歴史・戦史研究「ちはら会」Drei

この会は、主にシミュレーションという手法を用いて、歴史・戦史を楽しもうという、有志の集まりです。興味ある時代をテーマに選び、図上演習(シミュレーションゲーム)を通して、文献研究では得られない「動きのある歴史」を見つめます。 「ちはら会」では、現在、会員を募集しています。年齢や資格等を問わず、興味のある方ならば、どなたでも参加できます。関心のある方は、下記にご連絡ください。 Eアドレス. chiharakai@apost.plala.or.jp (代表.mitsu)

2022年06月

 続いて、moritaさん持ち込みの中世の会戦級「サラディン」(SHAKOS)からアルフスの戦いです。十字軍率いる獅子王リチャードとムスリム軍を率いるサラディンの会戦を描きます。
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 このゲームの凄いところは、会戦級として機動等の要素をバッサリ切り落として、戦闘の駆け引きのみに焦点を当てているところです。確かに当時の戦いでは、布陣が終われば、あとは攻撃・防御の指示と予備の投入くらいしかできないはずで。
 マップには、布陣済みのセットアップエリアがあり、そこに兵力トークンを置いていきます。行動は部隊ごとのカードプレイになります。この時、命令トークンを任意数分、消費して、突撃や戦線維持、射撃、防御などの作戦を実行します。が、命令トークンは常に不足気味で、思うような展開を行いにくく、かつ、戦闘で損害が増えるとあっという間に、命令数が減っていきます。そうなると、オーダーを受け取れない部隊が出てきて、勝手に非統制の突撃を始めたり、潰走(脱走!)してしまうことも。
セットアップ
 今回は、十字軍(mitsu)対イスラム軍(morita)の対戦です。
 第1ターン、両軍はオーダーを満遍なく配って、戦闘を制御します。この状態でサラディン軍は弓による攻撃を仕掛け、drもよく、十字軍に損害を与えます。このままでは、消耗戦に巻き込まれると判断した十字軍は、リチャード率いる本隊を中央右翼のAla隊に突撃させ、戦力を削ります。
T1 獅子王の突撃
 第2ターン、早くもオーダーは不足し始めます。サラディン軍は数を生かした寄せを行い、敵味方に同等の損害を与えます。十字軍はやむなく非統制下の突撃を実施しますが、これが思いのほか上手くいき、サラディン軍の命令数がさらに減ることに。
T2 膨らむ損害
 第3ターン、損害の増加とともに、両軍ともオーダーの絶対数が減少。となると、限られたリソースで何をするか。サラディン軍は寄せを続けて消耗戦を仕掛けますが、2部隊にオーダーが届かず、脱走が発生する事態に。一方の十字軍も非統制下の突撃でさらに損害を増しますが、唯一、統制できるリチャード王の突撃でAla隊に大損害を与えます。
T3 枯渇する命令チット
 第4ターン、敵の退却によって、再び距離をとったリチャード王は、国王自らが先頭に立って、勝負の突撃を実施します。これが見事に成功し、Ala隊は壊滅します。
T4 獅子王、ついに戦線突破
 これが引き金になって、サラディン軍は次々と潰走を開始。逃げ始めるとこれを押しとどめる手はなく、このターンの最後に士気崩壊(命令オーダーの枯渇)が発生。戦場に残った十字軍の勝利となりました。
サラディン軍の崩壊
 いやー、面白かった!原則、機動はなく、戦闘オーダーによる駆け引きのみですが、そのおかげで戦術的思考に没頭でき。かつ、放っておいたら、損害が増加するシステムのため、貴重なオーダーが減ることで、どこにリソースを回すべきか、さらに悩みが深くなり。
また、弓による射撃に優れ、数は多いが融通が利かないサラディン軍と、士気の高さから潰走はしにくくも、放っておくと勝手に突撃を始める(!)十字軍の特徴もよく出ています。
  簡単で、しかも1時間程度で終われるようにデヴェロップされていて、フィギュアならぬトークンもよし。ともすれば、ほぼ意味の少ない機動と兵力の押し合いになる会戦級を、ここまで面白くできるとは!
  このシステムを使えば、戦国時代の合戦級も再現可能。moritaさんは、銀英伝でも行けると考えていましたし、まだまだ、SLGには様々な可能性がありそうです。

