歴史・戦史研究「ちはら会」Drei

この会は、主にシミュレーションという手法を用いて、歴史・戦史を楽しもうという、有志の集まりです。興味ある時代をテーマに選び、図上演習(シミュレーションゲーム)を通して、文献研究では得られない「動きのある歴史」を見つめます。 「ちはら会」では、現在、会員を募集しています。年齢や資格等を問わず、興味のある方ならば、どなたでも参加できます。関心のある方は、下記にご連絡ください。 Eアドレス. chiharakai@apost.plala.or.jp (代表.mitsu)

2022年10月

  最近、ソロアイテムが流行のようで、対戦ゲームの牙城だったはずのGJ誌やCMJ誌でもソロ専用が付録になるくらい。というわけで、先発の「箱館戦争ソリティア」(Bonsai Games)を(当然、ソロで)プレイしてみました。
T0
 このアイテムは、上記に先んじて販売されたミニゲーム風なんですが、実はヘビー級アイテムといってよい本格派です。プレイヤーが旧幕府軍を担当し、蝦夷共和国建国を目指すのは、先行作品と同じです。が、ゲーム開始を、新政府軍の反撃ではなく、旧幕府軍の松前藩平定にしたことで、ヴァリエーションが増え。さらに新政府軍の行動(一部、旧幕府軍の行動や戦力)をチットドリブンにし、作戦的な流動性と後半の怒濤の新政府軍の攻勢を、再現しています。
 このチットが24枚あり、新政府軍の総攻撃、主攻、助攻、艦隊移動(と海戦)に、悪天候や列強の注目などのイベント、旧幕府軍の人材や防御施設など、専用サマリーがついているくらい。事件も、海賊船嫌疑やガルトネル開墾条約、住民との摩擦、遊軍隊の暗躍、艦砲射撃など、11種類の多彩な内容が起こりえます。
 戦闘は通常の陸戦の他に、海戦、襲撃(青森強襲や宮古湾海戦)ができ、その分、ルールが詳細に。この中では、陸戦が最も簡単な部類です。
 システム自体は、旧幕府軍-新政府軍の順に、行動しなくなるまで交互に実行していくシンプルものですが、それをチットや事件の豊富なヴァリエーションで補っており、ある意味、箱館戦争絵巻のラスボス感さえ、あります。
 展開は、第3ターンまでに旧幕府軍が松前藩を追い落とし、状況によっては青森・宮古湾に襲撃をかけます。第4ターンには新政府軍艦隊が行動をはじめ、制海権を取った箇所に上陸を行います。第5ターン以降は、新政府軍が12枚を超える圧倒的な枚数の行動チットで、大攻勢をかけ、旧幕府軍は遅かれ早かれ五稜郭の戦いに。旧幕府軍はなんとか、この攻撃を耐え凌ぎ、機を見て敵軍を海に追い落とし、威信を守り切れば、勝利となります。
 しかしながら、勝利条件は、史実同様に困難極まるレベルになっています。敵が2カ所の上陸地点を抑えれるごとに威信-1、軍艦が沈めばその戦闘力分の威信が低下、さらに五稜郭への攻撃や艦砲射撃、イベントで一方的に威信が低下することも。もとより威信は10しかなく、めったに上昇は期待できないので、最終ターンには押し切られることがほとんどです。
 事前に数戦、プレイをしましたが、全て、負け。勝てる確率は極めて低いのですが、それでも運がよければと思わせるのが、チットドリブンです。この厳し目のバランスが絶妙で、つい、もう一戦、となるあたりは、さすが作り込まれた中黒デザインです。
 それでは、セットアップに沿って、ソロプレイに。イメージは、ちはら会謹製のオリジナルチャートです。
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 第1ターン、まず、資金が必要な旧幕府軍は、住民に重税を課します。1/2の確率で安泰のはずでしたが、貧しい地での厳しい生活に耐えてかねた住民の怒りが高まり、感情が1つ悪化します。やっと手に入れた3金を加えた18金を、陸軍補給9点、海軍補給6点、残余3金に割り振ります。
 貴重な補給を得た旧幕府軍は、土方指揮の衝鉾隊で松前藩兵に攻撃をかけます。が、これがいきなり「失敗」。兵力比が2倍以上のため、最低限の前進はできましたが、必死の抵抗に手を焼きます。気を取り直した第二撃も同じ結果に。う~ん、出足はかなり厳しいゾ。
T1 土方の攻撃
 攻撃がやっと成功したのは第三撃で、乙部方面の松前藩兵は潰走し、青森に逃げ伸びます。
T1 鶉で潰走させる
 が、松前方面の拠点は残ったままで、これにより威信は-1となります。
 新政府軍チットで、イベントが起きなかったことと、松岡と甲賀の旧幕府軍の人材が来たことが、救いか?
T1チット
 第2ターン、またも資金調達をするも、さらに住民感情が1つ悪化します。これで、新政府軍有利なチットが1枚プールに加わります。
 旧幕府軍は、土方と艦隊を投入して、松前方面で攻勢に出ます。これは奏功し、2回の潰走で、蝦夷に残った最後の新政府軍が撤退します。
 これで一安心のはずでしたが、事件で住民との摩擦や海賊船嫌疑がかかるなど、情勢は落ち着かず。澤左衛門が到着したのが、唯一の朗報か(資金調達の円滑化のため、五稜郭に配置)。
T2終了時
 第3ターン、新政府軍は反攻準備のため、大きな動きはなし。が、事件が多発。見国隊が合流し、陸軍補給が増えたことはよかったのですが、直後に悪天候で貴重な海軍兵力-回天が座礁沈没!(威信-4!)さらに朝廷の追討令が出て、威信が低下した上に、諸外国との交渉ができなくなります。この時点で、旧幕府軍の威信は4にまで落ちます。
 第4ターン、いよいよ、新政府軍の反攻が始まります。品川沖に集結した甲鉄をはじめとする新政府軍艦隊は、宮古湾へ。その後の事件では、アルビヨン号が立ち寄ったものの、新政府軍チットと2枚が追加されるバッドdrに(2/3の確率で、旧幕府軍に資するはずだったのですが)。また、蝦夷地に潜伏する新政府軍の遊軍隊が暗躍し、旧幕府軍の1部隊を消耗させます。最後に、ガルトネル開墾条約を求めてプロイセンが来ましたが、この状況では得策ではないと、旧幕府軍はこれを断ります。
T4チット
T4
 第5ターン、このままではジリ貧になると考えた旧幕府軍は、甲賀源吾の指揮の下、襲撃隊を編成し、新政府軍の出鼻を挫くことを狙います。新政府軍の艦隊が青森まで来たので、ここを襲撃し、結果は、成功!敵の陸軍3ユニットを大混乱に陥れ(プールに)、こちらは、蟠竜が損傷したのみに。
T5 青森襲撃
 これで、余剰の補給が途切れたので、後は新政府軍の活動放題に。艦隊移動で日本海に進攻した新政府軍艦隊の支援下で、長州藩部隊が乙部に上陸、直後に松前藩が松前に上陸します。
 敵の陸軍は、豊富な兵力と補給をもって五稜郭に向かって前進をします。旧幕府軍は大野に胸壁を築いて抵抗しますが、土方率いる衝鉾隊隊が反撃に失敗し、五稜郭へ後退します。松前方面でも、敵が木古内まで前進してきます。騎虎の勢いの黒田隊(長州藩)は五稜郭を攻撃しますが、さすがにこれは失敗します。
T5 五稜郭に迫る
 残りは2ターンのみ、しかし、新政府軍の行動チットは18枚(!)と圧倒的です。
 第6ターン、旧幕府軍は大鳥圭介が有川に四稜郭を構築し、松前方面で徹底抗戦に。防御時に2drできる強みを発揮し、4度にわたる敵の主攻勢を食い止めます。が、さすがに5度目の防衛では弾薬がつき、やむなく撤退しますが、十二分に時間を稼ぎます。
 乙部方面でも土方隊が反撃に出て、敵を押し返し、組んずほぐれつの乱戦で鶉のラインで戦線を安定させます。
T6 土方の反撃
 が、やはり補給切れで、これ以上の攻勢に出られず。新政府軍は艦隊を太平洋に展開すると、回復なった弘前藩兵と薩摩藩兵を砂原と鷲ノ木に上陸させます。
 これで4カ所の上陸地点を抑えられたため、威信はさらに-2となり、士気崩壊寸前に。
T6
 最終の第7ターン、状況は非常に厳しいですが、旧政府軍は全ての資金を補給に回し、一か八かの反撃を狙います。
 まず、第一手で衝鉾隊を回復し、敵海岸堡の攻撃準備を進めます。
 ところが・・・新政府軍の第一手で、いきなり五稜郭への攻撃が成功。それで、威信はさらに-1に。
 それでも諦めない旧幕府軍は、衝鉾隊単独で鷲の木を奪還し、最後の希望-土方隊で砂原方面で攻勢に出ます。三度にわたる猛攻の末、ついに新政府軍を海岸から追い落とします。
T7  噴火湾方面の激闘
T7 土方、敵を海へ追い落とす 大鳥圭介の決死の攻防
 これにより威信は1のままですが、乙部と松前の奪還は不可能で、いずれは0(敗北)に。残された手は・・・敵軍艦を沈め、威信を上昇させるしかない!
 悲壮な覚悟を決めた旧幕府軍艦隊司令官は、五稜郭で榎本に別れを告げると、太平洋にいる敵艦隊に殴り込みをかけます。5戦力対9戦力という圧倒的に不利な戦力差でしたが、第一次噴火湾海戦は引き分け。そして、迎えた第二次海戦でしたが・・ああ、奮闘ならず、敵の優勢な砲撃を受け、蟠竜が撃沈!この瞬間、旧幕府軍の威信はマイナスとなり、敗北が決定しました。
T7 一か八かの艦隊決戦も・・・
 惜しかった!この時で、残された新政府軍チットは3枚のみ。砲撃成功の確率は27.7%でしたが、まだ、もう1回、海戦ができる補給は残っており、いずれかが成功(敵艦を撃沈)していれば、威信をギリギリ食い止められた可能性がありました。
敗北時
 負けたとはいえ、非常に面白かったです。どうにもならない戦力差に絶望しかけながらも、奇跡を信じて立ち向かう旧幕府軍の姿が、実にいい!軍神こと鹿内氏がよく評価に上げる「このゲームには、物語性がある」んです。ルール量に圧倒されていたり、機会がなく死蔵されている方は、ぜひ、プレイをしてみてください。
 なお、勝つまでやるのがちはら会なので、その後、第5戦目をしたところ・・・ついに、勝ちました!序盤に、松岡・甲賀・澤がきて、さらに胸壁と四稜郭も完成。悪天候で千代田形を失ったものの、2回行った外交が奇跡的にともに成功し、ほぼ万全の体制で新政府軍を迎え撃ちます。
T3
 第4ターンには、襲撃隊が宮古湾でアボルダージュに成功し、甲鉄を撃沈!
T4 アボルダージュ!
 第5ターンから新政府軍の上陸が始まりますが、反撃で数カ所は海に追い落とし。ある地点では大鳥圭介が類い希な指揮を発揮して、死守。
T6
 森本弘策による蟠竜の拿捕などもありましたが、最後は旧幕府艦隊が殴り込みに成功し、陽春を撃沈して、凱歌を上げました。
T7 陽春、撃沈!
終了時
 そして、最後の新政府軍チットを凌ぎきり、威信7点で堂々の勝利を飾りました。住民感情が悪化していたので、持久的勝利でしたが、なんとか初勝利に辿り着きました。

