歴史・戦史研究「ちはら会」Drei

この会は、主にシミュレーションという手法を用いて、歴史・戦史を楽しもうという、有志の集まりです。興味ある時代をテーマに選び、図上演習(シミュレーションゲーム)を通して、文献研究では得られない「動きのある歴史」を見つめます。 「ちはら会」では、現在、会員を募集しています。年齢や資格等を問わず、興味のある方ならば、どなたでも参加できます。関心のある方は、下記にご連絡ください。 Eアドレス. chiharakai@apost.plala.or.jp (代表.mitsu)

2021年07月

 続いて、プレイしたのが、B級艦隊決戦の傑作「Ships&Tactics」(グループ乾坤一擲)です。ちはら会の十八番と言えるアイテムで、あの80-90年代アニメの陣営を担当し、「らしさ」を味わうには最適のゲームです。
 第1戦は、ガミラス帝国(ybs)対リガミリティア(mitsu)です。序盤、リードしたのは優秀なパイロットが揃ったリガミリティア。開始手札にマーベットとオリファーの妻夫コンビがおり、随時、補充されるモビルスーツで、一方的な艦載機戦を仕掛けます。前衛の2隻を平らげると、後衛に出てきたドメル艦とデスラー艦を仕留め、瞬間物質輸送機とデスラー砲を無効にします。
開始時
 ガミラス帝国も、艦載機による飽和攻撃を試みますが、ウッソとジュンコの4操縦士そろい踏みで、全く敵艦にたどり着けず。逆にウッソが特殊技能ダメージ+3を使いまくって、次々と敵艦を屠っていきます。
ウッソとジュンコの迎撃
 ハイデルンの乗ったドリルミサイルで一矢を報いたものの、ムバラクの乗ったクラップ級の接舷戦闘で最後のガミラス艦艇が沈められ、ジ・エンド。
ドリルミサイル!
接舷戦闘
 終わってみれば、要塞以外が全滅し、163対55点のトリプルスコアで、リガミリティアの勝利になりました。
終了時
 第2戦は、ガンダム系のジオン公国軍(ybs)対0083地球連邦軍(mitsu)です。こちらも、パイロットの揃いが展開を左右します。序盤、モンシアとバニングスが来た0083地球連邦軍が艦載機戦で優位に立ち、ジオン軍艦艇を沈めていきます。
DSC00762
 ジオン軍も重モビルスーツやモビルアーマーを投入して、反撃しますが、ああ、ランバラル以外のパイロットが来ず、一方的に散華します。そのランバラルも、デンドロビウムに載ったウラキと差し違えに。
 やむなく、特殊兵器の衛星ミサイルやソーラレイで連邦軍艦艇を撃破していきますが、連邦軍は前面に出てきたア・バオ・アクーに、艦隊で集中攻撃をかけます。最後は、MSの飽和攻撃でこれを撃沈!とどめを刺したのは、ボールに載ったバニングス(!)でした。
ソーラレイ
バニングスがABAを撃沈!
 結果、112対58点のダブルスコアで、0083地球連邦軍の勝利になりました。
終了時
 第3戦は、特殊攻撃が地味なデラーズフリート(ybs)対ロンドベル(mitsu)の「最弱」決戦へ(笑い)。
 イニシアチブを取ったのは、デラーズフリート。開始早々にガトー、シーマ、ケリーのパイロットトリオが集結し、効果的な飽和攻撃で、次々と連邦艦が沈んで行きます。ガトーの載ったサイサリスの核バズーカまで炸裂し、「ソロモンよ、私は帰ってきた!」状態に。
ソロモンよ、私は帰ってきた!
 ロンドベルも、量産MSを捨て駒にして時間を稼ぎますが、一行にアムロが来ない!やむなく、ケーラのνガンダムで、ガトーと差し違えるのがやっと。
 終盤、やっと、アムロが登場し、ケリーと相討ちに(アムロは特殊能力で山札に)。と、ここで、デラフリが「星の屑作戦」を決行。VP的には10点とたいしたことはなかったのですが、バイルされた山札に、なんとアムロ・レイが!おいおい、一体、どこで巻き込まれたんだ?!νガンダムが残っていたら、「伊達じゃない」と防げたのに・・・。
アムロが巻き添え?!
 結果、62対151点で、最後はデラーズフリートの圧勝となりました。
終了時
 いやー、カード引きの流れは大きいものの、実に楽しかったです。感想戦でも、ア・バオ・アクーを沈めたバニングスは、ボールでどこを攻撃したの?!とか、星の屑作戦に巻き込まれたアムロも、最強ニュータイプなら、察して逃げろよ!(笑い)とか。また、みなさんで、わいわいとプレイしたいですね~。

 緊急事態宣言もまん防も効果がなく、海外から相当数のアスリートを招いたオリンピックの影響もあり。終熄とはほど遠い感染拡大が続いています。市井では、運動会や体育祭、各種の交流が軒並みが中止、やれても保護者の参観もできない状況。一方で1000人の関係者はOKという、オリ開会式。極論ですが、所詮、オリンピックは「他人の間接体験」であり、貴重極まる「直接経験」が拡大防止の名の下に奪われることを、どう考えるのでしょうね。誰にとっても、人生は「今」しかないのに・・・。
  ちょっと愚痴ってしましましたが、のんびりTVで観戦する気にもなれず、ybsさんと「行政の指針」に従ったミニマムオフ会(サシの対戦)をすることにしました。
全景
 この日の緒戦は、事前に呼びかけていた激闘!バルバロッサシリーズから「激闘!キエフ電撃戦」(GJ)です。ybsさんは根っからの赤軍ファンと言うことで、キエフを選択します。他の2作と比べて唯一、ドイツ軍の介入チットがなく、かつ、ソ連軍の機械化ユニットも多く、反撃も容易なため、楽しめるかと。
 第0ターン、第1装甲集団で奇襲をかけ、いくつかの前線に穴を開け、第1ターンの地ならしをします。惜しむらくは、配置位置でAGS(南方軍集団)直属の6個機動部隊が使用できないことですが、バランス上、こうなっているのでしょう。 
T0詳細
 第1ターン、奇襲で開けた穴から第1装甲集団が突進し、2回の活性化で早くも要衝リヴォフを占拠します。また、1個装甲師団を北に派遣し、第5軍司令部を足止めします。
T1 1Pzの突進
 ソ連軍は、生き残った機械化部隊と司令部を、全力で西に脱出させます。
T1
 第2ターン、素早い後退に取り残された敵部隊をカルパチア山脈等を利用して包囲しながら、第1装甲集団の主力はタルノポリとフメリヌィーツィスキーを抜き、西方への突進を続けます。
T2
 第3ターン、第1装甲集団は一部を南下させ、前進してきたルーマニア第3軍と手をむ結び、敵の第12軍と第26軍の一部を丸ごと包囲する巨大なポケットを作り上げます。また、北では第6軍が敵をプリャピチ湿地に追い込み、こちらも包囲下に。ソ連軍は必死に連絡線の再開通を狙いますが、その前に補給判定チットとなり、前ターンからの包囲と合わせて、30個師団弱が消耗します。
T3 大包囲網
 これに勢いを得たドイツ軍は、一気にウマーニを陥れます。ソ連軍で唯一、予備となっているキエフ西方の機械化部隊集団は、すでに行動済みで対応できず。
T3
 第4ターン、始めのチットは第1装甲集団!千載一遇のチャンスに、ドイツ軍はチェルカッッシー経由でドニエプル河を渡河し、キエフ後方に回り込みます。敵より先にもう1枚の第1装甲集団チットが来れば、一気に敵の機械化部隊を補給切れにできる賭けでしたが・・・ああ、ここで第26軍とソ連軍の増援チット!
 これにより、司令部を含む6個師団相当が逆包囲に。そして、その直後に補給判定チット!一転して、6個師団相当が全滅の危機にさらされます。
 ドイツ軍は第6軍及び第17軍司令部を北部に急行させると、増援と転進で機械化の救出部隊を送り込みます。そして、最後の第1装甲集団チットで、突破口を切り開き、再び、補給線を確保します。何という、めまぐるしい展開!
T4
 第5ターン、先に動いたのは、ドイツ軍でした。集中していた歩兵軍の司令部が活性化し、キエフ回廊を確保。さらに大胆な機動で、キエフ自体も包囲します。さらに、続けて第1装甲集団が活性化し、ソ連軍第26軍を浸透攻撃で撃破してしまいます。
T5 再攻勢
 そして、ここで補給判定チット。消耗したキエフ守備隊に、再び、第1装甲集団の一部が攻撃をかけ、2へクスを占拠します。
 この時点で、キエフの陥落は決定的となり、逆転は不可能と言うことで協議終了としました。
T5
 振り返れば、第4ターンの第1装甲集団の突進はかなり危うかったかも。終了後にybsさんも言っていましたが、ソ連軍戦車による逆襲をされていたら、あるいは二重包囲をされていたら、装甲集団司令部を含む6個師団相当が壊滅していたかもしれません。チット引きと歩兵軍の司令部の活性化で逆転できたのは幸いでしたが、個人的にはかなりハラハラで面白かったです!
 いずれにしろ、3部作の中では、もっとも作戦オプションが豊富で、かつ、チットのタイミングによるランダム性もあり、まだまだ、底が見えないですね~。次回のちはら会でも持ち込むので、よろしければ、一戦、いかがでしょうか?その前に、もう1回くらい、オフ会で行けるかも・・・。