 ずっと宣伝していますが、ちはら会謹製の「マルタ島攻防戦:ペデスタル作戦1942」強化月間ということで、茨城会でもプレイしていただこうと持ち込みました。
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 第一戦は、moritaさんとの対戦で、枢軸軍(morita)対連合軍(mitsu)です。序盤、イタリア潜水艦とU205が奇襲に成功するも、戦果なし。第3ターンに、U73がこれまた、奇襲に成功。この雷撃が見事フューリアスを捕らえ、これを撃沈します。直後に「ベローズ作戦」となり、空輸作戦が無駄に。
T3 U73がフューリアス撃沈
 一夜明けた第4ターン、小規模空襲とイタリア潜水艦隊の攻撃は効果なし。ここで、イタリア戦艦隊が出撃。2隻の戦艦が船団に向かいますが、2/3の確率で捕捉できるはずが、惜しくも失敗に。
T4 イタリア戦艦隊、補足できず
 実は、戦艦隊の出撃はギャンブル要素が高く、敵にヒットを与えられるものの、ロドネイ級の反撃でイタリア軍もかなりの損害を受けることが多く、艦隊撃滅の勝利条件的には不利になりがちです。百戦錬磨のmoritaさんが安直に出撃させるはずはなく、後で聞いてみたところ、損害は承知で、艦隊戦で率先してCLAAを沈め、それ以降の空襲を有利に運ぶ作戦だったそうで。これが成功していたら、確かに危なかったかも。
 対空力は落ちませんでしたが、作戦どおり、その後、枢軸軍の空襲が続き、第7ターンにはJU88の攻撃で、空母イーグルが損傷します。
T7 イーグルが損傷
 そのまま、第8ターン、魔の狹水域へ。が、魚雷艇の攻撃は、わずかに4ヒットのみ。が、うち2発はCLAAとCLを撃沈となり、X艦隊の防空力は6火力まで低下します。
 迎えた最終第9ターン、ここで枢軸軍の空襲が続くと危なかったのですが、第1チットのSM79×5の攻撃は幸運にも外れに。そのまま、「戦士の休息」や「マルタ島戦闘機隊」が来て、最終チットに。これは最強のJU87×6に。マルタ島戦闘機と対空砲火で3空軍力を削りますが、3空軍力が急降下爆撃へ。これにより、CL1隻と輸送船1隻が損傷しましたが、マルタ島至近だったこともあり、駆逐艦護衛により無事に到着できました。
T9 最後の空襲
 結果的には、艦隊撃滅条件では3点ほど届かず、船団阻止は失敗となり、連合軍の戦略的勝利となりました。
終了時
 第二戦は、初プレイのにしさんと、インストプレイとなります。陣営は、枢軸軍(mitsu)対連合軍(にし)です。
 序盤、枢軸軍は潜水艦による奇襲攻撃に成功しますが、ああ、魚雷は当たらず。逆に対潜攻撃で撃破されます。
 第2ターンには、連合軍はベローズ作戦を成功させ、盤石の体制を取ります。
T2 ベローズ作戦、成功
 一夜明けて、第5ターン、今度はU73が必殺の雷撃を見舞って、空母インドミタブルを撃沈します。
T5 U73が空母インドミタブルを撃沈
 第6ターン、組織的な空襲が始まりますが、連合軍は航路変更で難を逃れます。
 そして、迎えた第7ターン、敵のCAPや対空警戒を振り切って、シシリア島の枢軸軍攻撃隊が猛爆撃を加えます。これにより、空母ヴィクトリアスが損傷し、イーグルが撃沈となります。この時点で、枢軸軍は艦隊撃滅の勝利条件を満たします。
T7 猛烈な空襲で空母2隻を撃沈破
 魔の狹水域の第8ターン、魚雷艇の攻撃に期待がかかりましたが、激しい防御砲火で7隻が削られ、ヒットはわずかに3隻のみ。
 最終第9ターン、こうなったら、イタリア巡洋艦隊に託すしかない。3枚目のチットで出撃!が、待ち伏せしていたイギリス軍第10潜水艦隊に、重巡ザーラが損害を受けます。これに怯えたイタリア海軍指揮官は早々に撤退を決定し、敵は捕捉できず。その後、2つの空襲とチットで、輸送船団を攻撃するも、マルタ島戦闘機隊に阻まれ、輸送船5隻を沈めるのがやっと。ここでゲーム終了。
T9終了時
 結果的には、枢軸軍が艦隊撃滅に成功したものの、船団阻止には失敗したため、引き分けになりました。
 いやはや、両軍にとって、もしやという展開までは行きますが、史実どおり、勝ち切るのは、ともにギリギリになっています(そこまでバランスを取れるように、当時、テストプレイと改良をしているので、ある意味、当たり前かな~)。
 超マイナーテーマで二度と再販はないでしょうから(笑い)、ちはら会に来ていただければ(または千葉会か茨城会へ遠征の際でも)お声かけいただければ、お相手しますね。

 梅雨前線が北上したため、関東も猛烈な暑さになった土曜日、灼熱の茨城会へ行ってきました。コロナ禍が続き、実に半年ぶりの参戦でしたが、とにかく暑い。「将門記」つながりで筑波山西麓の歴史ツアーも考えていましたが、「命に関わる危険な暑さ」ということで、断念。ふつーに、みなさんと一日、盤上再現で楽しんできました。
 この日は10時くらいに着いたのですが、会場はここから人数が増えて、実に活気があり。
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 この日のメインだった「日本機動部隊」(CMJ)のブラインド審判プレイ。takobaさんが監修した特別ルールで、こまいふさん(アメリカ軍)と長門さん(日本軍)が対戦していました。結果は、最後まで探知されなかった蒼龍・飛龍隊が、アメリカ海軍を撃破して、勝利したそうです。
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 審判のstr会長は、その後、「EWE大坂夏の陣」(エポック)を対戦。発売以来、およそ40年経ちますが、電池を入れれば「こいつ、動くぞ」状態に。
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 sinyamagさんら4人組は、「トワイライト・インペリウム」を。マップも大きく、コンポが異様に豪華でして、まさかに大人のSFゲームといった趣です。
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 moritaさんと水戸爺さんは、大西洋で海水浴か?!「Victory at Sea」(CMJ)。
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 自分がこの日に対戦したアイテムと戦績は、以下の通りです。

マルタ島攻防戦:ペデスタル作戦1942(Bonsai Games)2戦
 ★枢軸軍(morita)対連合軍(mitsu)☆
     枢軸軍(mitsu)対連合軍(にし)引き分け
サラディン(SHAKOS) ☆十字軍(mitsu)対イスラム軍(morita)★
パタパタくるりん(オリジナル)2戦
 ザビ家編 ☆ガルマ(こまいふ)・ドズル(morita)・キシリア(mitsu)
 連邦軍パイロット編 ☆カイ(NPC!)・アムロ(mitsu)・ハヤト(BIBI)・スレッガー(にし)
HIDDEN LEADERS(アークライト) ☆BIBI・にし・mitsu
 テラフォーミング・マーズ アレス・エクスペディション(アークライト)
 ☆トールゲート(mitsu)・タルシス共和国(BIBI)・シネマティクス(にし)
いそいでかえる(同人) ☆山崎・mitsu・BIBI・str

 久しぶりに、茨城会の皆さんにお目にかかれ、がっつりプレイに、与太話に花を咲かせ、実に楽しい一日でした。これからも、どうぞ、よろしくです。

 関東では梅雨本番の6月ですが、沖縄では早くも明けそうな気配だとか。明けると一気に暑くなりますが、梅雨明け十日の天候は登山にはもってこい。早く、夏来い!7月例会のお知らせです。
 なお、感染予防対策は継続中ですので、マスク着用や静かなプレイをお願いします。


[日時]7月2日(土)10:00-20:00 
[会場]おゆみ野公民館 第2会議室

[住所]千葉市緑区おゆみ野中央2丁目7-6
[アクセス]
 京成電鉄千原線「学園前駅」または「おゆみ野駅」から徒歩10分
 または、JR鎌取駅発小湊鉄道バスでおゆみ野中央二丁目バス停降り、徒歩1分(20~30分おき)
[参加費]無料
[持ち物]ゲームとゆとりと常識

 今回も持ち込み予定の「ペデスタル作戦」。

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 ヤフオクでポチってしまった「ガニメデ戦記」(さとーふぁみりあ)。トランプの「ブラックジャック」をモチーフにしたB級戦闘級で、2人の協力プレイや3人戦もできます。
ガニメデ戦記
 無料の第1話を見て、思い立って作ってしまった「ターンAガンガム パタパタくるりん」。「核を使います!」とか「ユニバース!」とか脳内にあふれまくっています。 
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 最後に次回以降の予定を。早く、コロナが完全終熄しますように。
  8月7日(日)10:00-20:00 おゆみ野公民館:第2講習室
  9月3日(土)10:00-20:00 おゆみ野公民館:第2講習室

