今月のソロプレイ第3弾は、ポーランド戦役を題材とした「電撃戦1939」(CMJ)から、仮想戦シナリオ「ソ連軍、ポーランド側に立つ」です。

 このシナリオでは、ドイツの脅威に危機感を抱いたソ連軍が、開戦と同時にポーランド側に立って参戦するというものです。当然、独ソ不可侵条約は締結されておらず、ドイツは予想外の展開に衝撃を受けながらも、当初の目標を越えた軍事作戦を展開します。

 ドイツ軍の敵は、ポーランド軍に加え、21ユニットに及ぶ軍団規模のソ連軍です。勝利条件は、この二つの敵を打ち負かし、マップ上の全ての都市・要塞・町を占領すること。ターン数は幸いにして、20ターンまで伸びますが、ドイツ軍の撤退は、規定通りに行われるため、後になればなるほど戦力減少に悩まされることになります。ことに10ターン以降には、強力なるルフトヴァッフェが西部戦線に転出するため、それまでにいかに敵にダメージを与えられるかがポイントになります。

 第1ターン、対ポーランド戦を決意したドイツ軍が各地で一斉に国境を越え、第二次世界大戦が始まります。このターンの特別ルールのため、ドイツ軍は無駄な攻撃を控え、包囲できる3カ所でのみ、攻勢をかけます。結果、ポーランド軍5ユニットが包囲拘束されます。


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 ポーランド軍は、この隙に前線の部隊を撤退させ、北部ではLods-Warsawラインを、南部ではLwow方面での守りを固めます。

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 第2ターン、いよいよ、ドイツ軍の電撃戦が幕を開けます。制限のなくなったドイツ軍機械化部隊は、ZOC浸透やオーヴァーランを生かして、敵前線を蹂躙し、一瞬の隙を突いて、Lodsの背後に回り込み、Warsaw西市街地を攻撃。これを奪取します。まさに電撃戦!

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 結果、Lods-Warsawラインを突破されたポーランド軍は、もはや戦線を維持できず、やむなく、Modlin要塞とWarsaw東市街地に立てこもります。その際にかなりの数のユニットが、Lods-Warsawに取り残されます。

 南部では、ドイツ軍の快速部隊(機械化及び山岳師団)が敵戦線の一部に攻撃をかけ、戦果を上げますが、まだ、大半が国境付近での掃討に割かれ、戦線を崩壊させることはできず。

 と、万全の介入準備をしていたソ連軍は、開戦後1週間も経たないこの時期に、ポーランド側に立って国境を越えます。快速部隊は、ニエメン川を越え、一気にWarsawまで2ターンほどの距離に接近します。


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 第3ターン、この想定外の軍事介入に驚いたドイツ軍でしたが、参謀本部が的確な指示を出します。東プロイセンからWarsaw東方に浸透した部隊が、Rozan-Brest間に戦線を引き、ソ連軍に対する遅滞行動を行います。一方、主力は、各地で包囲したポーランド軍を包囲し、ルフトヴァッフェの近接支援を受け、次々と敵を撃破していきます。

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 これに対し、ポーランド軍はWarsaw近郊の部隊をかき集め、西市街地奪還のため、一か八かの反撃を繰り出します。結果は、惜しくも1/2で、奪回ならず。

 また、窮地に陥ったポーランド軍を救わんと、ソ連軍の機械化部隊が、Rozan-Brestラインに攻撃をかけ、損害を与えます。が、ポーランド軍とソ連軍の合流を阻止したいドイツ軍は、1へクスずつの後退で時間を稼ぎます。


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 第4ターン、思わぬ反撃に機を肝を冷やしたドイツ軍は、最低限の増援をRozan-Brestラインに送ると、ポーランド軍の分断と殲滅に入ります。これにより、ポーランド軍は、都市と要塞の狭い地域に押し込められ、野戦軍としての機能を失います。

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 一方、南部では、ポーランド軍とソ連軍が合流を果たし、連続した戦線を引いて、Lublin-Przemysl間を維持します。

