歴史・戦史研究「ちはら会」Drei

この会は、主にシミュレーションという手法を用いて、歴史・戦史を楽しもうという、有志の集まりです。興味ある時代をテーマに選び、図上演習(シミュレーションゲーム)を通して、文献研究では得られない「動きのある歴史」を見つめます。 「ちはら会」では、現在、会員を募集しています。年齢や資格等を問わず、興味のある方ならば、どなたでも参加できます。関心のある方は、下記にご連絡ください。 Eアドレス. chiharakai@apost.plala.or.jp (代表.mitsu)

2020年12月

 今月のソロプレイ第7弾は、現代史アイテムから「パットン」(ツクダ)です。同名の戦車から取った戦闘級で、精密極まるタンクコンバットシリーズの一作です。WWⅡ以降の主力戦車や駆逐戦車、対戦車ミサイルまで登場します。ただ、現代陸戦戦闘級の本命だった「レオパルドⅡ」(ツクダ)に当時の最新MBTを組み込むため、「パットン」では、いわゆる第2世代までの戦車の収録となっています。
 今回の朝鮮戦争シナリオは、洛東江の戦いから「大邱の夜戦」です。釜山橋頭堡の要である大邱を巡る最後の激戦を描くもので、朝鮮人民軍はT34/85が、国連軍にはM26パーシング(とdrによってはM46)が登場します。
 このシナリオの特徴ですが、まず、登場戦車数がdrで決まります。国連軍は最大で8輛、最小で2輛(!)と、かなりの幅があります。平均は4.8輛なので、5台程度が使用できることになります。一方の朝鮮人民軍は、電撃戦の立役者T34/85が7-10輛登場します。平均は8台です。 
  機動力ではT34/85が若干、上ですが、主砲の能力は国連軍が圧倒的です。両軍とも高速徹甲弾(HVAP:High Velocity Armor Piercing)を使用できますが、国連軍のHVAPは5/6以上の確率で敵の装甲を貫通します。一方の朝鮮人民軍は、至近距離以外では敵を撃破できる確率は1/6強程度です。
 もう一つの特徴は、タイトル通り、夜戦であること。両軍とも1d6して距離以下が出ると視認できます。つまり、300m以下でなければ、敵を発見できず、確率的には150-200mの砲撃戦が起こりやすくなっています。かなりの近距離戦といってもよいでしょう。
 ただし、国連軍には各戦車に2発の照明弾が用意されており、平均で10へクス程度に発射でき、3-4へクス以内の敵をあぶり出します。敵のダミーを暴露するとともに、通常の夜戦距離(300m以下)に入る前に、国連軍が先制射撃を行えます。
 よって、数で劣る国連軍の作戦は、装甲貫通力に±2が得られる丘に陣取り、迎撃をすることになります。敵が中距離(10へクス以内)に近づいた時点で、照明弾で部隊規模を明らかにします。夜戦交戦距離に入る直前に照明弾照射による先制射撃を実施し、あとは優秀な砲撃力を生かして、敵部隊の撃破を狙います。5台以上の主力戦車がいるならば、1-2輛は予備として拘置し、敵の主力を見極めて増援とします。
 数では勝るものの、砲撃戦ではかなわない朝鮮人民軍は、ダミーを使用したブラフで左右両翼またはいずれかからの突破を狙うことになります。基本は行進間射撃になるので、命中率は非常に低いですが、数を生かした集中射撃で少ない敵戦車を撃破できれば、「負けない公算」が大きくなります。そう、朝鮮人民軍の勝利条件は、敵の全滅か、2/3以上の突破と、まず、達成不可能なので、3輛以上の突破による引き分けを狙います。

