歴史・戦史研究「ちはら会」Drei

この会は、主にシミュレーションという手法を用いて、歴史・戦史を楽しもうという、有志の集まりです。興味ある時代をテーマに選び、図上演習(シミュレーションゲーム)を通して、文献研究では得られない「動きのある歴史」を見つめます。 「ちはら会」では、現在、会員を募集しています。年齢や資格等を問わず、興味のある方ならば、どなたでも参加できます。関心のある方は、下記にご連絡ください。 Eアドレス. chiharakai@apost.plala.or.jp (代表.mitsu)

2023年04月

 今月のソロプレイ第6弾は、「熱闘12球団ペナントレース」(HJ)の1989年日本シリーズです。前年の最終戦敗北の雪辱を果たした近鉄バッファローズ対圧倒的な投手力を誇る読売ジャイアンツの戦いです。史実では、不利な下馬評を覆し、近鉄バッファローズが3連勝するも、加藤哲郎の「ロッテより弱い」発言(実際は言っていない)に奮起したジャイアンツナインが、4連勝で逆転勝利を収めます。
 近鉄バッファローズは、19勝のエース阿波野(グレードA)に、12勝の小野和義(グレードB)、山崎、加藤哲郎がグレードC、抑えの吉井がグレードBです。が、それ以外の先発は、グレードEのみで、よくぞ、これで優勝できたなぁというのが実感です。打撃陣では、リードオフマンの大石、成長著しい村上、3割超えの新井、一発のある鈴木貴久に、リベラ、本塁打王のブライアントと、破壊力は抜群です。
 読売ジャイアンツは、最多の20勝投手斎藤(グレードA&C)に、12勝の槇原(グレードA)、桑田、宮本、香田、抑えの広田がBと最強に近い投手陣です。打率.378の首位打者クロマティに、3割越えの駒田、一発のある原、シェアなバッティングの篠塚、岡崎、名手川井など、多彩な顔ぶれです。監督は、こちらも選手遣いの極めて上手い藤田元司です。
 第1戦は、パリーグのホームグランドの藤井寺球場で、エース斎藤(グレードA&C)と阿波野(A)の対決です。この日は、息詰まる投手戦となります。 
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 近鉄先発の阿波野は、ランナーを出すものの、要所では力でねじ伏せ、また、2つの併殺に打ち取るなど、5回までホームを踏ませず。一方の斎藤も、3回までノーヒットピッチングで、その後にランナーを出しても後続を断ち切ります。
 ゲームが動いたのは、5回でした。先頭の篠塚がヒットで出ると、4番原がバックスクリーンに先制のツーランHR!これぞ、4番の働きで、2対0とします。が、その後も阿波野は粘り強い投球を見せ、最終回まで投げ抜きます。
原2
 巨人の斎藤も、隙を見せず。6回に先頭の新井にツーベースを打たれるも、ショートの好プレイでダブルプレイで凌ぎ、最終回もホームランで同点の場面を冷静に投げ抜き、シーズンそのままの勢いで、完封。読売巨人が緒戦をものにしました。
斎藤
 第2戦は、巨人はあえて、槇原を温存し(リリーフ)、桑田(グレードB)を投入します。近鉄は阿波野に継ぐ小野(B)です。
 この日も立ち上がりは、両投手とも順調で、2回までヒットを許さず。思わぬ流れが起こったのは、3回表でした。ツーアウトから9番緒方がツーベースを放つと、ああ、ライト鈴木が痛恨のエラーで先制点を与えます。動揺した小野から、2番篠塚が狙い澄ました一発を、右中間スタンドに叩き込み、3対0とします。
篠塚
 続く、4回表、今度は先頭の井上がソロHRで、追加点。
 5回裏、近鉄は若き村上がソロHRを打って、のろしを上げますが、2つの四球と内野安打で満塁とするも、桑田に押さえ込まれ、1点のみ。
村上3
 すると、6回表、井上からのヒットや四球で満塁とし、9番の緒方に打席が廻ってきます。売り出し中の緒方はきっちりと2点タイムリーで、6対1と突き放します。
緒方
 桑田に翻弄された近鉄は、8回に反撃に出ます。リベラ、鈴木のヒット、四球で満塁として、HRを放っている村上。が、ここは併殺打に打ち取られ、1点のみ。が、続く、真喜志が執念のツーベースを放って、6対3とします。
 ここで、巨人は桑田を諦めて、リリーフに槇原(グレードA)を投入します。槇原は期待通り、ヒットを許さず、9回も投げ抜いてセーブ。巨人が強力な投手陣で、6対3と2勝目を上げます。
槇原2
 第3戦は、舞台を東京ドームに移し、先発は山崎(グレードC)対宮本(B)です。この試合は、初めて近鉄が先制します。2回表、真喜志のヒット、山下の四球で1アウト1・2塁とすると、1番新井がタイムリーで、1対0とします。
 さらに、3回表、ランナーを一人おいて、6番村上がツーランHRで、3対0に。
村上2
 巨人も、4回裏に4番原がソロHRを放ち、追撃の姿勢を見せます。
 6回、近鉄はまたもランナーをおいて、村上がタイムリー・ツーベースで4対1に。が、巨人も負けじと、4番原がタイムリー・ツーベースで、4対2と追いかけます。
原
 7回表、懸命に投げる宮本でしたが、ショート川相がエラーで先頭の新井を出塁させます。送りバントの後、4番リベラがタイムリーを放ち、巨人を突き放します。
 近鉄の先発山崎は、7回まで投げ抜き、8回からは抑えの吉井(グレードB)にスイッチします。吉井は2回を締め、ゲームセット。近鉄がこのシリーズ初の勝利を挙げます。
吉井
 第4戦は、加藤(グレードC)対香田(B)の投げ合いとなります。この日は、1点を争う投手戦に。
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 2回裏、巨人は、ヒットの岡崎をおいて、7番中尾が先制のタイムリーを放ちます。が、近鉄先発の加藤は、その後、ピンチは招くも、要所要所を締め、この1点に抑えます。
 一方の巨人の先発香田は、こちらもヒットを打たれますが、連打を許さず、4回まで無失点で切り抜けます。
 が、5回表、粘り腰の近鉄はヒットの鈴木をおいて、山下がタイムリー・ツーベースで、1対1の同点に追いつきます。
 息詰まる均衡は、6回裏に崩れます。1アウトから5番井上がヒットで出て、すかさず、盗塁。ここで、岡崎がタイムリー・ツーベースを放ち、1対2と逆転に成功します。
岡崎
 香田はこれに力を得て、8回まで点を与えず。9回は、ストッパーの広田が登場し、代打淡口にヒットを許すも、後続を断ち切って、ゲームセット。1点差をものにした巨人が3勝目を挙げ、シリーズ優勝に王手をかけます。
香田
 もはや、近鉄が負けられない第5戦は、日本シリーズ屈指の好ゲームに。緒戦と同じ、エース斎藤(グレードA&C)と阿波野(A)の対決です。
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 先制したのは巨人で、2回裏、阿波野から4番原が先制のソロHR!僅差の勝負となる展開で、この一発は大きく効きます。
 斎藤は球威のある投球で近鉄打線を押しまくり、3回までノーヒットに。が、5回表、近鉄は不振から6番に降格した鈴木貴がツーベースで出ると、送りバントで3塁に。ここで、8番山下がセンターに犠牲フライを打ち上げ、貴重な1点を取って、同点とします。
 前日以上に息詰まる攻防でしたが、7回表、真喜志、山下の連打で数少ないチャンスを作ると、1番新井がタイムリーで2対1と逆転を果たします。
新井2
 巨人は、阿波野からスコアリング・ポジションにランナーを進め、度々、チャンスを作りますが、後一本が出ず、試合は最終回に。
 先頭のクロマティが、この日2本目のヒットで出ると、4番原が繋いで1・2塁とします。ここで、チャンスに強い5番駒田がきっちりとタイムリーを放ち、巨人は土壇場で2対2の同点に追いつきます。何という展開!阿波野は後続を断ち切って、初の延長戦に。
駒田
 巨人は、9回から槇原(グレードA)を投入し、ランナーは出すものの、後続を断って、12回までを投げ抜きます。13回からは、水野(グレードC)が引き継ぎ、こちらは単打のみの安定した投球で、延長17回まで点を与えません。
 一方、巨人は投げ続ける阿波野を攻め、2度のサヨナラのチャンスを作ります。が、阿波野は前年の最終戦敗退の悔しさをぶつけ、全力で腕を振り、最後の1本を許さず。途中で雨天中断があって、冷えた身体でパフォーマンスが落ちても(グレードCに低下)、鬼気迫る投球で、巨人打線を抑え続けます。なんという、気迫!!
阿波野
 が、さすがに、延長13回を過ぎたところで、下位打線に連打を浴び、ここで守護神吉井にスチッチします。吉井は川相を打ち取って、点を与えず。延長16回裏に、呂明賜と好調駒田に連打を浴びるも、阿波野の気迫が移ったかのように、後続を断ち切ります。
 そして迎えた延長18回、これで決着がつかなければ、引き分けになります。近鉄は、この日3本のヒットを放っている6番鈴木貴が、打席に入ります。スタミナ抜群の水野も6イニングス目に入り、制球が甘くなったところを見逃しませんでした。やや中央よりに入った外角のストレートを、ライトスタンドへ!ついに、均衡が破れる!
鈴木貴
 それでも、水野は後続を打ち取って、延長最終回の奇跡を待ちます。第18回裏、5イングス目に突入した吉井は、クロマティ、呂、駒田を撫で切りにし、ゲームセット。日本シリーズ最長の延長18回の攻防に、幕を下ろしました。これぞ、プロ野球!これぞ、日本シリーズ!
 近鉄は驚異の粘りで、2勝目を挙げ、舞台を再び、藤井寺球場に移します。第6戦の先発は、桑田と小野のグレードB対決です。
 序盤から両投手とも、気合い十分の投球で点を与えません。初回、巨人先頭の緒方がツーベースを放ち、川相の進塁打で1アウト3塁としますが、クロマティ、原を小野が打ち取り。その後は、四球は出すものの、1本もヒットを写さず、7回まで零封します。
 一方の桑田も初回に大石のヒットと盗塁でスコアリングポジションにランナーを進めるも、後続を打ち取り。こちらも、7回まで点を与えぬ零行進が続きます。
桑田
 疲れの見えた8回表、巨人は1アウトから篠塚がツーベースを打ち、先制のチャンスを迎えますが、小野が代打攻勢を凌ぎ、いまだ、無失点。
 そして、その裏、ドラマが待っていました。ここまで、打率.174、本塁打0にあえいでいたパの本塁打王ブライアントが、ついに特大のソロアーチ!まさに1点を争うこの試合で出るか!!
ブライアント
 巨人は最終回に、1番から始まる好打順に託しましたが、気迫の小野が首位打者クロマティを打ち取って、完封勝利。1対0で、ついに近鉄バッファローズが、3勝3敗のタイに持ち込みます。
 勝っても負けても優勝の決まる最終第7戦、巨人はここまでリリーフのみで温存していた槇原(グレードA)を投入します。近鉄の先発は中4日の山崎(グレードC)です。
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 2回裏、前日のヒーロー-ラルフ・ブライアントが爆発します。1アウト、ランナー無しの場面で、先制の一発!これで、前試合から2打席連続のHRとなります。
 が、巨人も直後の3回表、ツーアウトから山崎を攻め、1番緒方から4番駒田までの連続安打で、2対1と逆転します。
駒田2
 4回裏、打席には再び、ラルフ・ブライアント。槇原の剛速球をフルスイングで捉えると、なんと、3打席連続のHR!おお、まるで、史実の再現か?!
ブライアント2
 4回を終わって、スコアは2対2のイーブンに。が、死力を尽くす近鉄が立ち向かえたのは、ここまででした。
 5回表、またも先頭の緒方がヒットで出ると、井上、クロマティ、原、駒田が容赦ない5連続ヒット。一気に、4点を取って、山崎をノックアウトします。
クロマティ
 代わった佐藤(グレードC)は、この回は抑えたものの、6回に巨人打線に捕まります。3つの四死球とバントヒットで1点を取ると、6番の職人篠塚が2点タイムリー。さらに8回には、駒田がタイムリー・ツーベースでダメ押しの10点目を挙げます。
篠塚2
 5回以降、槇原は本来のピッチングを取り戻し、8回裏に1・2塁のピンチを招くも、4番鈴木を打ち取り。最終回もリベラに四球を与えただけで、近鉄の代打攻勢を抑えきり、ゲームセット。10対2で巨人が圧勝し、日本シリーズ優勝を決めました。
槇原
 MVPは、打率.346、3HR、7打点の原が獲得しました。敢闘賞は、2試合を投げて、失点を許さず、防御率0点で、1勝1セーブを挙げた吉井でした。
原
吉井
 巨人は、思いのほか、近鉄投手陣に苦労しましたが、最終戦では本来の打線が爆発し、優勝に繋がりました。後半に活躍した緒方が.435、クロマティが.367、MVPの原が346、井上が.318と打ちまくり。打率は.250前後でしたが、駒田と篠塚が4打点と勝負強さを発揮。チームとしては、本塁打数はわずかに4本ながら、平均打率.251、23打点で、近鉄を圧倒。投げては、斎藤、香田、槇原が防御率1点台で、5試合で2失点以下と手堅い投球で、平均防御率は1.77で、近鉄に競り勝ちました。
 近鉄は、当初は貧弱と思われていた投手陣が、6戦目までは、巨人を上回る防御率1.60点と大健闘。特にエース阿波野は、鬼気迫る投球で、緒戦と第5戦の延長戦の22イニングスを投げ抜きました。他にも小野が防御率1.5点、吉井が0点と接戦の立役者となりました。が、打線は3割を超えたのは、.344の新井ただ一人で、大石、リベラ、真喜志、山下が1割台と低迷。打点も村上の4点が最多。本塁打王ブライアントは、最終盤に3打席連続アーチを放ちましたが、全てソロで時すでに遅く。それでも、粘り強い戦い方で、最終戦まで持ち込みんだのは、まさに執念でしょう。