 今月のソロプレイ第13弾は、WWⅡ戦闘級アイテムの「TANKS+」(CMJ)から地中海戦線シナリオAS15「ハスキー作戦」です。シチリア島に上陸したアメリカ軍が、第1降下装甲師団「ヘルマン・ゲーリング」と激突するものです。
 登場兵力は、アメリカ軍がM4A1が5輛に、駆逐戦車M10が4輛です。迎え撃つドイツ軍は、Ⅲ号戦車4輛に、Ⅲ号突撃砲4輛とほぼ互角です。最も命中率と破壊力があるのがM10で、命中しにくいのが+1修整の付くⅢ号突撃砲です。
 勝利条件は、第8ターン終了時に相手よりも多くの車輌が生き残っていること(射撃・移動不能を除く)。
T0
 よって、展開としては、両軍が長距離で撃ち合い、不利になった側が挽回のために突撃をする形になるかと思います。
 第1ターン、先攻のアメリカ軍がM4A1による長距離砲撃を実施します。命中率は20%以下でしたが、装甲の薄いⅢ号戦車に1発を命中させます。が、距離があったことから、跳弾となります。最優秀砲撃力のM10は防御力の弱さを補うため、森林に。
T1A
 ドイツ軍も、一斉に反撃します。埋伏していたⅢ号突撃砲が火を噴き、長距離にもかかわらず、3発を命中させます。うち2発がM4A1の履帯を打ち砕き、健全な戦車数で8対7と逆転します。
T1D
 第2ターン、これでは勝てないと奮起したアメリカ軍は、丘の上のⅢ号戦車に、M4A1の集中射撃を実行します。これが3発の命中となり、1発は敵の薄い装甲を破って、撃破します。また、前進中のM10が森林の端に辿り着き、射撃を開始します。
T2A
 このままだと狙い撃ちされると判断したドイツ軍は、Ⅲ号戦車を一端、視界外に後退させます。かわりに、Ⅲ号突撃砲が射撃を行いますが、これは当たらず。 
T2D
 第3ターン、9輛のアメリカ軍戦車と4輛のⅢ号突撃砲の激しい撃ち合いになります。アメリカ軍は3発の主砲弾を命中させますが、Ⅲ突の堅い装甲に弾かれます。Ⅲ突も必死に撃ち返しますが、当たらず。
T3A
 第4ターン、アメリカ軍の総攻撃が隠蔽中のⅢ突を襲い、一気に2輛を撃破します。これで、車輌数は5対7とドイツ軍劣勢に。
T4A
 事態はかなり厳しかったのですが、ここでⅢ突の1輛が奇跡を起こします。ピンゾロで2発の砲弾を撃ち込むと、いずれもM4の装甲を貫き、たった1輛で敵2輛を撃破していしまいます。再び、AFV数は5対5のイーブンに。
T4D!
 第5ターン、怒り心頭のアメリカ軍は、この1輛に射撃を集中し、撃破します。同時に高い命中率を誇るM10が最後のⅢ突を昇天させます。
T5A
 このままでは、アメリカ軍の勝利に。ドイツ軍は不利を承知で、待機していたⅢ号戦車に突撃命令を出します。近距離まで行ければ、ドイツ軍が有利なはず・・・。
T5D
 第6ターン、姿を現した敵戦車に対して、アメリカ軍は一斉射撃を放ちます。長距離といえど、7輛の射撃は強力で、Ⅲ号戦車1輛が破壊されます。ドイツ軍はさらに前進し、行進間射撃を行いますが、修整値がきつく、当たらず。
T6A
 第7ターン、中距離まで近づいた敵に、ヤンキーの容赦ない砲弾が突き刺さり、Ⅲ号戦車は全滅。この瞬間、アメリカ軍の勝利となりました。
T7A
 ドイツ軍も、Ⅲ突が獅子奮迅の働きで健闘したのですが、能力の差を超えることはできず。この後、連合軍はパレルモへの競争を加速させたことでしょう。
終了時

 今月のソロプレイ第12弾は、「ラストスタンド:ロンメル」(Bonsai Games)です。もしもロンメルがイタリア戦線の指揮を執り、南部放棄策を実行していたらという、IF戦記です。
 デザイナーはタイロン・ボンバ氏で、システムはこのところ、氏が填まっている相互移動・戦闘シークエンスです。このシステムは「第6軍を救出せよ!」(CMJ)や「ESCAPE TO NOWHERE」(CMJ)がありますが、この二つが移動と戦闘が混然となった相互システムなら、本作は移動と戦闘フェイズが分かれる相互システムです。1ユニットずつが行動するというシステムは、相手の行動に合わせて打つ手が変わるという、競技性の高さがあります。
 これに、連合軍の上陸作戦や空爆、枢軸軍のみ常時使用できる衝力攻撃(追加攻撃)と探見攻撃(敵ZOCへの浸透)、移動力が倍加する行軍移動(連合軍は32移動力!)などがあります。
 連合軍には、マップ南部からでもVP地点まで突入できる機動力があります。移動と戦闘フェイズの順を連合軍が任意で選べるため、通常の移動-戦闘の後、次ターンに先制戦闘の連続攻撃で戦線に穴を開け、そこから高機動で勝負を付ける可能性が常にあります。 枢軸軍としては、とにかく二重戦線を心がけ、衝力攻撃(追加攻撃)と探見攻撃(敵ZOCへの浸透)を駆使して、敵の鋭鋒を避け、部隊(戦線)の維持を図れるかがポイントになります。
T0
 イタリア北部の山岳地帯の描かれたマップで、両軍が一手一手を競いながら、相当、知恵を絞る展開となります。数回のソロ演習の後、本プレイへ。
 第1ターン、このターンは連合軍がマップにいないため、自動的に移動フェイズから開始となります。総兵力と補充力で勝る連合軍は、ある程度の補給切れ上等で、戦線の奥へと突進します。ドイツ軍はセットアップの前線ユニットを軸に、撤退ユニットを配置し、徐々に戦線を構築していきます。第1ターンの戦線は、アルノ河から東部山岳地帯沿いに形成されます。
 続く、戦闘フェイズに連合軍は、1:1以上なら果敢に戦闘を仕掛けますが、AS(効果なし)やAL1 (攻撃側1損害)が出て、一方的に兵力を低下させます。唯一の戦果は、EXのみです。
T1 1対1上等も・・・
 ドイツ軍は、1カ所のみ、包囲下の空挺師団に4:1攻撃をかけ、後退不能で撃破します。
T1 ドイツ軍の反撃
T1
 第2ターン、一時的に兵力が低下した連合軍は、2カ所の3:1攻撃をかけますが、DRとEXに止まります。
T2 空軍投入で3対1も退却のみ
 ドイツ軍は、突出した第1歩兵師団に、装甲師団を集中して包囲攻撃し、これを撃破します。このターンの戦線は、山岳地帯に後退します。
T2
 第3ターン、連合軍は先に戦闘を仕掛け、第276歩兵師団をDEとします。が、それ以外は、巧みな探見攻撃で逃げられ、唯一、中央部で行った1:1攻撃もASと振るわず。
T3 歩兵師団を撃破
 東部ではウーゴ河を渡河し、西部でも2へクスほど前進しますが、大きな進展は見られず。
T3
 第4ターン、このターンは目標の海岸線を枢軸軍が固めているため、上陸はなし。戦力が回復した連合軍は、2:1以上を目標に、総攻撃をかけます。結果、第16装甲師団に対する4:1攻撃でDEとし、他3カ所の2:1と1:1攻撃では全てEXで、敵に大きな損害を与えます。これにより、一時的に左右翼端に突破口ができます。
T4 力攻で装甲師団を撃破
T4
 第5ターン、このままでは戦略的な包囲を喰らいかねない-戦線の崩壊を危惧した枢軸軍は、ここでロンメル効果を発動。特別ルールにより、枢軸軍が先攻となり、移動を開始します。装甲師団の回復と貴重な装甲増援を注ぎ込んだことにより、なんとか戦線の修復に成功します。
 が、切り札を投入した枢軸軍に対し、連合軍は後手の有利性を発揮し、強烈な攻撃体制を敷きます。1カ所の2:1攻撃と3カ所の3:1攻撃により、全てで敵に損害を与えます(DEが2カ所、EXが2カ所)。また、戦闘後前進で退路を断たれた第24項師団も包囲殲滅され、このターンの損害は6ユニットにも上ります。この時点で、東部では二重戦線を維持しているものの、それ以外はあまりの消耗に一線防御に。
T5 西側で歩兵師団を撃滅
T5 中央スタックを空爆支援で殲滅
T5 東端でも猛攻でEX
T5
 第6ターン、防御の薄い中央部で、空爆を注ぎ込んで2:1攻撃をかけます。これがDEとなり、一時的に突破口が開きます。
T6 中央の空爆支援でまたも撃破
 ここから、1個機甲旅団が浸透し、敵の2個師団を包囲しますが、装甲師団が移動により連絡を付け、なんとか補給線を維持します。ドイツ軍は中央部に全ての予備を注ぎ込んで、かろうじて戦線を構築しましたが・・・。
T6 突破口開く
T6
 第7ターン、ドイツ軍は最後の装甲増援も注ぎ込んで、3ユニットを復活させますが、前線は一重のまま。連合軍は東部・中央・西部で総花的攻撃を実施し、結果、左翼に塞ぎきれない大穴が開きます。
T7 左翼崩壊
T7 戦闘フェイズ終了時
 移動フェイズに連合軍は左翼からの浸透を開始し、敵の予備を拘束。ドイツ軍も必死に東部戦線は維持するものの、32移動力という破滅的なスピードで背後に回り込む敵を止められず。前線はおろか、後方に待避した機械化化部隊も、全て包囲されます。結果、補給切れで16ユニットが除去され、生き残りは補給源にいた歩兵1個師団のみ。もはや、次ターンにVP地点を守り切ることは不可能で、連合軍の勝利となりました。
T7 ほとんどのユニットが補給切れに
T7 16ユニット壊滅
 そう、ギリギリまで戦術的対応で凌いできた枢軸軍ですが、一カ所でも塞ぎきれない突破口が開くと、移動能力の差が物をいい、わずか1ターンで全てを失いました。このタイト極まる綱渡り的運用と全面崩壊のカタルシスが堪らない!まさに、予備が尽きたときが、イタリア戦線の終焉でした。
T7

