続いて、今月のソロプレイ第2弾は、洛東江の戦いに引き続き、「仁川上陸作戦-マッカーサーの賭け」(CMJ)です。CMJ誌に掲載された唯一(!)の朝鮮戦争アイテムで、もう20年以上前になります。ずっと、タンスの肥やしになっていたのですが、朝鮮戦争アイテムの流れで、やっとプレイにこぎ着けました。
ゲームシステムは、補給判定-移動-戦闘-回復といった通常の作戦級です。部隊規模は大隊~中隊で、ZOCあり。地形としてはフェリーでしか渡河できない漢江、航空ポイントが増える金浦・水原飛行場があります。また、防御力+2、練度+1となる陣地を、2ターンを費やして構築することができます。
戦闘は、メイアタックのWWⅡの標準仕様で、2:1でイーブンです。任意退却で損害を軽減できますが、基本は消耗型のCRTです。大きな特徴としては、強力な砲爆撃と練度の差があります。
砲爆撃は、砲兵等の火力を戦闘力に(制限なく)加算できるもので、各ターンに一度のみ、使用できます。朝鮮人民軍には、増援を入れて、のべ16火力の砲兵部隊があります。対する国連軍は、砲兵は20火力弱ですが、空軍が最大35ポイント、艦砲射撃が最大51火力で、合わせて約100火力(!)があります。投入火力が10を越えると練度チェックを行い、1d6して練度値を越えると、ショック状態に(戦闘力/移動力ともに1/2)になります。
さらに、各ユニットには練度があり、この差の分がプラスマイナスされます。国連軍は攻撃の主力となる海兵隊が練度5であり、初期の朝鮮人民軍が練度2-3なので、前半は国連軍有利に2-3のコラムシフトがあると考えていいです。
勝利条件(終了条件)がソウルの陥落なので、国連軍は上記を合わせて、砲爆撃を集中し、陣地があろうかなかろうが、一点突破を図ります。一方からの攻撃だけだと、縦深の遅滞行動を取られるので、史実通りソウルの西側からの主攻に、南・東からの助攻で、敵兵力を分散し、ソウルを孤立化させる作戦が有効です。
朝鮮人民軍としては、砲兵の防御射撃を有効に使いながら、できるだけの遅滞行動を行います。練度の高い増援部隊を待って、ソウル市内に立て籠もることを目指します。唯一の組織的反攻が期待できるのが南部で、策源地の水原を保持しながら、第105戦車師団の到着を待って、安東から永登浦への進出(国連軍の左翼部隊の補給切断)を狙います。
ソウル周辺では、外郭に陣地を構築するように歩兵タイプを配置します。残りの歩兵タイプは移動チェックで漢江沿いに展開できるように、北側に集中します。兵力が足りない東側は戦車中隊で薄い阻止線を引きます。
最後に水原の第70連隊は、国連軍がまさかの南進をしてきた場合に備え、陣地構築を目的に展開します。
第1ターンは上陸侵攻ということで、通常と手順が異なります。国連軍の移動フェイズはなく、その代わりに2回の攻撃(上陸戦闘)ができます。さらにこのターンに限って、強力な艦砲射撃を2回行えます。よって、上陸は100%成功し、 史実が再現できるようになっています。朝鮮人民軍は、移動-戦闘ができますが、移動は練度チェックに成功しなければならず(ほとんどが1/3の確率)、かつ戦車部隊は移動できません。実質、反撃は不可能です。
第1上陸戦闘フェイズでは、月夜島へ海兵隊1個大隊が無血上陸を果たします。同時に、艦砲射撃と空襲で、仁川と金浦飛行場守備隊をショック状態にします。
朝鮮人民軍は、金浦飛行場守備隊の1個大隊が練度チェックに成功したので、長躯、仁川方面に進出させ、捨て鉢の戦車中隊と合わせて、第2ターンの阻止線をかろうじて形成します。これ以外は、計画通りに陣地構築と漢江沿いの展開を行います。
第2上陸戦闘フェイズでは、海兵隊主力が仁川守備隊を粉砕し、史実同様にこれを確保します(これにより、以後の増援が最短で登場できることに)。また、余剰の砲爆撃力を持って、敵の阻止線の戦車部隊や漢江沿いの敵部隊をショック状態にします(特別ルールで第1ターンにショックになったユニットは、第2ターン終了時まで回復できない)。