 今月のソロプレイ第5弾は、「熱闘12球団ペナントレース」(HJ)の1988年日本シリーズです。パリーグ優勝の西武ライオンズ対セリーグ覇者の中日ドラゴンズの戦いです。
 西武ライオンズは、近鉄との最終戦ダブルヘッダーを制した、80年代の常勝チームです。15勝の渡辺、13勝の郭泰源(グレードB)と10勝の工藤、森山(グレードC)の4本柱に、抑えの山根がグレードCと、そこそこです。打撃陣では核弾頭の石毛と名手辻が健在で、中日から移った3割の平野、38本塁打の秋山、バークレオ、31本の清原、代打の切り札西岡などが強力です。監督は、手堅い用兵を駆使する森祇晶です。
 一方の中日ドラゴンズは、若き山本のグレードAを筆頭に、西武から移籍した18勝の小野(グレードB)の2枚看板に、小松、米村、鈴木孝、近藤がC、抑えの郭源治が防御率1.95(グレードA)と光ります。打撃では、ルーキーの立浪、主砲の落合、一発のある宇野に、ゲーリー、彦野、燻し銀の仁村徹、川又等と、走力以外では西武打線に引けを取りません。監督は、鉄拳も辞さない燃える男-星野仙一です。
 第1戦は、セリーグのホームグランドのナゴヤ球場で、エース渡辺(グレードB)と山本(A)の対決です。試合は、激しい動きを見せます。
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 1回表、1番石毛がいきなり、ソロHRで先制します。3番秋山も、続いてソロHRで、2点目を挙げます。
石毛
 その裏、中日はヒットの彦野をおいて、3番ゲーリーが同点となるツーラン・ホームランを放ちます。
ゲイリー
 続く、2回裏、今度はヒットの川又を、彦野がホームランで帰し、2対4とします。さらに、3回裏、ゲーリー、落合の連続四球の後、5番宇野がタイムリー、6番仁村もヒット。8番中村がスクイズを決めて、2対8と西武を突き放します。ここで、西武は渡辺を諦め、2番手の山根にスイッチします。
宇野2
 6回裏、加点をしたのは、またも中日でした。5回から代わった東尾を攻め、川又がソロホームラン、3番ゲーリーのツーベースで、11点目を加えます。さらに、7回裏、8番中村のソロHRで、大量12点目を奪います。
 西武も、終盤に粘りを見せます。8回表、疲れの見える山本を攻め、平野のヒット、秋山の四球で4番清原がタイムリー。ツーアウトになるも、辻が内野安打で繋ぎ、8番の代打苫篠が2点タイムリーを放ちます。ここで、山本も降板します。
 9回表、ヒットの石毛がすかさず盗塁を決めると、中日から移籍したばかりの平野がツーベースヒット。さらに、「チャンスに強い」清原が2本目のタイムリーで、7点目を挙げます。
清原2
 が、いかんせん、点差が開きすぎており、リリーフの上原がそのまま、投げきって、7対12で中日が緒戦を物にしました。
 第2戦は、オリエントエクスプレスこと郭泰源と西武から移籍したばかりの小野のグレードB対決になります。
 先制は、西武でした。2回表、好調の清原がソロホームランで、1対0とします。2回は伊東が四球で出ると、セカンド宇野がエラー。辻がスクイズを決めて、2点目を取ります。
辻
 すると、その裏、中日が反撃に。ツーアウトから1番彦野のツーベース、仁村徹のタイムリー、ゲーリーのツーベース、4番落合のタイムリーと、怒濤の4連打であっという間に逆転に成功します。
落合2
 が、4回表、西武も負けじと、秋山のツーベース、バークレオのヒットで1・3塁とし、7番田辺がスクイズで、3対3の同点とします。
 その後、両投手は2回を抑え、ゲームは終盤に。
 7回裏、中日は絶好調の彦野のタイムリーで、1点を奪います。ここで、中日は郭源治を投入します。
 37セーブの守護神に苦労するかと思いきや、8回表、西武は秋山、バークレオの連打でチャンスを作ると、またもスクイズで同点!さらに、8番伊東がタイムリーを放って、5対4と逆転に成功します。
 8回から西武は、本来は先発の工藤を投入し抑えにかかりましたが・・・ゲーリーがヒットで出て、代走岩本が盗塁に成功します。主砲落合はきっちりとタイムリー・ツーベースを放って、同点!さらに、宇野のヒット、山田のスクイズで2点を加えます。
宇野
 9回表、郭源治はヒットを許し、1本出れば同点の危機を迎えますが、後続を冷静に打ち取ってゲームセット。5対7で、中日が連勝し、対戦成績を2勝とします。
郭源治
 第3戦は、舞台を西武ラインズ球場に移します。先発は森山(グレードC)対小松(C)です。この日は、本シリーズ初の投手戦となります。
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 西武は、2回裏、四球のランナーを送って、1アウト2塁とし、7番田辺がタイムリーツーベースを放ち、先制します。
田辺
 これを先発の森山が守り続け、6回まで好調中日打線を1安打で零封します。
 が、このシリーズで驚異的な粘り腰を見せる中日は、7回表、ゲーリー、落合、宇野の三連打で同点に追いつきます。
落合3
 続く、8回表、今度はランナーを2塁において、1番彦野がタイムリーを放ち、2対1と逆転します。さらに、9回表、ツーベースの落合を塁において、7番川又がタイムリーで3対1と突き放します。
 中日の小松は、2回の1失点以外は、西武打線を翻弄し、点を与えず。7回裏に2死1・2塁のピンチで、守護神郭にリリーフし、抑え込みます。そのまま、郭が9回まで投げ切り、初セーブ。3対1で、中日が優勝への王手をかけます。
 西武は絶対に負けられない第4戦に、工藤(グレードC)を投入します。中日は、ベテランの鈴木孝政(C)です。
 この大事な試合に、4番が抜群の働きをします。1回表、彦野が四球を選び、バントで送ると、主砲の落合がバックスクリーンに先制のツーランホームランを放ちます。その後、工藤は立ち直り、5回まで点を与えず。
落合
 一方の鈴木は、スコアリングポジションに度々、ランナーを出すものの、老獪なピッチングで、4回まで西武打線を抑え込みます。
鈴木孝政
 このままでは、ストレート負けになると奮起した西武は、5回裏、ヒットの平野を塁において、3番秋山が値千金の同点ツーランHRを放ちます。これで、ゲームは振り出しに。
秋山
 が、ここでも、中日の粘りが。続く、6回表、1アウトから彦野がツーベースを打つと、燻し銀仁村徹が勝ち越しのタイムリー!ここで、ライトの平野に痛いエラーが出て、さらに1点を献上。6番川又が止めのタイムリーを放って、5対2とします。
 西武は連打や連続エラーで、チャンスを作りますが、ゲッツーなどで後一本が出ず。ベテラン鈴木の前に、追加点を取れず、ゲームオーヴァー。
 5対2と、なんと4戦連続勝利の中日が、史実の劣勢を跳ね返し、ストレート勝ちで日本シリーズ優勝を決めました。
 MVPは、驚異の打率.500、1HR、4打点の彦野が獲得しました。敢闘賞は.313で2本塁打を打った秋山でした。
彦野
秋山2
 西武は、平野が.353、秋山が.313、石毛が.294の2盗塁と活躍しましたが、バークレオ、田辺が1割台で足を引っ張り、平均打率も.245と中日に抑え込まれました。投げては、先発の渡辺、郭、工藤が防御率5点以上で、ゲームが崩壊。平均防御率は5.56で、1試合に1本以上の本塁打を打たれたのも、響きました。
 一方の中日は、MVPの彦野に、同じく打率.500の落合、.333で1本塁打、5打点のゲーリー、.357の川又などがきっちりと得点を重ね。平均打率は.285で、26得点(!)と西武を圧倒。投手陣も、小野、小松、鈴木がゲームを作り、守護神郭も第1試合は打ち込まれるも、2戦目に零封。平均防御率は3.5点で、被本塁打もわずかに1本とがっちりと抑え込みました。