 今月のソロプレイ第11弾は、チットドリヴンの作戦級「激闘!スターリングラード電撃戦」(GJ)です。傑作「激闘!マンシュタイン装甲集団」(GJ)を援用した青作戦アイテムで、1942年のソ連邦南部の戦いを描きます。
T0
 攻勢を取るのはドイツ軍ですが、北部のVornezhに、中央部のスターリングラード、南部のコーカサス油田地帯と、VP地点がかつてないほど広域にわたっています。戦略目標を設定し、2個装甲軍と2個歩兵軍、同盟軍3軍をどう組み合わせて攻略するのか、マネージングが問われます。
 一方のソ連軍は、1ターンに最大で28ユニット(!)という驚異的な動員能力を誇ります。が、終盤まで実質3司令部しか活性化できないため、「図体はでかいが動きが鈍い」軍隊で、いかに防御するか、兵力バランスに相当の思考と判断が必要です。不用意なチット選択とランダム引きの巡りの悪さが合わさると、戦線が大崩壊しかねません。
 数回のソロ演習の後、本戦へ。今回の枢軸軍は、史実と同じ2方向への展開を戦略とします。第4装甲軍と第6軍でVornezhを攻略後、スターリングラード方面へ。第1装甲軍と第17軍は、Rostov経由でコーカサスに侵攻し、油田の占拠を狙います。なお、イメージは、プレイアビリティ向上のためのオリジナルのシート類です。
DSC01119
 第1ターン、第1アクションはドイツ軍が任意選択できるため、第4装甲軍を活性化します。機械化部隊による突破と歩兵による包囲攻撃を組み合わせ、3ユニットを討ち取りますが、drが極端で2個狙撃兵師団を取り残します。
T1 第1アクション
 続く、第2アクションで補給判定となり、作戦的包囲は間に合わず。しかも転出命令により、装甲師団1個と歩兵2個師団を引き抜かれる厳しい展開に。
 それでも、直後に第4装甲軍チットが来たため、浸透した装甲部隊がVornezh方面軍司令部を殲滅し、南に展開して半包囲状態を作ります。ここで、同方面軍のチットが空振りになれば、Vornezhの早期奪取が可能でしたが・・・。
T1 第3アクションで再び、4Pz
 第6アクションがソ連軍増援となり、大量の増援と共にVornezh方面軍司令部が復帰。続く、同方面軍チットにより、前線部隊の撤収は不可能なものの、増援によりドン河防衛線の構築に成功します。
 ドイツ軍は第1装甲軍を活用し、一部の快速部隊でドネツ河を突破し、北上。Valuyki付近で第4装甲軍と手を結び、大包囲網を完成させます。
T1 第9 第1装甲軍が手を結ぶ
T1
 第2ターン、第6軍が包囲環を締め付けている間に、再び、第4装甲軍チット。敵の次の増援が来る前にドン河を渡らんと、低比率ながら渡河攻撃をかけます。これが成功し、Vornezh-Svonova間で渡河に成功します。ソ連軍も、Vornezh方面軍で撃退しようと2:1で反撃をかけますが、残念ながら膠着に。
T2 ドン河渡河
 南では逃げる南方軍部隊を追って、第1装甲軍が追撃を仕掛けます。が、ソ連軍の撤退が一足早く、ロストフを軸にしたドン河防衛線が構築されます。
 と、ここで補給判定チット。中央部により残された14個師団相当が、補給切れによりステップロスします。
 その後も、ソ連軍の後退と枢軸軍の前進が交互に続き、北部と南部でドイツ軍がドン河橋頭堡を構築します。
T2
 第3ターン、南部では第1装甲軍がKuma河の突破にも成功し、Rostov側面に侵攻します。 
T3A2 Kuma河渡河
 一方、北部ではドイツ軍がVornezh橋頭堡の拡充を行います。が、大量増援を得たソ連軍が2個司令部で反撃を実施します。1.5:1と2:1の低比率戦闘をともに成功させ、敵の2個自動車化師団を消耗させるという殊勲を挙げます。
T3DSC01133
 第4ターン、Vornezh方面では独ソの死闘が続きます。第4装甲軍が鋭い攻撃で橋頭堡を拡充すれば、ソ連軍もすぐに反撃に転じ、戦線を押し戻します。早期にVornezhを攻略してStalingradに向かう計画はすでに破綻し、大消耗戦になります。
T4A2
 反面、南部では第17軍と第1装甲軍のタッグで、Kuma河を突破したドイツ軍がソ連軍戦線を攻略し、早くもMaykopを占拠します。
T4A4 第17軍も加勢
T4A13 Maykop陥落
 第5ターン、第2アクションで第6軍が活性化すると、先手を取ってVornezh戦線で攻勢に出ます。ソ連軍も反撃で押し戻そうとしますが、低比率のため、効果なしに。敵を押し込んだところで、第4装甲軍が活性化。戦闘後前進で敵の背後を取ると、戦術的包囲を多用し、一気に6ユニット以上を損耗・除去します。
T5A9 戦術的包囲で敵を撃破
 同時に、南部では後退中の敵を第1装甲軍が浸透・捕捉し、次々と敵ユニットを撃破していきます。これにより南部方面軍司令部が壊滅したため、ソ連軍はやむなく大量の増援をつぎ込んで、線路沿いに戦線を張るしかなくなります。
T5A3 第1装甲軍の猛追撃
T5
 第6ターン、いまだVornezhも墜ちず、このままでは勝利などおぼつかないドイツ軍は、第2アクションの第1装甲軍で、Tbilisi方面への圧力をかけます。が、drに恵まれず、敵を後退させただけに。やむなく、奥地への進撃を諦め、Groznyyへ転進します。
T6A2
 北部では、またも第6軍が先手を取ります。包囲下に残されたVornezh戦線の敵に対し、戦術的包囲による攻撃で9ユニット以上を損耗・除去します。ここで、第4装甲軍チット!突破口から機械化部隊が突進し、Vornezh方面軍司令部を殲滅、北部戦線の北半分をついに崩壊させます。
T6A5 第4装甲軍による連続活性化
 直後に南西方面軍司令部が活性化しますが、もはや反撃など不可能で、薄い戦線を引き直すのがやっと。第4装甲軍は、さらなる追撃で、北端のVP連絡源に迫ります。
T6
 第7ターン、第1装甲軍はTrek河を渡ると、堅牢な山岳地帯を避けて、Groznyy攻撃の拠点を作るため、西南部の森林地帯を進撃します。
T7A2 Groznyyを巡る死闘
 一方、北部ではVornezhを堕としたドイツ軍がポケットの掃討を実施。そのままの勢いで、北端のVP連絡源を占拠します。
T7 Vornezh方面の掃討
 いよいよ、後がなくなってきた第8ターン、焦点はGroznyy攻略に。第1装甲軍は森林地帯を突進し、敵都市に近づきます。ソ連軍も後方に残された山岳陣地と東から反撃に転じますが低比率戦闘で効果なしに。
T8A1 Groznyyへ向けて前進
T8 大量増援を継ぐ込んだソ連軍の反撃
 北部ではVP連絡源を奪還せんと、Vornezh方面軍が全力を挙げて反攻に転じます。が、こちらも、枢軸軍の堅いスタックに戦闘比が上がらず、数カ所で押し返すのがやっとです。
T8 北部でも総花的な反撃
T8
 迎えた最終第9ターン、達成は困難ながらも諦めないドイツ軍はGroznyyの南方へクスを占領し、一時的にGroznyyの包囲に成功します。
T9A1 第1装甲軍、Groznyyを包囲するも・・・
 あとは、波状攻撃でどこまで市街地守備隊を削れるかでしたが・・・攻略準備であまりに部隊を集中したため、その北の守りが手薄に。ここで、はじめてStavkaチットを発動させたソ連軍は、快速の戦車部隊を持って、敵戦線を迂回。さらに、僥倖の連続チットでイニシアチブを取ると、道路沿いに戦車師団が後方連絡線を遮断し、なんと、第1装甲軍を丸々、包囲してしまいます。
T9 第1装甲軍・第17軍逆包囲さる
 ドイツ軍はGroznyy攻略を諦めて、撤退を開始しますが、敵ZOCに絡め取られるうちに、補給判定。損耗していた2個機械化部隊が壊滅し、残りが全てステップロスをするという、甚大な被害を受けます。
 北部ではソ連軍が数に物を言わせた総花的な攻撃を連続しますが、ドイツ軍の死守にあって戦線は動かず。ここで、ゲーム終了となりました。
T9 耐え忍ぶ北部
 ドイツ軍は元から占拠していた4都市に加え、Vornezhと北端連絡源、Rostov、Maykopの4カ所で80点を獲得。しかしながら、最終ターン、ソ連軍の南部での反撃により、機械化2個師団、歩兵2個師団が壊滅したため、-6VPとなり、結果は74点で敗北でした。仮にもう1カ所が取れていたとしても、84点で勝利には1点足らない展開でした。
終了時
 本誌の作戦研究にあるとおり、ソ連軍が適切な対応をし続ければ、ドイツ軍が勝つ確率は極めて低いでしょう。が、不用意なチット選択とランダム引きの巡りの悪さが合わさると、一気に戦線が崩壊する可能性もあります。
 今回も、前半は適切な兵力配分とチット巡りでVornezhさえ奪えませんでしたが、中盤にドイツ軍の連続チットとソ連軍の反撃頓挫により、一気に北半分の戦線が崩壊。ドイツ軍は、Vornezhどころか、諦めていた北端連絡源まで確保できました。それでも、後1VP地点を取るのは、至難の業でしたが・・・。 
  ともあれ、戦略的な選択肢が抜群に多いことと、達成が厳しい時にいつ戦略目標を変更するか、枢軸軍にとっては悩みが多い(楽しい)好ゲームです。

 今月のソロプレイ第10弾は、「スターリングラード戦役~ヒトラー最大の敗北~」(旧GJ)です。いわゆる1942年の枢軸軍の攻勢とソ連軍の反攻を描く、戦役級です。
 1942年戦役と言えば、ヴォロネジからスターリングラード、コーカサスまで、作戦級の戦場としては広大ですが、当時の雑誌のコンポ制限からハーフマップとユニット数100程度が、精一杯だったようで。特別ルールが多いように感じるのはこの制限のためで、その中で史実らしさを再現できている点は、見事といっていいでしょう。デザイナーのふーらー中村氏は、後に「進化版」といえる「激闘!スターリングラード電撃戦」(GJ)をリリースしており、こちらは傑作「激マン」システムで安定の仕上がりです。
 このゲームの肝は、ランダム・インパルスと作戦ポイント(OP)です。ターン開始時に両軍はdrして、大きい側がインパルスを実行できます。インパルスを取れば、自動的に1へクスの移動が保証されますが、通常移動力を発揮するには枢軸軍は6スタック価ごとに1OPを、ソ連軍は司令部ごとに1OPを消費する必要があります。ZOCは弱ZOC で、1へクス移動や通常移動でも浸透ができます。
 戦闘も同様で、枢軸軍は1カ所ごとに1OPを、ソ連軍は司令部ごとに1OPを消費します。OPは当然、十分とは言えず、相当、ポイント配分に悩みます。
 勝利条件は、枢軸軍が第7ターン終了時に、5VP以上を獲得していることです。大都市で1点、ヴォルガ川に隣接していれば1点、盤外ボックスへの突破で1点です。ロストフは確実に取れるとして、残り4点をどうするか。北方重視なら、ヴォロネジを攻略してモスクワ方面への突破を行い、あとは2点を南部で取ります。が、ここは、ソ連軍の増援も展開しやすく、達成度はかなり高めです。史実のように、スターリングラードとコーカス方面への展開なら、少なくともスターリングラードの占領とマイコプ、グロズヌイの占領が必要になります。盤外への突破は、よほどソ連軍が下手を打たない限り、厳しいので、いかに適切に兵力を配分して、タイミングよく3カ所を攻略できるかが重要です。ちなみに、史実ではスターリングラードとグロズヌイの占領ができず、3VPで枢軸軍が敗北しています。
T0
 序盤に史実通りにドイツ軍が、ドネツ・ポケットを形成し敵の部隊を包囲殲滅できるか、ソ連軍がそれを防げるかで、展開は大きく変わってきます。史実並の戦果が挙がれば、ソ連軍は頼みの増援の多くをドン河沿いの防衛に回さざるを得ず、必然的にスターリングラードやコーカサス方面が薄くなります。逆に主力の退却が成功すると、二方面の兵力が増強でき、枢軸軍はかなり厳しくなります。
 第1ターン、特別ルールで枢軸軍の攻勢からスタートします。ただし、第1装甲軍と第17軍は、第一撃では使用できず。第4装甲軍と第2軍による第21軍への力攻は5:1で2Rとなり、敵を敗走させます。ソ連軍は、突破(2へクス前進)をさせないよう、ユニットをバラして、後退します。第6軍による第38軍への攻撃はオーバーキルとなり、機械化部隊が浸透します。
T1I1D
 ここでドイツ軍インパルスが来ていれば、ドネツ・ポケットを作れたのですが、イニシアチブはソ連軍に。ソ連軍は全戦線を後退させます。
T1I2S
 第3インパルスはドイツ軍で、気を取り直して2カ所で前線部隊を攻撃し、再び、突破口を開けます。が、第4インパルスはソ連軍で、ギリギリのところで戦線を後退させ、躱されます。
T1I3D
 第5インパルスはドイツ軍で、三度目の突破口を明け、包囲のために1OPは残しておきましたが・・・ああ、ソ連軍インパルス。
T1I5D
 結果、敵戦線を押し下げたのみで、肝心の包囲殲滅には失敗してしまいます。3回のうち一度でも枢軸軍インパルスが連続していれば、殲滅できたのですが・・・。ソ連軍部隊は、史実と異なり、ドン河北側の撤収に成功し、強固な防衛線を構築してしまいます。枢軸軍にとっては、相当、厳しい展開です(ほぼ、詰んだか?!)。
T1
 第2ターン、もはや北部強襲は、不可能。ならば、スターリングラードを落とす以外にない!腹を決めた枢軸軍は、中央の敵2個軍を包囲すると、機械化部隊の8割をスターリングラードに転進させます。
T2I1D
 同時に、ドン河を渡河した装甲師団が敵の退路を遮断し、ロストフ近郊の2個軍を殲滅します。
T2I5D
 第3ターン、潤沢な増援を得たソ連軍は、これをスターリングラード方面に投入し、ドン河とアクサイ川に戦線を引きます。が、集中したドイツ軍の装甲部隊の破壊力は、尋常ではありませんでした。2枚スタックの敵戦線を一点集中でこじ開けると、連続インパルスでこれを撃破。突進力を生かした戦闘後前進で5個師団相当を包囲してしまいます。
T3I3D
 ソ連軍はなまじ増援があったたため、救出部隊を派遣し、一時的に連絡線の確保に成功しますが、ドイツ軍の再攻撃で救出部隊ごと、包囲下になってしまいます。
 最も影響があったのは、スターリングラード後方の渡河点でした。ここは、ヴォルガ河越しで戦闘力1/4でかつ湿地のため、まず、攻撃成功の可能性はなかったのですが、救援部隊を出したばかりに手薄に。それでも、戦闘比はかろうじて成功の可能性のある1:1のみ。ここを取れれば、スターリングラードの命運を決められることから。ドイツ軍は強引に攻撃をかけます。確率は、わずか1/6でしたが・・・なんと成功!これにより、ソ連軍はスターリングラードに援軍を送れない事態になります。
T3I8D
T3
 第4ターン、ソ連軍は慌てて奪還のための増援を送り込みましたが、攻撃準備を完了する前に、ドイツ軍が強固な防御線を引き、奪還不可能に。枢軸軍は、スターリングラード市街地に4度にわたって包囲攻撃をかけ、陥落寸前に追い込みます。
T4I5D
 一方、南部では3個の歩兵軍団と2個装甲師団で、マイコプを攻略し、最終目標のグロズヌイへ向けて前進します。
T4
 第5ターン、枢軸軍は最終攻撃を実施し、スターリングラードを完全制圧します。また、鉄道輸送と活性化移動を使って、長躯、グロズヌイに十分な兵力を送り込み、これを奪取します。
 ソ連軍は部隊はいるもののOPが蓄積できず、反攻に出られません。
T5
 第6ターン、このままでは枢軸軍が勝利してしまう。ソ連軍は限定的なOPを投入し、ドン河中流域で反撃に出ます。ルーマニア1個軍団を撃滅し、戦闘後前進と連続インパルスで敵の2個軍団を包囲します。ドイツ軍は、3個装甲師団をスターリングラード地区から引き抜くと、浸透移動でわずかに開いた間隙に突入。包囲下の2個軍団に連絡線をつなげ、この救出に成功します。
T6I2S
T6S
 また、同じく第4装甲軍主力を、相当な兵力の集中が発生しているグロズヌイ戦線に派遣します。
T6
 最終第7ターン、先手を取ったドイツ軍はステップを浸透してきた敵部隊に8:1攻撃をかけ、これを撃破。グロズヌイ戦線の脅威を取り除きます。
T7I1D
 もはや、なりふり構っていられないソ連軍は、別のドン河中流域で総攻撃をかけます。連続攻撃により枢軸同盟軍の2個軍団を撃破し、鉄道網を遮断して一時的にスターリングラードの連絡線を切断します(このままだと、枢軸軍はVPにならず)。
T7I3S
 と、ここで、枢軸軍インパルスに。増援と南部からの再転進で連絡線を回復すると、そのまま、防御ラインを引き直してしまいます。兵力はいるもののOPを使い尽くしたソ連軍に、これを突破する力はなく、終了。
T7I5D
 ロストフとスターリングラード、マイコプ、グロズヌイ、ヴォルガ河を制圧した枢軸軍の勝利となりました。
終了時
 正直、第1ターンにソ連軍の大部隊を取りこぼした時点で、ほぼ詰んだかという状況でしたが、結果的にスターリングラードに装甲部隊を集中し、防衛線を早期に突破。ヴォルガ河越しの渡河点を僥倖にも奪取できたことで、奇跡的な逆転勝利をもぎ取りました。渡河点奪取がなければ、あれほどの装甲部隊でもスターリングラード占領はできたかどうか。ともあれ、とても楽しいソロ演習でした。

