歴史・戦史研究「ちはら会」Drei

この会は、主にシミュレーションという手法を用いて、歴史・戦史を楽しもうという、有志の集まりです。興味ある時代をテーマに選び、図上演習(シミュレーションゲーム)を通して、文献研究では得られない「動きのある歴史」を見つめます。 「ちはら会」では、現在、会員を募集しています。年齢や資格等を問わず、興味のある方ならば、どなたでも参加できます。関心のある方は、下記にご連絡ください。 Eアドレス. chiharakai@apost.plala.or.jp (代表.mitsu)

 台風で3日の例会はまさかの中止になりましたが、新たな会場を取り直しました。日曜日で初の椎名公民館ですが、楽しみにしてくださっている方々が参加できれば。
 なお、当日は千葉会と重なっていますが、やむなき事情によりご了承ください。

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[日時]6月18日(日)10:00-20:00
[会場]椎名公民館 

[住所]和室緑区富岡町290-1
[アクセス]
 なお、京成電鉄千原線「おゆみ野駅」からだと、1kmほどです。
 おゆみ野駅から千葉市 緑区椎名公民館の乗換案内|地図マピオン (mapion.co.jp)
[参加費]無料
[持ち物]ゲームとゆとりと常識

 駐車場は少な目ですが、ほとんど地元の利用者ばかりなので、たぶん、止められます。まわりにコンビニや食事処がないので、食料や飲み物を持ち込みください。

 5月のゲムマで購入した「連合艦隊」(URA)。ちょっとルールがわかりにくかったので、同HPの対戦You Tubeを見て、確認。見た目より、考える要素が多いようです。
連合艦隊
 前回のちはら会で、基本ルールのインストプレイをした「明日なき世界」(CMJ)。CMJへのQ&Aで「正しい」Tomorrow the World2ができるゾ!
T5 名古屋空爆の3航空団が対空砲火で壊滅
 コロナ禍でポチってしまった「海カタン」やいつもの「魔法の帝国」(エポック)も持って行きます。
終了時
 惜しくも時期がずれましたが、「本能寺の変」(HJ)も持ち込みます。
T3 蘭丸兄弟、銃撃で戦死

 最後に次回以降の予定を。 

 7月1日(土)10:00-20:00 誉田公民館:和室 JR誉田駅から徒歩15分
 8月5日(土)10:00-20:00 椎名公民館:和室 京成線おゆみ野駅から徒歩15分

 いつものおゆみ野公民館が、7月から9月までエアコン工事が確定し、しばらくは「流浪の民」です。別の会場は駅から若干、遠いので、みなさん、熱中症に気をつけていらしてください。

台風2号の影響で、激しい雨と風が続いています。

先ほど、おゆみ野公民館から連絡があり、本日の避難所解除の見込みが立たなくなったそうです(終日、使用できない可能性)。交通機関も乱れており、6月のちはら会は中止とさせていただきます。

楽しみにしていた方には、申し訳ありません。この分は、来月にみなさんと!

 

初会敵

 「この時がいいね」と君が言ったから、6月2日は惟任記念日 by光秀

 本日は、本能寺の変記念日でして、それに肖って、今月のソロプレイ第1弾は、「本能寺の変」(HJ)です。「光秀戦記」の一作で、そのものズバリ、本能寺の変を描いた戦闘級(!)です。信長はじめ本能寺にいた近習が全てユニット化され、、選択ルールでは女房衆が長刀を振るう様まで(!)表現されています。織田軍は必敗ですが、いかに粘って、信長が切腹する時間を稼ぎ、火を放って首を渡さぬか、を競います。
T0
 シークエンスは至ってシンプルで、移動-射撃(明智軍のみ)-戦闘となります。射撃は弓衆及び鉄砲衆のみが行え、隣接するエリアまで攻撃ができます。戦闘は、同一エリアでの全ユニットが参加します。戦闘の基本は、戦闘力分のdrをして6が出れば、ヒット。各ヒットにつき、再び、1d6して、ユニットの戦闘力を上回ると除去になります(明智軍の侍大将は、ステップロス)。
 織田軍は近習が全てユニット化されているので、数は多く見えますが、戦闘力は最高でも森蘭丸の3で、ほとんどが1です。対する明智軍の足軽は、3–5と当然ながら強力です(侍大将は4以上)。戦闘では戦力が防御レベルとなるため、圧倒的に明智軍が有利です。
 これを補正するのがスタック制限で、明智軍は建物内では2ユニットまでしか、スタックできず(しかも常時適用)。織田軍は6ユニットまでスタックできるので、戦力の集中によっては、まれに明智軍を上回ることも。が、防御レベルの違いはいかんともしがたく、乱戦の中、次々と織田軍が討ち取られていきます。
 勝利条件は、織田軍がいかに粘って、信長が切腹する時間を稼ぎ、火を放って首を渡さぬか、に絞られます。第5ターンまでに明智軍が信長を仕留められれば、戦略的勝利に。第6ターンまでならば、戦術的勝利(遺体の確保)になります。最後まで、遺体を確保できなければ、織田軍の戦術的勝利(史実)です。
 まず、明智軍ですが、丹波口と本能寺を囲む通りに規定のユニットを配置します。続いて、信長軍が完全なランダム・セットアップを行います。
 第1ターンの明智軍は、本能寺の門を打ち破ると、大挙して進入してきます。まだ、臨戦体制が取れない織田軍に発砲し、女房衆を蹴散らし、近習1名を討ち取ります。 
T1 発砲!
 「上様!裏切りです!!」
 「どの軍勢ぞ!」
 「敵は、水色桔梗(明智)なり」
 「・・・是非もなし」
 続く、織田軍は急ぎ、応戦体制をとりますが、奇襲の再現ルールで、このターンは2d6したユニットのみが移動できます。今回は、drに恵まれ、9ユニットが行動可能に。厩にいた4名と大広間にいた部隊が合流し、北庭で戦闘になりますが、圧倒的な戦力差にも関わらず、ともに死傷者はなし。
T1 織田軍が合流
T1終了時
 第2ターン、明智軍は弓衆と鉄砲衆に援護射撃させ、足軽隊が室内に突入します。これにより、5カ所で白兵戦が発生し、織田側に少なからずの損害が発生します。そして、奥書院で信長発見!
T2 奥書院に信長!
 織田軍は、戦力を維持すべく、建物の中央に集結します。唯一、外郭で防衛線を張る台所では、織田軍が強力に抵抗し、敵に猛烈な打撃を与えます(足軽が壊滅し、斎藤利三が負傷!)。
T2 台所では、織田軍が逆襲!
 第3ターン、明智軍は射撃ユニットを巧みに展開し、強烈な射撃を見舞います。これにより、廊下で敵の侵入を防いでいた森蘭丸兄弟が死亡!が、白兵戦では粘り強く抵抗し、突入してきた敵の足軽を撃破します。
T3 蘭丸兄弟、銃撃で戦死
 また、前ターンに空前の戦果を上げた台所でも、代わって進入してきた侍大将隊をまたも負傷させるなど、死に物狂いの抵抗を見せます。
T3 台所でも!侍大将を負傷さす
 が、織田軍もさすがに死傷者が増えたため、大広間の部隊は廊下に撤退します。
T3終了時
 第4ターン、明智軍は弓衆と鉄砲衆による濃密な射撃を継続します。これにより、2名近習が死亡し、織田信長も負傷!この時点で、信長は自害のために納戸に移動します(自動的に下天モードに)。
T4 猛烈な射撃で、信長負傷!
 続く、白兵戦も酸鼻を極め、さらに3ユニットが昇天します。物量でごり押しする明智軍に、損害はなし。
 「上様を守れ!」織田軍は、納戸に繋がる廊下に殺到しますが、明智軍の足軽と差し違えて、さらに3名が落命します。また、これまで奇跡的な奮闘で足止めを続けていた台所でも、部隊が全滅。防御レベルが低い織田軍は、一点を超えると、一気に崩壊。結果、生き残りは、傷ついたわずか1名の近習のみに。
T4 1ユニットを除き、近習全滅
 第5ターン、明智軍は、周囲から19火力の射撃をもって、この近習を排除。廊下を押さえ、納戸への突入体制を整えます。
 織田信長はこの音を聞き付け、最後の敦盛を舞います。「人間五十年、下天のうちを比ぶれば・・・」そして、納戸に火を放ち、炎の中で自刃します。
T5 信長、切腹するも・・・
 第6ターン、明智軍は納戸の扉を蹴破ると、火の粉が舞う室内に突入。焼け落ちる梁を避けながら、ついに信長の遺体を発見!急ぎ、首級を落として、外へと運び出します。
T6 炎の中で、遺体を発見!
 「殿、敵を討ち取りました!」前庭に陣を進めていた明智光秀がこれを検分し、燃え上がる本能寺を背景に、明智軍が鬨の声を上げました。史実以上の戦果を上げた、明智軍の戦術的勝利となりました。
 普通にプレイをすれば、織田軍には勝ち目はなく、全滅必至ですが、うまく敵を足止めできれば(明智軍のdrが冴えなければ)、史実と同じく、遺体を渡さずに、戦術的勝利もあり得ます(事前のソロ演習では、ギリギリで本能寺が焼け落ちて織田軍の勝利に)。圧倒的な兵力を持つ明智軍も、スタック制限が厳しく、効率的な展開(特に射撃ユニット)求められるため、そういった意味ではバランスが取れているようです。
 いずれにしろ、インストも入れて、1時間半ほどでプレイできるので、気軽な対戦にも向いています。デザイナーズノートにもあるように、滅びの美学を楽しめる、戦国時代の「アラモ砦」になっています。

 GWが開けたら、急激に気温が上昇。千葉では今年初の光化学スモッグ注意報が発令され。梅雨に入ったら、少しは緩和されるかしら。6月のちはら会の予定が決まったので、お知らせします。

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[日時]6月3日(土)10:00-20:00
[会場]おゆみ野公民館 第2講習室

[住所]千葉市緑区おゆみ野中央2丁目7-6
[アクセス]
 京成電鉄千原線「学園前駅」または「おゆみ野駅」から徒歩10分
 または、JR鎌取駅発小湊鉄道バスでおゆみ野中央二丁目バス停降り、徒歩1分(20~30分おき)
[参加費]無料
[持ち物]ゲームとゆとりと常識

 最後に触れますが、同公民館のエアコンの調子が悪く、6月例会も冷房が入らない可能性あり(前回、そうでした)。みなさん、軽装や水分補給など、「アラキス」ばりの暑さ対策をしていらしてください。

 5月のゲムマで購入した「連合艦隊」(URA)。ちょっとルールがわかりにくかったので、同HPの対戦You Tubeを見て、確認。見た目より、考える要素が多いようです。
連合艦隊
 前回のちはら会で、基本ルールのインストプレイをした「明日なき世界」(CMJ)。CMJへのQ&Aで「正しい」Tomorrow the World2ができるゾ!
T5 名古屋空爆の3航空団が対空砲火で壊滅
 コロナ禍でポチってしまった「海カタン」やいつもの「魔法の帝国」(エポック)も持って行きます。
終了時
 最後に次回以降の予定を。 

 7月1日(土)10:00-20:00 誉田公民館:和室 JR誉田駅から徒歩15分
 8月5日(土)10:00-20:00 椎名公民館:和室 京成線おゆみ野駅から徒歩15分

 いつものおゆみ野公民館が、7月から9月までエアコン工事で、尋常でなく熱く、使えず。しばらくは「流浪の民」です。駅から若干、遠いので、みなさん、熱中症に気をつけていらしてください。

 週末になると天候不順が多かったのですが、この日も小雨の中、ゲームマーケット2023春へ行ってきました。いつもの東京ビッグサイトです。今回は、初日の12時からの入場券をゲットしましたが、りんかい線で着いてみれば・・・なんと、駅付近から続く大行列。13時着にしたにも関わらず、結局、1時間以上、並び続け。小さい子連れさんはいるわ、傘のない方もいるわ、自分も腰が痛くなるわ、と全然、優しくないゾ。会場は17時に終わるので、実質、3時間を切っていて、もう少し入場場所を増やすか、せめて前売りを優先するとか。運営がプロじゃないのはわかるけど・・・でした。
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 ともあれ、会場入りすると、今回はコの字の会場で。大手のブースに、多数の同人系が犇めく、大盛況。まあ、活気が戻ってきて良かった。
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 今回はえ~ゲームさんが出店していないので、代わりに元気いっぱいのBonsai Gamesへ。ほぼ毎回、高速バスで長野から「侵略」してくる信濃のaoさんと軍神鹿内氏が、「台湾202X」をデモプレイ。HAさんやF男さんなど、見学者もたくさんで、ウォーゲーム系のランドマークになっていました。沖縄からの「悪党」龍虎さんにもお会いでき、「天才デザイナーを待たすとは!列を誤魔化して入ったろか、と思うた」といつもの龍虎節(武士?)でした。代表の中黒さんにご挨拶し、「BANZAIまがじん」第16号と版権上から多分、少数売り切りの「STAR BLAZERS」を購入。
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 「BANZAIまがじん」はまともなフルマップの東部戦線で、もはや同人の域を超えています。テーマは、またもや、冬の雷鳴作戦。
第57装甲軍団の死闘
 「STAR BLAZERS」は、国民的古典アニメ「宇宙戦艦ヤ☆ト」をテーマにしたソロアイテム。総員戦闘配置とか、沖田艦長の決断とか、ドメル艦隊とか、コスモクリーナーDとか、愛と根性とか、その名の通り、ヤ☆ト愛に満ち満ちています。さぞ、楽しく作成したことでしょう。ん?!これがあるなら、ちはら会の妄想企画「はがきのIDEON」(はがきなのに、最終決戦のCDS!)もありか??(嘘)
STAR BLAZERS
 その隣では、コラボ企画を組んだジブセイルゲームズさんが、いつもの夫婦漫才ならぬ夫婦販売。
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 同人の利点を生かして、「危険がアブナイ」テーマを攻めまくっているジブセイルですが、今回の新作は「民青VS全共闘」!これまでも東大紛争やあさま山荘事件など、際どいテーマでしたが、とうとう、内ゲバとは!!「トロッキスト、カエレ」といった「シュプレヒコール」カードまであり。このシリーズは早5作目で、どこかの資料館に並べても、違和感がないゾ!
民青VS全共闘
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 そこから、サークル系を廻りましたが、何故か、今回は翌日の出店が多かったようで、ウォーゲーム系はわずかに2つのみ。
 いつもちはら会に参加いただいている平さんのグループ乾坤一擲に。テストプレイをお手伝いした「運命のミッドウェー・カードゲーム」が販売されており、即ゲット。
運命のミッドウェー・カードゲーム
 その隣にルーデンス・フェベルが並び。今まで、利用したことがなかったのですが、A4マップのお手軽な戦国ミニゲームがあったので、「山崎の戦い」と「賤ヶ岳の戦い」を購入。いかん、戦国ものは、供給に対戦が追いついていないのに、また、買ってしまった・・・。
山崎・賤ヶ岳の戦い
 移動中に、ふと目に止まった「連合艦隊」(URA)。よくあるメジャーな連合艦隊艦艇によるバトルロワイヤルかと、スルーしようとしたのですが、ん?!フォーミタブルに、サウザンプトン級に、ジャービス級だと!そのマイナーさに、ついつい、ゲット。
連合艦隊
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 なにやらモノポリー風のアイテムが展示されており。マルゲームタウン「なわばりバトルすごろく」で、香川県丸亀市(!)の商店街や通りを舞台にしており、同市に在住のみなさんがデモをしていました。商店街の再興(泣)やマンション建築の町作りを至上の目標にしている、官民一体の有志プロジェクトだそうです。かなり食指を動かされたのですが、値段がない。まさか時価?!と思ったら、まだ、完成していないそうで、発売時期も未定。同業の方もいて、製作協力は大手前丸亀中学校!これは、応援せねばなるまい!完成をお待ちしています。
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MARU なわばりバトルすごろく
 サンセット・ゲームズで、ちはら会お年玉用の中古品を確保。ついでに、無料配布の古典的ゲーム雑誌を2つほどいただいて、会場を後にしました。
SS購入
 この日は、ちはら会のBIBIさんも来ており、千葉に帰郷しながら、お互いの戦利品を確認し合いました。ともに、次回のちはら会に持ち込む予定です。

