歴史・戦史研究「ちはら会」Drei

この会は、主にシミュレーションという手法を用いて、歴史・戦史を楽しもうという、有志の集まりです。興味ある時代をテーマに選び、図上演習(シミュレーションゲーム)を通して、文献研究では得られない「動きのある歴史」を見つめます。 「ちはら会」では、現在、会員を募集しています。年齢や資格等を問わず、興味のある方ならば、どなたでも参加できます。関心のある方は、下記にご連絡ください。 Eアドレス. chiharakai@apost.plala.or.jp (代表.mitsu)

2022年12月

 年末になりましたので、恒例の「行く年、来る年」で、2022年のゲームライフを振り返りたいと思います。
 今年は、コロナ禍の影響がまだ続きましたが、緩和の方向により、全ての例会が開催できました。ただし、職場の感染症対策の基準で、2月の例会は自分が参加できず、3月も午前中のみと、悲しい結果に・・・。その分、ミニマム・オフ会と得意のソロプレイで、ゲーム成分を補填しました。早く、ふつーの風邪になって、完全に終熄しますように・・・。
 遠征もそれなりにでき、茨城会と千葉会に控えめながら参加。記事数としては、1月から最低10記事は確保し、SLGの灯を消さない!と、オフ会とソロ記事攻勢で、7月と8月、10月には本ブログ初の20記事越えを達成。もっとも、歳を取ったせいか、パタパタくるりんとかドイツ系とか、ライト級が増えまくったので、回数が増えただけなんですが・・・。いかん、このままだと、ふつーの作戦級ができない身体になってしまう?!(笑い)

[目標達成ジャンル]

 引き続きのアウェイの環境の中でしたが、小ぶりな3ジャンルを攻略し、プチ増進になりました。

<ちはら会の暗黒時代~中世・近世ヨーロッパ史アイテム>

 中世・近世ヨーロッパ史ジャンルは、あまりにテーマが渋いので、このチャンスを逃すとプレイできないかもという、緊迫感(?)があり。kawaさんに「薔薇戦争」(GJ)を誘われたのをきっかけに、「三十年戦争-血戦ヴァレンシュタイン」(DC)で三十年戦争にも突入しました。アイテム数が少ないので、集中プレイで一気に達成できるのがよし。ただし、きっかけ作りに時間がかかるのが難点か?!(前回からなんと10年ぶりの更新でした)このまま、来年はプレイ率5割を越えたいな~。
中世・近世史

<古代から中世へ!ゲーム界では今一だけど、どっこい生きているマイナー日本史!~戦国以前の日本史アイテム>

  NHK大河ドラマの「鎌倉殿13人」に肖って、「吾妻鏡」(GJ)を複数回、対戦し、頼朝の軍事能力のなさ(?)を実感しました(政治力と動員力は凄いんですけどね~)。その勢いで、簡易版Hannibalシステムの「草燃える」(旧GJ)を対戦し、「九郎判官の空弁当」事件とか「義円足踏みで、藤原氏参戦」事件とか、盛り上がりました。
 関東人なら新皇将門でしょうと、ソロで「将門記」(CMJ)で、喧嘩慣れした将門が板東を席巻。さらに、同人アイテム「風雲児将門」(str誌付録)では、源裏に将門が討ち取られ、乱にもならず。こちらは3年ぶりの新規更新でした。
戦国以前

<日本史の終末は、幕末純情伝!~幕末・戊辰戦争アイテム>

 昨年末にプレイ率が9割突破となったこのジャンルですが、ソロで「箱館湾海戦」(WGJ)と「箱館戦争ソリティア」(Bonsai Games)をクリア。史実がそうだったように「箱館戦争ソリティア」(Bonsai Games)は旧幕府軍に相当、きつく、5戦目でやっと勝利と、手強かった。そして、10月の例会でCOINシリーズの変則マルチ「幕末京都騒乱」をプレイし、11月に「志士の時代」を対戦し、ついにコンプリート!ちはら会2つ目の完全制覇を成し遂げました。
DSC03238

[記憶に残る対戦・ソロプレイ(アイテム)]

続いて、今年にプレイした対戦(またはソロ演習)で、記憶に残るベスト7を紹介します。

第1位 マルタ島攻防戦:ペデスタル作戦1942(Bonsai Games)
 15年前に完成していたちはら会謹製の「ペデスタル作戦1942」(Bonsai Games)が、商業誌の付録になりまして。仲間たちとああだ、こうだとテストプレイしていた記憶が蘇りました。
 当時はまだ参加していなかったニューフェイスのBIBIさんやybsさん、茨城会のにしさん、str会長、テストプレイ以来の再戦となったkawaさん、moritaさんと、10番勝負を完遂しました。最後の10戦目に至っては、輸送船団が壊滅するという、前代未聞のリプレイに。
 CMJ誌に投稿当時はこんなソロブームは来ておらず、今だからこそと、掲載していただいたBonsai Gamesに感謝します。こんなマイナーテーマなのに売れ行き好調で、1ヶ月ちょっとで版元完売に!「時代がペデスタルに追いついた」ということにしておきます(笑い)。
ペデスタル

第2位 鎌倉殿の2作品 「吾妻鏡」(GJ)と「草燃える」(旧GJ)
 ジャンル別で触れましたが、NHK大河「鎌倉殿の13人」の影響は大きく、「吾妻鏡」(GJ)と「草燃える」(旧GJ)で希望があがり。「吾妻鏡」(GJ)は、両陣営で繰り返しプレイし、いずれもギリギリの展開になり、楽しかった。が、ああ、一度も源氏の勝利ができていません!未だ、平家にあらずんば、人にあらずか?!
 「草燃える」(旧GJ)はハンニバルシステムのいいとこ取りで、ハーフマップなのに、源平合戦のキャンペーンが堪能できました。イベントも「那須与一」「奇襲」や上皇の陰謀など思わずにやりとするものばかり。軍事力で押しまくる源氏と政治や軍略イベントで敵を絡め取る平家が、実に見事に再現されていました。
T3 第二次京都決戦

第3位 ターニング・ザ・テーブルズ(MIH/CMJ)  
  これまでいくつものゲーム紹介やAAR、作戦研究などがある、傑作アイテムをプレイできました。シナリオ1は2ターンしかなく、ソロ演習でしたが、これだけでも抜群に面白い!10月にはTommyさんと、11月にはバーネットさんと本シナリオを対戦でき、不用意な攻撃で損害過多になったソ連軍を猛烈な反撃で判定負けに追い込んだり、優秀すぎるドイツ軍装甲師団の猛攻を喰らったり。久々にがっつり作戦研究をして、東部戦線の作戦級を堪能し切りました。来年は80周年の「ヴェリキエ・ルキ攻防戦」(CMJ)を狙います。
TtT

第4位  光秀戦記(HJ)-山崎決戦
  あのTactics誌が復活!ただし、附録ゲームは「ふつーの合戦級ですよ」と決して下馬評は高くなかったのですが、そうであればあるほど、萌えるのがちはら会(?!)。CCもなければ、地形以外には戦闘修整さえない、シンプルすぎるアイテム故に、ああでもない、こうでもないと、猛烈に作戦研究を実行!12月の例会で、ベテランのタナックさんと対戦でき、一方的と言われた明智勢で引き分け(宣伝的勝利)に持ち込めました。そう、SLGを始めた昔は、納得するまでプレイし、「自分だけの作戦」を見つけたことを思い出しました(仲間同士で拙いけど、熱い作戦研究を競っていたことも)。いろいろな意味で原点を見つめ直しました。
T4明智軍、突出した敵を殲滅

第5位 パタパタくるりん(オリジナル)
  今年初めに、ダイソーゲームシリーズのハローキティ編をプレイしたのをきっかけに、これなら他にも転用できるぞと、オリジナル・ヴァージョンを量産してしまい。機動戦士ガンダムのパイロット編くらいまではよかったのですが、「ザビ家編」とか、伝説巨神イデオンの「おっさんキャラ編」とかに飛び火し、需要のほとんどない「ターンAガンダム」や「Gのレコンギスタ」にまで暴走。最後は「タツノコプロ編」とか「風の谷のナウシカ編」「北斗の拳編」まで、全てを対戦。「6歳からできるアイテム」なのに、千葉会の錚々たるメンバーとうんうん、言いながらハードプレイしたのが懐かしい(笑い)。
パタパタくるりん

第6位 Dr.MICRO(バンダイ)
  弾みでポチってしまった(笑い)バンダイのイメージDOシリーズで、内容はゲームブックタイプのRPG。ミクロ化技術でDr.MICROという医療チームになり、ミクロ・サブマリンに乗って、患者の体内で脅威を除去するという、古典的設定。ネタとして、オフ会と茨城会でプレイしたところ、これが思いのほか、好評。「はたらく細胞が受けている今なら、再販、行けますね」とか、「サブマリンと敵対キャラ(白血球や未確認有害物体)は、リアルなフィギュアにしよう」とか、挙げ句の果てには「茨城会の医療関係者にお墨付きを貰えば、売れますよ!ドクターも絶賛!!」とか。ええ、全シナリオを制覇しました。
Dr.MICRO

第7位 箱館戦争ソリティア(Bonsai Games)
 コンプリートを達成した幕末維新ジャンルのソロ専用ゲーム。ソロだからそんなに難しくはないだろうと高をくくっていたら、これがラスボス級のマトリックスの多さ。が、そこは、信頼の中黒デザインで、実にプレイアブルで面白い!史実どおり、大概は旧幕府軍が敗北するのですが、宮古湾海戦のアボルダージュが決まったり、土方の怒濤の猛反撃が成功したりすると、脳内補完リビドーが出っぱなしに。勝っても負けても、もう1回、という中毒性があります。このジャンルのベストアイテムかも?!
T5 青森襲撃

【番外編】

 いつものように「神セブン」にならなかったけど、楽しかった対戦アイテムを、番外編として掲示します。

PANDEMIC:クトゥルフの呼び声(HJ)
 協力型ゲームの傑作「PANDEMIC」をクトゥルフ神話にアレンジしたホラーですが、これがハードルの高いこと!初心者モード4回、通常モードを2回、プレイしましたが、勝ったのはわずかに1回のみ。信徒が蔓延したり、眷属のショゴスが大量発生したり、邪神クトゥルフが復活(!)してしまったりと、人類には明日がない結果ばかり。いつか、全モードでクリアするゾ!
キングスコートに向かうが・・・

 今年はB級が2点だけと、これまでになく、「まともな」SLGが多いように見えます。が、へクスゲームは「ターニング・ザ・テーブルズ」(CMJ)と「光秀戦記」(HJ)だけ?このままだと、ふつーの作戦級どころか、まともなへクスゲームができない身体になってしまう?!(笑い)来年は、まっとうなゲーム・カムバック年、とでも、するか?!