 後方から強力な歩兵軍団が追いついたソ連軍は、遮二無二、正面強襲をかけますが、若干の損害と引き換えに、ドイツ軍は戦線を死守します。


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 第5ターン、前線に歩兵が追いついたドイツ軍は、東方の守りを強化するとともに、Modlin要塞の中央部に強襲をかけ、これを奪取。ポーランド軍を完全に分断します。一方で、膠着していた南部では、機械化と歩兵、山岳部隊が、敵戦線中央に楔を打ち込み、1個スタックを包囲して、圧迫をかけます。

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 もはや、ソ連軍だけが頼りの連合軍でしたが、兵力集中ができない(スタックできない)ため、ドイツ軍の堅陣を打ち破れません。

 第6ターン、ドイツ軍はLodsとModlin要塞を強襲し、これを奪取すると同時に、Warsawに対し、完全包囲を行います。そして、ついに都市爆撃-シーサイド作戦を決行します。

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 第7ターン、全ての希望を失ったWarsawが、降伏します。ドイツ軍は東の戦線を維持しながら、残った要塞群の攻略へ。

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 同時に南部でも、強襲と浸透で戦線が維持できなくなった連合軍は、共同防御をあきらめ、ポーランド軍はLwowと山岳地帯に籠城します。ソ連軍は、介入の方向とは真逆に、Zhitomirに向けて、厳しい退却戦を開始します。

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 第8ターン以降は、中央部でMinskに向かって逃げるソ連軍に対し、追いすがって打撃を与えるドイツ軍の競争になります。Pripet湿原を南側面の天然防壁にしながら、ソ連軍が戦線を維持しながら、徐々にMinskポケットに退却していきます。ドイツ軍は、機甲部隊を中心に戦線翼端に攻撃を集中し、来るMinsk決戦に向けて、敵兵力の消耗に努めます。

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 一方、南部では、敵包囲陣の掃討を終えた機械化部隊が、平原を突進し、森林に防衛線を張るソ連軍の南北端を突破。3ユニットを除き、大半の部隊を包囲してしまいます。

 第10ターン、Minsk周辺に辿り着いたソ連軍は、地形を利用した半円形陣を引きます。これに対し、空軍の撤退で攻撃力を減殺されながらも、ドイツ軍の精鋭機甲部隊が敵戦線の南北端を、追いついた歩兵が中央部を圧迫します。強力な打撃に耐えかねたソ連軍は、徐々に後退し、第12ターンについにMinskが包囲されます。

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 この時、南部では、第11ターンまでにZhitomir周辺の敵を排除したドイツ軍が、直接攻撃に移ります。2ターンに及ぶ攻防の結果、南部の要衝Zhitomirが陥落します。

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 そして、戦闘は、最後のMinsk攻防戦に。第13ターン、連絡路を遮断し、Minskを完全包囲したドイツ軍は、全周囲からの強襲をかけます。4:1の戦闘の結果は、0/2!ついにソ連西域の最大都市が陥落し、両軍は休戦を結びます。ドイツ軍の電撃戦で始まり、ソ連軍の介入で激化したポーランド戦役は、ドイツ軍の勝利で幕を下ろしました。

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 ソ連軍の参戦をもってしても、ドイツ軍のブリッツクリークを止めることはできず。実験段階から抜け出したばかりの新戦術でも、旧態依然の軍隊相手にはきわめて有効でした。

終了時
 なお、ルールブックの作戦の指針では、ソ連軍は可能な限り速やかにワルシャワ付近に進行し、ポーランド軍とともに防御戦に当たるようにと、書かれています。が、今回のようにドイツ軍が両軍の間を遮断すると、それはほぼ不可能でしょう。そうなると、一部の遅滞戦術を除き、主力部隊はMinskポケットに地形を利用して籠城した方がいいかも。

 ともあれ、ドイツ軍にのみ、浸透とオーバーランが可能な状況では、勝ちはなさそう。となれば、ソ連軍が最大戦力で介入し、かつ、「電撃戦」が可能な「トハチェフスキの介入」シナリオが、最もバランスに恵まれているようです。

 ぜひ、ポーランド・ソ連連合軍を指揮していたいという方がいたら、ご一報ください(笑い)。