 この日のラストは、「魔法帝国の興亡」(エポック)シナリオ10「スタンダード・キャンペーン」です。初の上級ルール使用になります。ベースは基本ルールと同じですが、上級はヴァリエーションが非常に豊富です。
 ポイント制のキャラ・メイク
 シーフ、エルリック、エビル種の導入
 アンデッド・モンスター
 ドラゴン、巨人族、リッチの軍勢、オーク、ドワーフ、エルフ等の異界種族
 様々なイベント(ほとんどが良くない)
 下級魔法を使える魔法軍団
 軍隊戦闘を有利にする城と塔
 キャラ作りと上級インストで、20分ほどかかって、4人プレイに。陣営は、紫の上級魔法使い(mitsu)・下級魔法に指揮値、HPが高い緑(風見鶏)・黄の上級魔法使い(BIBI)・聖職者で盗賊(?)という青(morita)です。
スタート
 第1ターン、いきなり上級ルールのイベントが3回、発動します(3キャラがdr6!)。全てのモンスターや悪の軍勢に有利な混沌の嵐、強力な独立NPCが居座る湖、強大な巨人族が発生します。混沌の嵐は次ターンに収まったからいいものの、他はとても初期キャラでは対抗できず。特に巨人族は、我がもの顔で大陸西部を闊歩することに。
 そこでも、緑(風見鶏)がジャイアント・スコーピオンを倒し、レベル2にアップします。さらに、カリスマを上げた効果で、NPCのクレリックが加わり、早くも3人パーティを結成します。
 上級魔法使いの紫(mitsu)と黄(BIBI)も、下級モンスターを強力な魔法で吹き飛ばして、順調にレベルアップをしていきます。
 ついていなかったのが青(morita)で、ダンジョンに入るも蛻の殻やスペシャルダンジョンが多く、成長できない期間が続きます。全般的に、異様にクエストが多かったのも、響きます。
 それでも、各人がそこそこのレベルアップを遂げた中盤、信じられないイベントの嵐が。黄(BIBI)が「動乱の年」を出すと、さらに「動乱の年」と「運命の年」が重なり、巨人族やらオークやら、7つのイベントが発生。紫(mitsu)は「運命の年」を当てると、なんとさらに2回の「運命の年」で、のべ9つのイベント!雪の女王やリッチの軍勢、ドラゴンと、1ターンで延べ16のイベントとは、どうなっているじゃい?!特に、北の孤島はアンデッドに、リッチの軍勢に、雪の女王(隣接しただけで軍隊は損耗!)と、誰も踏み入れられない危険地帯に。
北の孤島は、誰も立ち寄れない無法地帯に
 このままでは、怪物に大陸を乗っ取られると危惧した各陣営は、一斉に旗揚げをします。廻りの中立エリアを攻めて、国力を上げようとしますが、時期がやや尚早で、それほど、軍隊数が揃えられなかったため、中立軍相手に負けが込む展開に。魔法軍団を揃えていた紫(mitsu)と辺境で慎重に攻める緑(風見鶏)が、多少、消耗しながらも勢力を拡大します。
 ある程度の軍勢を維持している紫(mitsu)が、最も質の悪いオーク(毎ターン2ユニットずつ増加)を攻めます。上級魔法使いの自身を含め、3人の魔道士が攻撃魔法を連発し、多少の損害と引き換えに、これを全滅させます。
オーク狩り、成功
 一方、大陸を徘徊していた巨人族が、やっと軍隊再建のなった黄(BIBI)に襲いかかります。通常攻撃では1を出す以外ない厳しい戦いでしたが、上級魔法が炸裂し、軍隊指揮を全て攻撃に回して、これを討ち取ります。
魔法で巨人を吹き飛ばす
 と、ここで、開始からすでに3時間が経過し、例会の終了近くに。協議の上、最後のターンを行って、最もVPが高い陣営の勝利とします。
 こうなれば、多少、危険でもと、緑(風見鶏)が強引にスペシャルダンジョンに入り込み、メデューサを倒して、アイテムをゲット。
 紫(mitsu)もNPC1人を生け贄にして、邪教徒を北の孤島に送り込みます。そして、最後のクエスト「混沌の卵」を密かに火の山に捨てに行きましたが、ドラゴンに見つかって死闘の末、パーティ全滅。ここで、ゲームエンド。
mitsuが邪教クエストを
 紫(mitsu):10点
 緑(風見鶏):3点
 黄(BIBI):0点
 青(morita):-1点
で、クエスト3枚を達成した紫(mitsu)の勝利でした。
終了時
 なお、今回、誤って、以下のルールを適用していませんでした。
①潜伏状態でない(通常の発見状態の)キャラ(パーティ)は、敵や中立軍勢からの攻撃を受ける。潜伏状態のキャラ(パーティ)は、敵や中立軍勢に捜索を受け、発見されると、攻撃を受ける。なお、中立軍勢や反乱軍は、初期フェイズに(軍隊戦闘がなければ)同じエリアにいるキャラ(パーティ)を捜索すし、発見すれば、攻撃する。
②中立軍勢も、戦闘時には仮の指揮官(ただし、魔法能力はなし)を決める。
 巨人族やオークのいるエリアに進入しても(されても)攻撃をしませんでした。これらに見つからないように、となると、大陸中を魔物が闊歩しまくる「ミニミニ魔法帝国」や「魔法帝国の興亡」シナリオは、かなり激しい展開になりそうです。

 続いて、昼食を挟んで、今回、唯一のへクスゲーム「明日なき世界 Tomorrow the World 2」(CMJ)をプレイしました。内容は全然、「まともでない」仮想戦なんですが・・・(苦笑い)。
 「明日なき世界」(CMJ)は、アメリカにおける仮想戦デザイナーの雄-タイロン・ボンバ氏作成の最新作です。第三次世界対戦が勃発し、日独はそれぞれの地域攻勢を成功させ、敵本土爆撃を可能に。ほぼ同時期に核兵器の開発に成功した両国は、互いの本土への戦略爆撃を行うという、まさに「明日なき世界」大戦になります。
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 システムは、このところ、ボンバ氏が拘っている相互逐次行動で、主導権側から1スタックずつ、交互に移動・戦闘を行うという手順です。SLGの一般的な片側ずつの移動・攻撃と違い、戦略を決めた上で、相手が打つ手を読みながら、適切な対応をしていくという、将棋やチェスと同じ感覚です。
 ユニット数が多いと煩瑣になるシステムですが、そこはスタック単位での行動を主となるようになっていて。一方が受け持つスタック数は15程度で、ほどよい展開になります。 戦闘は同一へクスで、ユニット数分のdrをし、1番目と2番目の高いdrを比較し、勝った側が敵の1ユニットを削れます(今回は先制攻撃・通常攻撃とも「最大2ヒット」でプレイしましたが、CMJ誌へのQ&Aで、3番目以降も比較するそうです)。よって、基本は、最大6スタックでの殴り合いになります。各航空機には、先制攻撃能力と通常攻撃能力があり、まずは先制戦闘を行い、次に通常戦闘を行うという、手順です。
 ちなみに、戦闘機と爆撃機はスタックできず。つまり、直掩戦闘機という概念はなく、護衛戦闘機は爆撃機に先んじて、敵の迎撃機に攻撃をかけ、間接的に爆撃機を守る形にします。爆撃はそのへクスに進入できれば、オートで成功します(原子力爆弾の投下)。
 対空能力を持つ軍団/師団は4ユニットしかなく、隣接または同一へクスの敵を、1d6して1/2(端数切り捨て)数分、撃破できます。
 これに、電子戦があり、主導権奪取や連続手番、空中戦の引き分けを勝ちにする「巧みなドッグファイト」、敵1ユニットを行動不能にする「情報の錯綜」、対空砲火の振り直し等ができます。電子戦ポイントは0から6まで幅が広く、毎ターン、ランダムで引くポイント数で、展開が左右されます。
  また、かなり効果の大きい戦術オプションとして、負のVPを支払って使用する「増援」があります。今回は、初プレイということで、このルールは採用しませんでした。
 陣営は、日本軍(mitsu)対ドイツ軍(fho)です。セットアップですが、以下のようになります。
 【ドイツ本土マップ】
    日本軍:戦闘機22+全爆撃機
    ドイツ軍:戦闘機31
 【日本本土マップ】
    日本軍:戦闘機24
    ドイツ軍:戦闘機16+全爆撃機
セットアップ
 第1ターン、まず、ドイツ本土マップ戦で、日本軍が敵戦闘機隊との距離を測りながら、ゆっくりと前進します。あえて、1スタックを囮に前に出したところ、敵戦闘機が果敢に迎撃にきます。が、敵のスタック数が少なかったこととdrが日本軍に振れたことで、日本軍がキルレシオで6:1と圧勝します。
初会敵
 これで慎重になったドイツ軍は、攻撃を見合わせ、中央付近に戦闘機隊を集結させます。
 一方の日本本土マップ戦では、大胆にも前進してきた敵の爆撃機隊を、金沢の通常戦闘機のスタックが迎撃しましたが、これは返り討ちに遭い、日本軍が2ユニットを失います。これ以外の日本軍戦闘機隊は、同様に中央付近に集結し、敵の動きを待ちます。
T1 ドイツ本土
T1 日本本土
 第2ターン、ドイツ本土マップ戦で、日本軍は果敢にファイター・スウィープを仕掛けます。潤沢な電子戦ポイント(最高の6!)を使用し、引き分けでも勝ちに変えていきます。ドイツ軍は(苦渋の表情で)アンチ電子戦を仕掛けず(実は、電子戦0ポイントだったそう)。戦闘drも日本軍に微笑み、若干の爆撃機が食われたものの、のべで敵の20ユニット以上(!)を屠ります。キルレシオは、4:1と圧倒的です。
T2 ドイツ軍、約4倍の損害
 日本本土マップ戦では、足の遅い爆撃機を放っておき、日本軍の戦闘機が数に物を言わせて、敵の護衛戦闘機と激しい戦いを繰り広げます。ここでも、電子戦ポイントを使い「巧みなドッグファイト」で、ドイツ軍の戦闘機スタック2つを損壊させます。
T2
 第3ターン、ドイツ本土マップ戦では数的有利を逆転した日本軍が、相討ち覚悟でドッグファイトを仕掛け、さらに敵の防空戦闘機隊を駆逐します。
 日本本土マップ戦では、先制攻撃力を持つ橘花隊が敵のジェット戦闘機(Me262)を圧倒し、こちらも敵戦闘機をわずか1スタック半にまでに撃ち減らします。と、この隙を突いて、日本本土に達した戦略爆撃機が、都市破壊爆弾を投下!金沢が一瞬にして、灰燼と化します。
T3 金沢が焦土に
 第4ターン、ドイツ本土マップ戦では、さらなる消耗戦の結果、ドイツ軍戦闘機隊は半スタックまで磨り減り、ほぼ残敵掃討に。迂闊にベルリンに隣接した日本軍の戦闘機隊が対空砲火で痛い目に遭ったことが、せめてもか。
T4 ドイツ本土の防空の終焉
 日本本土マップ戦では、敵戦闘機の無力化に成功しつつある日本軍は、原爆を積んだ爆撃機隊に目標を変えます。敵も必死の防御砲火により、損害を与えますが、1スタックを除き、壊滅。その直前に、新潟を爆撃したのが、白鳥の歌となります。
T4
 第5ターン、ドイツ本土マップ戦では、最後の防空戦闘機隊が全滅し、もはや、爆撃に対抗できるのは、SAM軍団のみになります。日本軍は最終ターンの北部3都市爆撃に向けて、じわじわと戦略爆撃機が前進をします。
T5 北部に迫る爆撃隊
 日本本土マップ戦では、ドイツ軍が最後の爆撃隊を重要都市の名古屋に差し向けます。3ユニットのいずれかが生き残れば、これを壊滅できたのですが・・・ああ、防空師団の激しい対空砲火によって、全滅(dr6!)。僥倖にも、名古屋が生き残ります。
T5 名古屋空爆の3航空団が対空砲火で壊滅
 第6ターン、ドイツ本土マップ戦では、ついに日本の戦略爆撃隊が、デュセルドルフ、ケルン、エッセンに到達します。対空砲火で4ユニットが撃墜されるも、残りは強力無比な都市破壊爆弾を投下。連続する巨大な火球が、北の重要都市を焼き尽くします。これ以外にも、フランクフルト、シュヴァインフルなど、5都市が爆撃を受け、ドイツの戦争継続能力はほぼ崩壊します。
T6 ドイツ北部壊滅
 日本本土マップ戦では、先制攻撃能力を持つHo229が、福岡を焦土に変えたところで、ゲーム終了。
 終わってみれば、ドイツ軍機が全滅し、主要都市3つを含む、8都市が壊滅し、22点対6点で、大日本帝国が世界の覇者となりました。
 今回は、電子戦が圧倒的に日本軍に有利だったこと(6ポイントが2回、ドイツ軍は0ポイントが2回!)、ドイツ軍がフルスタックを作らず、4機程度の中規模スタックで対応したこと、戦闘drが日本軍に優勢だったことなどから、圧勝となりました。
終了時
損害
 が、フルオプションの増援が入ると、ドイツ軍の戦闘drがかなり有利になり得ると思われ、評価には数戦が必要そうです。
 なお、CMJ誌にQ&Aを行った結果は、以下の通りです。
8.11 日本海軍721「神雷」航空隊
・「神雷」航空隊は、移動力6の海軍戦闘機として扱う。
9.2 ドイツ軍の増援
・「Silbervogel」は、移動力3の爆撃機として扱う。
9.1 日本軍の増援及び9.2 ドイツ軍の増援
・日本軍の増援「3.近接信管の採用」、ドイツ軍の増援「1.パラサイト機の採用」「2.V1ロケット」は、一度、要請したら、以後の全ての空中戦及び対空砲火に適用される。
8.9 対空砲火の解決手順
・対空砲火の解決手順で、「航空機が移動中ならばこのような攻撃は行動としてカウントされないので、裏向ける必要はありません」とあるが、裏向ける必要がないのは、対空砲火をしたSAM軍団や防空師団である。
・SAM軍団や防空師団は、敵スタックが隣接へクス(か同一へクス)に入る度に、「混乱(使用済み)」にならない対空砲火を「1回のみ」行うことができる。すでに「混乱(使用済み)」になったSAM軍団や防空師団は対空砲火を行うことはできない。同一ヘクスにいる航空機に対する対空砲火は判定後「混乱(使用済み)」になる。
6.5 巧みなドッグファイト
・「巧みなドッグファイト」は、各本土マップ側のプレイヤーが先に使用を宣言する。仮に先に宣言するプレイヤーが使用を見合わせて相手側が使用を宣言した場合、無効化するための宣言は行える。先に宣言した側がアンチ電子戦で無効にされた場合、反対側(無効にした側)の陣営は、次に宣言できない。
・「巧みなドッグファイト」と「エース集団」が同時に使用する場合は、最初のダイスの判定結果のみを変更する。例えば、最初に投じたダイスの結果が全て引き分けになった場合は、引き分けの結果を勝利にする「巧みなドッグファイト」が有効になる。よって、仮に「巧みなドッグファイト」で敗北になっても、「エース集団」で勝敗を変更することはできない。