T0
 セットアップですが、以下のようになりました。
 国連軍:M26×5
 朝鮮人民軍:T34/85 ×9
 国連軍は上記の作戦通り、見通しの悪い左翼に2輛、中央に1輛、右翼に1輛を配置します。最後の1輛は、中央の交差点に予備として拘置します。
T0 国連軍
 一方の朝鮮人民軍は、左翼に4輛、右翼に5輛を配置します。本命は、両翼の実車輌とほぼ同数の配置をしたダミーです。今回は、先にダミーのスタックを突進させ、敵の照明弾の消耗を狙います。当然、残ったのが実車輌になりますが、うまく照明弾を使わせることができれば、夜戦距離前の捕捉を回避でき、近距離の砲撃戦で数少ない敵を撃破できる可能性が高まります。デメリットとしては、突破へのスケジュールがギリギリになりますが、敵の対応も遅れるはずなので、綿密に計算して盤外突破が間に合うようにします。
T0 NKPA
 第1ターン、事前計画通り、朝鮮人民軍が動き出します。今のところ、左右どちらが主力かあるいはダミーかは不明のため、国連軍は偵察のために左翼の1輛を、西盤端に向かわせます。両軍ともじりじりと前進を続け、第1ターンが終了します。
T1F6
 第2ターンの第2フェイズ、国連軍の偵察隊が左翼盤端付近に到着します。闇夜の中、かすかに聞こえてくる機械音に耳を澄まし、照明弾を上げるタイミングを待ちます。
T2F2
 第5フェイズ、敵との距離が500mを切った時点で、照明弾を発射。しかし、これが不発となり(よりによって1!)、状況は不明のまま。
T2F5
 まもなく、通常の視認距離内に入る直前、第6フェイズ、もう一度、照明弾を発射します。これは成功となり、敵部隊の中央で炸裂し、周囲を明るく照らし出します。結果、6輛がダミーと判明。ちょうど、丘陵上を移動していた1輛のみが視認されます。
 第3ターン、これで左翼は最大でも4輛ということがわかったので、国連軍は中央の予備1輛を右翼に向かわせます。
T3F1 左翼は丘に撤収開始、右翼へ増援
 第2フェイズ、接近してくる敵に対し、国連軍の右翼の1輛が照明弾を発射します。これは成功したものの行動が低すぎて、周囲2へクスのみを照らします。それでも先頭の車両らしきものがダミーと判明します。
T3F2 右翼に照明弾
 これで残りの車両がほぼ本物とわかったので、敵の接近を待って再度、照明弾を発射。これが効果的に打ち上がり、全ての敵車輌を照らし出します。最も前方のT34までの距離は400mだったので、国連軍のパーシング04号車がこの夜戦初の砲撃を実行します。が、惜しくも外れ。中央から増援の05号車は、敵を上方から狙い撃たんと、丘に繋がる斜面を登り始めます。
T3F5 UNが発砲も、惜しくも外れ
 第6フェイズ、なおもT34は前進。国連軍の04号車は必死に次弾を装填します。一方、中央部はダミーの1輛が微妙な距離を保ちながら、前進をしてきます。この車輌が本物ならば、道路を使用する国連軍車輌の側面を撃てることになるので、正体判明のため、照明弾を打ち上げますが、これがまた、1で不発に。
 第4ターンの第1フェイズ、国連軍は貴重な照明弾を再び、中央部に発射しますが、ああ、これもまた、1に!6発の照明弾を打ち上げて、3発が不発で、1発が低すぎて効果薄とは。史実通り、WWⅡの在庫で火薬が湿っていたのか?!
T4F1 中央の照明弾が失敗
 そうこうするうちに、右翼では敵戦車との距離が200m以内に。闇を通して響いてくるキャタピラ音に耳を澄ませますが、発見できたのはお互いに右中央の丘陵に登った1両ずつのみ。もとより、低命中率は覚悟の上で、一発でも多く撃って確率論的な命中に期待する朝鮮人民軍の08号車が、250mの距離で射撃を開始しますが、これは当然のごとくはずれに。
 第3フェイズ、近距離に入った両軍は闇の中で必死に照準を合わせようとしますが、発見できたのは、丘上の国連軍05号車と先頭のT34の09号車のみ。敵を発見した朝鮮人民軍は、先頭以外の3輛の砲塔を旋回させると、一斉射撃します。行進間射撃のため、マイナス修整(-4)が強かったのですが、敵が側面を曝していたのが幸いし、1発が命中!これが車体に突き刺さり、高度による修整を無視して、撃破・炎上させます。
T4F4 M26の側面に命中、撃破!
 一方、国連軍は04号車が150mの近距離で09号車を射撃しますが、60%以上の命中率にも関わらず、失敗!ちなみに、国連軍は照明弾を上げていたのですが、なんと4回目の不発に。これにより、05号車が射撃できなかったのも、痛い。
T4F3 予備のM26が丘を駆け上がる
 第5フェイズ、今度は先頭をひた走ってきたT34の09号車が、国連軍の04号車に発砲します。これが車体下部に命中したものの、高度効果もあって装甲に弾かれます。間一髪!この危機に、国連軍は中央の01号車を発進させると、1輛しかいない右翼に向かわせます。
 一方、左翼ではダミーのフリをしてきた4輛のT34が、国連軍の視界内に。十分に意識を集中していた戦車兵がこれを発見し、先頭のT34に発砲。上方からの射撃効果もあって、高性能のHVAP弾が易々と敵戦車の装甲を貫きます。燃料に引火したため、火災が発生します。
 第6フェイズ、この火災で照らし出されたT34に対して、中央のM26が400mの距離で射撃を実行。これが、車体側面に吸い込まれ、撃破!2両目の撃破となります。
 一方、右翼では集結をした4輛が、丘の上に向かって再び、突進を始めます。これに対し、04号車が100mの至近距離で三度目の射撃をしますが・・・まさかの外れ。ただでさえ、数の少ない国連軍が、射撃戦で優位に立てないとは、厳しい!04号車は乱戦を避けるため、一時的に後退します。
T4F6 左翼は撃破、右翼は100mの至近で外す
 第5ターン、燃え上がる2輛の残骸に接近することは危険、と判断した朝鮮人民軍の左翼部隊は、闇夜に紛れるべく、一時的に後退します。これを逃がさじと、国連軍は照明弾を打ち上げて射撃を行いましたが、距離があったことと敵が急発進(急後退)をしたため、命中せず。国連軍は左翼の脅威は大幅に減少したと考え、中央の01号車に続き、もう1輛の03号車を旋回させ、右翼に向かわせます。
T5F2 右翼のT34は一時後退
  第3フェイズ、右翼の危機が高まります。丘を駆け上ったT34は、後退中の敵の追いつくと零距離からの行進間射撃を試みます。確率は50%を切っていましたが、1発を命中させます。車体側面に食い込んだ砲弾が装甲を食い破り、04号車を破壊してしまいます。04号車も同じく零距離射撃で、09号車についに命中弾を出し、装甲を貫通しましたが・・・まさかの損害なし(損害チェックで11!)左翼で旋回中の03号車も長距離射撃を行いましたが、こちらは外れ。結局、右翼は有利な射撃を悉く外し、敵に肉迫されて全滅します。
T5F3 左翼で両軍が零距離射撃も・・・
 それでも、炎上した国連軍車輌が敵を照らし出したので、左翼から再び、中距離射撃を実施します。こちらは7以下で命中でしたが、外れに。
 当初は直進のまま、突破を考えていた右翼の朝鮮人民軍ですが、距離はあっても国連軍の射撃は危険と判断し、後続の2輛は旋回して、一旦、丘から降りることに。
 第6ターン、逃げる右翼の朝鮮人民軍を猛スピードで追いかけた01号車が、ついに丘に登って捕捉します。距離はわずかに200m。朝鮮人民軍は闇に紛れて逃げるか、数の優位で迎え撃つか、迷いましたが、近距離での砲撃戦なら分があると判断し、車体を旋回させて、迎撃態勢を取ります。すかさず、2輛で発砲するも、機動の影響を受けて外れとなります。
 第3フェイズ、丘を登り切った01号車が、側面を曝しているT34の09号車を捕捉します。行進間射撃でしたが目標が大きかったため(側面の+2修整)、見事に命中!これを撃破します。右翼の丘陵にいるのは、ともに1輛ずつに。どちらが先に命中させるか、の一騎打ちに。
T6F3 1号車が09を撃破!
 第4フェイズ、再装填を終えたT34の07号車が乾坤一擲の反撃を行いましたが、これが外れに。すると、第5フェイズ、今度は01号車が再装填をして発射。ともに行進間射撃の闇夜の150m射撃でしたが、見事に命中。必殺のHVAP弾が砲塔基部に突き刺さり、07号車を撃破します。小隊長の乗る01号車は、延べ3輛撃破です。
 一方、右翼では迂回を終えたT34の2輛が、再び突破に向けて前進を開始します。視界ギリギリの300mで丘にいるM26を発見した2輛が発砲しますが、命中値は3以下のため、ともに外れとなります。
T6F5 炎に浮かび上がった07も撃破!
 第6フェイズに、今度は02号車が接近する敵の発見に成功します。万全の停止状態から放たれた一発は、敵の1輛に命中し、これを撃破します。
T6F6
 終盤となった第7ターン、燃え上がる僚車の脇をすり抜けて、突破を狙ったT34の04号車でしたが、フル稼働のエンジン音を聞きつけた国連軍が発砲。こちらも狙い違わず、車体側面を貫通し、連続撃破となります。殊勲の02号車は、これで延べ3輛を撃破です。 朝鮮人民軍の車輌は、残り3輛に。丘の麓を迂回した右翼の2輛は突破確実ですが、撤退援護だったはずの中央の1輛が突破できるかが焦点に。
T7F3
 両軍とも、中央の南北に貫く道路を目指して、移動を開始します。いつ敵に遭遇するか緊張の中、時折、姿が見える敵に発砲し合うもの命中弾はなし。時間だけが過ぎていきます。
T7F5
 迎えた最終の第8ターン、接近するM26 の01号車とT34の08号車が150mの近距離に近づきますが、雲が月明かりを隠したため、発見できず。と、左翼の丘陵に陣取った03号車がエンジン音だけを頼りに、08号車に射撃を行います。いわゆる盲目撃ちでしたが、敵が側面を曝していたため、命中!上方からの高度効果も重なって、撃破。この瞬間、国連軍の勝利が確定しました。その後、T34の2輛が闇に紛れて南端から突破し、ゲームエンドに。
T8F1
 今回、照明弾の不発と国連軍のdrの偏りにより、接戦となりましたが、最後は国連軍が地力を発揮し、かろうじて勝利となりました。史実ではワンサイドゲームでしたが、闇夜、不確実な照明弾、ダミーといった要素がよい雰囲気を出していたと思います。
終了時

 今月のソロプレイ第6弾は、今年が70周年となる「TANKS+」(CMJ)の朝鮮戦争シナリオです。「極東のアラモ砦」という、題名から釜山橋頭堡での戦車戦と思われます。
 当然、国連軍が防御側であり、丘の上にある二つの村を守り切るか、一定数の敵を撃破すれば、勝利です。ただし、兵力はM26が2両とM24が1両、4個分隊の歩兵のみ。対する北朝鮮軍は、12両のT34/85と8個分隊の歩兵と、AFVで4倍、歩兵で2倍と兵力差は圧倒的です。
 戦車性能は、国連軍が有利とは言え、接近戦ではT34でも十分にM26の装甲を打ち抜けます。数を生かしたソ連軍が至近距離からラッシュを掛けると、その名の通り、「アラモ砦」になる可能性が高いです。
 セットアップですが、国連軍は地形効果が使用できる丘の上の村に、主力戦車を歩兵とのコンバインドアームで配置します。

T0
 第1ターン、北朝鮮軍はタンクデザントを先頭に、丘に向けて突進します。国連軍は増援のdrをするも到着せず。
T1
 第2ターン、北朝鮮軍は数に物を言わせて、丘を駆け上がり、VP地点に接近します。北朝鮮軍の前進射撃の確率は低いため、国連軍はあえてdr修整のつく、防御射撃をせず。それでもT34の数を生かした飽和攻撃により、1発が命中し、M26の1両が撃破されます。
T2NK
 国連軍ターンに、増援要請をしますが、到着せず。生き残ったM26と歩兵で至近距離から準備射撃を行い、T34/85を3両撃破します。
T2UN
 第3ターン、北朝鮮軍は足を止めて、国連軍に猛烈な射撃を浴びせます。8両及び歩兵の準備射撃と前進射撃により、国連軍のAFVは全滅し、歩兵2個分隊を残すのみになります。
T4NK
 ここは是が非でも増援が欲しい国連軍でしたが、ああ、無情にも援軍はなし。それでも、村に立て籠もる歩兵がバズーカで、戦車を攻撃し、2両を撃破します。
T3UN
 が、これが限界でした。第4ターン、北朝鮮軍は圧倒的な兵力差で準備射撃を行い、さらに敵1個分隊を撃破します。そこへ北朝鮮軍の歩兵が突撃し、1個分隊の犠牲と引き替えに、最後の国連軍歩兵を殲滅します。
 この瞬間、2カ所のVP地点を確保した北朝鮮軍の勝利となりました。
T4NK
 う~ん、東部戦線シナリオの「エレファント」と同様に、この兵力だとなるようにしかならないシナリオかしら。丘の稜線で臨機射撃を行う手もやってみましたが、30%程度の増援drが成功しないと、やはり、北朝鮮軍の物量に呑み込まれます。まあ、唯一の朝鮮戦争シナリオということで、プレイしたことに意味があると考えましょう(笑い)。
 なお、この記事を持って、現代戦(アジア戦域)ジャンルのプレイ済みが2割を超えました。そちらも更新しますのでご覧ください。