 今月のソロプレイ第4弾は、「熱闘12球団ペナントレース」(HJ)の1987年日本シリーズです。パリーグ優勝の西武ライオンズ対セリーグ覇者の読売ジャアンツの戦いです。
 西武ライオンズは、15勝の工藤(グレードA)と東尾(グレードB)に、13勝の郭泰源(グレードB)、先発・抑えも熟せる渡辺 (グレードB)の4本柱に、松沼博と横田がグレードCと充実した先発陣を誇ります。打撃陣では核弾頭の石毛、43本塁打の秋山、29本の清原、14本のブコビッチなどが強力ですが、規定打席で3割がおらず、平均打率は.249と確実性は低めです。監督は、広岡野球を継承した森祇晶で、敵の隙を突く用兵が持ち味です(史実での第6戦、ツーアウト1塁から単打での辻の生還は、あまりに有名)。
 一方の読売ジャアンツも、桑田のグレードAを筆頭に、江川、水野、加藤初のグレードBの先発に加え、抑えの鹿取が防御率1.90(グレードA)と光ります。打撃では、篠塚、クロマティ、原、吉村、中畑が3割超え(!)で、平均打率は.281と、巨人史上でも最強の部類に入ります。監督は、世界のHR王こと王貞治です。下馬評では、圧倒的に巨人が有利でした。
 第1戦は、パリーグのホームグランドの西武ライオンズ球場で、エース桑田(グレードA)と工藤(A)の対決です。
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 初回から、西武がしたたかさを見せつけます。ピッチャーのエラーで出塁した石毛が、すかさず、盗塁。ツーアウトになるものの、4番清原が先制のツーランホームランを叩き込みます。さすが、「チャンスに強い」清原。
清原2
 4回表、巨人は戦闘のクロマティがヒットで出ると、原の進塁打の後、6番「絶好調の」中畑がツーベースを放ち、1点を返し、1対2とします。
 すると、その裏、西武は今度はサードのエラーでブコビッチが出塁し、金森のバント処理で野手選択で、1・2塁とすると、7番田辺がきっちりタイムリーを放ち、1対3へ。
 そのブコビッチが、6回裏にはソロホームランを叩き込み、1対4に。
 終盤、ゲームが激しく動きます。7回表に、四球の中畑が盗塁すると、岡崎の代打鴻野が2点ホームラン!
 さらに、8回表、ヒットのクロマティを中畑がヒットで迎え入れ、ついに4対4の同点に追いつきます。中畑がこの日2つ目の盗塁を決めると、7番鴻野が逆転の一打を放ち、5対4とします。ここで、西武の先発工藤はノックアウトされます。
 その裏、今度は西武がしぶとく食い下がります。四球の金森を置いて、7番田辺が再逆転のツーランホームラン!ゲームは再び、西武リードで5対6に。
田辺
 最終回、8回途中からリリーフした森は、先頭の山崎を三振に取りますが、1番駒田に四球を与え、篠塚がヒットで1・2塁とします。ここで、西武は本来は先発の郭泰源を救援に投入しましたが・・・3番クロマティを三振に取るも、4番原が執念の内野安打で繋ぎます。そして、ここまでノーヒットの5番吉村。天才と言われたバッターが郭の剛速球を打ち返し、7対6と再々逆転に成功します。なんという、シーソーゲーム!
吉村2
 巨人は、ここまで6点を取られながら、試合を維持した(グレードを低下させなかった)桑田が粘りの投球で完投し、ゲームセット。ホームラン3本を浴びたものの、5安打、自責点3で、緒戦をアウェイの巨人が取りました。
 第2戦は、江川と東尾のグレードB対決になります。前半は、投手戦となり、ともにヒットは許すものの、要所要所を締め、責任投球回数の5回まで、0対0の零行進が続きます。
 6回表、均衡を破ったのは巨人でした。先頭の山倉が歩き、松本の進塁打で1アウト2塁とすると、1番駒田が値千金の先制ツーランを放ちます。さらに7回表、今度は吉村がライトスタンドにソロHRを叩き込み、3対0とリード。
駒田2
 西武は、7回裏、1アウトから清原が出ると、5番ブコビッチが左中間ツーベースを放ち、1点を返します。ここで、江川は降板し、リリーフエースの鹿取(グレードA)が後続を打ち取ります。
 負けられない西武は、8回裏、ツーアウトから石毛・広橋の連打で鹿取を攻め、2・3塁のチャンスを作りますが、ああ、主砲秋山が三振になります。
 9回表、今度は巨人原が貴重なソロHR!これがダメ押しとなり、鹿取が3人をきっちり締めて、ゲーム終了。巨人が2勝とします。西武は、ランナーを出して、積極的な盗塁を仕掛けましたが、走力5の秋山、4の苫篠が山倉に阻止されるなど、機動力を生かせず。
原2
 第3戦は、舞台をこの年最後の後楽園球場に移し、先発は渡辺(グレードB)対水野(B)です。
 序盤は、両投手とも粘りの投球で3回まで零行進が続きます。特に西武の渡辺は、4回裏まで一人もランナーを出さないパーフェクト・ピッチングです。
 4回表、西武は四球のランナーをおいて、不振の秋山がタイムリーツーベスを放ち、先制します。6回表には、「チャンスに強い」清原がソロホームランで貴重な追加点を挙げます。
秋山
 巨人も、5回裏に吉村が初ヒットを放つも、ゲッツーで断ち切れ。6回にはヒットの鴻野を送って、スコアリング・ポジションまで進めるも、あと一本が出ず。
 最終回、ツーアウトから篠塚がセンター前ヒットで出て、ホームランで同点の場面を作りましたが、クロマティが凡退し、2対0で西武が勝利しました。渡辺は、9回を散発4安打に抑え、完封勝利です。これで、西武は1勝2敗と初の勝ち星を挙げます。
渡辺2
 第4戦の先発は、オリエントエクスプレスこと郭泰源と「鉄仮面」加藤のグレードB対決です。この日は、激しいシーソーゲームになります。
  2回裏、巨人が原のツーベース、吉村のヒットで1・3塁とすると、中畑の併殺打の間に、1点を先制します。
 続く、3回表、西武はヒットの伊東をきっちり送り、2番西岡がセンター前にはじき返して、同点とします
 5回裏、巨人は、1アウトから好調鴻野がヒットで出ると、「意外性の男」8番山倉がツーラン・ホームランを放ち、1対3と再び、リードします。
 王手をかけられたくない西武は、6回表、ツーアウトから粘りの繋ぎで反撃に出ます。秋山が四球の後、すかさず、盗塁。ここで頼りになる4番清原がセンター前にはじき返して、同点!さらにブコビッチが四球を選ぶと、降格された6番石毛が奮起し、逆転のタイムリーヒットを放ちます。これで、西武は4対3と再逆転します。
石毛2
 7回は両投手が持ち直して、点を与えず。8回表、なんとか点が欲しい西武は、先頭の秋山に待望の1発が出て、巨人を5対3と突き放します。
 そして、9回裏、疲れの見える渡辺から先頭の原がツーベースで足掛かりを作り、6番中畑がヒットで、再び、1点差にします。鴻野は三振に倒れるも、8番山倉がヒットで繋ぎ、ツーアウト1・3塁とします。一打同点、長打でサヨナラの場面で、代打山本。ここで、西武は球威の落ちた渡辺から、横田にスイッチします。行き詰まる対決は・・・三振!からくも、5対4で接戦を物にした西武が、通算成績を2勝2敗の五分に戻します。
 ともに王手のかかった第5戦、桑田対工藤のエース(グレードA)対決となります。2回までは両投手を攻めあぐね、零のまま。
 3回裏、初ヒットは、なんと投手の桑田。すると、動揺した東尾の甘い球を見逃さず、1番駒田がバックスクリーンに、2点HRを叩き込みます。
駒田
 続く、4回裏、先頭の中畑がヒットで出塁すると、すかさず、盗塁を決めます。ここで、4番原がタイムリーを決めて、0対3と突き放します。
原
 西武も桑田を攻め、スコアリング・ポジションまで3度、ランナーを進めますが、要所を締められ、得点できず。
 その後、東尾も立ち直り、両軍とも点が取れない展開で、あっという間に最終回に、桑田が、1番から始まる打線を三者で打ち取り、ゲームセット。読売巨人軍が、優勝への王手をかけます。
桑田2
 ここで移動があって、再び、西武ラインズ球場へ。第6戦の先発は東尾(グレードB)対江川(B)の二度目の対決となります。序盤は、意地の投手戦となります。東尾は4回まで、ツーベースと単打の散発に抑え、点を与えず。江川もピンチを招くも、後続を断ち切って、スコアボードに零を並べます。
東尾
江川
 ゲームが動いたのは、中盤でした。5回表、クロマティがヒットで出ると、この日初先発の8番石井がタイムリーツーベースで、先制します。
 6回表は、篠塚のヒットと原の単打で1・3塁とすると、5番吉村がセカンド強襲で1点を追加します(記録はエラー)。続く、7回、こちらもエラーで出塁した鴻野を、石井が二打席連続のツーベースで、生還させます。これで、3対0に。
 8回には、原と吉村の連打でチャンスを作り、クロマティの併殺打の間に、1点を追加し、4対0と大きく優勝に前進します。
 最終回9回の裏、のらりくらりとここまで無失点の江川でしたが、1アウトから石毛がツーベースを放つと、田辺が左中間に一発を放ち、4対2と一矢報います。ここで、江川は降板します。
 引き継いだ鹿取は、絶対的抑えの力を発揮し、打者2人を打ち取って、試合終了。ジャイアンツが史実を覆し、87年の日本王者となりました。
鹿取
 MVPは、驚異の4割7分8厘、1HR、2打点の原が獲得しました。敢闘賞は、2割6分1厘ながら、チャンスで打点を挙げた田辺(1HR、6打点)でした。
原
田辺2
 西武は、3割以上の打者はおらず、平均打率.179と低迷。投手陣も、エースの工藤が防御率5.14点、東尾が4.15点と打ち込まれたのが痛かったです。それでも、与四球率は1.16と抜群の安定感で、4戦目に完封した渡辺など、トータルでは防御率3.57でした。
 一方の巨人は、4番原が打ちまくり、西武のお株を奪うような積極的な盗塁(のべ5盗塁)で、一本を繋いで合計で20点を獲得。これを防御率2.17の投手陣が支えて、優勝しました。エースの桑田が防御率1.50点、江川も1.84点でともに2勝を挙げ、抑えの切り札鹿取が無失点(2セーブ)など、投手陣の働きが大きかったです。

