歴史・戦史研究「ちはら会」Drei

この会は、主にシミュレーションという手法を用いて、歴史・戦史を楽しもうという、有志の集まりです。興味ある時代をテーマに選び、図上演習(シミュレーションゲーム)を通して、文献研究では得られない「動きのある歴史」を見つめます。 「ちはら会」では、現在、会員を募集しています。年齢や資格等を問わず、興味のある方ならば、どなたでも参加できます。関心のある方は、下記にご連絡ください。 Eアドレス. chiharakai@apost.plala.or.jp (代表.mitsu)

2019年11月

 11月の例会がまだですが、12月も連続しているのでお知らせします。関東もだいぶ冷え込んできました。
[日時]12月7日(土)10:00-20:00
[会場]おゆみ野公民館 第2講習室
[住所]千葉市緑区おゆみ野中央2丁目7-6
[アクセス]
 京成電鉄千原線「学園前駅」または「おゆみ野駅」から徒歩10分
または、JR鎌取駅発小湊鉄道バスでおゆみ野中央二丁目バス停降り、徒歩1分(20~30分おき)
[参加費]無料
[持ち物]ゲームとゆとりと常識
 イメージは、なにやら盛り上がりを見せている「東大安田講堂強襲」(ジブセイル)。今年の振り納めは、火炎瓶か、催涙弾か?!

T5 延長放水でバリケード突破

 WGHBについていた、「TANKS β」(CMJ)。シンプルなルールをさらに戦車戦に絞っているので、会場でユニットを切ってもプレイできそう。
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 篠突く雨の中、春秋恒例になったゲームマーケットへ行ってきました。いつもは千葉会のお手伝いに行くのですが、休日出勤の悪夢で断念。かわりに一般参加にて。


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 会場はいつもの賑わいでして、え~ゲームさんに、中黒さんのbonsai ゲーム、TDFに、さいたまオフラインといつものブースを廻り、ついつい、購入してしまい。イメージは、今回の戦利品です。

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 bonsai ゲームでは、テストプレイをさせていただいた「金門島上陸作戦」が製品化されていて、当然、ゲット。

と、試遊卓では、aoさん、軍神さんが新作の「THE RISE OF BLITZKRIEG」を対戦していて。そこへはねはねさん、西新宿鮫さんものぞき込み。一戦終わったところで、お誘いをしていただき、西新宿鮫さんとインストプレイすることに。


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 オープンの勝利条件は「パリ陥落」でしたが、序盤、ドイツ軍がいきなりマジノ線を攻撃こりゃ、隠蔽の勝利宇条件に違いないと、早々に兵力を増強。

 すると、今度はベルギーに装甲師団がやってきます。少しでも敵兵力を減らそうと、負けを前提の反撃をしましたが、なんと「成功」。が、この前進でセダンに大穴が・・・。とはほほ、兵力を全部、持って行くんじゃなかった。

当然、ベテランの西新宿鮫さんが見逃すはずもなく、退路を断たれた包囲攻撃により、フランス軍主力が壊滅!「なに、フランス軍みたいなことをやってるんだよ~」と軍神さんが大笑い。いえいえ、確かにフランス軍なんですが(笑い)。


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 かなり苦しくなったのですが、途中で時間切れになりました。まだ、貫徹していませんが、勝利条件の隠匿に始まり、ドイツ軍の兵力配分も固定の上の隠蔽、ターンはじめのカード構築と、相変わらず、選択肢の多いこと、多いこと。あれやこれや、いろいろな手を試してみたくなりますね~。

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 その後、「このシミュゲ」のライターさん集まれ会にも参加。このお店の料理がべらぼうにうまかった!肉料理に、オーブンで焼いたポテト、絶品のパエリア。イメージは、串焼きを呑み込む風のソフィア会HAさんです。
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 主催の中黒さんはもちろん、千葉会のMMさん、軍神さん、たかさわさん、軍曹亭さん、危険がアブナイ龍虎さん、中国人デザイナーなどなど、実に楽しい時間を過ごすことができました。

 覚えている内容は・・・
今年の記事は何にする?/「独ソ電撃戦」で3つくらい記事が出るかも/生まれ変わった「独ソ電撃戦」は傑作/OMEGA7さんが残してくれたマップ/連結の決戦場は北部マップに有り/戦術は、戦略を越えない/中国では若いパワーが隆盛/8人でプレイしたトラファルガー/ちはら会のお勧めは?(そんなこと、聞いたら、責任取らないよ~)/ORGEをプレイできますか/ツクダのリプレイを集めて「このシミュゲがヤバい!」/安田講堂をゲームにするとは!/火炎瓶の投擲は楽しそう/機動隊は辛いよ