 この日の最後が、WGJのカードドリブン「会津戊辰戦争」(WGJ)です。ゲームについては、以前のソロ記事をご覧ください。陣営は、新政府軍(mitsu)対奥羽列藩同盟軍(kawa)です。
 セットアップですが、奥羽列藩同盟軍は白河城と日光口にかなりの戦力を集中します。特に最良の指揮官山川は、ランダムで白河城に配置となります。
 これを見た新政府軍(mitsu)は、西から土佐藩でアプローチで揺さぶりをかけ、東部が薄くなったら薩長の主力で攻撃をかける作戦をとります。
 序盤、「西郷隆盛の知略」で新発田藩を寝返らせると、土佐藩隊が村松に侵攻し、これを攻め落とします。焦った奥羽列藩同盟軍は、二本松藩のほとんどを津川に集結させ、柳津に防御陣地を置きます。
 と、ここでイベント「同盟脱落」が起こり、郡山藩と棚倉藩が新政府軍の軍門に降ります。ならばと、新政府軍は東側からの主攻で浅川を攻めます。奥羽列藩同盟軍はイベント「狙撃」で伊地知を狙いますが、八重の手元が狂ったか、命中せず、浅川が墜ちます。
 今回は新政府軍にカード運があり、「総攻撃」(2グループ行動可で戦力+1!)が来たので、西では土佐藩が、東は薩長が攻勢に出てます。圧倒的な火力の前に、二本松藩兵は壊し、津川と二本松城が墜ちます。
T4 二本松城陥落
 西側は外郭防衛線に迫りますが、ここは会津藩兵が防御陣地で頑強に抵抗します。一方、東側では二本松から転進した薩長軍主力が土湯峠を攻めます。東軍も白河城から山川隊を引き抜き、ここに投入し、時間を稼ぎます。
 が、またも、ここで西軍の「総攻撃」カード!drも冴え、土湯の奥羽列藩同盟軍は指揮官を除き、全滅となります。
T5 柳津と土湯攻め
 東軍は、松平容保を出陣させ、会津市街地に防御陣地を築きます。
 第8ターンの「会津の冬」で一時、時間を稼ぎますが、第9ターン、西軍に「錦の御旗」(西軍の自動勝利)が来ます。十六橋を渡った薩長軍主力が錦旗を掲げながら会津市街地に突入し、これを占領してしまいます。
T9 錦の御旗で会津市街地陥落
 東軍は、必死に部隊を送り込んで、混戦状態として士気の低下を防ぎますが、第10ターンにほぼ兵力がいなくなった白河城を、板垣率いる新政府軍の別働隊が落とし、VPを上昇させます。
T10 白河城陥落
 第11ターンには柳津を抜いた土佐藩兵も会津市街地に辿り着き、圧倒的火力で奥羽列藩同盟軍を蹴散らし、東軍の士気が低下。大きく3ポイントの差が付いたので、新政府軍のサドンデス勝利となりました。
T11 サドンデス勝利
 今回は、「総攻撃」や「錦の御旗」の有利なカードが来て、逆にイベント「米沢藩の参戦」がなかった等、西軍にかなり有利なカード廻りでした。一応、圧勝ですが、カードが逆になっていたら(または、八重の狙撃が当たっていたら)、膠着のまま、ゲームエンドになっていた可能性もあります。ともあれ、インストを入れて1時間強でプレイできるリプレイアビリティなので、次回も希望者がいれば、対戦したいものです。

 次のゲームの合間にプレイしたのが、前回にも持ち込んだ「HOBBIT」(Sophisticated Games)です。いわゆるミッション解決型の双六で、6人までプレイできます。
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  序盤、BIBIホビットが抜け出すと、適当に冒険を乗り越えて、一路、はなれやまに。それをmitsu・タナック・エンジョウ・kawaホビットが追いかけます。
中盤
 後発の4人は、ガンダルフの贈り物カードを使って、冒険を中心に前進します。エンジョウホビットはカードのヴァリエーションを増やそうと、安全な隠れ家でカードの交換をしますが、手にするアイテムはなぜかロープばかり(笑い)。
なぜかロープばかり
 そうこうしているうちに、BIBIホビットが早くもはなれやまに到着し、こっそりと3つの宝物を奪います。残りの1つを巡って、mitsu・タナックホビットがマッチレースをしますが、鼻の差で奪ったのはタナックホビットでした。
終了時
 最後に点数計算をしたところ、宝物と経験値の基礎点は大きく差はなかったものの、最後のスマウグの試練ボーナス(5VP)が効いて、BIBIホビットの勝利となりました。
 これで2戦できたので、次は本命の「Lord of the Ring日本語版」(カプコン)の準備をしておきます。