 今月のソロプレイ第9弾は、ハリコフ戦クワドリの「Kharkov1941-43」(SA)から「第2次ハリコフ会戦」です。このアイテムの詳しい記事は、以下をご覧ください。
 今回の「第2次ハリコフ会戦」は、1942年5月のソ連軍によるハリコフ北部及びイジュム屈強部からの攻勢とドイツ軍による猛反撃を描いています。ちょうど、両軍による攻勢が予定されていたこともあり、兵力はほぼ互角と言っていいでしょう。第3ターンに南東からの装甲増援が来るまでは、やや、ソ連軍が有利。その後は、多数の機械化ユニットを持ち、ルフトバッフェが支援に来るドイツ軍が有利となります。
 2回ほどのソロ演習から導き出された展開は、以下のようになります。
・ソ連軍は、ハリコフ及びクルスクの占領を目指す。一時的にでも攻略できれば、補給基地破壊によって、各10VPが獲得できる。その後は、緩やかに戦線を後退させ、兵力の消耗を避ける。
・ドイツ軍は綿密な機動防御(反応移動)と用兵で、極力、上記を阻止する。後半は、特に南部で優勢な兵力を用いて、敵戦線の後退と敵兵力の撃滅を行う(この時、ルフトバッフェの投入が、大きく影響をする)。
 勝利条件は、都市占領と補給基地の破壊、部隊壊滅のVPによって決まります。ソ連軍に若干有利に設定されているようですが、補給基地の破壊drがうまくいかなかったり、ドイツ軍の反撃がまともに決まったりすると、かなり厳しいです。それでは、ソロAARを。
 まず、自由配置のソ連軍は、危険なバルヴェンコヴォ突出部には最低限の兵力を置くだけにし、主力はバラクレアとクビヤンスク周辺に配置し、二方向からハリコフの直接攻撃を狙います。また、それより北方では、ティム及びプロホロフカにかけて兵力を集中し、クルスク攻略を狙います。軍ごとの規定があるドイツ軍は、なるべく中央から北方に兵力を集めるようにし、タイミングのいい機動防御(対応移動)を心掛けます。
 第1ターン、ソ連軍は既定の路線に沿って、中央及び北部で攻勢に出ます。また、唯一、包囲のできる南部では、スラビヤンスクに兵力を集中し、3:1の包囲攻撃をかけます。これに対し、ドイツ軍はなるべく1:2-1:3の低比率になるように対応移動を行います。が、ソ連軍のdrがよく、スラビヤンスクの1個師団と中央部で2:1攻撃の成功によって包囲した1個師団が、壊滅します。
T1ソ連軍 DSC06680
 ドイツ軍も機械化部隊を注ぎ込んで、突出した中央部の1個軍団を包囲殲滅します。が、北部では被包囲を見込んだ1:1攻撃が失敗し、戦果は挙がらず。
T1ドイツ軍DSC06681
 第2ターン、ソ連軍は中央から北部にかけて総花的攻撃を行いますが、今度はdrに恵まれず、ほとんどが失敗。唯一、ハリコフ前面の2:1攻撃が成功し、重要都市に接近します。
T2ソ連軍DSC06682
 ドイツ軍は、敵の攻撃失敗で乱れた戦線に逆襲をかけ、南部の1箇所で突出した1個軍団を包囲殲滅します。
T2ドイツ軍DSC06683
 第3ターン、ハリコフとクルスクの前面に辿り着いた赤軍は、低比率上等の攻撃をかけます(成功率は低いですが、最低で1/6で成功。うまくいけば、補給基地破壊で各10VPを獲得できる)。ドイツ軍も対応移動で機械化部隊を送り込み、1:3の最低比率に押し下げます。結果は、2箇所とも攻撃失敗。
T3ソ連軍 重要都市の攻撃DSC06684
 第4ターンも、ソ連軍は同様の低比率上等の攻撃を続けますが、飛来したルフトバッフェの影響もあり、軒並み、1:2や1:3の比率しか立たず。北で浸透移動して包囲した1個師団を屠ったものの、両都市の攻撃はまたも失敗。さらに1:3でAEが出始めます。
T4ソ連軍 再度、攻撃も・・・DSC06686
 反撃態勢に入ったドイツ軍は、空軍の支援で南部から中央にかけて、ソ連軍を押し返し始めます。乱戦の中で、このターンに両軍ともに3個ユニットずつが壊滅します。
T4ドイツ軍 中央から南部で反撃DSC06687
T4の損害DSC06688
 第5ターン、状況が厳しくなってきたソ連軍は、最後のチャンスにかけ、ハリコフとクルスクを強襲します。が、南部での安定が図れたドイツ軍は、ルフトヴァッフェを北部に投入。一帯の戦闘はほぼ最低比率で、当然、失敗。
T5ソ連軍 最後の攻撃チャンス!
 残された敵の乱れた戦線に対し、ドイツ軍が浸透移動を行い、敵主力の戦車軍団を包囲し、これを殲滅します。これ以外にも突出した敵や側面攻撃で退路を断った敵を包囲攻撃し、全面での反攻に移ります。
T5ドイツ軍 全面反撃DSC06690
 第6ターン以降は、もっぱらイニシアチブはドイツ軍に。ジリ貧になる前にと、イワンが無理して包囲下の敵を攻撃するも、ああ、失敗(NE)。逆に対応移動による低比率の強制攻撃で、毎ターン、2-3個軍団を失います(AE)。
T6ドイツ軍の猛攻DSC06692
 ドイツ軍ターンには、空軍の支援の元、乱れた敵戦線に浸透移動+側面攻撃を間断なく仕掛け、多くの部隊を包囲殲滅します。第8ターンには、装甲1個師団の損害と引き替えに、敵司令部を含む8個ユニット(7個軍団!)を殲滅します。
T7ドイツ軍 殲滅戦DSC06694
T8ソ連軍 意地で1個装甲師団を屠るが・・・DSC06697
 結局、北東部に押しまくられたソ連軍で、最終ターンまで生き残ったのは、わずかに4ユニットのみ。
T9 分断させ、撃滅DSC06700
 イメージは壊滅したユニット。ドイツ軍6個師団に対し、ソ連軍23個軍団が壊滅。VPでは・・・
 ドイツ軍:48点
 ソ連軍:6点
T9 分断させ、撃滅DSC06700
 史実をはるかに上回るドイツ軍の大勝利(戦略的勝利)となりました。
終了時DSC06701
 確かに、ここ一番のソ連軍drが冴えず、都市占領ができなかったのが、大きかったです。(確率的には、一つは取っていてもおかしくなかったのです)。仮に2箇所で成功していれば、ドイツ軍の作戦的勝利でした。かとって、第4ターンからのドイツ軍の反撃の結果が変わったとは思えませんが・・・。
 まあ、歴史の状況確認型のシナリオでしょうね。ともあれ、数少ない、第2次ハリコフ会戦をプレイできました。

