続いて、2019年セリーグCSのファイナルステージで、勝ち上がった横浜DeNAベイスターズを、読売ジャイアンツが本拠地の東京ドームで迎え撃ちます。

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  横浜DeNAベイスターズは、グレードAの石田を筆頭にB以上の先発が3人と、同様に山崎康晃以下、リリーフ陣でも3人がいます。3割バッターはいませんが、一発を秘めた筒香、ロペス、ソト、宮崎など、のべ8つの無条件HRナンバーの強力打線です。防御率を高めるために欠かせない守備力も、よほどのことがない限り30以上と、堅守が売りです。1Stステージでは、高い防御力による1-2点差のゲームを物にして、勝ち上がってきました。
 一方の読売ジャイアンツは、HR40本の坂本、31本の岡本に、ベテラン阿部慎之助、亀井、広島からネームヴァリューと資金力でもぎ取った丸、21本を打っているゲレーロと、無条件HRナンバーはDeNAを上回る10個です。先発でグレードB以上は2人と若干、落ちますが、リリーフ陣は3人と互角です。守備も横浜ほどではありませんが、外野が全て守備力4など、こちらも30に達します。
  第1戦は、10月9日で、先発は今永対山口のグレードB対決です。試合は、初戦の緊張感溢れる投手戦に。1回、DeNAが山口の立ち上がりを攻め、1アウト満塁とし、宮崎が押し出し四球で1点を先取します。が、ソト、柴田が倒れて、追加点はならず。
 一方の今永は、四球とヒットで満塁のピンチを迎えるなどしますが、敵のスクイズ失敗や二つのダブルプレーに助けられ、4回に1点を失ったのみで、中盤戦に。
 1対1で迎えた5回以降、両軍のセットアッパーのエスコバーとデラロサが好投し、9回を終えて延長戦に突入します。 
デラロサ
 巨人は守護神中川を投入し、10回表を零封します。その裏、2イニング目に入った藤岡から、阿部がヒットを打つと、代走増田が二盗を決め、一打サヨナラのチャンス。この日、2つのツーベースを放っている7番山本がきっちりと振り抜き、サヨナラツーベースで勝利しました。優勝ボーナスの1勝を加え、巨人が2勝扱いとなります。
山本
 第2戦は、石田(グレードA )対澤村(グレードA)のエース対決です。この日、先制をしたのはジャイアンツで、1回裏にヒットの亀井を置いて4番岡本の1発で2対0とします。その裏、DeNAは本塁打王ソトがソロHRで1点を返し、3回には主砲筒香のタイムリーで同点とします。
 ここから両軍のエースが持ち直し、零行進が続きます。ベイスターズの石田は、5回以降、なんとパーフェクトに。澤村も四球は出すものの、4回以降はわずかに1ヒットと好投します。
 勝負の分かれ目は、9回でした。DeNAが、ソトのヒット、嶺井の四球、石田のバントヒット(送りバントの功名)で1死満塁とします。ここで、ジャイアンツは前日の勝利投手中川を投入しますが、1番神里がきっちりとライトに犠牲フライを打ち上げ、均衡を破ります。
神里
 そのまま、石田が9回も締め、ゲームセット。石田は1四球、16奪三振と記録的な投球で、1Stステージと合わせてCSシリーズ2連勝となりました。
石田 (2)
 第3戦の先発は、濵口(グレードB)対菅野(グレードC)の投げ合いです。この試合も1点を争うマッチレースとなります。2回裏、阿部のヒットの後、レフト筒香のエラーで1アウト2・3塁にすると、山本のセカンドゴロの間に、1点を先取します。続く3回は、亀井のヒット、丸の進塁打で三番坂本がタイムリーを放ち、2点目を手に入れます。
坂本
 追いかけるDeNAは、4回にヒットの宮崎を置いて、この日5番に降格したロペスが同点ツーランを放ちます。
ロペス
 突き放したい巨人は、6回に坂本から阿部までの3連打で、3対2と勝ち越します。
阿部
 7回にDeNAも反撃に転じ、佐野と濵口の代打乙坂のヒットで1打同点のチャンスを作ります。巨人はここで菅野を諦め、セットアッパー戸根を投入し、ピンチを脱します。9回にデラロサが登板し、四球を出したものの、この日2安打の佐野をゲッツーに打ち取り、ゲームセット。巨人が3勝目を挙げ、ファイナルステージに王手を掛けます。
  もはや、後がなくなった第4戦は、東(グレードC) とメルセデス(グレードC)の先発でスタートします。勢いに乗るジャイアンツは1回裏、丸、坂本、阿部慎之助の3本のツーベースで2点を先取します。
丸
 DeNAも、2回表にロペス、ソトの連続ヒットで1・3塁とすると、嶺井がスクイズを決め、1点差に。その後、両軍は優秀な中継ぎ陣を投入し、7回まで零行進が続きます。
 迎えた8回裏、先頭の丸が四球で出塁すると、代走若林が盗塁を決め、ノーアウト2塁の追加点のチャンスに。ここで3番坂本が、藤岡(グレードA) から値千金の2ツーランホームラン!
 9回、ストッパーの中川が、宮崎のツーベースで、1アウト1・3塁と逆転のピンチを迎えます。が、ロペスを浅いライトフライ、ソトをセンターフライに打ち取り、試合終了。読売ジャイアンツが4勝1敗で、ファイナルステージを制し、日本シリーズ進出を決めました。
中川
  MVPは、巨人の坂本が、打率5割、本塁打1本、3打点で受賞しました。これ以外にも、この年引退の阿部慎之助が打率3割7分5厘で2打点を挙げました。投げては、デラロサ、中川が3登板、戸根が2登板で自責点を失うことなく、史実通りの鉄壁ぶりでした。
 敢闘賞は、1Stとファイナルステージで、2完投(2失点)で連勝した石田に送られました。DeNAは眠れるロペスとソトに1発が出たものの、最も当たっていた宮崎でも2割6分6厘、筒香が2割3分と、連打が出なかったことが響きました。