  この日の初戦は、「激闘!スモレンスク電撃戦」(GJ)です。本作と「激闘!レニングラード電撃戦」、「激闘!キエフ電撃戦」からなるバルバロッサ三部作で、合わせるとキャンペーンができるそうで。まずは、個別にプレイし、次に北部と中央部の二結キャンペーン、最後は三結キャンペーンを目指しています。陣営は、ドイツ軍(mitsu)対ソ連軍(kawa)です。
 第0ターン、ドイツ軍の奇襲は、突破口の開設と6個師団の殲滅と、ほぼ想定通りの戦果を上げます。ラッキーだったのは、ソ連軍の初期配置で機械化部隊が前面にあったため、この多くを撃破または捕捉できたことです。
T0
 第1ターン、第9軍チットから始まり、第2装甲軍チットが来たため、第4軍司令部を含む敵を殲滅しながら、ドイツ軍部隊が突進します。続けて、グデーリアン・チットの割り込みで、早くも二重の包囲網が完成します。
 ソ連軍も必死の反撃で、包囲網内側の第1騎兵師団を壊滅させますが、包囲は破れず。後半に来た補給判定チットにより、15個師団相当がステップロスします。
 これにより、ポケット掃討のめどが立ったドイツ軍は、最終の第3装甲集団チットで一気にミンスク軍管区へ。まさか、届くと思っていなかった第13軍司令部を8:1の正面攻撃で殲滅し、ここにいた7個師団の指揮系統を麻痺させます(次ターンも行動不動に)。
T1 包囲網の完成と第13軍司令部の撃破
 第2ターン、南から第2装甲集団も加わり、第二の包囲環を完成させ、第3装甲集団と連動して、ミンスクポケットを掃討します。
 そして、再び、補給判定チットにより、第一の包囲環のソ連軍ユニットは全滅します。
T2
 最後に第3装甲集団チットが来たので、殲滅を終えた装甲部隊を一路、北方へ向かわせます。
 第3ターン、第22軍、第20軍、第19軍のチットが来て、ソ連軍はヴィテブスクとオルシャを軸に防衛線を引きますが・・・これを予測していたドイツ軍はポロツクを攻撃しドヴィナ河を渡河すると、北部から快速部隊が回り込みます。同時にヴィテブスク-オルシャ間を小包囲を繰り返しながら、装甲部隊が平押しし、南からの突破に成功します。両翼からの包囲下での連続攻撃と補給切れにより、ヴィテブスク市街地守備隊を除き、第22軍は崩壊します。
T3 第22軍戦力を丸々、包囲
 第4ターン、ヴィテブスクを平定したドイツ軍は、スモレンスクへの突進を開始します。2個装甲集団の4枚のチットによる強力無比な攻撃で突破口を開け、スモレンスクを占拠。ここで、いったん、第3装甲集団の一部を北に向け、ヴェルキ・ルキエを占領します。
T4 スモレンスクへの突進
 これを見たソ連軍は、少なからずの増援をルジェフとヴィヤジマ方面に投入します。
T4
 第5ターン、北の突破は不可能ではないが守りが堅い(堅くなる)と判断したドイツ軍は、南東のロウスラウリ方面に転進します。そこに集結していたソ連第16軍を捕捉し、装甲ラッシュで半壊させます。一方、一部の部隊を南側寄りに機動させ、(実は本命の)南方突進に備えます。
T5 南東部への進路変更
 第6ターン、ロウスラウリを占領したドイツ軍は、十分に敵の増援を西に引きつけた後、一気に南下を開始します。クリチェフを占拠し、突破口から一部を大きく迂回させて、ドニエプル河沿いの敵集団に対し、三度目の包囲をします。
T6 一転して、南下開始
 第7ターン、いきなりの補給判定チットが来て、前ターンに包囲し損耗していた部隊が全滅します。もはや、遮る敵がいなくなったドイツ軍は、難なくゴメリを占領し、to Kievの突破へクスを制圧します。そのまま、鉄道沿いに敵部隊を包囲殲滅しながら、ブリヤンスクへ。
T7 ゴメリ占領後、ブリヤンスクへ
 ソ連軍の頼みの綱は増援による防衛線でしたが、肝心の増援チットが最後まで来ず。ドイツ軍は一路、西進し、ついにブリヤンスクも占領します。
T7 ブリヤンスク占領
 ルジェフとヴィヤジマを除き、7都市を占領し、南方突破へクスを抑えた時点で、勝負あり。協議の上、終了としました。VP的にも、ドイツ軍が115点で、ソ連軍が21点と圧勝でした。
T7
 今回は、初期のポケットが早期に完成し、第2ターンまでに計画通りに掃討できたこと、ミンスクの第13軍司令部(とその所属部隊)を奇襲で殲滅できたこと、結果、ドニエプル河防衛部隊が不足し、スモレンスクまで早期に各個撃破できたこと(追加VPがあり)が、勝因でしょう。逆に言えば、それが躓くとスモレンスク攻略あたりで、力尽きることも。いずれにしろ、読みとチット引き、そしてdrで大きく展開が変わる、かなりリプレイアビリティの高い作品です。
  なお、別卓では、ドイツ軍(エンジョウ)対ソ連軍(タナック)で「激闘!レニングラード電撃戦」(GJ) が行われていました。タナックさんは初参戦でしたが、激闘シリーズがしたいと、遠路はるばる来場され。
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 これまでの経験を生かして、ソ連軍による遅滞戦術を駆使し、二度にわたってドイツ軍の後方連絡線を遮断。ドイツ軍もこれを排除するものの、タイトなスケジュールからレニングラードの占拠は不可能になり、ソ連軍の勝利でした。
 エンジョウさんも、激マンシステムは全くの初めてにもかかわらず、早くもドイツ軍の運用をマスターしたのは、さすが。3部作中でも最も難しいとされる北部のドイツ軍を担当し、ゲームを崩壊させないテクニックはベテランの技ですね~。
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 このまま、しばらくはキエフも含めてバルバロッサシリーズを広げますので、次回以降もぜひ。また、ゆいしかせんやybsさんはじめ、千葉会・茨城会系のみなさんもいかがでしょうか?近いうちに千葉会一門掲示板に激闘シリーズ希望をアップするので、例会がなくても、自宅オフ会でもお声かけください。

  猛烈な梅雨の中でしたが、5人が集って、第193回ちはら会を開催しました。kawaさん、BIBIさん、エンジョウさんのいつもの常連さんに加え、初参加のタナックさんが激闘シリーズ希望で参戦!最後に、Tommyさんも顔出しして、やっぱり、激闘シリーズを見学していました。
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 先日にプレイされたアイテムと戦績は、以下の通りです。

激闘!スモレンスク電撃戦(GJ) ☆ドイツ軍(mitsu)対ソ連軍(kawa)★
激闘!レニングラード電撃戦(GJ)  ★ドイツ軍(エンジョウ)対ソ連軍(タナック)☆
会津戊辰戦争(WGJ) ☆新政府軍(mitsu)対奥羽列藩同盟軍(kawa)★
HOBBIT(Sophisticated Games) ☆BIBI・タナック・エンジョウ・kawa・mitsu
テラフォーミング・マーズ(アークライト) ☆トールゲート(タナック)・バレートラスト(BIBI)・マイニング(エンジョウ)
Race for the Galaxy(HJ) ☆エンジョウ・タナック・BIBI

 イメージは、いつもの「テラフォーミング・マーズ」(アークライト)。違っているのは地形タイルではなくジオラマタイル!アメリカで発売されたそうですが、あまりにリアルでして。ゲームの方は、開拓をしまくったトールゲート(タナック)が勝利しました。
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 同じく、SF続きで「Race for the Galaxy」(HJ) 。タナックさんが軍事国家を作ったのはいいけれど、征服すべき惑星が見当たらず。総合的に開発を進めたエンジョウさんが、ダブルスコアで勝利していました。
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 全国各地で猛烈な雨と災害が続いています。被災の皆様には、心よりお見舞い申し上げます。
 感染状況が再拡大し、緊急事態宣言の再発出とまん延防止等重点措置が延長されています。引き続き、感染症対策を取って、8月例会のお知らせです。終了時間が20時厳守のため、ご注意を。

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[日時]8月7日(土)10:00-20:00
[会場]おゆみ野公民館 第2講習室
[住所]千葉市緑区おゆみ野中央2丁目7-6
[アクセス]
 京成電鉄千原線「学園前駅」または「おゆみ野駅」から徒歩10分
または、JR鎌取駅発小湊鉄道バスでおゆみ野中央二丁目バス停降り、徒歩1分(20~30分おき)
[参加費]無料
[持ち物]ゲームとゆとりと常識
 今回も、激闘!バルバロッサシリーズ(GJ)3部作を持ち込みます。前回は、スモレンスクとレニングラード戦をプレイできまして。自分は未対戦のレニングラードか、キエフをやってみたいです。

T1 4PzG
 いつでに、二連結をソロ始めました。いつか、みんなで連結プレイも。kawaさん、タナックさん、エンジョウさん、その他、独ソ戦を愛するみなさま、いかがでしょうか?