[心に残るゲーマー交流と歴史探訪]

 今年も、番外編として、ゲーマー交流とゲムマ参加、歴史探訪を話題にします。

<帰ってきた常連さん!>

 日差しも明るい春の例会で、以前の常連さん-いのさんとmoritaさんが復帰!さらに、バーネットさんが10年以上ぶりに参戦。さらに、タナックさんやybsさんも、継続して来場されるようになり。続けていると、いいことあるな~。ただ、当時はツクダフリークだったいのさんも齢を重ねたためか、プロットはつらい(!)と「ツクダ病」がすっかり治っていました(笑い)。
c7d196bc-s
117bf28b-s

<今年もゲムマに行けました>
 
 今年も制限はありましたが、入場数が大幅に増えたゲムマ2022秋に行ってきました。
 大手のブースを始め、同人系も復活し、活気は以前に戻ったようですが、我らがSLG系が激減。そのうち、さいたまオフラインとグループ乾坤一擲に立ち寄って、Ships&Tacticsのヤマトヴァリアントを購入。さらに、精力的に「危険がアブナイ」テーマを攻め続けているジブセイル・ゲームで、源平合戦の瀬戸内海戦役(!)をゲット。最後は、え~ゲームで、新版の「志士の時代」を手に入れました。アジアンゲーマーの田村さんが制作・頒布していた「首都圏ウォーゲームサークル案内」の最新版に、ちはら会も紹介いただきました。早く、コロナ禍が完全に終熄しますように。
DSC_0240
DSC_0237
DSC03228

<感染拡大の合間を縫って、歴史探訪へ!>

  コロナが猛威を振るい、重症化リスクは減ったそうですが、半端ない感染力で結果的には危機は変わらず。ワクチン接種と生活様式の徹底をした上で、歴史探訪へ出かけました。
 ここ数年、取り組んできた学生時代の仲間との歴史散策で、年始には靖国神社の遊就館と昭和館巡りへ。東京は、史跡や資料館が豊富です。さらに、秋には、東京駅周辺で平将門の首塚や日本橋、渋沢栄一像、貨幣博物館、警察博物館などを巡り。
DSC_0023
HORIZON_0001_BURST2021122614
DSC_0033
 8月には茨城会参加に託けて、9月は単独で、茨城史跡ツアーを敢行。平将門拠点めぐりでは、坂東市の石井営所跡や終焉の地北山、菩提寺の延命院、宿敵の両叔父の館跡・墓などをお一人様見学(本当に誰もいなくて、将門フリークとしては、ちょっと悲しい)。妻子が命を落とした深井の地蔵尊では、今も静かに小川が流れていて、往事が忍ばれました。
北山稲荷
胴塚
国香の墓
 さらに、旧海軍関係の予科練記念館と雄翔館、鹿島航空隊施設跡を歴訪。鹿島航空隊施設跡では、ほとんど手つかずで貴重な廃墟が残っており、クラウド・ファンディングで公開が決定したそうです(自分も協力しました)。
週末カフェ
司令部跡
 初冬には、官製出張のついでに足を伸ばして、秋の京都へ。何度か京は行っていますが、市街地をきちんと廻るのは初めて。広大な京都御所(本命は蛤御門!)、東本願寺、マイナーな壬生屯所、大政奉還の二条城などを歴訪。全然期待しないでいった東寺の紅葉に、激しく感銘を受け。確かに世界から人が集まるのがよくわかりました。
DSC_0348
DSC_0364
DSC_0381
DSC_0385
DSC_0277
 来年こそはコロナ禍も終息し、みなさまとお目にかかれるよう。魅力度ランキング最下位ちょっと手前になってしまった茨城の応援にも行くぞ!辺境戦線ちはら会を、どうぞ、よろしくお願いします。

 今月のソロプレイ第11弾は、季節柄の「第6軍救出作戦」(Bonsai Games)です。その名の通り、スターリングラードで包囲された第6軍を救援するマンシュタインの攻勢で、冬の嵐作戦と呼ばれていました(最近では冬の雷鳴作戦というそうで)。編成上は装甲及び自動車化3個師団と強力ですが、充足していたのはフランスで再編された第6装甲師団のみで、あとは夏期攻勢の大消耗で保有戦車は定数の1/3以下に落ち込んでいます。これで、ソ連軍狙撃兵師団10個と機械化・戦車軍団3個を相手にしなければならない過酷さ!
T0
 ゲームシステムは、「金門島上陸作戦」(Bonsai Games)と同様のへクス/HQドリブンです。チットドリブンは有名ですが、このゲームでは任意の1へクスを指定し、そのユニット(スタック)が活性化します。または、師団/軍団チットを指定し、その所属ユニットが全て活性化します。ドイツ軍には師団及び軍団チットがあるので、1ターンに最大3回(!)の行動が可能です。ソ連軍は軍団チットのみなので、活性化は2回まで。ただし、行動済みのユニットが活性化するには補給ポイントが必要であり、第1ターン以外はどのユニットを活性化するか、計画性が必要です。
 勝利条件は、雷鳴線と呼ばれる救援位置までドイツ軍が進出すること。ソ連軍はこれを防げば勝利します。
 これに、drを振って大きい方が差額分だけ、支援チットを受け取れる航空優勢、戦車の優秀差を表すショック(事前に敵をステップロスさせる)等の特別ルールがあります。
 作戦方針ですが、ソ連軍は前線の部隊で時間を稼ぎつつ、ミシュコバ川後方にスタック戦線を引きます。また、薄くてもよいので二重線戦にして、ドイツ軍の戦闘後前進を制限します。機械化/戦車軍団は戦線の穴埋めに使うか、反撃を行います。
 ドイツ軍は、適切な活性化をしながら、効率よく敵の撃退と包囲撃滅を繰り返し、3線の雷鳴線の突破を目指します。
 第1ターン、ドイツ軍の支援マーカーは最大の5。そのうち、1個の空軍をミシュコバ川におき、敵が河川の防御効果を利用できなくします。
 第一撃は、第23装甲師団で、突出部から第91狙撃兵師団の1個連隊を攻撃し、これを最高比で撃破します。が、その後は、drの不調が続き、2/3でDEのはずのユニットが多数、生き残り、敵前線の掃討に時間がかかります。へクス単位の活性化が終わっても、まだ、ソ連軍は健闘していましたが、ここで第6装甲師団が活性化し、3ユニットを一気に除去します。
T1 ドイツ軍の攻撃開始
T1 へクスから師団へ
 ソ連軍は歩兵師団で再度、戦線を構築しますが、前進の機会を得た第23装甲師団がこれを強襲し、ミシュコバ川渡河に成功します。
 そのままの勢いで、ドイツ軍全ユニットを活性化できる第57装甲軍団チットで、戦線を北に押し上げます。次ターンの攻勢のため、あえて戦闘後前進で第23装甲師団の自動車化連隊を突出させます。
T1 軍団発動
 ドイツ軍が全行動を終了したことを確認したソ連軍は、第4機械化軍団で初の反撃に出ます。包囲下での2:1攻撃は見事に成功し、死守し切れなかった自動車化連隊スタックが壊滅します。
T1 機械化軍団の反撃成功!
 このターンの収支としては、戦闘drに嫌われたドイツ軍に分が悪い状態です。平均値が出ていれば、もう少し、ソ連軍に打撃を当てられていたはずなんですが・・・。
T1終了時
 第2ターン、ドイツ軍の航空優勢は4ユニットで、うち、2枚の空軍マーカーを戦線の両端に配置します。まずは左翼で第16自動車化師団が敵中を突進し、1個狙撃兵師団を包囲します。これに対し、ソ連軍は機械化軍団による連続反撃をかけますが、航空優勢が物をいい、第16自動車化師団が耐え凌ぎます。そのまま、包囲下の敵狙撃兵師団に2回にわたって攻撃をかけましたが・・・3:1の比率にもかかわらず、1/6の確率で失敗。2回の攻撃で第23装甲師団の装甲連隊を失う羽目に。その上、ソ連軍が死守に成功し、これを撃破できません。
T2 23Pzが包囲下の狙撃兵を叩くも・・・
 やむを得ず、ドイツ軍は主軸を第6装甲師団に移して、右翼に連打を打ち込みます。最強の戦力を持つ同師団の攻撃は強烈で、敵の補給基地を占領し、親衛赤軍を潰走させます。さらに、後方部隊も撃破して、ムイシュコワ川の渡河に成功します。 
T2 6Pzの死闘
T2 軍団命令で可能な攻撃をするも・・・
 第3ターン、ドイツ軍がかろうじて航空優勢をとり、3枚の支援マーカーを受け取ります。うち、2枚が幸運にも空軍!また、戦略予備の第17装甲師団(といっても稼働戦車は30台のみ)が到着します。が、ソ連軍にも突破を断固阻止するために、親衛狙撃兵師団4個(!)と最強の第2親衛機械化軍団が登場します。
 先手はドイツ軍で第6装甲師団が力押しで中央部を叩き、第1雷鳴線に後1へクスに迫ります。
 ソ連軍は、あえて、左翼の反撃を優先し、包囲下の第16自動車師団に、4度目の攻撃をかけます。これが成功し、補給切れで回復ができなかった第16自動車師団の主力が壊滅します。
T3 包囲下で耐える16Pzも限界に
 ドイツ軍はあと一歩、及ばなかったものの増援の第17装甲師団を左翼に投入し、再び、第1雷鳴線に迫ります。
T3 総予備の17Pzを投入
 ソ連軍は後方から大量の増援を投入し、前線を固めにかかります。全てが投入されたら、ドイツ軍の前進はほぼ不可能になります。
 おそらくチャンスは、一度しかない。ドイツ軍はここで切り札の第57装甲軍団チットを投入し、2カ所で第1雷鳴線に決死の攻撃をかけます。第6装甲師団の中央部への攻撃は、まさかのEXに(1/6)。これ以上の損害をさせないドイツ軍は、涙を呑んで退却します。残りは東端沿いに攻撃をかける新着の第17装甲師団。全てを注ぎ込んだ4:1攻撃は見事に成功。包囲下になることを覚悟で、装甲連隊が突進をします。
T3 雷鳴線まであとわずか
 突破に成功したので、勝利判定チット(雷鳴チット)を引くと・・・第6軍の脱出呼応!ドイツ軍がギリギリのところで、勝利をもぎ取りました。ああ、危なかったぁ!
終了時
 事前に何度かソロをしたのですが、取り得る作戦の幅が、なんと広いこと。ドイツ軍で最も効率がよいのが、へクス-師団-軍団の順の活性化ですが、場合によっては連係攻撃のため、いきなり師団や軍団を活性化することもありえます。また、ソ連軍も守っているだけだと、いずれは雷鳴線を守り切れなくなるので、貴重な機械化/戦車軍団を投入して敵に痛打を与える必要があります。これに、支援チットや補給制限があり、簡潔ながら非常に考えることが多い良作です。前作もそうでしたが、わずかクォーターマップにしては、非常に内容の濃い作品です。