 今月のソロプレイ第8弾は、「ターニング・ザ・テーブルズ」(CMJ)から、シナリオ1「飢えた群狼のように」です。「ターニング・ザ・テーブルズ」については、これまでいくつものゲーム紹介やAAR、作戦研究などがあり、「今さら」感が強いのですが、自分は未プレイだったりします。ちょうど、第二次ハリコフ戦80周年ということで、プレイをすることに。ゲームについては、こちらそちらをご覧ください。特にかみさんの解説は、たいへん、わかりやすいです。
 今回は、導入となるシナリオ1「飢えた群狼のように」です。が、導入と言っても、実質は通常の6ターン分に当たるわけで、2時間では片は付きません。その分、プレイ自体は、非常にエキサイティングで、十分にやり甲斐があります。
 第1ターンの第1セグメント、ソ連軍はC3Iの最大3ポイントを投入して、モーメンタムを取ります。dr+3のボーナスもあり、17移動力ポイント/7戦闘ポイントを獲得します。
 7カ所の戦闘は、ハリコフ正面とバラクレイア橋頭堡、西側突出部の3方面に割り振ります。ハリコフ正面では、戦術値4の部隊を各戦闘に参加させます。ドイツ軍の歩兵も戦術値4で防御しますが、奇襲によりドイツ軍の戦術チットの1/3はダミーであり、加えて実質的に使えないチット(戦闘激化など)も多く、4ヒットずつを受けて、歩兵2ユニットが壊滅します。
T1S1 ハリコフ正面
 主目標のバラクレイア橋頭堡では、ドイツ軍がパックフロントで9:1攻撃を6:1まで低下させたものの、ソ連軍drがよく、3ヒットを受けます(2へクスの退却により、1ステップロス)。さらに包囲下の7:1攻撃では、ソ連軍dr12と絶好調で、町に籠もる歩兵が殲滅されます。さらに、ランダムイベントでソ連軍の移動となったため、ハリコフ方面の第294歩兵師団を包囲します。
 西側突出部では、ハンガリー軍とルーマニア軍が健闘し、損害を受けずに後退しますが、スタックの第454保安師団が4ヒットを受け、さらに1ユニットが壊滅します。
T1S1 1連隊を圧殺、しかもRE
 一方のドイツ軍は、今こそ、可能な限りの対応が必要と、C3Iの2ポイントを投入。10移動力ポイント/4戦闘ポイントを獲得し、危機的なハリコフ方面で反撃に出ます。第23装甲師団も投入した乾坤一擲の9:1攻撃は、drがまさかの3で、敵を後退させるも、1ヒットを受けることに。その代わり、隣接する2:1攻撃では11が出て、思わぬ戦果となります。が、いずれも結果が極端で、予測が付きにくい展開に。
T1D1 乾坤一擲の反撃も
 また、バルヴェイコフ南で早くも反撃を開始しますが、やはりチット運がなく(ダミーが多く、または効果的なチットが来ない)、敵を後退させるに止まります。
 ドイツ軍の無理な反撃の結果、dr運のなさもあり、早くもソ連軍VPは12点に。
T1第1終了時
 第2セグメント、ソ連軍のモーメンタムは、16移動力ポイント/6戦闘ポイントで上々です。このセグメントの攻撃は、前回にまして、振れ幅が大きくなります。
T1S2
 ハリコフ正面では、翼端の歩兵連隊に対し、9:1攻撃をかけますが、騎士十字章により戦闘比が4:1まで低下。さらに、drで2を出してしまい、退却により、ソ連軍のみが損害を受けることに。さらに悪いことに、ランダムイベントがドイツ軍の攻撃となり、南翼の被包囲部隊が0/2(退却に成功するも敵ZOC通過で1ステップロス)となります。
T1S1 ハリコフ方面の抵抗
 反対にバラクレイア橋頭堡では、dr12が出て、被包囲下のドイツ軍歩兵連隊を殲滅します。が、ランダムイベントは、敵のC3Iに1ポイント追加と、枢軸軍有利が続きます。
 西側突出部では、ドイツ軍チットで戦闘比は落ちたものの、包囲攻撃でルーマニア師団を殲滅し、他の2カ所で敵を後退させます。
T1S2  ルーマニア師団壊滅
 ドイツはC4Iが1ポイントしかありませんが、活動drがよく、7移動力ポイント/4戦闘ポイントを獲得します。これで必死に戦線を繕うとともに、南部で攻勢を続け、敵に1ステップロスを与え、2個師団を包囲下に置きます。
T1D2
 第3セグメント、ソ連軍のモーメンタムは、最大の3ポイント消費にも関わらず、14移動力ポイント/5と低調に。
T1S3
 まず、南部の敵の攻勢に備えて、少なからずの移動ポイントを消費して、部隊を展開します。残ったポイントでは主攻勢軸に十分な部隊を接敵できず、4カ所のみの攻撃になります。
 が、戦闘drに助けられ、ハリコフ正面で1ステップロス、バラクレイア橋頭堡で歩兵スタックに2ステップロスを与えます。
T1S3 バラクレイア橋頭堡を圧迫
 西側突出部では、ハンガリー師団に1ステップロスを強いるものの、ドイツ軍歩兵連隊への攻撃は高い戦術能力で阻止され、損害なしになります(退却のみ)。
T1S3 西側は苦戦
 一方、ドイツ軍の反撃ですが、包囲下の2狙撃兵師団に敵ZOC通過ペナルティを加えた4ステップを与えます。前線にうろうろしていた戦車旅団にも最大比攻撃をかけますが、こちらはdrとチットの組み合わせが悪く、単に後退させるだけに。史実より2ターン早い反攻を開始したため、チットが揃わず(ダミーが多く)今ひとつ、打撃力には欠けますが、ドネツ河への突進は順調なため、やむなしか。
T1D3 南部で限定反撃
 ゲームは、シナリオ終了の第2ターンに。ソ連軍はバラクレイア橋頭堡の掃討とそれによる10VPを獲得できるか、ドイツ軍は逆渡河でそれを阻止できるかに焦点が絞られます。
 第1セグメント、ソ連軍のモーメンタムdrはまたも振るわず、13移動力ポイント/4戦闘ポイントに。
 まずは、南部での逆渡河を防ぐため、機械化騎兵軍団を含む3ユニットを差し向け、強固な防衛線の構築を開始します。残ったユニットで限定的な攻撃に出ます。
 ハリコフ正面は一旦、放置し、最も重要なバラクレイア橋頭堡で、湿地にいる補給切れの敵歩兵を攻撃します。最大比率の攻撃により、これを殲滅し、ドネツ河東の枢軸軍を全て駆逐します。
 また、戦車軍団と機械化狙撃兵軍団を投入し、西側突出部で攻撃をかけましたが、これは老獪なドイツ軍歩兵連隊に阻止されます。
T2S1
 続く、ドイツ軍セグメントでは、ドネツ河の逆渡河に向けて、南部で攻勢を続けます。包囲下の狙撃兵師団を消耗させるとともに、装甲師団及び自動車化師団を軸に高比率攻撃をかけ、ドネツ河の隣接へクスにまで辿り着きます。
T2D1
T2D1
 一方、逆渡河ができなかったときのために、敵を消耗させるべく、中央突出部の北翼で装甲師団による反撃をかけ、敵を1ステップロスさせます。
 第2セグメント、両軍の激しいマッチレースの中、ソ連軍はバラクレイア橋頭堡の残存部隊を殲滅するとともに、手薄になったハリコフ正面で、再び、猛攻をかけます。装甲師団がいなくなっていたため、歩兵師団がこの攻撃をもろに受け、損害はなかったものの、戦線後退を余儀なくされます。
T2S2
 ドイツ軍は2作戦ポイントを投入しますが、作戦drは最低の2で、攻撃は2か所のみ。南部で包囲下の狙撃師団を撃破するとともに、中央部で装甲師団を突進させます。
T2D2
 最終の第3セグメント、ソ連軍は突出してきた装甲師団に対し、あらゆる機械化部隊と狙撃兵師団をかき集めて、6:1の包囲攻撃を仕掛けましたが・・・さすがに戦術値6の装甲師団は強力で戦闘比は3:1に低下。ソ連軍は、dr修整で1/1の痛み分けにするのがやっと。同時に、渡河点にいた消耗状態の敵2個連隊に9:1攻撃をかけるも、こちらも戦術値6の装甲偵察連隊の活躍により、2/1と大きな損害を受ける羽目に。
T2S3 重包囲下の攻撃も・・・
  最後のドイツ軍セグメントは、14移動力ポイント/5戦闘ポイントに。南部では逆渡河を狙った一か八かの攻撃を模索しましたが、ソ連軍が対岸に巧妙な防衛線を引き終わっており、渡河成功はほぼ望めず。
T2D3
 ならば、敵部隊の消耗で、ソ連軍VPを11点以下にするしかない!ドイツ軍は高い戦術能力を信じて、5カ所で総花的な攻撃を仕掛けます。包囲下の部隊に打撃を与え、そうでない部隊には高比率戦闘で、打撃増しを狙います。が、ここに来て、ソ連軍も猛烈な抵抗を見せ、ともに消耗する展開に。
 両軍の激闘の結果、ソ連軍のVPは一時的に3点になりましたが、ドネツ河東岸の制圧により、10VPを獲得し、ソ連軍の勝利となりました。
終了時
 延べ3時間のソロ演習でしたが、今さらながら、こいつは面白い!ソ連軍の数を恃んだ怒濤の攻撃とドイツ軍の類い希な軍事能力の反撃が、見事!1ターンが通常の3倍あり、かつ、戦闘にも時間がかかるため、近年だと重ゲー扱いでしょうが、これこそ、東部戦線の作戦級という楽しいプレイでした。
 このままだとキャンペーンは10時間くらいかかかるかも?ですが、ぜひ、対戦したいものです。求む、東部戦線の勇者!
 ここからは余談ですが、現在の「プーチンの戦争」(特別軍事作戦)で、否が応でも目に付く、ハリコフ(ハリキウ)周辺が描かれています。わずか5日間の奇襲により、ハリキウ州のほとんどを奪還したそうですが、インテリジェンスと兵器の優劣を、まざまざと見せつけられた感があります。今さら、部分動員をしたところで、戦力になるのか甚だ疑問な訳で、むしろ、国内の締め付け策としか思えません(反対デモの参加者のモラルが高いはずがない)。
 いずれにしろ、ここまで半年以上、戦時が続いてしまったわけで、一日も早い軍事衝突の終了を祈っています。「ウクライナに、戦争は(もう)いらない」

 幕末京都の余韻が冷めやまぬところで、Tommyさんと予定した「ターニング・ザ・テーブルズ」(モメンツ・イン・ヒストリー)をプレイしました。ソ連軍(Tommy)対枢軸軍(mitsu)です。コンポは原版のモメンツ・イン・ヒストリー版で、戦術チットのみ、日本版を使用します。
 第1ターンの第1イニングス、ソ連軍は最良の17移動ポイント/7攻撃ポイントを獲得しますが、慎重なソ連軍は5カ所の攻撃のみを行います。結果、枢軸軍は1個ルーマニア歩兵師団が壊滅し、他も2ステップの損害を受けますが、これ以外は後退で凌ぎます。対するソ連軍は、drは良かったものの、戦術チットで戦力やdrに修正を受け、ソ連軍の方が損害が多くなります。結果、VPはイーブンの0点です。
T1S1
 第2イニングス、ソ連軍は西側で攻撃を続行し、枢軸軍に少数の損害を与え、戦線を押し上げます。が、やはり、攻撃側の損害が上回り、VPは-3点に。また、早くも開始されたドイツ軍の反撃で、南翼では押され気味に。
T1S2
 第3イニングス、ソ連軍はなおも攻勢を行いますが、ほとんど戦果はなし。逆に枢軸軍の反撃で1個狙撃兵師団が壊滅し、結果、VPは-3点のまま。ということは・・・出血過多で、枢軸軍のサドンデス勝利に!なんともあっけない春期攻勢の終焉でした。
T1D3
 Tommyさんは初対戦ということで、若干、兵力の集中が足りず、最高比率での攻撃は2-3回のみ。当然、枢軸軍への打撃が減少し、逆に自軍の損害が増加。結果、ギリギリでしたがサドンデス敗北に。
 自分もソロで初めのうちは、戦車旅団を多く使ったのですが、実は歩兵戦力の方が攻撃力が高いことがわかり。特に第1ターンは前線にほぼ隣接しているため、集中運用すれば、ほぼ最大比率まで持って行けます。さらに、効率よい攻撃を行うことで、最大7カ所の攻勢ができ、必然的に枢軸軍に損害を多くすることができます。
 また、モメンツ・イン・ヒストリーでは出てきませんが、日本語版ヴァリアントの騎兵軍団分割を使用すれば、戦術値4の攻撃を増やし、打撃力も向上します。
 今回は、練習プレイでしたので、次回は本戦をやってみたいです。