 近年、会津への旅に行っていて、夏が近づくと、幕末戊辰戦争ものがプレイしたくなり。「会津戊辰戦争」(GJ)と「幕末京都騒乱」を持ち込みます。
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 ついでに、「GUNDAM THE GAME 哀・戦士編」(アークライト)もいきたいな~。
GUNDAM t G 哀戦士編



 今月のソロプレイ第6弾は、幕末維新アイテムから「会津戊辰戦争」(WGJ)です。ベーシックは「長篠システム」と呼ばれるカードドリブンです。
 プレイヤーは自分の手番に1枚カードを使って、1スタックの活性化か自軍イベントを行います。それ以外に、強制イベントがあり、カードは両軍共通です。移動については、敵ユニットがいるか、障害地形に入ると停止します。
 敵味方が同じエリアにいれば、自動的に戦闘が発生します。ユニット数だけdrして戦闘値以下が出れば。1ヒットとなります。市街地・峠攻めは戦闘力-1となります。城は戦闘力-1と同時に、受けたヒットが1/2に。生き残ったユニットは、任意で撤退か次ターンの継戦を選びます。
 兵力としては、奥羽列藩同盟軍の方が数は多いです。ただし、10ユニットは会津若松城にあり、かつ、ほとんどが1ステップのみです。対する新政府軍は数は少ないものの、11ユニットが2ステップを持ち、かつ指揮官も、自動命中2発という強力無比な伊地知や2ユニットの攻撃をふり直せる山縣など、かなり有利になっています。
T0
 作戦としては、新政府軍は、白河城攻めと新発田-村松ルートが基本です。ただし、史実では一撃で墜ちた白河城もdrによっては、終盤まで持ちこたえることも。
 奥羽列藩同盟軍としては、まずは白河城での抵抗を試み、その後は会津若松を取り囲む各峠での防御となります。新政府軍には自動勝利となる「錦の御旗」イベントもあるので、可能な限り、会津市街地には進入させないようにしたいです。
 第1ターン、新政府軍は「西郷隆盛の知略」を使い、新発田藩を降伏させ、村松を陥落させます。奥羽列藩同盟軍は編成を使って、西側の三砦に守備隊を送ります。
t1
 第2ターン、そのまま、新政府軍は勢いをかって、会津外郭陣地の柳津を攻めます。これに対し、奥羽列藩同盟軍は逆襲カードで、最優秀の山川隊を送り込みます。激しい戦いの結果は、新政府軍2:奥羽列藩同盟軍1の損害で、奥羽列藩同盟軍が峠を守り抜きます。
T2
T2終了時
 第3ターン、正面の柳津と白河城ともに堅いとみた新政府軍は、搦め手からの間接アプローチとして、浅川攻めをします。ここには、敵が1ユニットしかいなかったので、難なく占領します。奥羽列藩同盟軍は、代わりに白河城に防御陣地を築き、ここを強化します。
T3
 第4ターン、新政府軍はそのまま、白河城の背後をつき、大平口へ。奥羽列藩同盟軍は、鶴ヶ城から5ユニットを移動させ、会津市街地を固めます。
T4
 第5ターン、新政府軍は「総攻撃」を使い、2カ所で強襲をかけます。まず、柳津で第二次攻防戦が起こり、共に1ユニットずつが損害を受けます。
T5 第二次柳津攻防戦
 もう1カ所は、本命の白河城で、自動的に2ヒットを与えられる伊地知正治指揮で、薩長連合5ユニットが強襲をかけます。ところが・・・ここで、奥羽列藩同盟軍が「狙撃」。先頭に立つ伊地知を、山本八重のライフル銃が撃ち抜き、戦死!これで勢いを失った薩長軍は、わずかに敵1ユニットを除去するのが、やっとでした。
T5終了時
 第6ターン、なんとか白河城を落としたい新政府軍は、地形修正を無効にできる「機略」を使いますが、ああ、drに恵まれず、ともに1ヒットのみ。返す返すも、伊地知を失ったのが大きい。
T6 白河城攻め
 第7ターン、西軍の引いたカードは「米沢藩参戦」。奥羽列藩同盟軍は、「徹底抗戦」でこのターンも白河城を守り抜きます。
 第8ターン、西軍は「補充」を使って、板倉隊の回復を行います。また、白河城攻めも損害を受けながらも、あと一歩まで行きますが・・・。
T8
 第9ターン、ここで会津諸隊が白河城に到着。5回目となる会戦は、新政府軍の一方的な3損害となり、やむなく、撤退に。
T9
 第10ターン、このままでは勝利はないと判断した新政府軍は矛先を変え、手薄になった二本松城を強襲します。が、二本松少年隊の奮戦もあってか、共に損害なし。また、「分進合撃」で合わせて柳津を攻めますが、こちらは新政府軍が4ヒットを受けます。
T10
 第11ターン、ああ、イベントは「会津の冬」。なにもできず、時間だけが過ぎていきます。
T11
 最終第12ターン、新政府軍は切り札の「錦の御旗」を投入し、ついに白河城を陥落させますが、二本松城は墜ちず。
T12
 結果、新政府軍のVPは2点で、奥羽列藩同盟軍の士気は3のため、奥羽列藩同盟軍の勝利となりました。
 よりによって最強の指揮官伊地知が狙撃で瞬殺されたり、戦闘drが優れずかつ細かな戦術的ミス(柳津攻めの部隊を南部に後退させ、南から峠を攻める手を忘れる)があったりしたことが、敗因でした。
 ただし、数戦のソロ演習では、史実同様に、隙を突いて会津盆地に突入した新政府軍が「錦の御旗」でこれを制圧し、そのまま、圧勝したこともあり。手札の廻りと投入のタイミングによるので、バランスはそこそこかと感じました。