大戦後も続く、アジアの動乱!~朝鮮戦争・ヴェトナム戦争・アフガン紛争アイテム
http://chiharakai2019.livedoor.blog/archives/19819182.html

 オークションが主とはいえ、開始まで時間があったので、お手頃な「関ケ原大作戦」(GJ)を広げていたところ、3人が代わる代わるお声かけをいただき、インスト対戦をすることに。
 初戦は、ASL待ちのほんきちさんがお相手が来るまでと。序盤は、東軍が岐阜城と犬山城を落とし、若干、リードします。

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 と、早々に家康が到着したので、南宮山の吉川勢に問い鉄砲を撃ち込み、寝返りに成功します。
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 さらに、関ケ原に突進した家康は、小早川隊も味方に付けます。
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 西軍は、一か八かで宇喜多隊で家康本隊を狙いますが、逆襲を喰らって、秀家が戦死。東軍の畿内突入を防ぐ手立てはないということで、勝利となりました。
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 第二戦は、yagi会長のコーディネートで、YSGAのBlue Bearさんと対戦に。Blue Bearさんは果敢に赤坂決戦に持ち込むべく、大谷隊を投入します。
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 一時はこれが奏功し、先鋒の福島隊が被害を受け、後退することに。すると、西軍は三成隊も投入し、強力な防衛体制を固めます。
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 ならば、大垣城を迂回せんと、家康本隊と黒田隊が南回りで侵入します。
 西軍は宇喜多隊を大垣に入れ、家康本隊に痛打を与えますが、この隙に黒田隊がするりと関ケ原を突破。
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 高い機動力を生かして、敦賀城経由で畿内に乱入し、次々と城を攻略。こうなると西軍には防ぐ手がなく、東軍の勝利となりました。
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  第3戦は、DUNEの後で、帰り間際に声をかけてくれたゆいしかさんと。岐阜城と犬山城を抜いて、関ケ原周辺に浸透した東軍先鋒に対し、西軍は宇喜多隊、大谷隊、石田隊を持って封鎖します。
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 必然的に薄くなった大垣城に対し、東軍が猛攻を加え、後1ステップに。西軍は大谷隊を緊急に入れ込みます。
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 が、ここで家康が到着。行軍で大垣城に隣接すると、すかさず、問い鉄砲を放ちます。城内で怯えていた赤座・小川隊が寝返り、城は陥落し、大谷刑部は討ち死になります。
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 強引に突破を図る家康隊でしたが、ここは丘陵に陣取る宇喜多勢が敢闘し、一時的に家康を敗走させます。
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 ならば、と方針を切り替えた東軍は、家康の調略で小早川隊を寝返らせます。西軍がやむなく、畿内に防衛線を引き直す間に、さらに伊勢亀山に入る鍋島勢も裏切って、ゲームエンドとなりました。
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 見た目が簡単そうでシステムも軽いので、楽しそうに対戦していると、次々と予期せぬホイホイ効果が(笑い)。ゲームはプレイされてなんぼと考えると、理想的なアイテムかもしれませんね~。

 寒さが増していますが、年末になる前に県内の千葉会へ行ってきました。主な狙いはオークション(の見学)でしたので、ゲーム対戦は軽めに。
 こちらは、お誘いに乗って軽くインストいただいた「DUNE」(NINE)。陰謀家のハルコンネンを担当したのですが、実は、全く原作を知らず。アメリカでは相当に人気があるそうで、コロナで延期になっていますが、新作映画もあり。ルール解説でも、設定が独特で、面白そうでした。

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 こちらが本命のオークション。というより、仲間内のゲーム・ロンダリングに近く、ほとんどのストップ高が1000円ちょっどだったり、処分に困っているので「誰か、もらって!」コールまで(笑い)。
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 自分も、所有アイテムの都合で可能な限り絞ったのですが、ああ、ソフィン戦争とか、第4次中東戦争とかの誘惑に勝てず、2品を落としてしまい。だって、マンネルハイムの渋い写真に、フィンランド表記(!)のカードがついているなんて。英語訳もあり、そんなにハードではなさそうなので、どこかでプレイしたいな~。
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例会の終盤、ハヤブサ人気に肖り(うそ)、3人で「テラ・フォーミング・マーズ」を対戦しました。担当した企業は、以下の通りです。

インセントリックス社(エンジョウ)
バレートラスト社(平)
エコライン社(mitsu)
ポイントルナ社(BIBI)
 序盤、インセントリックス社(エンジョウ)が宇宙系の大型プロジャクトを次々に成功させ、リードします。その後も、ガシガシ、VPを積み重ねていきます。

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 バレートラスト社(平)は負けじと、地球化指数を上げ、褒章を抑えます。ポイントルナ社(BIBI)は、プレイ歴が長いこともあって、開発・生産・プロジェクトをバランスよく行い、追い上げます。

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 エコライン社(mitsu)は、隙を見て称号を取りますが、酸素濃度があっという間に上がったため、緑化の利点を生かせず。

 結果、ポイントルナ社(BIBI)とバレートラスト社(平)が77点で同点トップ、インセントリックス社(エンジョウ)が1点差とまれに見る激戦でした。エコライン社(mitsu)は、カードの開発が遅れたのが響きました。

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 12月と言えばバルジでしょうと、エンジョウさんと久しぶりに「バルジ大作戦」(CMJ)を対戦しました。エンジョウさんが希望でドイツ軍を、mitsuが連合軍です。

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 連合軍のセットアップは、いわゆる「北の防人」作戦で、正面が薄くなりますが、後方の機動予備を増やし、敵の攻勢軸に適切な増援を送り込む予定です。ただし、エンジョウさんのような玄人相手だと、drによって出血多量で崩壊することもありますが。
 第1ターンのドイツ軍の第一次攻撃は、北の7:1から南部の3:1まで、5カ所となります。これがD1R、EX2が二つ、D1のオプションリトリート、コンタクトと、やや連合軍有利な内容になります。勇んで行った第2次も、まさかのA1が出て撃破に至らず。EX2で中央の1個連隊を屠ったのがせめてもですが、貴重な装甲師団も2ステップロスを受けます。

T1D1
T1D2
 連合軍は犠牲部隊で足止めし、主力を暫時後退させ、北部ではサンビットを軸にした防衛線を引きます。
 第2ターン、ドイツ軍は北部の街道を使って、モンシャウを守る第9歩兵師団を攻撃します。これが成功し、モンシャウを抜いた装甲師団が、2個連隊を包囲し、これを殲滅します。一方、中央部では、第5装甲軍の3個師団がトロワポン前面の1個CCを強襲し、1ステップロスを与えます。
T2D2
 連合軍は、北部からの増援でエルゼンボルン尾根を固め、南部の第9機甲師団の一部を廻し、半円形防衛線を引き直します。南部では健全な歩兵連隊がバストーニュに向けて、徐々に後退します。
T2A
 第3ターン、ドイツ軍は2個装甲軍の機動を確保するため、サンビットを強襲します。第2次攻撃までで後1ステッ
プまで連合軍をすり減らしますが、ああ、惜しくも落ちず。また、焦点のトロワポンでは3個装甲師団で3:1攻撃をかけますが、こちらも無情にContact。
T3D1
 さらに第2次攻撃で、正面攻撃を繰り返しますが、D1がやっとです。
T3D2
 一息ついた連合軍は、バストーニュに空挺を入れるまでもなく、3ユニットを籠城させ、第101空挺師団でヌシャトー・ドームを形成します。北部は2-3枚スタックで強力な戦線を作ります。
T3A
 第4ターン、ドイツ軍はやっとサンビットを落とし、北部戦線に攻撃をかけますが、厚い守りに阻まれ、効果なし。南部には1個装甲擲弾兵師団を投入し、バストーニュを包囲します。
T4D
 このターンは増援のない連合軍ですが、整然とスパ近くまで戦線を後退させます。
T4A
 第5ターン、もはやイギリス軍登場は無視して強襲するしかないと、ドイツ軍は北部に猛攻を加えます。最大でも2:1にしかない正面攻撃ですが、エンジョウさんがローロールを出し、1カ所で戦線をこじ開けます。
T5D1
 そこから浸透した装甲師団が、機甲2個を含む3個スタックを包囲し、一撃でこれを撃破します。
T5D2
 が、大量の増援を得た連合軍は、薄くなった中央部とバストーニュで反撃を開始し、1個装甲擲弾兵連隊を除去します。
T5A
 ドイツ軍は一部で攻勢を続けるものの戦略的攻勢は不可能になり、防御ラインを形成します。もはや、60VPの獲得は不可能ということで、競技終了としました。 
T6D
久しぶりのバルジは、一歩、間違えたらという緊張感が抜群で、やっぱり面白い。また、時々、持ち込みましょう。