 この日の本命は「幕末京都騒乱」(GJ)で、いわゆるCOINシステムです。COINの凄いところは、4勢力の勝利条件とシークエンス(できること)が全て違う点でして。特別ルールを全てカードに落とし込んで、歴史再現性とプレイアビリティを上げたカードドリブンも画期的でしたが、COINはそれを突き詰めた感があります。
 言ってみれば、4つのシステムを同一プレイするわけで、敷居は高めですが、マスターできると、それっぽさに痺れます。今回は、幕末京都を舞台にした4勢力の暗躍をインストします。ランダムで陣営を選び、会津藩(mitsu)・新撰組(Tommy)・尊皇攘夷(kawa)・長州藩(タナック)となります。
 序盤、機動力を生かして新撰組(Tommy)が洛内を駆け巡ります。まず、上京に6枚スタックを突入させると、サーチ・アンド・デストロイよろしく、尊皇攘夷(kawa)の志士と公家を全滅させます。
序盤、新撰組が切りまくり
 返す刀で、今度は祇園に進攻しますが、尊皇攘夷(kawa)も資金を注ぎ込んで隠匿で対抗します(尊皇志士と長州藩士は、潜伏状態では撫で切りできない)。
さらに祇園に斬り込み!
 この間、会津藩(mitsu)は藩兵と見廻組を動員するとともに、主力を禁裏に集め、ここの支配を盤石にします。長州藩(タナック)は、藩士を散開させて新撰組のいないエリアの支配を取り、資金をばら撒いて支持を上昇させます。が、肝心の藩兵は、なかなか動員できず。
 第1期末は新撰組(Tommy)が3カ所支配で3VP、尊皇攘夷(kawa)が新撰組がいなくなった後の上京に志士を沸かせて公家を再配置し、4VP(勝利条件は6VP)。会津藩(mitsu)と長州藩(タナック)は、支持がそれほど取れず、6VPです(勝利条件は12VP)。
第1期末
 第2期は、新撰組(Tommy)と尊皇攘夷(kawa)が相変わらず、「鬼ごっこ」を続け。新撰組(Tommy)がサーチすれば、尊皇攘夷(kawa)が地下に潜り、隙を見て隊士をオルグして転向させるなど、学生運動並の混沌に(いや、正確には、こっちの方が先)。
 長州藩(タナック)は、藩兵の終結を進め、本国に相当数の正規軍が動員されます。
 と、ここで、会津藩(mitsu)が次の期末を睨んで、コマンドを駆使して、一気に御所の支持を4カ所まで拡大します。そして、そのまま、第2期末を迎え、12VPを獲得し、サドンデス勝利しました。
第2期末、会津藩のサドンデス勝ち
 システムがわかったところで、2戦目に。再度、ランダム選択しましたが、偶然にも陣営は変わらず。
 展開は、ほぼ第1戦と同様ですが、新撰組(Tommy)は、同陣営ながら会津藩(mitsu)を警戒して、上京ではなく、下京を制圧します。尊皇攘夷(kawa)は、陰で長州藩に金をせびりながら(活動資金をくれないと、町人から徴収して支持を落とすゾ)、勢力を伸ばします。
 やむなく、会津藩(mitsu)は自前の見廻組を壬生と西陣に派遣して、ここの支配を取りますが、支持の取り付けに苦労し、VPは伸びず。長州藩は、進発論が国元で発動され、早くも6個藩兵が長州藩邸へ。
 第2期はそれぞれの思惑が絡みながら進み、フル動員した会津藩(mitsu)の見廻組が禁裏でご用改めをして、長州藩士と勤王志士を捕縛します。
第2期末
 一方、尊皇攘夷(kawa)は長州藩(タナック)のアシストもあり、特能をつかって4名の新撰組(Tommy)隊士を寝返らせます。これにより、新撰組(Tommy)が隊士不足を起こし、動きが不全となります。
 迎えた第3期、行動の自由を得た長州藩兵(タナック)が洛内を暴れ回ります。上京と下京に乱入した藩兵が、片っ端から新撰組(Tommy)を抹殺。ここの支配を取ります。う~む、過激派相手にはめっぽう強いけど、武装警察では、とても正規軍には太刀打ちできない。このままでは、倒幕派に京を制圧されてしまう!
第3期 長州兵、洛内に乱入
 焦った佐幕派は、新撰組(Tommy)のアシストで、全ての会津藩兵(mitsu)を市街地に投入します。上京と下京で激しい市街戦となりなり、側面からの奇襲を受けた長州藩兵(タナック)は総崩れとなり、今度は佐幕派が有利に。
第3期 それを会津兵が撃破
 そのまま、ゲームは第4期に突入。新撰組(Tommy)は山崎蒸の技能を使って、祇園でサーチ・アンド・デストロイを仕掛けますが、隊士不足と斬り込みdrに祟られ、制圧できず。全体的なユニット数が足りない佐幕側は、会津藩兵(mitsu)で軍政を引きますが、長州藩兵(タナック)が再集結を始めたため、やむを得ず、御所へと引き上げます。
 これにより、締め付けが緩まった尊皇攘夷(kawa)と長州藩(タナック)は、志士と藩士を動員して、西陣と祇園の支配を維持・奪還します。
 そして、第4期末の「長州征伐」。勝利の候補は、5人の公家を展開している尊皇攘夷(kawa)か、現時点で御所を含む4カ所を制圧している会津藩(mitsu)に。そして、最後の行動も、この2勢力になります。できれば、後手が望ましかったのですが、先手は会津藩(mitsu)。尊皇攘夷(kawa)の動きを想定して、藩兵を壬生と下京に派遣します。これに対し、尊皇攘夷(kawa)が志士を下京で発生させ、この支配を取り返します。結果、会津藩(mitsu)は勝利条件に2点足らず、尊皇攘夷(kawa)が1点不足で上回り、尊皇攘夷(kawa)の勝利となりました。
終了時
 ちなみに警戒ポイントに会津藩兵を置いていれば、尊皇攘夷(kawa)のユニット移動が限定され、下京を固め、勝利でしたが、プレイ中は、気がつきませんでしたね~。まあ、いいところまで行きましたので。

 午前中、昼食までの時間調整として、タナックさんと「パタパタくるりん」(オリジナル)を対戦しました。まだ、未プレイだった「北斗の拳編」で、プレイヤーは、ラオウ・トキ・ケンシロウ・ジャギのいずれかになって、世紀末覇者(マップへの配置数)を競います。
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 序盤、トキが多く、それに乗るふりをして、自分もトキを増やします。すると、タナックさんが皇帝サウザーを使って、トキを1枚、パージします。となると、タナックさんは、ラオウか、ジャギか?!
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 自分はケンシロウだったので、後半に向けてさりげなく裏返されにくい位置に、ケンを配置していきます。中盤が終わった時点で、トップはケンシロウとラオウに。
 終盤、ジャギも増えますが、タナックさんが前半でかなり雑に扱っていたイメージがあり。となると、本命は、おそらく、ラオウか。結果的にはその通りだったのですが、自分にパージカードが来ず、盤面が埋まっていきます。
 最後は、タナックさんがラオウを配置して、ゲームエンド。5枚の単独勝利となりました。
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 少し間が開き、「ターニング・ザ・テーブルズ」(MIH)が早く終わったので、例会の最後に、Tommyさんと第二弾に。前回にプレイした「風の谷のナウシカ編」です。
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 こちらは、結構、早くから、「薙ぎ払え!(巨神兵)」カードが飛び交います。Tommyさんがユパ(実は自分のキャラ)を排除すれば、自分は増えすぎたナウシカをパージ。後半になって、カード巡りから、やたらとクロトワが増えます。ん?!もしかしたら、敵の本命か?
 取り合わせからクロトワの排除は難しいことがわかったので、最後は同点上等でユパを増やして終了。結果は、やはり、クロトワ(Tommy)とユパ(mitsu)で、5枚ずつの同時勝利となりました。
DSC03081
 最後は、「タツノコプロ編その1」を対戦しました。科学忍者隊ガッチャマン、新造人間、宇宙の騎士テッカマン、破裏拳ポリマーの4キャラです。
 序盤、Tommyさんが「玩具を売れ!」カードで、破裏拳ポリマーを排除します。これで、Tommyさんはガッチャマンか、テッカマンの可能性が高くなります。それでも、ポリマーが多かったので、自分も破裏拳ポリマーをパージ(後から振り返ると、これが勝負の綾に)。
 中盤が終わった時点で、トップはガッチャマン。が、Tommyさんは平然と、ガッチャマンを裏返します。かといって、テッカマンを増やす動きもなし。??一体、正体は誰だ?!
 混沌としてきましたが、勝負は終盤。ブラフや駆け引きより、自分の勢力の拡大を第1にして、本命のキャシャーンを増やしていきます。Tommyさんも気がついたようですが、配置できる場所とカードが限られ、対応しきれず。最後は、なんとmitsuのキャラ-キャシャーンを配置して、終了。
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 結果、ガッチャマン(NPC)とキャシャーン(mitsu)が同時勝利に。Tommyさんのキャラは、なんと自分でパージしてブラフをかけたポリマー!が、これが祟って、4枚に沈みました。タツノコの策士、策に溺れる(笑い)。本来は6歳からできるサンリオキャラのお手軽ゲームのはずが、オジさん達にかかると、相当のブラフゲームになりました。

 この日の緒戦は、ちはら会謹製の商業誌デビュー作「マルタ島攻防戦:ペデスタル作戦1942」(Bonsai Games)です。15年前に完成したものの、当時はニーズに合わず、近年のソロブームに乗って、まさかの製品化となったわけで。「時代がペデスタルに追いついた」記念に(笑い)、10番勝負を進めてきました。この日は、記念すべき10戦目で、連合軍(mitsu)対枢軸軍(タナック)のインストプレイになります。
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 初日は、ドイツ軍のUボートが襲撃するも、対潜警戒が機能し、全ての敵を撃沈します。第3ターンの空襲も、強力無比な対空砲火で撃退。
T1
T3
 こりゃ、盤石だと思いきや、一日空けた第5ターン、いきなり、イタリア戦艦隊が出撃!2隻の戦艦と多数の巡洋艦が、ロイヤルネイビーに接触に成功します。イギリス海軍もロドネイとネルソンの40cm搭載艦がおり、重巡以外の戦力では、有利なはずでしたが・・・。
T5 苛烈極まる砲撃戦
 開始早々、イタリア海軍の遠距離砲撃が、次々と命中します。結果、わずか、2ラウンドでネルソンが撃沈されます。
 イギリス軍もジュリオ・チュザーレを損傷させるも、2対1で中距離砲戦になり、第6ラウンドにはロドネイも撃沈されます。こうなると、イタリア海軍の一方的な長距離砲撃となり、軽巡も次々と被弾します。
 イギリス軍も巡洋艦に的を絞り、少なからずの敵艦を撃沈破しますが、かわりに防空巡を含む軽巡も1隻を除き、全滅。
残ったのは、損傷した軽巡1隻
 さらに、船団エリアに入り込んだ敵駆逐艦隊が、猛烈な砲撃で次々と輸送船を撃沈。最後は油槽船オハイオまで砲撃を受けて、船団は壊滅。損傷した2隻の輸送船のみが、マルタ島に到着するという、史上希に見る大損害を喰らいました。
イタリア駆逐艦隊、突入成功
 輸送船団が壊滅したため、ペデスタル作戦は中止に。枢軸軍は船団撃滅という戦略的目標を達成します。一方、イタリア海軍の損害も多かったため、イギリス艦隊の撃破は差し引き10点となり、惜しくも達成できず。勝利条件的には、引き分けとなりましたが、14隻の輸送船のうち、わずか2隻しか生き残らなかった上、貴重な戦艦2隻と全巡洋艦を失う状況で、とてもイーブンとは言えず。
T5 作戦中止
 実は、ソロを入れると50戦以上はプレイしてきたのですが、ゲーム途中で船団が全滅したのは、今回を入れて、わずかに2回のみです。ああ、記念すべき、10番勝負の最後は、ロイヤル・ネイビーとマルタ島の墓場でした。これを鑑みて、以下の追加ルールを付け加えたいと思います。

4.4 ペデスタル作戦の中止(戦略的敗北) 
 輸送船団がゲーム途中で壊滅(全輸送船が撃沈または損傷)した場合、ペデスタル作戦は中止となる。枢軸軍は、戦略的勝利を収める。

 すっかり秋らしくなった10月の土曜日に、第208回ちはら会が開かれました。県境越えの2名に加え、ベテラン勢も全員参加となり、総勢8名でカードゲームからマルチ、本格的SLGまで幅広く楽しみました。
 