 今月のソロプレイ第10弾は、青作戦の失敗後のソ連邦南部の激闘を描いた「第6軍を救出せよ!」(CMJ)です。42年後半のソ連軍の反攻とそれを迎え撃つ枢軸軍の戦闘です。史実では、スターリングラードが陥落し、その勢いを駆ってソ連軍が一時的にハリコフを占領。が、マンシュタインによる後手からの一撃で、ソ連軍の野戦軍主力が粉砕され、春の雪解けとともに戦闘が終結します。
 システムは、1ユニットずつが移動と戦闘を繰り返すという、相互行動シークエンスです。将棋やチェスのような駆け引きがあり、後作の「ESCAPE TO NOWHERE」にも取り入れられています。極一部の地域に影響を与える嵐や準備下攻撃の有利と機動攻撃の不利等も同様です。
 まず、ソロ演習をしてみましたが、ソ連軍が兵力を集中すると、表題と違ってスターリングラードの陥落は必至です。続いて、赤い津波による猛攻が始まるわけですが、陥落がいつ起こるかによって、展開は大きく異なります。マップの広さに比べ、ユニット数が少ないことから、早期の攻勢で一定数のユニットが撃破されると、ドイツ軍は戦線の維持ができなくなり、多数のユニットが包囲され、防御態勢が崩壊します。特に大量増援が来る第8ターンまでは、薄氷の展開になることが多いでしょう。逆にスターリングラードの陥落が遅れると、ソ連軍がドネツ河を越えられないことも。
 第1ターンは特別ルールで、ソ連軍は一切の行動ができません。ドイツ軍のみが行動できますが、移動力は1/2のため、戦線の形成で終了します。
T1
 第2ターン、ソ連軍は最強の打撃軍を含む増援の2ユニットを投入し、スターリングラード包囲戦を実行します。最大の+30戦力差を修整した+20戦力差の攻撃は、1/3に。第6軍の3ユニットが消耗します。
 同時に、別働隊で南部のモロズフスクを攻撃し、ここを守るイタリア軍を後退させます。が、北部のイタリア軍への攻撃は、dr6で最悪の0/2となります。
T2 モロゾフスク攻撃
 枢軸軍は予備の投入と前線部隊の細心の移動により、包囲をされないよう、戦線を維持します。
T2
 第3ターン、スターリングラード攻防戦は、またも1/3となり、これで合計の損害は6ステップロスとなります。
 また、南部も攻撃を続行し、直接攻撃と威力攻撃で、モロズフスクとツィムリャンスクを占領します。これにより、スターリングラードの防御効果は、左1シフトに低下します(特別ルール)。
T3
 第4ターン、消耗したスターリングラードのドイツ第6軍に、ソ連軍が襲いかかります。戦力差は、望みうる最大の+25。結果は、第6軍の全滅!これにより、ソ連軍は2つの勝利条件を達成し、負けはなくなります。
T4 スターリングラード強襲
 解き放たれた3個方面軍相当は、一斉に枢軸軍の戦線に向かいます。
T4
 第5ターン、ソ連軍は怒濤の勢いで、中央平原を守る歩兵軍団を威力偵察で包囲すると、+5の攻撃をかけます。結果は最高の1/3となり、敵歩兵軍団を殲滅します。
T5 第29歩兵軍団を包囲撃滅
 枢軸軍はあえてイタリア軍団を、戦線未形成の間隙に突入させ、敵主力の機械化部隊を補給切れにします。
 ソ連軍は後続部隊でイタリア軍を排除しようとしますが、drに祟られ、2回の戦闘で一方的な損害を受けます。イタリア軍団、奇跡の大健闘!
T5
 第6ターン、ここで冬の嵐が、はじめて、影響のある南部に発生します。
T6 もろに嵐が・・・
 ソ連軍は、今度こそ、包囲攻撃でイタリア軍を排除すると、主力を南下させ、ドネツ河方面に圧力をかけます。装甲軍団の修理工廠ミルレロヴォを占領し、敵の装甲補充を2ターンの間、無効にします。
 直接攻撃による退却と移動による戦線再編成の過程で、フレッター・ピコ臨時編成軍団が包囲下となります。ソ連軍は、機動攻撃の振りを顧みず、+4攻撃をかけますが、ここはF/P軍団が頑強に抵抗し、1/1とします。
 一方、北部でドイツ軍の第24装甲軍団が初反撃を行いましたが、これは2/0と失敗に終わります。
T6
 最も苦しい第7ターン、薄氷の枢軸軍戦線にソ連軍が猛攻をかけます。包囲下にしていた第48装甲軍団を攻撃し、3ステップロスを与えます。また、前ターンに排除できなかったF/P軍団も壊滅させます。
 後1ユニットでも除去されると、戦線崩壊となりかねない状況でしたが、ドネツ河畔に陣をはるイタリア軍が+5の攻撃を撥ね除け、ギリギリで戦線を維持します。
T7
 第8ターン、待望のA軍集団の主力がロストフに到着します。この装甲増援は直ちに前線に投入され、南部の危機を救います。それでも、ソ連軍の赤い津波は前進を止めず、浸透移動で敵を包囲しながら、要衝ノボシャフチンスク近郊まで到達します。
T8 装甲軍団、到着!
 一方、北部では強力な機械化軍団が突進し、威力偵察で包囲した1個歩兵軍団を瞬時に殲滅します。
T8
 いよいよ、ゲームは終盤の第9ターンに。ソ連軍が打撃軍と機械化軍団を投入して、オスコル河を強行渡河すれば、ドイツ軍はその南部で弱体化した狙撃兵軍団を圧倒的戦力で包囲殲滅します。
T9 中央部の激戦
 すると、今度はその北部で、ソ連軍が浸透攻撃で歩兵軍団を排除するなど、中央部付近での激戦が続きます。
T9 北部でも攻撃
 また、最も勝利都市に近づいている南部でも、歩兵軍団に包囲攻撃をかけますが、これは1/1と痛み分けに。
T9 ソ連軍、南部で攻勢
T9
 第10ターン、ソ連軍は前ターンに消耗させた敵歩兵軍団を、連続攻撃で殲滅します。
 一方、中央部でも乱戦が続き、包囲したイタリア軍を+5攻撃しますが、これは2/0の頑強な抵抗に遭います。なんとしてこれを除去したいソ連軍は、部隊をかき集め、再び、+5攻撃を実施しますが、またも2/0!イタリア軍団、奇跡の大健闘、再び!
T10 イタリア軍団、まさかの大健闘
 すると、今度はドイツ軍の装甲軍団が、敵主力の打撃軍+機械化軍団を逆包囲し、+20差攻撃をかけますが、こちらは1/1に引き分けに。
T10
 第11ターン、このままでは中央の主力が全滅しかねないと判断したソ連軍は、打撃軍を浸透移動で後退させます。ドイツ軍は後衛となった機械化軍団を、最大+30戦力で攻撃し、これを殲滅します。
T11 装甲軍団の猛反撃
 このままでは勝てない。ソ連軍は南部で全戦闘力をかき集めると、回廊を防いでいる臨時編成部隊とイタリア軍のスタックに、+15戦力差攻撃を実行します。結果は、DE!枢軸軍は予備の歩兵軍団を投入して、ロストフに最終防衛線を張ります。
T11 南部の要、寸土を守り抜く
T11
 最終の第12ターン、ソ連軍は最後の希望をかけて、ロストフに+4の強襲攻撃をかけましたが、結果は2/0。これにより、勝利都市タガンログの占領は不可能に。
T12 南部最後の攻勢も・・・
 枢軸軍はこれを受けて、完全な防御態勢に。ソ連軍はやむなく、中央の臨時編成部隊を包囲攻撃しますが、これも撃滅できず。ここで、ゲームオーヴァーに。
T12 中央部で包囲攻撃も撃破できず
 終わってみれば、枢軸軍が反撃で敵部隊を削り、損耗しながらも戦線を維持したことで、引き分けに終わりました。ソ連軍は史実を知っているため、無理な突進はしません。枢軸軍は戦線を維持しながら、装甲予備による反撃で相当数の敵を撃破できますが、敵の主力が全滅するようなことはありません。よって、今回のような「引き分け」が順当なところでしょう。
T12

 今月のソロプレイ第9弾は、「光秀戦記」(HJ)の3in1のうち、「黒井城撤退戦」です。攻略困難な丹波攻めを進めてきた明智勢が、敵の荻野直正の拠点-黒井城に、付け城を配置し、包囲します。ここで、味方のはずの波多野秀治が離反。敵中に孤立する形になった明智勢が、困難極まる撤退戦を行う設定です。
 「山崎決戦」では相対的に各ユニットの戦闘力は明智勢が上回っていましたが、こちらでは地の利をとった丹波勢が優勢で、しかも優速です(明智勢が5移動力で、丹波勢が味方を入れて6移動力)。ただし、ユニット数は同数のため、乱戦になれば敵の総大将を討ち取れる可能もあります(確率は率いですが)。
 何度かソロ演習をしましたが、明智勢が場当たり的に対応していると、丹波勢に呑み込まれ、撤退路を遮断され、壊滅状態に。かといって、ガチンコの総攻撃を実施しても、やはり自力に勝る丹波勢に、最後は押され。足止め(犠牲)部隊をばら撒きながら、光秀らを脱出させても、今度は損害が大きすぎてVPで勝てず。
T0
 辿り着いた結論は、撤退路の全力確保と足止め部隊を有効に使った主力の撤退です。このため、セットアップで七日市道を守る備えを、最強の斎藤利三と5戦力を含む部隊とします。同時に、黒井川沿いに展開できる味方の丹波勢を可能な限り東寄りに配置します。
 敵は西・中央・東の三方向から攻撃をしてきますが、東の七日市道には部隊を集中し、これを確保。西及び中央は消耗した足止め部隊等を配置して、主力の後退を援護させます。後は戦闘でどれだけ被害(壊滅)が出るかによって、VP勝負にできるか?!
 第1ターン、丹波勢は予定通り、西・中央・東の三方向から攻撃を行います。ここで、東(七日市)方面の防御射撃が当たりに当たり、2ユニットを後退させます。結果、戦力差-7となった波多野勢1ユニットがAeとなります。ただし、西の村上隊がCAの結果、戦闘に「勝ってしまい」敵中に突出することに。
T1丹波勢、攻撃
T1波多野勢、Ae
 明智勢は戦術的勝利を得ることよりも今後の撤退戦のため、涙をのんで村上隊を放棄。多勢に無勢でArとなって、壊滅します。が、それ以外の部隊は計画通りの移動を行い、特に東(七日市)方面の戦力を強化します。(なお、写真では明智光秀本隊を2回動かしてしまっているので、第3ターンに修正しています)。
 第2ターン、退却を始めた明智勢を、援軍を得た丹波勢が追撃します。防御射撃が2発あたり、敵の集中が削がれ、ほとんどの戦闘はDr止まりに。ただし、強化した東(七日市)方面では6ゾロが出て、イーブンの戦闘で明智勢1ユニットをDeとします。
T2丹波勢の攻撃
 第3ターン、まだ、それなりの戦線が維持できていますが、丹波勢は全力で攻勢をかけます。結果、Ctを含めて、明智勢の半数が消耗状態に。明智勢は、密度を落として、戦線を再構築せざるをえません。
T3丹波勢
T3明智勢
 第4ターン、さすがに丹波勢も消耗が激しく、このターンは6ユニットが回復に徹します。打撃力は落ちますが、高戦力ユニットを中心に集中攻撃をかけ、なんと正面攻撃だけで3ユニットを撃破してしまいます。
 明智軍は戦線を大きく後退させ、先に退却した部隊を回復して、戦線の維持に必死です。
T4明智勢
 第5ターン、防御射撃は全て外れ、丹波勢の高戦力差の攻撃が続きます。最高戦力差攻撃が連発し、戦線が半壊してもおかしくなかったのですが、壊滅は2ユニットのみに止まります。が、防御の要だった斎藤利三(6戦力)がCAにより、突出してしまいます。斎藤隊は、不利な戦闘を強いられ、壊滅します。
T5丹波勢の攻撃
T5
 第6ターン、明智光秀の脱出まであと一歩。薄く伸びた戦線に、丹波勢が猛攻を加えます。が、戦闘drはギリギリで明智側に微笑み、Deは1ユニットのみ。
T6丹波勢
 前線が最大限の踏ん張りを見せる中、総大将の明智光秀らが脱出に成功します。これにより、明智勢に8点が加わります。
T7明智勢、脱出も
 第7ターン、怒り心頭の丹波勢は容赦ない総攻撃を見舞います。もはや、通常状態の部隊は1ユニットのみにもかかわらず、なんと、侍大将の藤田行政と阿閉貞征が戦術的勝利に。が、これは、単に敵の重囲に突入するだけになってしまいます。
T7丹波勢
 結果、両武将とも討ち取られ、脱出路遮断の憂き目に。最終の第8ターンが終わった時点で、明智勢の生き残りは、逃げ遅れ消耗したわずか2ユニットでした。
終了時
 VP計算の結果、明智勢9点:丹波勢27点で、丹波勢の戦略的勝利になりました。う~む、今の設定ではおそらく明智勢が勝利することは不可能でしょう。黒井城の占拠の5点を適用外にすれば、まだ、可能性が。今回も戦闘に「勝ってしまった」ばかりに孤立して壊滅した3武将が、VPを献上してしまったわけで、これがなければ、ギリギリ、丹波勢の戦術的勝利に収まったかも。