 今月のソロプレイ第5弾は、激闘!バルバロッサシリーズの「激闘!レニングラード電撃戦」(GJ)です。このアイテムはシリーズ中、最もコンパクトにできており、フルマップの実質3/4の広さとユニット数120個ほどで、入門用によいと紹介されています。ただし、ユニット数が少ないので、一手(またはチット巡)の重みは増しており、枢軸軍の勝利のためには十分な練度が必要です。
 展開としては、事前攻撃で穴を開けたソ連軍戦線から、ドイツ軍の機械化部隊が突破するのは、他のシリーズと一緒です。が、広いマップに、各地に散らばるソ連軍、1個しかない装甲集団と、包囲による損耗戦術はかなり取りにくくなっています。第4装甲集団をバラして歩兵軍の支援に回せれば、包囲は可能ですが、タイムスケジュールは他よりタイトで、グズグズしているとあっという間に、レニングラード要塞となってしまいます。よって、原則は左翼を第18軍が、右翼を第4装甲集団と16軍が突き進み、小規模な包囲による力攻を繰り返すことになります。ソ連軍は、適当に足止めをしながら、レニングラード近郊に兵力を集結し、スタック防御を行うことになります。
 第0ターン、ソ連軍は第4装甲軍集団の奇襲を受けますが、包囲下の4:1攻撃で1ユニットがステップロスしたのみ。それ以外は無傷で退却となり、ドイツ軍にとってほぼ最悪の結果となります。
T0
T0終了時
 第1ターンがスタートしますが、ツキのなさは続きいきなりの補給チットで、ドイツ軍としては、キャンセルせざるを得ず。マンシュタイン・チットの割り込みで、第4装甲集団を活性化させ、逃げた敵部隊を包囲殲滅しますが、前進ははかどらず。
T1 4PzG
 が、続けて第4装甲集団チットが来たので、結果的にダブルムーブとなり、中央の街とカウナスを占領し、司令部を含む6個師団相当の補給路を断ちます。その後、第16軍チットで第11軍司令部を包囲したところで、タイミングよく、補給チット。包囲下の全部隊が損耗及び壊滅します。
T1 2回目の4PzG
 ソ連軍は、やっときた第8軍チットで、司令部と機械化1個師団を撤退させます。
T1終了時
 第2ターン、ドイツ軍は主力の第4装甲集団を一時、北方に向け、リガを強襲し、ここを占領します。また、一部をドビナ河中央に派遣し、ヤコブピルスを占領します。これにより、進路が開けた第18軍が躍進します。
T2 3PzG
 ソ連軍は貴重な司令部を撤退させ、プスコウを軸に足止めの戦線を引きます。 
T2終了時
 第3ターン、出遅れのドイツ軍は躍起になって戦略移動で前進しますが、プスコウ戦線に辿り着いたところで、このターンを終えます。
T3
 第4ターン、一撃でプスコウ戦線を殲滅した第4装甲集団は、そのまま、騎虎の勢いでルガ防衛戦に強襲をかけます。この2:1攻撃が成功し、装甲部隊がルガラインを越えます。
T4 ルガ河防衛戦
 また、ノブゴロド前線で足止めしていたソ連軍部隊が、不注意からドイツ軍に捕捉され壊滅。結果、ドイツ軍の増援投入で一気にチュドボウ、ノブゴロド、スタラヤ・ルッサが陥落します。さらに、タルゥに向かった第18軍がこれを占領します。遅れていた分を一気に取り戻す、前進ぶりです。 
T4
 第5ターン、補給切れで消耗したルガ防衛隊を包囲殲滅すると、ドイツ軍は一路、レニングラードに向けて北上を開始します。ここでも第4装甲集団のダブルムーブを行い、第23軍司令部ごと3ユニットを除去します。
T5 ルガライン蹂躙
 が、前半にチットを使い切ったところを、ソ連軍が増援による反撃をかけ、鉄道輸送で到着していた最前線の敵歩兵師団を、後退により損耗させます。 
T5 ソ連軍の逆襲
T5
 第6ターン、いよいよ、レニングラードへの直接アプローチへ。ドイツ軍は装甲兵力を集結すると、同市街への閂の役割であるプスキンを強襲しますが、3:1攻撃にもかかわらず、失敗。
T6 コルピノ攻撃
 ならばと、浸透して、河川越しの司令部を狙う3:1攻撃の渡河攻撃をかけますが、こちらもソ連軍が頑強な抵抗で譲らず。
 逆に6個師団の増援を得たソ連軍が、ヴォルコフとチュドボウの中間で反撃に転じますが、こちらはドイツ軍が死守します。
T6 側面攻撃へ
T6
 第7ターン、先に動いたのはソ連軍でした。早々に増援を得ると、再び、レニングラード前面で攻勢に出て、戦線を押し戻します。このまま、直接アプローチしても効果は少ないと判断したドイツ軍は、側面の攻撃に転じます。ヴォルコフ-チュドボウ間の戦車師団を含む敵を浸透による包囲攻撃で、撃破。
T7 チュドヴォ攻略
 そこからの突進で、敵を撃滅しながら、再び、ネヴァ河の戦線に辿り着きます。
T7 再び、北進
 第8ターン、前線に第18軍司令部も到着し、ドイツ軍は装甲集団と併せての連打が可能になります。すると、目論み通り、先制チットは第18軍!コルピノへ集中した6:1攻撃をかけ、ついにここを占領します。
T8 コルピノ襲撃
 その後、側面方向のソ連軍が活性化しますが、部隊が足りず、動きなし。が、続いて、レニングラードを固める第27軍チットが来たため、マンシュタイン・チットで割り込みをします。第4装甲集団の総力を挙げた攻撃で、ついにネヴァ河の渡河に成功し、ヴォルコフ方面の敵主力の包囲に成功します。
T8 マンシュタインチットで連続攻撃
 が、ソ連軍も死力を尽くして抵抗し、戦闘後前進で突出していた自動車化師団に反撃をかけます。1.5:1攻撃ながら、見事、Rを出して、ZOC後退時の追加損害で、この師団を撃破します(ドイツ軍はじめての壊滅)。
 ドイツ軍はさらに第18軍と第4装甲集団の連続攻撃を行い、これらの部隊を殲滅すると、要衝シュリセリブルクを占領し、レニングラードを完全包囲下に置きます。
T8 シュリセリブルク陥落
 いよいよ、最終の第9ターンへ。ここでもソ連軍が先手を取り、チュドボウ方面に増援を集結し、3個司令部による連打をかけます。戦車による浸透攻撃でZOCの通過損害で歩兵がステップロスしますが、レニングラード方面から増援を回して、壊滅は免れます。
 勝敗は、レニングラードの市街地を1つでも奪い取れるかどうかに。まずは、第4装甲集団チットで#3702へ強襲をかけますが、3:1がやっとで1ステップロスのみ。と、ここで、マンシュタイン・チットで連続攻撃。#3702への強襲と補給源の#3601への直接攻撃へ。1/2の確率で補給源占領がありえましたが・・・ああ、無情にもdrは効果なし。#3702への強襲も、またも1ステップロスに止まります。
T9 マンシュタインチットで補給源を狙うも・・・
 第18軍によるもう一撃があれば、という状況でしたが・・・ここで、運命のソ連軍第27軍チット。消耗した前線部隊を入れ替えて、防御力を均等化したために、もはや、レニングラードが墜ちる見込みはなくなり、ゲーム終了となりました。
T9 やむなく、前面攻撃に
T9 終了時
 VP計算をしたところ、
 ドイツ軍…40点(都市4カ所占領の各10点)
 ソ連軍 …48点(レニングラードの保持45VP+ドイツ軍自動車化師団の壊滅3点)
で、ソ連軍の勝利となりました。ちなみに、レニングラードの補給源が占領できていたら、逆転できていました。
 いやー、掲載号のリプレイ通り、まさにドイツ軍のタイトロープですが、楽しかった!ギリギリしかない部隊数とチット回しで、レニングラードの一角をいかに奪うか、知恵と運が試されます。ソ連軍も、引き際と足止めのバランスが極めて肝心で、かつdrに恵まれないと、敗北の可能性が十分にあります。慣れれば、3-4時間でプレイできるので、これを連戦してスキルアップを図るにはいいでしょうね。