 先日にプレイされたアイテムと戦績は、以下の通りです。

幕末京都騒乱(GJ)2戦
 ☆会津藩(mitsu)・新撰組(Tommy)・尊皇攘夷(kawa)・長州藩(タナック)
 ☆尊皇攘夷(kawa)・会津藩(mitsu)・新撰組(Tommy)・長州藩(タナック)
マルタ島攻防戦:ペデスタル作戦1942(Bonsai Games) 
 連合軍(mitsu)対枢軸軍(タナック)引き分け
珊瑚海の決断カードゲーム(グループ乾坤一擲)2戦
 ☆アメリカ軍(平)対日本軍(エンジョウ)★
 ☆アメリカ軍(平)対日本軍(エンジョウ)★
ターニング・ザ・テーブルズ(モメンツ・イン・ヒストリー) 
 ★ソ連軍(Tommy)対枢軸軍(mitsu)☆
エイリアン・フロンティア(ケンビル) 
 ☆赤(morita)・緑(BIBI)・白(kawa)・黄(平)・青(エンジョウ)
マグノリア(アークライト) ☆morita・エンジョウ・平
ゲーム機戦記第1章(グループ乾坤一擲) ☆エンジョウ・morita・平・BIBI
パタパタくるりん(オリジナル)
 北斗の拳編 ☆ラオウ(タナック)対ケンシロウ(mitsu)★
 風の谷のナウシカ編 ☆クロトワ(Tommy)対ユパ(mitsu)☆ ともに勝利
 タツノコプロ編その1 ☆ガッチャマン(NPC)・☆キャシャーン(mitsu)・破裏拳ポリマー(Tommy)★

 moritaさんの恒例の「職場土産」。いわゆる業界紙でして、自衛隊隊員向けの情報がいっぱいです。
moritaさんお土産
 写真はありませんが、午前中の一番に取り組んでいた「珊瑚海の決断カードゲーム」(グループ乾坤一擲)。2戦をして、アメリカ軍(平)が日本軍(エンジョウ)を撃破した模様。
 その後に、プレイした「マグノリア」(アークライト)。お昼前の時間調整に、サクッとプレイされ、moritaさんがエンジョウさんと平さんを寄り切っていました。
マグノリア
 次回のゲムマで販売予定の「ゲーム機戦記第1章」(グループ乾坤一擲)。前回もテストプレイが行われましたが、今回は発売前の最終調整に。ベテランのエンジョウさんが新機の開発に成功し、morita・平・BIBIを抑えて、勝利しました。
ゲーム機戦記
 最後に、kawaさんを加えた5人で取り組んだ「エイリアン・フロンティア」(ケンビル)。発掘するエイリアンの技術が肝になるのですが、赤(morita)が最後の最後に大逆転し、緑(BIBI)・白(kawa)・黄(平)・青(エンジョウ)を寄り切って、勝利したそうです。
エイリアン・フロンティア

 朝夕の寒暖差が激しい時期になってきました。まさに、秋。このまま、一気に冬の嵐作戦に突入するか?!11月例会のお知らせです。今回は、第1週の日曜日ですので、お間違えなく。なお、感染予防対策は継続中ですので、マスク着用や静かなプレイをお願いします。


[日時]11月6日(日)10:00-20:00
[会場]おゆみ野公民館 第1講習室

[住所]千葉市緑区おゆみ野中央2丁目7-6
[アクセス]
 京成電鉄千原線「学園前駅」または「おゆみ野駅」から徒歩10分
 または、JR鎌取駅発小湊鉄道バスでおゆみ野中央二丁目バス停降り、徒歩1分(20~30分おき)
[参加費]無料
[持ち物]ゲームとゆとりと常識

 前回、さわりだけプレイしたターニング・ザ・テーブルズ(CMJ)。作戦研究を進めたところ、drにもよりますが、ソ連軍の勝ち筋もわかり。今度はイワンでプレイしたいものです。 

T1D3
 kawaさんと対戦予定をした「ソロモンズ・キャンペーン」(CMJ)ですが、やっぱり、かなり面倒ぽいです。どこかで、ソロ演習ができれば。
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 最後に次回以降の予定を。早く、コロナが完全終熄しますように。次回は、第1週土曜日の予約が取れなかったので、ご注意ください
 12月3日(土)10:00-20:00 おゆみ野公民館:第2講習室
 1月7日(土)10:00-20:00 おゆみ野公民館:2講習室

 このまま、最終ヴァリアントに移ります。ここでは史実で失われた共和国海軍の旗艦開陽が登場します。一方、強力無比だった弁天台砲台の火力は、新政府軍の遊撃隊の活躍で1dr-1に。drしたところ、なんと1火力に。防御力は替わらないものの、ほぼ、無力となります。
T0
 それでも、座礁して砲力が倍加した敵艦隊と砲台に、迂闊に近づくのは危険です。よって、新政府軍としては、、敵艦隊の能力をある程度、無力化してから、弁天台砲台の攻撃に移る作戦とします。
 序盤、共和国艦隊は同様に弁天台砲台をめざして、全速力で前進します。これにより、開陽と回天の主力艦2隻と、蟠龍と千代田形が分離せざるを得ないのは止むなしとします。これに対し、新政府軍艦隊は移動力1と移動力2の艦列を組み、一丸となって敵に接近します。
T3
 共和国軍艦隊が、砲門を開いたのは第4ターンでした。二列の単縦陣で接近する新政府軍艦隊に、砲撃を行い、甲鉄と朝陽を混乱状態にします。が、すぐに回復し、実害はなし。
T4 初砲撃
 第5ターンにお返しとばかり、回頭を終えた甲鉄が、主力艦から遅れていた蟠龍を狙い、砲撃。アームストロング砲が突き刺さり、1ヒットを与えます。
T5
 第6ターン、またも共和国軍艦隊が砲撃しますが、混乱のみで損害はなし。と、新政府軍艦隊が移動を終え、3隻が回頭を得た時点で砲撃。蟠龍に最大砲撃が降り注ぎ、2ダメージ目を与え、移動不能にします。
T6
 第7ターン、新政府軍艦隊は慎重に砲台から4へクスの距離を取り、単縦陣で戦列を展開します。敵が近距離に接近したところを見計らって、開陽と回天が自主座礁し、全砲門を指向します。主力艦同士の砲撃が始まり、蟠龍(移動戦闘不能)が大破します。
T7
 第8ターン以降は、激しい砲撃戦に。共和国軍艦隊が2度の砲撃で混乱状態を作れば、新政府軍艦隊は主導権ホールドの回復をタイミングよく使って、連打を回避。それでも、朝陽が1ヒットを受けます。対して、共和国軍艦隊は開陽と千代田形が1ヒットを受けます。
T8
T9
 その後も、正面からの殴り合いで損害が急増。第10ターンが終わった時点で、共和国軍艦隊は千代田形はが3ダメージで攻撃力を失い、開陽も同じく攻撃力-1となります。が、新政府軍の被害も甚大で、最も防御力の低い延年が4ダメージで行動不能で、砲撃を浴び続けている朝陽も3ダメージを受けます。
T10
 第11ターン、ここに来て共和国軍の砲撃チットが連続し、延年と第二丁卯が沈没!朝陽も行動不能に。が、共和国軍も開陽が移動行動不能になり、弁天砲台の右翼海域の艦艇が沈黙します。
T11
 残り3ターン、このままだと自動的勝利となるのため、新政府軍は無傷の甲鉄と春日を突進させ、弁天砲台への攻撃を開始します。強力な砲撃で度々、弁天砲台を混乱状態にするものの、タイミングよく回復チットが来て、ヒットを与えられず。
 共和国軍の猛烈な反撃を受けながら、分厚い装甲でわずか1ヒットに止めた甲鉄が、最終ターンに奇跡を信じて、弁天砲台へ最終砲撃を行いますが、これも混乱が限度。この瞬間、弁天砲台の無傷が決まり、共和国海軍の自動的勝利となりました。
T14
 通常シナリオに比べ、かなりいいところまで行ったのですが、やはり弁天砲台の堅さがポイントでした。

 今月のソロプレイ第6弾は、「箱館湾海戦」(WGJ)から、最終シナリオのシナリオ4「箱館湾海戦」です。このシナリオは、箱館湾での最終決戦を描いたもので、史実では新政府軍が朝陽を撃沈されるも、敵艦隊と砲台を沈黙させ、政府軍の勝利に貢献しています。
 共和国海軍には特別ルールで座礁があります。敢えて座礁をさせることで、砲撃機会が2倍になる(左舷・右舷両方)ものです。ただし、射界は限られるので、座礁位置の判断が重要になります。
 勝利条件は、敵により多くの打撃を与えた側が勝ちですが、やはり弁天台砲台に損害を与えられなければ、自動的に共和国軍が勝利します。弁天台砲台は装甲2を持つため、ヒットを与えるには最大drでも確率は低くなります。そこで、新政府軍としては艦隊を二つにわけ、左舷と右舷を交互に射撃し、混乱を重ねてヒットを狙う作戦に出ます。
 序盤、両軍はそれぞれの思惑通り、艦隊機動を行います。新政府軍は、移動力1の主力部隊と移動力の分遣隊に分離し、弁天台砲台を前面で合流させる計画です。一方の共和国軍は、適切な座礁位置を探りつつ、一心に弁天台砲台に接近します。
T2
T4
 初の砲撃になったのは、第5ターンで、先に射撃位置を占めた共和国海軍が、敵主力艦隊の2番艦延年を砲撃し、混乱状態に。が、距離もあって、すぐに回復します。
T5 共和国軍の初砲撃
 その後も、両軍は弁天台砲台前に向けて移動を継続し、第8ターンに新政府軍の別働隊と主力部隊の一部が射撃位置に取り付きます。これを見た共和国軍は、一斉に艦隊を座礁させ、敵主力艦隊に集中砲撃の態勢を取ります。同時に弁天台砲台が火を噴き、敵別働隊の春日に1ヒットを与えます。新政府軍も旗艦甲鉄のアームストリング砲で、千代田形に1ヒットを与えます。
T8 共和国軍、座礁して猛砲撃
 第9ターンから、近距離砲撃での死闘の幕が切って落とされます。共和国海軍は延年に砲撃を集中し、混乱の蓄積で1ヒットを与えます。新政府軍は、まずは砲台に損害をと、別働隊の砲撃で混乱状態にします。
T9
 第10ターン、共和国軍は1手目で回復しましたが、新政府軍の両部隊の砲撃が連続で決まり、弁天台砲台に待望の1ヒットを与えます。これで、敵の自動的勝利を阻止します。
T10 弁天台に1ヒット!
 ならば、あとは砲台の射界から外れるべく、移動を開始しますが、そうは問屋が卸さないと、共和国海軍が猛烈な射撃を春日に浴びせます。混乱に陥ったところに命中弾が集中し、春日は3ダメージを受けて中破となります。
T10
 第11ターン、艦隊移動中のため、効果的な砲撃ができない新政府軍に対し、共和国海軍が集中砲撃を連続し、春日と延年を大破(移動・戦闘不能)に。続く、2ターンの攻撃が止めとなり、両艦が沈没します。この時点で両軍の損害は、新政府軍10:共和国海軍4とダブルスコア越えに。
T11 猛烈な火砲に捕まる
T13 2隻が轟沈
 第14ターン、新政府軍は意地の砲撃で、蟠龍に2ヒットを与えるもそこまで。最終的には、10:6の損害で、共和国海軍の勝利となりました。
終了時
 う~ん、弁天台砲台に先にヒットを与えてからという作戦は機能しましたが、近距離から2倍の砲撃を受けたたため、損害過多となりました。やはり、一定程度、共和国海軍を消耗させてからでないと厳しいか。その場合は、弁天台攻撃は敵の回復チット次第になりそうです。

