道に3へクス以内で連絡線が引けないと、補給切れになります。補給切れだと移動はできるものの戦闘は不可で、続けて補給切れになると除去されます。
 また、包囲戦を表現するため、WWⅡの作戦級にしては珍しく、強ZOCを持っています。機動力に勝るドイツ軍は、第1インパルスで戦線に穴を開け、第2インパルで敵後方の連絡線を遮断し、強ZOCで拘束して補給切れによる敵の除去を狙います。
 戦闘はベーシックな戦闘比ですが、4:1でDEは33%、EXが16%、DRが50%です。最大比の6:1だと、66%がDEで、33%がDRです。1:1以下だとAEがあり、2:1以上にはEXがあります。先に述べた強ZOCのため、後退狙いの1:1以下攻撃もあります。また、ドイツ軍のみ、2ステップがあり、EXでも優位に立ちます。
 マップの設定はよく練られていて、モスクワ近郊の防御に適した森林地帯、ツーラ周辺から南方の平原、北部の森と川による防衛線などにより、それなりに史実に近い展開になります。 
 また、天候の規定もあり、泥濘と積雪では、鉄道以外の消費移動力が2倍となります。ソ連軍の補充も後半ほど有利になっています。
 これがたった3ページ(!)でルール化されていて、シンプルで必要な内容を盛り込む手腕は素晴らしい!デザイナーは伏見素行氏です。数回のソロ演習を経て、本戦に。
 第1ターン、ドイツ軍は可能な限り効率よく敵を撃滅するよう、戦車と歩兵を巧みに組み合わせて戦闘を仕掛けます。北の6:1はDRで取り逃がしますが、中央では歩戦共同で4:1攻撃を掛け、EXで敵を除去し、1個装甲軍団が飛び出します。
 南方では、6:1と包囲下攻撃を組み合わせ、5カ所全ての攻撃で敵を除去します。
T1D1
 第二次攻撃では、北方で敵が後退・壊滅した箇所から、戦闘後前進で突進した装甲軍団が6:1攻撃を掛け、さらに2ユニットを除去します。完全な突破口が開いた南方では、あえて攻撃をせず、機動のみで敵歩兵の連絡線を遮断します。
T1D2
 続く、ソ連軍ターン、前線での抵抗は無意味と、生き残ったソ連軍は一気にモスクワ方面に後退します。1ユニットのみがスモレンスクを無血占領し、補給下で立てこもりますが、それ以外の拘束された6部隊は、全て補給切れになります。
T1S
 第2ターン、ドイツ軍は装甲軍団を持ってさらに突進し、カリーニン西方の敵を後退させます。が、続く、機械化インパルスで、森林に立てこもる狙撃兵に3:1攻撃を掛けますが、ARではじき返されます。
T2D1
 一方、南方ではオリョールへの3:1攻撃がDEとなり、これを占領。そのまま、3個装甲軍団がツーラを強襲し、ここも占領します。
 ソ連軍は、増援をつぎ込んで全戦線を強化します。ターン終了時に、前ターンに補給切れになった6個ユニットが壊滅します。
T2S
 第3ターン、ロシアの大地は泥濘に。鉄道沿い以外、満足な機動ができない状況ですが、前線に到着していた装甲師団で、ドイツ軍は攻勢を継続します。北部では3:1攻撃が成功し、再び、カリーニンを占拠します。中央部では森林に籠もる敵を、2:1ながらDRとします。
 また、スモレンスクに籠もっていた狙撃兵を、やっと除去します。
 第二次移動で間隙から装甲軍団が突入し、北部で1個狙撃兵軍を包囲攻撃で除去します。
T3D1
T3D2
 ソ連軍は、後方から部隊を前進させ、北部では二重戦線を、中央ではスタックによる防御網を構築します。
 敵がわずか3個装甲軍団で守っている南部では、相打ち上等で2:1の反撃をしましたが、残念ながらARに。
T3S
 第4ターン、なおも泥濘が続き、ドイツ軍は泥をかき分けながら。北方で集中攻撃を掛けます。が、6:1にもかかわらず、DRに。ただし、部隊が後退したことで戦線がいびつになります。ここへ第二次攻撃を掛け、2:1ながらEXで後方の騎兵を除去すると、戦闘後前進で狙撃兵軍を包囲し、これを撃破します。 
T4D1
T4D2
 南方では、後方から駆けつけた装甲軍団と共同でツーラ近郊の敵を攻撃し、これを後退させます。
 北方を突破されたソ連軍は、増援をもってヴォルガ川沿いに戦線を引き直します。が、前線の部隊は拘束されているため、密度は薄くならざるを得ず。また、南方ではツーラ奪還を目指して2:1攻撃を掛けますが、またもARとなります。
T4S 増援をつぎ込んで
 第5ターン、路面は凍結となり、再び、機動戦が可能になります。後方から歩兵も追いつき始めたドイツ軍は、北方とモスクワ前面に戦力を集中し、強襲を掛けます。モスクワ南西こそARとなったものの、北の4:1攻撃2カ所では、DEとEXで前線に穴が開きます。 
T5D1
 ここから装甲軍団が浸透し、北部の増援登場へクスを占領。ヴォルガ川沿いで抵抗する2個スタックを包囲攻撃(2:1)で除去します。そして、モスクワ郊外を守るわずか1戦力の狙撃兵を5:1でDEとし、戦闘後前進により、ついに赤い首都を占領します。
T5D2
  南方では、ツーラ近くの増援登場へクスに攻撃を掛け、これも占領します。
 この時点で、ドイツ軍のVPは14点ちなり、サドンデス勝利条件を満たします。
 ソ連軍には、もはや、モスクワ奪還以外にサドンデスを防ぐ手はなし。増援をかき集めると、奇跡を信じて1:1攻撃を行いますが・・・ああ、無情にもAR。この瞬間、ドイツ軍の勝利が確定しました。
T5S モスクワ奪還に掛けるしか・・・
 今回は、ドイツ軍の電撃的な勝利となりましたが、兵力の投入バランスと戦闘結果によっては、モスクワどころか、その遙か前面でがっちり止められたり、南方で猛反撃を食らって5個を越える装甲師団が壊滅したりしたこともありました。まだ、両軍とも勝つチャンスがあり、かつ、史実的にもさもありなんという展開になるあたりは、十分なデヴェロップが窺えます。初めに触れましたが、それをたった3ページで納める見事な手腕!なかなか評判を聞かない本作ですが、もっと評価されていいですね~。
T5 ゲーム終了
 なお、このソロプレイで、アイテム最大数を誇るWWⅡ東部戦線ジャンルのプレイ率が4割を突破しました。こちらもご覧ください。