今月のソロプレイ第6弾は、「ルントシュテットの戦い」(CMJ)の関連で、「ドイツ南方軍集団」(サンセット)ロストフ・シナリオです。「ドイツ南方軍集団」は、一世を風靡したPGGの後継作品で、「キエフ」「ロストフ」「星作戦」「コルスン」の4つのシナリオが入ったクワドリです。ただ、惜しむらくは、いずれもハーフマップに多くのユニットが登場するため、本家のドライヴ感がない点でしょうか。
T0
 基本システムは、移動-戦闘-機械化・騎兵移動となっています。一度、敵ZOCに入ると戦闘結果以外で離脱ができない強ZOCと、移動途中に+3追加移動力で可能なオーヴァーラン(以後、
OR)、ソ連軍にのみ必要とされる司令部とアントライドが、特徴です。CRTは8:1以上でないとDEはない後退型であり、戦闘後前進も退却と同数できます。よって、一度、戦線が止まると、膠着が続く反面、機動戦になるとORの威力で二重・三重の戦線の突破もありえます。
 このロストフ・シナリオでは、特別ルールとして、消費移動力が2倍になる曇天・荒天、ドイツ軍に必要となる補給段列、ソ連軍にのみに許されたZOCからの離脱があります。特にソ連軍は、+1追加移動力で敵ZOCからの離脱ができる反面、1/2の確率でステップロスをしたり、あらぬ転進をさせられたり、とかなり不確実な兵力転換とならざるを得ません。
 いつものように、軽くソロ演習をした上で、本戦に入ります。まず、ドイツ軍の勝利条件は、VPによって異なります。Kharkov10点、Rostov15点など、都市の占領が主で、Don及びDonets川の渡河(と補給線の維持)は事実上、困難です。ソ連軍は、敵の占領阻止と都市奪還による各2VP、ドイツ軍の壊滅(1ユニット1点)などで、ドイツ軍のVPを削ります。ドイツ軍としては、Stalinoを取った上で、KharkovまたはRostovの占領ができないと、勝利はおぼつかないでしょう。
 第1ターン、もっとも敵兵力の薄い中央部に対し、ドイツ軍が主力の装甲部隊で突破を目指します。兵力が確定している第28騎兵師団と第13戦車旅団、第255狙撃兵師団に、精鋭歩兵師団を含む5個師団がORをかけますが、drに恵まれず、3回に渉って停滞します。このターンに抜けないと、かなり厳しかったのですが、4回目でやっと成功。イタリア戦車師団や第5SS 自動車化師団がここから突進します。続く、機械化・騎兵移動で、側面展開し、突破口付近の敵司令部や兵力を随時、包囲するとともに、WIKIG師団の1個連隊が長躯、Stalinoを陥落させます。 
T1 ORによる中央突破
T1D スターリノ陥落
 ソ連軍は敵ZOCからの離脱を使って、少なからずの兵力を消耗しながら、主力を後退させます。後方からの増援と合わせて、非常に薄いながらもBerdyansk-Mariipol-Voroshilovgradの戦線を構築します。
T1S 撤収により、薄氷の戦線構築
 第2ターン、突破口側面を中心に歩兵で拘束した敵を包囲殲滅すると同時に、装甲部隊を中央に集結し、ORをかけます。戦闘と機械化・騎兵移動による執拗な機動攻撃が奏功し、ソ連軍の薄氷の戦線を突破!補給切れになった部隊をさらにORで殲滅し、チィモシェンコの司令部までも一時除去します。
T2D 再び、ORでタガンログ占領
 先鋒隊は、補給切れ上等でアゾフ海に突進し、Tabanrogを占領するとともに、南部のソ連軍を丸々、包囲してしまいます。
T2D戦闘
 司令部を失った南部ソ連軍は、わずかな増援でRostov-Donets川の戦線を張るのがやっとです。また、北部では、離脱がうまくいき、Kharkovの外周に防御陣地を構築します。
T2S
 第3ターン、北部に大量のドイツ軍増援が到着し、Psel川沿いに取り残されていたソ連軍を壊滅させます。南部では、大量の被包囲のソ連軍を半数ほど掃討しつつ、Donets-Don回廊を前進します。
T3D ハリコフへ
T3D終了時