 この日、最後にプレイしたのが「ウルトラマン」(バンダイ)でした。自宅オフ会でTommyさんと対戦していて、その続きになります。我々にはこのテーマは遺伝子レベルで染みついていて、名前を聞いただけで、名シーンが浮かぶくらい。次は「シーボーズですね」というと、怪獣のフィギュアを探し出すのが早いこと、早いこと(笑い)。やっぱり世代ですね~。
 陣営は、ウルトラマン・科特隊をmitsuが、怪獣・宇宙人をTommyさんが担当します。
 第一戦は、「第18話:遊星から来た兄弟」です。ゼブラ星人が偽ウルトラマンになって東京を破壊するというものです。ハヤタはゼブラ星人に捕らえられており、dr6が出ないと行動できません(変身も)。また、科特隊もdr5-6が出ないと、ゼブラ星人を攻撃できません。 
スタート
 序盤、ウルトラマンに化けたゼブラ星人は、都市と住宅街を動き回り、次々と建物を破壊していきます。科特隊は正義の味方の破壊行動に戸惑い、有効な攻撃ができず。それでも現場の判断で「ウルトラマンといえども・・・」と少数部隊で阻止攻撃をかけ、少しずつ敵の体力を削っていきます。  
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 ともに怪獣退治に力を尽くしてきた科特隊隊員は、銃を向けることに戸惑いがあり。「どうしてなんだ!」と叫ぶイデ隊員でしたが、偽ウルトラマンはこれを狙って蹂躙攻撃。建物ごとイデ隊員は殉職します。
イデ隊員が犠牲に・・・
 さらに偽ウルトラマンは、攻撃力の高いアラシ隊員に目を付け、これも蹂躙。「目を覚ましてくれ・・・」を最後にアラシ隊員も殉職します。
 怒り心頭の科特隊は、ついに攻撃を決意。ビートルや戦車の攻撃で、偽ウルトラマンに連続してヒットを与えます。すると、体力の低下したザラブ星人が正体を現します。
ついに正体を現す
 ザラブ星人は、もはや憚ることなく悪の本性を発揮して、毒ガスを吐きまくり、科特隊にダメージを与えます。
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 が、ここで、ついにハヤタが解放され、ウルトラマンに。にっくき敵にスペシウム光線を放ち、一撃でザラブ星人を撃破して、苦い勝利となりました。
毒ガスを吐きまくるも、ウルトラマンが瞬殺
 第二戦は、「第26・27話:怪獣殿下」です。睡眠状態で運搬中のゴモラが、途中で目覚め、暴れ出すというシチュエーションです。
運搬中のゴモラ
 開始後、早々に空輸の揺れに気付いたゴモラが覚醒します。ビートルに繋がれたワイヤーを切断すると、地上に降り立ちます。
科特隊本部近くで覚醒
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 科特隊は急ぎ迎撃態勢を取りますが、攻撃のため、接近していたイデ隊員とアラシ隊員が蹂躙攻撃を受け、負傷します。
 mitsuはハヤタをビートルで突っこませるものの、drに恵まれず、変身ならず。
ウルトラマンはまだか・・必死の防衛線
 その間も「怪獣殿下」は暴れまくり、科特隊基地を破壊していきます。
 このままではと思われたところで、ウルトラマンが登場。ゴモラと格闘戦を繰り広げ、体力を削っていきます。
ウルトラマン、登場
 ゴモラは地中への逃走を図りますが、ウルトラマンに阻止され、敵わず。最後は、ウルトラマンのキックを受け、息を引き取りました。
格闘の末、S光線で
 第三戦はシーボーズが登場する「第35話:宇宙墓場」です。このシナリオでは史実(番組)を反映して、一風変わったルールが。シーボーズは臆病なため、自ら科特隊に接近できず。科特隊とウルトラマンもシーボーズを宇宙墓場に戻す作戦のため、攻撃はできるますが、撃破してしまうと敗北(!)に。かわりに遠巻きに囲んで、ロケットのあるエリア4に追い込む作戦になります。 
スタート
 序盤、シーボーズは、時間稼ぎに山間部へ向かいます。科特隊はこれを追いかけ、包囲網をじわじわ広げます。
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一端、山間部へ
 途中、ウルトラマンが登場し、科特隊とともにシーボーズを徐々にエリア4に向けます。が、あまりに時間がかかりすぎたため、ウルトラマンが一端、ハヤタに戻ってしまいます。
ウルトラマンが時間切れ
 それでも、科特隊が包囲網を緩めなかったため、シーボーズは逃げ場を失い。最後は、無言の圧力を受けて、エリア4に後退し、ロケットに乗って宇宙墓場へ旅立ちました。
通常戦力で追い込み成功
 簡単なルールながら、ツボを押さえた演出で、「ウルトラマン」の世界が再現されていて。勝率的には科特隊が圧倒的で(そりゃ、そうだ)、いまだ、グビラによる勝利しかありませんが、残り4シナリオも楽しみたいと思います。
 なお、怪獣の攻撃でウルトラマンがヒットが受けたケースが明確化されていないので、次回以降、以下の解釈でいってみようかと。
*ヒット数分、ウルトラマンの戦闘力が低下する。戦闘力が0になると、一端、ハヤタに戻る。

 続いて「GUNDAM THE GAME 哀・戦士編」(アークライト)ジャブローシナリオをプレイしました。担当は、カイ(BIBI)・アムロ(kawa)・ハヤト(Tommy)・セイラ(mitsu)です。前回、一度、プレイしたのですが、あまりにも敵MSが多すぎて、敗北。今回は、MSのヒット値を増やせるよう、訓練を多くしてみます。
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 前半は、ほぼ予定どおりに展開。ただし、訓練が多くなった分、ゆっくりめになり。ミハルの活用は上手くいったものの、時間ギリギリでジャブロー戦に。
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 痛かったのは、プレイの順番により、カイがダメージボーナスを上げたガンキャノンに乗れず。それでも、効率的に敵を待ち伏せして、損害を与えますが・・・ゾックとグフ、ゴックを各1機撃破したところで、時間切れ。ああ、シャア専用ズゴックさえ、現れずに終了とは。
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 う~ん、ほんとにクリアできるんでしょうか?!こうなったら、ソロプレイ(!)で最善手を考えてみます。

