今月のソロプレイ第5弾は、最新のタイフーン作戦アイテムである「モスクワ攻防戦」(学研)です。歴史群像の付録となった歴史ファン向けのSLGで、その数は公称36000部発行と、影響力は極めて大です。
基本は移動力の分だけ、移動でき、ZOC停止。地形効果は、湿地が3、森が2、河越えが+1とシンプルです。
戦闘はメイアタックで、最大比率の6:1でもDEは1/2の確率です。障碍地形は防御力を+し、大都市は+2となります。損害の受け方は、ドイツ軍とソ連軍では異なっています。ドイツ軍は1個装甲軍+1個歩兵軍の損害チャートが有り、これが最大数8になるまでは損害を受けません。いっぱいになると、今度は退却でヒット数を満たすことになります。一方のソ連軍は、はじめから退却のみで損害を充当します。ただし、大都市で守備しているソ連軍は、1ヒットのみは無効にできます。
数回の練習プレイの後に、ソロ演習となります。
第1ターン、ドイツ軍は装甲軍団の高火力を持って、攻撃をかけます。ソ連軍のアントライドが比較的高く、北から4カ所の攻撃では1カ所でDEとなり、1カ所が1/1、2カ所がD1となります。
第3ターン、ドイツ軍は機動力を生かして敵に接敵し、猛攻を加えます。逃げ遅れと展開が遅れた2個軍を包囲して、これを殲滅します。その他では退却が多かったのですが、最も確率の低い4:1でまさかのDEが出て、前進を果たします。
第3装甲軍・第9軍-4損害
第4装甲軍・第4軍-3損害
第2装甲軍・第2--3損害
第6ターン、ドイツ軍は最後の計画的攻勢を行います。まず、VP地点のカリーニンに4:1攻撃をかけ、これを奪取します。また、反撃で突出した歩兵軍を包囲殲滅し、また、1個軍を正面からの6:1でDEにします。が、焦点のツーラは、激しい抵抗を見せ、またも落ちず。
第7ターン、イニシアチブが入れ替わり、ソ連軍が先手で冬期反攻が開始されます。まず、前ターンに接敵していた部隊が6カ所で攻撃をかけ、全てでドイツ軍にダメージを与えます。結果、第2装甲軍・第2軍は一切の攻撃が不可能に。
第2攻撃は8カ所での総花的攻撃になり、半数がD2と包囲下のDEとなり、戦線は大きく後退します。この時点で、保持したツーラをはじめ、カリーニンとクルスクを奪還しますが、今だ、ドイツ軍は勝利条件の4VP都市を確保しています。
最終第9ターン、ソ連軍が奪取できる可能性があるのはカルーガのみ。そのためには第1戦闘で前衛の装甲軍団を排除しなければなりません。砲兵もつぎ込んで3:1の戦闘は、1/3の確率でこれを排除できましたが・・・結果は、D1。この時点でカルーガへの接敵は不可能となり、押されながらもドイツ軍の勝利となりました。
初期にソ連軍に高戦力が多かったり、ドイツ軍の戦闘drが優れず、モスクワ攻撃は全くできませんでしたが、ドイツ軍が無理せず、防御態勢に移れば、ほぼ戦術的勝利は間違いないと思います。デザイナー推奨の砲兵2シフトがあっても、です。
改定案としては、ツーラの得点を2にすると、今回の展開なら引き分けにはなるかと思います。また、ソ連軍が普通に守れば、モスクワ攻撃はかなり至難の業(かつ危険が伴う)ですが、例えば隣接だけでも+1点などすれば、ドイツ軍が(史実通り、強引に)モスクワを目指す動機にはなるかと。
とはいえ、慣れたSLGamerだから、そこまで突き詰めるわけで。多くの「歴史群像」のユーザーはそこまで行かずとも、モスクワ戦の雰囲気を味わえれば、十分なんでしょうね。まあ、これを契機に、幾ばくかの歴史ファンが、シミュレーションに転んでくれれば、ラッキーなんですが・・・。
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