 この日の緒戦は、傑作開拓ゲーム「カタン」(GP)です。作者のクラウス・トイバーの追悼記念に持ち込みました。陣営は、赤(morita)・白(mitsu)・青(風見鶏)です。
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 ランダムセットアップでは、草原(羊毛産地)が偏り、しかも産出値(dr)が低いという、条件に。各陣営はやむなく、散けた2カ所に開拓地を作ります。
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 飛び出したのは、赤(morita)。資源drに恵まれ、街道を延ばし、最長交易路を獲得します。要所要所の開拓地を都市化するなど、累積的に資源確保をアップしていきます。
 青(風見鶏)も街道の展開を狙いますが、先に赤(morita)と白(mitsu)に要所を押さえられ、伸びず。
 対抗すべく白(mitsu)は、当初から押さえていた港を活用し、レンガを増やし、街道を延ばします。2カ所の街道がつながり、最長交易路を赤(morita)から奪取します。ただ、開拓地の展開は限られるため、開発に切り替えますが、十分な枚数が来る前に、ゲームは終盤に。
 ここで、赤(morita)にまとまった資源が来て、一気に都市化をして、勝利となりました。
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 今回は、出るはずのdr7がなかなか来ず(盗賊により資源の掠奪)。dr8のタイルを効果的に押さえた赤(morita)が、10枚を超える資源を手にするなど、王道の展開で勝利でした。白(mitsu)も、後1点だった(開発が当たれば)でしたので、いい勝負ではあったかと思います。やはり、カタン(GP)は、高い評価そのものですね~。

 GWの後半、素晴らしい晴天の中、屋内で(?)第215回ちはら会が開かれました。さすがに5連休の好天とあって、みなさん、野外のお出かけが多かったようで、のべ6人の参加でした。「明日なき世界」(CMJ)以外は、マルチで入れ替わり立ち替わりのいつもの賑やかさでした。
 この日にプレイされたアイテムと戦績は、以下の通りです。
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カタン(GP) ☆赤(morita)・白(mitsu)・青(風見鶏)
DUNE(アークライト)  ☆morita・Tommy・風見鶏・BIBI
魔法帝国の興亡(エポック)シナリオ10「スタンダード・キャンペーン」
 ☆紫(mitsu)・緑(風見鶏)・黄(BIBI)・青(morita)         
明日なき世界(CMJ)インストプレイ ☆日本軍(mitsu)対ドイツ軍(fho)★

 というわけで、今回、まともなへクスゲームは「明日なき世界」(CMJ)でした。もっとも、設定はやりたい放題の仮想戦です。ある意味、ちはら会らしいなぁ~。
 moritaさん持ち込みの「DUNE」(アークライト)。同名の名作SF小説の世界をマルチで再現。moritaさんがTommyさんを1点差で抑えて勝利したようです。自分は「DUNE」自体が未見なので、ハルコンネンとかアトレイドスとか言われても??。原作とゲーム(!)は、1年前に買ってあるんですけどね・・・。
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 せっかくのGWということで、大学時代の同期らで、茨城史跡ツアーを予定したのですが、前週に突然、「大山湖畔公園」管理事務所から連絡が・・・クラウド・ファンディングが成立し、ついに鹿島海軍航空隊跡地の公開が決まったとのこと!
 これだけは外せない!と、急遽、日程を組み替えて、5月4日に、再び、大山スロープへ。すでに、最終案内が始まっていましたが、途中から合流し、ほぼ全ての建物を見学できました。
 30年前まで、病院として使用されていた司令部跡。築90年近いはずですが、やはり手入れされていたこともあり、頑丈な構造そのままに、当時を偲ぶことができ。
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 20m以上の高さを誇るボイラー施設の煙突。広大な敷地内全てをまかなっていたセントラルヒーティングは、当時としては相当、画期的でした。
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 こちらは、今でも稼働できそうな大型ボイラー。頑丈過ぎて、解体もままならないとか。
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 台座だけが残された発電所跡。廃墟と緑の組み合わせは、過ぎ去った時を思い起こさせます。
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 往時は、水上機を引き上げた大山スロープ。今はマリンスポーツの格好の緩斜面に。
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 最後に、開放された屋上からは、どこまでも青い霞ヶ浦と皐の空が。遠くスロープに目をやれば、何も知らないだろう若者達が、水上バイクやヨットのマリンスポーツに熱中している姿。これこそが平和、これこそがかけがえのない時間。
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 旧軍のもたらした理不尽さを知っている今だからこそ、二度と起こさない、二度と起こさせないという、強い思いが湧いてきました。
 地元ではあの戦争を思い出すものは撤去したいという、意見もあったそうです。それでも十分に話し合って、入念に準備して、やっとプレ公開に。7月から、土日限定ですが、一般公開を始めるそうです。ぜひ、多くの方にと、美浦村の方々からも頼まれました。
 これだけ、広大な敷地が開発もされず、当時のまま、残っているのは奇跡的。関心のある方は、直接、現地へどうぞ。
 ちなみに、自動車整備場跡で開かれている週末カフェのシラウオ丼も、絶品です。

 今月のソロプレイ第6弾は、「熱闘12球団ペナントレース」(HJ)の1989年日本シリーズです。前年の最終戦敗北の雪辱を果たした近鉄バッファローズ対圧倒的な投手力を誇る読売ジャイアンツの戦いです。史実では、不利な下馬評を覆し、近鉄バッファローズが3連勝するも、加藤哲郎の「ロッテより弱い」発言(実際は言っていない)に奮起したジャイアンツナインが、4連勝で逆転勝利を収めます。
 近鉄バッファローズは、19勝のエース阿波野(グレードA)に、12勝の小野和義(グレードB)、山崎、加藤哲郎がグレードC、抑えの吉井がグレードBです。が、それ以外の先発は、グレードEのみで、よくぞ、これで優勝できたなぁというのが実感です。打撃陣では、リードオフマンの大石、成長著しい村上、3割超えの新井、一発のある鈴木貴久に、リベラ、本塁打王のブライアントと、破壊力は抜群です。
 読売ジャイアンツは、最多の20勝投手斎藤(グレードA&C)に、12勝の槇原(グレードA)、桑田、宮本、香田、抑えの広田がBと最強に近い投手陣です。打率.378の首位打者クロマティに、3割越えの駒田、一発のある原、シェアなバッティングの篠塚、岡崎、名手川井など、多彩な顔ぶれです。監督は、こちらも選手遣いの極めて上手い藤田元司です。
 第1戦は、パリーグのホームグランドの藤井寺球場で、エース斎藤(グレードA&C)と阿波野(A)の対決です。この日は、息詰まる投手戦となります。 
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 近鉄先発の阿波野は、ランナーを出すものの、要所では力でねじ伏せ、また、2つの併殺に打ち取るなど、5回までホームを踏ませず。一方の斎藤も、3回までノーヒットピッチングで、その後にランナーを出しても後続を断ち切ります。
 ゲームが動いたのは、5回でした。先頭の篠塚がヒットで出ると、4番原がバックスクリーンに先制のツーランHR!これぞ、4番の働きで、2対0とします。が、その後も阿波野は粘り強い投球を見せ、最終回まで投げ抜きます。
原2
 巨人の斎藤も、隙を見せず。6回に先頭の新井にツーベースを打たれるも、ショートの好プレイでダブルプレイで凌ぎ、最終回もホームランで同点の場面を冷静に投げ抜き、シーズンそのままの勢いで、完封。読売巨人が緒戦をものにしました。
斎藤
 第2戦は、巨人はあえて、槇原を温存し(リリーフ)、桑田(グレードB)を投入します。近鉄は阿波野に継ぐ小野(B)です。
 この日も立ち上がりは、両投手とも順調で、2回までヒットを許さず。思わぬ流れが起こったのは、3回表でした。ツーアウトから9番緒方がツーベースを放つと、ああ、ライト鈴木が痛恨のエラーで先制点を与えます。動揺した小野から、2番篠塚が狙い澄ました一発を、右中間スタンドに叩き込み、3対0とします。
篠塚
 続く、4回表、今度は先頭の井上がソロHRで、追加点。
 5回裏、近鉄は若き村上がソロHRを打って、のろしを上げますが、2つの四球と内野安打で満塁とするも、桑田に押さえ込まれ、1点のみ。
村上3
 すると、6回表、井上からのヒットや四球で満塁とし、9番の緒方に打席が廻ってきます。売り出し中の緒方はきっちりと2点タイムリーで、6対1と突き放します。
緒方
 桑田に翻弄された近鉄は、8回に反撃に出ます。リベラ、鈴木のヒット、四球で満塁として、HRを放っている村上。が、ここは併殺打に打ち取られ、1点のみ。が、続く、真喜志が執念のツーベースを放って、6対3とします。
 ここで、巨人は桑田を諦めて、リリーフに槇原(グレードA)を投入します。槇原は期待通り、ヒットを許さず、9回も投げ抜いてセーブ。巨人が強力な投手陣で、6対3と2勝目を上げます。
槇原2
 第3戦は、舞台を東京ドームに移し、先発は山崎(グレードC)対宮本(B)です。この試合は、初めて近鉄が先制します。2回表、真喜志のヒット、山下の四球で1アウト1・2塁とすると、1番新井がタイムリーで、1対0とします。
 さらに、3回表、ランナーを一人おいて、6番村上がツーランHRで、3対0に。
村上2
 巨人も、4回裏に4番原がソロHRを放ち、追撃の姿勢を見せます。
 6回、近鉄はまたもランナーをおいて、村上がタイムリー・ツーベースで4対1に。が、巨人も負けじと、4番原がタイムリー・ツーベースで、4対2と追いかけます。
原
 7回表、懸命に投げる宮本でしたが、ショート川相がエラーで先頭の新井を出塁させます。送りバントの後、4番リベラがタイムリーを放ち、巨人を突き放します。
 近鉄の先発山崎は、7回まで投げ抜き、8回からは抑えの吉井(グレードB)にスイッチします。吉井は2回を締め、ゲームセット。近鉄がこのシリーズ初の勝利を挙げます。
吉井
 第4戦は、加藤(グレードC)対香田(B)の投げ合いとなります。この日は、1点を争う投手戦に。
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 2回裏、巨人は、ヒットの岡崎をおいて、7番中尾が先制のタイムリーを放ちます。が、近鉄先発の加藤は、その後、ピンチは招くも、要所要所を締め、この1点に抑えます。
 一方の巨人の先発香田は、こちらもヒットを打たれますが、連打を許さず、4回まで無失点で切り抜けます。
 が、5回表、粘り腰の近鉄はヒットの鈴木をおいて、山下がタイムリー・ツーベースで、1対1の同点に追いつきます。
 息詰まる均衡は、6回裏に崩れます。1アウトから5番井上がヒットで出て、すかさず、盗塁。ここで、岡崎がタイムリー・ツーベースを放ち、1対2と逆転に成功します。
岡崎
 香田はこれに力を得て、8回まで点を与えず。9回は、ストッパーの広田が登場し、代打淡口にヒットを許すも、後続を断ち切って、ゲームセット。1点差をものにした巨人が3勝目を挙げ、シリーズ優勝に王手をかけます。
香田
 もはや、近鉄が負けられない第5戦は、日本シリーズ屈指の好ゲームに。緒戦と同じ、エース斎藤(グレードA&C)と阿波野(A)の対決です。
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 先制したのは巨人で、2回裏、阿波野から4番原が先制のソロHR!僅差の勝負となる展開で、この一発は大きく効きます。
 斎藤は球威のある投球で近鉄打線を押しまくり、3回までノーヒットに。が、5回表、近鉄は不振から6番に降格した鈴木貴がツーベースで出ると、送りバントで3塁に。ここで、8番山下がセンターに犠牲フライを打ち上げ、貴重な1点を取って、同点とします。
 前日以上に息詰まる攻防でしたが、7回表、真喜志、山下の連打で数少ないチャンスを作ると、1番新井がタイムリーで2対1と逆転を果たします。
新井2
 巨人は、阿波野からスコアリング・ポジションにランナーを進め、度々、チャンスを作りますが、後一本が出ず、試合は最終回に。
 先頭のクロマティが、この日2本目のヒットで出ると、4番原が繋いで1・2塁とします。ここで、チャンスに強い5番駒田がきっちりとタイムリーを放ち、巨人は土壇場で2対2の同点に追いつきます。何という展開!阿波野は後続を断ち切って、初の延長戦に。
駒田
 巨人は、9回から槇原(グレードA)を投入し、ランナーは出すものの、後続を断って、12回までを投げ抜きます。13回からは、水野(グレードC)が引き継ぎ、こちらは単打のみの安定した投球で、延長17回まで点を与えません。
 一方、巨人は投げ続ける阿波野を攻め、2度のサヨナラのチャンスを作ります。が、阿波野は前年の最終戦敗退の悔しさをぶつけ、全力で腕を振り、最後の1本を許さず。途中で雨天中断があって、冷えた身体でパフォーマンスが落ちても(グレードCに低下)、鬼気迫る投球で、巨人打線を抑え続けます。なんという、気迫!!
阿波野
 が、さすがに、延長13回を過ぎたところで、下位打線に連打を浴び、ここで守護神吉井にスチッチします。吉井は川相を打ち取って、点を与えず。延長16回裏に、呂明賜と好調駒田に連打を浴びるも、阿波野の気迫が移ったかのように、後続を断ち切ります。
 そして迎えた延長18回、これで決着がつかなければ、引き分けになります。近鉄は、この日3本のヒットを放っている6番鈴木貴が、打席に入ります。スタミナ抜群の水野も6イニングス目に入り、制球が甘くなったところを見逃しませんでした。やや中央よりに入った外角のストレートを、ライトスタンドへ!ついに、均衡が破れる!
鈴木貴
 それでも、水野は後続を打ち取って、延長最終回の奇跡を待ちます。第18回裏、5イングス目に突入した吉井は、クロマティ、呂、駒田を撫で切りにし、ゲームセット。日本シリーズ最長の延長18回の攻防に、幕を下ろしました。これぞ、プロ野球!これぞ、日本シリーズ!
 近鉄は驚異の粘りで、2勝目を挙げ、舞台を再び、藤井寺球場に移します。第6戦の先発は、桑田と小野のグレードB対決です。
 序盤から両投手とも、気合い十分の投球で点を与えません。初回、巨人先頭の緒方がツーベースを放ち、川相の進塁打で1アウト3塁としますが、クロマティ、原を小野が打ち取り。その後は、四球は出すものの、1本もヒットを写さず、7回まで零封します。
 一方の桑田も初回に大石のヒットと盗塁でスコアリングポジションにランナーを進めるも、後続を打ち取り。こちらも、7回まで点を与えぬ零行進が続きます。
桑田
 疲れの見えた8回表、巨人は1アウトから篠塚がツーベースを打ち、先制のチャンスを迎えますが、小野が代打攻勢を凌ぎ、いまだ、無失点。
 そして、その裏、ドラマが待っていました。ここまで、打率.174、本塁打0にあえいでいたパの本塁打王ブライアントが、ついに特大のソロアーチ!まさに1点を争うこの試合で出るか!!
ブライアント
 巨人は最終回に、1番から始まる好打順に託しましたが、気迫の小野が首位打者クロマティを打ち取って、完封勝利。1対0で、ついに近鉄バッファローズが、3勝3敗のタイに持ち込みます。
 勝っても負けても優勝の決まる最終第7戦、巨人はここまでリリーフのみで温存していた槇原(グレードA)を投入します。近鉄の先発は中4日の山崎(グレードC)です。
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 2回裏、前日のヒーロー-ラルフ・ブライアントが爆発します。1アウト、ランナー無しの場面で、先制の一発!これで、前試合から2打席連続のHRとなります。
 が、巨人も直後の3回表、ツーアウトから山崎を攻め、1番緒方から4番駒田までの連続安打で、2対1と逆転します。
駒田2
 4回裏、打席には再び、ラルフ・ブライアント。槇原の剛速球をフルスイングで捉えると、なんと、3打席連続のHR!おお、まるで、史実の再現か?!
ブライアント2
 4回を終わって、スコアは2対2のイーブンに。が、死力を尽くす近鉄が立ち向かえたのは、ここまででした。
 5回表、またも先頭の緒方がヒットで出ると、井上、クロマティ、原、駒田が容赦ない5連続ヒット。一気に、4点を取って、山崎をノックアウトします。
クロマティ
 代わった佐藤(グレードC)は、この回は抑えたものの、6回に巨人打線に捕まります。3つの四死球とバントヒットで1点を取ると、6番の職人篠塚が2点タイムリー。さらに8回には、駒田がタイムリー・ツーベースでダメ押しの10点目を挙げます。
篠塚2
 5回以降、槇原は本来のピッチングを取り戻し、8回裏に1・2塁のピンチを招くも、4番鈴木を打ち取り。最終回もリベラに四球を与えただけで、近鉄の代打攻勢を抑えきり、ゲームセット。10対2で巨人が圧勝し、日本シリーズ優勝を決めました。
槇原
 MVPは、打率.346、3HR、7打点の原が獲得しました。敢闘賞は、2試合を投げて、失点を許さず、防御率0点で、1勝1セーブを挙げた吉井でした。
原
吉井
 巨人は、思いのほか、近鉄投手陣に苦労しましたが、最終戦では本来の打線が爆発し、優勝に繋がりました。後半に活躍した緒方が.435、クロマティが.367、MVPの原が346、井上が.318と打ちまくり。打率は.250前後でしたが、駒田と篠塚が4打点と勝負強さを発揮。チームとしては、本塁打数はわずかに4本ながら、平均打率.251、23打点で、近鉄を圧倒。投げては、斎藤、香田、槇原が防御率1点台で、5試合で2失点以下と手堅い投球で、平均防御率は1.77で、近鉄に競り勝ちました。
 近鉄は、当初は貧弱と思われていた投手陣が、6戦目までは、巨人を上回る防御率1.60点と大健闘。特にエース阿波野は、鬼気迫る投球で、緒戦と第5戦の延長戦の22イニングスを投げ抜きました。他にも小野が防御率1.5点、吉井が0点と接戦の立役者となりました。が、打線は3割を超えたのは、.344の新井ただ一人で、大石、リベラ、真喜志、山下が1割台と低迷。打点も村上の4点が最多。本塁打王ブライアントは、最終盤に3打席連続アーチを放ちましたが、全てソロで時すでに遅く。それでも、粘り強い戦い方で、最終戦まで持ち込みんだのは、まさに執念でしょう。