 今月のソロプレイ第5弾は、「箱館湾海戦」(WGJ)から、シナリオ3「松前沖海戦」です。このシナリオは、松前要塞攻撃に来航した新政府軍艦隊を、共和国軍艦隊が迎え撃つというもので、史実ではなかった仮想戦です。前年末に江差沖で座礁した開陽が健在という設定です。
 勝利条件は、敵により多くの打撃を与えた側が勝ちですが、松前砲台に損害を与えられなければ、自動的に共和国軍が勝利します。
 そこで、共和国軍は、松前砲台を攻撃しにくくするため、前面の海域に艦隊でスクリーンを張る作戦を取ります。新政府軍は、共和国海軍に打撃を与えつつ、タイミングを見て松前砲台を損傷させる計画です。
T0
 第1ターン、共和国海軍は優速の開陽と回天を前進させると、事前の計画通り、上端から6へクス目で転進し、阻止ラインの準備をします。新政府軍は、一斉回頭で単横陣となり、距離を詰め始めます。
T1
 第2ターン、接近する春日に対し、いち早く頭を押さえた開陽が砲撃します。が、距離があったため、混乱状態にするに止まります。
T2
 第3ターン、同航戦に入った春日と朝陽が、後方の回天を砲撃し、こちらも混乱状態に。
T3
 第4ターン、主導権を取った新政府軍は、事前チットで共和国軍回復をホールドすると、左舷砲撃で混乱中の回天を連続砲撃。またも混乱状態にし、累積で1ヒットを与えます。開陽も先頭の春日に撃ち返し、こちらも1ヒットを与えます。
T4 初の命中弾!
 第5ターン、両軍の低速艦が追いつき、横二線の単縦陣の撃ち合いが開始となります。
T5
 当初、優勢に立ったのは新政府軍でした。最新鋭艦甲鉄のアームストロング砲が火を噴き、共和国海軍旗艦の開陽に1ヒットを与えます。
T6
 が、第7ターン、共和国軍も撃ち返し、損害を与えている春日に2ヒットを追加し、速力-1、砲撃力-1とします。新政府軍は先頭と殿に砲火を集中し、開陽に1ヒット、千代田形に2ヒットを与えます。
 その後、共和国軍の回復と砲撃のタイミングが合い、小破している春日にさらに2ヒットを与え、これを大破(8行動不能)にします。お互いにヒットを与えていますが、いまだ、松前砲台は健全です。
T9
 ここで、新政府軍は目の前の敵艦隊を飛び越して、松前砲台に遠距離砲撃を仕掛けます。これが見事にヒットし、砲台に1ダメージを与えます。これで、敵の自動的勝利をソ失できたので、再び、敵艦隊との決戦に。
 第10ターン、与えたヒット数で同数の新政府軍は、相打ち上等と敵との距離を詰めて
激しい砲撃戦に。かなりの艦艇が混乱しながらも、回天に2ヒット目を与え、1ポイントリードします。
T10  松前砲台にヒット!
 第11ターン、突進した朝陽が開陽の一斉射を受けて、中破しますが、甲鉄のアームストリング砲で回天も中破に。
T11
 最終第12ターン、先手を取った新政府軍は、回天に砲撃を集中し、ついにこれを大破に。結果、総ダメージ数は、10:7となり、新政府軍の勝利となりました。
終了時
 今回の勝利に寄与したのは、主導権の獲得数でした。引き分け1回、共和国軍3回に対し、新政府軍が8回と、圧倒的にチットコントロールをできたことが、有利に働きました。主導権を取ったから絶対的有利とまではいえませんが、事前チットで敵の動きをある程度、制御できるのは、最終的な優勢に繋がります。シンプルなシステムですが、海戦における運不運や優秀な艦隊の機能性をうまく発揮していると思います。

 続いて、ヴァリアントに挑戦します。戦力的に不利な共和国軍に、史実では途中で迷子になった蟠龍を加えるものです。
 共和国軍の作戦は、2隻の軍艦による共同攻撃です。通常シナリオと同様に、回天によるアボルダージュという選択肢もありますが、決して成功率は高くないことや蟠龍のみでの砲撃では春日にヒットを与えられる可能性は低いことから、両艦による集中砲撃が合理的でしょう。
T0
 序盤、共和国軍は計画に沿って、新政府艦隊に近づきます。移動力2の回天のみでの突入は当然、選択せず。蟠龍の速度に合わせ、前進をします。
 砲撃開始は、第4ターンでした。前衛の回天が突進して敵艦隊に横付けし、足の遅い蟠龍も3へクスの近距離で砲門を開きます。最大dr数の5の攻撃では、春日に2発の命中となり、装甲値を引いて1ヒットと混乱を与えます。
T4 春日へ砲撃
 第5ターンに、新政府軍は稼働チェックを行いますが、drは1。これで最終ターンまで、稼働することはなくなります。共和国軍はなおも春日に猛砲撃を加えますが、今回はdrが優れず、混乱のみ。
 最終の第6ターン、春日が混乱から回復する前に、共和国軍が三度目の砲撃。直撃弾はなかったものの、至近弾でさらに混乱となり、1ヒットを加えます。ここでゲーム終了。
T6
 本命の甲鉄は無傷でしたが、それに次ぐ優秀艦の春日を中破させたことで、来る箱館決戦では、共和国軍に有利な要素となったことでしょう。
終了時

 今月のソロプレイ第3弾は、「箱館湾海戦」(WGJ)からシナリオ2「宮古湾海戦」です。開陽を海難事故で失った共和国軍が、起死回生の戦力奪取を試みて、宮古湾に停泊中の甲鉄を狙うという設定です。史実では、夜間の奇襲で甲鉄への接舷に成功するも、甲板の高さから十分にアボルダージュができず、時間を浪費。最後は、接舷を解いて、回天が撤退しています
 まず、奇襲を受けた新政府軍は、当初は行動できません。夜間視認か攻撃を受けると、次ターンから1d6して合計が10に達すると、稼働できるようになります。
 また、共和国軍は甲鉄にアボルダージュを実施できます。両軍とも砲撃力分のdrをして、揃い目の分だけ、敵の人員に損害を与えられます。これが3ヒットになると、乗っ取りに成功します。もっとも甲鉄は、回天と同じ3砲撃力があり、かつ、ガトリング砲の威力(dr1個を裏返せる)から、アボルダージュでも有利です。
 初期配置は固定で、新政府軍艦隊の左舷から共和国軍の回天が接近するところから、スタートです。
T0
 第1及び第2ターン、回天は敵に視認されぬよう、速力を調整しながら、敵艦隊に忍び寄ります。
T2 忍び寄る回天
 第3ターン、速力を上げて突進すると、見事な操艦で転舵し、甲鉄の舷側に横付けします。そして、アボルタージュを実行!いきなりの奇襲に甲鉄の乗組員は慌てたものの、回天も甲板の高さから乗り移りが遅れ、結果は1ヒットずつのイーブンに。
T3 アボルダージュ実行!
 第4ターン、混乱から回復した甲鉄がガトリング砲をぶっ放し、回天の切り込み隊をなぎ倒します。これで、損害は甲鉄1:回天2に。
T4 
 第5ターン、ここで回天に乗船していた土方が、檄を飛ばします。「俺に続けー!」2m以上の高低差を乗り越え、甲鉄に乗り移ると、抜刀して敵に斬りかかります。これで、損害は甲鉄2:回天2のイーブンに。
T5 ともに2ダメージ!
 どちらが勝ってもおかしくない展開でしたが・・・再び、ガトリング砲が火を噴き、甲板上にいた共和国軍兵士を一掃します。これに勢いを得た新政府軍兵士が、逆アボルタージュを仕掛け、回天を制圧。甲鉄を守り切った上に、敵艦を奪取した新政府軍の勝利となりました。
 う~ん、確率的に分が悪いのはわかっていましたが、アボルダージュはやっぱり賭ですね。
T5 最後は、ガトリング砲が物を言い・・・

  今月のソロプレイ第2弾は、せっかくなので、ヴァリアントシナリオの甲鉄対開陽に移ります。甲鉄(ストーンウォール)は、ゲーム最強の装甲2と防御力18を誇り、火力こそ3ですがアームストロング砲の効果でダイス1つを裏返せる能力を持ちます。よって、開陽といえど、よほどのことでなければ、有効弾(3打撃以上)は難しく、やはり混乱の積み重ねによるダメージを狙います。
 14ターンという長丁場のため、序盤、両軍は慎重に距離を詰めます。
T3
 第4ターン、有効射程に入った甲鉄が開陽へ砲撃を行い、混乱状態にします。が、直後に回復し、今度は開陽から甲鉄へ砲撃。このうち2発が命中となるものの、厚い装甲に阻まれ、混乱状態になる程度。
T4 甲鉄は固かった!
 第5ターン、新政府軍が回復した直後に、再び、開陽の砲撃に。またも2発を命中させるも、甲鉄はその名の通り、硬かった!それでも連打を浴びたため、回頭して一旦、距離を取ります。
T5 甲鉄の装甲を抜けず
 その後、両艦は右旋回をしながら、有効射程に入るタイミングを図ります。
 再び、接近したのは、第10ターンでした。甲鉄が絶妙な操艦で、自艦だけが砲撃できる位置を取ると、第11ターンに開陽を夾叉し、混乱状態にします。連打を嫌った開陽は、一旦、離脱します。
T10 接近!
T11 開陽、混乱
 回復した段階で、残りあと2ターンに。決着を付けるべく、両者は距離2に急接近し、猛烈な砲撃を浴びせ合いましたが・・・第13ターンに、甲鉄が開陽を再び、混乱状態にするもののすぐに回復。
T13
 最終第14ターン、至近距離から開陽が甲鉄に2発を命中させるも、ヴァイタルパートを打ち抜けず、損害なし。
T14
 結局、両軍とも有効打がないまま、損害なしで終了。規定により、新政府軍の勝利となりました。
 主力艦同士の仮想戦でしたが、甲鉄の防衛力はイデのバリア並みに強力でした。

 今月のソロプレイ第1弾は、マイブームの幕末維新アイテムから「箱館湾海戦」(WGJ)です。「箱館戦争」(WGJ)に同梱された海戦アイテムで、基本はチットドリブンです。両軍の移動、左舷砲撃、右舷砲撃、回復チットをランダムに引き、それぞれ、実行します。
 移動は移動力分だけ、前進できますが、最大でも2なので、予測はしやすくなっています。旋回は1へクス移動する度に60度回頭ができ、移動しなければ120度まで可能です。ただし、回天や春日といった外輪船は小回りが利かないので、移動後に60度のみの旋回となっています。
 戦闘は砲撃力分のdrをして、ゾロ目あるいは揃い目の分だけ、ヒットするのは、元の「箱館戦争」と同じです。だたし、両軍の主力艦は装甲があり、その分がヒット値から引かれるので、損害を与えることは容易ではありません。代わりにdrを合計し、それが目標の防御力を越えると、混乱になります。混乱状態の船がさらに混乱すると1損害となるので、回復チットのタイミングを見て、有効な砲撃を行うことが重要です。
 このゲームでは、主導権の規定があります。主導権を取った側は、1-3までの指定数のチットをターン始めに獲得し、任意のタイミングで使用できます。敵のチット引くこともありますが、いわゆる「動きを読んだ対応」ができ、有利な攻撃を(あるいは不利な状況からの離脱を)しやすくなっています。
T0
 まずは、シナリオ1「阿波沖海戦」です。これは、鳥羽伏見の戦いの時期に、大阪湾から離脱を図る新政府軍の春日を、幕府軍の最強艦開陽が迎撃するものです。砲力や防御力は開陽が圧倒的していますが、春日には主導権2(チット2枚を任意で使用できる)があります。
 第1ターン、両軍は砲撃距離(6へクス以内)に入るため、接近をします。
T1
 第2ターン、主導権で幕府軍の回復チットを引いた新政府軍は、すぐにこれを使用して無駄にさせます。これによって、新政府軍が砲戦で有効打を連続して、開陽に損害を与える確率が高くなります。続いてランダムチットは、幕府軍の移動となり、お互いの砲撃距離に入ります。新政府軍は回復チットを適切なタイミングで引けるよう、ここで先に敵に撃たせますが、幸いにして効果なしに。続いて、新政府軍の砲撃となり、混乱状態にできるチャンスでしたが、こちらも当たらず。
T2
 第3ターン、またも主導権で幕府軍の砲撃を引いた新政府軍は、先に撃たせるものの、効果なし。新政府軍の砲撃も残念ながら、当たらず。
T3
 第4ターン、幕府軍の回復チットが無駄になった直後に、新政府軍が砲撃するも、やはり当たらず。と、同様に新政府軍の回復チットが無駄になった直後に、今度は幕府軍が砲撃。これが春日を夾叉し、混乱状態にします。
T4
 第5ターン、回避を図る新政府軍ですが、旋回性能に勝る幕府軍が追いすがり、再び砲撃。5火力でなんと3ヒットとなり、春日の損害は一気に2へ!さらに混乱状態に。
T5
 第6ターン、運は完全に幕府軍にあり、ランダムの第一チットが幕府軍の砲撃。今回は直撃こそなかったものの、春日は混乱から回復する前に、再び、混乱となり、3ダメージ目を受けます。
 結果、3損害で春日を中破させた幕府軍の勝利となりました。主導権は、砲戦力の壁を越えられず。
T6
 

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