 楽しい時間は、人生の心の糧。また、みなさんとお目にかかりたいですね~。

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 ああ、今、気がつきましたが、グループ乾坤一擲の「Ships  & Tactics」拡張キットを手に入れられず。これも悪夢の業務スタックの祟りか。次回と言っても半年後だし、平さんがちはら会にご来場の際に、リガミリティアとザンスカール帝国をお願いしようかしら。

 もう一戦は、ちはら会ではヘビロテ・アイテムの「ノルマンディの切り札」(CMJ)でした。連合軍をTommyさんが、ドイツ軍をmitsuが担当します。

 上陸ターン、連合軍は1個空挺師団がスカッターしたものの、それ以外は予定通りの上陸戦闘をします。ほぼ損害もなく上陸に成功しましたが、ユタ海岸だけはEXとなり、1ステップロスをします。

 第1ターン、連合軍は橋頭堡から前進し、カーン前面の第716歩兵師団を包囲殲滅します。が、海岸堡がガラ空きになったため、ドイツ軍は「水際作戦」を狙って、2個師団を海岸に突入させます。が、これは時期尚早で、作戦値4を使った反撃でこれが壊滅。バイユーが占領され、ドイツ軍はやむなく戦略移動で要所を押さえるのがやっとです。

T1

 第2ターン、包囲されたカランタンへの接続をかねて、第12SS装甲師団が第101空挺師団を攻撃し、これを撃破します。が、連合軍は3個師団によるカランタン強襲を行い、drが冴えて第91降下猟兵師団を全滅させ、ここを占拠します。また、運良く、シェルブールに取り付き、「艦砲射撃」で守備隊を損耗させます。

T3
 第3ターン、カードの引き直しで再び「艦砲射撃」!これでシェルブールが早々に陥落します。また、カーン前面でもイギリス軍が6個師団を集中し、北部の市街地に強襲をかけ、損害担当の歩兵師団を除去します。このままでは消耗戦に巻き込まれると判断したドイツ軍は、北部市街地から撤退し、オルヌ川の対岸に陣地を築きます。

T4
 第4-5ターン、連合軍は一気呵成に攻めるかと思いきや、スタックを作ってじりじりと時間をかけて前進します。まるで、モンティか?!時間を稼げたドイツ軍は増援で同じくスタックを作り、対抗します。

T6
 第6ターン、終結したアメリカ軍がサン・ロー方面で攻勢に出ます。これまた、drがよく(なぜか、6ばかりが連発)、1個装甲擲弾兵師団が壊滅し、サン・ローは陥落します。が、ドイツ軍にとってはある程度、想定内で、後退と「戦線形成」による細かな機動で突破口を作らせず。

T7
 組織的な後退で、第7ターンにクータンスが陥落するものの、ドイツ軍は戦線を維持しながらヴィール-ヴェルデューラインに撤退します。

 

T8
 最終の第9ターン、なんとか引き分けに持ち込みたい連合軍は、ヴィール-ヴェルデュー戦線に猛攻を加えますが、ドイツ軍の遅滞戦術で時間を失い、ジ・エンド。最終VPは15点で、ドイツ軍の勝利となりました。
終了時

 日程の都合で1月半以上、ちはら会例会がないため、11月上旬に自宅オフ会を開きました。常連のTommyさんと対戦したのが「東大安田講堂強襲」(ジブセイル)です。

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 その名の通り、全共闘がバリストをした、約2日間に及ぶ安田記念講堂の攻防戦を、アルンヘムシステムで描いた戦術級です。市街戦を想定した同システムは、デザイナーが驚くほどぴったりとマッチしていています。

 オリジナルの設定としては、両陣営がそれぞれに使用できる戦術チットがあります。警視庁側なら、暴動鎮圧の代名詞である催涙弾や延長放水、突入をサポートする大盾トンネル、バリケードを破壊するエンジンカッターなどです。全共闘側なら、貧者の武器である火炎瓶や投石、警察が都市ガスを止めなかったばかりに痛い目に遭った「火炎放射器」などです。