 この日の初戦は、朝一で集まったエンジョウさん、平さんと「SMALL WORLD」(Days of Wonder)です。序盤、mitsuがアマゾネスで領土を拡大すると、トロールで防備を固め、リードします。
T1
 平さんはハーフリングで一定地を確保し、オークでヒューマンを喰いまくって、VPを追い上げます。エンジョウさんは、ヒューマンのあと、衰退しないグールでじわじわと近づいてきます。 
T4
 中盤、mitsuがジャイアントで丘を駆け下りれば、エンジョウさんがグールとウィザードリーのダブルアタックで、一気にVPを積み上げます。平さんは、トリトンで海岸と湖周辺を荒らしまくり。 
T6
 終盤、mitsuがスケルトンでユニットを増やし、平さんが死なないエルフで鎬を削る頃、抜け出したのはエンジョウさんでした。頑強なソーサラーで領土を増やした後、すぐに衰退させ、最後は5種族目のドワーフを投入。一気にVPを稼ぎ出し、わずか2点差で逆転勝利としました。
T9
T10


 少しずつ、コロナ感染症の影響が広がっていますが、公民館が継続しているので、12月のちはら会を開催しました。いつもの常連さん6名で、換気・消毒・マスクの規定を守って、以下のゲームを楽しみました。

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SMALL WORLD(Days of Wonder)3人戦 ☆エンジョウ・平・mitsu
TOKAIDO(Funforge) ☆BIBI・平・kawa・ybs
カルカソンヌ(メビウスゲーム) BIBI・平・kawa・ybs☆
テラ・フォーミング・マーズ(アークライト) ☆BIBI・☆平・エンジョウ・mitsu
D-Weapon(ツクダ)3戦
 シナリオ1 ★ギガノス帝国軍(ybs)対地球連合軍(kawa)☆
 シナリオ2 ☆ギガノス帝国軍(kawa)対地球連合軍(ybs)★ 
 シナリオ4 ★ギガノス帝国軍(ybs)対地球連合軍(kawa)☆
バルジ大作戦(CMJ) ★ドイツ軍(エンジョウ)対連合軍(mitsu)☆
Panzer Waffe North Africa(CMJ)  ☆連合軍(ybs)対ドイツ軍(kawa)★


 TOKAIDO(Funforge)とカルカソンヌ(メビウスゲーム)は、平さん持ち込みのデジタル版。PCとプロジェクターを持ち込んで、壁に投写して、4人でプレイ。セットアップと片付けがいらず、実施可能な手を大画面で示してくれるので、便利です。ただし、隠匿系のアイテムはちょっと向かないかしら。携帯を使って隠蔽できるじゃんと思ったけど、それなら別にオフ会の必要がなく・・・(笑い)。

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 「D-Weapon」(ツクダ)は、kawaさん持ち込みのステップ・アップ・シリーズ。ツクダマスターのybsさんが相手で、3戦をしていました。全国広しといえど、ドラグナーをプレイしているのは、もはやちはら会だけ?!
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 そのまま、同じメンツで「Panzer Waffe North Africa」(CMJ)を対戦。「悪魔の花園」「ボックス陣地」と、北アフリカらしさが出ていました。連合軍(ybs)が押し切って勝利したようです。
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 今月のソロプレイ第4弾は、「RAF」(HJ)からキャンペーンシナリオです。8月11日から始まる史実初の航空撃滅戦(あるいは本土防衛線)を描いており、最低でも30日以上の長く苛酷な戦いです。
 これまで二つのシナリオをプレイした経験から、イギリス王立空軍の戦略を考えてみました。
 まず、第一は兵力の逐次投入を避けること。中途半端な迎撃は、部隊の疲労と損耗を招くだけで何の利点もありません。そこで必ず、敵を圧倒できる(殲滅できる)兵力を集中投入することを原則とします。
 そのためには、敵がどこを攻めてくるかを予測して哨戒飛行を組み立てる必要があります。これはオープンになった目標カードの流れを見れば、ある程度の予測が立てられます。
 次に敵を圧倒できる(殲滅できる)兵力ですが、護衛のMe109を殲滅できる可能性のある戦力投入とします(そうすれば完全戦力で爆撃機を狙える確率が高い)。情報が明確なら確実ですが、そうでなければ小規模の空襲に絞って1-2ユニットのMe109を殲滅できる兵力を集めます。例えば、規模が1ならどの部隊が来ても、12戦力の迎撃機を当てれば、2/3以上の確率でこれを撃滅できます。
 第二は、サドンデス負けの可能性があるところまで追い込まれたら、冷静に今後の空爆を想定し、爆撃阻止(VPの保持)に切り替えます。ただし、少数の迎撃機を投入して殲滅されると、さらにVPを献上することになるので、可能な限りの集中投入は当然です。
 そうはいっても、「哨戒飛行部隊の帰還」「第二目標の爆撃」等のイベントにより、大きく状況は変わるわけで、予期せぬ事態は多いでしょう。が、簡単にはサドンデス負けにはならないと腹をくくり、それまでは耐えに耐えて、時折、乾坤一擲の反撃に賭けることに徹します。
 特にドイツ軍にイベント「共同攻撃」が適用されると、部隊の消耗は驚くほど急速に進みます。ドイツ空軍が万全の状態で、3日間の全力攻撃があれば、まともに迎撃すると、それだけで勝負が決まる(敗北する)可能性があります。この時は前半に爆撃し放題にさせ、戦闘機が疲労しきったタイミングで反撃をかけるしかありません。それまでに「哨戒飛行部隊の帰還」や「ドイツ軍の回復」が出ないことを祈るだけです。
 そして、無事に9月10日を迎えたら、ゼレーベ作戦が発動しない範囲で、増援を投入します。最大で20点近くのVPを失いますが、ここまでRAFが防衛隊を維持していれば、この増援と合わせて、徐々にルフトヴァッフェに対して優位を確立できるはずです。