 今月のソロプレイ第3弾は、「熱闘12球団ペナントレース」(HJ)の1986年日本シリーズです。パリーグ優勝の西武ライオンズ対セリーグ覇者の広島東洋カープの戦いです。
 西武ライオンズは、ゲーム化されている83年以降、91年まで実に7回のペナント優勝を誇る黄金期に当たります。16勝の渡辺(グレードA)と抑えも任せられる郭泰源(グレードA)、工藤・川本のグレードBに、東尾のグレードCと、3人が10勝以上の強力な先発陣です。抑えには、若手の石井(グレードA)と先発兼任の郭泰源(グレードA)がいます。打撃陣では、打って良し、走って良し、守って良しの石毛・辻の1・2番コンビニ、41本塁打の秋山、3割30本越えの驚異の新人清原、一発のあるブコビッチ、シェアな打撃の片平、トレードで中日から来たベテラン田尾、出塁率の高い金森、岡村など、こちらもどこからでも得点できる強力な布陣です。
 一方の広島東洋カープも、18勝を挙げたエース北別府(グレードA)を筆頭に、川口、金石、長冨、大野(グレードB)と、4人が10勝以上で、西武以上の強力な投手陣です。リリーフも炎のストッパー津田(グレードA)と新人ながら中継ぎの要となった川端(グレードB)と高い安定感を誇ります。打撃では、衣笠が.205の不調、山本浩二も30本に届かないHR数など、往年の主軸の衰えはあります。が、成長著しい正田、走って守って打てる髙橋、山崎、シェアなバッティングの長島、長内、代打の切り札小川、走りのスペシャリスト今井など、こちらも様々な得点パターンのあるチームです。
 第1戦は、セリーグのホームグランドの広島市民球場で、エース北別府(グレードA)と渡辺久信(A)の対決です。
 先制したのは、広島。2回裏、四球の山本浩二を置いて、6番小早川がツーベースを放ち、1アウト2・3塁とします。ここでベテラン衣笠が犠牲フライを打ち上げ、0対1とします。さらに4回裏、先頭の髙橋がヒットで出ると、すかさず、盗塁。ここで、5番長嶋がツーベースで2点目を挙げます。小早川三振の後、再び、衣笠。が、ここで、突然、激しい雨が振り出し、試合は中断。結局、そのまま、やむことなく、雨天中止となりました。
 翌日、中止規定に従って、再び、第1戦となります。が、この日も朝からどんよりとした雲に覆われ、時折、小雨が混じる天候。必死のグランド整備が功を奏し、試合開始となりましたが・・・1回表、ツーアウトで秋山を迎えたところで、前日を彷彿とさせてる激しい雨に。この日もノーゲームとなり、日本シリーズ史上初の2戦順延となります。
 やっと迎えた3日目、晴れ上がった広島市民球場で、第1戦が開催されます。先発は、川本と金石のグレードB対決です。
第1戦
 1回裏、好調広島打線が火を噴きます。1番正田がセンター前ヒット、山崎が内野安打で1・2塁に。髙橋が併殺打に倒れますが、ここで4番山本浩二がレフトへの特大ホームランを叩き込み、0対2と先制します。
山本
 西武は、4回表、こちらも4番清原がソロアーチで、1点差とします。
 その裏、広島はヒットの長嶋を置いて、6番小早川が右中間へのHRで、1対4と突き放します。さらに、5回裏、山崎がツーベースで出塁すると、山本がセンター間ヒットで繋ぎ、5番長嶋が犠牲フライを打ち上げて、5点目を捥ぎ取ります。7回裏には、四球とヒットで1・3塁とし、セカンドのエラーで6点として止めを刺します。
 西武も、9回表にAK砲の秋山がソロHRを放ちますが、そこまで。金石が完投し、2対6で広島が先勝します。
金石
 第2戦は、西武の2枚看板郭泰源(グレードA)と長冨(B)の投げ合いになります。初回、いきなり、西武打線が爆発します。核弾頭石毛が先制のソロHRを放つと、ヒットの辻を塁において、3番秋山が見事なツーラン!さらに、4番清原が連続HRのアベック砲で4点目を取り、長冨をノックアウトします。
秋山2
清原3
 広島も負けじと、1回裏、ヒットの正田を置いて、髙橋慶彦が郭の直球をバックスクリーンに叩き込み、4対2と追い上げます。
 その後、郭が持ち直し、広島も白武-小林のリレーで、4回までは得点なし。
 本来なら勝利投手が決まる5回、動きがでます。西武が1アウトから連打で、1・2塁とすると、中日から移ったばかりの田尾が貴重なスリーランを放ち、7対2とします。
 が、その裏、再び、正田が出塁すると、3番髙橋がこの2本目のホーランを放ち、7対4とします。さすが、カラスが鳴かない日があっても、慶彦のティー(バッティング)が聞こえない日はない、といわれた「練習の虫」!
高橋
 その後、2回は両投手陣の踏ん張りで、落ちつくかに思えましたが・・・8回表、西武はリリーフの大野を攻め、田尾のツーベース、四球、代打清家の内野安打で満塁とします。ここで、1番石毛がなんと満塁HR !まさにとどめの一発に。
石毛2
 西武は、疲れに見えた郭を、8回裏から石井(グレードA)にスイッチし、そのまま、終了。11対4で、対戦成績を1勝1敗の5分に戻します。
 第3戦は、舞台を西武ラインズ球場に移し、先発は北別府(グレードA)対渡辺久信(A)の対決になります。
第3戦
 両エースの投げ合いとあって、試合は真っ向からの投手戦に。
 広島の北別府は緩急を付けた投球で、西武打線に的を絞らせず、なんと、6回までノーヒット・ピッチング。7回裏に、清原にツーベースを打たれたものの、その後も要所要所を締め、9回まで点を与えず。
北別府2
 一方の渡辺も、好調広島打線を相手に、ヒットは許すものの、あと1本を与えず。スコアリング・ポジションに5回、ランナーを進めますが、きっちりと後続を抑えて、こちらも零封。結果、本シリーズ初の延長戦に突入します。
渡辺2
 勝負が動いたのが、第11回表でした。先頭の山本が四球で出ると、ピンチランナー今井が盗塁を決め、6回目のチャンスを迎えます。ここで5番長嶋が、渡辺の初球を叩いて、先制のツーランホームラン!ついに、均衡を破ります。
長島
 その裏、北別府は代打金森、石毛、辻を凡打に打ち取り、ゲームセット。延長11回を投げ抜く見事な完投で、2対0と広島が再び、リードします。
 第4戦の先発は、工藤と川口のグレードB対決です。序盤は、ともに小数点を取り合う展開になります。
 2回裏、西武は先頭の4番清原が、川口の速球を捉え、ライトスタンドに放り込みます。 
 続く、3回表、今度は広島が四球のランナーを進塁打で進め、山崎のタイムリーで同点にします。さらに、4回表、このシーズン絶好調の髙橋慶彦がソロホームランで、2対1と逆転します。
 その裏、西武も反撃に出ます。2番辻がセンター前ヒットで出ると、すかさず、盗塁を成功させます。ここから、秋山・清原の連続ヒットで2点を加え、2対3と逆転します。5回裏、ツーベースの伊東をおいて、打率4割近くの1番石毛がヒットで、2対4と差を広げます。
石毛
 8回表、広島も意地を見せ、代打小川のヒットと進塁打、またも髙橋のタイムリーで3対4と追いすがりましたが・・・。
 その裏、西武が変わった川端を攻め、ツーベースとヒットで加点し、3番秋山が止めの3ランホームランを放ちます。さらに、ツーベースの清原をおいて、代打西岡がタイムリーで4点目を加え、勝利を決定づけます。
秋山
 西武は、8回途中からリリーフエースの石井が広島打線を抑え、3対8で勝利し、再び、勝敗を2勝2敗の5分に。
 ともに王手のかかった第5戦、先発は、前回完投の金石(グレードB)とシーズン初登板の東尾(C)の投げ合いになります。
 この試合も5回までは、がっぷり四つの取り組みになります。2回に広島が投手金石(!)のツーベースで先制すれば、その裏に西武は、スリーベースの西岡を伊東がスクイズで返し、1対1の同点に。
 5回表、正田・山崎の連打で作ったチャンスに、頼りになる男-髙橋がタイムリーで再び、2対1とリードをしますが、その裏に西武の核弾頭石毛がソロHRで、たちまち、同点に。
 すると、7回裏、疲れの見えた金石から石毛がツーベースを放ち、辻のタイムリーで西武が逆転に成功します。さらに、8回裏、リリーフの川端を攻め、伊東がツーランHRを放ち、2対5に。ここで、西武は防御率.000の守護神石井を投入し、勝負あったかと思われましたが・・・。
 9回表、広島は先頭の達川と代打小川の連続ツーベースで、1点を返し、3対5とします。それでも、石井は2人を打ち取り、あと一人までこぎ着けます。ここで、バッターは3番髙橋。狙い澄ました1発は、同点となるツーランHR!土壇場に来て、5対5と広島が奇跡的に追いつきます。なんという展開!!
高橋
 9回裏は、炎のストッパー津田が締めて、ゲームセット。5戦目が終わって、2勝2敗1引き分けと、両軍とも一歩も譲らず。
津田
 再び、広島市民球場に移って、王手のかかった第6戦に。先発は、西武の両エースの郭泰源(グレードA)とシーズン初先発の大野(グレードB)です。
第6戦
 初回、広島は山崎の内野安打と盗塁でスコアリングポジションにランナーを進めると、5番長嶋のツーベースで、幸先良く、先制します。その後、郭は自慢の剛速球で広島打線をねじ伏せ、7回まで一人もランナーを出さない好投を続けます。
長島2
 西武は4回まで苦労人大野の緩急を付けたピッチングに、あと一本が出ず。が、勝利のかかった5回表、西岡・田尾の連打で1・3塁とすると、8番伊東がスクイズを決め、同点とします。さらに、1番石毛がタイムリーを放ち、2対1と逆転に成功します。その後も、西武らしく、6回と7回に犠飛で1点ずつを取り、4対1と突き放します。
 負けられない広島は、8回裏に先頭の達川がツーベースで出塁すると、2番山崎がタイムリーで4対2と詰め寄ります。
山崎
 迎えた最終回、山本浩二が四球を選び、長嶋が倒れた後、小早川が打席に入ります。ここで、カープの若武者が値千金の同点ツーラン!最終回の同点劇で4対4に!その後は、郭に変わった石井が後続を断ち切って、終了。日本シリーズ史上初となる二試合連続の引き分けです。
小早川
 再々度、優勝への大手をかけた第7戦、ここは再び、渡辺と北別府の最強エース対決(ともにグレードA)となります。
第7戦
 初回はともに零封でしたが、前半から西武打線が火を噴きます。2回表、ショートのエラーでランナーが出ると、ここまで打率が2割切っていた5番ブコビッチが、目覚めのツーラン!次の打席でもヒットを打つなど、覚醒します。
ブコビッチ
 4回表、四球の清原に、ブコビッチがヒットで続き、6番西岡がスクイズを決めて、加点します。ここで、レフト山本に痛いエラーが出て、2・3塁に。8番伏兵の伊東が、思い切って振り抜くと、バックスクリーンへのスリーランHRに!これで、6対1と広島を大きくリードします。
 その後、広島は清川のロングリリーフに、白武と繋いで、西武打線を抑えます。
 が、広島打線は立ち直った渡辺久信に翻弄され、点が取れず。最終回にツーアウト1・2塁とチャンスを作りましたが、代打小川が三振に倒れてゲームセット。
渡辺
 このシーズン初めて西武が先制し、対戦成績を3勝2敗として、優勝への大手をかけます。
 歴代日本シリーズ初の第8戦は、同じく広島市民球場で開催されます。先発は、工藤と川口のグレードB対決です。
第8戦
 初回、好調の西武が先制します。1アウト後、辻・秋山の連打で1・2塁とすると、目覚めたブコビッチが、値千金のスリーランHR!さらに、3回表、ヒットの清原、四球のブコビッチをおいて、6番西岡がタイムリーで、4対0とします。
 なんとしても、追いつきたい広島でしたが、工藤の変化球に翻弄され、4回までわずかヒット1本に抑えられます。5回裏、先頭の小早川が前々日に続く、ホームランで1点を返します。が、後続が打ち取られ、追加点を奪えず。
工藤
 この頃から、またもや雨雲が広島地方を覆い、小雨の中で試合が続行となります。広島は2番手に川端を投入し、3回を零封します。
川端2
 そして、迎えた8回裏、先頭達川を打ち取ったところで、猛烈な秋雨に。なんとしても、試合を再開したかった広島球団ですが、そのまま、日没まで雨が降り続け、4対1のまま、無念の雨天コールド!
 結果、4勝2敗で西武ライオンズが、86年の日本シリーズを制覇しました。  MVPは、2つの完投勝利で、延長を含むのべ20イニングスを投げ抜いた渡辺久信です。防御率も1.35と文句なしでした。敢闘賞は、打率3割3厘で、4本のホームランを放ち、9打点(両チーム最多)を挙げた髙橋慶彦でした。
渡辺2
高橋
 西武は、石毛が3本塁打の8打点、秋山が4本塁打の7打点、ブコビッチが2本塁打の5打点、伊東が2本塁打の6打点、と、広島を大きく上回る13本の本塁打、40打点が効きました。また、清原が.344、西岡が3.75と高い打率で、チャンスメイクをしました。投げては、MVPの渡辺と工藤が2勝ずつ、(1試合のみ打ち込まれましたが)抑えの石井が4試合を零封。平均防御率は、投手王国らしい3.15でした。
 広島は、正田と敢闘賞の髙橋が.303、達川が.304、小早川が3本塁打5打点など、活躍しましたが、ベテランの山本浩二が.179、衣笠が.083と低迷。結果、総本塁打9本に、24得点と振るわず。投げては先発の金石、北別府が防御率3点以下、リリーフでは白武と清川が0点と奮闘しましたが、1アウトも取れず降板した長冨、8.10と打ち込まれた川端等、投手陣が崩壊。平均防御率4.75で、被本塁打14本と打ち込まれました。唯一、西武を上回ったのが盗塁で、トータル7はよかったです。
  それにしても、2日間の雨天順延や最終戦のコールドなど、これほど天候に左右されたシリーズは、初めてでしょう(珍プレイ好プレイの綾)。

