今月のソロプレイ第1弾は、寒い時期にぴったりの(?)「FREEZING DEATH」(LINDEN LAKE GAMES) です。1939年に起こったフィンランド-ソ連戦争、通称:冬戦争を描いた戦略級アイテムです。
基本システムはCDSで、フィンランド国土をカレリア地峡戦線、ラドガ・カレリア戦線、スオムッサルミ戦線の3つに分け、エリア方式で占領またはその阻止を目指します。 ソ連軍は多くの領土を占領すれば、勝利に。フィンランド軍はこれを防ぐため、一つはマンネルハイム線という要塞線での抵抗を試みます。もう一つは、国際世論を味方にした連合軍の介入で、派遣軍が到着すると勝利となります。そこまでいかなくても、国際世論の形成でVPを得られます。
ドリブンのカードには、歴史的イベント(一度のみと繰り返し使用できる2種類)と行動ポイントがあり、いずれかを使用します。行動ポイントは、ユニットの活性化(移動及び戦闘)か、兵力補充に使用できます。戦況を見ながら、イベントにするのか、あるいは活性化か、または補充にするのかの判断をしていきます。
ソ連軍の作戦は、使用イベントの多いカレリア地峡を主攻勢として、他の戦線で助攻を行う形がセオリーです。一方のフィンランド軍は、マンネルハイム線で抵抗しつつ、他の戦線で「モッティ戦術(スキー部隊による背後遮断)」で反攻に出たり、介入ロール修整で国際世論の形成を図ったりします。
第1ターン(1935-38年)、両国は戦争に向けて準備を進めます。ソ連邦は、「5カ年計画」でユニットを増やし、「スペイン内戦のベテラン」で補充して戦力を高めます。同時に、「地下コミュニスト」で敵の戦力を内側から削ります。
一方のフィンランド軍は、「補充基本計画」や「農業社会組合の組織」、「エストニアとの軍事協定」、「ロッタ・スヴァルド(女性の自主的軍事援助組織)の支援」などで、戦力の増強を進めます。同時に、国際世論を誘導せんと、「第1次世界大戦の戦時債務支払い」、「オリンピックの成功」をイベントで実施しますが、残念ながら連合軍の介入の可能性は上がらず。
戦争の足音が聞こえてきた第2ターン(1939年)、ソ連軍は「独ソ不可侵条約」や「ポーランド侵攻」、「バルト海の軍事基地」など、着々と戦争準備を進めます。同時に「カヤンデル首相(フィンランドの対ソ融和内閣の首相)の方針」や再び、「地下コミュニスト」を使って、フィンランド軍の戦力を削ります。
フィンランド軍は、「カレリア地峡の要塞化」や「予備役兵の追加訓練」、「情報統制」、「資材補給省の設立」などで対抗します。
第3ターン(1939年12月)、ついにソフィン戦争が勃発します。国土がいわれなき砲撃を受けたという偽りの口実で、ソ連軍がまず、ラドガ・カレリア戦線に侵攻します。ともに1個師団から2個師団程度の戦力のため、損害はなし。
続いて、主戦線のカレリア地峡で、支援を受けたソ連軍2個師団が進撃してきますが、要塞化されたマンネルハイム線で食い止められ、「スターリンの粛清」の影響もあり、ソ連軍がつたない戦術で大損害を出します(フィンランド軍2ヒットに対し、ソ連軍6ヒット)。が、前衛部隊が占拠したエリアにソ連軍が殺到し、第二次攻撃で再び、フィンランド軍に損害を与えます。
これほどの死闘が起こっていますが、国際世論は無情にも事態を静観します。
第4ターン(1940年1月)、さすがに前線部隊が消耗した両軍は、補充と敵戦力の減少に努めます。ソ連軍が「カヤンデル首相の方針」でフィンランド軍を削れば、フィンランド軍も「フィンランドの冬」で敵を消耗させます。一方で、行動ポイントを使って、部隊の再編成を行います。
第5ターン(1940年2月)、時間がなくなってきたソ連軍は「大攻勢」を発動します。フィンランド軍も「1月の条約」で迎え撃ち、損害は4:6とソ連軍不利になります。が、圧倒的な戦力を誇るソ連軍に対し、フィンランド軍はかろうじて要塞線を維持する状況に。
最終第6ターン(1940年3月)、要塞線を抜けたソ連軍は「重砲兵の支援」で強引に突破を図り、さらにフィンランド軍2ユニットを撃破。
最後に残った1ユニットを、戦車の突進で粉砕し、首都ヘルシンキを陥落させます。この瞬間、ソ連軍のサドンデス勝利が確定しました。
最後に残った1ユニットを、戦車の突進で粉砕し、首都ヘルシンキを陥落させます。この瞬間、ソ連軍のサドンデス勝利が確定しました。
フィンランド軍の戦闘drが低かったこともありますが、やはり、史実通り、ソ連軍の戦力とカードは圧倒的でした。また、今回、介入drが優れなかったため、ソ連軍としては国際世論を気にすることなく、純粋に軍事的攻勢をとり続けられたことが効果的でした(万が一、連合軍の介入の可能性があると、dr修整のため、イベントを使わざるを得ない)。