 今月のソロプレイ第四弾は、80周年記念のバルバロッサ作戦を描く「激闘!スモレンスク電撃戦」(GJ)です。フルマップ1枚、ユニット数250個と普通の作戦級ですが、司令部活性化のチットドリブンです。
 基本システムは、傑作「激闘!マンシュタイン軍集団」(GJ)と同様で、司令部ユニットから4へクス以内の全ユニットが活性化します。同システムの特徴で、司令部の集中による劇的な突破戦闘が、シンプルなルールで描かれます。
 ゲームの展開としては、事前攻撃で穴を開けたソ連軍戦線から、ドイツ軍の機械化部隊が突破。包囲下で補給切れにできれば、前線のソ連軍3個軍は2ターンで消滅します。ソ連軍はこれを防ごうと、機械化部隊や司令部まで投入して、後方突破(補給線の確保)を狙います。いずれ、3個軍は壊滅するでしょうが、どこまで時間稼ぎをできるかが、その後の戦況を大きく左右します。以後は、ミンスク、ビテブスク、スモレンスクと戦場が東に移り、ソ連軍の増援とチット次第で、ドイツ軍が東方または南方への突破か、ソ連軍が踏みとどまるかという展開となります。
 第0ターン、奇襲を受けたソ連軍に、第2及び第3装甲軍集団の部隊が攻撃(のみ)を行います。第3装甲軍集団はdrに恵まれ、唯一の3:1攻撃を除き、敵の除去に成功します。南部の第2装甲軍集団では、包囲下の4:1攻撃がまさかの効果なしになりますが、それ以外は戦闘後前による包囲による攻撃で、やはり2ユニットを除去します。
T0 攻撃
T0
  そして、いよいよ、第1ターンがスタートします。始めのチットはソ連軍第3軍でしたが、このまま、退却をさせるわけにはいかないので、グデーリアン・チットでキャンセルし、ドイツ軍の第2装甲集団を活性化します。事前に開いた突破口から機械化部隊が浸透し、ソ連軍第4軍を蹂躙します。同時に、一部の部隊を北上させ、ソ連軍の後方遮断を狙います。第2か第3装甲集団のチットが来れば、包囲網が完成するところでしたが・・・残念ながら、ここで補給判定となり、ソ連軍は消耗せず。
 その後、第9軍、第3装甲集団と続き、包囲網を完成しますが、一歩遅く。ドイツ軍は通常攻撃で敵を撃退し、ブレストとウィルナを占領します。
 ソ連軍も3軍のチットが来て、東方への脱出を試みますが、ZOCに阻まれ、連絡線はつながりません。
T1
 第2ターン、ソ連軍は第4軍チットの代わりに、Reserveを入れ、連絡線の確保を試みます。すると、立てて続けにReserveと2個軍のチットが来て、目論み通り、東方へ連絡線接続に成功します。が、次が第3装甲集団チットとなり、再び、包囲下に。同時に主力は突進して、ミンスクの第13軍を攻撃します。
T2 3Pz、ミンスクへ
 包囲網が形成されているうちに、ドイツ軍としては補給チット(補給切れ判定)が欲しかったのですが、これがなかなか来ず。やむなく、通常攻撃で敵を除去していきます。
 結局、補給チットは一番最後となり、ここで包囲下のソ連軍が消耗します。ドイツ軍はミンスクを占領し、ソ連軍はドニエプル河の防衛線形成に向けて、部隊を集結します。
T2
 第3ターン、ドイツ軍は第3装甲集団を突進させ、ドビナ河畔のボロツクを電撃占領します。その後、ソ連軍のチットが続き、連絡線の再設定まであと一歩まで行きますが、ここで補給判定!包囲下のソ連軍は、ついに全滅します。
T3 補給通じず
 これで、ドイツ軍による東への突進が可能に。第4軍に代わって選択しておいたOKHチットを使って行動済みのHQを前進させ、そのHQを使って部隊を活性化する作戦で、効率よく部隊運用を行います。北方では湿地帯への攻撃でビテブスクへ圧力をかけます。結果、後方に残った第4軍の歩兵を除き、ほとんどの部隊がドニエプル河畔へ辿り着きます。ソ連軍も薄いながらも戦線を形成し、後方から中央部と南部に増援が向かいつつあります。
T3 ポロツク強襲
T3
 第4ターン、装甲集団ばかりか歩兵司令部も前線に到着しているため、ドイツ軍の怒濤の連打が起こります。第9軍に始まり、敵のチットをキャンセルして第2装甲集団、OKH、さらに第3装甲集団と、4連続のドイツ軍チットの北部攻勢により、ヴェルキ・ルキエとビテブスクが陥落します。
T4 ヴィテブスク陥落
T4 北部での攻勢
 ソ連軍もなんとか増援を送り込んで戦線を維持しようとしますが、中央部でも連打により突破が発生します。そこから浸透した機械化部隊により包囲された第19軍の一部と第20軍が壊滅し、スモレンスクが南北から包囲されます。
T4 怒濤の連打
 第5ターン、ここでドイツ軍は真東への突進を第3装甲集団に委ね、2回の攻撃でスモレンスクを奪取し、司令部を失った第19軍を圧迫します。その南部を第2装甲集団が併走し、投入された増援ごと、次々と敵を撃破していきます。
T5 スモレンスク強襲
T5 そのまま、モスクワ正面軍を圧迫
 ソ連軍はやむなく、南に展開していた第16軍の一部を転用しますが、連携の取れたドイツ軍の前に被害を増やすだけとなります。
 第5ターンが終了した時点で、ヴィヤジマ周辺のソ連軍の数個師団を除き、ほぼ中央部は一掃され、ドイツ軍の東方への突破は確定的になります。 
T5
 第6ターン、ソ連軍の増援チットが来たものの、グデーリアン・チットであえなくキャンセルされ、ヴィヤジマ・ポケットが壊滅し、東端の補給源が占拠されます。これにより、ソ連軍の特別増援を含む全増援が投入不可に。
T6 ヴィヤジマ攻略と東端への到達
 勢いに乗るドイツ軍は、第3装甲集団でルジェフを攻略し、第2装甲軍でブリヤンスクに迫ります。また、部隊を引き抜かれた盤部の戦線に対し、第2軍が攻撃をかけ、クリチェフ南方で突破口を開きます。
 ここで、第6ターンが終了し、ドイツ軍はこの時点で115点を獲得します。今後、特別増援を投入しても、押し返すことは不可能ということで、終了としました。
T6
  まさに傑作「激闘マン」システムの真骨頂で、ドイツ軍の電撃戦が見事に再現できます。ただし、OKHチットを使うと、要となるHQの活性化があまりに効率よくなり、今回のように史実を越える戦果となりがちです。よって、もりつちさんがブログで提案されていたように、選択ルールのOKHチットでは「部隊のみ活性化でき、司令部はできない」と制限するといいかも。
 ちなみに、事前のソロ演習で、OKHチットを使用しなかったところ、見事にドニエプル河戦線で敵の侵攻を停止し、3個司令部を投入した反撃で装甲2個を含む5個師団を除去するという展開も(もっとも調子に乗って中央ばかりを厚くしたところ、北部に2個装甲集団HQを投入したドイツ軍の集中攻撃で、リャザン経由でヴィヤジマと東方へクスが占領されました)。
 ソ連軍も隙を作れず、敵の意図を読み、的確な兵力を投入する(一度と投入したら、転用はほぼ効かない)作戦眼が必要です。そういった意味では、様々な展開があり、システムの自由度が生きていると感じます。6ターンシナリオで4時間、9ターンなら6時間コースですが、久々に楽しくやり応えのあるバルバロッサ作戦です。