第2ターン、アスコム市を軸とする薄い防衛線に、増援を含めた国連軍の3個大隊が襲いかかり、全滅させます。同時に、敵を猛爆撃し、移動の自由を奪います。
朝鮮人民軍は、前ターンから構築中の陣地を作り上げると、ソウルからHaengjuにかけ漢江北岸に防衛線を展開します。
第3ターン、国連軍は逃げ遅れた金浦飛行場の守備隊を捕捉し、殲滅するともに、主力の海兵隊をもって、Haengjuに渡河攻撃をかけます。地上部隊はわずかに7戦力でしたが、艦砲や空襲、砲撃を集中し、36火力とします。都市の地形効果で、戦闘比は3:1に低下しましたが、練度差で-2drmを得ます。結果は・・・見事にDE!戦闘後前進により橋頭堡を確立すると、追加追撃で2カ所の陣地構築作業を中止させます。
朝鮮人民軍は、やむなく、歩兵を縦深に配置し、再構築を試みますが・・・。
第4ターン、国連軍は漢江を渡河した4個大隊で橋頭堡を広げ、ソウル市に向かってじりじりと前進します。同時に、ソウル東側では、海兵隊1個大隊が砲兵と空軍支援のもと、強襲渡河を敢行します。対岸を守備していた戦車中隊が壊滅し、こちらにも橋頭堡が築かれます。
朝鮮人民軍は、かろうじて市街地周辺に陣地を作ると、なけなしの兵力を転用して、東側に薄い防衛線を引きます。
第5ターン、国連軍は激しい砲爆撃を繰り返し、西側の防衛線を圧迫し、市街地まで2へクスに迫ります。また、東側でも、計算し尽くされた空爆と地上攻撃で2ユニットを壊滅させ、橋頭堡を拡充します。また、南側では第187空挺連隊を軸とした安東防衛線を引きます。
朝鮮人民軍は、この日の増援の第25独立旅団(高練度)を投入し、防衛線を再構築します。同時に南部では国連軍を牽制すべく、第70歩兵連隊が北上を開始します。
第6ターン、国連軍は向かうところ敵なしの艦砲射撃を継続し、Ansan Hillを攻略し、市街地の隣接へクスに辿り着きます。一方、敵の主防衛線はかなり強化されたため、延翼機動と攻撃で揺さぶりを掛けます。南側では敵の接近に伴い、陣地構築に入ります。
第7ターン、ソウル市街戦が開始となります。国連軍は艦砲の届く漢江沿いの市街地に攻撃をかけ、これを占領します。同時に、ソウル自体を包囲すべく、北と東で攻撃をかけます。
これにより、ついに守備部隊が足りなくなった朝鮮人民軍は、市街地中央に砲兵部隊を撤退させると、その周りにハリネズミの陣を展開します。一方、南部では到着した第105戦車師団の1個大隊を加え、敵の空挺連隊の陣地に初の反撃を実施しましたが・・・drにも恵まれず、1ステップロスを受けて、敗走します。
第8ターン、国連軍は到着したばかりの第7海兵連隊を南部に投入し、3カ所で反攻に出ます。いずれも敵を壊滅させ、水原への道を切り開きます。
そして、メインのソウル市街戦では、南側から戦車を伴った5個連隊が牽制攻撃をかけます。朝鮮人民軍は、牽制とわかっていても、ここを取られると砲兵が隣接され、防御支援ができなくなるため、やむなく全火力を持って突撃破砕砲撃を実施しましたが・・・国連軍がDEを出し、砲兵が無力化されます。これにより、圧倒的な艦砲射撃を凌ぐことはほぼ不可能となり、7:1の最高比攻撃で首都へクスが陥落。この瞬間、国連軍がサドンデス条件を満たし、勝利となりました。史実より3日ほど早い、ソウル奪還でした。
今回、国連軍は敵の砲兵の影響とCRTを綿密に計算して、砲爆撃を行ったため、極めて効率よい戦闘となりました(そのために、自作で砲爆撃力マーカーを自作した甲斐がありました)。国連軍の艦砲射撃等は強力無比であり、戦闘drにも恵まれたため、朝鮮人民軍がかなりの速度で消耗し、十分な縦深防衛線が引けなくなったことが勝因でした。
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