 続いて、kawaさんと対戦したのが「将門記」(WGJ) です。これも太平記システムを用いた戦役級で、在地ボックス以外に逃げ込める山沼があるのが特徴です(戦闘結果による)。ここに逃走した武将は間道を伝って隣国に行き、敵がいないところに出現ができます。逆に、敵のいる国に止まると山狩りを受けます(1回のみの一方的な戦闘)。陣営は、下総平氏(kawa)対常陸平氏(mitsu)です。
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 第1ターン、史実どおり、将門が常陸を襲い、叔父の国香、源護を敗走させます。が、ここの支配はならず。
T1 将門、常陸を襲撃
 第2ターン、平将門は敵主力を追って、下野へ。平良正は堪らず、上野へ逃げます。ここには、平貞盛が出陣していたため、戦力を補充します。が、将門はやはり、下野の支配には失敗します。
 この時、叔父の国香は武蔵に侵攻しますが、在野武将を口説けず、敗走して相模へ行きます。
T2
 第3ターン、なおも負けなしの将門は、敵の本拠となっている上野へ。従兄弟に当たる貞盛と激戦になりますが、将門の攻撃力は突出していて、貞盛勢は全滅。貞盛は、這々の体で赤城山に逃げ込みます。
T3 上野決戦
 第4ターン、ここで主導権は常陸平氏へ、しかも、主権数は2に。こうなると、将門は1回のみしか動けず、次回に向けて、主力を武蔵に集結します。これを見て、常陸平氏は貞盛を下野に潜伏移動させ、そこで出陣させます。ここを支配して、下野・相模・上総を固め、兵を養います。
T4 常陸平氏、各地で盛り返し
 第5ターン、主導権を取り返した下総平氏は、平真樹と真頼の連合軍を相模に向けます。対する平国香は、真頼の調略を行い、見事に成功!これにより兵力差を逆転した常陸平氏が勝利します。
 また、平貞盛は敵のいなくなった上野に舞い戻り、ここの支配を奪還します。
 思うように支配国が広がらず、武蔵・下総に押し込められた下総源氏に対し、常陸平氏は周辺の支配を進めたため、VPは常陸源氏2点と逆転します。
T5
 第6ターン、兵力補充がなった常陸源氏は、勝負に出ます。相模から平国香・真樹連合軍が北上し、北からは平貞盛が南下し、武蔵に集結します。迎え撃つは、平氏の棟梁平将門。兵力差は2倍ですが、将門の戦術能力は飛び抜けており(ヒット値は3倍)、相当の激戦が予想されましたが・・・序盤に、国香が5ヒットという空前の戦果を上げます。これにより、将門勢は敗走し、将門は下総に逃げ帰ります。
T6 武蔵決戦は・・・
 この勝利で、常陸源氏のVPは12点まで高まります。
 第7ターン、本拠以外の支配地域を失った下総源氏は、ここで新皇宣言を行います。将門の戦術値はさらに上昇して4となり、他の部将も全て1戦力の補充を実施します。対する常陸平氏も、貞盛の能力が上昇し、全ての在地武将が営所に入ります。
 兵力を補充した下総源氏は、上総の支配を奪うべく、武柴武蔵と平将文を上総に向けます。これを見て、勢いに乗る常陸源氏は、平貞盛・国香親子で、敵の本拠下総へ。
T7 国香・貞盛親子が下総へ
 まず、上総会戦が行われ、戦術能力の高い平将文を、数の力を生かした平良兼が撃破し、これを全滅させます。
 続いて、絶対に負けられない下総決戦でしたが、朝廷から討伐令を受けた平貞盛が、数の力で将門を圧倒。相当に消耗しながらも、新皇将門を撃破します。将門勢は四散し、将門は飯沼に潜伏します。この連戦により、下総源氏の支配国は零に。
T7 下総源氏の支配がなくなる
 第8ターン、再起を目指す下総源氏ですが、イニシアチブ数が少なく、思うように機動できず。上総の清澄山に逃げた将門でしたが、平良兼の山狩りに遭い、またも敗走。その途中であっけなく命を落とし、ゲームセット。終わってみれば、史実同様の常陸源氏の圧勝となりました。
T8 将門、討ち死に
 振り返ると、序盤に下総源氏の身分の低さが祟って支配国が広がらなかったこと、中盤の相模会戦で平真樹が常陸平氏に寝返ったこと、そして、武蔵決戦で将門が敗れたことがポイントでした。これが逆だったら、常陸平氏の目はなかったかも。
 ともあれ、関東ご当地アイテムなので、今度はぜひ、茨城会のみなさんとやってみたいな~。連休があったら、激戦地の筑波山西麓巡りを兼ねて・・・。