 今月のソロプレイ第2弾は、「熱闘12球団ペナントレース」(HJ)の1984年日本シリーズです。パリーグ優勝の阪急ブレーブス対セリーグ覇者の広島東洋カープの戦いです。
 阪急ブレーブスは、21勝した最多勝の今井(グレードA)・勝ち星2位の山田(B)・佐藤(B)の強力先発陣に、抑えで力量を発揮した山沖(B)と、リーグ唯一の防御率3点台を誇ります。打撃では、俊足の盗塁王福本を筆頭に積極的な盗塁が多く、松永・ブーマー・弓岡の3割打者、HR20本越えの最優秀新人の藤田、簑田、ブーマーと、強力な破壊力を誇ります。なお、ブーマーはこの年、打率.355にHR37本、130打点で、戦後7人しかいない三冠王に輝いています。監督は、延べで20年(!)を務め、強力打線を育成し、常に優勝争いを続けた名将上田利治です。
 一方の広島東洋カープは、先発の北別府・大野・山根(グレードB)に、最優秀防御率を取った抑えの小林がAと、ほぼ同等の投手陣です。打撃では、俊足の1、2番コンビの高橋・山崎に、打率とHRともに主軸の山本浩二・衣笠、期待の新人小早川、シェアなバッティングの長嶋と、隙のない打線が魅力です。監督は、赤ヘル軍団の指揮官古葉竹織です。
 第1戦は、セリーグのホームグランドの広島市民球場で、エース今井(グレードA)と北別府(B)の対決です。
第1戦
 試合が動いたのは4回でした。広島はツーアウトながら山崎の四球と小早川のヒットで得点圏にランナーを進めますが、山本がサードゴロに。が、阪急の松永が、ここで痛恨のエラーで満塁に。鉄人衣笠がレストスタンドの満塁HRを打ち込み、一気に4点をもぎ取ります。これで、気落ちした今井は、4回に高橋のツーラン、5回に山本と長嶋のソロで8点を失います。
衣笠
 阪急も、8回にブーマー、簑田の連続ヒットで1、3塁とし、小林晋哉の内野ゴロで、1点を返しますが、そこまで。要所要所を抑えた北別府が1対9で完投し、広島が先勝します。
北別府
 第2戦には、佐藤義則と山根のグレードB対決です。1回、阪急が松永の一発で先制すると、2回裏に広島は、ヒット2本と二つの四球で満塁とし、木下、達川の連続スクイズで1対2と逆転します。阪急も5回に今度は伏兵福原のソロで、同点にします。
松永
 2対2で迎えた7回、またも福原がツーベースでチャンスを作ると、代打村上が勝ち越しのツーランHRを放ちます。
福原
 ここで阪急は抑えのエース山沖を投入しましたが、広島も木下、達川の連続ヒットで食い下がります。北別府に変わって、代打長内が、値千金のスリーベースヒット!さらに、高橋慶彦の進塁打の間に1点をもぎ取り、逆転します。
長内
 8回からは、広島のストッパー小林誠二がきっちりと閉め、接戦を物にした広島が4対5で連勝します。
小林
 第3戦は、舞台を西宮球場に移し、先発は大野(グレードB)対山田(B)です。両投手ともランナーは出すものの、粘りの投球で3回まで零行進が続きます。
第3戦
 4回表、ここに来て当たりの出てきた新人小早川が、先制のソロHRをたたき込みます。この援護を受けて、大野は6回まで点を与えず、投手戦が続きます。
小早川
 と、7回裏、負けられない阪急は、疲れの見えた大野から藤田がツーベースを放ちます。ここで、前試合にHRを打っている村上が、二日連続のツーランHR!さらに四球の福本を2塁において、松永がタイムリーを放って1対3に。8回には、藤田のとどめのツーランHRも飛び出し、1対5とリードを広げます。
 投げては、サブマリン山田久志が9回を投げ抜き、ゲームセット。阪急がやっと一矢を報いて、勝ち数を2勝対1勝とします。
山田久志
 両チームとも勝ち星にしたい第4戦の先発は、川口と宮本のグレードCです。この日は、激しいシーソーゲームになります。
 1回表、好調小早川のタイムリーで広島が先制し、4回にも衣笠の一発で2対0とします。その裏、阪急の松永、簑田がヒットでランナーを貯めると、6番小林晋が値千金の逆転スリーランを放ち、2対3と逆転します。
 が、直後の5回表、今度は広島の主砲山本浩二が、ツーアウトから再逆転のツーランHRを放ちます。
山本
 このままでは、終われない阪急は、8回裏、三冠王ブーマーがこのシリーズ初のHRで4対4の同点に!
ブーマー3
 が、9回表に再びドラマが待っていました。広島の4番遅咲きの山本が勝ち越しのツーラン!これを守護神小林誠二が守り切って、広島が6対4と3勝目をもぎ取り、優勝にお王手をかけます。
 阪急にとっては後がない第5戦は、壮絶な戦いに。初戦と同じ今井(グレードA)と北別府(B)の先発です。
第5戦
 立ち上がりの不安な今井が1回表に捕まり、高橋のヒット、四球、小早川のタイムリー、衣笠の犠飛、長内のタイムリーを浴び、3点を失います。
高橋
 その裏、阪急も福本がツーベースで出塁すると、3番松永のタイムリーで1点を返し、3対1とします。  
松永4
 粘る阪急は、3回裏にブーマーの犠飛、簑田のタイムリーで、3対3の同点に追いつきます。すると、5回表、今度は広島の4番山本浩二がタイムリーで、またも4対3とリードします。
 その後、両投手ともランナーを出しながら要所を閉め、ゲームは終盤に。このままでは敗北すると焦る阪急な、8回裏にツーアウトながら簑田が四球で出塁すると、6番小林晋が値千金の同点スリーベースヒット!これで、ゲームは4対4の振り出しとなり、ともに9回を零封して、シリーズ初の延長戦に入ります。
 10回裏、阪急が松永のツーベースでサヨナラのチャンスを作ると、広島は北別府を諦め、抑えの切り札小林を投入します。小林はきっちりとブーマー、簑田を打ち取って、11回へ。
 広島は11回表に山本のヒットと衣笠の四球で勝ち越しの機会を迎えますが、6番長嶋がゲッツーでチャンスを逃します。
 11回裏、あっさりとツーアウトを取った小林ですが、代打村上を警戒して四球を与えます。すでに規定の270分が過ぎようとしており、この回を抑えれば、引き分けになります。バッターは、打率わず.232の助っ人バンプ。が、小林が投じた一球を、バンプが外野後方に弾き返し、サヨナラのツーベースヒット!
バンプ
 結果として、阪急の先発今井が11回を投げ抜き、4対5の完投勝利で、勝ち数を2勝対3勝とします。
 シリーズは再び、広島市民球場に戻って、第6戦に。先発は、佐藤義則と山根のグレードB対決です。試合は、やはり、かなりの混戦になります。
 初回、先頭の福本がヒットで出塁し、すかさず盗塁。それを弓岡が送って、松永の犠飛で返します。その後もブーマーのヒット、簑田の四球と続き、小林晋のツーベースで2点目を獲得します。その裏、広島は好調小早川の一発で、2対1とします。
ブーマー
 4回裏、広島は衣笠、長内の連打でチャンスを作ると、達川のタイムリーで同点に。なんと、投手山根もヒットを放ち、2対3と逆転します。
 さらに5回、2番山崎がヒットで出ると、盗塁で2塁に進み、小早川がタイムリー。さらに6番衣笠もヒットで続き、6番長内がスリーベースヒットで加点。木下のスクイズもあって、3対7と突き放します。
小早川2
 7回も山本の四球に衣笠のヒットで1、3塁とすると、またも木下がスクイズでダメ押しとします。
 阪急も度々、スコアリング・ポジションまで走者を進めますが、後1本が出ず。8回にブーマーが、守護神小林誠二から、意地の一発を放つのがやっと。 
 そのまま、広島が4対8で逃げ切り、日本一となりました。
 MVPですが、4割1分7厘、3HR、7打点の山本が獲得しました。敢闘賞は、3割7分5厘、2HR、3打点のブーマーでした。
山本2
ブーマー3
 阪急は、盗塁数こそ5と上回りましたが、本塁打7本、平均打率は2割3分9厘で、広島に差が付きました。ブーマーが3割7分5厘、松永が3割4分8厘、後半2戦に出場したバンプが5割7分1厘と気を吐きましたが、福本、弓岡、藤田、福原が軒並み1割台と低迷し、主軸の得点に結びつけられませんでした。きっちり完投勝利したのも、わずかに2試合で、防御率は4.92と崩壊。特に、3試合に登板した抑えの山沖が、防御率9.02と打ち込まれたのが、響きました。
 対する広島は、山本が4割1分7厘、衣笠が3割4分8厘、小早川が3割3分3厘、長内が3割5分7厘と当たり、平均打率は2割8分でした。作ったチャンスを単打やスクイズ、犠打でこまめに加点し、総得点32点を獲得しました。投手陣では、北別府が18回1/3を投げ、防御率2.45でゲームを作り、抑えの小林が1敗はあったももの、1勝2セーブと期待通りの活躍をし、平均防御率は3.79で優勝を手繰り寄せました。

 今月のソロプレイ第1弾は、「熱闘12球団ペナントレース」(HJ)の1983年日本シリーズです。パリーグ優勝の西武ライオンズ対セリーグ覇者の読売ジャイアンツの戦いです。
 西武ライオンズは、先発の東尾、松沼兄弟、高橋のグレードB が4名と絶対的な抑えの森(A&C)という強力な投手陣です。打撃では、俊足石毛に、シュアな打撃の立花、山崎、スティーブに、一発のある田淵、テリー、太田と隙がなく、様々な形で得点が取れる優勝チームです。監督は、西武の黄金時代を築いた名将広岡達朗です。
 一方の読売ジャイアンツは、先発の加藤(グレードA)に江川(B)、抑えの角と新浦(B)と投手力ではやや劣ります。が、こちらも俊足松本に、好打者篠塚、吉村、中畑に、一発のある原、スミスと、3割打者が4名おり、平均打率では西武を上回ります。監督は、巨人での第一期の最後となる「情の人」藤田元司です。
 第1戦は、西武のホームグランドのライオンズ球場で、東尾対江川のグレードB対決です。1回表、巨人は2番篠塚のヒットと盗塁で、1アウト2塁と得点のチャンスを迎えますが、ああ、ランナーが牽制でタッチアウトに。その裏、西武が立花のヒットとスティーブの四球で1、2塁とすると、5番テリーが先制のタイムリーできっちり先攻します。その後、両チームともランナーは出すものの、先発投手が要所を抑え、零行進が続きます。
第1戦
 次に試合が動いたのは、5回裏でした。ピッチャー強襲でグレードC になった江川を攻め、立花が狙い澄ましたソロHR を放ちます。スティーブの四球、田淵の内野安打でツーアウトながら1、2塁を作ると、再び、テリーのタイムリーで3点差とします。
立花
 巨人もヒットや代打山本のツーベースなどでチャンスは作りますが、先発東尾が老獪な投球で点を与えず。そのまま、完封し、3対0で西武が緒戦をものにします。
東尾
 負けられない巨人は、第2戦にエースの「鉄仮面」加藤(グレードA)を投入します。一方の西武は、「オトマツ」こと松沼雅(B)です。1回裏、西武は立花から田淵までの三連打で、1点を先制します。巨人も松本、篠塚の連続出塁でチャンスは作るものの、ダブルスチールに失敗するなど、嫌な流れが続きます。
田淵3
 これを一蹴したのが、4回でした。スミスの四球、原のヒットで1、2塁とすると、6番吉村が同点のツーベースヒット!さらに、河野がスクイズを決め、2対1と逆転します。6回には、先頭のスミスがソロで突き放し、6番吉村が犠牲フライで加点し、4対1とリードを広げます。
吉村
 先発加藤は尻上がりに調子を上げ、6回以降はヒット1本の好投で9回を投げ切り。そのまま、巨人が勝利し、勝率を五分に戻します。
加藤初
 第3戦は、舞台を後楽園球場に移し、先発は高橋(グレードB)対西本(C)です。ともに1回は点を与えずも、2回に西本が捕まります。田淵のヒットの後、7番山崎が先制のツーランHR。すると、その裏、ジャイアンツもスミスの一発で1点差とし、ツーアウト3塁で、なんとピッチャー西本が同点タイムリー。
第3戦
 が、3回、総合的な破壊力で上回る西武打線が、火を噴きます。立花、石毛、スティーブ(走塁死も)の3連続ヒットで1点を取ると、4番田淵がこれぞ主砲というツーランHR!
田淵
 その裏、ジャイアンツも篠塚の一発で、2点差にしますが、4回以降は、リリーフした新浦と先発高橋が投手戦を展開し、点差は変わらず。8回、西武はスティーブのヒットの後、5番テリーにも一発が出て、7点目。さらに、気落ちした鹿取から、立花・石毛の連続ヒットと田淵、テリーのタイムリーでさらに3点を加えます。
terry
 先発の高橋は、4回以降はノーヒットの圧巻の投球で、ゲームセット。10対3で、西武が圧勝します。
 両チームとも勝ち星にしたい第4戦の先発は、「アニヤン」松沼博(グレードB)対槇原(C)です。この日も先制したのは、西武。2番石毛が快足を生かして、スリーベースを取ると、スティーブがあっさり決めて、1対0とします。
スティーブ
 3回も同じように、石毛のツーベースに、スティーブのタイムリーで2点目。4回は、遊撃手のエラーで2塁に進んだテリーが、ヒットとスクイズで生還し、3対0とリードを広げます。その後も、5回に主砲田淵の3ランHR、7回に二打席連続のツーランで試合を決めます。
田淵2
 ジャイアンツは、4回に好調篠塚がソロHRを放つものの、タイムリーが出ず。そのまま、松沼博が8対1で完投し、西武はついに日本一へ王手をかけます。
篠塚
 巨人にとっては後がない第5戦は、初戦と同じ東尾(グレードB)と江川(B)の先発です。五度目の先制をしたのは、西武ライオンズ。1回、四球の石毛を置いて、スティーブがツーランHRを放ちます。
 本当に後がなくなった巨人は、ここで意地を見せます。2回に、眠れる主砲の原が目覚めのソロHR!4回には、レジー・スミスのツーランで逆転し、この日からスタメンに座った駒田が初HRと、一発攻勢で西武を突き放します。
原2
 気落ちした東尾から、なんと投手江川がソロHR を打ち込むと、なんと7回には永射からタイムリー(!)と打者顔負けの活躍。投げては、4回以降、パーフェクトピッチングで、波に乗る西武打線を翻弄し、2対6で完投勝利します。
江川
 第6戦は、再び、西武ライオンズ球場に戻ります。西武は、再び、グレードB投手の松沼雅です。巨人は迷いに迷いましたが、最終戦を考えて加藤を温存し、グレードCの鹿取を先発させます。
 序盤は両投手が見事なピッチングを披露し、鹿取は先発起用に答えて、5回まで西武打線を零封します。松沼雅も4回に駒田の一発を浴びたものの、最低失点で切り抜け、5回が終わって1対0と接戦になります。
鹿取
 が、三巡目を迎えた鹿取が、6回に捕まります。先頭の石毛が四球で出塁すると、絶好調の立花、スティーブが連打で同点に。ここで巨人は鹿取を諦め、新浦(グレードB)にスイッチしましたが、田淵の四球で満塁になったところで、テリーの満塁弾!一気に5点を失います。7回にも、リリーフ橋本が打ち込まれ、スティーブ、田淵のタイムリーで、1対7に。
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 巨人も毎回、ランナーを出し食い下がりますが、要所要所を松沼雅に抑えられ、どうしても得点できず。12安打を放ったにもかかわらず、得点はHRの1点のみと拙攻が響き、最後のバッター篠塚がダブルプレイで打ち取られ、ゲームセット。名将広岡の率いる西武ライオンズの優勝となりました。 
松沼雅
 MVPですが、3割3分3厘、3HR、11打点の田淵が獲得しました。敢闘賞は、3割8分5厘、2HR、2打点の篠塚でした。
田淵
篠塚2
 巨人は、本塁打こそ9本と西武を上回りましたが、平均打率はわずかに2割1分9厘でした。篠塚が3割8分5厘、駒田が5割5分6厘、HRはともに2本と気を吐きましたが、主軸の原、スミス、中畑、吉村が1割台と低迷したのが響きました。完投はわずかに2試合で、防御率は5.37と崩壊状態でした。
 対する西武は、平均打率は2割5分2厘で、スティーブが4割7分6厘、立花が3割8分5厘、田淵が3割3分3厘、山崎が3割と、4人が3割越えに。特に、MVPを取った田淵は3HRに11打点、打率は2割ですがテリーも2HRで9打点と、ここ一番の主砲の働きが光りました。防御率は2.50で、完投が4試合と先発投手が期待通りの活躍をしました。