 今月のソロプレイ8弾は、「山崎決戦」(HJ)からシナリオ3「光秀の夢」です。このシナリオでは、摂津勢の高山勢と中川勢が明智方で参戦します。また、史実で呼びかけをしたものの、日和見となった筒井勢と細川勢も同様です。筒井勢には後に関ヶ原で名を馳せる島清興(左近)が、細川勢には古今伝授の継承者-藤孝が登場します。なお、オプションで両陣営の参戦状況の変化がありますが、たいていは参戦に至らない(または、終盤の参戦で影響は少ない)ため、今回は採用せず。
 結果、明智勢には、強力な摂津勢と後詰めの8部隊が加わる形になります。それでも、兵力数では羽柴勢が2倍以上、上回ります。よって、作戦としては、これまで有効だった戦力維持・限定反撃プランをとります。戦場としては、3VPの獲得できる天王山を摂津勢で守り、明智勢の主力で円明寺川ラインで戦線形成をします。
T0
 全シナリオ中、最も条件の厳しい羽柴勢としては、どうするか?池田勢を除けば、主力は戦力的に劣るわけで、これまで通りの力押しでは、圧倒的に不利です。しかも、強力な摂津勢に天王山を抑えられています。ならば、唯一、有利な機動力を生かした形勢づくりしかない!
 キーになるのは、最前線にいる黒田隊です。優速で敵に対抗しうる戦力を持つこの部隊を高速前進させ、敵に有効な戦線形勢をさせないようにします。狙うは、円明寺-天王山ラインの分断!その上で、後方からの援軍で天王山の摂津勢を圧殺し、VPの獲得を目指します。
 第1ターン、この計画に沿って、羽柴勢の先鋒隊は、山地方面に全力移動します。ただし、右翼の池田勢については戦線の拡大と攻勢のため、円明寺川を渡河します。明智勢も当初の計画に沿って、円明寺川防衛線の形勢を行います。
T1
 第2ターン、左翼の山地で羽柴勢が妻木勢と接触します。drがよく、敵を押し込むことに成功します。これにより、実質的に明智勢が天王山に援軍を送ることが困難になります(元から移動力が低いので、適時、敵に合わせて山地に部隊を派遣することは難しいが)。また、右翼では池田勢が猛攻を加え、drによる戦闘後前進で1ユニットを包囲し、これを除去します。羽柴勢にとって、非常に幸先のよいスタートです。
T2羽柴接触
 明智勢は、急ぎ、天王山の摂津勢を北上させ(実質の後退)、防衛線を延ばすとともに、円明寺防衛線を完成させます。
 第3ターン、羽柴勢は左翼の山岳地帯と右翼で攻勢に出ます。地形効果もあり、山地での後退が続きますが、前野長康が攻撃に成功。ただし、単独での突出となってしまいます。右翼でも前ターンの勢いのまま、攻勢が成功し、drによる戦闘後前進で1ユニットを包囲殲滅します。
T3羽柴勢の攻撃
 明智勢は消耗した部隊を下げ、後方から到着した筒井勢とともに、戦線を維持します。そして、突出した前野長康を限定反撃で包囲殲滅します。これにより、本陣の維持と侍大将の討ち取りで、VPは明智軍6点:羽柴軍2点となります。
T3明智勢
T3
 第4ターン、羽柴勢は数の優位を生かして、山岳及び右翼での攻勢を強めます。明智勢も猛烈な防御射撃で応え、2ユニットを後退させます。さすがに地形効果が高く、drにも見放され、羽柴勢の2ユニットがAeとなります。が、接近状態を維持し、明智勢の回復が間に合わず、山地では天王山山頂に迫られます。
T4羽柴勢の両翼攻勢
T4天王山山頂に迫る
 明智勢は中央で突出した敵に包囲攻撃を仕掛けますが、防御射撃に粉砕され、退路を確保され、殲滅ならず。山地では消耗した摂津勢が必死に抵抗しますが、地形効果により戦力差マイナスとなり、Arが続出。ついに、盤端に追い込まれます。その中で、中川清秀のみが「勝ってしまい」敵中に突出することに。
T4明智勢の限定反撃
 第5ターン、全ての増援が登場した羽柴勢は、ここに来て戦線全域での攻勢に出ます。盤端に追い詰めた山岳部では、2ユニットを討ち取り、さらに侍大将-中川清秀を撃破します。他も一時的に押し返すも、包囲を敗れず。中央部から山岳部では突出し、突出された完全な乱戦になります。
T5羽柴勢、全面攻勢
 明智勢は、整然と後退のできた右翼を除き、やむを得ず、乱戦による戦闘を行いますが、ここで羽柴勢の防御射撃が冴え渡り、包囲下の2ユニットが後退不能で除去されます。逆に、戦力差マイナスでしたが、敵の谷隊など2ユニットをDrで除去、正面攻撃で1ユニット撃破と合わせて、4ユニットを殲滅します。これにより、VPは明智勢18点:羽柴勢10点と、光秀にやや有利に。
T5明智勢、乱戦に巻き込まれる
 第6ターン、さすがに一部を回復に回さざるをえず、勢いの落ちた羽柴勢ですが、ここが勝負と、血を吐きながら総攻撃を続行します。山地では、1ユニットがAeになりますが、代わりに消耗した敵5ユニットを包囲殲滅します。また、中央部ではCA(反撃)の結果、細川藤孝が敵中に孤立することに。これにより、VPは明智勢19点:羽柴勢18点と、一時的にイーブンに。
T6羽柴勢、血を吐きながらの猛攻
T6 VPで並びかけるが・・・
 明智軍はこれ以上の乱戦を避けるため、細川隊と山岳の部隊を放棄して、前線を後退させ、戦線を維持します。
T6
 もはや終盤の第7ターン、羽柴勢は消耗が多い中央部は回復に努め、両翼では攻撃を続けます。明智勢もさすがに密な戦線を引き切れず、ZOCで繋いだ部分を羽柴勢が強襲します。これにより、包囲下の細川隊を始め、山岳部の2ユニットが壊滅し、一時的にVPは明智勢23点:羽柴勢25点と逆転します。
 時間的に多少の混戦でもよしと判断した明智勢は、両翼で反撃に出ます。包囲下のユニットを救出する+6攻撃はまさかの失敗で、退却不能で1ユニットを失うも、敵の名だたる武将の堀秀政と1ユニットを撃破。VPは再び、明智勢27点:羽柴勢26点と再逆転します。
T7羽柴
 最終の第8ターン、羽柴勢は日暮れ前の最後の突撃をかけます。が、ここに来て、drの女神は微笑まず。神子田がまさかのAeとなり、また、CAで猛烈な反撃を喰らって、1ユニットが壊滅。包囲した+6攻撃で失敗など、VPは全く伸びず。
T8羽柴勢、最後の攻勢
 攻撃失敗による混乱に乗じて、いびつな敵戦線に明智勢は総反撃を行います。ここまで耐えに耐えてきたエネルギーを全てぶつけ、多くの戦闘で勝利。包囲による殲滅で3ユニットを、正面からの突撃でさらに3ユニットを全滅させ、一旦、占領されていた小倉神社を奪還します。この結果、明智勢43点:羽柴勢28点と、明智勢の戦術的勝利になりました。あと、1点あれば、作戦的勝利になったところでした。
T8明智勢の総反撃
最終VP
 羽柴勢は円明寺-天王山ラインの分断には成功し、後方からの援軍で天王山の摂津勢を圧殺するまでは、計画通りで、一時はVPで上回るほどでした。が、結果的には、明智勢の戦力維持・限定反撃プランが奏功し、終盤に名だたる武将を連続して討ち取ることができ、勝利が確定しました。
終了時
 ああ、面白かった!この2ヶ月、「山崎決戦」に浸りっぱなしでしたが、実に様々な作戦と展開を経験でき、十分に元は取った感があります。闇雲に戦闘をするだけでは乱戦になって、羽柴勢が勝つだけですが、明智勢が基本戦略を持ってそれを堅持し続ければ、満足のいく「負けない戦い」ができました。ゲーマーの高齢化が進み、ほとんどゲーマーが一見さんで終わる時代ですが、拘れば奥の深い世界を見せてくれるのが、SLGのよいところ。せっかく、盛り上がっているので、ご希望があれば、華麗な明智戦術を披露しますよ~(ただし、一定の運による、笑い)。