 この日の目玉は、ちはら会謹製で初商業出版なった「マルタ島攻防戦-ペデスタル作戦1942」(Bonsai Games)です。詳しくは、こちらをご覧ください。
 第一戦は、最近、ちはら会に参加いただいている新人のfhoさんと。史実を反映してバランス的にはやや不利ですが選択肢が多い枢軸軍をfhoさんが、耐え忍ぶ連合軍をmitsuが担当します。
 第1ターン、いきなり、U73が奇襲に成功し、空母を狙います。5/6の確率で撃破だったんですが、ああ、まさかのdr1で失敗。反撃の対潜攻撃で、U73は撃沈されます。
T1 U73が雷撃失敗で撃沈さる
 その後も、潜水艦と弱めの空襲が続きますが、連合軍の防御の前に、損害なし。
中盤まで、損害なし
 中盤に入り、シシリー島の航空機も加わり、船団を空襲します。第5ターンに、空母イーグルが被弾し、損傷。駆逐艦の護衛により、ジブラルタルにたどりつきます。ここまで、幾度か、攻撃を受けるもdrに恵まれ、輸送船に損害なし。
T7 イーグルが損害を受けながらも、狹水域へ
 第8ターン、魔の狹水域の魚雷艇攻撃では、ほぼ期待値どおりの7ヒットに。輸送船3隻が被雷しますが、うち、1隻がオハイオ。ラッキー・オハイオのルールで5/6の確率で無事なはずだったんですが・・・ああ、オハイオ沈没!この瞬間、枢軸軍は「船団阻止」の条件を満たします。これじゃ、アンラッキー・オハイオだぁ(泣き)。
T8 オハイオにピンポイントで命中!
 明けて、最終第9ターン、オハイオを失って士気低下する船団を、枢軸軍の海空兵力が襲います。連合軍もマルタ島戦闘機隊やカリブディス隊(増援)で対抗し、なんとか、空襲を払いのけます。
 が、最後のチットが「イタリア巡洋艦隊」。タラント沖で網を張っていた第10潜水艦隊が重巡1隻を雷撃で撃退しますが、残りの主力艦は1/6の接触確率を突破して、水上戦へ。しかも、ラウンド数は11!(その確率はわずかに1.4%だったのに)
T9 最後の最後に、イタリア巡洋艦隊!
 X艦隊は決死の防戦をしますが、重巡対軽巡では勝ち目はなく、護衛艦はほぼ全滅します。船団にまで到達したイタリア海軍は、一方的な屠殺で輸送船を沈めまくり。結果、損傷したわずか4隻がマルタに辿り着いたのみでした。
 最後に、勝利条件を確認したところ、
 船団阻止:成功 マルタ島到達の輸送船4隻(オハイオは届かず)
 艦隊撃滅:失敗 差し引き2点
で、規定上は引き分けでした。守るべきX艦隊が壊滅したことを考えると、実質的に連合軍の負けでしょうね。得意のインスト負け(?)でした。
 第二戦は、このゲームのリサーチをしてくれた海軍提督kawaさんと。枢軸軍をkawaさんが、連合軍をmitsuが担当します。
 序盤、やたらと「戦士の休息」が来て、イタリア軍潜水艦の襲撃はあったものの、損害なく、一日目を終えます。
T3
 ゲームが動いたのは、第5ターンでした。U205が奇襲に成功し、空母ヒューリアスを撃沈します。直後にベローズ作戦が来たので、これは無駄に。
 第6ターン、SM79の空襲の後、イタリア戦艦隊が出撃します。奇跡的に3隻の戦艦が出撃(確率はわずかに0.8%!今日のイタリア海軍は一体、どうなっている?!)。第10潜水艦隊に1隻が損傷させられるも、2隻の戦艦と重巡以下が水上戦に突入します。が、ラウンド数はわずかに5だったため、お互いに1隻ずつの戦艦が損傷し、数隻の軽巡が沈没します。
T6 イタリア戦艦隊、出撃
 第7ターン、損傷艦の護衛のため、対空力が落ちた艦隊に、ドイツ軍が猛烈な急襲をかけます。CAPと対空警戒にもかかわらず、JU87の10戦力とJU88の3戦力が爆撃を行い、空母ヴィクトリアスとイーグルを撃沈してしまいます(!)。
T7 ヴィクトリアス撃沈
 ここで、Z艦隊は船団に別れを告げ、撤退。第8ターン、闇夜の狹水域で、魚雷艇が船団に忍び寄ります。海面はあまりに暗く、接近に気づかず、防御射撃で撃沈できたMASはわずかに3隻のみ。20隻の魚雷艇が決死の雷撃を行い、なんと船団の10隻を沈めてしまいます。が、幸いなことに、この中にオハイオはなし。
T8 狹水域は10ヒット!
 最終第9ターン、後3隻の輸送船が沈むと、連合軍に勝ち目はなくなります。わずか3対空力に落ちた船団を、枢軸軍爆撃機が襲いますが、主力は2日目に出撃済みだったため、マルタ島戦闘機隊に蹴散らされます。そして、ここで航路変更!無事に7隻の輸送船がマルタ島に辿り着き、枢軸軍は船団阻止に失敗します。
T9 航路変更で終了
 最後に、勝利条件を確認したところ、
 船団阻止:失敗 マルタ島到達の輸送船7隻(オハイオを含む)
 艦隊撃滅:成功 差し引き19点
で、規定上は引き分けでした。連合軍は史実の数倍の損害を受けましたが、肝心の輸送作戦に成功しました。ただ、空母3隻を失い、1隻を中破されたこともあり、今後の地中海の作戦行動には、かなり苦労すると考えられます。イタリア海軍も戦艦1隻が沈没し、2隻が損傷したことで、多分、大戦中は二度と出撃しないかも。
 この日は、これ以外にも、ベテランいのさんとmoritaさんが復帰記念(?)の二連戦を行い。「なんど、ここで潜水艦が!」とか「どうして、空襲が当たらない?!」とか、戦闘drに一喜一憂でした。
R3
R3-2
 プレイ時間は水上戦を入れても1時間程度で、双方に良し悪しが出たため、大いに盛り上がりました。しばらく、いろいろなところに持ち込みますので、いつでも声をかけてくださいませ。

 この日の緒戦は、シンプルなファミリー系アイテムの「Merchant Guild」(Game Link)です。「Game Link」という雑誌に載った付録で中世の町の建設を描いていますが、プレイ時間30分とお手頃です。詳しくは、こちらをご覧ください。
 プレイヤーは、タナック・morita・fho・mitsuの4人です。
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 序盤、各陣営は得点の多い紫の建築物を作ります。mitsuとmoritaは建設に資材を削減できる大工ギルドを手に入れ、それでもって手番を増やせる教会を建てます。fhoさんは商人ギルドで手下を増やして、資源の確保に。
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 タナックさんは、手札を増やせる水車小屋を2つも建設。すると、やたらとボーナスカードを集め始め・・・そうか、寄付カード狙いか!
 結局、大量9枚のカード話詰めたタナックさんが20点を獲得し、勝利しました。
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 続けて、第二戦も同じメンバーで。先のプレイがVPは低いが特典が多い紫建物に集中した反省から、前陣営とも市場とか商店とかそれなりのVP建物を建設していきます。
 と、二番街の最後に、タナックさんが城門(6VP)を建築!すると、またもや寄付狙いのボーナスカード集めに。
 ここで、mitsuは貿易で資源を集められる貯蔵庫を建設していたため、手が空いた手下を使って、金山を抑えます。4番手という順を利用して最後に市場を建て、ゲーム終了。
 VP計算をしたところ、mitsu19点、タナックさん20点で、鼻の差でタナックさんが連勝しました。 
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 その後も、BIBI・エンジョウ・Tommy3人トリオで、2戦が行われ、ドイツ系に強いBIBIさんが連勝したそうです。
R3-4
 付録だけあってコンポの切り離しの準備はありますが、十分に楽しめました。短時間で終わり、かつ、様々な開発プランが取れるので、また、やってみたいと思えます。

 6月半ばの土曜日に、いつもの常連5人に、fhoさん、遠路はるばるとタナックさんらとともに、第204回ちはら会を開催しました。いつもよりやや多めでよかったなと思っていたところ、なんと10年近くのブランクを越えて、moritaさんといのさんも参加!転勤の多い職の宿命ですが、今年、関東圏に戻ってきたとのことで、県境を越えての行軍でした。お二人とも、お帰りなさい!!以前よりは遠くなってしまいましたが、これからもぜひ。
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 マルチが多かったにもかかわらず、対戦数はのべ20戦!楽しくプレイできたアイテムと戦績は、以下の通りです。

