今月のソロプレイ第9弾は、幕末維新アイテムから「最後のサムライ-西南戦争-」WGJ)です。その名の通り、西南戦争全体を描いたキャンペーンで、少数精鋭の薩摩軍とそれに同調する各地の旧士族と数で圧倒する明治政府軍との戦いです。
周年アイテムではないのですが、会津戊辰戦争つながりで「八重の桜」を見ていて。ちょうど、西南戦争で佐川官衛兵と西郷隆盛が討ち死にしたところでして(影響、受けすぎ、笑い)。
さて、ゲーム解説ですが、マップはポイント・トゥ・ポイントで、九州全域を描きます。システムは、デッキ購入型のカードドリブンで、デザイナーの砂漠のキタキツネ氏がCMJ誌で発表した「マンシュタインの切り札」や「ノルマンディの切り札」と同様です。
展開としては、薩摩軍が史実通り北上して、熊本を占拠。その後、熊本城攻めをするのか、さらに北上して九州北部の制圧を狙うのか、長崎、大分等の港湾の占領を目指すのか、主に3つの選択肢があります。政府軍としては熊本城を維持しながら、田原坂付近で防御し、援軍を待つという作戦が主になります。ある程度、兵力が揃えば、購入した敵前上陸カードで揺さぶりをかける手も。
実際、数回のソロ演習をしてみましたが・・・普通のdrだと、薩摩軍がかなりつらい。熊本はまでは取れるものの、城を攻めるには時間とカード、そして一定の損害を覚悟しなければなりません。迅速に北上すれば田原坂は取れるでしょうが、その先で複数の政府軍に展開され、反撃で一進一退の攻防になりがちです(まさに史実通り)。もう一つが海上輸送を用いた長崎等の強襲ですが、敵に迎撃カード(川村純義)があれば自動失敗で、そうでなくても上陸戦闘に勝利しなければなりません。史実と同じなら、占領地点のVP差で毎ターン、薩摩軍は1点ずつを失い、第6ターン終了時に敗北となります。
一方の政府軍はVPで大きな差を付けられないように、圧倒的な兵力動員で戦線を膠着させれば、あとは時間が味方します。中盤以降に正面からの押し戻しや海上輸送による電撃的な九州南部制圧で勝利できます。
そこで、今回の薩摩軍は、可能な限り迅速に北部突破を図る作戦をとります。どうせ、ジリ貧になるのなら、兵力差が付く前に勝負をかけようというものです。
まず、セットアップは、薩摩軍が主力を全て前面に展開します。政府軍はこれを見て、突破対策に田原坂に第14連隊を展開し、ここを封鎖する配置をします。唯一、選べる第1ターンの作戦カードは、敵の強襲上陸を防ぐための「川村純義」にします。
第1ターン、薩摩軍のカードは3枚が購入系という不作に(逆に次のターンには、高作戦ポイントが来るわけですが)。まずは、このターンに確実に落とさなければならない熊本攻めを行います。ここで戦闘drがはじけ、守備していた第13連隊を殲滅し、薩摩軍には損害なしとなります。
第4ターン、なんとしても、久留米を奪還しなければならない政府軍でしたが、先手を取ったのは薩摩軍でした。南関と久留米の2カ所から佐賀に強襲をかけ、これを占領してしまいます。政府軍が奪還のための兵力を展開している隙に、薩摩軍は党薩隊(佐賀隊)を動員しこれを固めてしまいます。
やむなく、政府軍は久留米への正面攻撃に切り替えます。6戦力を集めた政府軍は5戦力の薩摩軍に優位に立ちますが、drが冴えず、ともに2ダメージずつの相討ちに。
もはや、時間がない政府軍は最後の希望を託して、第4フェイズに二度目の久留米奪回戦を仕掛けましたが・・・ああ、これも2ダメージずつの相討ちに。
この結果、VP地点を取り戻すことのできなかった政府軍の士気が崩壊し、薩摩軍のサドンデスとなりました。
なんとソロ演習を通じて、初の薩摩軍勝利となりました。通常は基本展開に書いたように、中盤からジリ貧になって敗北というのがほとんどなんですが、今回は薩摩軍の戦闘drが走りに走り、政府軍の反撃を許さない展開に。また、タイミングよく、長崎の攻略にも成功し、VPで大差を付けて2ターンで政府軍を崩壊させたのが大きかったです。
政府軍としては、第1ターンに強襲上陸に備えた「川村純義」が使えず、キープしたところ、引けなかった1枚が「大久保利通」になってしまい。最大の動員カード「山縣有朋」を第3ターン以降に引けなかったことも、地味に響きました。
ともあれ、本来であればCDSは対戦アイテムですので、みなさんの挑戦をお待ちしています。