 2つまで同時投入できる催涙ガスや火炎瓶、投石は非常に強烈で、drによっては、屋上にいる全共闘を一撃で行動不能にしたり、不用意に接近した機動隊員を根こそぎ病院送りにしたりできます。特に火炎瓶は使用後も燃えさかっていて(全共闘攻撃にプラス修整)、放水で鎮火するまで効果が続きます。これは室内でも使用でき(危険だぁ!)、バリケードの排除妨害に一役買います。

 基本的には、行動すると裏面になるので、計画的な役割分担が必要になります。スタック制限が随時、適用されるので、特に警視庁側は突入のタイミングと予備の存在が重要になります。

 インストした後、警視庁側をmitsuが、全共闘・新左翼をTommyが担当し、ゲームスタートです。

 第1ターン、警視庁側は催涙弾を撃ち込んで表にいる敵を行動済みにした後、機動隊員を突入させます。警備車輌と放水車を投入できる北側と東側は大きな損害なく、建物内に突入し、学生を次々に検挙します。

T1 検挙直前
 が、車輌のない西側から中央部にかけては、容赦のない火炎瓶や火炎放射器の攻撃が降り注ぎ、突入した機動隊が大きな打撃を受け、後退します。特に、わずか2ユニットの第7機動隊が早々に除去されたため、お茶の水の暴動への対処に苦労することになります。

T1 工学部の火炎放射器で、7機全滅。
 第2ターン、それでもいまだ膨大な物量を誇る警視庁側は、放水車による鎮火と催涙弾、飽くなき突撃を繰り返し、安田講堂を完全包囲します。全共闘側も火炎瓶で抵抗しますが、放水による消火で効果は上がらず。ただ、戦術チットの補充で6ゾロを出し、10以上のチットを回復したのは、ツイていました。また、正規の2個機動隊が暴動鎮圧に引き抜かれたので、次ターン以降に影響が出ます。

T2 安田講堂、包囲さる
 第3ターン、一日目の冬の太陽が陰り始め、わずか3個に減少した警視庁側は、至近からの催涙弾と放水による制圧で、大講堂正面と下層階に突入します。が、全共闘側はここにバリケード!警視庁側はエンジンカッターを投入するも、完全に障碍物を排除できず、そのまま、夜を迎えます。

T3 安田講堂内部に突入も、バリケードの壁
 第4ターン、両陣営は翌日の決戦に向けて、準備を進めます。全共闘側は火炎瓶等の補給を狙いましたが、drが酷く、補充はなし。一方の警視庁側は、人的優位を生かして前線の部隊を後方に下げ、交代要員を前線に。また、放水車を時計塔の周囲に配置し、万全の態勢を整えます。

T4 警視庁が再配備
 夜が明けて、第5ターン。補充のあったガス弾を容赦なく撃ち込み、敵の反撃を阻止すると、警視庁側は奥の手の高圧放水を投入します。一昼夜の攻防でガタのきていたバリケードはあっけなく崩壊。突入した機動隊員により、学生守備隊の要である中核派が次々に検挙されます。

T5 延長放水でバリケード突破
 第6ターン、時刻は昼をまわり、残っているのは大講堂背面と時計塔のみ。機動隊はこれでもかと室内で催涙弾を使用し、立ちこめる毒性のある煙に、学生たちは抵抗の意志を失います。もはやバリケードもなく、公権力の突入により、安田講堂の全エリアが制圧されます。その直前に流された時計台放送を最後に、1年近く続いた東大紛争は終焉を迎えました。

T6 時計塔を制圧
 VP的には、
 警視庁側…全エリアの制圧で、19点
 全共闘側…第6ターンまでの抵抗で、11点
で、警視庁側の勝利となりました。

 が、警視庁側も、第1ターンに鎮圧投入用の第7機動隊を失い、その後も全共闘側の猛烈な抵抗により隊員を消耗したため、最後はわずかに4ユニットまで減少していました。史実通り、圧倒的な物量を誇っていたわりには、ギリギリの勝利だったかも。全共闘側は、なんといっても、工学部の火炎放射器と火炎瓶が強烈でした。

 アルンヘム・システムの他の作品と比べると、学生側にほぼ機動の余地はなく、戦術チットとdr次第ですが、あの(再放送の)TVで見た東大紛争の雰囲気は、バッチリ。戦い終えて、火災の跡とガスの匂いが漂う、安田講堂が浮かんできました。

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