 プロ野球をこよなく愛するちはら会では、「熱闘12球団ペナントレース」(HJ/同人)を使用して、ワンディトーナメントやオリジナル日本シリーズなど、これまで数々の対戦をしてきました。手軽でシンプルなルールが受けて、史実を元に思い入れたっぷりのオーダーを組んだり(俺はホークスしかプレイしない!とか、90年代のヤクルトがいいとか、4番は絶対、柏原とか)。
柏原
 逆に全く野球を知らずともできるため、「あいうえお打線」(五十音順!)とか「ABCD打線」(アルファベット順!)とか、「守備位置打線」とか、贔屓チームのファンが聞いたら、怒り心頭のギャグ打線などなど(困ったことに、これがそこそこ強い)。
DSC04472
 今回、思い切って、新たに「プレイオフ・CXシリーズ・日本シリーズ」の史実再現シリーズを「開幕」することにしました。ベースは「熱闘12球団ペナントレース」で、足りない年度は「THE BIG野球」(HJ/同人)とプロフェショナル・ベースボール(同人)を使用し、83年から現在までの40年間以上の史実再現に挑戦します。このうち、85年、2019年、2020年の3年分は、すでにプレイ済みで、実質、37年間分となります。
 この企画のために、全ての年度の戦績を調べ、専用の投手ロースターを作成しました。
 ちはら会に参加できるプロ野球ファンのみなさんの参加を、お待ちしています。なお、mitsuが阪神タイガースファンのため、これに関するシリーズの多くは対戦済みです(85年の阪神タイガース対西武ライオンズ戦は、人生で何十回、プレイしたことか!)。まだ、未プレイのシリーズの立候補をお待ちしています。
 ★:対戦済み ☆:ソロプレイ済み

83年
  日本シリーズ 読売ジャイアンツ対西武ライオンズ
84年
  日本シリーズ  広島東洋カープ対阪急ブレーブス
85年
 ★日本シリーズ 阪神タイガース対西武ライオンズ
86年
  日本シリーズ  広島東洋カープ対西武ライオンズ
87年
  日本シリーズ 読売ジャイアンツ対西武ライオンズ
88年
  日本シリーズ 中日ドラゴンズ対西武ライオンズ
89年
  日本シリーズ 読売ジャイアンツ対近鉄バッファローズ
90年
  日本シリーズ 読売ジャイアンツ対西武ライオンズ(THE BIG野球)
91年
  日本シリーズ 広島東洋カープ対西武ライオンズ(THE BIG野球)
92年
  東京ヤクルトスワローズ対西武ライオンズ(PFB)
93年
  東京ヤクルトスワローズ対西武ライオンズ(PFB)
94年
  読売ジャイアンツ対西武ライオンズ(PFB)
95年
  日本シリーズ 東京ヤクルトスワローズ対オリックスブルーウェーブ
96年
  日本シリーズ 読売ジャイアンツ対オリックスブルーウェーブ
97年
  日本シリーズ 東京ヤクルトスワローズ対西武ライオンズ
98年
  日本シリーズ  横浜ベイスターズ対西武ライオンズ
99年
  日本シリーズ  中日ドラゴンズ対福岡ダイエーホークス
00年
  日本シリーズ 読売ジャイアンツ対福岡ダイエーホークス
01年
  日本シリーズ 東京ヤクルトスワローズ対近鉄バッファローズ
02年
  日本シリーズ 読売ジャイアンツ対西武ライオンズ
03年
  日本シリーズ 阪神タイガース対福岡ダイエーホークス
04年
  パリーグプレイオフ1st 西武ライオンズ対北海道日本ハムファイターズ
  パリーグプレイオフ2nd 福岡ダイエーホークス対1st勝者
  日本シリーズ 中日ドラゴンズ対パリーグ覇者
05年
  パリーグプレイオフ1st 千葉ロッテマリーンズ対埼玉西武ライオンズ
  パリーグプレイオフ2nd 福岡ダイエーホークス対1st勝者
  日本シリーズ 阪神タイガース対パリーグ覇者
06年
  パリーグプレイオフ1st 福岡ダイエーホークス対埼玉西武ライオンズ
  パリーグプレイオフ2nd 北海道日本ハムファイターズ対1st勝者
  日本シリーズ 中日ドラゴンズ対パリーグ覇者
07年
  パリーグCXシリーズ1st 千葉ロッテマリーンズ対福岡ダイエーホークス
  パリーグCXシリーズFinal 北海道日本ハムファイターズ対1st勝者
  セリーグCXシリーズ1st 中日ドラゴンズ対阪神タイガース
  セリーグCXシリーズFinal 読売ジャイアンツ対1st勝者
  日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者
08年
  パリーグCXシリーズ1st オリックスバッファローズ対北海道日本ハムファイターズ 
  パリーグCXシリーズFinal 埼玉西武ライオンズ対1st勝者
  セリーグCXシリーズ1st 阪神タイガース対中日ドラゴンズ
  セリーグCXシリーズFinal 読売ジャイアンツ対1st勝者
  日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者
09年
  パリーグCXシリーズ1st 東北楽天ゴールデンイーグルス対福岡ソフトバンクホークス
  パリーグCXシリーズFinal 北海道日本ハムファイターズ対1st勝者
  セリーグCXシリーズ1st 中日ドラゴンズ対東京ヤクルトスワローズ
  セリーグCXシリーズFinal 読売ジャイアンツ対1st勝者
  日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者
10年
  パリーグCXシリーズ1st 埼玉西武ライオンズ対千葉ロッテマリーンズ
  パリーグCXシリーズFinal 福岡ソフトバンクホークス対1st勝者
  セリーグCXシリーズ1st 阪神タイガース対読売ジャイアンツ
  セリーグCXシリーズFinal 中日ドラゴンズ対1st勝者
  日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者
11年
  パリーグCXシリーズ1st 北海道日本ハムファイターズ対埼玉西武ライオンズ
  パリーグCXシリーズFinal 福岡ソフトバンクホークス対1st勝者
  セリーグCXシリーズ1st 東京ヤクルトスワローズ対読売ジャイアンツ
  セリーグCXシリーズFinal 中日ドラゴンズ対1st勝者
  日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者
12年
  パリーグCXシリーズ1st 埼玉西武ライオンズ対福岡ソフトバンクホークス
  パリーグCXシリーズFinal 北海道日本ハムファイターズ対1st勝者
  セリーグCXシリーズ1st 中日ドラゴンズ対東京ヤクルトスワローズ
  セリーグCXシリーズFinal 読売ジャイアンツ対1st勝者
  日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者
13年
  パリーグCXシリーズ1st 埼玉西武ライオンズ対千葉ロッテマリーンズ
  パリーグCXシリーズFinal 東北楽天ゴールデンイーグルス対1st勝者
  セリーグCXシリーズ1st 阪神タイガース対広島東洋カープ
  セリーグCXシリーズFinal 読売ジャイアンツ対1st勝者
  日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者
14年
  パリーグCXシリーズ1st オリックスバッファローズ対北海道日本ハムファイターズ 
  パリーグCXシリーズFinal 福岡ソフトバンクホークス対1st勝者
  セリーグCXシリーズ1st 阪神タイガース対広島東洋カープ
  セリーグCXシリーズFinal 読売ジャイアンツ対1st勝者
  日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者
15年
  パリーグCXシリーズ1st 北海道日本ハムファイターズ対千葉ロッテマリーンズ
  パリーグCXシリーズFinal 福岡ソフトバンクホークス対1st勝者
  セリーグCXシリーズ1st 読売ジャイアンツ対阪神タイガース
  セリーグCXシリーズFinal 東京ヤクルトスワローズ対1st勝者
  日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者
16年
  パリーグCXシリーズ1st 福岡ソフトバンクホークス対千葉ロッテマリーンズ
  パリーグCXシリーズFinal 北海道日本ハムファイターズ対1st勝者
  セリーグCXシリーズ1st 読売ジャイアンツ対横浜NeNAベイスターズ
  セリーグCXシリーズFinal 広島東洋カープ対1st勝者
  日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者
17年
  パリーグCXシリーズ1st 埼玉西武ライオンズ対東北楽天ゴールデンイーグルス
  パリーグCXシリーズFinal 福岡ソフトバンクホークス対1st勝者
  セリーグCXシリーズ1st 阪神タイガース対横浜NeNAベイスターズ                
  セリーグCXシリーズFinal 広島東洋カープ対1st勝者
  日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者
18年
  パリーグCXシリーズ1st 福岡ソフトバンクホークス対北海道日本ハムファイターズ
  パリーグCXシリーズFinal 埼玉西武ライオンズ対1st勝者
  セリーグCXシリーズ1st 東京ヤクルトスワローズ対読売ジャイアンツ
  セリーグCXシリーズFinal 広島東洋カープ対1st勝者
  日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者
19年
 ★パリーグCXシリーズ1st 福岡ソフトバンクホークス対東北楽天ゴールデンイーグルス
 ★パリーグCXシリーズFinal 埼玉西武ライオンズ対1st勝者
 ★セリーグCXシリーズ1st 横浜DeNAベイスターズ対阪神タイガース
 ★セリーグCXシリーズFinal 読売ジャイアンツ対1st勝者
 ☆日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者
20年
 ☆パリーグCXシリーズ 福岡ソフトバンクホークス対千葉ロッテマリーンズ
 ☆日本シリーズ 読売ジャイアンツ対パリーグ覇者 
21年
  パリーグCXシリーズ1st 千葉ロッテマリーンズ対東北楽天ゴールデンイーグルス
  パリーグCXシリーズFinal オリックスバッファローズ対1st勝者
  セリーグCXシリーズ1st 阪神タイガース対読売ジャイアンツ
  セリーグCXシリーズFinal 東京ヤクルトスワローズ対1st勝者
  日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者
22年
  パリーグCXシリーズ1st 福岡ソフトバンクホークス対埼玉西武ライオンズ
  パリーグCXシリーズFinal オリックスバッファローズ対1st勝者
  セリーグCXシリーズ1st 横浜DeNAベイスターズ対阪神タイガース
  セリーグCXシリーズFinal 東京ヤクルトスワローズ対1st勝者
  日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者

 まだ、寒暖差は大きいですが、日差しは確実に強さを増しています。5月のちはら会の予定が決まったので、お知らせします。

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[日時]5月6日(土)10:00-20:00
[会場]おゆみ野公民館 第2講習室

[住所]千葉市緑区おゆみ野中央2丁目7-6
[アクセス]
 京成電鉄千原線「学園前駅」または「おゆみ野駅」から徒歩10分
 または、JR鎌取駅発小湊鉄道バスでおゆみ野中央二丁目バス停降り、徒歩1分(20~30分おき)
[参加費]無料
[持ち物]ゲームとゆとりと常識