8.11開始時
 初日の8月11日は、規定により晴天の通常攻撃です。イギリス軍は、前衛の6/11、1/11、4/10、5/11に哨戒飛行部隊を上げ、後方のロンドン上空に予備スタックを配置します。この日の第1、2派は、Worth島レーダーとForenessレーダーへの大規模空襲ですが、先の方針に従い、スルーします。それぞれ、1ヒットと2ヒットを受け、レーダー使用不能になりますが、回復可能な軽微な損害です。
 第3派で内陸のNorth Weald飛行場への小規模爆撃が来ます。編成は不明でしたが、早期警報の強みを生かし、周辺の13ユニットで迎撃します。敵が爆撃機中心の編成だったため、護衛のMe109を瞬殺すると、Me110ごとDo17の2部隊の殲滅に成功します。
8.11 第3派、迎撃
 その後、Biggin Hill飛行場への大規模空襲があり、最大の-3VPを受けますが、迎撃成功が奏功し、総VPは4点と、よい滑り出しです。
8.11
 8/12も、晴天の通常攻撃になります。この日は5度の爆撃があり、小規模爆撃が多かったのですが、迎撃機の投入のタイミングを逃して、「哨戒飛行部隊の帰還」が発生。結局、レーダーや港湾、工場が、一方的に爆撃受け、総VPは-3点に。
8.12
 が、本当の厄災は、この後に始まりました。8/13は晴天の全力攻撃となり、翌日は散発攻撃となるものの、8/15には再び、晴天の全力攻撃とドイツ軍の爆撃日和に。
8.13 想定通り、快晴の全力攻撃
 RAFも集中迎撃を試みて、8/13にPortsmouth港を狙った爆撃を11ユニットで迎撃をするも、Me109の大量援護により、損害はほぼイーブンで爆撃を決行されます。直後に「哨戒飛行部隊の帰還」で、以後は殴られっぱなしに。
8.13 全力の迎撃も・・・
 8/15は早朝から同時爆撃が敢行され、11時までに5度の空襲を受け、損害が嵩みます。14時にSouthend市への空襲があり、やや兵力不足も2セクターの迎撃機を投入します。ここで「ランデブーの失敗」が発生し、半数になった敵部隊を蹂躙し、久しぶりにDo17の2部隊撃破の戦功を上げます。同時に内陸のMiddle Wallpo飛行場へも攻撃があり、4/10セクターの全ユニットで迎撃して、機銃掃射を狙うMe110を撃墜します。
8.15 Do17を殲滅、久しぶりの戦果
 が、不断の連続空襲の被害は大きく、VPは-19点に急降下します。サドンデスまであと-16点。このまま、数日、全力攻撃が来たら、大英帝国敗北の危機でしたが・・・。
 8/16、17に奇跡的にハリケーンが発生し、RAFは披露しきった部隊に休養を取らせることができました。
 台風一過の8/18は、曇天ながらもドイツ軍が全力攻撃を実施します。序盤はレーダーサイトを狙った爆撃が続きますが、あえてこれを無視。第4派のSouthampton市攻撃に対し、地区の全力を持って迎撃をします。実は大量の護衛の付いたファイター・スイープ気味の編成でしたが、Spitfireがこれに食らいつき、Me109を撃墜します。
 しかし、この直後に「天候の急変」で快晴状態に。ここから容赦ない飛行場攻撃が連続し、Hornchurchを狙った小規模爆撃でMe110の撃破に成功したものの、半数で爆撃を許し、17時の第8派攻撃が終了した時点で、VPは-20点に。それでも、戦闘機部隊の休息が取れていたために、これで済んだ感があります。
 8/19は、晴天の通常攻撃でしたが、途中で今度は曇り空に。これはチャンスと、Portsmouth港を狙った爆撃機を、全力で迎撃し、Me109の4部隊に損害を与え、He111の2部隊を撃滅します。8/20は、曇天の散発攻撃となり、Hornchurch飛行場を狙った小規模爆撃を撃退し、Me109を血祭りに上げます。少しずつ、VPが回復したこの時点で、僥倖にも再び、2日間の荒天に。
8.19  ハインケルの編隊を撃滅
  明けた8/23、曇りながらドイツ軍は全力攻撃を敢行します。が、雲が多く爆撃は不調で、かつ、適時、小規模編成を狙ってRAFが迎撃を仕掛けたため、戦況は一進一退に。内陸のColtishall飛行場への最終第7派に対し、4/11セクターの5部隊が食らいつき、護衛のMe110ごとDo17を撃滅し、VPを-10点前後に止めます。
8.23 Coltishall防空戦
 翌8/24も迎撃機の大量投入でVPは変わらず、一日を終わった時点で-8点まで持ち直します。が、連日の迎撃により、RAFの1/3が要休息、損害状態となり、継戦が危ぶまれましたが・・・。
 ああ、ここで再び、大嵐。8/25から3日間続いた大型ハリケーンにより、RAFが完全回復することができました。
 風雨の収まった8/28は、曇天ながらドイツ軍の全力攻撃が実施されます。Biggin Hill飛行場への大規模空襲が三度あり、うち、2回をスルーして、ドイツ軍の疲労を蓄積します。そして、迎えた13時の空襲に対し、6/11と2/11セクターの全戦闘機で迎撃をし、Me109を撃滅します。
 これ以外にも、Yeovil工場に対する爆撃を、待ち構えていた1/10の8ユニットで迎え撃ち、5部隊のMe109を損傷させ、Ju88の2部隊を撃破します。また、夕刻には、内陸のFilton飛行場を襲った単独のHe111を、これまた単機のHurricaneが邀撃し、殲滅するなど、RAFが八面六腑の活躍で、VPを維持します。が、さすがに、全力迎撃のツケで、1日にして1/3の部隊が休養または損害状態になります。
8.27
 翌8/28は単発の港湾攻撃のみでしたが、ああ、ここでイベント「共同攻撃」が発生!詳細は、前回のAARを見ていただくとして、RAFにとっては、常に休養十分な敵を相手にするという極めて厳しい状況に。
8.28
  8/29は、曇天の全力攻撃でのべ3回の空襲でしたが、TangmereとDebden飛行場、Dover港が攻撃を受け、VPはじわじわと悪化します。
 8/30のイギリス上空は、もっとも避けたかった晴天となり、ドイツ軍が全力攻撃を実施します。9時には早くも「哨戒飛行部隊の帰還」が発生したため、全く迎撃ができない状況で、Hornchurch飛行場以下4つの基地と1つの工場が攻撃を受け、VPはあっという間に-16点に。
 翌日は、曇天の散発攻撃で2回の爆撃を受けます。Southend市を狙った小規模爆撃を迎撃し、Ju88を撃滅して、-13点と若干、盛り返します。が、次に晴れれば、再び、苛烈な全力攻撃に曝される可能性が高く、戦々恐々と天候drを振りましたが・・・。
 ああ、ここでまた、二日間の荒天!まさにRAFにとっては、何物にも代えがたい恵みの雨になります。
 9/5は曇り空の下の全力攻撃となりますが、鋭気を養ったRAFの迎撃機が果敢に小規模爆撃隊に反攻し、Me110を撃破するなど、地道に護衛戦闘機を削っていきます。この日も早々に「哨戒飛行部隊の帰還」が二度にわたって発生しましたが、イベントで時間を稼いだ上に、爆撃も雲に遮られ、効果は今ひとつで、総VPは-13点に止まります。
9.5 全力攻撃
 そして、荒天!確率的には6日ほどしかないはずの悪天候が、最も苦しい時期に9日間も発生したことになります。天候の神は、たった一国でナチスに立ち向かう大英帝国に微笑むのか?!
 9/7、倍以上の敵に一歩も引かず耐えに耐えてきたRAFに、史上空前の大戦果が舞い込みます。敵の目標が港湾に移ったことを察知した戦闘機軍団司令部は、1/11の海岸沿いに迎撃機を集結させます。そこへ、護衛機に先導された7部隊の爆撃機が突入してきます。上空から逆落としに攻撃をかけるSpitfireとHurricaneの大部隊がMe109を殲滅すると、He111の4部隊とJu88の3部隊を容赦ない反復襲撃で全滅させ、一気に18点(!)を獲得します。
9.7 空前の大戦果
 この日は散発攻撃だったため、もう一派で1ヒットを受けるものの、総VPは9点と、実に約1ヶ月ぶりにプラスに転じます。
9.7
  9/8は晴天だったにも関わらず、迎撃のdrが振るわず、3カ所が攻撃を受け、総VPは5点と、一時減少しましたが・・・。
 間もなく北部から増援がやってくると噂が立った9/9、天候は曇りで通常攻撃となります。この日は、午前中からレーダーサイトへの攻撃が続きます。第1派のForenessレーダーへの攻撃はスルーしますが、第2派のWorthレーダーへの爆撃にはあらん限りの迎撃機を注ぎ込んで、決戦を挑みます。のべ16ユニットのRAFの猛攻により、護衛のMe109の2部隊に始まり、Me110の3部隊、Do17の3部隊が大西洋の藻屑と消えます。
9.9 Worthレーダー防空戦
 さらに第3派のHornchurch飛行場攻撃も6/11セクターの全力迎撃を受け、低速のJu87の3部隊が殲滅されます。この日の戦績は11部隊を越え、1日としては9/7の大戦果を上回ります。
9.9 Hornchurch防空戦
 そして、迎えた待望の9/10、RAFは合計18点のVPを注ぎ込んで、全増援部隊を南部の戦線に投入します。が、まだ、移転途中のため、この日は参戦せず。9時には「哨戒飛行部隊の帰還」が起こったため、5度の爆撃を許しますが、VPは7点と依然としてプラスが続きます。
9.10 第3派
9.10
 9/11、戦果が芳しくなかったために、ドイツ軍のゼレーベ作戦は6日間の延期となります。増援の戦闘機も出撃準備が整い、数の優勢を取りつつあるRAFは、第1派のTangmere飛行場攻撃を迎撃します。Spitfire10部隊とHurricane8部隊は、護衛のMe109の3部隊を全滅させ、爆撃を阻止します。その後の2派も退けて、VPは15点に上昇します。
9.11 ゼレーベ延期
 9/12、それでもルフトヴァッフェの晴天時全力攻撃は、いまだ、強力でした。半端な迎撃は危険と、RAFがハイスタックを作ったのはよかったのですが、爆撃目標はことごとく裏をかかれます。「哨戒飛行部隊の帰還」が10時に発生したため、5度の爆撃を阻止できず。VPは6点と再び、一桁に。
 翌9/13は、曇天の散発攻撃で、状況はほぼ変わらず。
 いよいよ、ラストスパートに入った9/14、増強されたRAFの顎がドイツ空軍をかみ砕きます。13時のレーダー攻撃こそ、3ダメージを受けたものの、早朝からの飛行場攻撃を大部隊で迎撃し、護衛機ごとHe111とDo17編隊を全滅させます。この時点で、ドイツ軍の補充トラックはいっぱいとなり、回復できない部隊が続出します。
9.14 Kenley防空戦
9.14
 9/15、またも曇天となり、攻撃は散発に。朝一のファイター・スイープには引っかかったものの、Hurricaneが損傷したのみ。Hornchurch飛行場攻撃で2ヒットを受けるも、VPは勝利水準の18点を維持します。
9.15
 泣いても笑っても最終となるであろう9/16、晴天で全力攻撃が発動し、久しぶりのドイツ空軍爆撃日和になります。
 第一派のWorthレーダー攻撃は、勝敗には影響が少ないため、スルー。第2派のBristol工場攻撃は1部隊のみと判明したため、12戦力の迎撃を投入し、Me111を殲滅します。
 第3派、第4派はいまだ10時にも満たなかったため、スルー。10時のHornchurch飛行場攻撃はまたもや1部隊だったため、迎撃して撃墜します。
 度重なる護衛任務により、この時点でMe109は全てが疲労し、爆撃機に同行することさえ不自由になります。
 13時、North Weald飛行場を狙った攻撃を、一転してRAFが迎撃します。敵戦闘機も善戦するものの多勢に無勢、かつ疲労状態により、次々と討ち取られていきます。
9.17 第7派、邀撃
 終盤、17時にKenley飛行場を襲った爆撃隊を、RAFは最後の力を振る絞って迎撃します。満足な護衛もできないドイツ空軍に対し、休養十分なSpitfireとHurricaneが襲いかかり、Me109の1部隊、Me110の2部隊、Ju88の2部隊を全滅させます。
9.16 第9派の死闘
 ここで、日没。VPはうなぎ登りとなり、空前の31点を獲得します(後4点でサドンデス勝利でした)。この結果にヒトラーは英本土上陸を諦め、大英帝国の勝利となりました。 ・・・長い、長い戦いでした。前半は史実通り、優秀なルフトヴァッフェに押されまくりましたが、奇跡的に荒天が連続し、命運をつなぎました。中盤も、第2航空軍と第3航空軍の共同攻撃が発動し、第二の危機を迎えましたが、RAFの乾坤一擲の迎撃と、またもやタイミングのよすぎる荒天により、VPをプラスに戻して終盤に。9/10以降は大量の増援により、終始、優勢に作戦を進め、最終日にはサドンデス勝利かという戦果で勝利を飾りました。
終了時
 はじめのうちはカードに翻弄されがちですが、慣れてくると爆撃目標の推定とイベントの確率が推定できるようになり。あとは、敵の編成を見極めて(推測して)迎撃を行うことで、確実に敵兵力を削れるようになります。VP的には押されまくっている感がありますが、「まだ、限界ではない」と見極めて消耗戦に徹することで、大英帝国のTheir Finest Hourとすることができます。
 いつか、また、キャンペーンに挑戦してみたいです。