 今月のソロプレイ第7弾は、「山崎決戦」(HJ)からシナリオ2「山崎遭遇戦」です。このシナリオでは、両軍が全て、増援で登場します。また、明智勢が先攻になっており、明智勢が最も望む体勢で、合戦の場を設定できます。
 数回のソロをしましたが、原則は通常シナリオと同様で、やはり、乱戦になると、羽柴勢の海に呑み込まれます。よって、明智勢としては、戦力を維持しながら、突出した敵のみを叩く作戦は変わりません。
 では、予想戦場をどこにするか?先手を生かして、最も効果的な天王山から山崎北の隘路に設定します。戦線が狭い分、明智軍のローテーションがしやすくなります。また、援軍が到着する街道の合流点でもあり、兵力の展開が機能的に行えます。(マップを北に見て)右翼は、円明寺川に戦線を引きます。こちらはより戦域が狭い分、羽柴軍の突破は史実シナリオより、厳しくなるでしょう。
 これに対し、戦力の豊富な羽柴軍は、天王山方面から迂回を狙ってくることが予想されます。この時、注意したいことは、明智軍が山地に注ぎ込みすぎると、移動力(羽柴軍は6、明智軍は5)とユニット数の違いから、消耗すると離脱ができなくなることです。結果、羽柴軍から高戦力差攻撃を受け続け、早々に部隊を失い、戦線の維持が難しくなります。
よって、山地への深入りは避け、敵の延翼に合わせて、山麓に阻止線を形成するようにします。
 第1ターンから、両軍の増援が登場します。第3ターンまでは、距離があるため、戦闘は起こらず。明智軍は当初の計画通り、防衛線を構築します。
T2
 第3ターン、中央部で羽柴勢の先鋒が敵に接触し、開戦となります。戦力差はほぼイーブンでしたが、羽柴勢が強力な壁にぶち当たって後退します。
T3羽柴勢、開戦
 第4ターン、明智勢は戦線構築が終わり、消耗した敵の侍大将にのみ、戦力差+6の反撃をかけます。drもよく、一撃でDeとし、木村重茲を討ち取ります。
T4明智勢、限定攻撃
 対して、中央の羽柴軍は、乱戦上等と摂津勢で全面に猛攻を加え、3カ所で勝利します。が、これ以外が後退したために、逆に突出することに。
T4羽柴勢
 第5ターン、明智勢はこの部隊を取り囲み、包囲攻撃を仕掛けます。1カ所のみ、羽柴勢の防御射撃で切り崩されますが、2ユニットを重囲の中、討ち取ります。
T5明智勢の部分反攻
 が、続々と援軍が到着している羽柴勢は、足の速さを生かして、山間部に8ユニットを迂回させます。また、中央及び右翼で全面攻勢に出ます。中央部では、戦闘後前進により1ユニットを除去し、右翼でもDeでもう1ユニットを壊滅させます。このターンのVPは、明智勢6点:羽柴勢2点です。
T5羽柴勢の攻撃
T5
 第6ターン、明智勢は突出した敵を包囲し、右翼と中央で各1ユニットを除去し、計画通り、VPを積み重ねます。が、戦線整理のため、あえて戦力差-4とした中央の戦闘で、まさかの「勝利」をしてしまい、1ユニットが予期せぬ前進をします。
T6明智勢
 羽柴勢は、一旦はこの部隊を包囲しますが、ここで明智勢の防御射撃が命中し、退路が開いてしまいます(このターンは、防御射撃が3回命中)。この部隊は取り逃がしますが、山岳部での戦力差+1攻撃でDeとする僥倖がありました。全面攻勢のため、戦闘する機会が多く、それなりに敵に損害を与えます。
T6羽柴勢の全面攻勢
 第7ターン、さすがに消耗した部隊が増加してきた明智勢は、ここで部分的に部隊を後退させ、戦線の整理をします。敵の消耗部隊が密集している右翼でのみ、戦力差+4攻撃を行い、目論み通り、敵を後退させ、連鎖後退による大混乱状態とします。
 これにより、羽柴勢は一旦、左翼の攻撃を差し止め、部隊の回復に努めます。代わりに中央部と山岳部での攻勢を強め、敵戦線に食い込むことに成功します(だたし、被包囲となるので、諸刃の剣)。
T7羽柴勢の攻撃
T7
 第8ターン、明智勢は中央部で突出した2ユニットに包囲攻撃を仕掛け、1ユニットを除去しますが、1つは防御射撃により退路を開かれ、後退します。また、牽制攻撃に失敗し、貴重な侍大将(藤田行政)が突出することに。
T8明智勢の部分反攻
 このチャンスを見逃さず、羽柴勢は藤田行政を包囲攻撃し、これを殲滅します。が、これ以外の攻撃は、悉くdrに嫌われ、跳ね返されます。
T8羽柴勢の猛攻
 第9ターン、中央部は乱戦気味ながら戦果を上げ、山岳部で敵の延翼に合わせて隙を与えず、右翼では河川を利用して頑強に抵抗と、ここまではほぼ明智勢の思惑通りに。が、ここで中央部で予期せぬdrに。防御に徹していた1ユニットがCA(反撃)の結果、勝利して敵中に前進してしまいます。同時に、羽柴勢も侍大将(前野長康)のみが勝って、敵中深くに突進してしまいます。
T9
 第10ターン、突出した味方を救い、さらに包囲できる敵部隊を叩く本格反撃か、乱戦の危険から味方は見捨て、敵の侍大将(前野長康)のみを討ち取る限定攻撃か?!大いに迷いましたが、戦闘drに運命を委ねることはできず、限定攻撃のみとします。結果、前野長康は討ち取ったものの、被包囲下の味方1ユニットは壊滅します。
T10明智勢、乱戦
 時間がない羽柴勢は、損害上等の猛烈な攻勢をかけます。山岳部では迂回が成功し、各所で連打を浴びせます。主戦線では犠牲攻撃を使用しながら、要所の部隊を叩いて戦闘後前進で別の敵を包囲攻撃する戦術を多用します。戦闘drも冴えまくり、その結果、中央から山間部で、なんと、6ユニットが壊滅してしまいます!
T10羽柴勢、強引な攻撃
T10
 第11ターン、もはや中央部では、明智勢は回復と戦線整理しかできず。かわりに右翼では突出した池田恒興に包囲攻撃をかけましたが・・・ああ、ここでAr!代わりに加藤光泰を殲滅できたことが、せめてもか。
T11明智勢が右翼で部分攻勢も
 勢いに乗る羽柴勢は、全戦線で猛攻を加えます。タイムリーな防御射撃もあって、若干、攻撃力が削がれましたが、中央の力押しで2ユニットを撃破します。が、池田救出のための、戦力差+4攻撃が、まさかのAr!敵の猛攻を凌いだ猛将が、裏崩れで討ち死にしてしまいます。
T11羽柴勢
 最終第12ターン、明智勢は最低限の戦線を維持し、回復と合わせて、敵の攻撃を待ちます。ここで、敵の重囲下にあった御牧隊が、四方からの防御射撃を受けて壊滅します。
 そして、羽柴勢最後の総攻撃に。ほぼ全てで戦力差プラスとなった一連の戦闘により、さらに6ユニット(!)が殲滅されます。あと、1ターンあったら、ほぼ軍としての機能は壊滅する場面でしたが、ここで日没により、終了。
T12最後の攻勢
 結果は、羽柴勢34点:明智勢40点により、明智勢の戦術的勝利(!)となりました。羽柴勢は、敵を上回るユニットを撃破したものの、池田恒興、塩川長満、木村重茲、加藤光泰、前野長康という名だたる武将が討ち取られたことが痛かったです。明智勢は、つい、反撃したくなる場面でも冷静に費用対効果(と確率)を判断し、限定反撃にとどめたこと、そして、本陣維持の得点を積み重ねたことが、効きました。
終了時


 師走もあと半分で、あっという間に年始になりそうです。1月の予定が決まったので、お知らせします。新春例会恒例のお年玉企画も、行きま~す!

p7489
[日時]1月7日(土)10:00-20:00

[会場]おゆみ野公民館 第2講習室

[住所]千葉市緑区おゆみ野中央2丁目7-6
[アクセス]
 京成電鉄千原線「学園前駅」または「おゆみ野駅」から徒歩10分
 または、JR鎌取駅発小湊鉄道バスでおゆみ野中央二丁目バス停降り、徒歩1分(20~30分おき)
[参加費]無料
[持ち物]ゲームとゆとりと常識


 前回にプレイできた「山崎決戦」(新Tactics誌)。念のために、持ち込みます。

T3明智軍
 前回プレイした「志士の時代」(CMJ)。こちらは前回できなかったので、旧版をもう少し、やりこみたいです。こちらも、プレイヤーを募集です。
cb6b5043
 最後に次回以降の予定を。早く、コロナが完全終熄しますように。
 2月4日(土)10:00-20:00 おゆみ野公民館:第2講習室
 3月4日(土)10:00-20:00 おゆみ野公民館:第2講習室

<ちはら会恒例の新春お年玉企画>
 新春なので、いつものちはら会お年玉も行きます。ご参加のみなさんは、ご家庭にある不要なゲーム、プレイすることがないアイテム、歴史関係の書籍、みかん、お酒、福袋等(過去に実績あり、笑い)をお持ち込みください。ご提出の方は、新春お年玉に参加できます。運試しのdrをして、ハイロールの方からお好きなアイテムをゲット。さあ、2023年の運勢は?

 この日最後に取り組んだのが、最優秀ドイツ系ゲームの「カタンの開拓者」(GP)です。第一戦は、推奨セットアップでプレイ。陣営は、赤(mitsu)・白(平)・橙(バーネット)・青(タナック)です。
 要所を押さえた赤(mitsu)がひたすら街道を延ばし、途中から都市化をしてリソースを回します。白(平)と橙(バーネット)がこれを都市化で追いかけるも、盗賊が白の土地に居座って、リソース獲得が進まず。青(タナック)はリソースが偏って、羊ばかりのニュージーランド状態で伸び悩み。
進む島内開拓
 最後に都市化が進んだところで、赤(mitsu)が勝利宣言し、最長交易路でボーナスを得て逃げ切りました。
最長ロードでmitsuが逃げ切り
 2戦目は、橙(バーネット)・赤(mitsu)・白(平)の陣営です。マップをランダム配置したところ、鉱物がほとんど産出できない偏りに。さらに、レンガも不足勝ちで、drによっては二巡しても、全然、リソースが増えない展開も。結果、全然、開拓も都市化の進まない実に牧歌的なカタンに(笑い)。
 その中でも、橙(バーネット)と赤(mitsu)がどうにか街道を延ばしましたが、後半に橙(バーネット)が勝利宣言。なけなしの鉱物を使って獲得した発展カードの追加VPが効いて、勝利でした。
R2

 「どうも弱いボラー連邦と暗黒星団をブラッシュアップしたいのですが」と平さんの要望を受け、ちはら会で「Ships&Tactics」(グループ乾坤一擲)のテストプレイをすることになりました。陣営は、白色彗星帝国(mitsu)・ガルマン帝国(タナック)・ボラー連邦(平)・暗黒星団(バーネット)です。
DSC03389
 序盤、初プレイのガルマン帝国(タナック)と暗黒星団(バーネット)が艦載機戦を仕掛け、ともに損害が出ます。そこにボラー連邦(平)と白色帝国(mitsu)が乗っかって波状攻撃をかけます。
 ガルマン帝国(タナック)は特殊兵器が多いため、先にドメル艦とデスラー艦に攻撃が集中し、これを早々に失います。次に、暗黒星団(バーネット)が艦の耐久力が弱めのため、攻撃を受け、前衛艦が減少します。
ヤマトのライバル4陣営
 中盤、キャラが来たところで、白色彗星帝国(mitsu)が満を持して、彗星を前進させます。この凶悪な彗星を止めようと、各陣営が猛烈な波状攻撃をかけ、8割以上の損害を与えますが、そのまま突進!たった2ターンで9隻の敵の前衛艦と損傷艦を破壊してしまいます。
白色彗星の破壊力
 そのまま、カードを回した白色彗星帝国(mitsu)が、3倍近い得点差で勝利しました。暗黒星団(バーネット)は早々に重核子爆弾を彗星にセットするも、聖総統スカルダートが来ず。ガルマン帝国(タナック)も稼働艦が沈んだ後に、デスラー砲や瞬間物質輸送機が来る不運に、二人とも「遅いよ~!」。
重核子爆弾付きも・・・
 全然、競い合うテストになりませんでしたが、平さんは次の強化に向けて考えをまとめたようです。