 前回、基本ゲームをクリアした「魔法帝国の興亡」(エポック)。上級ゲームは、それほど難易度は上がらず、イベント等による変化が多く、基本より楽しめます。ドランゴンの襲来や巨人族の登場、悪魔軍団の襲撃など、だいたい、ろくなイベントはないんですが、それもらしくてよし!回復がスムーズなクレリックや罠をよけやすいシーフなどの種族や下級魔法を使える魔法軍団など、プレイヤー有利なルールもあり。こちらは、インストできます。
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 これも、準備が遅れていますが、やってみたいのが、「明日なき世界2」(CMJ)。ちょっとインストは、無理ですが、どなたか、ソロでもした方がいれば・・・。
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 あとは、コロナ禍でポチってしまった「海カタン」とか、「エンデバー」とか、「ボーダーライン」とか、妙なマルチ系が、間に合えば。

 最後に次回以降の予定を。 
 6月3日(土)10:00-20:00 おゆみ野公民館:第2講習室
 7月1日(土)10:00-20:00 誉田公民館:工作室

 いつものおゆみ野公民館が、7月から9月までエアコン工事で、使えるけど、尋常でなく熱いそうで。根性入れて、リアル砂漠戦かと思いましたが(うそ)、みなさん、「危険がアブナイ」年齢なので、一時的に他の公民館を借ります。工作室は、4テーブルなので、みなさん、譲り合って使いましょう。

 この日の最後の対戦が「魔法帝国の興亡」(エポック)シナリオ5「ドラゴン・スレイヤー」です。基本ルールの最終シナリオで、文字通り、ドラゴンを倒したプレイヤーが勝利します。
 が、当然、ドラゴンは強力無比でして、レベル12は伊達ではない!攻撃力5、防御力9、耐久力6の上、遭遇した途端に炎の息で2ダメージを喰らいます。かつ、-1修整の下級魔法を放ちます。
 これに勝つには、ヒーローが同等レベルに成長し、かつ、有効なマジックアイテムか、魔法を使用しない限り、困難です。よって、各陣営はヒーローの成長とアイテムの獲得に傾注します。陣営は、青(mitsu)・黄(平)・緑(風見鶏)・紫(oha)です。
  序盤、各ヒーローは片っ端から地下迷宮に飛び込み、モンスターを狩ってレベル上昇を目指します。最も順調だったのは紫(oha)で、ちょうどよいダンジョンレベルとモンスターが来て、順調にL4に成長します。続いて、経験のある黄(平)が、レベルチェックに恵まれないものの、繰り返しの探索でL3に到達。緑(風見鶏)は、いきなり凶悪なモンスターに呪いをかけられ、1回は死亡するも、蘇り。ついていなかったのは青(mitsu)で、やたらと強力な精霊系やスペシャルダンジョンばかりに巡り合わせ、イベントによるL2上昇に止まります。
序盤
 ゲームになれてきた中盤、各ヒーローは効率よく探索を進めるようになり、レベルも急激に上昇します。青(mitsu)はやっと順当なモンスター(?)に巡り会い、成長drも好調で一気にL8に。緑(風見鶏)は、スペシャルダンジョン「試練の塔」の飛び込み、全て対象を待ちに送り届けるというクエストにも恵まれ、L7へ。黄(平)も、ほどよい敵を倒しまくり、熟練のバランスでL7へ。が、ここにきて、トップを走っていた紫(oha)が不調に。飛び込むダンジョンはクエストが多く、成果を上げられず、L5に止まります。
早くも、火の山が明らかになるが・・・
 これぐらいになってくると、通常のダンジョンではモンスターが逃げ出してしまうため、金は貯まれど、成長ができなくなってきます。新たな手立てとして、スペシャルモンスターを倒すか、領土を拡張を行い、1の成長チェックにかけるのが、トレンドに。
 緑(風見鶏)は、大陸の北部に領地を広げ、かつ、ダンジョン探索を継続し、L8へ。平は南部に拠点を築き、かつ、ペシャルモンスターを倒して、こちらもL8へ。青(mitsu)は、北方の島を制覇し、大陸でも領土を拡大。自領土ならダンジョンを全て見れるので、効率的に高レベルダンジョンやスペシャルモンスターを狙って、成長を続けます。これで、一歩、抜けだし、L11に達します。
中盤、青が領土拡張 G獲得とダンジョン情報の収集
 が、それでも、ドラゴンと闘うには、まだ、十分とはいえず。これまでに貯めに貯めたゴールドを放出して、秘技(?)「アイテムカード」買い付けを実行。スペシャルモンスター狩りと合わせて、合計7枚のカードを獲得し、防御力+2と攻撃回数を2回にできるアイテムをゲットして、いざ、鎌倉(火の山)へ!
終盤戦
 ヒーローはいきなり、炎を浴びて、2ダメージを受けながらも、ダブル攻撃を繰り返し、ドラゴンを負傷させます。が、ドラゴンの反撃も凄まじく、魔法-1の修整も祟って、ともにダメージ5の瀬戸際に。ヒーローが先に叩くか、ドラゴンが生き延びるか、結果は・・・ヒーローの攻撃成功!ギリギリで最強の魔物を倒した青(mitsu)の勝利となりました。ああ、危なかった!!
ついにドラゴンを覆滅!
 これで基本ルールのシナリオは制覇したので、次回は上級ルールで行ってみたいです。多少のルール変更はありますが、時間的にはほぼ変わりなく。イベントや役に立つ種族や軍隊も多く、基本より充実したプレイになるのは、ソロ演習済みです。

 続いて、ちはら会の十八番「Ships&Tactics」(グループ乾坤一擲)を4人でプレイすることに。陣営は、自由惑星連合軍(平)・地球防衛軍(mitsu)・銀河帝国軍(oha)・エゥーゴ(風見鶏)です。
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 序盤、強力な防御カード(アステロイド・ベルト)が来た地球防衛軍(mitsu)は、ヤマトに斎藤(白兵戦値A)を載せると、宇宙海賊よろしく、接舷戦闘を仕掛けます。幾多の攻撃を掻い潜って、最もVPの高いトリスタンを拿捕します。その後、VP狙いで各陣営が攻撃をかけてきますが、古代と加藤が空中戦で艦載機攻撃を防ぎ、2発のビームを空間磁力メッキで弾き、飽和攻撃を小ワープで凌ぎます。が、最後は、ミラクル・ヤンの高い攻撃修正を喰らって、爆沈。ちょうど、手札に波動砲が来ていただけに惜しかった!
序盤
 その後は、自由惑星連合軍(平)がヤンの魔術で、囮艦隊や攻撃修正、防御修整を存分に使って、敵を沈めていきます。銀河帝国軍(oha)も、中盤にラインハルト、ロイエンタール、ケンプが揃って、通常攻撃で得点を稼ぎます。唯一、エゥーゴ(風見鶏)はパイロットが手札を圧迫し、効率的な攻撃ができず。
 エゥーゴ(風見鶏)は、終盤にZZ、ゼータ、百式を投入して、突撃体制のトリグラフを狙いましたが、ヤンの防御効果で落ちず。が、防御カードが枯渇したところで、地球防衛軍(mitsu)が飽和攻撃をかけ、これを撃沈。ここで、ゲーム終了。
突出したトリグラフを狙うが・・・
 序盤から点を稼いだ地球防衛軍(mitsu)が130点を取って勝ちかと思いきや、なんと、自由惑星連合軍(平)が132点(!)と鼻の差で勝利!ああ、ヤマトを沈められたのが痛かった。でも、各陣営らしさは出ていたので、これも楽しかったです。
終了時

 この日の緒戦が、日本史CDSの傑作「信長包囲戦」(GJ)です。初参加のohaさんが日本史アイテムをプレイしたいとのことだったので、絶版アイテムで恐縮ですが、mitsuのインストで対戦しました。織田側(mitsu)対反織田側(oha)です。
 第1ターン、織田の突撃カードは1枚のみ。そこで、迷ったあげく、畿内に近い浅井を先に叩き、これを滅亡させます。が、浅井軍の決死の抵抗で、3ユニットが除去されます。反織田側は、朝倉軍を持って安全地帯の能登を攻略し、遷都を果たします。が、越前には1ユニットしか残っていなかったので、別働隊の滝川が動いて、これを占拠します。
T1
 第2ターン、カード枚数は7対3に。反織田側は、北摂津の朝倉を増強すると、石山本願寺勢を持って、播磨を攻略します。ここで、織田側は「小大名への贈り物」を使って、松永久秀を味方に付けると、電撃的に紀伊石山を攻略。秀吉で兵站を回復すると、北摂津に主力で殴り込みをかけます。さすがに突撃はなく、双方とも損害を出して、膠着に。
T2 三好を攻撃
 第3ターンのカード枚数は7対3に。先手の織田側は「突撃」を使って、北摂津の三好一党を全滅させます。打ち取りチェックで、三人衆が死亡したため、これで三好は実質的に脱落します。と、ここで、ついに武田が参戦。とりあえず、京にいた佐久間を南信濃に進め、防壁を築くと、他の勢力の調略を使って本願寺勢を足止めし、主力は畿内に戻します。行きがけの駄賃で、畿内に突き刺さった棘の長嶋本願寺を攻略します。
T3 武田参戦、主力を畿内に
 第4ターンのカード枚数は8対5に。先手を取ったのは、織田勢でした。「分進合撃」で家康で駿河を、佐久間で南信濃を抑えると、甲斐の武田本隊に織田主力が突撃をかけます。全滅までは至りませんでしたが、相当の損害を(ともに)与えます。
T4 武田攻め
 反織田側は生き残った武田の兵力を増強するとともに、能登の朝倉を動かし、越前を電撃的に奪還します。ohaさんは初プレイでしたが、このセンスや、よし!
T4
 第5ターンのカード枚数は、変わらず、8対5に。織田勢は、一撃で武田を滅ぼすと、返す刀で朝倉を攻め、越前を奪還します。そうこうするうちに、反織田側は毛利を参戦させ、北摂津に進行。毛利・本願寺・宇喜多の三勢力で、山城を狙います。織田軍主力は、北近江(安土)に帰還し、次のターンに備えます。
T5 畿内に毛利、本願寺勢が迫る
 第6ターン、圧倒的なカード差になり、織田軍が西方討伐を開始します。まずは、小大名の宇喜多を調略すると、北摂津の毛利軍を強襲し、圧倒的な戦力でこれを粉砕します。これに焦った反織田側は、播磨の本願寺勢を持って「進めば極楽」を実行しますが、多勢に無勢で、顕如以下全門徒が討ち死にします(壮絶な宗教戦争の程に)。そのまま、織田軍が播磨を抑え、同時に別働隊の松永が「鉄甲船」で阿波を攻略。さすがにここまで来ると、厳しいということで、織田軍の勝利で終了としました。
T6 西国勢を撃滅!
 実に久しぶりにプレイとなった「信長包囲戦」ですが、やはり抜群!経験の差で織田軍が押し切りましたが、ohaさんは初めてのCDSにもかかわらず「面白いですね~」と。慣れてくれば、本願寺による畿内蜂起や朝倉・三好の持久戦、大大名の一斉参戦などで、文字通りの信長包囲戦となります。また、ご希望があれば、持ち込みますね~。

 どこも慌ただしい年度初めで、残念ながら、3名の方が参加できませんでしたが、天候も良く、第214回ちはら会が開かれました。新規にohaさんが県境越えで参加となり、また、二度目の方やいつも常連さんやなど、気がついたら、二桁越えの大台に!このところ、参加者数がじわりじわりと増加しており、対戦を組みやすい状況になって、うれしい限りです。
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 先日に、プレイされたアイテムと戦績は以下の通りです。

信長包囲戦(GJ) ☆織田側(mitsu)対反織田側(oha)★
ライン演習作戦(グループ乾坤一擲)
 ☆morita・エンジョウ・平・風見鶏
ベンガル湾の虎(Bonsai Games) ★日本軍(fho)
DUNE インペリウム(アークライト) ☆morita・BIBI・エンジョウ
サイス~大鎌戦役(アークライト) ☆エンジョウ・morita・Tommy・BIBI
Ships&Tactics(グループ乾坤一擲)
 ☆自由惑星連合軍(平)・地球防衛軍(mitsu)・銀河帝国軍(oha)・エゥーゴ(風見鶏)
魔法帝国の興亡(エポック)シナリオ5「ドラゴン・スレイヤー」
 ☆青(mitsu)・黄(平)・緑(風見鶏)・紫(oha)
ダンジョン・イーター(アークライト)
 ☆morita・エンジョウ・fho・BIBI