群雄割拠:三国志(CMJ) ☆タナック・BIB・kawaI・エンジョウ
将門記(WGJ) ★下総平氏(kawa)対常陸平氏(mitsu)☆
薔薇戦争(CMJ) ☆ヨーク家(タナック)対ランカスター家(エンジョウ)★ 
太平洋戦争:決戦!連合艦隊(Bonsai Games) ☆連合軍(morita)対日本軍(いの)★
マルタ島攻防戦-ペデスタル作戦1942(Bonsai Games)4戦
  連合軍(mitsu)対枢軸軍(fho)引き分け(連合軍の実質的な負け)
 ☆連合軍(morita)対枢軸軍(いの)★
  連合軍対(いの)枢軸軍(morita)引き分け
  連合軍(mitsu)対枢軸軍(kawa)引き分け
Merchant Guild(Game Link)4戦
 ☆タナック・エンジョウ・fho・mitsu
 ☆タナック・mitsu・エンジョウ・fho
 ☆BIBI・エンジョウ・Tommy
 ☆BIBI・Tommy・エンジョウ
TINYforming Mars(同人) ☆エンジョウ対BIBI
テラフォーミング・マーズ アレス・エクスペディション(アークライト)
  ☆国連(BIBI)・ヘリオン(エンジョウ)・サターンシステム(morita)・採掘ギルド(kawa)
ウルトラマン(バンダイ)
 第18話:遊星から来た兄弟 ☆ウルトラマン・科特隊(mitsu)対ザラブ星人(Tommy)★
 第26・27話:怪獣殿下 ☆ウルトラマン・科特隊(mitsu)対ゴモラ(Tommy)★
 第35話:宇宙墓場 ☆ウルトラマン・科特隊(mitsu)対シーボーズ(Tommy)★
GUNDAM THE GAME 哀・戦士編(アークライト)ジャブローシナリオ
 ★連邦軍敗北 カイ(BIBI)・アムロ(kawa)・ハヤト(Tommy)・セイラ(mitsu)
いそいでかえる(ダイソー)2戦
 ☆BIBI ・エンジョウ・Tommy
  ☆ エンジョウ・BIBI・Tommy 