 今月のソロプレイ第3弾は、「RAF」(HJ)からシナリオ「薄く青い戦線」です。バトル・オブ・ブリテンの佳境と言える8月27日開始で、9月11日のゼレーベ作戦の決行・延期までの比較的長いシナリオです。

8.27開始
 初日の8月27日は、規定により晴天の通常攻撃です。第1派のTangmere飛行場への攻撃は1部隊のため、見送りましたが、迎撃を受けなかったDo17が1ヒットを与えます。
8.27 初迎撃は失敗も・・・
 第2派は、内陸のDuxford飛行場が目標となり、Me110護衛付きのDo17の1部隊となります。これは落さんとSpitfireとHurricane各1部隊で迎撃するも、まさかの一方的な損傷となります。爆撃の損害がなかったことが、幸いか。
 第3派は、Hornchurch基地への大規模空襲となったので、3セクターの全迎撃機を投入します。戦力集中が奏功し、Me109を損傷させ、Me110の2部隊とDo17を、撃墜します。最後に、第4派でMe110がHornchurch基地へ機銃掃射を行うも外れとなり、日没を迎えます。
8.27 Hornchurch基地で邀撃、初期としては大戦果!
 2日目は、3派の空襲があり、若干のVPを失うものの、総VPは5点とまずまずの滑り出しです。
8.28
 ところが、3日目の8月29日から、状況は一変します。この日は曇りながら、ドイツ空軍初の全力攻撃が実施されます。イギリス軍は全迎撃機をパトロールに投入します。
 早速、6時のDebden基地の空襲を撃退したのですが、ここでイベント「哨戒飛行部隊の帰還」が発生してしまいます。給油のため、ほとんどの空域から飛行状態のRAFがいなくなり、ドイツ軍の独壇場に。
8.29 全力攻撃の初回に、哨戒機帰還
 前日のHornchurch飛行場に、Biggin Hill基地、再び、Debden基地へ、さらに工場やレーダー、港湾も爆撃を受け、地上で損傷する機も続出します。1日が終わった時点で、総VPは-3点に急降下します。
 続く、8月30日は晴天。前日に全力攻撃だっため、ドイツ軍の行動は鈍るはずでしたが、まさかの二日連続の全力攻撃に。
8.30 晴天でまさかの全力攻撃が連続
 午前中だけで7派の連続空襲が起こります。RAFも必死に迎撃し、前半は大健闘してMe109を含む全6機を撃墜します。が、後半は迎撃可能機が激減し、Biggin Hill基地や内陸のMiddle Wallpo基地まで爆撃を受ける状態に。終わってみれば、1/3以上にあたる14部隊が消耗状態となり、VPはさらに低下し-8点となります。
8.30 第5派を全力迎撃、戦果も・・・
8.30 RAF大消耗
  8月31日は曇りで散発攻撃になるも、なおも飛行場攻撃が続き、VPは-14点に下降。
8.31 曇り散発も爆撃が続く
 9月に入っても、ドイツ空軍の猛攻は止まらず。6時の第一撃で、Ryeレーダー基地が襲撃され、5ターンに渡って使用不能になります。そして、致命的だったのは、ここでイベント「共同攻撃」が発生!それまではルフトヴァッフェの第2航空軍と第3航空軍は別々に爆撃を行っていました。片方に出撃が偏ると部隊の疲労・消耗が進むので、そこを狙ってRAFが迎撃機を大量投入するという作戦が有効でした。が、このイベントにより、戦区を越えて部隊が投入されるようになり、RAFは常に休養十分な敵機を相手にする羽目になります。
9.2 共同戦線の実質開始
 効果は覿面で、上空には健全な護衛戦闘機が大量にいるため、RAFの損害が多くなります。曇りにも関わらず日没までに7派の猛爆撃が続き、この日が終わった時点で、VPは最悪の-22点に。
 きつい、きつすぎる!このまま、数日間の全力攻撃を受け続ければ、RAFの防空網は崩壊し、爆撃し放題でサドンデス敗北になりかねない事態に。
 しかし、この状況が再び、一変することに。翌9月2日は、曇りの散発攻撃で一度しか空襲はなく、Tangmere飛行場が1ヒットを受けたのみでした。が、イベント「目標優先順位の変更」で、無差別爆撃(都市爆撃)が発動します。この結果、目標カードの大幅な入れ替えが起こり、イギリス空軍の撃滅のため飛行場や工場を目標としてきた優先順位が、ロンドンを中心とした都市爆撃に変更になります。
9,2 最悪の-22VP
 9月3日、最初の空襲は想定通りのLondon爆撃に。健全なMe109が大量にいたため、敢えてこれを無視し、第2派の6部隊によるLondon空襲を、上空にいた15部隊のRAF編隊で迎撃します。史上最大の航空戦は、護衛戦闘機ごと全ての敵部隊を殲滅するという、RAFの大戦果に。
9.3 ロンドン爆撃始まる!6部隊を殲滅!
 さらに、Tangmere飛行場に飛来した4部隊を集中迎撃し、これも全滅させます。
9.3 さらに4部隊を撃滅
 夕刻の15時の最終爆撃が終わった時点で、一気にVPは回復し、-2点となります。が、さすがに全力の迎撃により、RAFも約半数の部隊が休養状態になります。
 ここで、僥倖が起こります。9月4日が飛行機が全く飛べない荒天に。
9.4 荒天で回復
 この完全休養で息を吹き返したRAFは、その後、連続したイベント「哨戒飛行部隊の帰還」に悩まされながらも、第2・第3航空軍の通常攻撃をギリギリで持ち応え、9月10日を迎えます。
 この日、増援部隊の補充の目途が付いたRAFは、9VPを払って残り全ての予備兵力を獲得します。そして、第1派のKenley基地襲撃に対し、ロンドン上空で待機していた14ユニットを投入。護衛のMe109ごと6部隊の爆撃隊を殲滅し、ついにVPを0点に戻します。
9.8 首都上空の密集哨戒
 9月10日の荒天の後、9月11日に予定していたゼレーベ作戦の延期が決まります。ドイツ軍はなんとか大勢を挽回せんと、大規模空襲を繰り返しますが、目標の多くがロンドンを中心とした都市爆撃に限られたため、敵部隊を観測して一気に大部隊で迎撃するRAFの作戦の前に、損害と殲滅が続きます。
9.10 Kenley攻撃部隊を殲滅
 9月12日には久しぶりの全力攻撃で7派の爆撃になるものの、度重なる出撃で戦闘機部隊が疲労状態を早める結果となります。そこへRAFが全力迎撃を敢行したため、ドイツ軍の損害が増え続けます。当然、RAFも疲労するものの機体の損失は抑えられたため、回復で防空力を維持します。
9.12 久しぶりの全力攻撃も・・・
 9月13日、曇り空の下の散発攻撃に対しても、RAFは継続的な迎撃を繰り広げ、VPを27点に伸ばします。
9.13 さらにドイツ軍が消耗
9.13終了時
 9月14日、早々に「哨戒飛行部隊の帰還」のため、三度の爆撃を許したものの、ここまでの積み重ねが効いて、RAFの優勢は変わらず。
 そして、迎えた9月15日、あまりの損害の多さと挽回の見込みのない展開に、ヒトラーは、あしか作戦の中止を決定しました。
 いやー、苦しかった。前半は、ルフトヴァッフェの全力攻撃と2個航空軍の共同攻撃により、防空隊の崩壊直前まで行きました。が、9月2日の敵の戦略目標の転換により、息を吹き返したRAFが迎撃機の大量投入による反撃に転じ、ドイツ軍の消耗に成功。最後までこの方針を維持したイギリス空軍により、敵戦闘機の不足を呼び起こすことに成功し、逆転勝利となりました。