 手軽で、非常に完成度の高い「ライン演習作戦」(グループ乾坤一擲)。デザイナーの平さんのインストで、morita・エンジョウ・平・風見鶏がプレイし、moritaさんがビスマルクを仕留めて勝利したそうです。
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 本当はソリティアの「ベンガル湾の虎」(Bonsai Games)を、ひょっこりいらした龍安寺さんのインストで、fhoさんがプレイ。残念ながら、ベンガル湾の海上補給線を守り切れず、日本軍(fho)が敗退したとのこと。龍安寺さん、年度初めのご挨拶をありがとうございました。
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 コンポが充実していて(大きくて)有名な「サイス~大鎌戦役」(アークライト)をエンジョウ・morita・Tommy・BIBIの4名でプレイ。箱絵からはがっつり戦争かと思いきや、実は武力行使は割に合わないそうで、それ以外のミッションで得点していました。moritaさんの勝ちは堅い様相でしたが、蓋を開けてみれば、1点差(!)でエンジョウさんが逆転勝利でした。
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 moritaさん持ち込みの「DUNE インペリウム」(アークライト)。デッキ構築型のマルチだそうで、morita・BIBI・エンジョウの3人でプレイし、moritaさんの勝利に。
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 これもちはら会では定番である「ダンジョン・イーター」(アークライト)。morita・エンジョウ・fho・BIBIの4人プレイでしたが、moritaさん率いるタンス隊が、圧倒的な展開でダンジョンを踏破し、圧勝でした。
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 moritaさんですが、ほとんどのアイテムで勝利し、尋常ではないゲーマーぶりを発揮していました。それにしても相変わらず、コツを掴むのがうまいですね~。

 この日、最後にプレイしたのが、「志士の時代 新版」(CMJ)です。基本はほぼ従来版と同じですが、戊辰戦争ルールがシンプルに整理され、かつ、戦争開始直後に人物が再利用できるようになるので、最終エポックはかなり熱くなります。プレイヤーは、str会長・にし・タナック・mitsu・moritaの5人です。
 第1ターン、井伊直弼、松平容保を獲得したmoritaさんが、お約束の安政の大獄を発動し、4VPを得ます。その結果、山内容堂、毛利敬親を引いたstr会長は、全く、行動できず、0VPに。孝明天皇、一橋慶喜を獲得したmitsuも、一橋が余波を喰らって、点にならず。にしさんは、吉田松陰で2点をとり、下関戦争で加点し、4VP。盤石だったのは、島津斉彬、篤姫、徳川家茂のコンボを揃えたタナックさんで、8VPと飛び出します。
T1
 第2ターン、まず、岡田以蔵を取ったstr会長が、井伊を暗殺。やっと動けるようになった毛利と山内を使い、3VPとします。前ターンにRPを消耗したタナックさんは、勝安房を獲得したのみで、13VPに。ここで、池田屋事件、薩英戦争を得たにしさんがイベント効果で、13VPの同点に。ついで、和宮を得たmitsuが、公武合体を進め、慶喜、孝明帝のプレイで、12VPと追いかけます。moritaさんは、先を見越して、薩摩軍を動かせる島津久光と近藤勇を手に入れ、9VPに。
T2 井伊暗殺
 第3ターン、ボーナスを存分に使い、西郷、大久保、中村半次郎の3トリオと坂本龍馬(!)を手に入れたタナックさんは、龍馬効果(他の人物カードのイベントを使用できる!)で一気に時代を進め、25VPと再び、トップに立ちます。mitsuも、慶喜や岩倉具視の時代修整を駆使して、最も効率の良いVP獲得を進め、24VPと背後に迫ります。moritaさんはグラバーをゲットし、幕府に武器を売ってVPを獲得し、19VPに。イベント魔王(?)と化したにしさんは、大政奉還を手に入れますが、人物が少なく18VPに。「イベントを全部発動したら、追加VPはないの?」そんなルールはありません!(笑い)出遅れていたstr会長は、乾勘助と伊藤俊輔を手に入れ、14VPまで進めます。
T3
 第4ターン、ここで勝負と、各陣営は激しいビッティングに。
 にしさんが、人物不足を補おうと、山縣、村田蔵六、伊達を手に入れ、タナックさんは幕臣の小栗をゲット。moritaさんは、スネルとロシュを獲得し、グラバーと合わせて武器商人3兄弟をコンプリート(?)。お金のないstr会長は、戊辰戦争のトリガー「ええじゃないか」を手に入れ、イニシアチブを取ります。mitsuは、錦の御旗を示す明治天皇と河井継之助を得て、戊辰戦争の流れを見守ります。
 岡田以蔵による龍馬暗殺計画、中村半次郎の身代わり、大政奉還後の龍馬排除など、それぞれが、一定の行動を終えたところで、str会長が戊辰戦争を勃発させます。ここで、京にいた佐幕派は・・・新撰組のみ!そう、タナックさんがVP獲得のため、小栗に命じて幕府軍を解散(!)してしまったため、どうにもできない展開に。長州兵は、まともな武器を持たない新撰組を一掃し、京を制圧します。
T4 戊辰戦争勃発
新撰組散華
 続けて、今度はstr会長が、長州兵を進行させ、江戸を無血開城します。
T4 長州兵、江戸無血開城
 これを見て、mitsuは長岡藩を新政府軍に恭順させ、在命の孝明帝で錦の御旗を与え(!)仙台に進攻し、これを確保します。
 ここで、不気味なのは、薩摩藩。藩主を握るmoritaさんは、「もっともおいしい展開」を計算し、ここで去就を明らかにせず。「長州を攻めた方が得か、ふつうに新政府に加わるか・・・」と、なんとも物騒な算段を。新政府軍の要請に一向に腰を上げない薩摩は、後に「島津の空弁当」と呼ばれることに(笑い)。
 この時点で、トップは幕府軍を解散し、西郷どんらを擁するタナックさん、これを各陣営が激しく追いかけます。もはや、軍事的な勝利は難しいと判断したmitsuは、2人の天皇(!)と商人白石を使って、他の人物の暗殺(牽制)に走ります。天皇が権威を使って、商人が金に物をいわせて粛正を仕掛けるとは、こりゃ、たちが悪い(笑い)。その上で、幕末に絶大なVPを獲得できる岩倉具視をフル稼働して、一気にトップに踊り出ます。が、ダメ押しをするはずだった三度目の岩倉ムーブは、moritaさん御用達のロッシュによって妨害(粛正)され、そこまで。おのれ!外国勢力に魂を売ったか?!と、一同、大盛り上がり。
岩倉具視、外国人勢力に暗殺される
 結局、最後は薩摩が新政府軍に加わったものの、「朝敵」会津は、長州藩が単独で攻め落として、終了。
T4 長州単独で会津討伐
 最終得点は・・・
 mitsu:53VP
 タナックさん:51VP 
 str会長:50VP
 にしさん:49VP
 moritaさん:42VP
と僅差の勝負で、異様に盛り上がりました。おそらく、後1アクションあれば、十二分に逆転がある展開でした。
 それにしても初プレイで最後までトップ争いを続けたタナックさん、第1ターンの0VPから起死回生したstr会長、イベント王として君臨したにしさんと、さすがベテラン。でも、最も楽しんだのは「島津の空弁当」と「外国勢力に魂を売ったか(ロシュによる岩倉粛清)」をしたmoritaさんだったかも(笑い)。
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 それなりの慣れが必要で、プレイヤーを選ぶアイテムですが、未導入のフィクサールールを入れて、やってみたいです。

 次は、ゲームリンク誌4号に付いたら、クニツィアのお手軽ビットゲームの「Business」です。マップには7つの星系があり、プレイヤーは第1から順に、各星系に一度だけ、投資ができます。多く投資した順に指定のVPを受け取ります。星系ごとに、VPが異なり、全て3VPの同じエナルギー星系から、7から2まで幅の広い電子工学星系、4人目のVPがない科学星系など。
 さらに、不確定要素として、評議会(VPは全て0)と経済団体(VP×2)があり、駐留する星系に投資されると、時計回りまたは反時計回りに、1星系ずつ、移動していきます。よって、どんなに多く投資しても評議会が来れば零になり、逆に経済団体を呼び込めれば、予想外の高配当がもらえます。
 と、3分のインストで、ゲームスタート。プレイヤーは、青(str)・赤(mitsu)・黄(morita)・緑(タナック)の4人です。第1プレイヤーは、「じゃんけんに勝ってしまった」mitsu。7
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 とりあえず、全員が得点できるエネルギー星系に、1ポイントを注ぎ込みます。続く、ポイントからが勝負で、高得点の電子工学や鉱業、銀行、通商などに、投資が集中します。
 みなが嫌がったのが評議会(VPは全て0)で、自分の投資星系に来ないよう、たらい回しに。逆に経済団体を巡って、呼び込み合戦が続き、気がつけば、評議会と経済団体が鉱業星系にスタックして動かず。ここに投資していた黄(morita)と緑(タナック)は、ポイントを得られず。
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 残りの星系を巡って、順位争いが激化。元から早い手番の赤(mitsu)と青(str)は不利なため、多めにビットして、せめて2位を確保せんとします。後半の有利な黄(morita)と緑(タナック)は手持ちを計算して、最も点が取れる星系にまとめて投入。ここで、7ラウンドが終了。結果は・・・
 黄(morita):22点
 緑(タナック):20点 
 青(str):18点 
 赤(mitsu):19点 
と、高得点星系2つで首位に立った黄(morita)の勝利でした。
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 尋常でない年度末の間隙を縫って、2ヶ月ぶりとなる茨城会へ行ってきました。実は、今回は別の目的もあり。GWに大学時代の友人と、茨城県の人気度ランキング最下位脱出祈願ツアーを目論んでおり、そのための下見を兼ねた旅でした。
 str会長から情報をいただき、桜町にある老舗のレストラン「大かわ食堂」へ。開店時間に行ったのですが、すぐに数組の常連さんが来店され。地元で長く愛されているのが、感じられました。
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 お勧めのポークソテーをオーダーしたところ、あまりの厚さにびっくり。3cmに迫る豚肉ですが、柔らかく、食べ応え十分!デミグラスソースとマスタードの組み合わせもよく、昼前だったのですが、ぺろりと完食。しかも、リーズナブル。これなら、仲間も喜ぶなぁ~。
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 満足感一杯で、茨城会の会場へ。すでに、「日露大戦」(CMJ)や「最前線」(バンダイ)の熱い戦いが。お昼過ぎにstr会長始め、みなさんが来場した頃で、対戦へ。
 この日の緒戦は、ちはら会名物の「パタパタくるりん」。第一戦は、水戸爺さんのお好みで「風の谷のナウシカ」編です。序盤、やたらとユパが来て、祭り状態になりますが、シビアになる中盤から、「薙ぎ払え!」(パージカード)や裏返しが続出。一時は、クロトワ(mitsu)がかなり増え、水戸爺さんから初パージを喰らいます。慌てない振りをしましたが、あっという間に磨り減って。
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 他のプレイヤーも、「薙ぎ払え!」を使ったので、各勢力とも均等に減少することに。
 ここから、カードを置くたびに優劣が著しく変わる、激変モードになり。最後の1枚が終わった時点で、ユパを除く全員が僅差。勝ちを拾ったのが、ナウシカ(morita)!序盤は1枚も出ないこともありましたが、最後に見事に逆転しました。なお、水戸爺さんはクシャナで、クロトワ(mitsu)と同点の2位でした。
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 いつものように、あっという間に終わったので、第2戦に突入。みんな、大好き「北斗の拳」編です。
 序盤、今度は、やたらとジャギが出て「俺の名前を言ってみろ」状態に。カードが偏ると、これがあるんです。すると、ここから3「兄弟」が巻き返し。トキが流れる動きで、さりげなくカードを増やせば、ラオウも力業で追随。実は自分が担当だったケンシロウも、波に遅れまいと、「あたたたた!」。帝王サウザーも、フル活躍で4兄弟を満遍なく攻撃し、やっぱり最後は1枚を争う展開に。
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 4兄弟による死闘が終わってみれば、勝利者は4枚を獲得したケンシロウ(mitsu)とジャギ(morita)に。ええっ!だって、moritaさん、ジャギを裏返していたよねと、聞いたところ・・・序盤にたくさんジャギが出ていたので、敢えて裏返して、その裏もジャギにするという(確実に1枚はカウント)、実に手堅い作戦。運はあるにしても、この「表も裏もジャギ」は結果的に2マスだったわけで、8歳以上推奨のお手軽ゲームとは思えない、熟考アイテムでした。
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