 こちらは、moritaさんが持ち込んだ自衛隊の部内新聞「朝雲」。最近のウクライナ情勢等も載っており。ちょっと表に出てこないような裏話も。
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 写真はありませんが、タナックさんがインストして「群雄割拠:三国志」(CMJ)と「薔薇戦争」(CMJ)をプレイしていました。元が「History of the World」、「太平記」となじみのあるシステムなので、それぞれ、楽しめたようで。戦績は、所有者の強みを生かし(?)タナックさんが勝利していました。
群雄割拠:三国志
 もう一つの「太平記」システムが、「太平洋戦争-決戦!連合艦隊」(Bonsai Games)」です。第二次世界大戦の将軍を核とした異色の戦略級で、こちらは連合軍(morita)が日本軍(いの)を寄り切っていました。
決戦!太平洋戦争
 後半にBIBIさん・エンジョウさん・Tommyさんの3人でプレイされていた「いそいでかえる」(ダイソー)。いわゆるダイソーゲームシリーズで、変わり種すごろくで。跳んでいく先の蓮の葉で、プレイヤーのかえるが重なるとひっくり返ってしまい。かなりランダム性の高い(混沌とした)ゲーム展開になるそうです。
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 SFならば、やっぱりちはら会定番のテラフォーミング・シリーズで。序盤に人数が集まるまでとBIBIさんとエンジョウさんが「TINYforming Mars」を対戦。
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 終盤はこれで締めと「テラフォーミング・マーズ アレス・エクスペディション」(アークライト)をBIBI・エンジョウ・kawa・moritaの4名で対戦していました。
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 今月のソロプレイ第2弾は、「風雲児将門」(str誌付録)です。下総の桓武天皇の後胤-平将門のデビュー戦で、常陸に勢力を持つ源護一族と叔父である平国香を撃破した戦いです。軍事衝突に至った原因については、将門の女房を巡ったトラブルだとか、亡き父の所領を奪った叔父達への復讐だとか、その複合だとか、これまで諸説がありました。最新の説では、筑波山麓が奥羽への主要街道及び交易拠点だったことから、それを取り返そうとした争いだったのではと、いわれています。
 史実としては、常陸に向かった平将門本隊を、源扶、繁、隆の三兄弟が待ち伏せ。将門も奇襲を受けて混乱になるも、猛烈な反撃に転じ、三兄弟を討ち取ります。その後、援軍に駆けつけた源裏と叔父の平国香も討ち取って、筑波山麓の敵の拠点を焼き払って、拠点に帰還します。
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 デザイナーは、自らBQデザイナーと名乗る田村氏。当時は、テストプレイの相手がなく、「ソロデザイナー」で頑張ったそうで。システムは両軍のダブルインパルスで、戦闘は火力の基づいたダメージ判定と防御レベルの適用というファイヤーパワーです。事前にソロ演習してみましたが、このゲームでも、源扶、繁、隆の三兄弟の奇襲に始まります。史実どおりの対応をすると、史実どおり、源勢と平国香勢が各個撃破に合います(再現性は高い)。ただし、2d6の戦闘の振れ幅が大きいので、将門勢も相当の損害を受ける可能性があり、VP上で敗北することもあり得ますが・・・。
 源護側としては、各個撃破を避けるため、以下のような作戦を取ることにしました。第1ターンの強制攻撃ではあえて、将門を狙わず、伴類(雑兵)を叩いて、敵打撃力の減少を狙う(将門を攻撃するとVPが入るが、これはデザイナーの罠-あるいは史実の再現ルールで、反撃で酷い目に遭います)。その後、拠点に籠もってハリネズミの陣で時間を稼ぎながら(敵に出血をさせながら)、可能な限りの兵力を山岳や羽鳥(ともに将門勢のZOCが及ばず、攻撃できない)に待避させ、機を見て機動反撃に転ずる。ゲーム終了時に生き残ったユニットが得点になるので、VP上の勝利を狙う。
 この指針に沿って、セットアップでは伴類狙いの配置にします。
 第1ターン、第1/第2フェイズとも伴類を攻撃し、1ユニットをステップロスをさせ、2ユニットを撃滅します(これで10VP) 。源の三兄弟の損害は少なくはないものの、一気に崩壊するレベルには至りません。
T1 源三兄弟の猛攻
T1 伴類2ユニットの損害
 第2ターン、将門が反撃に転じます。まず、西側を封鎖していた3ユニットのスタックを集中攻撃し、一撃でこれを殲滅します。そのまま、外周の伴類スタックを包囲攻撃し、瞬く間に合わせて2スタック(6ユニット)を撃滅します。ただし、将門勢はいくら雑兵を撃破してもVPにはなりません(拠点の奪取及び武将の討ち取り、突破が得点源)。
T2平 西側の伴類を殲滅
T2平2 外周の伴類も一撃で殲滅
 源の三兄弟は、拠点の大串に繁がハリネズミの陣を引き、残りは小貝川方面へ後退します。第二次移動のdrもよく(移動力は、1d6から武将の指揮能力を引いた値)、小貝川の西岸に待避することに成功します。
T2源
 第3ターン、将門は敵の拠点-大串を攻めますが、42火力を集めたにもかかわらず、わずかに3ダメージのみ。源繁の反撃は鮮烈を極め、将門軍を2ステップロスさせます。 二次攻撃もかけましたが、ヒット値は3と低調で伴類のみが討ち取られます。が、源側はちょうど回復期に当たったため(3の倍数のターンエンド)、結果的に2打撃が無効になりました。
T3
 続く第4ターンも、将門軍は大串に強襲を繰り返しますが、drが酷すぎて、二回の攻撃でも大串が陥落せず。逆に反撃のdrが冴えまくり、なんと敵のヒットを上回る大損害を将門軍に与えます(将門以外が全てステップロス!)
T4平 大串攻めも苦戦
  これを見た源軍は一度、小貝川を渡河した隆隊を再渡河させ、大串を包囲している敵の伴類に包囲攻撃をかけます。これが見事に成功し、将門軍は雑兵2ユニットを失う羽目に(累積で、半数弱の4ユニットを喪失)。
T4源 反撃で平の伴類を殲滅
T4
 第5ターン、将門軍は増援の平将頼隊も投入し、やっとのことで大串を占領します。が、ここまでの猛烈な抵抗で、将門軍は貴重な時間と兵力を磨り減らしてしまっています。唯一、別働隊で機動した平真樹隊が小貝川渡河で、VPを稼いだのが朗報か。
 源護側は、各個撃破を防ぐため、野本-石田の防衛ラインに、一時的に部隊を集結させます。
 第6ターン、遅れに遅れた将門本隊が小貝川を渡河して、追撃態勢に入ります。源護側はこれならばと、生き残った源二兄弟を最大の拠点-真壁に向けて後退させます。また、源氏軍最強の源裏は、西端の砦取木の防衛に。
T6 裏、三兄弟は後方へ
 第7ターン、遅まきながら将門本隊は、野本-石田の防衛ラインに攻撃をかけます。ここではdrが嘘のように回復し、敵の伴類を一撃で崩壊させます。が、同時に攻撃をかけた平真樹軍はわずか1ダメージしか与えられず、反撃でそれを上回る2ダメージを受けてしまいます。
 源護側は行動制限の解除された平国香を逃がすべく、雑兵が盾になって足止めを試みます。
 第8ターン、「憎き叔父どもを逃がすな!」将門の咆哮で士気の上がった平軍は、一撃で足止め部隊を粉砕(7ダメージ)。そのまま、拠点石田を強襲し、打撃を与えます。
T8 石田に襲いかかる将門軍
 この隙に国香本隊は、筑波山に向かってひた走ります。
T8 国香、後退
 第9ターン、石田を滅ぼした将門軍は強行軍で、桜川を渡河。そのまま、二次攻撃で国香本隊に強襲をかけます。勢いに乗る将門軍の攻撃は凄まじく、本隊を守っていた伴類は全滅しますが、国香自身はどうにか筑波山塊に逃げ込むことに成功します。
T9 石田を落とすも、国香は山塊へ
 第10ターン、進撃の遅れから得点となる敵武将を1名しか討ち取れず、かつ、残りの武将は完全に防御態勢を取られた将門は焦ります。こうなれば急襲しかないと、筑波山沿いに北上した将門隊は、得意の機動力を生かして(移動drが6)、真壁郊外に陣を引いていた源隆隊を強襲し、それを半壊させます。が、源側の反撃も強烈で、将門本隊が2ステップロスを受けます。
T10 将門、電撃的に扶を襲うが・・・
 飛んで火に入る夏の虫、とばかりに、源側は反撃に転じます。安全地帯の羽鳥にいた源護が出撃し、消耗した敵雑兵1ユニットを討ち取ります。同時に真壁からは扶・隆の兄弟が将頼隊へと攻撃をかけ、なんと4ダメージを与えます。護衛のいなくなった平将頼は第二次攻撃をまともに受け、戦死!
 この時点で獲得VPは、40点以上の差が付き、実質上の勝負は付きました。
T10 隆、扶の猛反撃で・・・
 第11ターン以降は、源軍による掃討戦になります。重囲に陥った将門本隊と真樹軍に、扶・隆の兄弟と護隊が攻撃をかけましたが・・・ここで、将門軍が意地を見せ、ダメージを受けながらも敵に3倍の損害を与えます。
T11 平勢、重囲に陥る
 第12ターン、これに怯んだ源軍が後方予備との合流を目指すと、包囲網の間隙を縫って、真樹軍が南西に、将門本隊が西へと撤退を開始します。 
T12 将門、脱出を図るが・・・
 第13ターン、取木から東進していた源裏は将門を追い、桜川で一度は包囲下にします。が、ここは将門が超人的なパワーで包囲環を食い破り、取木方面へ。
T13 脱出路を開く
 第14ターン、しかしながら、源裏が執拗に追撃戦を行い、ついに伴類を失って、将門のみに。
 最終第15ターン、将門はなんとか西端に辿り着きましたが、突破可能なへクスは裏の軍勢が犇めいています。奇跡を信じて、将門は強引に攻撃を仕掛け、敵を損耗させますが、自らも退却不能でステップロスに。
 そして、最後は敵に打撃を与えながらも、二度目の退却不能で壊滅。東方の騒乱を起こした平将門、死す!重囲を抜けた平真樹軍が救援に向かっていただけに、惜しい戦死でした。
終了時
  今回は将門軍の序盤の損失が、後の展開に大きく影響しました。大串攻めが失敗し、攻撃力が大きく減少す、それが、時間の遅れを生むという悪循環に。
 それでもdrが冴える瞬間もあり、平国香や扶を補足できそうな所まで行きましたが、結果的には取り逃がし。
 敵の重囲に陥ってこれで仕舞いかと追い込まれながらも、猛烈な突撃で退路を切り開き、脱出。が、最後は脱出寸前に自らの攻撃失敗で命を落とすという、劇的な展開になったのが救いか・・・。
 いずれにしろ、このソロプレイで戦国以前の日本史アイテムジャンルのプレイ率が、5割に復帰しました。詳しくは、こちらをご覧ください。