 この日のmitsuのテーマは、「山崎決戦」(HJ)です。言わずと知れたTactics誌の新装版で、「黒井城撤退戦」と「本能寺の変」の3in1の一作になります。
 「山崎決戦」(HJ)自体は、非常にシンプルな合戦級で、防御射撃はあるものの、シークエンスは移動-戦闘のみ。戦闘は2d6で振れ幅が多く、かつ、CA(反撃)が一定割合であるので、合戦級らしい乱戦になりがちです。また、CC的なルールはほぼなく、強制的な戦闘後前進くらいと、実に潔いシステムです。
T0
 今回、ソロ経験のあるベテランのタナックさんをお誘いし、シナリオ1「天王山の戦い」をプレイしました。陣営は、羽柴勢(タナック)対明智勢(mitsu)です。
DSC03364
 第1ターン、羽柴勢は行軍隊形のまま、最大戦速で前進をし、円明寺川のラインに迫ります。一方、(明智勢から見て)左翼の池田勢は、史実通り、淀川沿いに浸透を図ります。
T1羽柴軍
 明智勢は、計画通り、円明寺川沿いの防衛ラインを構築します。ただし、敵の先鋒を包囲できるため、ここのみ、攻撃を行い、中川勢1ユニットを殲滅します(あるいは、乱戦への誘いだったか?)。
T1明智軍、先頭を包囲攻撃
 第2ターン、羽柴勢は豊富な戦力を生かして、淀川から天王山にかけての全面で攻撃に出ます。左翼では池田勢が渡河に成功し、そのまま、攻撃に出て、戦線を維持します。中央では、中川隊と阿閉隊が正面から激突し、羽柴勢1ユニットがAeになるものの、drがよく、明智勢2ユニットをDeとします。
T2羽柴軍
 明智勢は左翼に後方予備を投入し、戦線を強化しますが、3ユニットが敵に捕捉され、後方に下がりきれず。中央では、四王天隊が駆けつけ、切れ目のない戦線を構築します。
T2明智軍
 第3ターン、羽柴勢は勢いに乗って左翼で猛攻を続け、多くの敵を後退に追い込みます。これにより、消耗した明智勢の部隊が回復しきれず、戦線は動揺します。
T3羽柴軍、左翼で猛攻
 それでも、明智勢は、突出した部隊を狙って包囲攻撃をかけ、1ユニットずつ敵を殲滅し、VPを稼ぎます。そして、一時後退した部隊を回復させ、戦線をがっちり維持します。やや左翼で押されているものの、ここまでは想定通りの戦いです。
T3明智軍
 第4ターン、後攻から続々と登場する援軍に勇を得た羽柴勢は、消耗した部隊を下げると、新手を投入して、乱戦に持ち込もうとします。明智勢も要所を得た防御射撃で対抗するも、半数以上で後退を余儀なくされます。が、やや強引な攻撃が祟って、羽柴勢の2ユニットがAeとなります。うち、1ユニットは侍大将(青木一矩)であり、明智勢に少なからずのVPを献上します。
T4羽柴軍
 また、「勝ってしまった」ばかりに突出した堀秀政を、明智勢はここぞとばかりに重包囲をし、これも討ち取り!戦上手で名の通った堀の首を取り、明智勢の士気は盛り上がります。この時点で、VPは羽柴勢5点:明智勢16点です。ひょっとしたら、このまま、宣伝的勝利(引き分け以上)ができるのか?!
T4明智軍、突出した敵を殲滅
T4終了時のVP
 が、好事魔多し。第5ターン、怯まず、全面攻勢に出た羽柴勢に、今度はdrの女神が微笑みます。包囲攻撃は1カ所のみでしたが、正面攻撃のdrが冴えに冴え、なんと明智勢の3ユニットを殲滅してしまいます。
T5羽柴軍、右翼でも数を生かした猛攻
 さらに敵が戦力を集中した両翼で、多くの部隊が後退し、回復しきれない部隊が増加します。秀吉の本陣VPも重なり、VPは羽柴勢10点:明智勢17点に。
T5明智軍、回復仕切れない部隊が・・・
 第6ターン、後3ターン、されど3ターン。羽柴勢は高戦力の摂津勢と播磨勢を前面に立て、ここを先途と猛攻を加えます。明智勢は防御射撃で2ユニットを後退させるも、多勢に無勢で、戦力の落ちた部隊を狙われ、戦闘後前進で包囲され、損害が嵩みます。このターンだけで、さらに4ユニットが殲滅されます。
T6羽柴軍、全域で総攻撃に
 明智勢は、もはや濃密な戦列は組めず、左翼でそれなりの戦線を維持するのがやっと。中央から天王山方面は予備も尽き、消耗した部隊で薄い戦線を張るのみ。
 あれほど優勢に見えた展開が、わずか2ターンで大きく転換。VPは羽柴勢17点:明智勢18点のイーブンに。
T6明智軍、かろうじて戦線を維持も
 第7ターン、が、羽柴軍も時間がなくなりつつあり。細心の注意を払って、持てる戦力を全て、明智勢に打つけます。これにより、さらに2ユニットが壊滅。うち、1ユニットは侍大将(藤田行政)であり、羽柴勢22点:明智勢19点と、ついに逆転に成功します。
T7羽柴軍
T7明智軍、突破は防ぐも・・・
 そして迎えた最終第8ターン、現時点でのVP差は3点であり、残り3点以上を獲得できれば、羽柴勢の戦術的勝利となります。圧倒的な兵力差となった羽柴勢は、高戦力差攻撃を連発しましたが・・・ああ、drは平均以下。結果、殲滅された明智勢は2ユニット止まり。地理的なVPは、両軍でイーブンだったため、最終VP差は羽柴勢の5点に。結果、明智勢がギリギリで引き分けに持ち込みました。
終了時
ギリギリの引き分け
 ああ、苦しかった!当初から、乱戦防止のために、戦力の維持と限定反撃に特化した防御作戦を貫徹しましたが、羽柴勢の絶え間ない猛攻に、徐々に前線の戦力が消耗。そこを狙われ、効率的な戦闘で後退-戦闘後前進による包囲-さらなる打撃で後退できず除去という、力押しを喰らいました。まさに大軍に作戦なし!
 それでも、一か八かの全面反攻の誘惑をぐっと堪えて、突出した部隊のみを叩く初心貫徹の結果、ギリギリながら引き分けに。3倍の兵力差を耐えて、日暮れまで戦線崩壊を起こさず、しかも戦上手の堀と青木の2武将を討ち取った-光秀にとっては、考え得るギリギリの宣伝的勝利といっていいかも知れません。
 下馬評では「なるようにしかならないゲーム」と言われているようですが、少なくとも「負けない戦い」ができることは示せたかと思います。そのために相当、作戦研究とソロをしましたけど・・・(笑い)。手放しで傑作とは言いがたいですが、対戦が減っている今だからこそ、このシンプルさ(潔さ)は評価されてもいいかも。ある雑誌から記事依頼もあるので、そちらでも話題にしてみたいと思います。

 今年も早いもので、大晦日まで1ヶ月を切りました。師走になり、寒さも増してきましたが、関東は晴れるとまだ暖かいです。12月初めの土曜日に、第210回ちはら会が開催されました。
 年末で用事があったり、体調面の心配があったりと、参加者は少なめでしたが、遠征組を含めて6名が集い、思い思いのゲームを楽しみました。
 先日にプレイされたアイテムと戦績は、以下の通りです。

山崎決戦(HJ)S1天王山の戦い 羽柴軍(タナック)対明智軍(mitsu)引き分け
ビスマルク追撃戦(グループ乾坤一擲) ☆バーネット・☆平・fho・Tommy
珊瑚海の決戦カードゲーム(グループ乾坤一擲)3戦
 珊瑚海海戦 ☆日本軍(fho)対アメリカ軍(バーネット)★
 珊瑚海海戦 ☆日本軍(fho)対アメリカ軍(バーネット)★
 ミッドウェイ海戦 ☆日本軍(fho)対アメリカ軍(バーネット)★
Ships&Tactics(グループ乾坤一擲) 
 ☆白色彗星帝国(mitsu)・ガルマン帝国(タナック)・ボラー連邦(平)・暗黒星団(バーネット)
カタンの開拓者(GP)2戦
 ☆赤(mitsu)・白(平)・橙(バーネット)・青(タナック)
 ☆橙(バーネット)・赤(mitsu)・白(平)

 こちらは、グループ乾坤一擲の平さんが持ち込んだ「珊瑚海の決戦カードゲーム」。太平洋戦争の初期の空母戦を描いたもので、慣れれば、10分程度で片が付く優れもの。平さんのインストで、日本軍(fho)対アメリカ軍(バーネット)の3戦を行い、楽しんでいました。
DSC03398
DSC03367
 こちらも、グループ乾坤一擲の「ビスマルク追撃戦」。シングルブラインドながら、プレイヤーがローテンションでドイツ軍を受け持つという斬新な設定で、誰にでも勝つ機会があり。今回は、ビスマルクが無事にブレストに逃げ込んだそうで、バーネットさんと平さんが2VPで勝利していました。
DSC03380