 今月のソロプレイ第5弾は、「熱闘12球団ペナントレース」(HJ)の1988年日本シリーズです。パリーグ優勝の西武ライオンズ対セリーグ覇者の中日ドラゴンズの戦いです。
 西武ライオンズは、近鉄との最終戦ダブルヘッダーを制した、80年代の常勝チームです。15勝の渡辺、13勝の郭泰源(グレードB)と10勝の工藤、森山(グレードC)の4本柱に、抑えの山根がグレードCと、そこそこです。打撃陣では核弾頭の石毛と名手辻が健在で、中日から移った3割の平野、38本塁打の秋山、バークレオ、31本の清原、代打の切り札西岡などが強力です。監督は、手堅い用兵を駆使する森祇晶です。
 一方の中日ドラゴンズは、若き山本のグレードAを筆頭に、西武から移籍した18勝の小野(グレードB)の2枚看板に、小松、米村、鈴木孝、近藤がC、抑えの郭源治が防御率1.95(グレードA)と光ります。打撃では、ルーキーの立浪、主砲の落合、一発のある宇野に、ゲーリー、彦野、燻し銀の仁村徹、川又等と、走力以外では西武打線に引けを取りません。監督は、鉄拳も辞さない燃える男-星野仙一です。
 第1戦は、セリーグのホームグランドのナゴヤ球場で、エース渡辺(グレードB)と山本(A)の対決です。試合は、激しい動きを見せます。
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 1回表、1番石毛がいきなり、ソロHRで先制します。3番秋山も、続いてソロHRで、2点目を挙げます。
石毛
 その裏、中日はヒットの彦野をおいて、3番ゲーリーが同点となるツーラン・ホームランを放ちます。
ゲイリー
 続く、2回裏、今度はヒットの川又を、彦野がホームランで帰し、2対4とします。さらに、3回裏、ゲーリー、落合の連続四球の後、5番宇野がタイムリー、6番仁村もヒット。8番中村がスクイズを決めて、2対8と西武を突き放します。ここで、西武は渡辺を諦め、2番手の山根にスイッチします。
宇野2
 6回裏、加点をしたのは、またも中日でした。5回から代わった東尾を攻め、川又がソロホームラン、3番ゲーリーのツーベースで、11点目を加えます。さらに、7回裏、8番中村のソロHRで、大量12点目を奪います。
 西武も、終盤に粘りを見せます。8回表、疲れの見える山本を攻め、平野のヒット、秋山の四球で4番清原がタイムリー。ツーアウトになるも、辻が内野安打で繋ぎ、8番の代打苫篠が2点タイムリーを放ちます。ここで、山本も降板します。
 9回表、ヒットの石毛がすかさず盗塁を決めると、中日から移籍したばかりの平野がツーベースヒット。さらに、「チャンスに強い」清原が2本目のタイムリーで、7点目を挙げます。
清原2
 が、いかんせん、点差が開きすぎており、リリーフの上原がそのまま、投げきって、7対12で中日が緒戦を物にしました。
 第2戦は、オリエントエクスプレスこと郭泰源と西武から移籍したばかりの小野のグレードB対決になります。
 先制は、西武でした。2回表、好調の清原がソロホームランで、1対0とします。2回は伊東が四球で出ると、セカンド宇野がエラー。辻がスクイズを決めて、2点目を取ります。
辻
 すると、その裏、中日が反撃に。ツーアウトから1番彦野のツーベース、仁村徹のタイムリー、ゲーリーのツーベース、4番落合のタイムリーと、怒濤の4連打であっという間に逆転に成功します。
落合2
 が、4回表、西武も負けじと、秋山のツーベース、バークレオのヒットで1・3塁とし、7番田辺がスクイズで、3対3の同点とします。
 その後、両投手は2回を抑え、ゲームは終盤に。
 7回裏、中日は絶好調の彦野のタイムリーで、1点を奪います。ここで、中日は郭源治を投入します。
 37セーブの守護神に苦労するかと思いきや、8回表、西武は秋山、バークレオの連打でチャンスを作ると、またもスクイズで同点!さらに、8番伊東がタイムリーを放って、5対4と逆転に成功します。
 8回から西武は、本来は先発の工藤を投入し抑えにかかりましたが・・・ゲーリーがヒットで出て、代走岩本が盗塁に成功します。主砲落合はきっちりとタイムリー・ツーベースを放って、同点!さらに、宇野のヒット、山田のスクイズで2点を加えます。
宇野
 9回表、郭源治はヒットを許し、1本出れば同点の危機を迎えますが、後続を冷静に打ち取ってゲームセット。5対7で、中日が連勝し、対戦成績を2勝とします。
郭源治
 第3戦は、舞台を西武ラインズ球場に移します。先発は森山(グレードC)対小松(C)です。この日は、本シリーズ初の投手戦となります。
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 西武は、2回裏、四球のランナーを送って、1アウト2塁とし、7番田辺がタイムリーツーベースを放ち、先制します。
田辺
 これを先発の森山が守り続け、6回まで好調中日打線を1安打で零封します。
 が、このシリーズで驚異的な粘り腰を見せる中日は、7回表、ゲーリー、落合、宇野の三連打で同点に追いつきます。
落合3
 続く、8回表、今度はランナーを2塁において、1番彦野がタイムリーを放ち、2対1と逆転します。さらに、9回表、ツーベースの落合を塁において、7番川又がタイムリーで3対1と突き放します。
 中日の小松は、2回の1失点以外は、西武打線を翻弄し、点を与えず。7回裏に2死1・2塁のピンチで、守護神郭にリリーフし、抑え込みます。そのまま、郭が9回まで投げ切り、初セーブ。3対1で、中日が優勝への王手をかけます。
 西武は絶対に負けられない第4戦に、工藤(グレードC)を投入します。中日は、ベテランの鈴木孝政(C)です。
 この大事な試合に、4番が抜群の働きをします。1回表、彦野が四球を選び、バントで送ると、主砲の落合がバックスクリーンに先制のツーランホームランを放ちます。その後、工藤は立ち直り、5回まで点を与えず。
落合
 一方の鈴木は、スコアリングポジションに度々、ランナーを出すものの、老獪なピッチングで、4回まで西武打線を抑え込みます。
鈴木孝政
 このままでは、ストレート負けになると奮起した西武は、5回裏、ヒットの平野を塁において、3番秋山が値千金の同点ツーランHRを放ちます。これで、ゲームは振り出しに。
秋山
 が、ここでも、中日の粘りが。続く、6回表、1アウトから彦野がツーベースを打つと、燻し銀仁村徹が勝ち越しのタイムリー!ここで、ライトの平野に痛いエラーが出て、さらに1点を献上。6番川又が止めのタイムリーを放って、5対2とします。
 西武は連打や連続エラーで、チャンスを作りますが、ゲッツーなどで後一本が出ず。ベテラン鈴木の前に、追加点を取れず、ゲームオーヴァー。
 5対2と、なんと4戦連続勝利の中日が、史実の劣勢を跳ね返し、ストレート勝ちで日本シリーズ優勝を決めました。
 MVPは、驚異の打率.500、1HR、4打点の彦野が獲得しました。敢闘賞は.313で2本塁打を打った秋山でした。
彦野
秋山2
 西武は、平野が.353、秋山が.313、石毛が.294の2盗塁と活躍しましたが、バークレオ、田辺が1割台で足を引っ張り、平均打率も.245と中日に抑え込まれました。投げては、先発の渡辺、郭、工藤が防御率5点以上で、ゲームが崩壊。平均防御率は5.56で、1試合に1本以上の本塁打を打たれたのも、響きました。
 一方の中日は、MVPの彦野に、同じく打率.500の落合、.333で1本塁打、5打点のゲーリー、.357の川又などがきっちりと得点を重ね。平均打率は.285で、26得点(!)と西武を圧倒。投手陣も、小野、小松、鈴木がゲームを作り、守護神郭も第1試合は打ち込まれるも、2戦目に零封。平均防御率は3.5点で、被本塁打もわずかに1本とがっちりと抑え込みました。