 今月のソロプレイ第2弾は、「RAF」(HJ)からシナリオ「最も苛酷な日々」です。
 「RAF」(HJ)はRoyal Air Force(イギリス王立空軍)の略称で、1940年のイギリス本土航空戦を描いた、ウエスト・エンド社のゲームです。変わっているのはソロ専用という点で、「Ambush」(HJ)など、ソロアイテム制作では評判の高いジョン・バターフィールドがデザイナーです。

T0
  1ターンは1日で、天候決定から始まり、RAFの哨戒計画、ドイツ軍の作戦計画が日々、設定されます。この状況に沿って、ドイツ軍の空襲計画をランダムのカードの引きで決定していきます。その時のレーダー情報等によって、RAFは迎撃の戦闘機部隊を投入していきますが、部隊の規模や種類まで判明している場合から、全く不明な状況まで、千差万別です。大規模空襲に戦闘機部隊を集中投入したらファイタースイープだったり、逆に少数の戦闘機が奇跡的に敵の爆撃を阻止したり。どの程度の部隊を投入し、どの施設を守るのか、その都度、柔軟な対応が求められます。
 さらに、空襲の度に発生するイベントで、ドイツ軍の目標優先順位が変更になったり、哨戒部隊が燃料切れになったり、敵が合流に失敗したりと、様々な変化が起こります。
 戦闘機部隊は一度、投入すると、疲労面になって精度が低下します。さらに、出撃すると、休養ボックスで1日を過ごす羽目に。
 情勢を見極めつつ、軽重をつけて、貴重な戦闘機を送り込み、運を天に任せて健闘を祈る-そんなタフな戦いが求められます。
 今回は、はじめの7日間の戦いを描いた、シナリオ「最も苛酷な日々」です。
 第1日目(8/11)は、晴天でドイツ軍の通常攻撃です。早朝6時に8部隊による大規模空襲が、Tangmere飛行場を襲います。が、出遅れたRAFは少数の随時投入を避けるべく、あえてこれを見送ります。降り注ぐ爆弾が滑走路を掘り返し、待機中のハリケーン中隊に損害を与えます。
T1B1 Tangmere
 続いて、10時にロンドン近郊のBeggin Hill飛行場を、Ju88とHe111の混成部隊が襲います。早期の捕捉に成功したイギリス軍は、6つの戦闘機部隊をかき集め、迎撃を行います。結果、Me109を休養ボックスに送り、疲労状態のJu88を撃破しますが、生き延びたHe111が爆撃に成功します。この日の空襲は、これで終わり、VPは0点のままです。
T1B2
T1終了時
 と、第2日目(8/12)は、いきなりの荒天で、両軍とも航空作戦はできず。
 第3日目(8/13)は、天候は完全に回復し、晴天でドイツ軍の全力攻撃が始まります。第一撃は6時で、Forenessレーダー基地が狙われます。なんとか戦闘機部隊の「目」を守らんと、スピット・ファイアを含む8部隊を投入し、Do17を全て損傷させます。が、こちらもスピット・ファイアとハリケーンが損傷に。
T3B1
 迎撃機の1/4を疲労したRAFに対し、ドイツ軍の攻撃は執拗を極めます。同時刻に港湾のPortmouthとPlymouthを爆撃し、H打撃を与えます。さらに12時にSouthampton襲撃と見せかけて、Polingレーダーを攻撃し、これを2日間、使用不能にします。
 RAFも全力で迎撃するも徐々に消耗し、後半には疲労困憊で全く迎撃できない状況に。
T3 疲労し尽くしたRAF
 ドイツ軍は攻撃の手を緩めず、15時にはBeggin Hill飛行場を、合間の16時にBeachyレーダー基地を攻撃し、5日間使用不能にします。さらに17時には再び、Beggin Hill飛行場を襲って、H打撃(3VP)と大損害を与えます。
 最後のDuxford飛行場爆撃が終わったのは、18時でした。大胆にもロンドン後方の奥地に進入したHe111に対し、5機の戦闘機が気力を振り絞って迎撃し、なんとかこれを阻止しました。
T3B8
 延べ8回にわたる大規模空襲で、2回は阻止したももの、6回で爆撃を成功され、VPは一気に-13点に。
T3終了時の損耗状態
 第4日目(8/14)は、曇天となるも、ドイツ軍の通常攻撃が続きます。40%以上の兵力が疲労状態にあるRAFは、穴の空いた哨戒空域に、隣接地区から戦闘機を送り込み、なんとか薄い「迎撃線」を張ります。
 6時のNorth Weald航空基地への第一撃は、敢えて見送りますが、敵が空中集結に失敗したので(イベント)、2ヒットに止まります。
 続く、10時の空襲は、修復しつつあるPolingレーダー。なんとしてもこれを阻止せんと、スピットファイア3個中隊を注ぎ込んで、爆撃機を蹴散らします。
T4B2
 最後は、14時のHornchurch基地への爆撃となり、可能な部隊をかき集めて抵抗し、1ダメージに止めます。
 これで終了したので、RAFの戦力も若干、回復しましたが、VPはさらに悪化し、-14点となります。
T4
 第5日目(8/15)は、曇りながら、晴天でドイツ軍の通常攻撃です。機能不全に陥っていたPolingレーダーが回復します。
 この日は、4回の空襲が来ます。6時のWeymouthへの大規模空襲は、迎撃が少ないため、敢えて行わず、1ヒットを受けます。
 続いて、内陸のMiddle Wallop基地への攻撃は、爆装のMe110のみのため、2分隊で迎撃し、蹴散らします。
 そして、14時には、Beggin Hill飛行場攻撃に見せかけた、ロンドン爆撃が敢行されます。早期警戒に成功したRAFも全力で迎撃し、Ju881部隊を撃破します。
T5B3
T5B3 大空中戦
 最後に、17時に港湾Doverが襲撃され、1ヒットとなります。これにより、VPは-16点と、かなり厳しい状況に。
T5
 それでも、状況の好転を信じて、第6日目(8/16)へ。この日は、曇天でドイツ軍の(初の)散発攻撃です。空襲回数は少ないはずと踏んで、積極的な迎撃を試みます。
 6時のRyeレーダー基地攻撃は、Me109のファイタースイープのため、2部隊で対応します。
 そして12時のHornchurch基地への攻撃がこの日の最後の襲撃とみて、全力で迎撃をします。護衛の戦闘機を叩き落とすと、全戦闘機部隊は無傷で爆撃機へ。エスコートを失ったDo17とHe111に対し、各2個中隊のスピット・ファイアとハリケーンが集中攻撃をかけます。結果は、2個爆撃隊の撃墜!これにより、VPは-12点まで回復します。
T6B2 敵を殲滅
T6
 迎えた最終日の第7日目(8/17)、ここで全力攻撃が来たら、防ぎきることはできなかったでしょう。僥倖にも、天候は荒天!これにより、VPは-10点で決着し、ギリギリのところで引き分けに持ち込むことができました。
 全てを守ることは不可能なので、ローテーションに気を配り、軽重をつけて部隊の投入をしたつもりですが、読めない敵兵力と振れの大きい空戦結果により、ああ、苦しかった(負けないでよかった)。もっとも当時のイギリスの置かれた状況と考えれば、雰囲気はバッチリですね~。続きも、ソロで頑張ります(そりゃ、ソロ専用ですから、笑い)。  