 今月のソロプレイ第三弾は、「中央軍集団東へ」(GJ)です。商業誌となったGJ誌の第7号付録となった作品で、バロバロッサ作戦初期の中央軍集団の戦いを描きます。先達には「独ソ電撃戦」(エポック/CMJ)がありますが、このアイテムはスモレンスクまでを含んでおり、作者曰く「独ソ電撃戦+PGG」となるそうです。
 今や、スタンダードになったチットドリブンを使用し、両軍の差を描きます。ドイツ軍は1ターンに4回の移動または戦闘を実施でき(うち、機械化移動または戦闘が1回)、かなりの柔軟性を持ちます。対するソ連軍は、軍ごとのチットで移動-戦闘で、史実でもそうだった連携不足が、基本システムで表現されています。
 それ以上に強烈なのが、ソ連軍のドクトリンです。史実での不器用さを表すために、初期のソ連軍は、数多くの制限が付いています。作戦の強要(指揮チェック表でランダムに決定)、スタック、共同攻撃、後退の禁止、複数軍の隣接禁止、移動後攻撃の制限、ZOC離脱のペナルティ(移動力1/2)と、いわゆる陰謀ルールでがんじがらめになっています。
 よって、序盤の展開としては、高い柔軟性で突破-包囲を繰り替えすドイツ軍に対し、無謀な反撃で自滅していくソ連軍が、見事に再現されます。
 面白いのは、このドクトリンがターンを追うごとに(ランダムチットで)解除されていく点です。何が来るかは、神のみぞ知るですが、あれほど無様だった赤軍が、中盤にかけて拠点防御ができるようになり、終盤には数を生かした反撃が可能になります。
 ソ連軍には増援を引かないことで、任意の戦術チットを選択できるルールもあり、増援が先か、ドクトリンが先か、いい意味で悩むことになります。ソ連軍の増援は12個軍も有り、3-5個歩兵師団の貧弱な軍から、戦車・機械化師団6個を含む22個師団の増援まで、これまたランダムで登場し、ゲーム展開を極めて多彩にしています。
 オリジナルではゲームバランス的にソ連軍がかなり有利だったとのことで、その後、バランス調整ルールが発表されました。今回は、そのうちのドクトリンの選択制限のみ、使用しています。
 第1ターン、ゲームはドイツ軍の奇襲セグメントから開始となります。都市以外ではスタックできないソ連軍に、戦闘比とその後の展開を考えて、効率のよい攻撃を仕掛けます。攻撃側に損害の出ない8:1+1以上の攻撃を4カ所、「1」以外なら撃破となる7:1を2カ所、それ以下を3カ所、行います。結果、最も比率の低かった5:1でD1となった以外は、全て敵の撃破に成功します。
T1 奇襲フェイズ
 その後、通常のシークエンスに戻りますが、ドイツ軍行動が続き、機械化戦闘を含め、三度の攻撃を仕掛けます。Brest-Litovsk要塞への3:1のみ失敗(C)したものの、それ以外ではEXを含め、何らかの損害を与え、のべで15個師団を撃破します。
T1  ①AGC戦闘
 ソ連軍チットも引かれましたが、指揮チェック修整-1により、第3軍と第10軍が無謀な反撃を強要されます。結果、さらに5個師団が壊滅し、1個師団がステップロスとなります。
T1 ⑧3A自殺攻撃
 第1ターンが終わった時点で、ソ連軍前線はわずか5個師団を残すのみとなります。
T1終了時
 第2ターン、ソ連軍のドクトリンチットで「スタック」が来ますが、先の制限に従って引き直しとなり「戦略移動」に。
 行動チットはまたもドイツ軍が先制し、効率的な移動と連続攻撃により、ソ連軍の残存部隊と都市守備隊へ攻撃の矛先を向けます。第1戦闘こそ、やや接敵が少なく、低比率戦闘で若干の損害が出ましたが、連続攻撃により、3手番目までにBialystokとGrodnoを占領し、Brest-Litovsk要塞にも2ヒットを与えます。
T2 ③AGC連続戦闘
 ソ連軍は、小規模増援の第30軍をスモレンスクへ東進させた以外は、防御に徹します。
T2終了時
 第2ターン終了時には、ドイツ軍は快速の第2装甲集団でBaronovichiを包囲し、第3装甲集団はやや遅れて、ミンスクへ。
 第3ターン、またもソ連軍の増援は小規模の第28軍で、ドクトリンチットも指揮チェック修整+1と低迷します。
 速度は力とばかりに、ドイツ軍は一旦は包囲したBaronovichiを後にし、行動の全てで移動を選択します。特別ルールによりこのターンまで補給切れがないことから、第3ターンが終わった時点でMinskを装甲集団が、Baronovichiを歩兵部隊が包囲し、次ターン攻略の準備を終えます。
T3
 第4ターン、前ターンと一転し、ドイツ軍は満を持して連続攻撃をかけます。攻撃ユニット数が6を越えたため、2回のdrが可能となり、BaronovichiとMinskが陥落。Brest-Litovsk要塞も後1ステップを残すのみになります。
T4 ⑥AGC 都市攻略
 効率のよい攻撃で、補給路を確保したドイツ軍は、快速の装甲部隊を突進させ、ベレジナ川を守備していた1個機械化師団を包囲し、渡河に成功します。
T4 ⑧AGCベレジナ川渡河
 ソ連軍は、第13軍の一部撤収に成功し、Vitebsk-Orsha-Mogilevの拠点にスタック配置できたものの、増援は全て小規模軍のみで、Smolnesk-Roslavlの守備は極めて脆弱なままです。
T4終了時
 第5ターン、装甲部隊と後続の歩兵部隊の間に大きな間隙ができたため、ドイツ軍は移動を優先して、前線への送り込みを急ぎます。装甲集団は快速と独自行動を生かして、早くもOrshaに取り付き、ここを機械化戦闘で奪取します。そのまま、唯一の中央戦線である第30軍を捕捉し、Smolneskへの道をこじ開けます。一方、南北端のVilnaとSlutskには歩兵の別働隊が追いつき、攻略に着手します。また、粘りに粘った後方のBrest-Litovsk要塞がついに陥落します。
T5 ⑥オルシャ陥落
 ソ連軍は、撃破された第30軍の代わりに、わずか3個師団の第20軍で、急遽、Orsha-Smolneskの中間に戦線を張ります。その背後には、第16軍の大量11個師団が展開するものの、「スタック」ドクトリンがないため、はなはだ心許ない状況です。
T5終了時
 第6ターン、ソ連軍の増援は大規模の第24軍となりますが、いまだ、「スタック」ドクトリンは来ず。
 ドイツ軍は移動-戦闘のオーソドックスな手順で兵力を集中し、Slutskを歩兵で攻め落とします。主力の装甲集団は第20軍を鎧袖一触で吹き飛ばし、そのまま、突進。先駆隊は戦線を張りながら、Smolneskまで2へクスに迫ります。
T6 ③AGC攻撃
 第7ターン、ソ連軍は背に腹は換えられず、増援を諦めて、待望の「スタック」チットを任意選択します。
 こうなると、さすがのドイツ装甲集団も単独でのSmolnesk攻略は荷が重いため、一旦、進撃を停止します。移動行動を優先させ、歩兵を追従させて、補給路の確保と周辺都市の攻略に振り向けます。これにより、北のVilnaと南のBobruyskが陥落。ドニエプル川沿いに補給路の遮断に来た敵歩兵師団を迂回包囲し、兵力の終結を待ちます。
T7 ⑦AGC攻撃
T7終了時
 第8ターン、ソ連軍はまたも任意選択で「スタック」チットを獲得し、3スタックによる防御を展開できるようにします。
 前線への兵力が集結し始めたところで、ドイツ軍は攻勢を再開します。防備の厚いSmolnesk正面攻撃を避け、北寄りの歩兵師団スタックに装甲2個スタックをぶつけ、7:1で2drの猛攻でこれを撃破します。同時に、補給路を遮断する歩兵師団を高速機動で包囲し、1個スタックを撃滅します。
 南方では2個戦車師団が籠もるMogilevを、比率は低いものの歩兵による飽和攻撃(1:1の2dr)で攻撃し、1個師団を撃破。さらに南の渡河点で、第28軍の1個師団を撃破し、渡河に成功します。
T8 ④AGC攻撃
 ドクトリンチットの任意選択で増援が来ないソ連軍は、やむなく戦線をさげます。
T8終了時
 大きな転機が、第9ターンに起こりました。Smolnesk側面を攻撃していたドイツ軍は、敵の除去により、一時的に突破口を開くことに成功します。そこから、第14自動車師団がSmolnesk-Roslavl間にするりと抜け出します。運悪く行動チットを使い果たしていたソ連軍は、これに対応できず。機械化移動を含む2度の移動が連続して決まり、なんと南部の突破へクスへ突入してしまいます。これにより、ソ連軍の南部への兵力展開が著しく困難になります。
T9 ⑧AGC 14自動車化師団が突破 
 同時に兵力の充実により、Smolnesk正面攻撃を再開し、多くの敵部隊の除去に成功します。
T9終了時
 この危機にソ連軍は次々と大量増援を送り込んで、Smolneskの防衛を試みます。第10ターンに第19軍を、第11ターンに第21軍と、各10個師団を越える部隊でハイスタックを作り、Smolnesk全面に投入し続けます。さすがに3枚スタックとなると、ドイツ軍もこれまでのような高比率の攻撃はできなくなりますが、それでも高火力の装甲スタックで力押しにじりじりと前進を続けます。
T11 ②AGC 絶え間なき攻撃
 そして、本当の危機は南部で・・・。突破により、この方面へ直接増援を送れないソ連軍に対し、ドイツ軍は1個装甲軍団強の快速部隊と歩兵師団群を投入し、各個撃破に移ります。決して十分とは言えない兵力でしたが、ドイツ軍の作戦の柔軟性が勝り、そこここでの小包囲とRoslavlの占領に成功します。
T12 ⑪AGC 比率は上がらずも攻撃
 それでもあきらめないソ連軍は、次々と現れる増援にドニエプル川を強行渡河させ、一時的に数の優位でRoslavlの間接包囲に成功します。
 Smolnesk正面での猛烈な消耗戦とRoslavl周辺の補給路を巡る壮絶な戦闘が繰り広げられましたが・・・最後に笑ったのは、打撃力と高火力に勝るドイツ軍でした。
T12終了時
 最終の第13ターンに、2度に及ぶ大規模攻撃で、ついにSmolneskが陥落します。そして、南部での逆襲により、Roslavlの安全を確保し、突破へクスまでの補給路の開削に成功しました。
T13 ③AGCの攻撃
終了時
 ここで、ゲームエンド。VP計算をしたところ・・・
 13都市の占領…+13VP
 南部への突破…+2VP
合計15VPとなり、ドイツ軍の勝利となりました。
 いやー、面白かった。知人の印象ではソ連軍圧勝と聞いていましたが、追加選択ルール「ドクトリンの制限」を入れるだけで、極めて白熱した戦いになりました。第9ターンの極端なチット廻りで突破ができ、結果的にはドイツ軍の圧勝でしたが、あれがなければ、おそらくRoslavlの確保(補給線の維持)は厳しかったと思います。となると、あとはドイツ軍の損害によっては、逆転もありえたかと(ドイツ軍は2個歩兵師団が壊滅しており、あと1個の壊滅で-1VPでした)。
 14年前のGJ誌で絶版になって久しいですが、3時間程度で終わるバルバロッサ緒戦の作戦級として、十分に評価できると思います。もし、対戦希望がありましたら、早めに言っていただければ、ちはら会で受けますよ~。