 今月のソロプレイ第4弾は、「熱闘12球団ペナントレース」(HJ)の1987年日本シリーズです。パリーグ優勝の西武ライオンズ対セリーグ覇者の読売ジャアンツの戦いです。
 西武ライオンズは、15勝の工藤(グレードA)と東尾(グレードB)に、13勝の郭泰源(グレードB)、先発・抑えも熟せる渡辺 (グレードB)の4本柱に、松沼博と横田がグレードCと充実した先発陣を誇ります。打撃陣では核弾頭の石毛、43本塁打の秋山、29本の清原、14本のブコビッチなどが強力ですが、規定打席で3割がおらず、平均打率は.249と確実性は低めです。監督は、広岡野球を継承した森祇晶で、敵の隙を突く用兵が持ち味です(史実での第6戦、ツーアウト1塁から単打での辻の生還は、あまりに有名)。
 一方の読売ジャアンツも、桑田のグレードAを筆頭に、江川、水野、加藤初のグレードBの先発に加え、抑えの鹿取が防御率1.90(グレードA)と光ります。打撃では、篠塚、クロマティ、原、吉村、中畑が3割超え(!)で、平均打率は.281と、巨人史上でも最強の部類に入ります。監督は、世界のHR王こと王貞治です。下馬評では、圧倒的に巨人が有利でした。
 第1戦は、パリーグのホームグランドの西武ライオンズ球場で、エース桑田(グレードA)と工藤(A)の対決です。
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 初回から、西武がしたたかさを見せつけます。ピッチャーのエラーで出塁した石毛が、すかさず、盗塁。ツーアウトになるものの、4番清原が先制のツーランホームランを叩き込みます。さすが、「チャンスに強い」清原。
清原2
 4回表、巨人は戦闘のクロマティがヒットで出ると、原の進塁打の後、6番「絶好調の」中畑がツーベースを放ち、1点を返し、1対2とします。
 すると、その裏、西武は今度はサードのエラーでブコビッチが出塁し、金森のバント処理で野手選択で、1・2塁とすると、7番田辺がきっちりタイムリーを放ち、1対3へ。
 そのブコビッチが、6回裏にはソロホームランを叩き込み、1対4に。
 終盤、ゲームが激しく動きます。7回表に、四球の中畑が盗塁すると、岡崎の代打鴻野が2点ホームラン!
 さらに、8回表、ヒットのクロマティを中畑がヒットで迎え入れ、ついに4対4の同点に追いつきます。中畑がこの日2つ目の盗塁を決めると、7番鴻野が逆転の一打を放ち、5対4とします。ここで、西武の先発工藤はノックアウトされます。
 その裏、今度は西武がしぶとく食い下がります。四球の金森を置いて、7番田辺が再逆転のツーランホームラン!ゲームは再び、西武リードで5対6に。
田辺
 最終回、8回途中からリリーフした森は、先頭の山崎を三振に取りますが、1番駒田に四球を与え、篠塚がヒットで1・2塁とします。ここで、西武は本来は先発の郭泰源を救援に投入しましたが・・・3番クロマティを三振に取るも、4番原が執念の内野安打で繋ぎます。そして、ここまでノーヒットの5番吉村。天才と言われたバッターが郭の剛速球を打ち返し、7対6と再々逆転に成功します。なんという、シーソーゲーム!
吉村2
 巨人は、ここまで6点を取られながら、試合を維持した(グレードを低下させなかった)桑田が粘りの投球で完投し、ゲームセット。ホームラン3本を浴びたものの、5安打、自責点3で、緒戦をアウェイの巨人が取りました。
 第2戦は、江川と東尾のグレードB対決になります。前半は、投手戦となり、ともにヒットは許すものの、要所要所を締め、責任投球回数の5回まで、0対0の零行進が続きます。
 6回表、均衡を破ったのは巨人でした。先頭の山倉が歩き、松本の進塁打で1アウト2塁とすると、1番駒田が値千金の先制ツーランを放ちます。さらに7回表、今度は吉村がライトスタンドにソロHRを叩き込み、3対0とリード。
駒田2
 西武は、7回裏、1アウトから清原が出ると、5番ブコビッチが左中間ツーベースを放ち、1点を返します。ここで、江川は降板し、リリーフエースの鹿取(グレードA)が後続を打ち取ります。
 負けられない西武は、8回裏、ツーアウトから石毛・広橋の連打で鹿取を攻め、2・3塁のチャンスを作りますが、ああ、主砲秋山が三振になります。
 9回表、今度は巨人原が貴重なソロHR!これがダメ押しとなり、鹿取が3人をきっちり締めて、ゲーム終了。巨人が2勝とします。西武は、ランナーを出して、積極的な盗塁を仕掛けましたが、走力5の秋山、4の苫篠が山倉に阻止されるなど、機動力を生かせず。
原2
 第3戦は、舞台をこの年最後の後楽園球場に移し、先発は渡辺(グレードB)対水野(B)です。
 序盤は、両投手とも粘りの投球で3回まで零行進が続きます。特に西武の渡辺は、4回裏まで一人もランナーを出さないパーフェクト・ピッチングです。
 4回表、西武は四球のランナーをおいて、不振の秋山がタイムリーツーベスを放ち、先制します。6回表には、「チャンスに強い」清原がソロホームランで貴重な追加点を挙げます。
秋山
 巨人も、5回裏に吉村が初ヒットを放つも、ゲッツーで断ち切れ。6回にはヒットの鴻野を送って、スコアリング・ポジションまで進めるも、あと一本が出ず。
 最終回、ツーアウトから篠塚がセンター前ヒットで出て、ホームランで同点の場面を作りましたが、クロマティが凡退し、2対0で西武が勝利しました。渡辺は、9回を散発4安打に抑え、完封勝利です。これで、西武は1勝2敗と初の勝ち星を挙げます。
渡辺2
 第4戦の先発は、オリエントエクスプレスこと郭泰源と「鉄仮面」加藤のグレードB対決です。この日は、激しいシーソーゲームになります。
  2回裏、巨人が原のツーベース、吉村のヒットで1・3塁とすると、中畑の併殺打の間に、1点を先制します。
 続く、3回表、西武はヒットの伊東をきっちり送り、2番西岡がセンター前にはじき返して、同点とします
 5回裏、巨人は、1アウトから好調鴻野がヒットで出ると、「意外性の男」8番山倉がツーラン・ホームランを放ち、1対3と再び、リードします。
 王手をかけられたくない西武は、6回表、ツーアウトから粘りの繋ぎで反撃に出ます。秋山が四球の後、すかさず、盗塁。ここで頼りになる4番清原がセンター前にはじき返して、同点!さらにブコビッチが四球を選ぶと、降格された6番石毛が奮起し、逆転のタイムリーヒットを放ちます。これで、西武は4対3と再逆転します。
石毛2
 7回は両投手が持ち直して、点を与えず。8回表、なんとか点が欲しい西武は、先頭の秋山に待望の1発が出て、巨人を5対3と突き放します。
 そして、9回裏、疲れの見える渡辺から先頭の原がツーベースで足掛かりを作り、6番中畑がヒットで、再び、1点差にします。鴻野は三振に倒れるも、8番山倉がヒットで繋ぎ、ツーアウト1・3塁とします。一打同点、長打でサヨナラの場面で、代打山本。ここで、西武は球威の落ちた渡辺から、横田にスイッチします。行き詰まる対決は・・・三振!からくも、5対4で接戦を物にした西武が、通算成績を2勝2敗の五分に戻します。
 ともに王手のかかった第5戦、桑田対工藤のエース(グレードA)対決となります。2回までは両投手を攻めあぐね、零のまま。
 3回裏、初ヒットは、なんと投手の桑田。すると、動揺した東尾の甘い球を見逃さず、1番駒田がバックスクリーンに、2点HRを叩き込みます。
駒田
 続く、4回裏、先頭の中畑がヒットで出塁すると、すかさず、盗塁を決めます。ここで、4番原がタイムリーを決めて、0対3と突き放します。
原
 西武も桑田を攻め、スコアリング・ポジションまで3度、ランナーを進めますが、要所を締められ、得点できず。
 その後、東尾も立ち直り、両軍とも点が取れない展開で、あっという間に最終回に、桑田が、1番から始まる打線を三者で打ち取り、ゲームセット。読売巨人軍が、優勝への王手をかけます。
桑田2
 ここで移動があって、再び、西武ラインズ球場へ。第6戦の先発は東尾(グレードB)対江川(B)の二度目の対決となります。序盤は、意地の投手戦となります。東尾は4回まで、ツーベースと単打の散発に抑え、点を与えず。江川もピンチを招くも、後続を断ち切って、スコアボードに零を並べます。
東尾
江川
 ゲームが動いたのは、中盤でした。5回表、クロマティがヒットで出ると、この日初先発の8番石井がタイムリーツーベースで、先制します。
 6回表は、篠塚のヒットと原の単打で1・3塁とすると、5番吉村がセカンド強襲で1点を追加します(記録はエラー)。続く、7回、こちらもエラーで出塁した鴻野を、石井が二打席連続のツーベースで、生還させます。これで、3対0に。
 8回には、原と吉村の連打でチャンスを作り、クロマティの併殺打の間に、1点を追加し、4対0と大きく優勝に前進します。
 最終回9回の裏、のらりくらりとここまで無失点の江川でしたが、1アウトから石毛がツーベースを放つと、田辺が左中間に一発を放ち、4対2と一矢報います。ここで、江川は降板します。
 引き継いだ鹿取は、絶対的抑えの力を発揮し、打者2人を打ち取って、試合終了。ジャイアンツが史実を覆し、87年の日本王者となりました。
鹿取
 MVPは、驚異の4割7分8厘、1HR、2打点の原が獲得しました。敢闘賞は、2割6分1厘ながら、チャンスで打点を挙げた田辺(1HR、6打点)でした。
原
田辺2
 西武は、3割以上の打者はおらず、平均打率.179と低迷。投手陣も、エースの工藤が防御率5.14点、東尾が4.15点と打ち込まれたのが痛かったです。それでも、与四球率は1.16と抜群の安定感で、4戦目に完封した渡辺など、トータルでは防御率3.57でした。
 一方の巨人は、4番原が打ちまくり、西武のお株を奪うような積極的な盗塁(のべ5盗塁)で、一本を繋いで合計で20点を獲得。これを防御率2.17の投手陣が支えて、優勝しました。エースの桑田が防御率1.50点、江川も1.84点でともに2勝を挙げ、抑えの切り札鹿取が無失点(2セーブ)など、投手陣の働きが大きかったです。