 今月のソロプレイ第6弾は、WWⅡ戦闘級アイテムの「TANKS+」(CMJ)から東部戦線追加シナリオ26「地獄のバレンタイン」です。1942年のデミヤンスク包囲戦を描く陣地突破作戦です。
 参加兵力は、ドイツ軍は4門のFLAK/PAKと10ユニットの歩兵のみ。ただし、重機関銃と装甲効果を持つ掩体壕が使用できます。掩体壕は防御力は強力ですが、射界が限られているため、敵に回り込まれるとやっかいです。また、FLAK1門を除けば、PAK3門は貧弱で、T34/76 相手では正面からの撃破は容易ではありません(2d6で5以下)。攻勢側のソ連軍は、T34/76の10輛に支援された18ユニットの狙撃兵が登場します。
T0
 勝利条件は、最終12ターンまでに8個の掩体壕を破壊し、狙撃兵6ユニットが北端から突破することです。
 展開としては、ソ連軍が戦車を高速で突進させ、敵の掩体壕の射界外に回り込み、至近距離からの徹甲弾攻撃で、これを撃破することを狙います。壕または塹壕に籠もる歩兵に対しては、狙撃が数を生かした対歩兵戦闘を仕掛けるか、これを無視して浸透し、突破阻止のために壕を出たところで、捕捉する作戦です。
 ソ連軍は、この方針に沿って、東側に兵力を集中します。ドイツ軍は、同じく東側に対戦車砲3門を並べ、丘の上の射撃ポイントに長距離攻撃力に優れた88mm対空砲を置きます。
 第1ターン、ソ連軍は計画に沿って、全力で移動を開始します。ドイツ軍は防御射撃でタンクデサントのT34を狙い、2発が命中し、1輛を狙撃兵ごと吹き飛ばします。また、バンカーからの重火器の射撃で、狙撃兵1ユニットを撃破します。
 ソ連軍は至近距離での前進射撃で、掩体壕1つを破壊します。
T1S 88mmの長距離射撃で開始
T1S AFでバンカー撃破
 ドイツ軍は準備射撃フェイズに、前線歩兵による集束手榴弾でT34を1輛、重火器で狙撃兵1ユニットを撃破します。移動フェイズに、中央から西側の全ての歩兵を東側に向けて移動させます。
T1D 重機と歩兵の射撃、東側陣地へ
 第2ターン、ソ連軍は一気に優勢を決めんと、陣地に向けて、車輌/歩兵を突撃させます。が、結果的には、やや無謀でした。至近距離から対戦車砲と歩兵の防御射撃を喰らって、さらに3輛のT34が撃破されます。怒り心頭のソ連軍は前進射撃をしますが、dr修整が祟って、敵の歩兵2ユニットを撃破するのがやっとです。
T2S 突撃するも、DFで損害多し
 ドイツ軍は準備射撃でT34をさらに1輛、撃破し、歩兵が中央の陣地に入り、陣地転換を進めます。
T2D 緊急の陣地転換
 第3ターン、ソ連軍は戦車の停止射撃でバンカーを狙いますが、drにギリギリで疎まれ、命中なしか、当たっても弾かれます。運が悪いことに、T34の1輛が弾切れに。
T3S 2個目のバンカーを破壊するも
 こうなったら、歩兵突撃しかないと、「ウラー!」の雄叫びを上げて、狙撃兵が突進し、2個目のバンカーを破壊します。
 ドイツ軍は反撃で正確な準備射撃を繰り返し、T34の1輛と狙撃兵2個ユニットを撃破します。この時点でソ連軍の損害は、T34が7輛、狙撃兵が9ユニットに達します。
T3D 正確な射撃で、イワンに出血を与え
 第4ターン、ソ連軍は残った2輛のT34でバンカーを射撃しますが、隠蔽が効いて、当たらず。さらに悪いことに、2両目の弾薬切れを出してしまいます。やむなく、狙撃兵で白兵戦を仕掛け、対戦車砲ごとバンカー1つを破壊します。残りの歩兵は、必殺の零距離射撃を実施すべく、敵の掩体壕に接近しますが・・・。
T4S 狙撃兵の突撃でバンカー破壊
 ドイツ軍は88mm対空砲で機能する最後のT34を撃破すると、遮ることにない平地を横切る敵に正確な射撃を撃ち込み、狙撃兵2ユニットを撃破します。
T4D 最後の機能するT34を撃破、歩兵にも出血
 ジリ貧になりつつあるソ連軍ですが、第5ターンに意地を見せます。狙撃兵が三度目の突撃を開始し、防御射撃で2ユニットを失うも、決死の白兵戦で2つのバンカーを破壊するという戦果を上げます。
T5S 血で血を洗う肉弾戦
 第6ターン、さらに勢いに乗るイワンは、爆薬で7つ目の掩体壕を吹き飛ばしますが、ドイツ軍も陣地転換した戦力で逆襲をかけ、狙撃兵2ユニットを抹殺します。この時点で、ソ連軍の歩兵は、勝利条件ギリギリの6ユニットまで減少してしまいます。しかし、あともう1つ、バンカーを破壊しなければ、突破できない状況に。
T6S 7つ目のバンカーを破壊も
 第7ターン、奇跡を信じ、イワンは手に入れた塹壕を飛び出し、中央の掩体壕に突撃します。が、待ち構えていたドイツ軍の猛烈な防御射撃が、この部隊を襲います。正確無比な射撃と88mm対空砲の榴弾砲が炸裂し、狙撃兵2ユニットが昇天。生き残った1ユニットが8個目のバンカーを吹き飛ばしたのが、せめてもの慰めか。
T7S それでも義務を果たすイワン
 結果、ソ連軍はバンカーの破壊には成功したものの、突破兵力が規定に満たず、敗北となりました。
終了時
 ドイツ軍に装甲兵力がなく、陣地による突破阻止という、一見、地味なシチュエーションですが、十分に面白い!慣れるまでは、赤い津波にドイツ軍が呑み込まれる展開が多かったのですが、適時に狙った防御射撃と歩兵の陣地転換を組み合わせると、今回のように突破阻止も可能です。もっとも、ソ連軍に弾切れが多かったり、頼みの前進射撃がdrに祟られたりと、運が悪かったのもありますが・・・。

 今月のソロプレイ第5弾は、「TANKS+」(CMJ)より、東部戦線追加シナリオ22「タンネンベルク戦の戦い」です。1944年のナルヴァ攻勢後のタンネンベルク線での戦いです。
 ソ連軍には10両のT34/85があり、ドイツは4両のパンターのみ。ただし、丘の上に司令部にいる4個分隊の歩兵を守り切れば、ドイツ軍の勝利であり、時間稼ぎがうまくいけば、いい勝負になります。
 セットアップで、ドイツ軍は射程の取れる丘の上にパンターを配置します。対するソ連軍は、その正面に4両を置き、側面迂回に6両を投入します。
T0
 第1ターン、ソ連軍は計画取り、前進をし、6両が敵の側面に取り付きます。すかさず、前進射撃をしますが、dr修整がきつく、命中弾はなし。
T1S
 これに対し、ドイツ軍は丘の上から脅威となる側面の敵に、準備射撃を見舞います。4発中3発が命中しますが、撃破drでハイロールが連続し、T34の1両を撃破したものの、2両は移動不能にとどまります。
T1D
 第2ターン、ソ連軍は側面攻撃部隊で一斉に準備射撃を行い、パンター1両を撃破します。ここで一気に片を付けんと、正面の4両もい近距離に接近します。残った3両のパンターが防御射撃を実施し、突進してきたT34の2両を撃破します。が、続く、前進射撃で、さらにパンター1両が撃破されます。
T2S 正面からの突進
 第3ターン、圧倒的に数で有利に立ったソ連軍は、一斉に準備射撃を行い、パンター1両を撃破します。
T3S
 ドイツ軍は、この撃ち合いに分がないことから、最後に残ったパンター1両を後退させます。
T3D
 第4ターン、ソ連軍は丘を取り囲むように移動し、次ターンの突入を待ちます。
T4S
 第5ターン、4両のT34はピストルの合図を元に、一斉に丘を駆け上がります。残ったパンターが防御射撃で迎え撃ち1両を撃破。が、続く、前進射撃で最後のパンターが昇天します。
T5D PFが外れる
 第6ターン以降、T34の榴弾射撃とドイツ軍歩兵のパンツァーファウストの撃ち合いになります。命中率ではソ連軍戦車の方がよく、毎ターン、1ユニットずつ、歩兵を撃破していきます。が、途中で1両が弾薬不足を起こして、後退します。
 対するドイツ軍歩兵も、ひたすらパンツァーファウストを撃ち込みますが、drに嫌われ、命中はなし。徐々にジリ貧になっていくドイツ軍は、第9ターンが終わった時点で、最後の歩兵1ユニットを残すのみに。
T8S
 最終第10ターン、ソ連軍の2両のT34は必殺の榴弾を、敵の籠もる建物に撃ち込みます。命中率は、6割ずつあったのですが・・・ああ、最後の最後にdrの女神は微笑まず。2発とも外れとなったことで、ドイツ軍がかろうじて勝利となりました。
T10S ドイツ軍が耐え忍ぶ

 今月のソロプレイ第4弾は、「TANKS+」(CMJ)より、東部戦線追加シナリオAS19「合い言葉『自由』」です。いわゆるコルスン包囲戦で、第3装甲軍団による救出作戦を描いています。
 ドイツ軍の兵力は強力なTigerが4両とPantherが2両です。うち、1両でも盤端から突破するか、ソ連軍を全滅させれば勝利です。ソ連軍はパンターになら引けを取らないT34/85が4両に、命中すればどんな敵でも粉砕できる120mm砲搭載のJSⅡが2両となっています。
T0
 セットアップですが、ドイツ軍は遮蔽物を利用しながら距離を取って撃ち合えるように、中央付近の森への最短ルートの位置に付けます。ソ連軍は南端付近の森か、中央の建物に接近できる位置に配置します。
 第1ターン、ドイツ軍は計画通り、前進をします。
T1D ドイツ軍が前進
 ソ連軍もそれに対抗すべく、T34の2両とJSⅡが前進を開始します。ここで、森に陣取ったパンターが中距離での臨機射撃を実施し、一発を命中させるも距離があったため、装甲に弾かれます。
T1S 中距離で防御射撃を命中させるも・・・
 第2ターン、ドイツ軍はじりじりと前進を続けます。視線が届かない位置にいるソ連軍は、敵の進出を待って待機します。
 第3ターン、Tigerの前進が順調にいったため、森にいたPantaherが動きます。いったん後退し、向きを変えると隣接へクスへ。これで、射界が通ったPantherが前進射撃でT34に発砲し、ついに1両を仕留めます。
T3D T34の1両を撃破
 ソ連軍は生き残ったT34を建物に入れて遮蔽すると、重装甲を誇るJSⅡが射撃戦を挑むべく、前進を行います。
T3S 遮蔽物に入り込む
 第4ターン、この状況なら数的優位を取れると踏んだドイツ軍は、巧みな機動で敵の半数だけを相手にできる位置に突進します。3両の虎が前進射撃を行い、高い命中精度で建物に籠もるT34に命中弾を出します。強力な88mm砲弾が傾斜装甲を撃ち抜き、T34が撃破されます。
T4D
 怒り心頭のイワンは、JSⅡを停止させ、虎に向かって発砲します。2発とも命中となり、Tigerの重装甲を撃ち抜き、1両が炎上。が、もう1両は、キャタピラへの命中で移動不能に止まります。
T4S スターリンの120mm砲が虎を引き裂く
 第5ターン、残った3両のTigerと2両のJSⅡの壮絶な撃ち合いとなり、虎の放った3発が全て命中となります。1発は敵の砲塔基部を直撃し、撃破。が、2発は防御力8という驚異的な重装甲に弾かれます。
T5D 虎のパックフロント戦術
 ソ連軍は残った1両のJSⅡで射撃をしますが、こちらは照準器の差で命中せず。やむなく、最後の予備のT34を前進させ、建物に入ったPantherの側面を取ります。
T5S
 第6ターン、3両のTigerはスターリン重戦車にパックフロント戦術で集中射撃を見舞います。が、またも厚い装甲に弾かれ撃破はならず。ただし、1発がキャタピラを撃ち抜き、JSⅡを移動不能にします。また、Pantherは急速旋回して向きを変えると、前進射撃でT34の1両を撃破します。
T6D 激しい撃ち合い
 残り2両となったソ連軍は必死の抵抗を見せ、JSⅡの射撃でTiger1両を撃破。さらにPantaherに命中弾を出しますが、こちらは傾斜装甲に弾かれます。
T6S 反撃
 第7ターン、ここが勝負とドイツ軍は足の止まったJSⅡに、Tigerが発砲します。これまで3発の砲弾を弾いてきたJSⅡですが、装甲の薄い部分を貫通され、ついに炎上。同時に、建物内のPantaherがT34に集中射撃を行います。75mm砲弾が最後のT34/85に引導を渡し、ソ連軍が全滅。この瞬間に、ドイツ軍の勝利となりました。
T7D 精密射撃がイワンを打ち砕く
 今回はドイツ軍の機動がうまくいき、結果的に各個撃破できました。が、互いに相手を撃ち抜ける威力を持つため、drによってはドイツ軍の攻勢が頓挫する場合もあります(事前のプレイがまさにそうでした)。よって、バランスはよく、あとはいい意味で勝負のdr次第といったところでしょう。