 今月のソロプレイ第二弾は、「MINSK1941」(GJ)です。何度か、触れていますが、今年はバルバロッサ作戦80周年ということで、こちらを多めにプレイしたいと思っています。
 「MINSK1941」(GJ)は、天津老師デザインのシンプルなアイテムです。クォーターマップで、基本システムは移動-戦闘のみ。特徴は、ドイツ装甲軍団のみ、最大3へクスの戦闘後前進ができる点とソ連軍の狙撃兵軍団がアントライドであることくらい。
T0
 若干、変わっているのが戦闘システムで、解決は1ユニット同士で行い、戦力分のdrをして、1が出ればヒット。同数で引き分け、1差で退却、2差以上で壊滅です。ドイツ軍の装甲軍団と自動車化軍団が6戦力で、ソ連軍は0から4戦力までの狙撃兵軍団と1戦力の戦車軍です。よって、平均的なdrでは、正面攻撃での壊滅は難しく、うまく戦闘後前進を利用して、包囲することが基本になります。
 第1ターン、ドイツ軍は北から南まで8カ所で攻撃をかけます。が、drが整わず、逆にソ連軍の奮闘もあって、このターンに除去できた敵はわずかに1ユニットのみ。しかも、4カ所で膠着と、かなり厳しいスタートになります。
T1 バルバロッサ開始
 ソ連軍は逃げ切れない狙撃兵を犠牲部隊として、全体を後退させます。
T1終了時
 第2ターン、ドイツ軍は逃げる敵を捕捉し、5カ所で攻撃をかけます。1カ所でDEが出たので、3へクスの戦闘後前進を生かして敵を包囲し、もとから包囲可能だった場所と合わせて、3つの戦闘で敵を殲滅します。が、南の1戦力の狙撃兵軍団への3個装甲軍団・自動車化軍団の攻撃は、ソ連軍の奮闘で膠着に。
T2D 1戦力の狙撃兵軍団が奇跡の防衛
 ソ連軍は前線から撤退と後方から駆けつけた戦車軍団をスタックさせ、可能な限り厚い防衛線を引きます。
T2
 第3ターン、敵の前線が強化されたため、突破しにくくなりましたが、ここが勝負とドイツ軍は装甲軍団で強襲をかけます。幸いにして、北部中央部で3戦力+戦車1戦力の強敵をDEに!ここから浸透した装甲軍団が、敵の1個スタックを包囲します。
T3D
 北部での前進防御か、後のことを考えた撤退か。ソ連軍は悩んだあげく、北部戦線を後退させます。
T3D終了時 突破成功!
 第4ターン、ドイツ軍は包囲下の敵スタックを撃破する一方で、機動力を生かして、北部を疾走します。戦線が拡大し部隊が足らなくなったソ連軍は、やむなく、ミンスク近郊に撤収します。
T4
 第5ターン、最終目標の突破へクス及びミンスクに向けて、ドイツ軍は全域で攻撃をかけます。うち、最北の狙撃兵軍団が0戦力!すかさず、戦闘後前進で、突破へクスに隣接します。また、これにより前線の1個スタックが包囲され、執拗な攻撃により、全滅します。
T5D
 もはや後がないソ連軍は、南部から部隊を回そうとしますが、移動力が足らず、ミンスクと突破へクスに1部隊ずつを置くのがやっと。
T5
 第6ターン、ソ連軍の最終防衛線に対し、9つの装甲・自動車化軍団が襲いかかります。最も脂の乗ったドイツ軍の電撃戦の前に、突破へクス、ついでミンスクが陥落します。また、南部では正面攻撃で1個スタックが崩壊します。
T6D
 それでも、諦めないソ連軍は、圧倒的不利を承知で最後の反撃を試みます。奪われた突破へクスとミンスクに、半分以下の戦力で突撃を実施しましたが・・・結果は、ドイツ軍の装甲戦術の前に、逆襲を受け、全滅。史実より1ターン早い、終了でした。
T6S 反撃も実らず
終了時
 後知恵ですが、ソ連軍は第3ターンで前進防御をする手もあったかも。ただ、次ターンに突破が決まると、多くの部隊が消滅しかねず、難しいところです。
 流れだけ見ると、ドイツ軍の圧勝でしたが、以前のプレイではdrが平均となり、ソ連軍の戦線を破れなかったこともあります。慣れれば、1時間程度なので再戦もできるので、ノービスではじめて独ソ戦をする人やベテランが時間調整にプレイするにはいいかも。

 今月のソロプレイ第一弾は、80周年記念の独ソ戦から「独ソ戦カードゲーム」(Bonsai Games)です。ベストセラーとなった大木毅氏の「独ソ戦」にインスパイされたもので、気鋭のデザイナー中黒氏がデザインし、無料配布されています。
T1スタート
 システムはシンプルで、お互いに戦力カードを出し合い、勝つと1マス前進できます。見込みがないと戦力を投入しないと2マスの前進を許します。首都圏での防御で敗北すると、余分に1枚をパイルさせられます。攻撃しなければ、1枚のカード補充ができ、首都圏の防御だと2枚を引けます。
 イベントとして「収奪戦争」カードがあり、2枚引いたところでターンがサドンデスで終了です。この時、手札に戦力カードがなければサドンデス負けです。最終ターンにミンスクを境にどちらよりかで、通常の勝利判定となります。
 また、ソ連軍だけが使用できる殲滅戦争カードがあり、年を追うごとに戦力値とカードが増えていきます。
 第1ターン(1941年)、そこそこ優秀な戦力を手に入れたドイツ軍は、軍事境界線から攻撃に出ます。ソ連軍は、まともな戦力がないのでこれをスルー。ドイツ軍の先鋒はスモレンスクに到達します。
T1スモレンスクへ ソ連軍抵抗せず
 そのまま、連続攻撃を仕掛け、ソ連軍も抵抗するもモスクワへ。第1次モスクワ戦はドイツ軍が優勢に。ソ連軍はかろうじて、予備兵力1枚を残し、凌ぎます。
T1モスクワ戦
 第2ターン(1942年)、モスクワ前面で激しい戦闘になります。ドイツ軍が攻撃して、首都一歩手前まで行きますが、ソ連軍は予備を投入して耐えます。その後は、両軍とも部隊の補充に努め、膠着に。
T2第二次モスクワ戦
T2膠着
 第3ターン(1943年)、カード枚数で上回ったソ連軍は反攻に出ます。殲滅戦争4を投入しますが、ドイツ軍も6戦力を使ってこれを撃退。ソ連軍に余分に1枚を捨てされます。 
T3 ドイツ軍が切り札の装甲軍団投入
 が、これも織り込み済みだったソ連軍は、今度は本命の5戦力で連続攻撃に。さすがに耐えかねたドイツ軍は初の後退となります。
T3ソ連軍の反攻
 ドイツ軍はここで虎の子の装甲軍団7戦力を投入します。ソ連軍もカードを廻すために抵抗しますが、当然、敗北を決し、戦線はまたもモスクワへ。
T3第三次モスクワ戦
 第4ターン(1944年)、ソ連軍はまたも反攻に出ますが、ドイツ軍は装甲軍団7戦力でこれを撃退します。と、ここで連続して収奪戦争が出て、ターン終了。
T4ソ連軍反攻も機動防御で敗退
 第5ターン(1945年)、このままだと敗北となるソ連軍は、必死に反撃を試みますが、ドイツ軍も高戦力カードを投入して、猛烈に抵抗します。
T5ソ連軍なおも反撃するも・・・
 一時はスモレンスクまで押し返すものの、6戦力を投入したドイツ軍の攻撃にまたも敗退。
T5逆襲成功
 結局、モスクワ前面で戦線が膠着し、規定により、ドイツ軍の勝利となりました。
T5再び押し返される
 数戦、ソロをしましたが、普通に戦うとドイツ軍の方が優位なよう。それでも、カード周りによっては、ドイツ軍のカードがなくなり敗北したこともあります。42年以降は、各ターン1回程度、ソ連軍の反攻で2枚のカードを認めるなどすると、もう少し、バランスは取れそうです。
 ともあれ、掛け引きも楽しめ、慣れれば10分でできる独ソ戦ということで、例会の対戦の合間にはもってこいかも。

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