 今月のソロプレイ第3弾は、「熱闘12球団ペナントレース」(HJ)の1986年日本シリーズです。パリーグ優勝の西武ライオンズ対セリーグ覇者の広島東洋カープの戦いです。
 西武ライオンズは、ゲーム化されている83年以降、91年まで実に7回のペナント優勝を誇る黄金期に当たります。16勝の渡辺(グレードA)と抑えも任せられる郭泰源(グレードA)、工藤・川本のグレードBに、東尾のグレードCと、3人が10勝以上の強力な先発陣です。抑えには、若手の石井(グレードA)と先発兼任の郭泰源(グレードA)がいます。打撃陣では、打って良し、走って良し、守って良しの石毛・辻の1・2番コンビニ、41本塁打の秋山、3割30本越えの驚異の新人清原、一発のあるブコビッチ、シェアな打撃の片平、トレードで中日から来たベテラン田尾、出塁率の高い金森、岡村など、こちらもどこからでも得点できる強力な布陣です。
 一方の広島東洋カープも、18勝を挙げたエース北別府(グレードA)を筆頭に、川口、金石、長冨、大野(グレードB)と、4人が10勝以上で、西武以上の強力な投手陣です。リリーフも炎のストッパー津田(グレードA)と新人ながら中継ぎの要となった川端(グレードB)と高い安定感を誇ります。打撃では、衣笠が.205の不調、山本浩二も30本に届かないHR数など、往年の主軸の衰えはあります。が、成長著しい正田、走って守って打てる髙橋、山崎、シェアなバッティングの長島、長内、代打の切り札小川、走りのスペシャリスト今井など、こちらも様々な得点パターンのあるチームです。
 第1戦は、セリーグのホームグランドの広島市民球場で、エース北別府(グレードA)と渡辺久信(A)の対決です。
 先制したのは、広島。2回裏、四球の山本浩二を置いて、6番小早川がツーベースを放ち、1アウト2・3塁とします。ここでベテラン衣笠が犠牲フライを打ち上げ、0対1とします。さらに4回裏、先頭の髙橋がヒットで出ると、すかさず、盗塁。ここで、5番長嶋がツーベースで2点目を挙げます。小早川三振の後、再び、衣笠。が、ここで、突然、激しい雨が振り出し、試合は中断。結局、そのまま、やむことなく、雨天中止となりました。
 翌日、中止規定に従って、再び、第1戦となります。が、この日も朝からどんよりとした雲に覆われ、時折、小雨が混じる天候。必死のグランド整備が功を奏し、試合開始となりましたが・・・1回表、ツーアウトで秋山を迎えたところで、前日を彷彿とさせてる激しい雨に。この日もノーゲームとなり、日本シリーズ史上初の2戦順延となります。
 やっと迎えた3日目、晴れ上がった広島市民球場で、第1戦が開催されます。先発は、川本と金石のグレードB対決です。
第1戦
 1回裏、好調広島打線が火を噴きます。1番正田がセンター前ヒット、山崎が内野安打で1・2塁に。髙橋が併殺打に倒れますが、ここで4番山本浩二がレフトへの特大ホームランを叩き込み、0対2と先制します。
山本
 西武は、4回表、こちらも4番清原がソロアーチで、1点差とします。
 その裏、広島はヒットの長嶋を置いて、6番小早川が右中間へのHRで、1対4と突き放します。さらに、5回裏、山崎がツーベースで出塁すると、山本がセンター間ヒットで繋ぎ、5番長嶋が犠牲フライを打ち上げて、5点目を捥ぎ取ります。7回裏には、四球とヒットで1・3塁とし、セカンドのエラーで6点として止めを刺します。
 西武も、9回表にAK砲の秋山がソロHRを放ちますが、そこまで。金石が完投し、2対6で広島が先勝します。
金石
 第2戦は、西武の2枚看板郭泰源(グレードA)と長冨(B)の投げ合いになります。初回、いきなり、西武打線が爆発します。核弾頭石毛が先制のソロHRを放つと、ヒットの辻を塁において、3番秋山が見事なツーラン!さらに、4番清原が連続HRのアベック砲で4点目を取り、長冨をノックアウトします。
秋山2
清原3
 広島も負けじと、1回裏、ヒットの正田を置いて、髙橋慶彦が郭の直球をバックスクリーンに叩き込み、4対2と追い上げます。
 その後、郭が持ち直し、広島も白武-小林のリレーで、4回までは得点なし。
 本来なら勝利投手が決まる5回、動きがでます。西武が1アウトから連打で、1・2塁とすると、中日から移ったばかりの田尾が貴重なスリーランを放ち、7対2とします。
 が、その裏、再び、正田が出塁すると、3番髙橋がこの2本目のホーランを放ち、7対4とします。さすが、カラスが鳴かない日があっても、慶彦のティー(バッティング)が聞こえない日はない、といわれた「練習の虫」!
高橋
 その後、2回は両投手陣の踏ん張りで、落ちつくかに思えましたが・・・8回表、西武はリリーフの大野を攻め、田尾のツーベース、四球、代打清家の内野安打で満塁とします。ここで、1番石毛がなんと満塁HR !まさにとどめの一発に。
石毛2
 西武は、疲れに見えた郭を、8回裏から石井(グレードA)にスイッチし、そのまま、終了。11対4で、対戦成績を1勝1敗の5分に戻します。
 第3戦は、舞台を西武ラインズ球場に移し、先発は北別府(グレードA)対渡辺久信(A)の対決になります。
第3戦
 両エースの投げ合いとあって、試合は真っ向からの投手戦に。
 広島の北別府は緩急を付けた投球で、西武打線に的を絞らせず、なんと、6回までノーヒット・ピッチング。7回裏に、清原にツーベースを打たれたものの、その後も要所要所を締め、9回まで点を与えず。
北別府2
 一方の渡辺も、好調広島打線を相手に、ヒットは許すものの、あと1本を与えず。スコアリング・ポジションに5回、ランナーを進めますが、きっちりと後続を抑えて、こちらも零封。結果、本シリーズ初の延長戦に突入します。
渡辺2
 勝負が動いたのが、第11回表でした。先頭の山本が四球で出ると、ピンチランナー今井が盗塁を決め、6回目のチャンスを迎えます。ここで5番長嶋が、渡辺の初球を叩いて、先制のツーランホームラン!ついに、均衡を破ります。
長島
 その裏、北別府は代打金森、石毛、辻を凡打に打ち取り、ゲームセット。延長11回を投げ抜く見事な完投で、2対0と広島が再び、リードします。
 第4戦の先発は、工藤と川口のグレードB対決です。序盤は、ともに小数点を取り合う展開になります。
 2回裏、西武は先頭の4番清原が、川口の速球を捉え、ライトスタンドに放り込みます。 
 続く、3回表、今度は広島が四球のランナーを進塁打で進め、山崎のタイムリーで同点にします。さらに、4回表、このシーズン絶好調の髙橋慶彦がソロホームランで、2対1と逆転します。
 その裏、西武も反撃に出ます。2番辻がセンター前ヒットで出ると、すかさず、盗塁を成功させます。ここから、秋山・清原の連続ヒットで2点を加え、2対3と逆転します。5回裏、ツーベースの伊東をおいて、打率4割近くの1番石毛がヒットで、2対4と差を広げます。
石毛
 8回表、広島も意地を見せ、代打小川のヒットと進塁打、またも髙橋のタイムリーで3対4と追いすがりましたが・・・。
 その裏、西武が変わった川端を攻め、ツーベースとヒットで加点し、3番秋山が止めの3ランホームランを放ちます。さらに、ツーベースの清原をおいて、代打西岡がタイムリーで4点目を加え、勝利を決定づけます。
秋山
 西武は、8回途中からリリーフエースの石井が広島打線を抑え、3対8で勝利し、再び、勝敗を2勝2敗の5分に。
 ともに王手のかかった第5戦、先発は、前回完投の金石(グレードB)とシーズン初登板の東尾(C)の投げ合いになります。
 この試合も5回までは、がっぷり四つの取り組みになります。2回に広島が投手金石(!)のツーベースで先制すれば、その裏に西武は、スリーベースの西岡を伊東がスクイズで返し、1対1の同点に。
 5回表、正田・山崎の連打で作ったチャンスに、頼りになる男-髙橋がタイムリーで再び、2対1とリードをしますが、その裏に西武の核弾頭石毛がソロHRで、たちまち、同点に。
 すると、7回裏、疲れの見えた金石から石毛がツーベースを放ち、辻のタイムリーで西武が逆転に成功します。さらに、8回裏、リリーフの川端を攻め、伊東がツーランHRを放ち、2対5に。ここで、西武は防御率.000の守護神石井を投入し、勝負あったかと思われましたが・・・。
 9回表、広島は先頭の達川と代打小川の連続ツーベースで、1点を返し、3対5とします。それでも、石井は2人を打ち取り、あと一人までこぎ着けます。ここで、バッターは3番髙橋。狙い澄ました1発は、同点となるツーランHR!土壇場に来て、5対5と広島が奇跡的に追いつきます。なんという展開!!
高橋
 9回裏は、炎のストッパー津田が締めて、ゲームセット。5戦目が終わって、2勝2敗1引き分けと、両軍とも一歩も譲らず。
津田
 再び、広島市民球場に移って、王手のかかった第6戦に。先発は、西武の両エースの郭泰源(グレードA)とシーズン初先発の大野(グレードB)です。
第6戦
 初回、広島は山崎の内野安打と盗塁でスコアリングポジションにランナーを進めると、5番長嶋のツーベースで、幸先良く、先制します。その後、郭は自慢の剛速球で広島打線をねじ伏せ、7回まで一人もランナーを出さない好投を続けます。
長島2
 西武は4回まで苦労人大野の緩急を付けたピッチングに、あと一本が出ず。が、勝利のかかった5回表、西岡・田尾の連打で1・3塁とすると、8番伊東がスクイズを決め、同点とします。さらに、1番石毛がタイムリーを放ち、2対1と逆転に成功します。その後も、西武らしく、6回と7回に犠飛で1点ずつを取り、4対1と突き放します。
 負けられない広島は、8回裏に先頭の達川がツーベースで出塁すると、2番山崎がタイムリーで4対2と詰め寄ります。
山崎
 迎えた最終回、山本浩二が四球を選び、長嶋が倒れた後、小早川が打席に入ります。ここで、カープの若武者が値千金の同点ツーラン!最終回の同点劇で4対4に!その後は、郭に変わった石井が後続を断ち切って、終了。日本シリーズ史上初となる二試合連続の引き分けです。
小早川
 再々度、優勝への大手をかけた第7戦、ここは再び、渡辺と北別府の最強エース対決(ともにグレードA)となります。
第7戦
 初回はともに零封でしたが、前半から西武打線が火を噴きます。2回表、ショートのエラーでランナーが出ると、ここまで打率が2割切っていた5番ブコビッチが、目覚めのツーラン!次の打席でもヒットを打つなど、覚醒します。
ブコビッチ
 4回表、四球の清原に、ブコビッチがヒットで続き、6番西岡がスクイズを決めて、加点します。ここで、レフト山本に痛いエラーが出て、2・3塁に。8番伏兵の伊東が、思い切って振り抜くと、バックスクリーンへのスリーランHRに!これで、6対1と広島を大きくリードします。
 その後、広島は清川のロングリリーフに、白武と繋いで、西武打線を抑えます。
 が、広島打線は立ち直った渡辺久信に翻弄され、点が取れず。最終回にツーアウト1・2塁とチャンスを作りましたが、代打小川が三振に倒れてゲームセット。
渡辺
 このシーズン初めて西武が先制し、対戦成績を3勝2敗として、優勝への大手をかけます。
 歴代日本シリーズ初の第8戦は、同じく広島市民球場で開催されます。先発は、工藤と川口のグレードB対決です。
第8戦
 初回、好調の西武が先制します。1アウト後、辻・秋山の連打で1・2塁とすると、目覚めたブコビッチが、値千金のスリーランHR!さらに、3回表、ヒットの清原、四球のブコビッチをおいて、6番西岡がタイムリーで、4対0とします。
 なんとしても、追いつきたい広島でしたが、工藤の変化球に翻弄され、4回までわずかヒット1本に抑えられます。5回裏、先頭の小早川が前々日に続く、ホームランで1点を返します。が、後続が打ち取られ、追加点を奪えず。
工藤
 この頃から、またもや雨雲が広島地方を覆い、小雨の中で試合が続行となります。広島は2番手に川端を投入し、3回を零封します。
川端2
 そして、迎えた8回裏、先頭達川を打ち取ったところで、猛烈な秋雨に。なんとしても、試合を再開したかった広島球団ですが、そのまま、日没まで雨が降り続け、4対1のまま、無念の雨天コールド!
 結果、4勝2敗で西武ライオンズが、86年の日本シリーズを制覇しました。  MVPは、2つの完投勝利で、延長を含むのべ20イニングスを投げ抜いた渡辺久信です。防御率も1.35と文句なしでした。敢闘賞は、打率3割3厘で、4本のホームランを放ち、9打点(両チーム最多)を挙げた髙橋慶彦でした。
渡辺2
高橋
 西武は、石毛が3本塁打の8打点、秋山が4本塁打の7打点、ブコビッチが2本塁打の5打点、伊東が2本塁打の6打点、と、広島を大きく上回る13本の本塁打、40打点が効きました。また、清原が.344、西岡が3.75と高い打率で、チャンスメイクをしました。投げては、MVPの渡辺と工藤が2勝ずつ、(1試合のみ打ち込まれましたが)抑えの石井が4試合を零封。平均防御率は、投手王国らしい3.15でした。
 広島は、正田と敢闘賞の髙橋が.303、達川が.304、小早川が3本塁打5打点など、活躍しましたが、ベテランの山本浩二が.179、衣笠が.083と低迷。結果、総本塁打9本に、24得点と振るわず。投げては先発の金石、北別府が防御率3点以下、リリーフでは白武と清川が0点と奮闘しましたが、1アウトも取れず降板した長冨、8.10と打ち込まれた川端等、投手陣が崩壊。平均防御率4.75で、被本塁打14本と打ち込まれました。唯一、西武を上回ったのが盗塁で、トータル7はよかったです。
  それにしても、2日間の雨天順延や最終戦のコールドなど、これほど天候に左右されたシリーズは、初めてでしょう(珍プレイ好プレイの綾)。

 今月のソロプレイ第2弾は、「熱闘12球団ペナントレース」(HJ)の1984年日本シリーズです。パリーグ優勝の阪急ブレーブス対セリーグ覇者の広島東洋カープの戦いです。
 阪急ブレーブスは、21勝した最多勝の今井(グレードA)・勝ち星2位の山田(B)・佐藤(B)の強力先発陣に、抑えで力量を発揮した山沖(B)と、リーグ唯一の防御率3点台を誇ります。打撃では、俊足の盗塁王福本を筆頭に積極的な盗塁が多く、松永・ブーマー・弓岡の3割打者、HR20本越えの最優秀新人の藤田、簑田、ブーマーと、強力な破壊力を誇ります。なお、ブーマーはこの年、打率.355にHR37本、130打点で、戦後7人しかいない三冠王に輝いています。監督は、延べで20年(!)を務め、強力打線を育成し、常に優勝争いを続けた名将上田利治です。
 一方の広島東洋カープは、先発の北別府・大野・山根(グレードB)に、最優秀防御率を取った抑えの小林がAと、ほぼ同等の投手陣です。打撃では、俊足の1、2番コンビの高橋・山崎に、打率とHRともに主軸の山本浩二・衣笠、期待の新人小早川、シェアなバッティングの長嶋と、隙のない打線が魅力です。監督は、赤ヘル軍団の指揮官古葉竹織です。
 第1戦は、セリーグのホームグランドの広島市民球場で、エース今井(グレードA)と北別府(B)の対決です。
第1戦
 試合が動いたのは4回でした。広島はツーアウトながら山崎の四球と小早川のヒットで得点圏にランナーを進めますが、山本がサードゴロに。が、阪急の松永が、ここで痛恨のエラーで満塁に。鉄人衣笠がレストスタンドの満塁HRを打ち込み、一気に4点をもぎ取ります。これで、気落ちした今井は、4回に高橋のツーラン、5回に山本と長嶋のソロで8点を失います。
衣笠
 阪急も、8回にブーマー、簑田の連続ヒットで1、3塁とし、小林晋哉の内野ゴロで、1点を返しますが、そこまで。要所要所を抑えた北別府が1対9で完投し、広島が先勝します。
北別府
 第2戦には、佐藤義則と山根のグレードB対決です。1回、阪急が松永の一発で先制すると、2回裏に広島は、ヒット2本と二つの四球で満塁とし、木下、達川の連続スクイズで1対2と逆転します。阪急も5回に今度は伏兵福原のソロで、同点にします。
松永
 2対2で迎えた7回、またも福原がツーベースでチャンスを作ると、代打村上が勝ち越しのツーランHRを放ちます。
福原
 ここで阪急は抑えのエース山沖を投入しましたが、広島も木下、達川の連続ヒットで食い下がります。北別府に変わって、代打長内が、値千金のスリーベースヒット!さらに、高橋慶彦の進塁打の間に1点をもぎ取り、逆転します。
長内
 8回からは、広島のストッパー小林誠二がきっちりと閉め、接戦を物にした広島が4対5で連勝します。
小林
 第3戦は、舞台を西宮球場に移し、先発は大野(グレードB)対山田(B)です。両投手ともランナーは出すものの、粘りの投球で3回まで零行進が続きます。
第3戦
 4回表、ここに来て当たりの出てきた新人小早川が、先制のソロHRをたたき込みます。この援護を受けて、大野は6回まで点を与えず、投手戦が続きます。
小早川
 と、7回裏、負けられない阪急は、疲れの見えた大野から藤田がツーベースを放ちます。ここで、前試合にHRを打っている村上が、二日連続のツーランHR!さらに四球の福本を2塁において、松永がタイムリーを放って1対3に。8回には、藤田のとどめのツーランHRも飛び出し、1対5とリードを広げます。
 投げては、サブマリン山田久志が9回を投げ抜き、ゲームセット。阪急がやっと一矢を報いて、勝ち数を2勝対1勝とします。
山田久志
 両チームとも勝ち星にしたい第4戦の先発は、川口と宮本のグレードCです。この日は、激しいシーソーゲームになります。
 1回表、好調小早川のタイムリーで広島が先制し、4回にも衣笠の一発で2対0とします。その裏、阪急の松永、簑田がヒットでランナーを貯めると、6番小林晋が値千金の逆転スリーランを放ち、2対3と逆転します。
 が、直後の5回表、今度は広島の主砲山本浩二が、ツーアウトから再逆転のツーランHRを放ちます。
山本
 このままでは、終われない阪急は、8回裏、三冠王ブーマーがこのシリーズ初のHRで4対4の同点に!
ブーマー3
 が、9回表に再びドラマが待っていました。広島の4番遅咲きの山本が勝ち越しのツーラン!これを守護神小林誠二が守り切って、広島が6対4と3勝目をもぎ取り、優勝にお王手をかけます。
 阪急にとっては後がない第5戦は、壮絶な戦いに。初戦と同じ今井(グレードA)と北別府(B)の先発です。
第5戦
 立ち上がりの不安な今井が1回表に捕まり、高橋のヒット、四球、小早川のタイムリー、衣笠の犠飛、長内のタイムリーを浴び、3点を失います。
高橋
 その裏、阪急も福本がツーベースで出塁すると、3番松永のタイムリーで1点を返し、3対1とします。  
松永4
 粘る阪急は、3回裏にブーマーの犠飛、簑田のタイムリーで、3対3の同点に追いつきます。すると、5回表、今度は広島の4番山本浩二がタイムリーで、またも4対3とリードします。
 その後、両投手ともランナーを出しながら要所を閉め、ゲームは終盤に。このままでは敗北すると焦る阪急な、8回裏にツーアウトながら簑田が四球で出塁すると、6番小林晋が値千金の同点スリーベースヒット!これで、ゲームは4対4の振り出しとなり、ともに9回を零封して、シリーズ初の延長戦に入ります。
 10回裏、阪急が松永のツーベースでサヨナラのチャンスを作ると、広島は北別府を諦め、抑えの切り札小林を投入します。小林はきっちりとブーマー、簑田を打ち取って、11回へ。
 広島は11回表に山本のヒットと衣笠の四球で勝ち越しの機会を迎えますが、6番長嶋がゲッツーでチャンスを逃します。
 11回裏、あっさりとツーアウトを取った小林ですが、代打村上を警戒して四球を与えます。すでに規定の270分が過ぎようとしており、この回を抑えれば、引き分けになります。バッターは、打率わず.232の助っ人バンプ。が、小林が投じた一球を、バンプが外野後方に弾き返し、サヨナラのツーベースヒット!
バンプ
 結果として、阪急の先発今井が11回を投げ抜き、4対5の完投勝利で、勝ち数を2勝対3勝とします。
 シリーズは再び、広島市民球場に戻って、第6戦に。先発は、佐藤義則と山根のグレードB対決です。試合は、やはり、かなりの混戦になります。
 初回、先頭の福本がヒットで出塁し、すかさず盗塁。それを弓岡が送って、松永の犠飛で返します。その後もブーマーのヒット、簑田の四球と続き、小林晋のツーベースで2点目を獲得します。その裏、広島は好調小早川の一発で、2対1とします。
ブーマー
 4回裏、広島は衣笠、長内の連打でチャンスを作ると、達川のタイムリーで同点に。なんと、投手山根もヒットを放ち、2対3と逆転します。
 さらに5回、2番山崎がヒットで出ると、盗塁で2塁に進み、小早川がタイムリー。さらに6番衣笠もヒットで続き、6番長内がスリーベースヒットで加点。木下のスクイズもあって、3対7と突き放します。
小早川2
 7回も山本の四球に衣笠のヒットで1、3塁とすると、またも木下がスクイズでダメ押しとします。
 阪急も度々、スコアリング・ポジションまで走者を進めますが、後1本が出ず。8回にブーマーが、守護神小林誠二から、意地の一発を放つのがやっと。 
 そのまま、広島が4対8で逃げ切り、日本一となりました。
 MVPですが、4割1分7厘、3HR、7打点の山本が獲得しました。敢闘賞は、3割7分5厘、2HR、3打点のブーマーでした。
山本2
ブーマー3
 阪急は、盗塁数こそ5と上回りましたが、本塁打7本、平均打率は2割3分9厘で、広島に差が付きました。ブーマーが3割7分5厘、松永が3割4分8厘、後半2戦に出場したバンプが5割7分1厘と気を吐きましたが、福本、弓岡、藤田、福原が軒並み1割台と低迷し、主軸の得点に結びつけられませんでした。きっちり完投勝利したのも、わずかに2試合で、防御率は4.92と崩壊。特に、3試合に登板した抑えの山沖が、防御率9.02と打ち込まれたのが、響きました。
 対する広島は、山本が4割1分7厘、衣笠が3割4分8厘、小早川が3割3分3厘、長内が3割5分7厘と当たり、平均打率は2割8分でした。作ったチャンスを単打やスクイズ、犠打でこまめに加点し、総得点32点を獲得しました。投手陣では、北別府が18回1/3を投げ、防御率2.45でゲームを作り、抑えの小林が1敗はあったももの、1勝2セーブと期待通りの活躍をし、平均防御率は3.79で優勝を手繰り寄せました。