 今月のソロプレイ第1弾は、「独立雷撃隊出動」(Bonsai Games)です。Quaeter International社が発売したソロ戦用の空戦ゲームで、BANZAIマガジンに最新号に転載されました。
 このゲームの変わっている点は、イタリア空軍の攻撃機SM79を主役にしているところ。第2次世界大戦の地中海を舞台に、サヴォイアSM79のクルーとなってイギリス軍の船団を攻撃したり、ジブラルタルを狙ったりします。
 任務は10回で、13の任務カードからランダムに決定します。目標の隻数、天候や敵の護衛の追加情報があり。目標艦はこちらもランダムに艦船カードから引いてきます。防備は厳重ながら価値の高い空母や戦艦から、対空砲の多い護衛艦、狙いやすい輸送艦まで14枚あります。
 攻撃は、基本7枚のイベントデッキに、天候による太陽、雲、波カード、オプションの対空火器、敵戦闘機、味方護衛機、高速飛行カードを指定通りに加え、ランダムに引いてきます。目標までの距離7からスタートし、1枚のイベントを処理すると距離が一つ近づきます。距離4回になると雷撃が可能になりますが、近づけば近づくほど魚雷が当たりやすくなります(距離1なら75%)。が、対空砲火も強力になるので、どの距離で魚雷を放つかの判断が求められます(距離1なら同じく75%で損害)。
 10回の任務中、何隻(何回)に命中させたかで、与えられる勲章が異なります。0-2隻なら叙勲なし、3隻以上なら戦功十字章、5隻以上なら銅勲章、7隻以上なら銀勲章、9隻以上なら金勲章です。戦功金勲章はよほどの幸運がないと、難しいでしょう。これ以外にも大型艦に攻撃が成功すると、追加で戦功銀金勲章が獲得できます。
  事前の演習後に、今回のソロプレイに。
 第1任務は、「追跡」。天候は快晴で波高し(陽光、波カードをイベントに追加)。目標艦は、輸送船RAWNSLEYです。
 開始早々、かなりの高波があり、一旦、任務をやり直します(波カードが2枚となり、距離1でも魚雷命中が50%となってしまうため)。注意を引くため、対空射撃の命中率は上昇しますが、輸送艦は対空射撃は低めと判断して、リトライです。
  序盤から思った以上に対空射撃が来ますが、距離があったためと、陽光と雲を利用したことで命中なし。高波の中でしたが、至近距離から必殺の魚雷を放ちましたが・・・まさかのはずれ(命中値は66%だった)。 

T1
 いきなりコケた第1任務でしたが、気を取り直して第2へ。任務は、「マルタ船団攻撃」。天候は曇りで、敵戦闘機あり。目標艦は、輸送船TANIMBARです。
  雲を利用して接近したため、距離2まで無事に通過します。距離1で敵戦闘機に襲われますが、幸運にも損害なし(破損確率は66%でした)。
 雷撃は、今度こそ、成功し、戦績1となります。
T2
 第3任務は、「ハープン作戦襲撃」。天候は快晴で、敵戦闘機2機、味方護衛機1機。3隻の敵艦から駆逐艦FEARLESSを選びます。
 対空砲火を浴びながら接近すると、距離3で敵戦闘機が襲来!これに味方戦闘機が対抗しますが、時代遅れの複葉機CR32には荷が重かったか、阻止できず。が、敵機の攻撃も奇跡的にはずれに。
 そのまま、接近を続け、至近距離から対空射撃を受け、1ダメージを受けます。これに動揺したか、魚雷ははずれ。う~む、3任務中、成功したの1任務のみで、この時点で戦功金勲章はなくなりました(泣)。
T3
 第4から第6任務は、全て「北アフリカ」。沿岸を通る敵の独航艦を狙います。時折、対空砲火を浴びますが、距離があったり、外れとなったりで、いずれも至近距離での魚雷発射に成功します。が、1発が外れ。ここまでの命中率はわずかに50%(期待値では75%あるのに)・・・とほほ。
 まあ、よかったのは、機体損害がほぼないことでしょうか。第5任務で1ヒットを受けましたが、迅速な修理で回復しました。
T6
 いよいよ、正念場の後半戦へ。
 第7任務は、再び、「マルタ船団攻撃」。雲を使って、うまく対空砲火を躱した距離2で雷撃(距離1だと敵機の攻撃の確率が高いため)。見事に命中し、はじめて命中数が失敗数を上回ります。
T7
 第8と第9任務は、いずれも「エーゲ海」。ここで、なんと戦艦ネルソンが出現。極めて強力な対空砲火ですが、陽光と雲を巧みに使って、距離2で必殺の魚雷を撃ち込みます。これが、見事、命中し、オプションの戦功銀勲章を獲得します。
T8
 もう一隻の独航輸送船も沈めて、ヒット数が7となります。
 最終の第10任務は、「ペデスタル作戦」。同作戦は、イギリス海軍がはじめて空母3隻によるタスクフォースを組んだ作戦です(それも輸送船団護衛のため!)。3隻から目標を選択ができますが、狙うは最大の艦船、空母インドミタブル!対空砲火5枚に、直衛戦闘機4枚(!)という強力無比な防御網です。
 序盤から容赦なく対空砲火が来ますが、距離があったため、当たらず。雲を抜けて距離を稼ぎますが、最後の距離1で案の定、敵襲来。が、まさかの損害なしになります(このキャンペーンでは一度も敵機が攻撃に成功しませんでした)。
 対空砲の曳光弾に包まれながら、敵空母の巨体にギリギリまで近づいたところで、魚雷発射!最後の一撃が見事に船体を直撃し、任務達成となりました。
T10
  最終的な戦果と叙勲は、 
 7隻に魚雷命中       …戦功銀勲章
 戦艦ネルソンに魚雷命中   …戦功銀勲章
 空母インドミタブルに魚雷命中…戦功銀勲章
と、戦功銀勲章を3つも獲得し、序盤の雷撃が嘘のようなリカバリーぶりでした。それでも、戦功金勲章は遠いですが。
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 作戦の決定から、目標艦の多様さ、はらはらドキドキの雷撃と、実にテンポよく、かつ、内容も地中海海戦らしい、佳作アイテムです。慣れれば、1時間程度という、プレイ時間もGood!
 雰囲気のよいプレイをしていて、以前、ちはら会で(唯一)制作した「ペデスタル作戦」を思い出しました。https://chiharakai2005.at.webry.info/200704/article_13.html
 また、「アークロイヤル」(ツクダ)にも、上記の作戦シナリオもあったので、これを呼び水に、対戦したくなりました。

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