 ソ連軍は、南部の戦線構築をあきらめ、Rostovを中心に防御陣地を構築。北部のKharkovでは、増援を投入して、死守態勢に入ります。
T3S ハリコフとロストフの死守へ
 第4ターン、未だ残る包囲下のソ連軍を掃討しながら、Donets回廊を完全に制圧したドイツ軍は、Rostovに対して、攻撃を実施します。 
T4D ドン川西岸を掃討
 が、ここは頑強な歩兵師団により、1ステップずつの損害で膠着します。一方、北部では、周辺の被包囲部隊を撃破しつつ、Kharkov南陣地に2:1攻撃をかけ、敵に1ステップの損害を与えます。
T4D ハリコフへ
 第5ターンから、最重要のVP都市KharkovとRostovを巡る激戦が展開されます。Kharkovではドイツ軍の総力を挙げたフルスタック攻撃が開始され、1:1、2:1、3:1攻撃により、両軍に少なからずの損害が出ます。豊富なステップを持つドイツ軍に対し、ソ連軍も随時、増援を投入して戦線を維持。一時的にかなり兵力を失ったものの、第8ターンまでの4ターンに渉る猛烈な消耗戦を耐え抜きます。
T5D 二大都市での攻防戦
 最大得点のRostovでは、特別ルールにより市街地から発生した増援が奏功し、4個に及ぶドイツ装甲師団の猛攻を、耐え抜きます。と、大量の10個の増援を得たティモシェンコが南部からの反撃を開始。2ターンに及ぶ猛攻で、第14装甲師団を後退させることに成功し、ついに包囲網を打ち破ります。
T5S チィモシェンコの反撃
 こうなると、前面に出すぎていることが危険と判断したドイツ軍は、低比率攻撃をしかけ、戦術的な退却を狙いましたが、この時に限ってなぜかEngが続き、戦線を後退させることができません。
T7D ロストフからの撤収を計るが・・・
 流れが変わったのが、第9ターンでした。すでに北部では、第8ターンから荒天により、補給路が3へクスに減少していましたが、数少ないドイツ軍の補給段列をソ連空軍が襲撃!これを完全に麻痺させてしまいます。その結果は、北部ドイツ軍全域にわたる補給切れでした。当然、Kharkov攻撃どころではなく、枢軸軍は防御態勢に移行します。
T9D ソ連空軍の補給妨害!
 これと呼応するように、Kramatorsk付近とDonets回廊で、ソ連軍の反撃が開始されます。補給切れになったドイツ軍に対し、北と西の二方向から大量の増援を投入した攻勢となります。
T9S 中央部での反撃
 ドイツ軍はなけなしの航空補給を使って、ハリネズミの陣で耐えますが、度重なる波状攻撃で、第10ターンに、Donets回廊の第16装甲師団が師団効果を維持できなくなり、敗退。戦闘後前進で突進したソ連軍前衛が、Mius川前面まで辿り着きます。
T10S 中央から南部での反撃
 続いて、第11ターンに今度は、Kramatorsk近郊の枢軸同盟軍が狙い撃ちされ、突破口が開きます。ドイツ軍は、すぐさま、唯一の予備-第14装甲師団を投入しますが、混戦の中で戦闘後前進により包囲され、1ユニットが壊滅。続く、機械化・騎兵移動フェイズに、補給切れでORを喰らって、さらに1ユニットが除去されます。もはや、塞ぎようにない大穴があき、ここから突進した戦車・騎兵師団がStalinoまで後3へクスに迫りました。
T12S スターリノへの突進
T13S 最後の攻勢
 が、ここで、タイムアップ。包囲されながらも航空補給で3ターンに渉って時間を稼いだ歩兵師団や第16自動車化歩兵師団等の力闘により、なんとか、Stalinoを守り切った形でした。
終了時
 前半は、ドイツ装甲部隊の猛烈な電撃戦が展開され、KharkovとRostovでのソ連軍の粘り、そして冬の訪れとともに猛反攻と、ほぼ史実に近い展開になります。今回は、Kharkov方面での離脱が比較的うまくいったこととRostovでの高火力歩兵のおかげで、両都市は陥落せず。逆襲で、ドイツ軍が失ったユニットが4ユニット(歩兵師団と3個装甲擲弾兵連隊)、奪還された都市1つにより、ドイツ軍のVPは14点となり、ソ連軍の作戦的勝利となりました。