 今月のソロプレイ第1弾は、「熱闘12球団ペナントレース」(HJ)の1983年日本シリーズです。パリーグ優勝の西武ライオンズ対セリーグ覇者の読売ジャイアンツの戦いです。
 西武ライオンズは、先発の東尾、松沼兄弟、高橋のグレードB が4名と絶対的な抑えの森(A&C)という強力な投手陣です。打撃では、俊足石毛に、シュアな打撃の立花、山崎、スティーブに、一発のある田淵、テリー、太田と隙がなく、様々な形で得点が取れる優勝チームです。監督は、西武の黄金時代を築いた名将広岡達朗です。
 一方の読売ジャイアンツは、先発の加藤(グレードA)に江川(B)、抑えの角と新浦(B)と投手力ではやや劣ります。が、こちらも俊足松本に、好打者篠塚、吉村、中畑に、一発のある原、スミスと、3割打者が4名おり、平均打率では西武を上回ります。監督は、巨人での第一期の最後となる「情の人」藤田元司です。
 第1戦は、西武のホームグランドのライオンズ球場で、東尾対江川のグレードB対決です。1回表、巨人は2番篠塚のヒットと盗塁で、1アウト2塁と得点のチャンスを迎えますが、ああ、ランナーが牽制でタッチアウトに。その裏、西武が立花のヒットとスティーブの四球で1、2塁とすると、5番テリーが先制のタイムリーできっちり先攻します。その後、両チームともランナーは出すものの、先発投手が要所を抑え、零行進が続きます。
第1戦
 次に試合が動いたのは、5回裏でした。ピッチャー強襲でグレードC になった江川を攻め、立花が狙い澄ましたソロHR を放ちます。スティーブの四球、田淵の内野安打でツーアウトながら1、2塁を作ると、再び、テリーのタイムリーで3点差とします。
立花
 巨人もヒットや代打山本のツーベースなどでチャンスは作りますが、先発東尾が老獪な投球で点を与えず。そのまま、完封し、3対0で西武が緒戦をものにします。
東尾
 負けられない巨人は、第2戦にエースの「鉄仮面」加藤(グレードA)を投入します。一方の西武は、「オトマツ」こと松沼雅(B)です。1回裏、西武は立花から田淵までの三連打で、1点を先制します。巨人も松本、篠塚の連続出塁でチャンスは作るものの、ダブルスチールに失敗するなど、嫌な流れが続きます。
田淵3
 これを一蹴したのが、4回でした。スミスの四球、原のヒットで1、2塁とすると、6番吉村が同点のツーベースヒット!さらに、河野がスクイズを決め、2対1と逆転します。6回には、先頭のスミスがソロで突き放し、6番吉村が犠牲フライで加点し、4対1とリードを広げます。
吉村
 先発加藤は尻上がりに調子を上げ、6回以降はヒット1本の好投で9回を投げ切り。そのまま、巨人が勝利し、勝率を五分に戻します。
加藤初
 第3戦は、舞台を後楽園球場に移し、先発は高橋(グレードB)対西本(C)です。ともに1回は点を与えずも、2回に西本が捕まります。田淵のヒットの後、7番山崎が先制のツーランHR。すると、その裏、ジャイアンツもスミスの一発で1点差とし、ツーアウト3塁で、なんとピッチャー西本が同点タイムリー。
第3戦
 が、3回、総合的な破壊力で上回る西武打線が、火を噴きます。立花、石毛、スティーブ(走塁死も)の3連続ヒットで1点を取ると、4番田淵がこれぞ主砲というツーランHR!
田淵
 その裏、ジャイアンツも篠塚の一発で、2点差にしますが、4回以降は、リリーフした新浦と先発高橋が投手戦を展開し、点差は変わらず。8回、西武はスティーブのヒットの後、5番テリーにも一発が出て、7点目。さらに、気落ちした鹿取から、立花・石毛の連続ヒットと田淵、テリーのタイムリーでさらに3点を加えます。
terry
 先発の高橋は、4回以降はノーヒットの圧巻の投球で、ゲームセット。10対3で、西武が圧勝します。
 両チームとも勝ち星にしたい第4戦の先発は、「アニヤン」松沼博(グレードB)対槇原(C)です。この日も先制したのは、西武。2番石毛が快足を生かして、スリーベースを取ると、スティーブがあっさり決めて、1対0とします。
スティーブ
 3回も同じように、石毛のツーベースに、スティーブのタイムリーで2点目。4回は、遊撃手のエラーで2塁に進んだテリーが、ヒットとスクイズで生還し、3対0とリードを広げます。その後も、5回に主砲田淵の3ランHR、7回に二打席連続のツーランで試合を決めます。
田淵2
 ジャイアンツは、4回に好調篠塚がソロHRを放つものの、タイムリーが出ず。そのまま、松沼博が8対1で完投し、西武はついに日本一へ王手をかけます。
篠塚
 巨人にとっては後がない第5戦は、初戦と同じ東尾(グレードB)と江川(B)の先発です。五度目の先制をしたのは、西武ライオンズ。1回、四球の石毛を置いて、スティーブがツーランHRを放ちます。
 本当に後がなくなった巨人は、ここで意地を見せます。2回に、眠れる主砲の原が目覚めのソロHR!4回には、レジー・スミスのツーランで逆転し、この日からスタメンに座った駒田が初HRと、一発攻勢で西武を突き放します。
原2
 気落ちした東尾から、なんと投手江川がソロHR を打ち込むと、なんと7回には永射からタイムリー(!)と打者顔負けの活躍。投げては、4回以降、パーフェクトピッチングで、波に乗る西武打線を翻弄し、2対6で完投勝利します。
江川
 第6戦は、再び、西武ライオンズ球場に戻ります。西武は、再び、グレードB投手の松沼雅です。巨人は迷いに迷いましたが、最終戦を考えて加藤を温存し、グレードCの鹿取を先発させます。
 序盤は両投手が見事なピッチングを披露し、鹿取は先発起用に答えて、5回まで西武打線を零封します。松沼雅も4回に駒田の一発を浴びたものの、最低失点で切り抜け、5回が終わって1対0と接戦になります。
鹿取
 が、三巡目を迎えた鹿取が、6回に捕まります。先頭の石毛が四球で出塁すると、絶好調の立花、スティーブが連打で同点に。ここで巨人は鹿取を諦め、新浦(グレードB)にスイッチしましたが、田淵の四球で満塁になったところで、テリーの満塁弾!一気に5点を失います。7回にも、リリーフ橋本が打ち込まれ、スティーブ、田淵のタイムリーで、1対7に。
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 巨人も毎回、ランナーを出し食い下がりますが、要所要所を松沼雅に抑えられ、どうしても得点できず。12安打を放ったにもかかわらず、得点はHRの1点のみと拙攻が響き、最後のバッター篠塚がダブルプレイで打ち取られ、ゲームセット。名将広岡の率いる西武ライオンズの優勝となりました。 
松沼雅
 MVPですが、3割3分3厘、3HR、11打点の田淵が獲得しました。敢闘賞は、3割8分5厘、2HR、2打点の篠塚でした。
田淵
篠塚2
 巨人は、本塁打こそ9本と西武を上回りましたが、平均打率はわずかに2割1分9厘でした。篠塚が3割8分5厘、駒田が5割5分6厘、HRはともに2本と気を吐きましたが、主軸の原、スミス、中畑、吉村が1割台と低迷したのが響きました。完投はわずかに2試合で、防御率は5.37と崩壊状態でした。
 対する西武は、平均打率は2割5分2厘で、スティーブが4割7分6厘、立花が3割8分5厘、田淵が3割3分3厘、山崎が3割と、4人が3割越えに。特に、MVPを取った田淵は3HRに11打点、打率は2割ですがテリーも2HRで9打点と、ここ一番の主砲の働きが光りました。防御率は2.50で、完投が4試合と先発投手が期待通りの活躍をしました。

 プロ野球をこよなく愛するちはら会では、「熱闘12球団ペナントレース」(HJ/同人)を使用して、ワンディトーナメントやオリジナル日本シリーズなど、これまで数々の対戦をしてきました。手軽でシンプルなルールが受けて、史実を元に思い入れたっぷりのオーダーを組んだり(俺はホークスしかプレイしない!とか、90年代のヤクルトがいいとか、4番は絶対、柏原とか)。
柏原
 逆に全く野球を知らずともできるため、「あいうえお打線」(五十音順!)とか「ABCD打線」(アルファベット順!)とか、「守備位置打線」とか、贔屓チームのファンが聞いたら、怒り心頭のギャグ打線などなど(困ったことに、これがそこそこ強い)。
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 今回、思い切って、新たに「プレイオフ・CXシリーズ・日本シリーズ」の史実再現シリーズを「開幕」することにしました。ベースは「熱闘12球団ペナントレース」で、足りない年度は「THE BIG野球」(HJ/同人)とプロフェショナル・ベースボール(同人)を使用し、83年から現在までの40年間以上の史実再現に挑戦します。このうち、85年、2019年、2020年の3年分は、すでにプレイ済みで、実質、37年間分となります。
 この企画のために、全ての年度の戦績を調べ、専用の投手ロースターを作成しました。
 ちはら会に参加できるプロ野球ファンのみなさんの参加を、お待ちしています。なお、mitsuが阪神タイガースファンのため、これに関するシリーズの多くは対戦済みです(85年の阪神タイガース対西武ライオンズ戦は、人生で何十回、プレイしたことか!)。まだ、未プレイのシリーズの立候補をお待ちしています。
 ★:対戦済み ☆:ソロプレイ済み