 今月のソロプレイ第3弾は、WWⅡ戦闘級アイテムの「TANKS+」(CMJ)から東部戦線追加シナリオ17「クルィームスカヤ駅からの脱出」です。
 ドイツ軍の青作戦の攻勢を受けて、取り残されたソ連軍の第126独立戦車大隊が、撤退ため、逆襲に転じるという設定です。
 この時期にしては珍しくソ連軍の戦車はT26で、ドイツ軍の3号H型がかなり有利です。勝利条件は、ドイツ軍が脱出の拠点となる丘に1両でもいること。よって、ドイツ軍としては、アウトレンジで敵を削りつつ、最終ターンに一斉に丘に突進をして、生き残りをかけます。ソ連軍は、逆に1両でも多くの兵力を丘に埋伏させ、近距離での敵撃破を狙います。
T0
 以前の演習では、ソ連軍の全車両が丘に向かったものの、接近するドイツ軍に側面からの射撃を受け、3両が撃破されたことがあり。ならば、今回は2両を牽制部隊(犠牲部隊)としてドイツ軍と射撃戦をさせ、その援護の下に5両の戦車を丘に向かわせる作戦をとります。セットアップは、これに沿って配置します。
 第1ターン、両軍は計画通り、前進をします。まだ、距離があるため、ドイツ軍は前進射撃を控えます。
T1
 第2ターン、なおも、両軍は前進。命中率が若干、上がったので、ドイツ軍は前進射撃を行いますが、さすがに命中弾はなし。ソ連軍は、味方の援護のため、2両のT26を突進させます。
T2
 第3ターン、前方のT26が無視できなくなったので、ドイツ軍は距離を詰めながら、そちらに前進射撃を行いますが、drに恵まれず、命中はなし。ソ連軍は足を止め、準備射撃を行いますが、こちらも命中せず。この間に、主隊は丘の斜面に取り付きます。
T3S
 第4ターン、敵の牽制部隊に対し、ドイツ軍の2両が発砲し、1台を撃破します。3号戦車1両が前進をして、敵の主隊の側面を狙いましたが、惜しくも外れになります。
T4D
 ソ連軍は、生き残った牽制のT26で援護射撃を行い、その間に主隊が無事に丘の上に到着します。
T4
 第5ターン、ドイツ軍は目障りなT26を撃破。丘に向かって前進させます。
T5D
 第6ターン、丘にいるソ連軍は、ドイツ軍の進行方向に5両を展開し、待ち受ける形に。
T6
 第7ターン以降、ドイツ軍は最後の突進に賭けるべく、部隊を参加させると、3方向からの突撃準備を整えます。
 そして、迎えた最終の第10ターン、ドイツ軍の3両は一斉に丘を駆け上がります。ソ連軍の1両が近距離で防御射撃を行いますが、命中せず。ドイツ軍は前進射撃を行うものの、建物内に陣取った敵を十分に照準できず、外れとなります。
T10D
 続くソ連軍ターン、敵の殲滅を狙い、ソ連軍が近距離からの準備射撃を行います。ここで一発が外れ、残り3発で敵3両を撃破しなければならない展開に。
T10S
 側面を向ける3号に対し、2両が見事に命中させ、一撃で撃破!残りは距離3へクスの1両のみ。乾坤一擲の最後の射撃は命中!あとは、20%の確率で撃破できるはずでしたが・・・無情にもT26の45mm砲弾は、3号H型の正面装甲を貫通できず。この瞬間、ドイツ軍の勝利が確定しました。
終了時

 今月のソロプレイ第2弾は、WWⅡ戦闘級アイテムの「TANKS+」(CMJ)から東部戦線追加シナリオ16「サボロジュ橋頭堡からの撤退」です。
 その名の通り、1943年のクルスク戦後のソ連軍の反攻を扱ったもので、第16装甲擲弾兵師団の後衛戦闘を描きます。
 ソ連軍には、増援を入れてT34/76が13両、KV1Cが4両、登場し、敵戦車5両以上の撃破を目指します。ドイツ軍は、Ⅳ号H型が6両で、敵を10両以上撃破した上で、2両以上の脱出を狙います。
 序盤、後退するであろうドイツ軍を半包囲すべく、セットアップを行います。正面からKVとT34の8両を差し向け、右翼から側面を突くT34を4両投入します。一方のドイツ軍は、南西の森を拠点に敵を迎え撃つべく、6両を配置します。
T0
 第1ターン、計画通り、ソ連軍は装甲の厚いKVを先頭に前進を行い、4両の迂回部隊を東端沿いに浸透させます。このシナリオでは弾薬切れがないため、果敢に前進射撃をしますが、確率が低く、命中弾はなし。
T1S
 続くドイツ軍ターン、こちらも予定通り、森に向けて後進しながら射撃を行います。高い練度を誇るドイツ軍は、同じ条件でKVに3両の命中弾を出します。一発は装甲を貫通しなかったものの、1発が履帯を砕いて移動不能にし、もう1発で1両を撃破してしまいます。
T1D
 第2ターン、後方待機していたT34も前進を開始し、10両でドイツ軍に迫ります。ドイツ軍はさらに後退しながら、敵戦車を狙い撃ち、KVとT34の各1両を移動不能にし、1両を撃破してしまいます。恐るべき、ドイツ軍の技量!
T2S
T2D
 第3ターン、移動不能になったKVが長距離射撃を命中させますが、Ⅳ号の装甲を貫通せず。敵を屠るには距離を詰めるしかないと、稼働できる戦車は、なおも前進を続けます。
T3S
 ドイツ軍は後退射撃で2発を当てるも、こちらは弾かれて戦果なし。
T3d
 第4ターン、ソ連軍主隊は足を止めて、ドイツ軍を狙いますが戦果はなし。代わりに側面に回り込んだT34が距離を詰めます。
T4S
 側面の脅威に気がついたドイツ軍は、一斉に砲塔を旋回させると、6発の集中射撃で2両を撃破します。
T4D
 第5ターン、ソ連軍待望の増援が西端に登場します。併せて9両のT34がドイツ軍に向けて突進をかけます。前進射撃+3修整にもかかわらず、数の威力で1発を敵の側面に命中させ、ついにドイツ軍戦車1両を撃破します。
T5S 近距離の防御射撃
 ドイツ軍は地形効果の得られる森に後退すると、後進間射撃を実施し、4発を命中させます。が、T34といえども、正面装甲は堅く、1両を撃破したのみ。
T5D
 最大のチャンス到来!第6ターン、ソ連軍は、全車両で数を頼みの突撃を行います。わずか50-100mに、両軍併せて14両がひしめく混戦に。ドイツ軍は近距離の防御射撃で4両を撃破しますが、反撃で2両が破壊されます。
T6S 突進!
 ドイツ軍が防御射撃を行ったため、第7ターン、ソ連軍が先に準備射撃を行います。5両の攻撃にもかかわらず、森の命中修整が効いて、1両を移動不能にするにとどまります。対するドイツ軍も完全停止射撃で撃ち返し、T34の3両を撃破します。
T7S
T7D
 第8ターン、主力は壊滅寸前ですが、せめて一太刀とT34が発砲します。さすがに近距離だけあって、このうちの一発がⅣ号戦車の装甲を貫通!すでに1両は移動不能になっているため、これにより、ドイツ軍の2両脱出は不可能になり、勝利はなくなりました。
T8S
 怒り心頭のドイツ軍は準備射撃で2両を撃破し、ソ連軍の残りは移動不能の3両のみとなります。
T8D
 第9ターンから両軍は遠距離砲撃戦を始めますが、ソ連軍は距離があるため、dr「2」でしか命中せず。対して、優秀なドイツ軍が順に命中弾を出し、第11ターンにKVを、第12ターンにT34を仕留めます。
T11D
 第19ターン、最後に残ったKVが側面に回り込んだⅣ号の一撃で沈黙し、ともに勝利条件を満たせず、引き分けになりました。
T19D

 今月のソロプレイ第1弾は、WWⅡ戦闘級アイテムの「TANKS+」(CMJ)から東部戦線追加シナリオ11「ヤムノ」です。1942年初頭に北方軍集団に対して実施されたソ連軍の冬期反攻を描くもので、ヴォルホフ川のドイツ軍拠点に対する攻撃になります。
 このシナリオは、唯一、AFVが登場しないシナリオです。ソ連軍の勝利条件は8ターン以内に、丘の上に備え付けられたPak隊を撃破することです。
 参加兵力は、ソ連軍が歩兵18ユニットで、ドイツ軍は3基のPak38と歩兵10ユニットです。対歩兵射撃能力では、ドイツ軍の方が射程も長く優秀ですが、同一へクスでの近接戦闘ではソ連軍が8以下で敵を撃破と優位です。
T0
 ターン数が限られているソ連軍の作戦は、シンプルです。対戦車砲の射界外となる丘の南側から突撃をかけ、ここを突破。そのまま、対戦車砲陣地に雪崩れ込み、損害にかまわず、敵の撃破を目指します。
 ドイツ軍はこの南側に歩兵を集中し、長射程を生かして突撃前に敵を削ります。その後は、敵が侵入してきたところで臨機射撃を実施し、対戦車砲の射撃と合わせて敵兵力の覆滅を狙います。
 序盤、ソ連軍は計画通り、対戦車砲の死角となる丘の南斜面に向かいます。ドイツ軍もこれに呼応し、歩兵部隊を南に振り分けます。
T1
T2
 第3ターン、ライフルの射程では遠距離となる3へクス付近に、ソ連軍の先頭が到達します。ドイツ軍は少しでも敵を削るため、射撃を開始し、1ユニットを仕留めます。
T3
 第4ターン、政治委員に督戦されたソ連軍の狙撃兵部隊は、敵陣地ににじり寄ります。恐怖を紛らわせるように、前進射撃を行いますが、前進射撃修整により、はずれ。
T4
 ドイツ軍も詰め寄る敵に対し、準備射撃を見舞いますが、drに恵まれず、わずか1ユニットを撃破するに止まります。「こりゃ、危ないゾ・・・」
T4D
 第5ターン、「ウラー!!」のかけ声とともに、ソ連軍歩兵が一斉突撃を開始します。ドイツ軍も至近距離(同一へクス)まで引きつけて、猛烈な防御射撃を放ちます。これにより、ソ連軍の1/5強に当たる4ユニットが壊滅しますが、陣地内に入り込んだイワンが勇猛な白兵戦でドイツ軍の2ユニットを殺戮します。
T5S
 ドイツ軍は対戦車砲の射撃でさらに1ユニットを撃破し、歩兵の一部を後退させ、後方陣地の接近路を遮断します。
T5D
 第6ターン、ソ連軍は全ユニットで丘を駆け上がると、臨機射撃を物ともせず、対戦車砲陣地に向かってラッシュを掛けます。一部の部隊は建物に入り込み、そこから射撃を行います。地獄のような近距離戦闘は、熱中しやすいイワンに軍配が上がり、ソ連軍が2ユニットの損害に対し、ドイツ軍は歩兵2ユニットとPak38の1門を失います。
T6S
 もはや後がないドイツ軍は、対戦車砲の射撃で敵の2ユニットを撃破しますが・・・。
 第7ターン、当初の1/3まで減ったソ連軍ですが、その勢いはもはや止められず。1ユニットと引き替えに、敵対戦車砲1門を撃破します。これで残りは1門のみ。敵が門前まで迫ったためか、ドイツ軍の反撃は焦って外れに。
 第8ターン、至近距離での臨機射撃をかいくぐったソ連軍の狙撃兵が、最後の対戦車砲を破壊し、ジ・エンド。ヴォルホフ川の陣地帯の一部が崩壊し、ドイツ軍は綱渡りの兵力運用を余儀なくされることでしょう。
T8S
終了時

↑このページのトップヘ