 今月のソロプレイは、「将門記」(CMJ)です。その名の通り、平将門の乱を描く戦役級で、基本システムは「太平記」(旧GJ)です。
T0
 手順は、主導権決定-行軍-戦闘-山狩-支配-武将出陣-得点と、「太平記」システムのオーソドックスですが、山狩がオリジナルになっています。
 このゲームでは戦闘に敗れると、本拠地に戻ることとは別に、各エリアにある山や沼に逃げ込むことがあります(討ち取りチェックの結果)。板東に多かった湖水や低山地の特徴を表す、潜伏です。潜伏中のユニットは、敵軍勢がいない地域に現れたり、他国の山沼を逃げ廻ることもできますが、その国の地域に敵軍がいると山狩を受けます(一方的な1回のみの攻撃)。
 また、武将出陣で自陣営の営所(本拠地)にいる武将が登場するのは、「太平記」と同じですが、宿箱にいる中立武将をランダムに呼び出すこともできます。ただし、イニシアチブ数にかかわらず、呼び出せるのは1ユニットのみです。
 展開はというと、下総平氏側は、平将門が類い希な戦術能力を使って、敵の軍勢を粉砕していくのが基本になります。が、身分は=しかないので、支配には時間がかかります。一方の常陸平氏側は、将門に捕捉されないように逃げ回りながら、全国区の平貞盛で後背地を作り、時間とともに動員できる中立武将を使って、支配地と兵力を増加させることを狙います。
 第1ターンは、特別ルールで、下総平氏側の2行軍となっています。史実どおり、将門は鬼怒川を越えて常陸に侵攻します。が、一緒に向かうはずだった将頼が、行軍に失敗します。倍する敵を相手にせざるを得なかった将門ですが、圧倒的な戦術能力を発揮して、平国香を撃破します。国香は再起を期して、下野に逃げます。
 支配は、将門、国香ともに失敗し、平真樹が勢力を持つ下総のみが下総源氏の支配下に。
T1
 第2ターン、将門は逃げた常陸平氏を追って、下野へ。と、常陸平氏はこれを見て、平国香を常陸に戻します。下野の合戦は、鎧袖一触で将門の勝利になり、源護が後継者ごと敗死します。
T2 下野で敵の半数を捕捉、武蔵で貞盛を攻撃
 また、前ターンに登場した平貞盛を、今度は河川越えに成功した平将頼が武蔵で撃破します。貞盛は御嶽山中に逃げ込みます。
 支配では、下総平氏側がターンに登場した平良文が相模を抑え、常陸平氏側が常陸を取ります。これにより、VPは下総平氏側:5点となります。
T2
 第3ターン、やっと主導権が、常陸平氏側に。常陸平氏側は、山沼に隠れていた全国区の貞盛が上野に到着し、ここを支配します。
 一方、下総平氏側は、平将門を仇敵のいる常陸へ派遣します。ここに二度目の叔父甥の合戦が起こりり、常陸平氏勢は壊滅。国香も討ち取られます。
 この影響もあって、VPは下総平氏側:9点に上昇します。
T3
 第4ターン、平将門は、常陸で決起した藤原維幾に足止めを喰らいます。ならばと、下総平氏側は、武蔵で兵を養っていた弟の将頼と味方の豪族武芝を、下野に送り込みます。迎え撃つは、国香の後を継いだ平貞盛。兵力はほぼ同等も、戦術能力の差により、常陸平氏側は敗走し、下野に逃げ込みます。
T4 上野で貞盛を捕捉
 この時点で、下総平氏側は常陸・下総・武蔵・相模を支配し、VPは12点になります。
T4
 第5ターン、再び、平将門が藤原維幾に足止めを受けるも、将頼と下総から駆けつけた将平が、下野の常陸平氏勢を追撃します。逃げ場のない常陸平氏側は必死に闘うも、戦術的な差はいかんともしがたく、全滅。国香亡き後の棟梁貞盛が憤死してしまいます。これにより、天秤は大きく下総平氏側に傾きます。
T5 下野に逃げた常陸平氏を追撃
 第6ターン、主導権数が少なく、現状維持。下総平氏側は板東における名声を振りきりの20点まで高めます。
T6 大国を下総平氏が盤石に
 第7ターン、将門主力は、敵の最終拠点-房総半島へ向かいます。常陸平氏側は唯一生き残っている大将良兼をもって、迎え撃ちます。兵力はほぼ互角で、決して勝機がないわけではありませんでしたが・・・常勝将軍将門の前に敗退し、安房へ敗走します。
T7 主力は房総半島へ侵攻
 同時に常陸では、筑波山に籠もる藤原維幾を、将頼勢が山狩りし、ついに討ち取ります。
T7
 第8ターン、将門は容赦なく安房へ追撃し、多治経明を討ち取り、良兼を山中へ追いやります。
T8 安房へ追撃
 これが、実質上の決定戦でした。第9ターン以降は、ゲリラ的に出陣する常陸平氏側を、下総平氏が各個撃破し、敵の支配を一切、許さず。上野と下野も、支配下におき、ゲーム終了。下総平氏側が、20点振りきりの圧勝となりました。
T9 再起を試みるが・・・
T11
 史実同様に将門の戦術的な強さが際立ち、また、実質的に勝負が付いた第9ターンまでほとんどの主導権を下総平氏側が取ったことから、一方的な展開になりました。こうなると、将門は新皇宣言をする必要もなかったです。これには出陣が1ユニットずつしかないため、展開を大きく変えることがしにくいことも、影響していると思います。
T12終了時
 もっとも、将門が攻撃力の高さから東奔西走して敵を打ち破りまくり、そのくせ、身分の低さからなかなか支配ができないあたりは、見事に史実らしく。雰囲気重視の将門伝説アイテムと考えれば、よし。
 常陸国境の茨城会の皆さん、今度、一戦、いかがでしょうか?ちなみに、ちはら会は将門の本拠-下総といいたいところですが、実はぎりぎり上総です(笑い)。

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