83年
  日本シリーズ 読売ジャイアンツ対西武ライオンズ
84年
  日本シリーズ  広島東洋カープ対阪急ブレーブス
85年
 ★日本シリーズ 阪神タイガース対西武ライオンズ
86年
  日本シリーズ  広島東洋カープ対西武ライオンズ
87年
  日本シリーズ 読売ジャイアンツ対西武ライオンズ
88年
  日本シリーズ 中日ドラゴンズ対西武ライオンズ
89年
  日本シリーズ 読売ジャイアンツ対近鉄バッファローズ
90年
  日本シリーズ 読売ジャイアンツ対西武ライオンズ(THE BIG野球)
91年
  日本シリーズ 広島東洋カープ対西武ライオンズ(THE BIG野球)
92年
  東京ヤクルトスワローズ対西武ライオンズ(PFB)
93年
  東京ヤクルトスワローズ対西武ライオンズ(PFB)
94年
  読売ジャイアンツ対西武ライオンズ(PFB)
95年
  日本シリーズ 東京ヤクルトスワローズ対オリックスブルーウェーブ
96年
  日本シリーズ 読売ジャイアンツ対オリックスブルーウェーブ
97年
  日本シリーズ 東京ヤクルトスワローズ対西武ライオンズ
98年
  日本シリーズ  横浜ベイスターズ対西武ライオンズ
99年
  日本シリーズ  中日ドラゴンズ対福岡ダイエーホークス
00年
  日本シリーズ 読売ジャイアンツ対福岡ダイエーホークス
01年
  日本シリーズ 東京ヤクルトスワローズ対近鉄バッファローズ
02年
  日本シリーズ 読売ジャイアンツ対西武ライオンズ
03年
  日本シリーズ 阪神タイガース対福岡ダイエーホークス
04年
  パリーグプレイオフ1st 西武ライオンズ対北海道日本ハムファイターズ
  パリーグプレイオフ2nd 福岡ダイエーホークス対1st勝者
  日本シリーズ 中日ドラゴンズ対パリーグ覇者
05年
  パリーグプレイオフ1st 千葉ロッテマリーンズ対埼玉西武ライオンズ
  パリーグプレイオフ2nd 福岡ダイエーホークス対1st勝者
  日本シリーズ 阪神タイガース対パリーグ覇者
06年
  パリーグプレイオフ1st 福岡ダイエーホークス対埼玉西武ライオンズ
  パリーグプレイオフ2nd 北海道日本ハムファイターズ対1st勝者
  日本シリーズ 中日ドラゴンズ対パリーグ覇者
07年
  パリーグCXシリーズ1st 千葉ロッテマリーンズ対福岡ダイエーホークス
  パリーグCXシリーズFinal 北海道日本ハムファイターズ対1st勝者
  セリーグCXシリーズ1st 中日ドラゴンズ対阪神タイガース
  セリーグCXシリーズFinal 読売ジャイアンツ対1st勝者
  日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者
08年
  パリーグCXシリーズ1st オリックスバッファローズ対北海道日本ハムファイターズ 
  パリーグCXシリーズFinal 埼玉西武ライオンズ対1st勝者
  セリーグCXシリーズ1st 阪神タイガース対中日ドラゴンズ
  セリーグCXシリーズFinal 読売ジャイアンツ対1st勝者
  日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者
09年
  パリーグCXシリーズ1st 東北楽天ゴールデンイーグルス対福岡ソフトバンクホークス
  パリーグCXシリーズFinal 北海道日本ハムファイターズ対1st勝者
  セリーグCXシリーズ1st 中日ドラゴンズ対東京ヤクルトスワローズ
  セリーグCXシリーズFinal 読売ジャイアンツ対1st勝者
  日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者
10年
  パリーグCXシリーズ1st 埼玉西武ライオンズ対千葉ロッテマリーンズ
  パリーグCXシリーズFinal 福岡ソフトバンクホークス対1st勝者
  セリーグCXシリーズ1st 阪神タイガース対読売ジャイアンツ
  セリーグCXシリーズFinal 中日ドラゴンズ対1st勝者
  日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者
11年
  パリーグCXシリーズ1st 北海道日本ハムファイターズ対埼玉西武ライオンズ
  パリーグCXシリーズFinal 福岡ソフトバンクホークス対1st勝者
  セリーグCXシリーズ1st 東京ヤクルトスワローズ対読売ジャイアンツ
  セリーグCXシリーズFinal 中日ドラゴンズ対1st勝者
  日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者
12年
  パリーグCXシリーズ1st 埼玉西武ライオンズ対福岡ソフトバンクホークス
  パリーグCXシリーズFinal 北海道日本ハムファイターズ対1st勝者
  セリーグCXシリーズ1st 中日ドラゴンズ対東京ヤクルトスワローズ
  セリーグCXシリーズFinal 読売ジャイアンツ対1st勝者
  日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者
13年
  パリーグCXシリーズ1st 埼玉西武ライオンズ対千葉ロッテマリーンズ
  パリーグCXシリーズFinal 東北楽天ゴールデンイーグルス対1st勝者
  セリーグCXシリーズ1st 阪神タイガース対広島東洋カープ
  セリーグCXシリーズFinal 読売ジャイアンツ対1st勝者
  日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者
14年
  パリーグCXシリーズ1st オリックスバッファローズ対北海道日本ハムファイターズ 
  パリーグCXシリーズFinal 福岡ソフトバンクホークス対1st勝者
  セリーグCXシリーズ1st 阪神タイガース対広島東洋カープ
  セリーグCXシリーズFinal 読売ジャイアンツ対1st勝者
  日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者
15年
  パリーグCXシリーズ1st 北海道日本ハムファイターズ対千葉ロッテマリーンズ
  パリーグCXシリーズFinal 福岡ソフトバンクホークス対1st勝者
  セリーグCXシリーズ1st 読売ジャイアンツ対阪神タイガース
  セリーグCXシリーズFinal 東京ヤクルトスワローズ対1st勝者
  日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者
16年
  パリーグCXシリーズ1st 福岡ソフトバンクホークス対千葉ロッテマリーンズ
  パリーグCXシリーズFinal 北海道日本ハムファイターズ対1st勝者
  セリーグCXシリーズ1st 読売ジャイアンツ対横浜NeNAベイスターズ
  セリーグCXシリーズFinal 広島東洋カープ対1st勝者
  日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者
17年
  パリーグCXシリーズ1st 埼玉西武ライオンズ対東北楽天ゴールデンイーグルス
  パリーグCXシリーズFinal 福岡ソフトバンクホークス対1st勝者
  セリーグCXシリーズ1st 阪神タイガース対横浜NeNAベイスターズ                
  セリーグCXシリーズFinal 広島東洋カープ対1st勝者
  日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者
18年
  パリーグCXシリーズ1st 福岡ソフトバンクホークス対北海道日本ハムファイターズ
  パリーグCXシリーズFinal 埼玉西武ライオンズ対1st勝者
  セリーグCXシリーズ1st 東京ヤクルトスワローズ対読売ジャイアンツ
  セリーグCXシリーズFinal 広島東洋カープ対1st勝者
  日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者
19年
 ★パリーグCXシリーズ1st 福岡ソフトバンクホークス対東北楽天ゴールデンイーグルス
 ★パリーグCXシリーズFinal 埼玉西武ライオンズ対1st勝者
 ★セリーグCXシリーズ1st 横浜DeNAベイスターズ対阪神タイガース
 ★セリーグCXシリーズFinal 読売ジャイアンツ対1st勝者
 ☆日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者
20年
 ☆パリーグCXシリーズ 福岡ソフトバンクホークス対千葉ロッテマリーンズ
 ☆日本シリーズ 読売ジャイアンツ対パリーグ覇者 
21年
  パリーグCXシリーズ1st 千葉ロッテマリーンズ対東北楽天ゴールデンイーグルス
  パリーグCXシリーズFinal オリックスバッファローズ対1st勝者
  セリーグCXシリーズ1st 阪神タイガース対読売ジャイアンツ
  セリーグCXシリーズFinal 東京ヤクルトスワローズ対1st勝者
  日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者
22年
  パリーグCXシリーズ1st 福岡ソフトバンクホークス対埼玉西武ライオンズ
  パリーグCXシリーズFinal オリックスバッファローズ対1st勝者
  セリーグCXシリーズ1st 横浜DeNAベイスターズ対阪神タイガース
  セリーグCXシリーズFinal 東京ヤクルトスワローズ対1st勝者
  日本シリーズ セリーグ覇者対パリーグ覇者

 まだ、寒暖差は大きいですが、日差しは確実に強さを増しています。5月のちはら会の予定が決まったので、お知らせします。

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[日時]5月6日(土)10:00-20:00
[会場]おゆみ野公民館 第2講習室

[住所]千葉市緑区おゆみ野中央2丁目7-6
[アクセス]
 京成電鉄千原線「学園前駅」または「おゆみ野駅」から徒歩10分
 または、JR鎌取駅発小湊鉄道バスでおゆみ野中央二丁目バス停降り、徒歩1分(20~30分おき)
[参加費]無料
[持ち物]ゲームとゆとりと常識


 前回、基本ゲームをクリアした「魔法帝国の興亡」(エポック)。上級ゲームは、それほど難易度は上がらず、イベント等による変化が多く、基本より楽しめます。ドランゴンの襲来や巨人族の登場、悪魔軍団の襲撃など、だいたい、ろくなイベントはないんですが、それもらしくてよし!回復がスムーズなクレリックや罠をよけやすいシーフなどの種族や下級魔法を使える魔法軍団など、プレイヤー有利なルールもあり。こちらは、インストできます。
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 これも、準備が遅れていますが、やってみたいのが、「明日なき世界2」(CMJ)。ちょっとインストは、無理ですが、どなたか、ソロでもした方がいれば・・・。
title (1)
 あとは、コロナ禍でポチってしまった「海カタン」とか、「エンデバー」とか、「ボーダーライン」とか、妙なマルチ系が、間に合えば。

 最後に次回以降の予定を。 
 6月3日(土)10:00-20:00 おゆみ野公民館:第2講習室
 7月1日(土)10:00-20:00 誉田公民館:工作室

 いつものおゆみ野公民館が、7月から9月までエアコン工事で、使えるけど、尋常でなく熱いそうで。根性入れて、リアル砂漠戦かと思いましたが(うそ)、みなさん、「危険がアブナイ」年齢なので、一時的に他の公民館を借ります。工作室は、4テーブルなので、みなさん、譲り合って使いましょう。

 この日の最後の対戦が「魔法帝国の興亡」(エポック)シナリオ5「ドラゴン・スレイヤー」です。基本ルールの最終シナリオで、文字通り、ドラゴンを倒したプレイヤーが勝利します。
 が、当然、ドラゴンは強力無比でして、レベル12は伊達ではない!攻撃力5、防御力9、耐久力6の上、遭遇した途端に炎の息で2ダメージを喰らいます。かつ、-1修整の下級魔法を放ちます。
 これに勝つには、ヒーローが同等レベルに成長し、かつ、有効なマジックアイテムか、魔法を使用しない限り、困難です。よって、各陣営はヒーローの成長とアイテムの獲得に傾注します。陣営は、青(mitsu)・黄(平)・緑(風見鶏)・紫(oha)です。
  序盤、各ヒーローは片っ端から地下迷宮に飛び込み、モンスターを狩ってレベル上昇を目指します。最も順調だったのは紫(oha)で、ちょうどよいダンジョンレベルとモンスターが来て、順調にL4に成長します。続いて、経験のある黄(平)が、レベルチェックに恵まれないものの、繰り返しの探索でL3に到達。緑(風見鶏)は、いきなり凶悪なモンスターに呪いをかけられ、1回は死亡するも、蘇り。ついていなかったのは青(mitsu)で、やたらと強力な精霊系やスペシャルダンジョンばかりに巡り合わせ、イベントによるL2上昇に止まります。
序盤
 ゲームになれてきた中盤、各ヒーローは効率よく探索を進めるようになり、レベルも急激に上昇します。青(mitsu)はやっと順当なモンスター(?)に巡り会い、成長drも好調で一気にL8に。緑(風見鶏)は、スペシャルダンジョン「試練の塔」の飛び込み、全て対象を待ちに送り届けるというクエストにも恵まれ、L7へ。黄(平)も、ほどよい敵を倒しまくり、熟練のバランスでL7へ。が、ここにきて、トップを走っていた紫(oha)が不調に。飛び込むダンジョンはクエストが多く、成果を上げられず、L5に止まります。
早くも、火の山が明らかになるが・・・
 これぐらいになってくると、通常のダンジョンではモンスターが逃げ出してしまうため、金は貯まれど、成長ができなくなってきます。新たな手立てとして、スペシャルモンスターを倒すか、領土を拡張を行い、1の成長チェックにかけるのが、トレンドに。
 緑(風見鶏)は、大陸の北部に領地を広げ、かつ、ダンジョン探索を継続し、L8へ。平は南部に拠点を築き、かつ、ペシャルモンスターを倒して、こちらもL8へ。青(mitsu)は、北方の島を制覇し、大陸でも領土を拡大。自領土ならダンジョンを全て見れるので、効率的に高レベルダンジョンやスペシャルモンスターを狙って、成長を続けます。これで、一歩、抜けだし、L11に達します。
中盤、青が領土拡張 G獲得とダンジョン情報の収集
 が、それでも、ドラゴンと闘うには、まだ、十分とはいえず。これまでに貯めに貯めたゴールドを放出して、秘技(?)「アイテムカード」買い付けを実行。スペシャルモンスター狩りと合わせて、合計7枚のカードを獲得し、防御力+2と攻撃回数を2回にできるアイテムをゲットして、いざ、鎌倉(火の山)へ!
終盤戦
 ヒーローはいきなり、炎を浴びて、2ダメージを受けながらも、ダブル攻撃を繰り返し、ドラゴンを負傷させます。が、ドラゴンの反撃も凄まじく、魔法-1の修整も祟って、ともにダメージ5の瀬戸際に。ヒーローが先に叩くか、ドラゴンが生き延びるか、結果は・・・ヒーローの攻撃成功!ギリギリで最強の魔物を倒した青(mitsu)の勝利となりました。ああ、危なかった!!
ついにドラゴンを覆滅!
 これで基本ルールのシナリオは制覇したので、次回は上級ルールで行ってみたいです。多少のルール変更はありますが、時間的にはほぼ変わりなく。イベントや役に立つ種族や軍隊も多く、基本より充実したプレイになるのは、ソロ演習済みです。

 続いて、ちはら会の十八番「Ships&Tactics」(グループ乾坤一擲)を4人でプレイすることに。陣営は、自由惑星連合軍(平)・地球防衛軍(mitsu)・銀河帝国軍(oha)・エゥーゴ(風見鶏)です。
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 序盤、強力な防御カード(アステロイド・ベルト)が来た地球防衛軍(mitsu)は、ヤマトに斎藤(白兵戦値A)を載せると、宇宙海賊よろしく、接舷戦闘を仕掛けます。幾多の攻撃を掻い潜って、最もVPの高いトリスタンを拿捕します。その後、VP狙いで各陣営が攻撃をかけてきますが、古代と加藤が空中戦で艦載機攻撃を防ぎ、2発のビームを空間磁力メッキで弾き、飽和攻撃を小ワープで凌ぎます。が、最後は、ミラクル・ヤンの高い攻撃修正を喰らって、爆沈。ちょうど、手札に波動砲が来ていただけに惜しかった!
序盤
 その後は、自由惑星連合軍(平)がヤンの魔術で、囮艦隊や攻撃修正、防御修整を存分に使って、敵を沈めていきます。銀河帝国軍(oha)も、中盤にラインハルト、ロイエンタール、ケンプが揃って、通常攻撃で得点を稼ぎます。唯一、エゥーゴ(風見鶏)はパイロットが手札を圧迫し、効率的な攻撃ができず。
 エゥーゴ(風見鶏)は、終盤にZZ、ゼータ、百式を投入して、突撃体制のトリグラフを狙いましたが、ヤンの防御効果で落ちず。が、防御カードが枯渇したところで、地球防衛軍(mitsu)が飽和攻撃をかけ、これを撃沈。ここで、ゲーム終了。
突出したトリグラフを狙うが・・・
 序盤から点を稼いだ地球防衛軍(mitsu)が130点を取って勝ちかと思いきや、なんと、自由惑星連合軍(平)が132点(!)と鼻の差で勝利!ああ、ヤマトを沈められたのが痛かった。でも、各陣営らしさは出ていたので、これも楽しかったです。
終了時

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